JP3597878B2 - 雰囲気炉の排ガス吸引装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、リフロー装置,フローディップ装置等の各種熱処理炉ならびに雰囲気炉における被処理物からの発生ガスないし排ガスの吸引装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば電子部品をプリント基板にリフロー半田付けするリフロー装置について説明する。
【0003】
最初にリフローによる半田付けについて述べる。リフロー半田付け工法とは粉末状の半田金属粒子を松脂および高級アルコール等を主成分としたフラックスと混ぜ合わせることによってクリーム半田と呼ばれるペースト状にし、このクリーム半田を電子回路のプリント基板に形成されている電極部に印刷・塗布し、その上に部品のリード端子が電極部と一致するように電子部品を載せる。以上の工程を経た電子部品を装着した基板を、最後にリフロー装置の炉に投入し半田を溶融される。リフロー炉内は、搬送方向に従って複数の加熱ゾーンに分けられ、各ゾーンは半田付け品質,電子部品の信頼性の観点から適正な温度加熱を基板に対して行うよう個別に温度設定がなされている。150℃程度で60〜180秒の予熱工程,210〜240℃程度のリフロー工程を経てプリント基板上のクリーム半田は熱で溶融される。このとき、フラックス成分は、予熱工程では主に高級アルコール等の溶剤成分、リフロー加熱工程では松脂などの樹脂固形分がそれぞれ分解,蒸発気化されるが、これがフラックス・ヒュームとなる。
【0004】
炉中で発生したフラックス・ヒュームは、そのまま放置すると炉内に充満し、(1)雰囲気より低い温度の炉壁部分にて凝縮・付着し、リフロー加熱中のプリント基板に垂れるなどのトラブルを生じる。または(2)リフロー炉の入口,出口の開口部から室内へ漏出し、悪臭源となるなどの問題を生ずる。
【0005】
従来のリフロー装置の場合を図8を用いて説明する。リフロー炉内27の雰囲気は大気のままで、炉内と外部との間に空気の移動があっても支障ない。したがって、図8に示すように炉中の任意の場所に1箇所から3箇所、煙突排気口10を設け、室内空調ダクト15を通じ、フラックス・ヒュームを含んだ排ガス25を外部へ排気する。
【0006】
また近年、盛んに導入されている窒素雰囲気のリフロー装置では、炉体内部を窒素で満たし、低酸素濃度の雰囲気を実現している。リフロー炉内に窒素ガスを供給流入するため、リフロー炉の入口および出口より、炉外にフラックス・ヒュームを含んだ排ガス25が流出する。しかも従来の大気雰囲気のリフロー装置における煙突排気口10からの排気はリフロー炉の入口および出口からの外気の巻き込みを生ずるため、あまり使用できない。したがって、リフロー炉の入口および出口には排気ダクトフード1,12を設け、排気ブロワー9にて強制的にリフロー炉の入口および出口の空気を排気する手段がとられていた。
【0007】
いずれにおいても、従来では雰囲気炉の入口および出口に排気用のダクトないしホースが、装置排気ファンあるいは室内排気ダクトから直接伸び、吸気面には、図7に示すように内側が中空であるフード11のみ上面に設置されていた。また搬送方向のダクト開口寸法も50mm程度であった。また、排気ダクトは排気ブロワー,室内排気ダクトに直結され、フィルター等は設置されていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のように吸気面へ内側が中空であるフードを用いると、図7に示すように(1)排気ダクト接続部から搬送面上の吸引面の各場所までの距離が同一ではないために、吸引面での吸引風速16は不均一となり、排気ダクト接続部より離れたところでは、吸引力が弱いので炉内から排出される排ガスを吸引できずに漏出してしまう。このため、作業者の悪臭による被害およびリフロー炉の入口および出口では、装置下部や周辺機器への大量のフラックスの凝縮・付着により電気制御部のトラブルを起こしていた。
【0009】
また、(2)排気ガスを漏れなく回収するために、吸引面において排気ガスを捕捉するのに必要な風速を得るためには、多大な排風量が必要となり、そのために容量の大きな排気ブロワーが必要となっていた。ところが、それに反して風量を多くすると、炉内から必要以上の雰囲気ガスを吸引し、そのため炉内へ外気が入り込み窒素リフローの場合、炉の中の酸素濃度を悪化させるという問題があった。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑み、窒素リフロー装置をはじめとする各種電気炉において、すべてのフラックス・ヒュームを完全に吸引し、清浄な作業環境とするとともに、基板へのフラックス・ヒュームの液垂れもなく、最小限の排気風量で、しかも炉内の雰囲気状態を悪化させることなく、安定な雰囲気状態を作り出すことができる排ガス吸引装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の手段は、雰囲気炉において被処理対象物を搬送する搬送レールの上方に、該搬送レールに対向するように吸引開口面が設置され、かつ排気ブロワーに排気ホースを介して接続された吸引フードにより、雰囲気炉における排気ガスを吸引して外部に排出する排ガス吸引装置であって、前記吸引フードの気流通路内に、吸い込み風を案内する複数の整流板を、前記搬送レールの設置領域外から前記被処理対象物の搬送方向に対して略直交する方向から前記搬送レールの上方に延出するように積層状に設け、さらに各整流板の間隔寸法が異なるように調整して、前記吸引フードにおける前記被処理対象物の搬送方向に対して略直交する方向の吸引風量を均一化するものである。区分された各吸引口からは、設定により同一流量または最適な各々の流量にて、被処理対象物の搬送幅方向にまんべんなく、炉から排出されるガスを吸引させることができる。
また、前記複数の整流板における吸引開口部となる間隔を被処理対象物の搬送方向と平行に延在するように配設してもよい。
【0012】
本発明の第2の手段は、吸引開口部に、該開口部を絞って吸い込み風速を増加させるスリット板を設けたものである。また排ガス吸引ダクトの開口幅を従来の4倍の200mmとすることで、吹き出すフラックス・ヒュームの漏れをなくす。これによって、少ないブロワ風量を活かし、雰囲気炉のフラックス・ヒューム吹き出し面での吸引風速を飛躍的にアップすることができる。
【0013】
本発明の第3の手段は、フード吸引開口部の下端面を水平から傾斜させており、フード外枠また内部の構造物には、液滴が伝う樋が設けられている構成とする。これにより、排ガス中に含まれるフラックス・ヒューム等のオイルミスト成分が、フード外枠に触れて冷却凝縮し、液滴は傾斜した下端面を伝ってさらに樋溝により1箇所に収集される。
【0014】
本発明の第4の手段は、被処理対象物の搬送幅に応じ、吸引ダクトの吸引開口部幅を調整する可変シャッターを設けたものである。不必要な空間からの吸引をなくすため、雰囲気炉の開口幅に合わせて吸引開口サイズを変更することができる。
【0015】
本発明の第5の手段は、雰囲気炉本体の搬入口と搬出口における被処理対象物の上面および下面に、それぞれ排ガス吸引ダクトを設けたものである。
【0016】
被対象物の上面に沿って炉から吹き出る排ガスは、上面ダクトにより捕捉・吸引し、また一方、被処理対象物の下面に沿って炉から吹き出る排ガスは、下面ダクトにより捕捉・吸引を行う。
【0017】
本発明のさらに第6の手段は、排ガス吸引ダクトの通路中に、目の粗さが1種類以上の複数のフィルターと、そのフィルターを収納する空間部、およびその空間を構成する筐体の一面が、フィルターを目視できるような透明面にて構成されたフィルターユニットを設けたことを特徴としている。
【0018】
そして、メンテナンス性向上の観点より、フィルターユニットおよび排ガス吸引ダクトにおいて、凝縮・捕捉された排気に含まれる液体物の滴下を受ける取り外し可能な上面開放の排気物容器を備えた構成とする。
【0019】
【作用】
・漏れのない排気吸引
本発明の排ガス吸引装置によると、(1)均等吸い込みフィンが被処理対象物の搬送方向に平行に吸引開口部および吸引ダクト内を複数区分しているため、区分された各吸引口は、最適な各々の流量にて被処理対象物の搬送幅方向にむらなく、炉から排出されるガスを吸引する。
【0020】
また、(2)吸引開口部面において、開口部を絞る風速調整スリット板を設けることにより、少ないブロワ風量を活かし、雰囲気炉のフラックス・ヒューム吹き出し面での吸引風速を飛躍的にアップさせる。
【0021】
さらには、排ガス吹き出し方向の吸引ダクトの長さを大きくすることにより、吹き出すフラックス・ヒュームの漏れを完全になくしている。
【0022】
(3)可変ジャバラシャッターにより、被処理対象物の搬送幅に応じ、吸引ダクトの吸引開口部幅を調整する。不必要な空間からの吸引をなくし、雰囲気炉の開口幅に合わせ、吸引開口サイズが変更される。
【0023】
また、(4)雰囲気炉本体の搬入口と搬出口に、被処理対象物の上下両面とも吸引ダクトを設けているため、被処理対象物の上面に沿って炉から吹き出る排ガスを上面ダクトにより捕捉・吸引し、また一方、被処理対象物の下面に沿って吹き出る排ガスは、下面ダクトにより捕捉・吸引する。
【0024】
以上により、雰囲気炉から放出される排ガスは、すべて漏れなく吸引排気されることとなる。
【0025】
・排ガス中に含まれるオイルミスト成分の一括回収
吸引ダクトにおいて、排ガス中に含まれるオイルミスト成分は、フード外枠に触れて冷却凝縮し、液滴は傾斜した下端面を伝わり、さらに樋溝により1箇所に収集される。
【0026】
排ガス吸引ダクトの通路中のフィルターユニットにおいては、室温においてもなお排気に含まれる液体物が凝縮・捕捉される。吸引ダクトおよびフィルターユニットにおける滴下物は、取り外し可能な上面開放の排気物容器により一括して回収・排気を行うことができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図1から図8に基づいて説明する。図1,図6,図8において、18は雰囲気炉である窒素リフロー装置を示す。図8に示すように炉体20の内部には、窒素ガス供給パイプ29を通して窒素ガス28が供給され、低酸素濃度の窒素雰囲気となっている。また、炉体内部はヒータ38が設けられており、搬送チェーン19により順次搬入されてくる電子部品24を上面に載せたプリント基板23を加熱する。炉体20の内部においてはクリーム半田が融け、電子部品24はプリント基板23の導体配線と接合される。このとき、クリーム半田に含まれるフラックスは、分解・蒸発し、オイルミストやヒュームとなって順次供給される窒素ガスに押し出される形で、炉内の入口開口部21もしくは出口開口部31より炉外へ放出される。
【0028】
本発明における排ガス吸引装置の全体構成を図6に示す。窒素リフロー装置18の基板搬送入口部の上面および下面にそれぞれ入口上面吸引フード1,入口下面吸引フード13を設置している。また基板搬送出口部にも上面および下面にそれぞれ出口上面吸引フード12,出口下面吸引フード14を設置している。これらの吸引フードからは排気ホース3が伸びており、炉体上部に設置された排気ブロワー9と接続されている。排気ブロワー9の吸入口側には、フィルターユニット7が設けられている。
【0029】
次に、個々のユニットについて詳しく構成を述べる。図1は入口上面吸引フードの外観を示したものである。炉体20入口開口面21の搬送方向手前側で搬送レール22上面に、入口上面吸引フード1を設置している。吸引開口面は下向きで搬送面に相対している。排気ホース3が装置後部につながっており、ここからフード内の排気ガス25を吸引する。この排気ホース3の前には、排気ガスのヒューム・ミスト分を除去するために金網ダクトフィルター5を配置している。
【0030】
上面吸引フード1の内部構造を図2(a),図2(b)、および図3(a),図3(b)を用いて説明する。図2(a)は均等吸い込み整流板2の形状を示し、図2(b)は排ガス吸引ダクトの搬送幅方向の垂直断面を示している。また図3(a)は吸い込み風速増加スリット板4の形状を示し、図3(b)は排ガス吸引ダクトの搬送方向の垂直断面を示している。入口上面吸引フード1は、搬送幅方向に5枚の均等吸い込み整流板2にて吸引面が6つに均等分割されている。
【0031】
また、フード後部の金網ダクトフィルター5の手前にあるネジ付きボルト35とナットにて、それぞれの均等吸い込み整流板2の間隔を任意に調整できるようになっている。
【0032】
また図3(a),(b)に示すように、下向きにコの字形をした吸い込み風速増加スリット板4が2本、吸引面に設置されている。吸い込み風速増加スリット板4は中央部にこもった排ガスを吸い取るため、吸引口36を備えている。
【0033】
次に、図4の入口排ガス吸引ダクト13に示すように、奥側の可動搬送レール22の後面には、被処理対象物の搬送幅に応じて吸引ダクトの吸引開口部幅を調整する蛇腹形の可変シャッター8が設けられている。また、排気吸い込み口37の下方にはフラックス回収ボックス6が設置されている。
【0034】
最後に、集めた排気を炉外に放出する部分を図6に示す。炉体上部に排気ブロワー9およびその吸い込み口にフィルターユニット7を設け、その前には各炉体開口部から伸びた排気ホース3が接続されている。排気ホース3には、図5に示したように風量調整ダンパ31が付いている。フィルターユニット7は、前面が透明なポリカーボネイトの透明プレート32になったケースと、そのケースの上部から出し入れ自在の、ブロワー側よりメッシュの目の粗さの細かいものから順に4枚の金網フィルターを並べたフィルター本体33からなっている。
【0035】
以上の構成において、雰囲気炉から排ガスの流出と、これに対する排ガス吸引装置による吸引動作、およびメンテナンスの内容について述べる。
図8に示すように、炉体20の内部に窒素ガス供給パイプ29を通して窒素ガス28が供給され、低酸素濃度の窒素雰囲気となっている。搬送チェーン19により順次搬入されてくる電子部品24を上面に載せたプリント基板23をヒータ38により加熱する。すると、炉体内部でクリーム半田が融け、電子部品24はプリント基板23の導体配線と接合させる。このとき、クリーム半田に含まれるフラックスは、分解・蒸発し、オイルミストやヒュームとなり、順次供給される窒素ガスに押し出される形で、入口開口部21もしくは出口開口部31より炉外へ排ガス25と共に放出される。
【0036】
雰囲気炉18の開口部21に設けられた入口上面排ガス吸引ダクト1においては、被処理対象物の搬送方向に平行に吸引開口部を複数区分し、フード内の気流通路後部にて排ガスが流れる各均等吸い込み整流板2の間隔相対寸法を調整する。すると、図2(b)に示すように、区分けされた吸引開口部別の排ガス吸引風速および吸引風量は同一に調節(v1,v2,v3,v4,v5,v6)、または開口部からの排ガス吹き出し速度分布に応じた吸引速度分布17となる。フード後部の金網ダクトフィルターの手前にあるネジ付きボルト35とナットにて、それぞれの均等吸い込み整流板2の間隔は任意に調整される。
【0037】
区分された各吸引口からは、設定により、同一流量または最適な各々の流量にて、被処理対象物23,24の搬送幅方向にまんべんなく、炉から排出されるガス25を吸引する。
【0038】
図3(a),図3(b)に示すように、同じ吸引ブロワ風量であっても吸引風速増加スリット板4により絞られたフード開口部では、フード内よりも風速は大きくなる。図3(c)に示すように、スリット開口部では排ガスの必要吸引風速(捕捉風速)を上回り、炉から勢いよく排出されるガス25を吸引する。最初の炉側の吸引部が吸引しきれなかった排ガスは、コの字形のスリット板中に入り、頂上にある吸引口36より吸い出される。絞られた吸引開口部はスリット内に3つあり、漏れた排ガスを吸引していく。
【0039】
図4の炉体入口下面の排ガス吸引ダクトにおける開口幅調整シャッター機構に示すように、各吸引ダクトの吸引開口部幅はジャバラ式可変シャッター8により被処理対象物の搬送幅に応じ、調整する。不必要な空間からの吸引をなくし、吸引風量を節約、必要な吸引風速にて開口部での排気吸引を行う。
【0040】
以上は、プリント基板23の上面に沿って流出してくるフラックスヒュームの吸引について述べた。さらに図6に示すように、雰囲気炉本体の搬入口と搬出口にて、被処理対象物23,24の上面および下面にも前記排ガス吸引ダクトを設けてある。被処理対象物23,24の上面に沿って炉から吹き出る排ガスは、上面ダクトにより捕捉・吸引し、一方、被処理対象物の下面に沿って炉から吹き出る排ガスは下面ダクトにより捕捉・吸引する。
【0041】
また、炉内雰囲気への影響という観点からみると、図5に示すように、排気ブロワー直前のフィルターユニット7に取り付けられた排気ホース3中のダンパ31により、各場所(入口・出口,上面・下面)の排ガス吸引量のバランスを調整する。このことによって、窒素リフロー炉ならびに雰囲気炉の炉内から出る排気ガス25の安定化・適正化が図られる。
【0042】
フラックスの回収,メンテナンスという観点より述べる。面吸引ダクトにおいて、排ガス中に含まれるフラックスヒューム等のオイルミスト成分は、フード外枠や上記均等吸い込み整流板2および吸い込み風速増加スリット板4、さらに金網ダクトフィルター5に触れて冷却凝縮し、液滴は傾斜した下端面を伝わって、周囲フード外枠面の下端に設けられている樋溝34(図3(b))に集まる。そして、フード吸引開口部の下端面を水平から傾斜させてあるため、フード外枠の樋溝に沿って液滴が手前に伝わる。伝わったフラックス液滴26は、フラックス回収ボックス6に収集される。
【0043】
また排ガス吸引ダクトにて回収をのがれたフラックスヒュームは、排気ブロワー9の吸い込み口に設けたフィルターユニット7に納められた目の粗さが1種類以上の複数のフィルター体により冷却凝縮し、液滴となってフィルターユニット7の筐体底面に溜る。筐体内およびフィルターを透明プレート越しに目視し、フラックス回収ボックス6に収集されたフラックス液滴26は定期的に捨てられる。
【0044】
以上のようにフード部およびブロワ前に凝縮・捕捉された排気に含まれる液体物の滴下を、取外し可能な上面開放の排気物容器を備えたことを特徴とし、排ガス中に含まれるフラックスヒューム等の廃棄を行う。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被処理対象物の搬送幅方向に対し、吸引風速の均一化を図る整流板および吸引面上にて必要な風速が得られるスリット板を設けることにより、最小限の排気ブロワー容量において、排気ガスの漏れがなく、かつ排気ガス内の固形・液状物を回収し、メンテナンスしやすい排気ガス吸引装置を得ることができる。
【0046】
また窒素リフロー、その他雰囲気炉では、炉外出入口部において安定した気流を作り出し、炉内部の雰囲気濃度・成分を乱すことのない処理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の排ガス吸引装置の吸引フードの外観を示す斜視図である。
【図2】同実施例の(a)均等吸い込み整流板の形状図、(b)排ガス吸引ダクトにおける基板搬送幅方向の垂直断面図、および(c)吸い込み風速特性図である。
【図3】同実施例の(a)吸い込み風速増加スリット板の形状図、(b)排ガス吸引ダクトにおける基板搬送方向の垂直断面図、および(c)吸い込み風速分布特性図である。
【図4】炉体入口および出口の排ガス吸引ダクトにおける開口幅調整シャッター機構図である。
【図5】炉体上部における排気ブロワーおよび排気経路中の着脱自在フィルターユニットの斜視図である。
【図6】雰囲気炉に設置した排ガス吸引装置の全体斜視図および各部吸引フードを示す図である。
【図7】従来の吸引ダクトの風速分布図である。
【図8】雰囲気炉と従来の排気装置全体図である。
【符号の説明】
1,12,13,14…吸引フード、 2…整流板、 3…排気ホース、 4…スリット板、 5…金網ダクトフィルター、 6…フラックス回収ボックス、 7…フィルターユニット、 8…ジャバラ式可変シャッター、 9…排気ブロワー、 23…プリント基板、 25…排気ガス、 32…透明プレート、 33…フィルター本体、34…樋溝。
Claims (8)
- 雰囲気炉において被処理対象物を搬送する搬送レールの上方に、該搬送レールに対向するように吸引開口面が設置され、かつ排気ブロワーに排気ホースを介して接続された吸引フードにより、雰囲気炉における排気ガスを吸引して外部に排出する排ガス吸引装置であって、
前記吸引フードの気流通路内に、吸い込み風を案内する複数の整流板を、前記搬送レールの設置領域外から前記被処理対象物の搬送方向に対して略直交する方向から前記搬送レールの上方に延出するように積層状に設け、さらに各整流板の間隔寸法が異なるように調整して、前記吸引フードにおける前記被処理対象物の搬送方向に対して略直交する方向の吸引風量を均一化することを特徴とする雰囲気炉の排ガス吸引装置。 - 複数の整流板における吸引開口部となる間隔を被処理対象物の搬送方向と平行に延在するように配設したことを特徴とする請求項1記載の雰囲気炉の排ガス吸引装置。
- 吸引開口部に、該開口部を絞って吸い込み風速を増加させるスリット板を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の雰囲気炉の排ガス吸引装置。
- 吸引開口部の下端面を水平から傾斜させており、吸引フード外枠または内部の構造物には、液滴が伝う樋が設けられていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の雰囲気炉の排ガス吸引装置。
- 雰囲気炉本体の搬入口と搬出口における被処理対象物の上面および下面に、それぞれ排ガス吸引ダクトを設けたことを特徴とする請求項1記載の雰囲気炉の排ガス吸引装置。
- 被処理対象物の搬送幅に応じ、排ガス吸引ダクトの吸引開口部幅を調整する可変シャッターを設けたことを特徴とする請求項5記載の雰囲気炉の排ガス吸引装置。
- 排ガス吸引ダクトの通路中に、目の粗さが1種類以上の複数のフィルターと、そのフィルターを収納する空間部、およびその空間を構成する筐体の一面が、フィルターを目視できるような透明面にて構成されたフィルターユニットを備えたことを特徴とする請求項5または6記載の雰囲気炉の排ガス吸引装置。
- フィルターにて凝縮ないし捕捉された排気物の滴下を受ける取り外し可能な上面開放の排気物容器を備えたことを特徴とする請求項7記載の雰囲気炉の排ガス吸引装置。
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