JP3904166B2 - プリント回路を被覆する可撓性、難燃性、および光画像形成性組成物 - Google Patents

プリント回路を被覆する可撓性、難燃性、および光画像形成性組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性、難燃性、水処理性(aqueous processable) 、および光画像形成性(光画像形成性)を有する樹脂組成物と、現像処理および硬化後に可撓性である光画像形成性素子とに関する。特に、本発明はプリント回路の耐用年数にわたってプリント回路の保護に使用することが可能な半永久的保護塗膜を形成する可撓性、難燃性、水処理性、および光画像形成性を持つ樹脂組成物と、低粘着性(low tack)光画像形成性樹脂と組み合わせて前記組成物からなる層を有する多層光画像形成性素子とに関する。難燃性光画像形成性樹脂組成物は、優れた水性現像能(aqueous developability)を有する。また、この組成物は、良好な可撓性、粘着性、耐溶剤性、表面硬度、耐熱性、絶縁特性、粘着層に活性難燃剤を含む可撓性ポリイミド・ラミネートおよび非粘着性ポリイミド・ラミネートに対するアンダーライターズ・ラボラトリ(Underwriters Laboratory)94VTM-0難燃性を有する。上記活性難燃剤は、例えばイー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I. du Pont de Nemours and Company) から市販されているピラルックス(Pyralux :登録商標)FRおよびテクラム(Teclam:登録商標)である。光画像形成性樹脂組成物は、プリント回路基板製造時にソルダ・レジストとして使用するのに適している。
【0002】
【従来の技術】
従来から感光性(photopolymerizable)樹脂材料が知られている。例えば、米国特許第3,469,982 号および第3,547,730 号は、カバー・シートとテンポラリ・サポートとの間に感光層が設けられたサンドイッチ構造を持つフィルム・レジストを開示している。そのようなプライマリ・フィルム・レジストを、例えば銅基板上に積層し、露光し、そして有機溶媒または水溶液によって現像することで、規定のレジスト層を形成することができる。一般に、プリント回路基板用銅基板は、僅かな度合いの可撓性しか示さないような硬い材料、例えば従来の銅被覆ファイバーグラス・エポキシ積層体である。より最近になって、プリント回路は、より一層可撓性に優れたフィルム基体上に形成されて電子部品包装を形成する。特定の構成またはダイナミックな機械的操作に適するように、この電子部品包装を1回以上折り畳んだり、広げたりしてもよい。
【0003】
そのように生産された所定のレジスト層を、今や基体上に選択的にエッチングし、電気メッキまたはハンダによって処理したりすることができる。特に、ソルダ・レジストまたはマスクとして機能する半永久的な被膜として使用するならば、フォトレジスト・フィルムに対する需要性が増す。この場合、現像された感光層は、劣化、粘着性の低下、または溶融ソルダ内外の残留物の蓄積が生ずることなく、300℃までの温度に耐えなければならない。現在のプリント回路基板の先進技術で、ソルダ・マスクを光画像形成(フォトイメージング)することが重要である。現在の技術水準によると、そのようなソルダ・マスクは、液体組成物を基体上に噴霧、被覆、またはカレンダー仕上げすることによって、あるいはまた基体上に乾燥フィルムを積層することによって塗布することができる。
【0004】
一般に有機溶剤が環境に悪影響を及ぼすことから、現在では素早く現像を行う水性現像可能なフォトポリマー・系が好ましいものとなっている。酸度関数、主にカルボキシル機能を持つフォトポリマー・レジストが水処理可能性を与えることが知られている。しかし、それらの基は多くの引き続いて起こるステップあるいはイベントにおいて不利である。プライマリー・フォトレジストの場合、レジストの層間剥離はアルカリ・エッチングまたは金めっきの際に観察され、さらにソルダ・マスクの場合、不適当な環境抵抗が生じてしまう。挙げられた不利な点を克服するためにメラミン・ホルムアルデヒド化合物によるカルボキシル基の修飾が知られている(欧州特許第Ol 15 354 号および米国特許第4,247,621 号)。
【0005】
反応性がより低く、また感湿性もより低い種に連続的に変換されるカルボン酸基を含むポリマーの使用もまた知られている。米国特許第4,987,054 号は、共重合体構造ユニットがジカルボン酸の半酸/アミド(half acid/amide) である酸共重合体結合剤を含む改善された特性を生じる感光性配合物を開示している。開示された配合物は、従来の硬いプリント回路基板で使用され、全体的に水性アルカリ溶液で処理され、さらに保存安定性を示す。欧州特許出願第EP 430,175号は、米国特許第4,987,054 号に類似し感光性の系を開示している。
【0006】
国際特許出願第WO 93/17368 号および米国特許第5,536,620 号は、水処理可能で光画像形成性プリント回路用半永久的コーティング組成物を開示している。このコーティング組成物は、(a)低分子量アミド酸コポリマーおよび高分子量カルボン酸眼球コポリマーからなるコ結合剤と、(b)アクリレートウレタン・モノマーコンポーネントと、(c)光開始剤系と、(d)ホルムアルデヒド熱架橋剤用メラミンとを含む。
【0007】
米国第5,288,589 号は、プリント回路基板に直接積層された層に両向性結合剤を含む二層光画像形成性水処理性フォトレジスト(two layer 光画像形成性, aqueous processable photoresist )を開示している。このフォトレジストによって、ラミネーション・プロセスを通じて粘着性が改善された半永久的コーティングが提供される一方で、保存安定性および回路カプセル化等の他の所望の特性が維持される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した先行技術の光画像形成性組成物は、いずれも十分な難燃性を持たない。
【0009】
電子産業がより速くて、より信頼できてコンパクトな装置の方へ駆り立てられるのにしたがって、典型的な製造プロセス条件、例えば溶融ソルダ、さらに確立した西部引火性基準に合致するよりいっそう可撓性に富んだ半永久的な光画像形成性コーティングの必要性が増大している。
【0010】
したがって、本発明は上記課題を解決し、可撓性、難燃性、水処理性、および光画像形成性(光画像形成性)を有する樹脂組成物と、現像処理および硬化後に可撓性である光画像形成性素子とを提供することを目的とする。特に、本発明はプリント回路の耐用年数にわたってプリント回路の保護に使用することが可能な半永久的保護塗膜を形成する可撓性、難燃性、水処理性、および光画像形成性を持つ樹脂組成物と、低粘着性(low tack)光画像形成性樹脂と組み合わせて前記組成物からなる層を有する多層光画像形成性素子とを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、可撓性プリント回路基板上に半永久的な保護被膜を設ける可撓性、難燃性、および光画像形成性樹脂組成物を提供する。この樹脂組成物は、
(a)環状臭素化芳香族モノマーユニット、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、または非臭素化芳香族モノマーユニットを含む臭素化カルボン酸コポリマー・結合剤であって、アルキルは1ないし20の炭素原子と、エチレン的に不飽和のカルボン酸モノマーユニットとを有し、さらに重量平均分子量(Mw )が40,000ないし500,000であり、3ないし50重量%臭素を含む。
【0012】
(b)重量平均分子量(Mw )が3,000から15,000である非臭素化カルボン酸ポリマー・結合剤であって、モノマーユニットを持つ2ないし50重量%の少なくとも一つのカルボン酸と50ないし98重量%の以下の式からなる少なくとも一つのモノマーユニットとを有する。
【0013】
【化4】
Figure 0003904166
【0014】
式中、R1 はH、C1-4 アルキルまたはアリル;R2 はH、CH3 、アリール、−COOR3 ,−CONR45 または−CN;およびR3 ,R4 ,およびR5 はH、C1-4 アルキル、アリールまたはC1-4 アルキルまたは一つ以上のヒドロキシ、エステル、ケト、エーテルまたはチオエーテル基で置換されたアリールである。
【0015】
(c)0ないし20重量%の臭素を含むアクリレート化ウレタンモノマーコンポーネントである。
【0016】
(d)10ないし80重量%の臭素を含む臭素化ウレタンモノマー化合物である。
【0017】
(e)10ないし85重量%臭素を含む非反応性または反応性臭素化添加物であって、(e)がアクリレート化モノマーコンポーネントまたはブロック化ポリイソシアネート架橋剤ではないという条件を有する・
(f)光開始剤または光開始剤系である。
【0018】
(g)0ないし30重量%の臭素を含むブロック化ポリイソシアネート架橋剤である。
【0019】
他の実施形態例では、本発明はプリント回路基板に粘着することが可能で、また硬化後に溶融ソルダに耐える可撓性、難燃性、多層、光画像形成性半永久的コーティング素子であって、該素子は、
(1)テンポラリ・サポート・フィルムと、
(2)感光性半永久的コーティング組成物の第1層、該第1層は、
(a′)両向性結合剤と、
(b′)以下の式で表されるコポリマー・結合剤を含むカルボキシル基と

【0020】
【化5】
Figure 0003904166
【0021】
(式中、R6 はHまたはC1-4 アルキル;R7 はフェニルまたは−CO28 ;およびR8 はHまたはC1-4 アルキルであり、1以上のヒドロキシル基と置換できる)
(c′)少なくとも2つのエチレン的に不飽和の基を含むモノマーコンポーネントと、
(d′)光開始剤または光開始剤系とを含み、
(3)光画像形成性半永久的コーティング組成物の第2の層、該第2の層は、
(a)環状臭素化芳香族モノマーユニット、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、または非臭素化芳香族モノマーユニット(ここでアルキルは1ないし20の炭素原子を含む)と、エチレン的に不飽和なカルボン酸モノマーユニットユニットとを含み、さらに重量平均分子量(Mw )が40,000ないし500,000であり、3ないし5重量%の臭素を含む臭素化カルボン酸コポリマー・結合剤と、
(b)重量平均分子量(Mw )が3,000ないし15,000である非臭素化カルボン酸コポリマー・結合剤、2ないし50重量%の少なくとも一つのカルボン酸含有モノマーユニットと、式:
【0022】
【化6】
Figure 0003904166
【0023】
(式中、R1 はH、C1-4 アルキルまたはアリール;R2 はH、CH3 、アリール、−COOR3 、−CONR45 、または−CN;およびR3 ,R4 、およびR5 はH、C1-4 アルキル、アリール、あるいは1以上のヒドロキシ、エステル、ケト、エーテル、またはチオエーテル基によって置換されたC1-4 アルキルまたはアリール)
で表される50ないし98重量%の少なくとも一つのモノマーユニットと、
(c)0ないし20重量%の臭素を含むアクリレート化ウレタンモノマーコンポーネントと、
(d)10ないし80重量%臭素を含む臭素化アクリレート化モノマーであって、(d)がウレタンモノマーコンポーネントではないという条件を有する、
(e)10ないし85重量%臭素を含む非反応性または反応性臭素化添加物であって、(e)がアクリレート化モノマーコンポーネントまたはブロック化ポリイソシアネート架橋剤ではないという条件を有する、
(f)光開始剤または光開始剤系である。
【0024】
(g)0ないし30重量%の臭素を含むブロック化ポリイソシアネート架橋剤であり、
第2層組成物の臭素含有量合計が5ないし50重量%である。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の一態様を構成する難燃性、光画像形成性樹脂組成物は、上に列挙し、かつ以下においてより詳細に説明する必須コンポーネント(a)ないし(g)から構成される。
【0026】
(a)臭素化カルボン酸共重合体結合剤
難燃性で、光画像形成性樹脂組成物は、10ないし60重量%、好ましくは25ないし45重量%の臭素化カルボン酸(a)を含む。この臭素化カルボン酸は、芳香族環上で臭素、好ましくはエチレン的に不飽和な基、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレートまたは非臭素化カルボン酸モノマーユニット、およびエチレン的に不飽和なカルボン酸モノマーユニットによって置換される芳香族モノマーユニットの重合反応生成物である。
【0027】
それぞれのモノマーを適切に選択することでプリント回路用途で有用な難燃性樹脂組成物の生産を可能にする。環状臭素化芳香族モノマーは、スチレン、メチルスチレン、アルファ- メチルスチレン、アルファ−メチルメチルスチレン、エチルスチレン、またはアルファ−メチルエチルスチレンであり、フェニル核で臭素による置換(モノ、ジ、トリ、およびテトラ)を有する。上記モノマーの混合物または混合アイソマーを使用することもできる。好ましい環−臭素化モノマーは臭素化スチレンであり、ジブロモスチレンによるものがもっとも好ましい。
【0028】
環状臭素化芳香族モノマーユニットは、共重合体の重量にもとづいて、好ましくは5ないし55重量%、好ましくは15ないし40重量%存在し、共重合体の重量にもとづいて重量で3ないし50%の臭素、好ましくは重量で5ないし30%の臭素を提供する。臭素化カルボン酸共重合体コンポーネント(a)は光画像形成性樹脂組成物に対して、難燃性、改善された硬さ、さらに耐薬品性を付与する。
【0029】
アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートモノマーユニットの実際の例はメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロビルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、イソヘプチルアクリレート、1−メチルへプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、6−メチルヘプチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、3,5,5−トリメチルアクリレート、n−デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、および対応するアルキルメタクリレートおよび他の第1,第2,および第3のより高いアルキルアクリレートおよびメタクリレートであり、アルキル基は1ないし20、好ましくは2ないし10の炭素原子を含むことができる。
【0030】
非臭素化芳香族モノマーの実際の例は、スチレン、メチルスチレン、アルファ−メチルスチレン、アルファ−メチル、メチルスチレン、エチルスチレン、アルファ−メチルエチルスチレン、ベンジルアクリル酸塩あるいはベンジルメタクリル酸塩である。好ましいモノマーはアクリル酸エチル、n−プロピルアクリル酸塩、n−ブチルアクリル酸塩、メタクリル酸メチルとスチレンである。アルキル(meth)アクリレートモノマーまたは非臭素化芳香族モノマーは、共重合体の重量を基準にして、20ないし92重量%存在し、好ましくは40ないし75重量%存在する。
【0031】
エチレン的に不飽和のモノマーの実際の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、およびフマル酸が含まれる。好ましい酸は、アクリル酸およびメタクリル酸である。不飽和カルボン酸モノマーは、共重合体に基づいて、3ないし25重量%、好ましくは7ないし20重量%の両で存在する。
【0032】
好ましい臭素化カルボン酸共重合体は、25重量%ジブロモスチレン、59重量%エチルアクリレート、および16重量%アクリル酸であり、重量平均分子量(Mw )は40,000ないし500,000である。
【0033】
(b)非臭素化カルボン酸共重合体結合剤
非臭素化カルボン酸共重合体結合剤コンポーネント(b)は、光画像形成性組成物の全体重量にもとづいたものであり、2ないし15重量%、好ましくは3ないし10重量%であり、2ないし50重量%の少なくとも一つのカルボン酸含有モノマーユニット、50ないし98重量%の少なくとも一つのモノマー(下記の式からなる)である。
【0034】
【化7】
Figure 0003904166
【0035】
式中、R1 は、H、C1-4 アルキルまたはアリル;R2 は、H、CH3 、アリル、COOR3 、COOR3 、−COON45 または−CN;さらにR3 、R4 およびR5 は個々にH、C1-4 アルキル、アリル、またはC1-4 アルキルまたは1つ以上のヒドロキシ、エステル、ケト、エーテルまたはチオエーテル基のいずれかであり、さらに重量平均分子量(Mw )は3,000ないし15,000である。
【0036】
共重合体結合剤のカルボン酸含有モノマー・ユニットは、任意のエチレン的に不飽和なカルボン酸、または連続して反応し酸を形成するカルボン酸前駆体共重合体から形成されるもので、重合することで所望の低分子量共重合体を形成する。適当なエチレン的に不飽和のカルボン酸またはカルボン酸前駆体共重合体の例としては、アクリル酸およびメタクリル酸、マレイン酸;マレイン酸半エステルまたは無水物;イタコン酸;イタコン酸半エステルまたは無水物;シトラコン酸;シトラコン酸半エステルまたは無水物;およびそれらの置換類似物が挙げられる。
【0037】
特に好ましいエチレン的に不飽和カルボン酸はアクリル酸とメタクリル酸である。共重合体結合剤におけるカルボン酸含有モノマーユニットの比例は重量で2から50%、好ましくは重量で5から25%までの範囲である。
【0038】
カルボン酸含有共重合体結合剤の重量平均分子量(Mw )は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測られるように、3, 000から15, 000の範囲内にあり、好ましくは4, 000から10, 000までの範囲である。
【0039】
共重合体結合剤で使われることができる適当なコモノマーとしては、スチレン、置換スチレン、さらにアクリルおよびメタクリル酸のエステルとアミドとのような不飽和カルボン酸誘導体が挙げられる。メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリルアミド、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、およびスチレンが好まれる。
【0040】
半永久的なコーティングをフォトプリントする際に組成物の現像に必要なことは、カルボン酸含共重合体結合剤コンポーネント(b)を十分な酸性または他の基を持つものとすることで、水性アルカリ現像液での組成物処理を可能にすることである。組成物から形成されるコーティング層は、照射されなかった部分が除去される。しかし、1%のナトリウムあるいは炭酸カリウムを含んた完全水溶液のような水性アルカリ液体で5分間にわたり、温度40℃で現像している間、炉抗された部分は実質的に影響を受けない。
【0041】
低分子量カルボン酸含有結合剤コンポーネント(b)は、最終用途特性、例えば空気の閉じ込めなしに回路パターンのカプセル封入、水性炭酸塩現像剤での急速現像、可撓性、粘着性、環境条件に対する耐性、さらにアルカリエッチングまたはめっき溶液に対する抵抗性を達成するのに役立つものである。
【0042】
特に好ましいカルボン酸含有結合剤コンポーネント(b)は、重量平均分子量(Mw )が約5,000ないし8,000であり、かつ該組成物の5重量%までの量で存在する8重量%のアクリル酸と92重量%エチルアクリレートとからなるコポリマーを含む。
【0043】
(c)アクリレート化ウレタンモノマーコンポーネント
アクリレート化ウレタンモノマーコンポーネント(c)は、光画像形成性組成物の必須成分であう。なぜなら、該組成物の他の必須成分と適正な比率でもって使用される場合に該コンポーネントによって硬化層の可撓性が増大し、一方で脆性が減少するからである。多くのファクターが特定の用途において、ウレタン構造の特性(例えばガラス転移温度)に影響を及ぼして性能に影響を与えることができるということは周知である。これらのファクターとしては、ジイソシアネート型、ジオール分子量、コジオール(例えば、短鎖ジオール)、ジオールとコジオールの比率、同様に、得られるポリウレタンの分岐数および分子量が挙げられる。半永久的なコーティングにおいて柔軟性、粘り強さ、および耐薬品性の適切なバランスを得るために他の不可欠な成分と比較して適切なアクリレート化ウレタンとその量とを選択することは重要である。アクリレート化ウレタンは、5ないし30重量%、好ましくは8ないし20重量%の量で存在し、少なくとも1つのアクリレートまたはメタクリレート基を含む。
【0044】
アクリレート化ウレタンの好ましい種類は、以下の一般式を持つ。
【0045】
【化8】
Figure 0003904166
【0046】
式中、Q1 およびQ4 は、未置換のもの、あるいは低級アルキル基によって置換されたものであってもよく、また結合部分として低級アルキレン基を含むことができる芳香族基;Q2 およびQ3 はそれぞれ1ないし10の炭素原子を含むポリオキシアルキレン基;Q5 およびQ6 はそれぞれ1ないし3炭素原子またはHのアルキルであり、nは少なくとも1である。
【0047】
特に好ましくは、2,6−トルエンジイソシアネートと、ヒドロキシエチルアクリレートによって末端キャップ化された末端イソシアネート基を有するポリオールとの反応生成物である。
【0048】
(meth)アクリレート化ウレタンもまたジ(meth)アクリレートおよびトリ(meth) アクリレートを含むものであってもよく、これらはカルボキシル化されて、1ないし50またはそれ以上の酸価および500ないし5000の分子量を与える。カルボキシル化されたウレタンジ(meth)アクリレートおよびトリ(meth)アクリレートは特に有利である。なぜなら、水性塩基性現像液においてよりきれいな現像を提供するからである。
【0049】
光画像形成性組成物の難燃性を高めるために、1以上の臭素原子を含むアクリル化ウレタンを用いて臭素含有量を重量で20%臭素までとしてもよい。臭素化ウレタン(meth)アクリレートの例としては、テトラブロモビスフェノール−Aのビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)またはジブロモネオペンチルグリコールとヘキサメチレンジイソシアネートとを反応させて末端をヒドロキシエチルアクリレートで末端キャップ化した反応生成物、あるいはジブロモネオペンチルグリコールおよびポリオールを脂肪族または芳香族ジイソシアネートと反応させてヒドロキシルエチルアクリレートによる末端キャップ化を受けた反応生成物が挙げられる。
【0050】
(d)臭素化アクリレート化モノマー
光画像形成性組成物は、該組成物の重量を基準として0ないし40重量%、好ましくは10ないし30重量%の臭素化アクリレート化モノマー(d)を含む。臭素化アクリレート化モノマー(d)は、少なくとも1つの(meth)アクリロイルオキシ基を含み、かつ重量で10ないし80%臭素の臭素含有量を持つ。
【0051】
重量で10%以上の臭素を含むアクリレート化モノマーを含有する臭素を使用することで、良好なアルカリ現像性(alkaline developability) を持つ難燃性光現像性樹脂組成物が得られる。この樹脂組成物によって、良好な粘着性、耐溶剤性、耐熱性を有し、また現像後の残留物が少なく、かつ優れた難燃性を示す硬化コーティングフィルムが得られる。
【0052】
臭素含有アクリレート化モノマー(d)の具体例としては、テトラブロモビスフェノールAの(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、テトラブロモビスフェノールAのビス−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、テトラブロモビスフェノールAのビス−(2−メタクリロイルオキシエチル)エーテル、テトラブロモビスフェノールAのビス−(2−アクリロイルオキシエチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチルメタクリレート、2−(2−トリブロモフェノキシエトキシ)エチルアクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、ペンタブロモベンジルアクリレート、ペンタブロモベンジルメタクリレート、トロブロモネオペンチルアクリレート、およびテトラブロモビスフェノール−Aとエピクロロヒドリンとのジエポキシオリゴマーとアクリルまたはアクリル酸との反応させ、つづいてコハク酸等の酸無水物を分子あたり1以上のヒドロキシルと反応させて得られる反応生成物が挙げられる。
【0053】
(e)臭素化添加物
難燃性光画像形成性樹脂組成物は、難燃性を改善するために重量で10〜85%臭素を含む臭素化添加物を、重量で0〜40%、好ましくは重量で0〜20%含む。臭素化添加物(e)は実質的に非反応的、あるいは好ましくは光画像形成性組成物の他の1以上の成分と反応的であってもよい。そのような反応性は、より完全な硬化マトリックスを提供することができ、それによってエンド・ユーズ特性が向上し、また加速された、あるいは環境のコンディショニング下で硬化マトリックス内に添加物が移動するのを防ぐ。
【0054】
反応性臭素化添加物の例としては、ジエチレングリコールおよびプロピレングリコールとの、あるいはジエチレングリコールおよびエチレングリコールとの3,4,5,6−テトラブロモ−1,2−ベンゼンジカルボン酸混合エステル、テトラブロモフタル無水物のジエステル/エーテルジオール、テトラブロモビスフェノール−Aのビス−(2−ヒドロキシエチル)エーテル、2,2−ビス−(ブロモメチル)−3−ブロモ−1−プロパノール、2,2−ビス−(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオール、テトラブロモビスフェノール−Aのジ(トリブロモフェノレート)およびそのコハク酸エステル、テトラブロモビスフェノール−A、臭素化ポリ(p−ビニルフェノール)、およびポリ(ジブロモフェニレン酸化物)が挙げられる。
【0055】
実質的に非反応性臭素化添加物の例としては、ジ−2−エチルヘキシルテトラブロモフタレートおよびトリス(ジブロモフェニル)ホスフェートが挙げられる。
【0056】
0〜40重量%の難燃性臭素化フィラー化合物もまた、光画像形成性組成物に添加して難燃性の向上を図ることができる。難燃性フィラーの例としては、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、デカブロモジフェニル酸化物、ビス(テトラブロモフェノキシ)エタン、ポリ(ペンタブロモベンジルアクリレート)等が挙げられる。
【0057】
(f)光開始剤系
光開始剤系(f)は、化学線によって活性された場合に直接遊離基を与える1以上の開始剤化合物を含む。また、この系は化学線によって活性化される増感剤を含むものであってもよく、それによって開始剤が遊離基を与える。増感剤は、スペクトル感度を近紫外線、可視、および近赤外線スペクトル領域に広げてもよい。
【0058】
光開始剤系には、光画像形成性組成物を重量で0.01〜10%s、好ましくは重量で0.01〜5%の光現像性組成物が含まれる。
【0059】
多数の光開始剤系が当業者に知られており、そのような従来の光開始剤系をここで使用してもよく、それらはコーティング組成物の他の成分と共溶性がある。ローズベンガル/2−ジブチルアミノタノール(Rose Bengal/2-dibutylaminothanol)のようなレドックス系が含まれる大量の遊離基生成化合物を有利さの点で選択してもよい。色素増感光重合についての有益な議論はD・F・イートンの文献("Dye Sensitized Photo-polymerization" by D. F. Eaton in Adv.in Photochemistry, Vol. 13, D. H. Volman, G. S. Hammond, and K. Gollinick, eds., Wiley-Interscience, New York, 1986, pp. 427-487)に見いだされる。増感剤の好ましい群としては、ボーム(Baum)らの米国特許第3, 652, 275号で開示されたビス(p−ジアルキル−アミノベンジリデン)ケトンや、デューバの米国特許第4, 162, 162号で開示されたアクリデンアリルケトンが挙げられる。
【0060】
好ましい光開始剤系は、例えば米国特許第3, 479, 185号、第3, 784, 557号、第4, 311, 783号、および第4, 622, 286号に開示されているもので、2,4,5−トリフェニルイミダゾールダイマーを連鎖移動剤、または水素供与体と組み合わせたものである。好ましいヘキサアリル−ビスイミダゾール(HABI)はフェニル基の他の部分が未置換であるか、あるいはクロロ、メチル、またはメトキシ置換されている2−o−クロロ置換ヘキサフェニル−ビイミダゾールである。もっとも好ましい開始剤はo−Cl−HABI、すなわち1,1′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−イミダゾール二量体である。
【0061】
感光性重合体組成で連鎖移動剤として作用する水素供与体化合物としては、2−メルカプトベンゾキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メチルー4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオールなどで、同様に様々な種類の化合物、例えば(a)エーテル、(b)エステル、(c)アルコール、(d)アリル水素またはベンジル水素、(e)アセタール、(f)アルデヒド、および(g)マクラクラン(MacLachlan)の米国特許第3,390,996号の12段落18〜58行目に開示されているアミドが挙げられる。ビイミダゾール型開始剤およびN−ビニルカルバゾールの両方を含む系で使用される適当な水素供与体化合物は、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、1−ドデカンチオール、およびそれらの混合物である。
【0062】
光開始剤および光増感剤の特に好ましいクラスは、ミヒラーのケトン、エチル・ミヒラー・ケトン、p−ジアルキルアミノベンズアルデヒド、p−ジアルキルアミノベンゾエートアルキルエステル、多核性キノン、チオキサントン、ヘキサアリルビイミダゾール、シクロヘキサジエノン、ベンゾイン、ベンゾインジアルキルエーテル、またはアルキルが1ないし4の炭素原子を含むそれらの組み合わせである。
【0063】
(g)ブロックされたポリイソシアネート架橋剤
光画像形成性組成物は一般にラミネーションによって、あるいは溶液から基板に塗布される。これらのプロセスで、積層の際に、あるいは溶液塗布後の溶剤蒸発の際に、組成物を加熱する。光形成(photostructuring)する前にでさえ、部分的な架橋が起こり、画像品位の障害をもたらす。したがって、光画像形成性組成物の所望の特性は、この加熱処理にもとづいて可能な限り架橋を少なくするということである。一方、組成物を適度な温度で急激に硬化させ、つぎに現像を行うことで高スループットとエネルギーの同時的節約を達成する。
【0064】
本発明によれば、熱的に活性化された架橋形成剤が使用され、反応官能基、例えば水素、カルボキシル、アミド、およびアミン基であって、これらは光画像形成性コーティング組成物のコポリマー結合剤コンポーネント中に存在する。適当な架橋の存在は、溶融ハンダ温度を耐える能力を与え、最終用途プロダクトで必要とされる耐薬品性または他の機械的あるいは化学的特性を改善する。
【0065】
好ましい架橋剤は、層剥離温度が少なくとも100℃であるブロック化ポリイソシアネート、またはこの種のポリイソシアネートの混合物である。この記載の前後関係から、ブロック化ポリイソシアネートは、ブロック化イソシアネート基の少なくとも半分が少なくとも100度で脱ブロック化され、そしてそれによって光画像形成性組成物の他のコンポーネントのイソシアネート反応性官能基との反応のために入手可能であることを意味していると理解されよう。
【0066】
ブロック化コンポーネントのベースとなるポリイソシアネートは、脂肪族、シクロ脂肪族、芳香族、またはアリール脂肪族化合物であって、少なくとも2、好ましくは2ないし4のイソシアネート基を持ち、さらにアルキル基またはアルコキシ基等のイソシアネート基に対して不活性の置換基を有する。
【0067】
それらは、例えば、以下の化合物が含まれる。すなわち、2,4−ジソシアネートトルエン、該2,4−ジソシアネートトルエンと2,6−ジイソシアネートトルエン、1,5−ジイソシアネートナフタレン、1,4−ジイソシアネートナフタレン、4,4′−ジイソシアネートジフェニルメタン、および種々のジイソシアネートジフェニルメタン(例えば、4,4′−および2,4′−異性体)の工業銘柄混合物との工業銘柄混合物、ジイソシアネート−m−キシレン、N,N′−ジ(4−メチル−3−イソシアネートフェニル)尿素、1,6−ジイソシアネートヘキサン、1,12−ジイソシアネートドデカン、3,3,5−トリメチル−1−イソシアネートメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、トリメチル−1,6−ジイソシアネートヘキサン、1−メチル−2,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、トリスイソシアネートトリフェニルメタン、および4,4′−ジイソシアネートジシクロヘキシルメタンである。
【0068】
ポリイソシアネートは、種々の遊離基によってブロックされてもよい。適当なブロッキングコンポーネントの例は、ベータ・ジカルボニル化合物、例えばマロン酸エステル、アセトアセテート、2,4−ペンタンジオン、またはヒドロキシメート、トリアゾール、イミダゾール、テトラジドロピリミジン、ラクタム、オキム、ケトキム、低分子量アルコール、またはフェノールまたはチオフェノールである。
【0069】
ブロック化ポリイソシアネートは、ウレタン化、カルボジイミデート化、ビウレット化、または二量体化または三量体化ポリイソシネート、イソシアヌレート環を含むトリマー、ビス環状尿素化合物、重合イソシアネート、2以上のジイソシアネートのコポリマー、または離層温度が少なくとも100℃である限り、100℃よりも低い温度で不活性化するポリイソシアネートの別の形態であってもよい。これらの例は、ウレタン化ジイソシアネートジフェニルメタン、2,4−ジイソシアネートトルエンのウレトジオン、ジイソシアネートトルエンの3量体、N−N′,N″−トリ(6−イソシアネートヘキシル)−ビューレット、イソホロンジイソシアネート、アジポイル・ビス(プロピレン尿素)、およびアゼラオイル・ビス(プロピレン尿素)である。
【0070】
好ましいブロック化ポリイソシアネートは、離層温度が100℃〜200℃の範囲内である。特にここで好ましいものは、メチルエチルケトキシムブロック化1,6−ジイソシアネートヘキサン3量体、メチルエチルケトキシムブロック化イソホロンジイソシアネート、および1,6−ジイソシアネートヘキサンまたはその3量体とメチルケトキムによってブロック化されたテトラブロモビスフェノール−Aのビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)との反応生成物であり、さらに重量で2から20%、好ましくは重量で5から15%、光画像形成性組成物の重量にもとづいて、重量で30%臭素まで含み、組成物の難燃性が改善される。
【0071】
メラミン−ホルムアルデヒド架橋形成剤を用いて硬化した光画像形成性組成物と比較して、本発明の光画像形成性コーティング組成物は、より低い硬化温度でもってよりいっそう高い伸び率および良好な耐薬品性性によって、驚くべきことに、区別される。また、硬化コーティングは硬化後に可撓性を保つ。他の架橋形成剤、例えばメラミン−ホルムアルデヒド架橋形成剤を使用することができる。しかし、硬化後の可撓性が安定的に保たれるようにするためには、よりいっそう高い硬化温度を必要とし、冷却または乾燥条件下でのエージングの際に可撓性がある程度低下する場合もある。積層材料の安定性を保つために、硬化温度は可能な限り約100℃ぐらいに低くする。なぜなら、可撓性回路はより高い硬化温度でよりいっそう変形してしまうからである。
【0072】
フィラー
この発明の水処理性、光画像形成性コーティング組成物は、任意に予備成形高分子エラストマー系コンポーネントを有機フィラーとして含むものであってもよい。このエラストマー系コンポーネントは、一般に水処理性コーティング組成物中で分離ミクロ段階として存在する。一般に、このような有機コンポーネントは実質的に酸性基を含んでおらず、したがって水性の、アルカリ性の現像溶液において不溶性を示す。しかし、半永久的コーティング組成物および水性アルカリ現像溶液での分散性は、そのような現像において改善が必要ならば、十分なカルボン酸基を有機フィラーコンポーネントに取り込むことによって改善してもよい。
【0073】
多くのエラストマーが光画像形成性組成物で使用されているけれども、ポリ(メチルメタクリレート−co−ブタジエン−co−スチレン)が好まれる。使用してもよい他の有機フィラーとしては、可撓性を有する合成ポリマーおよびゴムが挙げられる。例えば、ブタジエン−コアクリロニトリル、アクリロニトリルコプタジエンコスチレン、メタクリレートコアクリロニトリルコブタジエンコスチレンコポリマー等である。有機フィラーコンポーネントのさらに他の例としては、グラントの文献("Hackh's Chemical Dictionary" Fourth Edition, Edited by J. Grant, McGraw-Hill Book Company, 1972、232頁参照)に定められた従来のエラストマーが挙げられる。
【0074】
光画像形成性組成物もまた、処理または最終用途に必要とされる機械的または化学的特性を修飾するために、他の有機フィラーまたは無機微粒子を含むものであってもよい。適当なフィラーとしては、有機または無機の補強剤が挙げられる。この補強剤は、米国特許第2,760,863号に開示されたようなトランスペアレントなものでなkればならない。例えば、有機親和性シリカベントナイト、シリカ、および粒子サイズが0.4μm未満の小さい粉末ガラスである。また、補強剤は米国特許第3,525,615号に開示されたものであってもよく、例えばベーマイトアルミナ、チキソトロープのシリケート酸化物のクレイ混合物、例えばベントナイトおよび0.5%混合金属酸化物とともに99.5%シリカを含む最終的に分割されたチキソトロープのゲルである。さらに、米国特許第3,754,920号に開示されたような微結晶質増粘剤であり、例えば微結晶質シリカ、クレイ、アルミナ、ベントナイト、カロナイト、アタプルタイト、およびモントモリロナイトである。さらにまた、米国特許第3,891,441号では、粒径が0.5ないし10μmの微粉末、例えばシリコン酸化物、亜鉛酸化物、および他の市販されているピグメント、そして欧州特許第87113013.4号では、結合剤に結合し、かつトランスペアレントな無機粒子、例えばマグネシウムシリケート(タルク)、アルミニウムシリケート(クレイ)、カルシウムカーボネート、およびアルミナが開示されている。一般に、フィラーは、化学線に対してトランスペアレントであり、画像形成露光の際の悪影響を排除する。光画像形成性組成物でのそれの機能に依存して、フィラーはコロイド状の、または平均粒径が直径で0.5μmまたはそれ以上であってもよい。
【0075】
粘着性プロモータ
光画像形成性組成は、処理の間にあるいは最終用途生成物で金属回路パターンに被覆されたコーティングの粘着性を改善するために、ヘテロ環あるいはメルカプタン化合物を含んでいてもよい。適当な粘着性プロモータとしては、ハーリー(Hurley)らの米国特許第3, 622, 334号、ジョンズ(Jones) の米国特許第3, 645, 772号とウィード(Weed)米国特許第4, 710, 262号に開示されているようなヘテロ環が挙げられる。好ましい粘着性プロモータとしては、ベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、1−クロロベンゾトリアゾール、1−カルボキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、およびメルカプトベンズイミダゾールが挙げられる。
【0076】
他のコンポーネント
慣習的に感光性ポリマー組成物に加えられた他の化合物を、フィルムの物理的性質を修飾するために 光画像形成性組成物で同様に存在させてもよい。. このようなコンポーネントの例としては、熱安定剤、染料とピグメントのような着色剤、コーティング補助剤、湿潤剤、剥離剤等が挙げられる。
【0077】
半永久的コーティング組成物で使用することができる熱重合阻害剤は、イルガノックス(Irganox 、登録商標)1010、p−メトキシフェノール、ヒドロキノン、およびアルキルおよびアリル置換ヒドロキノンおよびキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、樹脂酸銅、ナフチルアミン、β−ナフトール、塩化第一銅、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、フェノチアジン、p−トルキノン、およびクロラニルである。また熱重合阻害剤として有用なものは、米国特許第4, 168, 982号に開示されるニトロソ化合物である。
【0078】
種々の染料とピグメントがレジスト像の鮮明度を増やすために加えられても良い。使用されたどのような着色剤でも、使われた化学線照射に対してなるべくトランスペアレントであるべきである。
【0079】
本発明の光重合性組成物は、非臭素化難燃剤あるいはジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート、ガンマ−ジプロパノールイソブチルホスフィン酸化物、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ポリ(アリロキシホスファゼン)およびトリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート等の協力剤を含むことが可能である。適当な難燃性と達成するために、臭素化合物に加えられる場合に難燃剤であることを知られているアンチモン酸化物の分量を添加することができる。アンチモン酸化物のいずれもも、好ましくはコロイド分散系として使用することができる。
【0080】
本発明の光重合性組成物は、標準的な大気圧において沸点が100℃を上回り、単または多官能性アクリレートまたはメタクリレート等、高分子ポリマーを光重合によって形成することが可能な非臭素化、非ガス状のエチレン的に不飽和な化合物もまた含有することができる。所望の特性を最適化するのに使用することが可能なモノマーとしては、以下のものが挙げられる。すなわち、t−ブチルアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ヘキサメチレンジアクリレート、1,3−プロパンジオール、デカメチレングリコールジアクリレート、デカアメチレングリコールジメタクリレエート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパン、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレエート、ポリオキシエチレート化トリメチロールプロパントリアクリレート、およびトリメタクリレート、および米国特許第3,380,831号に開示されている化合物と同様の化合物、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、2,2−ジー(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシエチル2,2−ジー(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジメタクリレート、ビスフェノールAのビス(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ビスフェノール−Aのビス(2−メタクリルオキシエチル)エーテル、ビスフェノール−Aのビス(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ビスフェノール−Aの(2−アクリルオキシエチル)エーテル、1,4−ブタンジオールのビス(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ジフェノール酸のビス(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリオキシプロピレントリメチロールプロパントリアクリレート(462)、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジメタクリレート、ペンタエリトリトール、トリメタクリレート、1−フェニルエチレン−1−2−ジメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、ジアリルフマレート、スチレン、1,4−ベンゼンジオールジメタクリレート、1,4−ジイイソプロペニルベンゼン、および1,3,5−トリイソプロペニルベンゼンである。モノマーのクラスは、炭素数2ないし15のアルキレングリコールまたは1ないし10のエーテル結合のポリアルキレンエーテルグリコールから合成されたアルキレンまたはポリアルキレングリコールジアクリレートである。それらは米国特許第2, 927, 022号に開示されており、例えば、特に末端結合として存在する場合に、複数の負荷重合可能なエチレン的結合を有するものである。好ましくは、少なくとも1つ、さらに好ましくはそのような結合の大部分が二重結合炭素に結合している。この場合、炭素と、窒素、酸素、および硫黄のようなヘテロ原子とに二重結合した炭素が含まれる。また、好ましくはそのような材料において、エチレン的に不飽和な基、特にビニリデン基がエステルまたはアミド構造に結合している。
【0081】
上記した必須コンポーネント(a)ないし(g)にもとづいて、好ましい難燃性、光画像形成性樹脂組成物は、(a)重量平均分子量(Mw )が40,000ないし500,000で、かつ重量で5ないし30%の臭素を含む16重量%アクリル酸、59重量%エチレンアクリレートおよび25重量%ジブロモスチレンからなる重量で25から45%の共重合体と、(b)重量平均分子量(Mw )が5,000ないし8,000である8重量%アクリル酸および92重量%エチルアクリレートからなる重量で3から10%のアクリルコポリマーと、(c)末端がヒドロキシエチルアクリレートによってキャップされ、2,6−トルエンジイソシアネートとポリオールとの反応から誘導された重量で8から20%のウレタンジアクリレートと、(d)重量で10ないし80%臭素を含み、アクリル酸とテトラブロモビスフェノール−Aジグリシジルエーテルとの反応から誘導された重量で10ないし30%の臭素化エポキシジアクリレートと、(e)重量で10ないし85%臭素を含み、重量で0ないし20%の3,4,5,6−テトラブロモ−1,2−ベンゼンジカルボン酸とジエチレングリコールおよびプロピレングリコールとの反応混合ジエステルと、(f)重量で0.01から10%の光開始剤系と、(g)重量で5から15%のメチルエチルケトキムブロック化1,6−ジイソシアネートヘキサン3量体架橋剤とを含み、さらに組成物中に含まれる臭素の全量は重量で5から50%である。
【0082】
本発明の別の態様は、難燃性、水処理性、光画像形成性、多層、半永久的コーティング素子に関するもので、該コーティング素子は、プリント回路基板に接触さえて設置する場合に尚早の粘着性を避けるために十分に低い低粘着性を持ち、一方で積層の際に加熱および加圧を行う場合に基板に対して良好な接着性を示す。コーティング素子は、空気の取り込みなしに持ち上がったレリーフ構造を効果的に封入し、水性1%炭酸ナトリウムまたはカリウムにおいて40℃、5分以下で急速現像されることが可能である。また、コーティング素子は、許容できる最終用途特性、例えば2ないし6秒間にわたって260℃ハンダに多数回曝すことに対する耐性や、金めっき浴に対する耐性や、プリント回路協会(IPC)ハンダマスク840B規格に記載されているように他の半永久的コーティング特性を有する。
【0083】
光画像形成性コーティング素子は、光画像形成性半永久的コーティングの少なくとも2つの層による優れた難燃性等の所望の特性の全体的バランスを提供する。プリント回路基板または第1の層に直接接触する光画像形成性コーティングの層は、プリント回路基板に対する早期粘着を避ける一方で積層工程における加熱および加圧に対して良好な粘着性に発達する十分に低い粘着性を持つ層を提供する少なくとも重量で5%の両向性結合剤を含む。第2の層の光画像形成性組成物は上記されており、上記したハンダに対する耐性および難燃性を提供する。
【0084】
光画像形成性半永久的コーティングの第1の層は、支持フィルムまたはカバーフィルムに隣接して設けられてもよい。好ましくは、第1の層は従来の手段を持ちいて溶液から一時的な支持体フィルムに適用され、つぎに乾燥される。光画像形成性半永久的コーティングの第2の層を、従来の手段を用いて溶液またはプレフォームされた層として第1の層の露出した面に塗布してもよく、それによって2つの層間に高い粘着性が得られる。別の実施態様では、第2の層もまた、溶液として一時的な支持フィルムに塗布してもよく、つづいて第1の層を溶液またはプレフォームされた層として従来の手段を用いて第2の層の露出した面に塗布してもよく、それによって2つの層間に高い粘着性が得られる。上記した2通りの態様では、一時的な支持フィルムを、好ましくは第2の層の露出された面に積層し、カバーフィルムを第1の層の露出された面に積層する。そのため、第1および第2の光画像形成性半永久的コーティング層が支持フィルムとカバーフィルムとによって挟持され、かつ保護される。2つの場合について、第1の層は第2の層が該第2の層を保護する支持層から離れる前に該第1の層を保護するカバー層から離れなければならない。カバー層からの除去において、第1の層はプリント回路に適用される一方で第2の層は保護されたままにある。回路基板、通常は銅または誘電体、に接触している第1の層は、周囲条件下で回路基板に対して低い粘着性を持つ。しかし、真空または巻締積層プロセス等における加熱および加圧に対して高い粘着性となる。第1の層は第2の層に対して高い粘着性を有するもので、加熱および加圧下での積層後に、2つの層間または第1の層と回路基板との間で離層することなく残りの保護的支持フィルムを除去することができる。
【0085】
第1および第2の層は、40度、5分以下で1%炭酸ナトリウムまたはカリウム等の水アルカリ溶液濃をほぼ同じ濃度で使用して現像可能である。そのため、第1および第2の層の全体的厚さが、単一の現像工程でもって洗い流され、基板表面上の両層のレジスト像が残る。光画像形成性層の結合された厚さは回路基板の表面上のレリーフパターンに依存する。一般に全体の層厚は125μm(5mil)より大きくないであろう。半永久的コーティング組成物が真空あるいはロールラミネータで使われる場合は、一般に全体の層厚は76μm(3mil)より大きくないであろう。通常、第1の層は0. 01ないし30%、好ましくは0.05ないし10%の結合された層の厚さを含むであろう。
【0086】
一時的な支持フィルム
光硬化性樹脂フィルムで使用されることが一般に周知の支持体フィルムのいずれでも使用することができる。温度変化になるべく高度の寸法安定性を持っている一時的な支持体フィルムは多種多様なポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル、ビニールポリマー、およびセルロースエステル、から選択されてもよく、そして6から200μmに及ぶ層厚を持つものであってもよい。特に望ましい支持体フィルムは、およそ25μmの厚さを持つポリエチレンテレフタレートである。一時的な支持体フィルムを表面処理して、シリコーンのような物質による剥離特性を改善することができる。支持フィルムの少なくとも1つの面は、フィラー粒子を一時的支持フィルムに取り込むことによって、あるいは一時的支持フィルムの表面のエンボスによって得られる無光沢面を持つものであってもよい。
【0087】
光画像形成性
半永久的コーティング層は、それが積層に先だって除去されるロール形状で保存されている場合にブロッキングを防ぐために除去可能なカバーフィルムによって保護されてもよい。保護的なカバーフィルムは、一時的な支持体フィルムについて既に記述されたハイポリマーフィルムの同じグループから選択されてもよく、また同程度の範囲の厚さを有していてもよい。15−30ミクロン厚のカバーフィルムとしては、ポリエチレンまたはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートまたはシリコン処理ポリエチレンテレフタレートが特に適している。少なくともカバーフィルムの一面は、フィラー粒子を一時的支持フィルムに取り込むことによって、あるいは一時的支持フィルムの表面のエンボスによって得られる無光沢面であってもよい。
【0088】
多層光画像形成性半永久的コーティングの第1の層は、(a′)重量で5から25%の両向性結合剤と、(b′)重量で30から80%のカルボキシル含有コポリマー結合剤と、(c′)重量で5から30%のエチレン的に不飽和のモノマーと、(d′)重量で0.5から10%の光開始剤または光開始剤系とを含む。
【0089】
(a′)両向性結合剤(Amphoteric Binder)
第1光画像形成性半永久的コーティング層は、必須のコンポーネント(a′)として、両向性ポリマー結合剤の層組成物を重量で5ないし25%含む。
【0090】
両向性ポリマーは、光画像形成性組成物の第1の層の必須コンポーネントであって、(1)アクリルまたはメタクリルアミドまたはメタクリルアミド、アミノアルキルアクリレートまたはメタクリレートまたはそれらのいずれかの混合物である少なくとも1つの塩基性コポリマーと、(2)1以上のカルボキシル基を含む少なくとも1つの酸性コポリマーと、(3)性質がアクリルまたはメタクリルである少なくとも1つの別のコポリマーとの共重合から誘導されるコポリマーである。
【0091】
適用可能なN−置換アクリルアミドまたはメタクリルアミドは、1〜12の炭素原子を含むアルキル基によって置換される。適用可能なアクリルアミドおよびメタクリルアミドとして、N−エチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−n−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド、N−デシルアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、同様に対応するメタクリルアミドが挙げられる。適当なアミノアルキル化合物は、(C1-4 )アルキル(C2-4 )アミノアルキルアクリレート、およびメタクリレートである。
【0092】
両向性ポリマーとって適当な酸性コポリマーは、少なくとも1つの入手可能なカルボン酸基を持つものである。その例として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、およびマレイン酸およびフマル酸のC1 〜C4 アクリル半エステル、例えばメチル水素マレイン酸塩およびブチル水素フマル酸塩、同様に特定のコポリマー系によって共重合することが可能な他の酸性モノマーが挙げられる。
【0093】
両向性ポリマーのある種の特性、例えば粘着性、共溶性、水溶性、硬さ、可撓性、帯電防止性等を修飾または高めるために、以下のアクリルまたはメタクリルコモノマーのいずれかを使用することができる。すなわち、1ないし12の炭素原子を持つ脂肪族アルコールのアクリル酸およびメタクリル酸エステル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、およびラウリルアルコール;アクリルおよびメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、例えばヒドロキシプロピルアクリレートおよびメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートおよびメタクリレート、ヒドロキシシテアリルアクリレートおよびメタクリレート、およびヒドロキシエチルアクリレートおよびメタクリレート;アクリルおよびメタクリル酸のアルキル(C1 −C4 )アミノアルキル(C2 −C4 )エステル、例えばN,N′−ジエチルアミノエチルアクリレート、N−t−ブチルアミノプロピルアクリレート、N,N′ーPジメチルアミノエチルメタクリレート、N−t−ブチルアミノエチルメタクリレートおよびジメチルアミノエチルメタクリレートの四級化生成物(quaternization product)およびジメチルスルフェート、ジエチルスルフェート等;ビニルアセテートおよびビニルプロピオネート等のビニルエステル;およびスチレンおよびアルファ−メチルスチレン等のスチレンモノマーである。
【0094】
好ましい両向性コポリマーは、重量で約30〜60%のN−置換アクリルアミドまたはメタクリルアミド、重量で10〜20%の酸性コポリマー、さらに重量で55%までの少なくとも1つの共重合可能なコモノマーを含むもので、これらのパーセントはコポリマー全体の重量にもとづいている。
【0095】
最良の物理的特性が組合わさることから特に好ましいコポリマーは、重量で35〜45%のN−t−オクチルアクリルアミド、重量で12〜18%のアクリルまたはメタクリル酸、重量で32〜38%のメチルメタクリレート、重量で2〜10%のヒドロキシプロピルアクリレート、さらに重量で2〜10%のアルキル(C1 −C4 )アミノアルキル(C2 −C4 )アクリレートまたはメタクリレートを含む。
【0096】
上記アクリルコポリマーの合成は、ミッチェリ(Micchelli) らの米国特許第3,927,199号に記載されている。
【0097】
(b′)カルボキシルコポリマー結合剤
光画像形成性半永久的コーティングの第1の層に使用されるカルボキシル含有コポリマー結合剤(b′)は、以下の式のモノマーユニットを含む。
【0098】
(b′)以下の式で表されるコポリマー・結合剤を含むカルボキシル基と、
【0099】
【化9】
Figure 0003904166
【0100】
(式中、R6 はHまたはC1-4 アルキル;R7はフェニルまたは−CO28 ;およびR8 はHまたはC1-4 アルキルであり、1以上のヒドロキシル基と置換できる。コポリマーのモノマーユニットを形成する適当なコモノマーとしてスチレンおよび不飽和カルボン酸およびそれらの誘導体、例えば(meth)アクリル酸および(meth)アクリレートが挙げられる。メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートおよび2−ヒドロキシエチルメタクリレートが特に好ましい。
【0101】
第1の層で使用されるカルボキシルコポリマー結合剤は、1以上のエチレン的に不飽和なジカルボン酸無水物と1以上の上記したコモノマーとを直接共重合させることによって合成することができる。適当なエチレン的に不飽和なジカルボン酸無水物は、例えばマレイン酸無水物、イタコン酸無水物、およびシトラコン酸無水物である。酸無水物官能性を含んでいるコポリマー結合剤は、第1または第2級アルコールまたはアミンと反応することができる。
【0102】
半永久的コーティングがフォトプリントされる場合、組成物の現像に必要となることは、コポリマー結合剤が十分なカルボン酸基を含み、水性アルカリ現像液中で半永久的コーティングが処理可能となることである。コーティング層は放射線にさらされない部分で取り除かれるであろう。しかし、水性アルカリ液での現像の際(例えば、重量で1%の炭酸ナトリウムあるいは炭酸カリウムを含んでいる完全な水性アルカリ液で、40℃、5分の時間)に、十分に露出した部分では実質的に影響されないであろう。第1の光画像形成性半永久的コーティングで使用されるコポリマー結合剤の酸価は、40ないし160,好ましくは60ないし150とすべきであり、それによってプリント回路基板への粘着性が最適化される。環境状態の徹底的な変更に対する十分な順応性と耐性とを持つために、半永久的コーティングは結合剤材料のガラス転移温度が100℃よりも低いことが要求される。第1の光画像形成性半永久的コーティング層のための結合材料では、ガラス転移温度が30℃から100℃までの範囲とすべきである。結合材料のTg が30℃よりも低い場合、支持体フィルムへの粘着性は所望の剥離を行うためにはあまりにも高いものとなる。
【0103】
適当な分子量範囲が製造目的、例えば、溶液の粘度、プロセス寛容度、同様に半永久的コーティング特性、例えば靭性や耐ハンダ性の特性が適当にバランスを保つことが要求される。約25,000から50,000までのコポリマー結合剤分子量範囲が適当である。好ましい範囲は、40,000ないし25,000である。
【0104】
第1の光画像形成性コーティング層に存在する全c カルボキシルコポリマー結合剤の量は、半永久的コーティング組成物の全コンポーネントと比較して重量で一般に30から80%である。
【0105】
(c′)エチレン的に不飽和なモノマー(ethylenically unsaaturated monomer)光画像形成性コーティングの第1の層のコンポーネントとして用いられたモノマーは、半永久的コーティング組成物を光重合させる能力を提供し、全体の特性に貢献する。効率的にそうするために、モノマーは、半永久的コーティング素子に取り込まれる場合に、化学線照射による重合を行うことができる少なくとも2つのエチレン的に不飽和な基を含んでいるべきである。
【0106】
過剰な量の三官能価アクリレートモノマーは、必要とされる可撓性を減少させる。支持フィルムに対するダイ1の層の粘着性が過剰なものとならないように、第1の半永久的コーティング層のモノマー濃度を相対的に低いレベルにすることが必要である。唯一のモノマーとして、あるいは他のものと共に使用可能な適当なモノマー(c′)として、アルコール、イソシアネート、エステル、エポキシド等のアクリレートおよびメタクリレート誘導体が挙げられる。例としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ポリオキシエチレート化およびポリオキシプロピレート化トリメチロールプロパントリアクリレートおよびトリメタクリレートおよび米国特許第3,380,831号に開示されたような化合物と同様の化合物、テトラクロロビスフェノール−Aのジ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、テトラクロロビスフェノール−Aのジ−(2−メタクリルオキシエチル)エーテル、テトラブロモビスフェノール−Aのジ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ジ−(2−メタリルオキシエチル)エーテルのテトラブロモビスフェノール−A、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリカプロラクトンジアクリレート、および米国ペンシルバニア州ウエストチェスターのサルトマー(Sartomer, West Chester, PA)からの脂肪族および芳香族ウレタンオリゴマージ(meth)アクリレート)および米国ジョージア州スマイルナのUCBケミカルズ(UCB Chemicals, Smyrna, GA) から市販されているエベクリル(Ebecryl 、登録商標)である。
【0107】
コモノマーの特に好ましいクラスは、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチレート化トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシプロピレート化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ビスフェノール−Aジアクリレート、ビスフェノール−Aのジー(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、テトラブロモビスフェノール−Aのジー(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、またはそれらのメタクリレート類似体、同様に国ペンシルバニア州ウエストチェスターのサルトマー(Sartomer, West Chester, PA)から入手可能な脂肪族ウレタンジアクリレートCN961およびCN964、および芳香族ウレタンジアクリレートCN971およびCN972である。
【0108】
エチレン的に不飽和のモノマー(c′)全体の量は、第1の光画像形成性半永久的コーティング層の全コンポーネントと比較して重量で一般に5から30%である。
【0109】
(d′)光開始剤系(photoinitiator system)
既に述べた重量で0. 01から10%までの光開始剤を、第1の光画像形成性コーティング層で使用する。第2の光画像形成性層にとって最小の吸光度で吸光度が最大となる第1の光画像形成性コーティング層で光開始剤系を使用することが好ましい。この方法で、十分な入射露光放射は第2の層2お第2の層と同様の時間にわたって第1の層を露光するために、第二の層を通過することができよう。
【0110】
第1のコーティング層として使用される好ましい光画像形成性組成物は、(a′)40重量%N−t−オクチルアクリルアミド、35重量%メチルメタクリレート、16重量%アクリル酸、5重量%ヒドロキシプロピルメタクリレート、および4重量%t−ブチルアミノエチルメタクリレートからなり、重量平均分子量(Mw )が5,000で、酸価が118である重量で5ないし25%の両向性コポリマー結合剤と、(b′)51重量%メチルメタクリレート、29重量%エチルアクリレート、および20重量%メタクリル酸からなり、重量平均分子量(Mw )が40,000であり、酸価が127である重量で30ないし80%のコポリマー結合剤と、(c′)重量で5ないし30%のトリメチロールプロパントリアクリレートと、(d′)重量で0.01から10%の光開始剤系とを含む。
【0111】
半永久的コーティングプロセス
光画像形成性半永久的(photoimageable permanent)コーティングは、二次加工中、主としてハンダ作業中、および/または使用中の環境的な影響からプリント回路を保護するハンダマスクとして使用可能である。また、半永久的コーティングは、多層プリント回路の製造における現像の有無に拘わらず、中間的な絶縁層としても使用可能である。
【0112】
実際には、光画像形成性コーティング、または10マイクロメータ(0.4ミル)厚と125マイクロメータ(5ミル)厚との間の典型的な厚さである光画像形成性層を有する多層コーティングエレメントは、プリント回路基板に適用される。このプリント回路基板は、ガラスファイバ強化エポキシ等の半剛性基板上、またはポリイミドまたはポリエステルのフィルムをベースとしたフレキシブルフィルム基板上にプリント回路レリーフパターンを形成したものである。上記適用された光画像形成性半永久的コーティングは、その後、化学線照射でイメージワイズ(imagewise) に露光され、露光された領域を硬化するか、あるいは不溶化する。いかなる露光をもしていない領域は、その後、典型的なアルカリ性の水性溶媒または炭酸カリウム現像溶液で、完全に除去される。上記炭酸カリウム現像溶液は、露光領域の完全性または粘性に悪影響を及ぼすことなしに、未露光領域を選択的に溶解し、分離し、あるいは分散するものである。上記現像した半永久的なレジストイメージは、最初に処理されて、当該イメージをさらに次の方法により硬化する。その硬化方法は、160℃で1時間など、高温でベークし、付加的な均一な化学線照射またはその組み合わせに露光するものであり、これにより、現像によってすでに除去された未露光領域を除いて、全ての領域を覆う硬化した半永久レジスト層を有する回路基板を製造する。電気的コンポーネントは、その後、スルーホール内に挿入されるか、あるいは表面固定領域に配置され、その位置でハンダ付けされてパッケージされた電気的コンポーネントを形成する。
【0113】
光画像形成性半永久的コーティングは、液体、あるいはプリフォーム(pre-formed)のドライフィルムのいずれの場合も、プリント回路基板に適用され得る。
【0114】
コーティング液
光画像形成性半永久的コーティングは、いかなる従来のコーティング加工に用いられる上記プリント回路基板に対して液体として被覆され得る。その液体は、溶液または半永久的コーティングの成分を分散したものである。ここで、溶媒はコーティング後に、除去されて乾燥した固形の被覆層を形成する。この層は、コーティング後に、直接画像形成されるか、あるいは化学線に露光されて硬化した被覆層を形成する。上記液体はローラーコート、スピンコート、スクリーンコートされてもよく、あるいは上記クーム(Coombs)、上記デフォレスト(Deforest)、リプソンらの米国特許第4,064,287 号明細書、オッジらの米国特許第4,376,815 号に開示明細書されているようにプリントされてもよい。上記液体は、典型的には溶液であるが、その溶液は、ロゼール(Losert)らの米国特許第4,230,793 号明細書に開示されているようにカーテンコートされてもよい。プリント回路がフィルム基板の連続ウェブ上に製造される直後に、半永久的コーティング液が従来のいかなるウェブコーティングプロセスによってコートされ得る。
【0115】
ドライフィルムラミネーション
プリフォームで、ドライフィルムの、光画像形成性半永久的コーティング層には、セレステ(celeste) の米国特許第3,469,982 号明細書に開示されているようなラミネートプロセスを用いて、多層で、透明な被覆エレメントが適用される。上記多層で半永久的な被覆エレメントは、ポリエチレンテレフタレートまたはシリコン処理のポリエチレンテレフタレートなどの化学線照射用に透明で一時的な支持フィルム、薄い光画像形成性半永久的コーティング層、および選択的にポリエチレンまたはポリプロピレンなどの除去可能な被覆シートを順に含み、保存中の上記半永久的な被覆エレメントを保護する。上記光画像形成性半永久的コーティング層は、プリント回路基板に対して用いられたときは10マイクロメータ(0.4ミル)厚から125マイクロメータ(5ミル)厚までの範囲にある。上記セレステに記述されているように、被覆シートは、存在する場合には、最初に除去され、未被覆半永久的コーティング表面は上記基板のうち、予め洗浄された(pre-cleaned) 銅製のプリント回路表面に熱および/または圧力、例えば従来のホートロールラミネータを用いてラミネートされる。上記ラミネート物は一時的な支持フィルムを介して典型的にはイメージワイズに化学線照射に露光するが、上記一時的な支持体は、イメージング前に除去されてもよく、そのためには、再溶解性およびその他の特性を改善するようにしてもよい。典型的には、ドライフィルムが低い回路レリーフを有するプリント回路基板にラミネートされるとき、測定は、例えば回路配線回りからの抱き込み空気(entrapped air) を排除するために行われなければならない。抱き込み空気は、フリエル(Friel の米国特許第4,127,436 号明細書に開示されている真空ラミネート法またはコリエ(Collier) らの米国特許第4,071,367 号明細書に開示された溝ロールラミネート法によって排除される。
【0116】
半永久的コーティングの評価
プリント回路は、回路の応用に依存する種々のテストを耐えなければならない。その応用は、回路基板として用いられる材料のタイプを管理するものである。厳重な応用は、フレキシブルプリント回路に関するものである。この回路には、カメラまたはビデオカセットレコーダ(VCR)などの特別な空間的な要求に関する曲げ特性が要求され、また、コンピュータディスク駆動装置におけるような複合的な曲げに対する耐久性も要求され得る。いくつかの応用では、フレキシブル回路は剛性を有する回路と結合されてフレキシブル−剛性多層プリント回路を形成する。エンドユーザは粘性および単数回または複数回の曲げ耐久性に焦点を当てたフレキシブル回路に関するテストを行う。加えて、加速されたエージングテストは、空気中の条件で、延長された期間、耐える実際のフィルムのエージングをシュミレートする通常のテストである。上記フィルムを熱および湿気に曝くすることによる上記加速エージングテストは、酸化し、あるいは他よりも早く劣化し得るフィルムコンポーネントを同定するのに有効である。本願における実施例を支持するのに用いられるテストは以下に記述される。
【0117】
クリア時間
このテストは、カバーレイ(coverlay)を適当に現像するリテンション時間を評価する。カバーレイは剛性の基板にラミネートされ、その後、1%炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム現像溶液(実際にプロセスで用いられる温度、典型的には40℃と同一温度とされる)に漬けられて(placed through)時間計測される。総クリア時間は、数秒以内で繰り返され、サンプルを現像液に入れた時に始まり、未露光カバーレイが基板から洗い出された時に終了する。
【0118】
フォト速度
このテストはカバーレイの加工性を評価する。緑色カバーレイは基板にラミネートされ、その後、250〜500mj/cm2 の紫外線(UV)に21ステップのストーファ(Stouffer)感光パターンを介して露光される。上記サンプルを現像した後、結果として得られたステップ−エッジパターンを分析した。値をX−Y座標に記録する。X値は現像液での攻撃がない場合の最終ステップであり、Y値はカバーレイを含む最終ステップである。最適の露光レベルはY値が10〜12のときに得られる。高X値は現像液による光ポリマへの少ない攻撃を示している。
【0119】
カプセル化
このテストは基板を適当に保護するカバーレイの能力を評価する。このテストのために選択された上記基板およびカバーレイは最終用途(end-use) の応用における基板等を代表するものである。上記基板は、典型的には回路パターンであり、実際の製法において行われるようにカバーレイで加工されている。加工後に、上記サンプルを、測定の障害となるハロ(haloing) 、空気の抱き込み、および/または脱ラミネートに関して10倍の拡大図を用いて評価する。加えて、上記サンプルを回路の配線の縁部に沿う断面とし、カバーレイが「ソーダ−ストロイング(soda-strawing) 」欠陥を持たない領域を適当に覆うことを保証するために拡大図を用いて評価する。サンプルを加工する前に、サンプルは、このカプセル化テストに合格しているべきである。本願の全ての実施例は上記カプセル化テストに合格した。
【0120】
クロス−ハッチ粘性
このテストはASTM D−3359−79,方法Bに従って行われている。テスト基板を選択し、最終用途用に材料を2倍にし、ミラーアクチュアルプロセッシング(mirror actual processing)を行う。
【0121】
テスト基板は、化学的に清浄化した基板あるいは、銅表面のいかなる予備的な清浄化処理またはエッチングを施すことなしに用いられる基板のいずれかである。化学的に清浄化したサンプルを、最初に45℃〜50℃のバーサクリーン(Versa Clean:登録商標)415に2分間漬け、続いて脱イオン水浴中に30秒間漬ける一連のステップで清浄化する。上記サンプルを35℃のシュアエッチ(Sure Etch:登録商標)マイクロエッチング溶液中に1分間漬け、続いて30秒間、脱イオン水で洗浄する。上記サンプルを最終的には室温の10%の硫酸溶液中に30秒間、漬け、最終的な脱イオン水で洗浄する。サンプルを乾燥し、直ぐに、使用するまで、窒素雰囲気中に置く。
【0122】
上記テスト領域は、ブランクの銅領域およびブランクの粘性領域である。サンプルが「ハンダ後」露光と同様に「硬化後」にテストされる。上記「ハンダ後」露光はPCB製造中のハンダ露光(solder exposure) をシュミレートする。典型的な「ハンダ後」のサンプルを288℃のハンダ(60/40=錫/鉛)に30秒間浮かせる。評価前に、残りのハンダをその後、除去する。全てのサンプルについて10ブレードのガードコ(Gardco)ブレードで線をつけた後、上記サンプルを90°回転させ、100個の四方領域で構成されたクロス−ハッチパターンをカバーレイ表面に切り出すように線をつける。粘着テープを用いて良好な接触を保証するように擦り、その後90°の角度で滑らかな液体の動きのように引き離す。脱ラミネートまたは微小クラックなどのサンプルの欠陥を10倍の拡大図を用いて検査する。カッティングブレードからむしり取られた1〜2%は考慮に入れないが、2%以上のものは欠陥サンプルとする。
【0123】
曲がりおよび折れ
この試験に用いる基板は、一般にMIT曲げ耐久度パターンである。このMITパターンは試験する領域内で1mm線とスペースとが交互になった蛇行パターンである。このサンプルを線およびスペースの方向に対して垂直に折り曲げる。基板は一般に実際の生産用途に使用されるものと同一の種類である。基板の厚さおよび種類(銅、粘着性)と処理工程(前洗浄、ラミネーション、硬化、ハンダ露出)を繰り返して、評価が正確な模倣実験を反映したものであるようにする。一般に、テクラム(Teclam、登録商標)FNC9111 の一面を銅エッチングして使用する。サンプルの折り曲げは手で行う。すなわち、各サンプルの10通りの異なる領域で線およびスペースに対して90度垂直に折り曲げる。つぎに、10倍の倍率でもって割れや剥離等の欠損を調べる。報告された欠損はいずれも不良とする。サンプルは“硬化前”と“硬化後”で評価する。ケースサンプルを、288℃、60/40 スズ/鉛ハンダにカバー層(coverlay)を上にして30分間浮遊させ、つぎに室温で冷やし、上記したようにして評価する。
【0124】
耐薬品性
この試験は、光画像形成処理工程において薬品に曝した際の、フィルム特性におけるあらゆる劣化を分析するものとして設計される。カバー層は、回路パターンを形成した基板上に加工される(用いられる回路構成および基板は、実際使用において見られるものと同一でなければならない)。各サンプルは、処理に典型的に用いられる薬品に、15分間以下にわたって浸漬する。これらの薬品としては、メッキ用薬品(10% NaOH、10% HCl、10% H2 SO4 等)、および洗浄用薬品[メチルエチルケトン(MEK)、トリクロロエチレン(TCE)およびイソプロパノール(IPA)]等が挙げられる。浸漬した後、各サンプルを、10xの倍率(magnification) を用いて、離層、吸上(wicking) 、脆化、または溶剤の侵蝕等の欠陥について試験する。見いだされたどのような欠陥も、破損として報告する。
【0125】
鉛筆硬度
この試験は、イソプロピルアルコールに曝した後の、カバー層の硬度における変化を分析するために設計される。カバー層は、ブランクの基板の上に加工される。硬化した後、該基板を、ASTM D−3363に従って鉛筆硬度について評価する。報告された値は、次いで、イソプロパノールに10分間にわたって浸漬し、拭き取って乾燥し、かつ同一の方法を用いて評価した基板と比較する。引火性(flammability)(UL94試験) 試験片を、UL94薄物質垂直燃焼試験(UL94 Thin Material Vertical Burning Test)に従って、レジスト・コーティング物質を94VTM−0、94VTM−1または94VTM−2に等級付けするために試験した。94VTM−0クラスが最良の等級であり、著しく低い引火性を示す。
【0126】
破断までの伸び
コーティングを、テフロン(登録商標)シート上に積層し、500mj/sqcmでイメージに沿って露光して1/2(one-half)インチ幅の細長い片を作り、40℃で、クリアにする時間の2倍の時間にわたって現像し、風乾し、1時間にわたって160℃で硬化する。状態未調節の材料として試験されるサンプルは、試験するまでジッパーで口を締めた袋に入れておく。状態調節したサンプルは、窒素パージした100℃のオーブン中に入れ、その温度を30〜60分間にわたって保持し、次いで、このサンプルを3時間かけて室温までゆっくりと冷却する。このサンプルを、乾燥窒素でパージされているデシケータ中に入れ、ASTM D−882−83(方法A)に従ってインストロン(Instron) 試験機で試験するまで、この乾燥状態に保持する。伸びのパーセントを、応力−歪データから、インストロン・ソフトウエア・シリーズIX自動化材料試験装置(Instron Software Series IX Automated Materials Testing System) 1.02Cを用いて、コンピュータで算出する。
【0127】
実施例
以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説明する。なお、実施例において使用される材料は以下の通りである。
【0128】
結合剤
(1)臭素化コポリマー結合剤1
59%エチルアクリレート、25%ジブロモスチレン、および16%アクリル酸のコポリマーであって、Tg は36℃〜43℃、重量平均分子量(Mw )は95,000〜160,000、さらに酸価は122〜160、エチルアセテートとアセトンとの割合を80:20とした溶液。
【0129】
(2)臭素化コポリマー結合剤2
61.5%エチルアクリレート、25%ジブロモスチレン、および13.5%アクリル酸からなるコポリマーであって、Tg は38℃、重量平均分子量(Mw )は112,800、さらに酸価は101、エチルアセテートとアセトンとの割合を80:20とした溶液。
【0130】
(3)臭素化コポリマー結合剤3
68%エチルアクリレート、25%ジブロモスチレン、および7%アクリル酸からなるコポリマーであって、Tg が30℃、重量平均分子量(Mw )が123,400であり、自身の水性ラテックスから乾燥。
【0131】
(4)エルバサイト(Elvacite、登録商標)2627
メチルメタクリレート、エチルアクリレート、およびメタクリル酸(51/29/20)からなるコポリマーであって、Tg が87℃、重量平均分子量(Mw )が40,000、さらに酸価は127。
【0132】
(5)アクリルポリマー1
N−第3級オクチルアクリルアミド、メチルメタクリレート、アクリル酸、ヒドロキシプロピルメタクリレート、および第3級ブチルアミノエチルメタクリレート(40/35/16/5/4)からなるペンタポリマーであって、Tg が120℃、重量平均分子量(Mw )が50,000、さらに酸価は118。
【0133】
(6)カルボセット(Carboset、登録商標)515
g が−14℃、重量平均分子量(Mw )が7,000、さらに酸価が63で、かつ米国オハイオ州クレーブランドのビー・エフ・グッドリッチ(B. F. Goodrich, Cleveland, OH) から入手されるポリマーを含有するアクリル酸。
【0134】
ウレタンアクリレート
(1)エベクリル(Ebecryl 、登録商標)6700
米国ジョージア州シマイルナのUCBケミカルズ(UCB Chemicals, Smyrna, GA) から入手されるウレタンジアクリレート。
【0135】
(2)ピュアラスト(Purelast、登録商標)153
米国フロリダ州オーランドのポリマー・系ズ・コーポレーション(Polymer Systems Corp., Orlando, FL.) から入手されるウレタンジアクリレート。
【0136】
(3)PRO1465
米国ペンシルバニア州エクストンのサルトマー・ケミカル社(Sartomer Chemical Co., Inc., Exton PA) から入手される重量で10%臭素であるジブロモネオペンチルグリコールを基剤とする臭素化ウレタンアクリレート。
【0137】
熱架橋剤
(1)ブロック化イソシアネート1
メチルエチルケトキシミンによってブロックされたヘキサメチレン・ジイソシアネートを基剤とするポリイソシアネートであり、エチルアセテート中に75%固形分が溶解。
【0138】
イニシエータ
(1)o−Cl HABI
ヘキサアリルビイミダゾール
(2)EMK
エチル・ミヒラー・ケトン
(3)イルガキュア(Irgacure、登録商標)369
米国ニューヨーク州ホーストンのチバガイギー・コーポレーション(CIBA-Geigy Corporation, Hawthorrne, NY)から入手可能な2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン。
【0139】
(4)エベクリン(Ebecryl ,登録商標)P−36
米国ジョージア州シマイルナのUCBケミカルズ(UCB Chemicals, Symrna, GA) から入手可能なベンゾフェノン誘導体アクリレート。
【0140】
粘着防止剤
(1)PVP K−120
米国テキサス州テキサスシティのGAFケミカルズ・コーポレーションから入手可能なポリビニルピロリドン。
【0141】
(2)PVP K−90
米国テキサス州テキサスシティのGAFケミカルズ・コーポレーションから入手可能なポリビニルピロリドン。
【0142】
他の成分
(1)TMPTA
米国ジョージア州シマイルナのUCBケミカルズ(UCB Chemicals, Smyrna, GA) から入手可能なトリメチロールプロパントリアクリレート。
【0143】
(2)ダイグロ(DyGlo 、登録商標)HMO22A19
米国オハイオ州クリーブランドのダイグロ・コーポレーション(Dayglo Corp., Cleaveland, OH)から入手可能な青色の色素。
【0144】
(3)3−MT
米国マサチューセッツ州ロックランドのエスプリット・ケミカル社から入手可能な3−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール。
【0145】
(4)5−ATT
5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール。
【0146】
臭素化アクリレート化モノマー
(1)臭素化ジアクリレートモノマー1
テトラブロモビスフェノール−A−のビス−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル。
【0147】
臭素化反応性添加剤
(1)PHT−4 ジオル
米国インディアナ州ウエストラファイエットのグレート・レークス・ケミカル社(Great Lakes Chemical Corp., West Lafayette, IN)から入手可能なジエチレングリコールおよびプロピレングリコールと混合した3,4,5,6−テトラブロモ−1,2−ベンゼンジカルボン酸。
【0148】
(2)サイテックス(Saytex、登録商標)RB−79
米国ルイジアナ州バトンルージュのアルベマリー・コーポレーションから入手可能なテトエラブロモフタル酸無水物のジエステル/エーテルジオール。
【0149】
(3)BA−50PTM
米国インディアナ州ウエストラファイエットのグレート・レークス・ケミカル社(Great Lakes Chemical Corp., West Lafayette, IN)から入手可能なテトラブロモビスフェノールAのビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)。
【0150】
(4)FR−522
米国ニューヨーク州ニューヨークのアアメリブロム社(Ameribrom, Inc., New York, NY) から入手可能な2,2−ビス(ブロモメチル)−1,3−プロパアンジオール。
【0151】
(5)臭素化修飾エポキシ
52.2乾燥重量%臭素を有する樹脂となったアメリブロム(Ameribrom 、登録商標)FM2104Xとコハク酸無水物との反応産物。
【0152】
臭素化非反応性添加剤
(1)ピロニル(Pyronil 、登録商標)45
米国ペンシルバニア州フィラデルフィアのエルフ・アトケム・ノース・アメリカ(Elf Atochem North America, Philadelphia, PA) から入手可能なジ−2−エチルヘキシルテトラブロモフタレート。
【0153】
(2)レオフラム(Rheoflam、登録商標)PB−460
米国ペンシルバニア州フィラデルフィアのFMCコーポレーションから入手可能な臭素化フォスフェート。
【0154】
100gのアメリブロム臭素化樹脂F3014と15.26gのコハク酸無水物とを100gのトルエンに溶かした溶液を加熱しながら4時間にわたって環流し、実施例13で使用される臭素化修飾エポキシを合成した。トルエンはロータリー・エバポレータで除去し、残留物をエチルアセテートに溶解するすることによって46.1%固形物が得られた。
【0155】
半永久的コーティング構成
コーティング溶液を塗工機を用いて乾燥フィルム製品に変換した。液体組成物をドクター・ナイフ(実施例1ないし9、および実施例13ないし14)あるいは押出し成型ダイを用いて1milマイラー(Milar 、登録商標)ポリエチレンテレフタレート支持体に被覆することで、約2mil厚さの乾燥フィルム組成物を得た。実施例1ないし7および実施例13ないし14では、各ゾーンが15フィート長であり、またドライヤ温度が50℃、98℃、および115℃であり、さらにライン・スピードが20フィート/分であるスリー・ゾーン・ドライヤを用いた。実施例8および9では、10フィート長のゾーンを有し、またドライヤ温度が85℃であり、さらにライン・スピードが2フィート/分であるワン・ゾーン・ドライヤを用いた。また、実施例10ないし12では、各ゾーンが15フィート長であり、またドライヤ温度が70℃ないし80℃、93℃ないし99℃、および110℃ないし118℃であり、さらにライン・スピードが25フィート/分であるスリー・ゾーン・ドライヤを用いた。コーティング溶液の粘度は、実施例で与え得られた特定の条件(型、スピンドル、速度rpm)でB型粘度計(Brookfield Viscometer) を用いて測定した。
【0156】
下層(サブレイヤー)構成
以下の成分を含有するコーティング溶液を調製した。
Figure 0003904166
ライン・スピード40フィート/分でもって、上記した押し出し成型ダイを用いて溶液を1milマイラー・ポリエステル支持フィルム上にコーティングし、得られたサブレイヤーを実施例12で用いた。
【0157】
実施例1ないし3
実施例1ないし3では、臭素化コポリマー結合剤、臭素化ジアクリレートモノマー、および異なる臭素化反応性添加剤を含む難燃性組成物を説明する。
Figure 0003904166
Figure 0003904166
(注)
1.パイララックス(Pyralux 、登録商標)LF−9110は、1milカプトン(Kapton、登録商標)ポリイミドフィルム、1milアクリル粘着剤、および1oz/ft2 銅箔が積層してなる積層体であり、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Neours & Company) から市販されている。
【0158】
2.テクラム(TecLam、商標)LF−9110は、粘着側に積層された1oz/ft2 銅箔によって硬化した1milエポキシを主成分とする粘着剤によって2面が被覆された1milカプトン(Kapton、登録商標)ポリイミドフィルムからなる積層体であり、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours and Company)から市販されている。
【0159】
実施例4ないし6
実施例4ないし6は、臭素化コポリマーモノマー、臭素化ジアクリレートモノマー、および種々の濃度の臭素化反応性添加剤と異なるフィルム臭素含有量を有する難燃性コーティング組成物を説明するためのものである。
Figure 0003904166
Figure 0003904166
(注)
1.パイララックス(Pyralux 、登録商標)LF−9110は、1milカプトン(Kapton、登録商標)ポリイミドフィルム、1milアクリル粘着剤、および1oz/ft2 銅箔が積層してなる積層体であり、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours and Company)から市販されている。
【0160】
2.テクラム(TecLam、商標)LF−9110は、粘着側に積層された1oz/ft2 銅箔によって硬化した1milエポキシを主成分とする粘着剤によって2面が被覆された1milカプトン(Kapton、登録商標)ポリイミドフィルムからなる積層体であり、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours and Company)から市販されている。
【0161】
実施例7
実施例7では、実施例1ないし6に比べて低い酸含有量の臭素化コポリマー結合剤を含む難燃性コーティング組成物を説明する。
Figure 0003904166
Figure 0003904166
(注)
1.パイララックス(Pyralux 、登録商標)LF−9110は、1milカプトン(Kapton、登録商標)ポリイミドフィルム、1milアクリル粘着剤、および1oz/ft2 銅箔が積層してなる積層体であり、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours and Company)から市販されている。
【0162】
2.テクラム(TecLam、商標)LF−9110は、粘着側に積層された1oz/ft2 銅箔によって硬化した1milエポキシを主成分とする粘着剤によって2面が被覆された1milカプトン(Kapton、登録商標)ポリイミドフィルムからなる積層体であり、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours and Company)から市販されている。
【0163】
実施例8および9
実施例8および9は、臭素化コポリマーモノマー、臭素化ジアクリレートモノマー、および種々の濃度の臭素化非架橋性添加剤を有する難燃性コーティング組成物を説明するためのものである。
Figure 0003904166
Figure 0003904166
(注)
1.パイララックス(Pyralux 、登録商標)LF−9110は、1milカプトン(Kapton、登録商標)ポリイミドフィルム、1milアクリル粘着剤、および1oz/ft2 銅箔が積層してなる積層体であり、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours and Company)から市販されている。
【0164】
2.テクラム(TecLam、商標)LF−9110は、粘着側に積層された1oz/ft2 銅箔によって硬化した1milエポキシを主成分とする粘着剤によって2面が被覆された1milカプトン(Kapton、登録商標)ポリイミドフィルムからなる積層体であり、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours and Company)から市販されている。
【0165】
実施例10
実施例10では、本発明の好ましい難燃性光画像形成性組成物を説明する。
Figure 0003904166
Figure 0003904166
(注)
1.パイララックス(Pyralux 、登録商標)LF−9110は、1milカプトン(Kapton、登録商標)ポリイミドフィルム、1milアクリル粘着剤、および1oz/ft2 銅箔が積層してなる積層体であり、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours and Company)から市販されている。
【0166】
2.テクラム(TecLam、商標)LF−9110は、粘着側に積層された1oz/ft2 銅箔によって硬化した1milエポキシを主成分とする粘着剤によって2面が被覆された1milカプトン(Kapton、登録商標)ポリイミドフィルムからなる積層体であり、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours and Company)から市販されている。
【0167】
実施例11および12
実施例11および12では、低粘着性下層を持つ、あるいは持たない本発明にもとづく難燃性コーティング組成物を説明する。実施例11は、1milのマイラー(Mylar 、登録商標)ポリエチレンテレフタレートフィルムで被覆されている。また、実施例12は1milのマイラー(Mylar 、登録商標)ポリエチレンテレフタレートフィルムで被覆されており、さらに事前に0.07ミクロンの低粘着性下層(後述)によって被覆されている。
Figure 0003904166
Figure 0003904166
(注)
1.パイララックス(Pyralux 、登録商標)LF−9110は、1milカプトン(Kapton、登録商標)ポリイミドフィルム、1milアクリル粘着剤、および1oz/ft2 銅箔が積層してなる積層体であり、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours and Company)から市販されている。
【0168】
2.テクラム(TecLam、商標)LF−9110は、粘着側に積層された1oz/ft2 銅箔によって硬化した1milエポキシを主成分とする粘着剤によって2面が被覆された1milカプトン(Kapton、登録商標)ポリイミドフィルムからなる積層体であり、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours and Company)から市販されている。
【0169】
実施例13および14
実施例13および14では、難燃性を改善するために臭素化修飾エポキシモノマーおよび臭素化ウレタンアクリレートを含む難燃性コーティング組成物を説明する。
Figure 0003904166
Figure 0003904166
(注)
1.パイララックス(Pyralux 、登録商標)LF−9110は、1milカプトン(Kapton、登録商標)ポリイミドフィルム、1milアクリル粘着剤、および1oz/ft2 銅箔が積層してなる積層体であり、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours and Company)から市販されている。
【0170】
3.パイララックス(Pyralux 、登録商標)AP9121は、両面に2milポリイミドフィルムと1oz/ft2 銅フィルムとが積層された全ポリイミド二重側面積層体である。
【0171】
4.パイララックス(Pyralux 、登録商標)AP125EKJは、両面に1.25milポリイミドフィルムと0.5oz/ft2 銅フィルムとが積層された全ポリイミド二重側面積層体である。

Claims (9)

  1. 可撓性プリント回路を半永久的に保護被覆するコーティングを形成するための可撓性、難燃性、および光画像形成性を有する樹脂組成物であって、
    (a)環状臭素化芳香族モノマーユニット、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、または非臭素化芳香族モノマーユニット(ここで、アルキルは1ないし20の炭素原子を含む)と、エチレン性不飽和カルボン酸モノマーユニットとを含み、40,000ないし500,000の重量平均分子量(Mw)を有し、3ないし50重量%の臭素を含む、臭素化カルボン酸コポリマー結合剤と;
    (b)3,000から15,000である重量平均分子量(Mw)を有し、少なくとも1つのカルボン酸含有モノマーユニット2ないし50重量%と、以下の式
    Figure 0003904166
    (式中、RはH、C1−4のアルキルまたはアリールであり;RはH、CH、アリール、−COOR,−CONRまたは−CNであり;およびR、RおよびRはH、C1−4アルキル、アリール、または1つ以上のヒドロキシ、エステル、ケト、エーテルまたはチオエーテル基で置換されたC1−4アルキルまたはアリールである)
    を有する少なくとも1つのモノマーユニット50ないし98重量%とを含む、非臭素化カルボン酸コポリマー結合剤と;
    (c)0ないし20重量%の臭素を含むアクリレート化ウレタンモノマーコンポーネントと;
    (d)ウレタンモノマーコンポーネントではないことを条件とし、10ないし80重量%の臭素を含む、臭素化アクリレート化モノマーと;
    (e)アクリレート化モノマーユニットでもブロック化ポリイソシアネート架橋剤ではないことを条件とし、10ないし85重量%の臭素を含む、非反応性または反応性臭素化添加物と;
    (f)光開始剤または光開始剤系と;
    (g)0ないし30重量%の臭素を含む、ブロック化ポリイソシアネート架橋剤と
    を含み、さらに、組成物中の臭素の全含有量が5から50重量%の範囲内であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 組成物の全重量に基づいて、10から60重量%の臭素化カルボン酸コポリマー結合剤(a)と、2から15重量%の非臭素化カルボン酸コポリマー結合剤(b)と、5から30重量%のアクリレート化ウレタンモノマーコンポーネント(c)と、0から40重量%の臭素化アクリレート化モノマー(d)と、0から40重量%の非反応性または反応性臭素化添加剤(e)と、0.01から10重量%の光開始剤系(f)と、2から20重量%のブロック化ポリイソシアネート架橋剤(g)とを含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性、難燃性、および光画像形成性を有する樹脂組成物。
  3. 前記臭素化カルボン酸コポリマー結合剤(a)は、コポリマーの全重量に基づいて、5から55重量%の環状臭素化芳香族モノマーユニットと、20から92重量%のアルキルアクリレート、アルキルメタクリレートまたは非臭素化芳香族モノマーユニットと、3から25重量%のエチレン性不飽和カルボン酸モノマーとを含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性、難燃性、および光画像形成性を有する樹脂組成物。
  4. 前記環状臭素化芳香族モノマーは、モノ、ジ、トリ、またはテトラ臭素置換されたスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチルメチルスチレン、エチルスチレン、またはα−メチルエチルスチレンを含むことを特徴とする請求項3に記載の可撓性、難燃性、および光画像形成性を有する樹脂組成物。
  5. 前記非臭素化カルボン酸コポリマー結合剤(b)は、エチレン性不飽和カルボン酸と、スチレンまたはアクリル酸およびメタクリル酸のエステルもしくはアミドのコモノマーとの重合反応生成物であることを特徴とする請求項1に記載の可撓性、難燃性、および光画像形成性を有する樹脂組成物。
  6. 前記アクリレート化ウレタンモノマーコンポーネント(c)は、ヒドロキシエチルアクリレートによって末端キャップ化されたイソシアネート末端基を有する、ポリオールと2,6−トルエンジイソシアネートとの反応生成物を含むウレタンジアクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の可撓性、難燃性、および光画像形成性を有する樹脂組成物。
  7. 前記アクリレート化ウレタンモノマーコンポーネント(c)は、ジブロモネオペンチルグリコールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物を含み、およびヒドロキシエチルアクリレートによって末端キャップ化されている臭素化ウレタンジアクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の可撓性、難燃性、および光画像形成性を有する樹脂組成物。
  8. 前記アクリレート化ウレタンモノマーコンポーネント(c)は、テトラブロモビスフェノール−Aのビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)とヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物を含み、およびヒドロキシエチルアクリレートによって末端キャップ化されている臭素化ウレタンジアクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の可撓性、難燃性、および光画像形成性を有する樹脂組成物。
  9. 前記アクリレート化ウレタンモノマーコンポーネント(c)は、ジブロモネオペンチルグリコールおよびポリオールと脂肪族または芳香族ジイソシアネートとの反応生成物を含み、およびヒドロキシエチルアクリレートによって末端キャップ化されている臭素化ウレタンジアクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の可撓性、難燃性、および光画像形成性を有する樹脂組成物。
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