JP3903574B2 - トロイダル形無段変速装置のボールスプライン係合部の組立治具 - Google Patents
トロイダル形無段変速装置のボールスプライン係合部の組立治具 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車用の変速装置として用いられるトロイダル形無段変速装置のボールスプライン係合部の組立治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車用変速装置として用いるトロイダル形無段変速装置は、互いに相対する入出力ディスクと、これら入出力ディスクの間に設けられたパワーローラと、前記入力ディスクを出力ディスクに向かって押圧するローディングカム機構とを備えている。
【0003】
入力ディスクは、駆動源によって回転駆動される入力軸に、この入力軸と連動して回転するように取付けられている。出力ディスクは、前記入力軸の回転に基づく動力を取出す出力軸と連動して回転するように設けられている。
【0004】
前記パワーローラは、前記入出力ディスクに転接自在でかつこれらの入出力ディスク間に傾転自在に設けられている。前記ローディングカム機構は、例えば前記入力軸に取付けられたディスク状のカムディスクを備えている。
【0005】
前記入出力ディスクおよびカムディスクのうち、少なくとも一つは、それぞれが取付けられた軸の軸線方向に沿って、移動自在となっている。この移動自在なディスクは、それぞれの軸に後述するボールスプライン係合部によって取付けられている。
【0006】
前記ボールスプライン係合部は、前記ディスクとそれぞれの軸との間に設けられかつ前記軸の軸線方向に沿って転動自在な転動体としての玉と、前記軸の外周面に設けられた第1の係合溝と、前記ディスクの軸に相対する面に設けられた第2の係合溝と、を備え、前記第1の係合溝と第2の係合溝とを対向合致させて前記玉を挿入してなっている。尚、前記第1の係合溝と第2の係合溝とは、対向合致した際に玉の外形に沿うように形成されている。
【0007】
前述したボールスプライン係合部を組立てる際には、従来、まず、軸の外周面に設けられた第1の係合溝にグリースなどの潤滑剤を塗る。この潤滑剤の粘着力によって玉を第1の係合溝に保持し、この状態の軸をディスクに挿入して行っていた。また、前記軸とディスクとを、互いの係合溝を対向合致した状態で、作業者がこれらの係合溝に手で一つずつ玉を挿入して組立てていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、潤滑剤の粘着力によって第1の係合溝に玉を保持しながら組立てるのでは、組立作業中において、玉にディスクの第2の係合溝以外の部分が当たって、玉が第1の係合溝などから落ちてしまうことがあった。このため、前記ボールスプライン係合部の組立を容易に行えなかった。
【0009】
また、作業者の手によって玉を係合溝に一つずつ挿入して組立てるのでは、所望の係合溝に玉を挿入するのが困難でありかつ目視によって係合溝内の玉の数を確認するのが困難であるため、係合溝内の玉に過不足が生じる恐れがあった。このため、トロイダル形無段変速装置の機械的な強度が低下する恐れがあった。
【0010】
本発明は前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、係合溝に玉などの転動体を過不足なく容易に挿入できるトロイダル形無段変速装置のボールスプライン係合部の組立治具を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のトロイダル形無段変速装置のボールスプライン係合部の組立治具は、駆動源により回転駆動される入力軸と連動して回転する入力ディスクと、前記入力軸の回転に基づく動力を取出す出力軸と連動して回転する出力ディスクと、前記入出力軸のうちどちらか一方に取付けられたディスク状のカムディスクを有しかつ前記入出力ディスクを互いに近付ける方向に前記入出力ディスクのうちすくなくとも一方を押圧するローディングカム機構と、を備え、前記入出力ディスクおよびカムディスクのうち少なくとも一つが、ボールスプライン係合部によってそれぞれの軸に取付けられ、前記ボールスプライン係合部が、前記軸の軸線方向に沿って転動自在な転動体と、前記軸の外周面に設けられた第1の係合溝と、前記入出力ディスクおよびカムディスクのうち少なくとも一つのそれぞれの軸に相対する面に設けられかつ前記第1の係合溝に対向合致する第2の係合溝と、を備え、かつ対向合致した前記第1の係合溝と第2の係合溝とに前記転動体を挿入してなるトロイダル形無段変速装置において、前記ボールスプライン係合部を組立てる際に用いる治具であって、前記係合溝に挿入される数の転動体を対向合致した前記第1の係合溝と前記第2の係合溝に案内する案内手段を備えた治具本体と、前記第1の係合溝と第2の係合溝とが対向合致した状態に、前記入出力ディスクおよび前記カムディスクのうち前記ボールスプライン係合部によって取付けられるディスクと前記入出力軸のうち当該ディスクが取付けられる軸とを互いに位置決めする溝合わせ部材と、前記転動体を前記治具本体の前記案内手段に保持するとともに当該保持を解除可能なストッパ手段と、を備え、前記案内手段は、前記転動体が転動自在であるとともに上方に開口する開口を有し、かつ、底面が対向合致した前記第1の係合溝と前記第2の係合溝とに向かうにしたがって徐々に下り勾配に傾斜するとともに前記係合溝に挿入される数の転動体が載置できる大きさを有する案内溝と、前記転動体が転動自在な大きさを有するとともに前記案内溝において対向合致した前記第1の係合溝と前記第2の係合溝側の端部と前記対向合致した前記第1の係合溝と前記第2の係合溝に相対する位置とにわたって貫通する案内穴と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項2の記載の本発明のトロイダル形無段変速装置のボールスプライン係合部の組立治具は、請求項1に記載の組立治具において、前記治具本体の案内手段に保持された転動体の落下を防止する落下防止手段を備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項1に記載の組立治具は、溝合わせ部材が、ディスクと軸とを互いの係合溝が対向合致した状態に位置決めする。また、案内溝の底面は、第1,2の係合溝に挿入される数の転動体を載置できる大きを有する。さらに、案内溝は、開口を有する。このため、転動体は過不足なく案内溝に保持されるとともに、万が一、転動体に過不足が生じた場合は、溝の開口を通して当該過不足が目視により確認される。また、転動体を保持可能であってかつ当該保持を解除可能なストッパ手段を備えるとともに、案内溝の底面が傾斜している。このため、ストッパ手段を解除するだけで、転動体は、底面に沿って第 1 ,2の係合溝内に挿入される。
【0016】
請求項2に記載の組立治具は、落下防止手段が、治具本体によって保持された転動体の治具本体からの落下を防止するため、係合溝に所望の数の転動体をより一層確実に挿入することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を図1及び図2を参照して説明する。
図1に示すように、トロイダル形無段変速装置としてのダブルキャビティ式トロイダル形無段変速装置1は、駆動源(図示しない)により回転駆動される入力軸7の回転に基づく動力を、出力歯車16などを介して出力軸へと取出す装置である。
【0019】
トロイダル形無段変速装置1は、バリエータ2と、ローディングカム機構3とを備えている。バリエータ2は、一対の入力ディスク4a,4bと、一対の出力ディスク5a,5bと、複数のパワーローラ6とを備えている。
【0020】
入力ディスク4a,4bは、互いに間隔を有し、かつ対向した状態で設けられている。入力ディスク4a,4bは、それぞれ前記入力軸7と連動して回転するように設けられている。入力ディスク4a,4bは、それぞれ、ボールスプライン係合部8a,8bによって、前記入力軸7に取付けられている。
【0021】
前記入力ディスク4a,4bが入力軸7に取付けられるボールスプライン係合部8a,8bは、実質的に同等の構成であるから、一方の入力ディスク4aが取付けられるボールスプライン係合部8aを代表して以下説明する。
【0022】
ボールスプライン係合部8aは、入力軸7の軸線Pに沿って転動自在でかつ入力ディスク4aと入力軸7との間に前記軸線Pに沿って複数設けられた転動体としてのボール9と、前記入力軸7の外周面に設けられた第1の係合溝10と、前記入力ディスク4aの入力軸7と相対する面に設けられた第2の係合溝11とを備えている。
【0023】
前記第1および第2の係合溝10,11は、互いに対向合致した際に前記ボール9の外形に沿うように形成されかつボール9を挿入自在となっている。前記ボールスプライン係合部8aは、対向合致した第1および第2の係合溝10,11に前記ボール9を挿入することによって入力ディスク4aを入力軸7に取付けるようになっている。
【0024】
なお、ボールスプライン係合部8aは、図示例において、前記ボール9を軸線Pに沿って3つ設けているとともに、前記入力軸7の周方向に略等間隔な6か所の係合溝10,11が設けられている。また、他方のボールスプライン係合部8bは、図示例において、前記ボール9を軸線Pに沿って4つ設けている。
【0025】
前記入力ディスク4aは、前述したボール9、第1及び第2の係合溝10,11とからなるボールスプライン係合部8aによって、前記入力軸7と連動して回転自在となるとともに、軸線Pに沿って移動自在となる。
【0026】
前記出力ディスク5a,5bは、前記一対の入力ディスク4a,4bの間に、それぞれ入力ディスク4a,4bと対向しかつ前記入力軸7に対しては遊嵌状態で設けられている。出力ディスク5a,5bは、互いに同軸的に配置されかつ互いに同期して回転するようになっている。
【0027】
出力ディスク5a,5bは、これらの出力ディスク5a,5bと同軸的に配された出力歯車16と連動するように設けられている。この出力歯車16は、前記入力軸7の回転に基づく動力を取出す出力軸と連動して回転するようになっている。
【0028】
前記複数のパワーローラ6は、それぞれ、前記入力ディスク4a,4bと、出力ディスク5a,5bとの間に枢軸12を中心として揺動自在に支持されているとともに、前記入力ディスク4a,4bと出力ディスク5a,5bに転接自在なパワーローラ内輪13を備えている。
【0029】
前記ローディングカム機構3は、一方の入力ディスク4aの背面側に設けられている。ローディングカム機構3は、ディスク状のカムディスク14と、ローラ15とを備えている。前記ローラ15は、前記軸線Pに対し例えば直交するなどの交差する軸線Qまわりの回動自在となっている。ローディングカム機構3は、ローラ15が軸線Q回りに回動することによって、前記入力ディスク4a,4bを出力ディスク5a,5bに向って押圧するようになっている。
【0030】
前述した構成によって、トロイダル形無段変速装置1のバリエータ2は、ローディングカム機構3が入力ディスク4a,4bを出力ディスク5a,5bに向って押圧することによって、入力軸7から伝達された回転駆動力を入力ディスク4a,4b、パワーローラ内輪13、出力ディスク5a,5bおよび出力歯車16を介して出力軸へと伝達することとなる。
【0031】
前述した入力ディスク4aの第2の係合溝11と入力軸7の第1の係合溝10とを互いに対向合致させ、かつこれらの係合溝10,11にボール9を挿入してボールスプライン係合部8aを組立てて、入力ディスク4aを入力軸7に組み付ける際に、図2に示すようなボールスプライン係合部8aの組立治具20が用いられる。
【0032】
ボールスプライン係合部8aの組立治具20は、治具本体21と、ストッパ部材22と、溝合わせ部材としての溝合わせピン23と、落下防止手段としてのリング部材24とを備えている。治具本体21は、前記入力軸7の外径と略等しい内径の中央穴25を有する円環状に形成されている。中央穴25には前記入力軸7が挿入自在となっている。
【0033】
治具本体21は、案内手段としての案内部26を、周方向に等間隔に前記第1および第2の係合溝10,11と同数設けている。それぞれの案内部26は、案内溝27と案内穴28とを一体に備えている。
【0034】
案内溝27は、前記ボール9が転動自在な大きさの溝に形成されており、前記中央穴25に入力軸7を挿入して治具本体21が入力軸7に取付けられた際に、入力ディスク4aと反対側に位置する面29に開口し、かつ治具本体21の外周面から内周側に向かって延びて形成されている。
【0035】
案内溝27は、その底面27aが、治具本体21の外周面から内周側に向かうにしたがって徐々に入力ディスク4aに近付くように傾斜して形成されている。案内溝27の底面27aは、一つのボールスプライン係合部8aの係合溝10,11に挿入される数のボール9が載置できる大きさに形成されている。
【0036】
案内穴28は、前記ボール9が転動自在な大きさの穴に形成されており、前記案内溝27の内周側の端部27bと、前述したように治具本体21が入力軸7に取付けられた際に前記係合溝10,11に相対する位置と、に亘って貫通している。前述した構成によって、案内部26は、案内溝27の底面27aに載置されたボール9を係合溝10,11に案内することなる。
【0037】
ストッパ部材22は、前記入力軸7の外径と略等しい内径の中央穴30を有するとともに、前記治具本体21の外径より小さな外径の円環状に形成されている。前記中央穴30には前記入力軸7が挿入自在となっている。
【0038】
ストッパ部材22は、治具本体21が取り付けられた状態の入力軸7を、その中央穴30に挿入して治具本体21とともに入力軸7に取付けられるようになっている。この際、ストッパ部材22は、前記案内穴28のうち少なくとも一つに向かって延び、かつ、入力ディスク4aの反対側に位置する面と、前記治具本体21に相対する面とに亘って貫通した溝合わせピン挿入穴31を設けている。
【0039】
ストッパ部材22は、前記溝合わせピン挿入穴31が設けられた以外の前記案内部26と相対する位置にストッパピン32を設けている。ストッパピン32は、ストッパ部材22が入力軸7に取付けられた際に、その先端が案内溝27の底面27aなどに当接するように、治具本体21と相対する面から案内溝27に向かって突出して形成されている。
【0040】
ストッパピン32は、案内溝27の底面27aに当接して、案内溝27に載置されたボール9を一旦底面27a上に保持することとなる。なお、ストッパ部材22と治具本体21とは、互いの外径の差が、入力軸7に取付けられた際に案内溝27にボール9を挿入できるように形成されている。
【0041】
前記溝合わせピン23は、前記溝合わせピン挿入穴31に挿入自在な棒状に形成されている。溝合わせピン23は、前記溝合わせピン挿入穴31に挿入された際に、その先端部が、案内穴28を通って治具本体21の入力ディスク4aに相対する端面21aから前記係合溝10,11側に突出する。このとき、溝合わせピン23の先端部は係合溝10,11に挿入され、入力ディスク4aと入力軸7とを前記係合溝10,11が対向合致した状態に位置決めするとともに、案内溝27の底面27aに載置されたボール9を一旦この底面27a上に保持することとなる。
【0042】
前記リング部材24は、前記治具本体21の外径とほぼ等しい内径を有する円環状に形成されているとともに、その厚みが治具本体21の厚みより厚く形成されている。
【0043】
リング部材24は、治具本体21などとともに入力軸7に取付けられた際に、入力ディスク4aに相対する端面24aが前記端面21aと同一平面上に位置した状態で、ねじ33などによって前記治具本体21に固定されるようになっている。このとき、リング部材24の入力ディスク4aと反対側に位置する端面24bが、前記治具本体21の面29から突出するので、リング部材24はボール9の治具本体21からの落下を防止することとなる。
【0044】
前述した構成によれば、ボールスプライン係合部8aを組立てる際には、まず、入力ディスク4aに、ローディングカム機構3が取付けられた入力軸7を挿入するなどして、この入力ディスク4aを所望の位置に配置する。
【0045】
このとき、互いの端面21a,24aを同一平面上に位置させた状態で治具本体21とリング部材24とを固定しておく。そして、中央穴25に入力軸7を挿入して、治具本体21を入力軸7に取付ける。さらに、中央穴30に入力軸7を挿入して、ストッパ部材22を入力軸7に取付ける。この際、ストッパ部材22のストッパピン32を案内部26の案内溝27内に挿入して、その先端が底面27aに当接した状態とする。
【0046】
その後、前記溝合わせピン挿入穴31に溝合わせピン23を挿入して、このピン23を入力ディスク4aに向って押圧しながら、治具本体21及び入力ディスク4aを入力軸7の軸線P回りに回転させる。すると、前述した係合溝10,11が、互いに対向合致したときに、溝合わせピン23の先端部が係合溝10,11に侵入して、入力軸7、入力ディスク4a及び治具本体21の相互間の位置決めが行われる。
【0047】
それぞれの案内溝27の底面27aに係合溝10,11に挿入される数と同数のボール9を載置する。そして、ストッパ部材22および溝合わせピン23を、治具本体21から離れる方向に移動して、入力軸7から取り外す。すると、ストッパ部材22のストッパピン32および溝合わせピン23の保持がなくなって、案内溝27の底面27aに載置されていたボール9が係合溝10,11に挿入されることとなる。
【0048】
ボール9が係合溝10,11に挿入された後、治具本体21などを入力ディスク4aから離れる方向に移動して、入力軸7から取り外して、前述したボールスプライン係合部8aの組立を終了する。
【0049】
本実施形態によれば、溝合わせピン23が、係合溝10,11が互いに対向合致した状態に入力軸7と入力ディスク4aとを位置決めし、かつ治具本体21の案内部26の案内溝27にこれらの係合溝10,11に挿入される所望の数のボール9が載置されるとともに、案内部26がこれらのボール9を係合溝10,11に案内するので、係合溝10,11に確実に所望の数のボール9を挿入することができる。
【0050】
また、ストッパ部材22および溝合わせピン23が、治具本体21の案内部26の案内溝27の底面27aにボール9を保持し、かつ前記底面27aが内周側に向うにしたがって徐々に入力ディスク4aに近付く方向に傾斜しているので、ストッパ部材22及び溝合わせピン23のボール9の保持を解除することによって、係合溝10,11に所望の数のボール9を確実に挿入することができる。
【0051】
さらに、ストッパ部材22及び溝合わせピン23のボール9の保持を解除する際に、これらのストッパ部材22及び溝合わせピン23を入力ディスク4aから離れる方向に移動させて、入力軸7から取り外すだけでよいため、容易に、ボール9を係合溝10,11に挿入することができる。
【0052】
リング部材24が、治具本体21の案内部26によって保持されたボール9の落下を防止するため、係合溝10,11に所望の数のボール9をより確実に挿入することができる。
【0053】
したがって、ボール9を過不足なく容易に係合溝10,11に挿入して、ボールスプライン係合部8aを組立てることができ、トロイダル形無段変速装置1の機械的な強度を低下させることがない。
【0054】
以上は、本発明を図1に示した一方の入力ディスク4aと入力軸7との間のボールスプライン係合部8aについて説明したものであるが、この一方の入力ディスク4aと入力軸7との間に限らず、他方の入力ディスク4bと入力軸7との間にボールスプライン係合部8bや、出力ディスク4とこの出力ディスク4を支持する軸との間に設けられたボールスプライン係合部や、ローディングカム機構3のカムディスク14とこのカムディスク14を支持する軸との間に設けられたボールスプライン係合部を組立てる際の組立治具にも適用することができる。なお、前記他方のボールスプライン係合部8bを組立てる組立治具20の案内溝27には、ボール9を最大4つ載置できるのが望ましい。
【0055】
【発明の効果】
請求項1の記載の発明によると、溝合わせ部材が、ディスクと軸との係合溝が対向合致した状態に位置決めし、治具本体の案内手段がこれらの係合溝に挿入される数の転動体を案内するので、係合溝に所望の数の転動体を挿入することができる。したがって、転動体を過不足なく確実に係合溝に挿入することができ、トロイダル形無段変速装置の機械的な強度を低下させることがない。また、係合溝に挿入される数の転動体を案内手段に一旦保持するので、ストッパ部材の転動体の保持を解除することによって、係合溝に所望の数の転動体を容易にかつより確実に挿入することができる。したがって、転動体を過不足なく容易にかつより確実に係合溝に挿入でき、トロイダル形無段変速装置の機械的な強度を低下させることがより生じない。
【0057】
請求項2に記載の本発明によると、落下防止手段が、治具本体によって保持された転動体の落下を防止するため、係合溝に所望の数の転動体をより一層確実に挿入することができる。したがって、転動体を過不足なくより一層確実に係合溝に挿入でき、トロイダル形無段変速装置の機械的な強度を低下させることがより一層生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】トロイダル形無段変速装置の一部を示す縦断面図。
【図2】本発明のトロイダル形無段変速装置のボールスプライン係合部の組立治具の一実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
1…ダブルキャビティ式トロイダル形無段変速装置(トロイダル形無段変速装置)
3…ローディングカム機構
4a,4b…入力ディスク
5a,5b…出力ディスク
7…入力軸
8a,8b…ボールスプライン係合部
9…ボール(転動体)
10…第1の係合溝
11…第2の係合溝
14…カムディスク
20…組立治具
21…治具本体
22…ストッパ部材
23…溝合わせピン(溝合わせ部材)
24…リング部材(落下防止手段)
26…案内部(案内手段)
Claims (2)
- 駆動源により回転駆動される入力軸と連動して回転する入力ディスクと、前記入力軸の回転に基づく動力を取出す出力軸と連動して回転する出力ディスクと、前記入出力軸のうちどちらか一方に取付けられたディスク状のカムディスクを有しかつ前記入出力ディスクを互いに近付ける方向に前記入出力ディスクのうちすくなくとも一方を押圧するローディングカム機構と、を備え、
前記入出力ディスクおよびカムディスクのうち少なくとも一つが、ボールスプライン係合部によってそれぞれの軸に取付けられ、
前記ボールスプライン係合部が、前記軸の軸線方向に沿って転動自在な転動体と、前記軸の外周面に設けられた第1の係合溝と、前記入出力ディスクおよびカムディスクのうち少なくとも一つのそれぞれの軸に相対する面に設けられかつ前記第1の係合溝に対向合致する第2の係合溝と、を備え、かつ対向合致した前記第1の係合溝と第2の係合溝とに前記転動体を挿入してなるトロイダル形無段変速装置において、
前記ボールスプライン係合部を組立てる際に用いる治具であって、
前記係合溝に挿入される数の転動体を対向合致した前記第1の係合溝と前記第2の係合溝に案内する案内手段を備えた治具本体と、
前記第1の係合溝と第2の係合溝とが対向合致した状態に、前記入出力ディスクおよび前記カムディスクのうち前記ボールスプライン係合部によって取付けられるディスクと前記入出力軸のうち当該ディスクが取付けられる軸とを互いに位置決めする溝合わせ部材と、
前記転動体を前記治具本体の前記案内手段に保持するとともに当該保持を解除可能なストッパ手段と、
を備え、
前記案内手段は、
前記転動体が転動自在であるとともに上方に開口する開口を有し、かつ、底面が対向合致した前記第1の係合溝と前記第2の係合溝とに向かうにしたがって徐々に下り勾配に傾斜するとともに前記係合溝に挿入される数の転動体が載置できる大きさを有する案内溝と、
前記転動体が転動自在な大きさを有するとともに前記案内溝において対向合致した前記第1の係合溝と前記第2の係合溝側の端部と前記対向合致した前記第1の係合溝と前記第2の係合溝に相対する位置とにわたって貫通する案内穴と
を備えたことを特徴とするトロイダル形無段変速装置のボールスプライン係合部の組立装置。 - 前記治具本体の案内手段に保持された転動体の落下を防止する落下防止手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のトロイダル形無段変速装置のボールスプライン係合部の組立治具。
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