JP4748443B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
自動車用変速機として、図7および図8に略示するようなトロイダル型無段変速機を使用することが一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に、出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側には、入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸(傾転軸)5,5を中心として揺動するトラニオン6,6が設けられている。各トラニオン6,6には、パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、入力側および出力側の両ディスク2,4の間に挟持(転接)されている。
入力側および出力側の両ディスク2,4の互いに対向する内側面2a,4aの断面はそれぞれ、枢軸5を中心とする円弧或いはこのような円弧に近い曲線を回転させて得られる凹面を成している。そして、球状の凸面に形成された各パワーローラ11,11の周面11a,11aが各内側面2a,4aに当接されている。
入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置12が設けられている。この押圧装置12は、入力側ディスク2を出力側ディスク4に向けて弾性的に押圧している。また、押圧装置12は、入力軸1と共に回転するカム板13と、保持器14により保持された複数個(例えば4個)のローラ15とから構成されている。また、カム板13の片側面(図7および図8の左側面)には、周方向に亙って凹凸面であるカム面16が形成され、入力側ディスク2の外側面(図7および図8の右側面)にも同様のカム面17が形成されている。そして、複数個のローラ15は、入力軸1に対して放射方向に延びる軸を中心に回転できるように、支持されている。
このような構成のトロイダル型無段変速機においては、入力軸1を回転させると、その回転に伴ってカム板13が回転し、カム面16によって複数個のローラ15,15が、入力側ディスク2の外側面に設けられたカム面17に押圧される。この結果、入力側ディスク2が複数のパワーローラ11,11に押圧されると同時に、1対のカム面16,17と複数個のローラ15,15の転動面との押し付け合いに基づいて、入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、各パワーローラ11,11を介して、出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定された出力軸3が回転する。
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合であって、入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図7に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。
反対に、増速を行なう場合には、各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図8に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。各変位軸9,9の傾斜角度を図7と図8との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比が得られる。
図9および図10には、より具体化されたダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の一例が示されている。なお、図7および図8と共通する構成部材に関しては、以下、同一符号を付して、その詳細な説明または図示を省略する。
これらの図に示すように、ケーシング101の内側には、入力軸1が回転自在に支持されている。入力軸1の両端寄り部分には、第1および第2の入力側ディスク2,2がそれぞれ、ボールスプライン96を介して支持されている。この場合、第1および第2の入力側ディスク2,2は、その内側面2a,2a同士を互いに対向させた状態で同心的に配置されるとともに、ケーシング101の内側で互いに同期して回転できる。
入力軸1の中間部の周囲には、第1および第2の出力側ディスク4,4がスリーブ109を介して支持されている。スリーブ109の中間部の外周面には、出力歯車110が一体に設けられている。この出力歯車110は、入力軸1と同心的に配置されるとともに、入力軸1の外径よりも大きな内径を有している。また、出力歯車110は、一対の転がり軸受112を介して、ケーシング101内に設けられた支持壁111に回転自在に支持されている。
第1および第2の出力側ディスク4,4は、スリーブ109の両端部にスプライン係合されている。この場合、出力側ディスク4,4は、それぞれの内側面4a,4aを互いに反対方向に向けた状態で配置されている。したがって、入力側ディスク2と出力側ディスク4は、その内側面2a,4a同士が互いに対向している。
図10に示すように、ケーシング101の内側であって、出力側ディスク4,4の側方位置には、両ディスク4,4を両側から挟む状態で一対のヨーク113a,113bが支持されている。これら一対のヨーク113a,113bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン6の両端部に設けられた枢軸5を揺動自在に支持するため、ヨーク113a,113bの四隅には、円形の支持孔118が設けられるとともに、ヨーク113a,113bの幅方向の中央部には、円形の係止孔119が設けられている。
一対のヨーク113a,113bは、ケーシング101の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト20a,20bにより、僅かに変位できるように支持されている。これらの支持ポスト20a,20bはそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク4の内側面4aとの間にある第1キャビティ21および第2キャビティ22にそれぞれ対向する状態で設けられている。なお、ポスト20aには、トラニオン6の傾転量を規制する傾転ストッパ150が設けられている。
したがって、ヨーク113a,113bは、各支持ポスト20a,20bに支持された状態で、その一端部が第1キャビティ21の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2キャビティ22の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ21,22は同一構造であるため、以下、第1キャビティ21のみについて説明する。
第1キャビティ21には、一対のトラニオン6が設けられている。トラニオン6の両端部には同心的に枢軸5が設けられており、これらの枢軸5は一対のヨーク113a,113bの一端部に揺動且つ軸方向に変位自在に支持されている。すなわち、枢軸5は、ヨーク113a,113bの一端部に形成された支持孔118の内側に、ラジアルニードル軸受26によって支持されている。ラジアルニードル軸受26は、その外周面が球状凸面で且つその内周面が円筒面である外輪27と、複数本のニードル28とから構成されている。
トラニオン6の中間部にはそれぞれ、円孔30が設けられている。また、各円孔30には変位軸31が支持されている。変位軸31はそれぞれ、互いに平行で且つ偏心した第1の軸部33と第2の軸部34とを有している。このうち、第1の軸部33は、円孔30の内側に、ラジアルニードル軸受35を介して支持されている。また、第2の軸部34の周囲には、別のラジアルニードル軸受38を介して、パワーローラ11が支持されている。
なお、第1および第2キャビティ21,22毎に一対ずつ設けられた変位軸31は、第1および第2キャビティ21,22毎に、入力軸1に対して180度反対側に位置して設けられている。また、変位軸31の各第2の軸部34が各第1の軸部33に対して偏心している方向は、入力側ディスク2,2と出力側ディスク4,4の回転方向に関して同方向となっている。また、偏心方向は入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、パワーローラ11は、入力軸1の長手方向に沿って僅かに変位できるように支持されている。その結果、トロイダル型無段変速機により伝達されるトルクの変動に基づく構成部材の弾性変形量の変動等に起因して、パワーローラ11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、構成部材に無理な力が加わることがなく、その変位を吸収することができる。
また、パワーローラ11の外周面とトラニオン6の中間部内側面との間には、パワーローラ11の外側面から順に、スラスト玉軸受39と、滑り軸受あるいはニードル軸受等のスラスト軸受40とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受39は、パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11の回転を許容する。また、スラスト軸受40は、パワーローラ11からスラスト玉軸受39の外輪41に加わるスラスト荷重を支承しつつ、第2の軸部34および外輪41が第1の軸部33を中心に揺動することを許容する。
トラニオン6の一端部にはそれぞれ、駆動ロッド42が結合されている。また、これらの駆動ロッド42の中間部外周面には、駆動ピストン43が固着されている。この駆動ピストン43は、駆動シリンダ44内に油密に嵌装されている。そして、駆動ピストン43がトラニオン6を軸方向に変位させるためのアクチュエータを構成している。
図9に示すように、入力軸1と一方の入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置45が設けられている。この押圧装置45は、カム板46と複数のローラ48とを備えており、駆動軸210の回転に基づいて一方の入力側ディスク2を他方の入力側ディスク2に向け押圧しつつ回転させる。この場合、カム板46の爪部46aは駆動軸210の爪部210aと係合され、カム板46は駆動軸210と共に回転する。また、複数のローラ48は保持器47に転動自在に保持されている。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の運転時、駆動軸210の回転は、押圧装置45を介して、一方の入力側ディスク2に伝えられ、この入力側ディスク2と他方の入力側ディスク2とが互いに同期して入力軸1と共に回転する。入力側ディスク2,2の回転は、パワーローラ11を介して、出力側ディスク4,4に伝えられる。出力側ディスク4,4の回転は、出力歯車110により取り出される。
入力軸1と出力歯車110との間の回転速度比を変える場合には、制御弁(図示しない)の切換えに基づいて、第1および第2のキャビティ21,22に対応してそれぞれ一対ずつ設けられた駆動ピストン43を、各キャビティ21,22毎に互いに逆方向に同じ距離だけ変位させる。これらの駆動ピストン43の変位に伴って、一対ずつ合計4個のトラニオン6がそれぞれ逆方向に変位し、一方のパワーローラ11が下側に、他方のパワーローラ11が上側にそれぞれ変位する。その結果、各パワーローラ11の周面と、入力側ディスク2,2の内側面2a,2a、出力側ディスク4,4の内側面4a,4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、その力の向きの変化に伴って、トラニオン6がヨーク113a,113bに枢支された枢軸5を中心として逆方向に揺動する。この結果、パワーローラ11の周面と、入力側ディスク2,2、出力側ディスク4,4との当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車110との間の回転速度比が変化する。
ところで、このようなトロイダル型無段変速機においては、トラニオン6の強度を確保し且つ小型化を図るため、図11に示すように、トラニオン6の一側部を閉塞して、変位軸31の第1の軸部33をトラニオン6から突出させない構造が用いられる場合がある(例えば、特許文献1参照)。また、このような場合、組立時にパワーローラ11がトラニオン6から分離することがあるため、図12に示すように、パワーローラ11を押さえ付ける治具160が組立段階で用いられる(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−94041号公報 特開2002−213555号公報
トロイダル型無段変速機においては、組立の過程でセーフティケーブルや制御ピストン等を組み込む必要があるため、図12のような構造を採用する場合には、ヨーク113a,113bを取り付ける前に、図9に示すようにパワーローラ11を入出力側ディスク2,4間で挟み込んだ段階で、治具160を取り除いている。すなわち、ヨーク113a,113bが取り付けられてパワーローラ11およびディスク2,4の位置が固定される前に治具160が取り除かれる。しかし、このような段階で治具160を取り除くと、図13に示すようにパワーローラ11とディスク2,4との間に隙間Sが生じてしまう場合がある。
また、このように、パワーローラ11とディスク2,4との間に隙間Sが生じてしまうと、図14に示すように、変位軸31の第1の軸部33が所定の位置から軸方向にずれてしまう場合がある。そのような場合、組立寸法が変わり、同期安定性を確保できなくなったり、あるいは、パワーローラ11の揺動が不可能となって、スリップ等を引き起こす虞がある。
そこで、トラニオン6からのパワーローラ11の脱落を防止するための加工をトラニオン6の円孔30に施すことも考えられるが、新たな加工を必要とするため、製造工程が増え、製造コストが高くなる可能性がある。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、組立段階において組立部品の位置ずれ等の不具合を引き起こすことなくトラニオンとパワーローラとの分離を簡単且つ安価に防止できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンに取り付けられた支軸と、この支軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラとを備え、前記支軸は、一端が閉塞された前記トラニオンの支持孔内に軸受を介して支持される第1の軸部と、前記パワーローラを支持する第2の軸部とから成り、前記パワーローラを支持する前記支軸が前記トラニオンから脱落することを防止するための脱落防止部材が組立段階において使用されるトロイダル型無段変速機であって、前記支軸の前記第1の軸部および前記トラニオンには、これらの両者にわたって前記脱落防止部材を挿脱可能に挿通できる挿通孔が形成されており、前記挿通孔は、前記パワーローラに通じる潤滑油路の一部を形成していることを特徴とする。
この請求項1に記載された発明においては、支軸の第1の軸部およびトラニオンに、これらの両者にわたって脱落防止部材を挿脱可能に挿通できる挿通孔が形成されており、セーフティケーブルや制御ピストン等のその後の組み立てに影響がない支軸の第1の軸部側(これと反対側であるパワーローラが位置する支軸の第2の軸部側は、セーフティケーブルや制御ピストン等の組み立てに直接的または間接的に関与する側であり、このスペースに脱落防止部材があると邪魔になる場合がある)で脱落防止部材により支軸をトラニオンに対して支持できるため、トラニオンを支持するヨーク等が取り付けられパワーローラおよびディスクの位置が固定された後に脱落防止部材を取り除くことが可能になり、組立段階においてパワーローラや支軸等の組立部品の位置ずれといった不具合を引き起こすことなくトラニオンとパワーローラとの分離を効果的に防止できる。
また、潤滑油路を利用して脱落防止部材を取り付けることができるため(既存の部位を利用して脱落防止部材を取り付けることができるため)、脱落防止部材のための取り付けスペースを別個に確保する必要がなくなる(トラニオンからのパワーローラの脱落を防止するための加工をトラニオンの支持孔等に施す必要もない)。そのため、新たな加工が不要となり(製造工程を増やさずに済み)、結果的に製造コストを安価に抑えることが可能になる。
また、請求項2に記載されたトロイダル型無段変速機は、請求項1に記載された発明において、前記支軸の前記第1の軸部には前記脱落防止部材が貫通可能な第1の挿通孔が形成され、前記トラニオンには前記脱落防止部材が挿通可能な一対の第2および第3の挿通孔が前記支持孔の両側に対向して形成され、前記前記脱落防止部材が前記第1ないし第3の貫通孔にわたって挿通されることにより前記トラニオンからの前記支軸の脱落が防止されることを特徴とする。
この請求項2に記載された発明においては、3つの挿通孔を通じて脱落防止部材を挿通するだけでトラニオンからの支軸の脱落を防止できるため、脱落防止機構が簡単となり、結果的に組立作業を簡単に行なうことができるようになる。
また、請求項3に記載されたトロイダル型無段変速機は、請求項1または請求項2に記載された発明において、前記脱落防止部材が略一直線に延びる棒状を成していることを特徴とする。
この請求項3に記載された発明においては、脱落防止部材が略一直線に延びる棒状を成しているため、脱落防止部材を簡単に形成することができるとともに、3つの挿通孔を通じて脱落防止部材を直線的に挿脱するだけでトラニオンからの支軸の脱落防止および脱落防止部材の除去を行なうことができるため、組立作業が簡単になる。
また、請求項4に記載されたトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンに取り付けられた支軸と、この支軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラとを備え、前記支軸は、一端が閉塞された前記トラニオンの支持孔内に軸受を介して支持される第1の軸部と、前記パワーローラを支持する第2の軸部とから成り、前記パワーローラを支持する前記支軸が前記トラニオンから脱落することを防止するための脱落防止部材が組立段階において使用されるトロイダル型無段変速機であって、前記支軸の前記第1の軸部および前記トラニオンには、これらの両者にわたって前記脱落防止部材を挿脱可能に挿通できる挿通孔が形成されており、前記トラニオンの前記枢軸を揺動可能に支持するヨークを更に備え、前記ヨークには前記脱落防止部材が挿通可能な貫通孔が形成されていることを特徴とする。
この請求項4に記載された発明においては、ヨークの貫通孔に脱落防止部材を挿通することにより、トラニオンの位相合わせも可能になる。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、組み立て作業に影響がない支軸の第1の軸部側で脱落防止部材により支軸をトラニオンに対して支持できるため、トラニオンを支持するヨーク等が取り付けられパワーローラおよびディスクの位置が固定された後に脱落防止部材を取り除くことが可能になり、組立段階においてパワーローラや支軸等の組立部品の位置ずれといった不具合を引き起こすことなくトラニオンとパワーローラとの分離を効果的に防止できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、組立作業中でのトラニオンに対するパワーローラの脱落防止構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図7〜図14と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1は本発明の実施形態を示している。図1に示すように、本実施形態において、支軸としての変位軸31の第1の軸部33およびトラニオン6には、これらの両者にわたって脱落防止部材200を挿脱可能に挿通できる挿通孔204,202a,202bが形成されている。この場合、脱落防止部材200は、後述するように、パワーローラ11を支持する変位軸31がトラニオン6から脱落することを防止するために組立段階において使用される。
具体的には、変位軸31の第1の軸部33には脱落防止部材200が貫通可能な第1の挿通孔204が形成され、トラニオン6には脱落防止部材200が挿通可能な一対の第2および第3の挿通孔202a,202bが支持孔としての円孔30の両側に対向して形成されている。そして、組立段階では、図1に示すように、脱落防止部材200が第1ないし第3の貫通孔204,202a,202bにわたって挿通されることによりトラニオン6からの変位軸31の脱落が防止されるようになっている。なお、脱落防止部材200は、図1の(b)に示すように略一直線に延びる棒状を成している。
また、本実施形態において、挿通孔204,202a,202bは、トラニオン6からパワーローラ11の各軸受部38,39・・・へと延びる潤滑油路(図1に破線で示される通路)の一部を形成している。
図2は、図1の状態からヨーク113a,113bを組み付けた状態を示している。図示のように、この組み付け段階では、脱落防止部材200がヨーク113a,113bに形成された貫通孔300に通される。そして、この組み付けによってパワーローラ11およびディスク2,4の位置が固定された後、図3に示すように脱落防止部材200がトラニオン6および変位軸31の第1の軸部33の挿通孔204,202a,202bから抜去される。なお、脱落防止部材200が抜去された後に残る挿通孔204,202a,202bの部位(その後に油路として使用される部位は除く)、特に開口部位は、穴埋め剤(充填剤)やテーパボルト等によって塞がれても良い。
以上のような構成は、図4に示すようにトラニオン6の支持孔30が真円ではなく横方向に長い長穴(楕円穴)もしくは矩形穴の場合にも適用でき、パワーローラ11の脱落を容易に防止することができる。
図5は、前述した実施形態の変形例を示している。図示のようにトラニオン6の横部に挿通穴202A,202Bを設け、これらの挿通孔202A,202Bおよび変位軸31の挿通孔204にわたって脱落防止部材200を挿通しても同様にトラニオン6からの変位軸31およびパワーローラ11の脱落を効果的に防止できる。
図6には、脱落防止部材の変形例が示されている。この変形例に係る脱落防止部材200Aは、その長手方向の途中に先細りのテーパ部400を有している。このような脱落防止部材200Aを用いると、挿通孔からの脱落防止部材の脱落を防止することも可能になる。なお、テーパ部以外にネジを用いても脱落防止に寄与し得る。
以上説明したように、本実施形態のトロイダル型無段変速機においては、変位軸31の第1の軸部33およびトラニオン6に、これらの両者にわたって脱落防止部材200を挿脱可能に挿通できる挿通孔204,202a,202bが形成されており、セーフティケーブルや制御ピストン等のその後の組み立てに影響がない第1の軸部33側(これと反対側であるパワーローラ11が位置する第2の軸部34側は、セーフティケーブルや制御ピストン等の組み立てに直接的または間接的に関与する側であり、このスペースに脱落防止部材200があると邪魔になる場合がある)で脱落防止部材200により変位軸31をトラニオン6に対して支持できるため、トラニオン6を支持するヨーク113a,113b等が取り付けられパワーローラ11およびディスク2,4の位置が固定された後に脱落防止部材200を取り除く(図3参照)ことが可能になり、組立段階においてパワーローラ11や変位軸31等の組立部品の位置ずれといった不具合を引き起こすことなくトラニオン6とパワーローラ11との分離を効果的に防止できる。
また、潤滑油路を利用して脱落防止部材200を取り付けることができるため(既存の部位を利用して脱落防止部材を取り付けることができるため)、脱落防止部材200のための取り付けスペースを別個に確保する必要がなくなる(トラニオン6からのパワーローラ11の脱落を防止するための加工をトラニオン6の円孔30等に施す必要もない)。そのため、新たな加工が不要となり(製造工程を増やさずに済み)、結果的に製造コストを安価に抑えることが可能になる。
また、3つの挿通孔204,202a,202bを通じて脱落防止部材200を挿通するだけでトラニオン6からの変位軸31の脱落を防止できるため、脱落防止機構が簡単となり、結果的に組立作業を簡単に行なうことができるようになる。
また、脱落防止部材200が略一直線に延びる棒状を成しているため、脱落防止部材200を簡単に形成することができるとともに、3つの挿通孔204,202a,202bを通じて脱落防止部材200を直線的に挿脱するだけでトラニオン6からの変位軸31の脱落防止および脱落防止部材200の除去を行なうことができるため、組立作業が簡単になる。
また、ヨーク113a,113bの貫通孔300に脱落防止部材200を挿通することにより、トラニオン6の位相合わせも可能になる。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なトロイダル型無段変速機に適用することができる。
(a)は本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部断面図、(b)は脱落防止部材の斜視図である。 図1の組立状態からヨークを取り付けた状態を示す要部断面図である。 図2の状態から脱落防止部材を取り外した状態を示す要部断面図である。 トラニオンの変形例を示す斜視図である。 図1のトロイダル型無段変速機の変形例に係る要部断面図であり、(a)は脱落防止部材が装着されていない状態の断面図、(b)は脱落防止部材が装着された状態の断面図である。 脱落防止部材の変形例に係る斜視図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大減速時の状態で示す側面図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大増速時の状態で示す側面図である。 従来の具体的構造の一例を示す断面図である。 図9のB−B線に沿う断面図である。 トラニオンの一側部を閉塞して、変位軸の第1の軸部をトラニオンから突出させない従来の構造を示す断面図である。 図11の構造に脱落防止部材を装着した状態を示す断面図である。 トラニオンとディスクとの間に隙間が生じた状態を示す図9に対応する断面図である。 変位軸が軸方向にずれた状態を示す図11に対応する断面図である。
符号の説明
2 入力側ディスク
4 出力側ディスク
6 トラニオン
30 円孔(支持孔)
11 パワーローラ
31 変位軸(支軸)
33 第1の軸部
34 第2の軸部
113a,113b ヨーク
200,200A 脱落防止部材
202a,202b,204 挿通孔
300 貫通孔

Claims (4)

  1. それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンに取り付けられた支軸と、この支軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラとを備え、前記支軸は、一端が閉塞された前記トラニオンの支持孔内に軸受を介して支持される第1の軸部と、前記パワーローラを支持する第2の軸部とから成り、前記パワーローラを支持する前記支軸が前記トラニオンから脱落することを防止するための脱落防止部材が組立段階において使用されるトロイダル型無段変速機において、
    前記支軸の前記第1の軸部および前記トラニオンには、これらの両者にわたって前記脱落防止部材を挿脱可能に挿通できる挿通孔が形成されており、
    前記挿通孔は、前記パワーローラに通じる潤滑油路の一部を形成していることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記支軸の前記第1の軸部には前記脱落防止部材が貫通可能な第1の挿通孔が形成され、前記トラニオンには前記脱落防止部材が挿通可能な一対の第2および第3の挿通孔が前記支持孔の両側に対向して形成され、前記前記脱落防止部材が前記第1ないし第3の貫通孔にわたって挿通されることにより前記トラニオンからの前記支軸の脱落が防止されることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 前記脱落防止部材が略一直線に延びる棒状を成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオンに取り付けられた支軸と、この支軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラとを備え、前記支軸は、一端が閉塞された前記トラニオンの支持孔内に軸受を介して支持される第1の軸部と、前記パワーローラを支持する第2の軸部とから成り、前記パワーローラを支持する前記支軸が前記トラニオンから脱落することを防止するための脱落防止部材が組立段階において使用されるトロイダル型無段変速機において、
    前記支軸の前記第1の軸部および前記トラニオンには、これらの両者にわたって前記脱落防止部材を挿脱可能に挿通できる挿通孔が形成されており、
    前記トラニオンの前記枢軸を揺動可能に支持するヨークを更に備え、前記ヨークには前記脱落防止部材が挿通可能な貫通孔が形成されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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