JP4211107B2 - ディスクとディスクを備えたトロイダル形無段変速装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車などの変速装置に用いられるディスクと、ディスクを備えた自動車などの変速装置として用いられるトロイダル形無段変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車用の変速装置として用いられるトロイダル形無段変速装置は、駆動源により回転駆動される入力軸と、この入力軸に互いに相対するように支持された入力ディスク及び出力ディスクと、これらの入出力ディスクの間に設けられたパワーローラと、入出力ディスクを互いに近付ける方向に入出力ディスクのうち少くとも一方を押圧する押圧機構などを備えている。入力ディスクと出力ディスクは、ボールスプライン係合部によって入力軸に取付けられることがある。
【0003】
入力ディスクと出力ディスクとは実質的に同等の形状である。以下、前述した従来のトロイダル形無段変速装置の入力ディスクまたは出力ディスクのうち一方のディスク80を、図5及び図6を参照して説明する。
【0004】
ディスク80は、図5に示すように、軸線P1回りに対称な円盤状のディスク本体81と、ディスク本体81を軸線P1に沿って貫通した中央孔82と、ボールスプライン係合部を構成する中央孔82の内面83に設けられた断面円弧状のスプライン溝84などを備えている。
【0005】
ディスク本体81は、突部85と裾部86とを一体に備えている。突部85は、側方からみてディスク本体81の中央から軸線P1に沿って突出して形成されている。突部85の端面87は、軸線P1に対し直交する方向に沿って平坦に形成されている。裾部86は、突部85の外周に設けられており、ディスク本体81が突部85から外周方向に向って徐々に薄肉となるように形成されている。
【0006】
ディスク80は、ボールスプライン係合部によって入力軸に取付けられる。ボールスプライン係合部は、入力軸の外面に形成されかつ前記ディスク80のスプライン溝84と対向合致する断面円弧状のスプライン溝と、前述したディスク80のスプライン溝84と、入力軸のスプライン溝とディスク80のスプライン溝84とが互いに対向合致した際にこれらの溝内に挿入される球状のボールなどを備えている。ディスク80は、ボールスプライン係合部によって、軸線P1に沿って移動可能に入力軸に取付けられることとなる。
【0007】
また、前記ディスク80は、突部85の端面87の裏側に位置する底面88に、座ぐり部89を設けている。座ぐり部89は、底面88から凹に形成されかつ中央孔82及びスプライン溝84の開口縁82a,84aを内包している。このため、中央孔82及びスプライン溝84は、それぞれの座ぐり部89内に開口している。
【0008】
座ぐり部89は、端面87と底面88に沿って形成された座ぐり底面90と、この座ぐり底面90の周縁から底面88に向って延びた周面91と、を備えている。座ぐり底面90は、図6に示すように、円環状に形成されている。周面91は、軸線P1に沿って形成されている。このため、中央孔82及びスプライン溝84は、それぞれの開口部82b,84bが底面88に達することなく、底面88よりもディスク本体81の奥に位置している。
【0009】
前述した構成のディスク80は、鍛造加工や切削加工を経て、略最終形状に近い形状まで成形され、その後、所望の浸炭または浸炭窒化処理などの熱処理が施され、さらに必要な精度まで全体を研削されて製造されるようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述した構成のディスク80は、鍛造加工や研削加工及び熱処理が施された後に、前記座ぐり部89の座ぐり底面90に、研削加工などが施されることはなかった。また、前述した熱処理によって、座ぐり底面90が若干変形することがあった。このため、座ぐり部89の座ぐり底面90を所望の精度に保つことは困難となっていた。
【0011】
したがって、ボールスプライン係合部を組み立てる際に、座ぐり底面90を基準面としてすなわち座ぐり部89を基準としてディスク80を高精度に位置決めして入力軸に取付けるのは、困難となっていた。
【0012】
また、座ぐり底面90に研削加工を施すと、この研削加工に用いる工具が、スプライン溝84の開口縁84aを研削する際に、ディスク80の母材と断続的に接することとなる。このため、この研削加工に用いる工具の寿命が短くなる傾向となっていた。
【0013】
本発明は前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、研削加工などを施す際に工具の寿命を低下させることがないとともに、高精度に位置決めして取付けることが可能なディスクと、ディスクを備えたトロイダル形無段変速装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のディスクは、軸線回りに対称な円盤状に形成されたディスク本体と、前記軸線と同軸的に配されかつ前記ディスク本体を前記軸線に沿って貫通するとともに、前記ディスク本体を同軸的に支持する入力軸が挿入される中央孔と、前記中央孔の内面に軸線に沿って設けられかつ前記内面から凹に形成された溝と、前記ディスク本体の表面から凹に形成されかつ前記中央孔と溝の開口縁を内包する第1の座ぐり部であって、前記軸線に直交する方向に沿って平坦に形成されるとともに、前記入力軸の一部が前記軸線に平行な方向に沿って対向し、前記入力軸に対する前記ディスク本体の前記軸線に沿う方向の位置決めに用いられる座ぐり底面を有する第1の座ぐり部と、前記第1の座ぐり部の座ぐり底面から凹に形成されかつ前記中央孔と溝の開口縁を内包する第2の座ぐり部と、を備え、前記中央孔の開口部および前記溝の開口部は、前記第1の座ぐり部の座ぐり底面に達することなく、この座ぐり底面よりも前記ディスク本体の奥に位置しており、前記座ぐり底面は、工具が前記溝の開口縁に接することなく研削加工又は切削加工されていることを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の本発明のトロイダル形無段変速装置は、駆動源により回転駆動される入力ディスクと、前記入力ディスクに対向して設けられた出力ディスクと、前記入力ディスクおよび前記出力ディスクを同軸的に支持する入力軸と、前記入力ディスクと出力ディスクとの間に揺動自在に設けられたパワーローラと、ディスク状のローディングカムを有しかつ前記入出力ディスクを互いに近付ける方向に前記入出力ディスクのうち少なくとも一方を押圧する押圧機構と、を備えたトロイダル形無段変速装置において、前記入力ディスクと出力ディスクとのうち少なくとも一つのディスクが、軸線回りに対称な円盤状に形成されたディスク本体と、前記軸線と同軸的に配されかつ前記ディスク本体を前記軸線に沿って貫通するとともに、前記入力軸が挿入される中央孔と、前記中央孔の内面に軸線に沿って設けられかつ前記内面から凹に形成された溝と、前記ディスク本体の表面から凹に形成されかつ前記中央孔と溝の開口縁を内包する第1の座ぐり部であって、前記軸線に直交する方向に沿って平坦に形成されるとともに、前記入力軸の一部が前記軸線に平行な方向に沿って対向し、前記入力軸に対する前記ディスク本体の前記軸線に沿う方向の位置決めに用いられる座ぐり底面を有する第1の座ぐり部と、前記第1の座ぐり部の座ぐり底面から凹に形成されかつ前記中央孔と溝の開口縁を内包する第2の座ぐり部と、を備え、前記中央孔の開口部および前記溝の開口部は、前記第1の座ぐり部の座ぐり底面に達することなく、この座ぐり底面よりも前記ディスク本体の奥に位置しており、前記座ぐり底面は、工具が前記溝の開口縁に接することなく研削加工又は切削加工されていることを特徴としている。
【0016】
本発明のディスクは、ディスク本体の表面から凹の第1の座ぐり部と、この第1の座ぐり部から凹の第2の座ぐり部と、を設け、これらの第1及び第2の座ぐり部がそれぞれ中央孔と溝の開口縁を内包している。
【0017】
このため、熱処理が施された母材に研削加工を施す際に、この加工に用いる工具が、第1の座ぐり部のみを研削することとなる。したがって、工具が溝の開口縁において母材に断続して接することがないとともに、前記工具が母材に連続して接して研削加工を施すこととなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の一実施形態について、図1から図4を参照して説明する。図1はトロイダル形無段変速装置としてのダブルキャビティ式ハーフトロイダル形無段変速装置30の一部を示す断面図である。
【0019】
図1に示すように、ダブルキャビティ式ハーフトロイダル形無段変速装置30は、エンジン等を含む駆動源Eによって回転駆動される入力軸1と、一対の入力ディスク2a,2bと、一対の出力ディスク3a,3bと、複数のパワーローラ10と、押圧機構6とを備えている。
【0020】
入力ディスク2a,2bは、入力軸1に、この入力軸1の軸線Oに沿って互いに間隔を有しかつ互いに対向した状態で支持されている。入力ディスク2a,2bは互いに同軸的に配されている。入力ディスク2a,2bは、それぞれ入力軸1と連動して回転するように、入力軸1と同軸的に支持されている。入力ディスク2a,2bは、ボールスプライン係合部31a,31bによって入力軸1に取付けられており、入力軸1と連動して回転する。入力ディスク2a,2bは、駆動源Eによって回転駆動される。
【0021】
出力ディスク3a,3bは、前記一対の入力ディスク2a,2bの間に、それぞれ入力ディスク2a,2bと対向して設けられている。出力ディスク3a,3bは、入力軸1に対して遊嵌した状態で支持されている。出力ディスク3a,3bは、互いに同軸的に配置されかつ互いに同期して回転する。出力ディスク3a,3bは、これらの出力ディスク3a,3bと同軸的に配置された出力歯車32と連動する。この出力歯車32は、前記入力軸1に基づく動力を取出す出力軸と連動して回転する。
【0022】
パワーローラ10は入力ディスク2a,2bと出力ディスク3a,3bとのそれぞれの間に揺動自在に設けられている。パワーローラ10は、双方のディスク2a,2b,3a,3bに転接する。パワーローラ10はそれぞれ入力ディスク2a,2b及び出力ディスク3a,3bに転接するトラクション部10aを備えている。押圧機構6は、前記一対の入力ディスク2a,2bのうち一方の入力ディスク2aの背面に設けられている。押圧機構6は、ディスク状のローディングカム4とカムローラ5とを備えている。
【0023】
ローディングカム4は、入力ディスク2a,2bなどと同軸的に配されている。ローディングカム4と入力軸1との間には、ボール33が設けられている。ローディングカム4と入力軸1は、それぞれ、ボール33と接する部分に断面円弧状の案内溝34,35を設けている。
【0024】
カムローラ5は、入力軸1の軸線Oに対し、例えば直交するなどの交差する軸線Q回りに回動自在に設けられている。押圧機構6は、カムローラ5が軸線Q回りに回動することによって、前記入力ディスク2a,2bを出力ディスク3a,3bに向って押圧する。
【0025】
入力ディスク2a,2bと出力ディスク3a,3bとの間に、それぞれトラニオン8が設けられている。トラニオン8は枢軸7を中心として図1中の矢印Rで示す方向に揺動することができる。トラニオン8の中心部に変位軸9が設けられている。変位軸9それぞれにパワーローラ10が回転自在に支持されている。これらのパワーローラ10は、入力ディスク2a,2bと出力ディスク3a,3bとの間において、両者の変速比に応じて枢軸7を中心として矢印R方向に傾きを変えることができる。
【0026】
トラニオン8とパワーローラ10との間に、パワーローラ軸受としてのパワーローラ軸受11が設けられている。パワーローラ軸受11は入力ディスク2a,2b及び出力ディスク3a,3bからパワーローラ10に加わるスラスト方向の荷重を支承し、かつパワーローラ10の回転を許容する。パワーローラ軸受11を構成する複数個の玉12は、円環状の保持器14によって保持されている。保持器14は、トラニオン8に設けた円環状の外輪13と、回転部としてのパワーローラ10との間に設けられている。
【0027】
さらに、パワーローラ10と外輪13は、それぞれ玉12を転動自在に保持する転動溝15,16を備えている。転動溝15,16は、パワーローラ10と外輪13それぞれの玉12と接触面に設けられている、転動溝15,16は、それぞれ円環状に形成されかつ断面円弧状に形成されている。
【0028】
前述した構成によって、ダブルキャビティ式ハーフトロイダル形無段変速装置30は、押圧機構6が入力ディスク2a,2bを出力ディスク3a,3bに向って押圧することによって、入力軸1から伝達された回転駆動力を入力ディスク2a,2b、パワーローラ10、出力ディスク3a,3b及び出力歯車32を介して出力軸へと伝達する。
【0029】
前記入力ディスク2a,2bは、互いに実質的に同等の形状である。以下、入力ディスク2aと入力ディスク2bとのうち一方のディスク2aを代表して、図2から図4を参照して説明する。
【0030】
ディスク2aは、図2に示すように、ディスク本体41と、中央孔42と、ボールスプライン係合部31aを構成する溝としてのスプライン溝43と、第1の座ぐり部44と、第2の座ぐり部45と、を備えている。ディスク本体41は、軸線P回りに対称な円盤状に形成されている。ディスク本体41は、突部46と裾部47とを一体に備えている。
【0031】
突部46は、ディスク本体41の側方からみて、このディスク本体41の中央から軸線Pに沿って突出して形成されている。突部46の端面48は、軸線Pに対し直交する方向に沿って平坦に形成されている。裾部47は、突部46の外周に設けられており、ディスク本体41が、突部46から外周方向に向って徐々に薄肉となるように形成されている。
【0032】
また、ディスク本体41は、突部46の端面48の裏側に位置する底面49が軸線Pに対し直交する方向に沿って平坦に形成されている。ディスク本体41は、前記突部46から裾部47とに亘ってトラクション面50を備えている。トラクション面50は、軸線Pを含む断面において、前記枢軸7を中心とした円弧状に形成されている。なお、突部46の端面48と底面49とは、本明細書に記したディスク本体41の表面をなしている。
【0033】
中央孔42は、ディスク本体41の突部46を軸線Pに沿って貫通している。中央孔42は、軸線Pと同軸的に配された断面円形の孔に形成されている。
【0034】
スプライン溝43は、中央孔42の内面51に設けられている。スプライン溝43は、軸線Pに沿いかつ内面51から凹に形成されている。スプライン溝43は、中央孔42の周方向に沿って略等間隔に複数形成されており、図示例においては6つ形成されている。それぞれのスプライン溝43は、断面円弧状に形成されている。
【0035】
第1の座ぐり部44は、ディスク本体41の底面49に設けられている。第1の座ぐり部41は、底面49から凹に形成されかつ中央孔42及びスプライン溝43の開口縁42a,43aを内包している。
【0036】
第1の座ぐり部44は、端面48及び底面49に沿って平坦に形成された座ぐり底面52と、この座ぐり底面52の周縁から底面49に向って延びた周面53と、を備えている。座ぐり底面52は、図3に示すように、正面からみて円環状に形成されている。周面53は、軸線Pに沿って形成されている。
【0037】
第2の座ぐり部45は、第1の座ぐり部44の座ぐり底面52に設けられている。第2の座ぐり部45は、第1の座ぐり部44の座ぐり底面52から凹に形成されかつ中央孔42及びスプライン溝43の開口縁42a,43aを内包している。
【0038】
第2の座ぐり部45は、端面48及び底面49に沿って平坦に形成された座ぐり底面54と、この座ぐり底面54の周縁から第1の座ぐり部44の座ぐり底面52に向って延びた周面55と、を備えている。座ぐり底面52は、図3に示すように、正面からみて円環状に形成されている。周面55は、軸線Pに沿って形成されている。また、第2の座ぐり部45の深さは、0.1〜1.0mm程度とするのが望ましい。
【0039】
また、第1の座ぐり部44の座ぐり底面52と、第2の座ぐり部45の座ぐり底面54とは、互いに同軸的に配されている。座ぐり底面52,53は軸線Pと互いに同軸的に配されている。また、第1の座ぐり部44の座ぐり底面52より第2の座ぐり部45の座ぐり底面54の方が小径に形成されている。
【0040】
前述した構成によって、中央孔42及びスプライン溝43は、それぞれ、第1の座ぐり部44及び第2の座ぐり部45内に開口している。また、中央孔42及びスプライン溝43は、図4に示すように、それぞれの開口部42b,43bが底面49及び第1の座ぐり部44の座ぐり底面52に達することなく、これらの底面49及び座ぐり底面52よりもディスク本体41の奥に位置している。
【0041】
前述した構成のディスク2a及びディスク2bは、入力軸1にボールスプライン係合部31a,31bによって取付けられるようになっている。ボールスプライン係合部31a,31bは、それぞれ入力軸1の外面に形成されかつ前記ディスク2a,2bのスプライン溝43と対向合致する断面円弧状のスプライン溝1aと、前述したディスク2a,2bのスプライン溝43と、入力軸1のスプライン溝1aとディスク2a,2bのスプライン溝43とが互いに対向合致した際にこれらの溝内に挿入される球状のボール17などを備えている。ディスク2a,2bは、ボールスプライン係合部31a,31bによって、軸線Oに沿って移動可能に入力軸1に取付けられることとなる。
【0042】
前述した構成によれば、ディスク本体41の底面49から凹の第1の座ぐり部44と、この第1の座ぐり部44の座ぐり底面52から凹の第2の座ぐり部45と、を設け、座ぐり部44,45それぞれが中央孔42とスプライン溝43の開口縁42a,43aを内包している。
【0043】
このため、このディスク29を製造する際に、熱処理が施された母材に研削加工又は切削加工を施す際に、この加工に用いる工具が、第1の座ぐり部44の座ぐり底面52のみを研削又は切削することとなるので、工具がスプライン溝43の開口縁43aにおいて母材に断続して接することがないとともに、工具が母材に連続して接した状態で研削加工又は切削加工を施すこととなる。
【0044】
したがって、研削加工などを施す際に工具の寿命を低下させることがないとともに、第1の座ぐり部44の座ぐり底面52を容易に研削加工を施すことが可能となるので、ディスク2aを容易に高精度に位置決めして入力軸1に取付けることが可能となる。
【0045】
なお、前述した実施形態においては、入力ディスク2a,2bと出力ディスク3a,3bとのうち入力ディスク2a,2bがボールスプライン係合部31a,31bによって入力軸1に取付けられている場合を示しているが、出力ディスク3a,3bがボールスプライン係合部によって入力軸1に取付けられる場合には、これらの出力ディスク3a,3bに前述した第1及び第2の座ぐり部44,45を形成することができる。
【0046】
また、実施形態においては、ディスク2の底面49に座ぐり部44,45を形成しているが、これらの座ぐり部44,45をディスク2aの突部46の端面48に設けても良く、また、座ぐり部44,45を底面49と突部46の端面48との両方に設けても良いことは言うまでもない。
【0047】
さらに、前述した実施形態においては、入力ディスク2a,2bと出力ディスク3a,3bをそれぞれ一対備えた所謂ダブルキャビティ式のトロイダル形無段変速装置30を示しているが、入出力ディスクをそれぞれ一つずつ備えた所謂シングルキャビティ式のトロイダル形無段変速装置の入力ディスク及び出力ディスクにも適用できることはいうまでもない。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、ディスクを製造する際において、熱処理が施された母材に研削加工を施す際に、この加工に用いる工具が、第1の座ぐり部のみを研削することとなる。このため、工具が溝の開口縁において母材に断続して接することがないとともに母材に連続して接して研削加工を施すこととなる。したがって、研削加工などを施す際に工具の寿命を低下させることがないとともに、高精度に位置決めして取付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のダブルキャビティ式ハーフトロイダル形無段変速装置の一部を示す縦断面図。
【図2】同実施形態のディスクの一部を示す断面図。
【図3】図2中の矢印iii方向からみたディスクの一部を示す平面図。
【図4】図2中のiv部を拡大して示す断面図。
【図5】従来のトロイダル形無段変速装置のディスクの一部を示す断面図。
【図6】図5中の矢印vi方向からみたディスクの一部を示す平面図。
【符号の説明】
2a,2b…入力ディスク(ディスク)
3a,3b…出力ディスク(ディスク)
4…ローディングカム(ディスク)
6…押圧機構
30…ダブルキャビティ式ハーフトロイダル形無段変速装置(トロイダル形無段変速装置)
41…ディスク本体
42…中央孔
43…スプライン溝(溝)
42a…開口縁
43a…開口縁
44…第1の座ぐり部
45…第2の座ぐり部
48…端面(ディスク本体の表面)
49…底面(ディスク本体の表面)
51…中央孔の内面
P…軸線
Claims (2)
- 軸線回りに対称な円盤状に形成されたディスク本体と、
前記軸線と同軸的に配されかつ前記ディスク本体を前記軸線に沿って貫通するとともに、前記ディスク本体を同軸的に支持する入力軸が挿入される中央孔と、
前記中央孔の内面に軸線に沿って設けられかつ前記内面から凹に形成された溝と、
前記ディスク本体の表面から凹に形成されかつ前記中央孔と溝の開口縁を内包する第1の座ぐり部であって、前記軸線に直交する方向に沿って平坦に形成されるとともに、前記入力軸の一部が前記軸線に平行な方向に沿って対向し、前記入力軸に対する前記ディスク本体の前記軸線に沿う方向の位置決めに用いられる座ぐり底面を有する第1の座ぐり部と、
前記第1の座ぐり部の座ぐり底面から凹に形成されかつ前記中央孔と溝の開口縁を内包する第2の座ぐり部と、を備え、
前記中央孔の開口部および前記溝の開口部は、前記第1の座ぐり部の座ぐり底面に達することなく、この座ぐり底面よりも前記ディスク本体の奥に位置しており、前記座ぐり底面は、工具が前記溝の開口縁に接することなく研削加工又は切削加工されていることを特徴とするディスク。 - 駆動源により回転駆動される入力ディスクと、前記入力ディスクに対向して設けられた出力ディスクと、前記入力ディスクおよび前記出力ディスクを同軸的に支持する入力軸と、前記入力ディスクと出力ディスクとの間に揺動自在に設けられたパワーローラと、ディスク状のローディングカムを有しかつ前記入出力ディスクを互いに近付ける方向に前記入出力ディスクのうち少なくとも一方を押圧する押圧機構と、を備えたトロイダル形無段変速装置において、
前記入力ディスクと出力ディスクとのうち少なくとも一つのディスクが、
軸線回りに対称な円盤状に形成されたディスク本体と、
前記軸線と同軸的に配されかつ前記ディスク本体を前記軸線に沿って貫通するとともに、前記入力軸が挿入される中央孔と、
前記中央孔の内面に軸線に沿って設けられかつ前記内面から凹に形成された溝と、
前記ディスク本体の表面から凹に形成されかつ前記中央孔と溝の開口縁を内包する第1の座ぐり部であって、前記軸線に直交する方向に沿って平坦に形成されるとともに、前記入力軸の一部が前記軸線に平行な方向に沿って対向し、前記入力軸に対する前記ディスク本体の前記軸線に沿う方向の位置決めに用いられる座ぐり底面を有する第1の座ぐり部と、
前記第1の座ぐり部の座ぐり底面から凹に形成されかつ前記中央孔と溝の開口縁を内包する第2の座ぐり部と、を備え、
前記中央孔の開口部および前記溝の開口部は、前記第1の座ぐり部の座ぐり底面に達することなく、この座ぐり底面よりも前記ディスク本体の奥に位置しており、前記座ぐり底面は、工具が前記溝の開口縁に接することなく研削加工又は切削加工されていることを特徴とするトロイダル形無段変速装置。
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