JP4662304B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
しかし、特許文献1、2の保持器は、ポケット16からの玉13の抜け落ち防止を特に考慮していないので、トロイダル型無段変速機の組立の際に保持器の取り扱いが非常に困難である。
この保持器のように、保持器の軸方向両端開口部をムリ抜き開口部、または非ムリ抜き開口部とすると、ポケットから玉の抜け落ちが防止されるので、トロイダル型無段変速機の組立の際に保持器の取り扱いが容易となる。
前記保持器の前記主体の一方の端面で開口している前記複数のポケットの一方側開口部の開口直径を前記転動体の直径より大きくし、前記主体の他方の端面で開口している前記複数のポケットの他方側開口部の開口直径を前記転動体の直径より小さくするとともに、
前記一方の端面の外周側、または内周側の所定の円周上に、全ての前記一方側開口部の縁部と交わるように係合溝を間欠的に形成し、この係合溝内に、全ての前記一方側開口部の縁部を横切り、前記ポケット内に配置した前記転動体の前記一方側開口部側への軸方向移動を規制する環状の移動規制部材を装着したことを特徴とする。
また、保持器の主体の一方の端面には、環状の移動規制部材を装着する係合溝が形成されていることから、この係合溝を挿入側の印として転動体の挿入位置を容易に識別できる。
前記保持器の前記主体の一方の端面および他方の端面で開口している前記複数のポケットの一方側開口部および他方側開口部の開口直径を、前記転動体の直径より小さくするとともに、
前記主体の外周面、または内周面に、前記転動体が通過可能な開口幅で前記複数のポケットにそれぞれ連通する複数のスロットを形成し、これら複数のスロットを形成した側の前記主体の外周面、または内周面に、前記複数のスロットの開口部を横切ることで前記ポケット内に配置した前記転動体の径方向移動を規制する環状の移動規制部材を装着したことを特徴とする。
また、転動体が通過可能な開口幅のスロットから転動体をポケットに挿入するので、主体、転動体の破損や、主体の強度低下を防止することができる。
本実施の形態の保持器14は、図1および図2に示すように、合成樹脂を射出成型することにより形成されており、円盤状の主体15と、この主体15の径方向中間部に円周方向に等間隔に設けられ、それぞれが円形である複数のポケット16とを備えている。各ポケット16内にはそれぞれ、玉(転動体)13が転動自在に保持されている。
ポケット16は、図2に示すように、軸方向中間部で玉13の直径よりも僅かに大きい内径d1とし、この内径d1が主体15の一方の端面15aで開口している一方側開口部16aまで連続している。また、主体15の他方の端面15bで開口している他方側開口部16bの内径d2は、玉13の直径よりも小さくなっている(d1>d2)。
そして、図1に示すように、主体15の一方の端面15aには、その面の径方向外方側で全ての一方側開口部16aと交わるように、玉13のピッチ円直径(P.C.D)より大きな直径D1の円周上に係合溝20が間欠的に形成されている。また、図3に示すように、係合溝20内に、金属製または合成樹脂製で直径をD1とした止め輪21が嵌め込まれている。
本実施の形態のポケット16は、図6に示すように、軸方向中間部で玉13の直径よりも僅かに大きい内径d1とし、この内径d1が主体15の一方の端面15aで開口している一方側開口部16aまで連続している。また、主体15の他方の端面15bで開口している他方側開口部16bの内径d2は、玉13の直径よりも小さくなっている(d1>d2)。
また、一方側開口部16aを設けている主体15の一方の端面15aには、係合溝22が形成されていることから、この係合溝22を挿入側の印として玉13の挿入位置を容易に識別できるので、ばかよけ等の手段を設けなくても、玉13の直径よりも小さい他方側開口部16bから玉13を挿入する間違いを起こすことがない。これにより、主体15、玉13の破損や、主体15の強度低下を防止することができる。
したがって、本実施形態の形態においても、前述した第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
本実施の形態の保持器14は、図9および図10に示すように、合成樹脂を射出成型することにより形成されており、円盤状の主体15と、この主体15の径方向中間部に円周方向に等間隔に設けられ、それぞれが円形である複数のポケット16と、主体15の外周側に形成されて各ポケット16にそれぞれ連通している複数のスロット24とを備えている。各ポケット16内にはそれぞれ、玉(転動体)13が転動自在に保持されている。また、主体15の外周面には、金属製または合成樹脂製の止め輪25が装着されている。
また、図11に示すように、主体15の外周面には、周方向に係合溝26が形成されている。そして、図9に示すように、係合溝26内に止め輪25が嵌め込まれている。
また、玉13が通過可能な開口幅のスロット24から玉13を挿入するので、主体15、玉13の破損や、主体15の強度低下を防止することができる。
したがって、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、主体15、玉13の破損や主体15の強度を低下させずに簡単にポケット16に玉13を挿入することができ、かつポケット16からの玉13の抜け落ちを確実に防止することで保持器14の組立工程の簡便化と、製造コストの低減化を図ったトロイダル型無段変速機を提供することができる。
本実施の形態の保持器14は、主体15の内周側に各ポケット16にそれぞれ連通する複数のスロット27が形成されているとともに、主体15の内周面に金属製または合成樹脂製の止め輪28が装着されている。
本実施の形態のポケット16は、図10で示した第3の実施の形態と同一形状であり、図13に形状のみを示して説明は省略する。
また、主体15の内周面には、周方向に係合溝29が形成されている。そして、図12に示すように、係合溝29内に止め輪28が嵌め込まれている。
また、玉13より大きな開口幅のスロット27から玉13を挿入するので、主体15、玉13の破損や、主体15の強度低下を防止することができる。
したがって、本実施の形態においても、第3の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
本実施の形態の保持器14は、図15および図16に示すように、合成樹脂を射出成型することにより形成されており、円盤状の主体15と、この主体15の径方向中間部に円周方向に等間隔に設けられ、それぞれが円形である複数のポケット16と、主体15の外周側に形成されて各ポケット16にそれぞれ連通している複数の熱かしめスロット部30とを備えている。各ポケット16内にはそれぞれ、玉(転動体)13が転動自在に保持されている。熱かしめスロット部30は、玉13をポケット16内に挿入した後に、開口端部に熱かしめを施すことで、玉13が通過不可能な、玉13より小さな開口幅とされる。
また、玉13より大きな開口幅となっている熱かしめする前の熱かしめスロット部30aから玉13を挿入するので、主体15、玉13の破損や、主体15の強度低下を防止することができる。
したがって、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、主体15、玉13の破損や主体15の強度を低下させずに簡単にポケット16に玉13を挿入することができ、かつポケット16からの玉13の抜け落ちを確実に防止することで保持器14の組立工程の簡便化と、製造コストの低減化を図ったトロイダル型無段変速機を提供することができる。
本実施の形態の保持器14は、図18および図19に示すように、主体15の内周側に形成されて各ポケット16にそれぞれ連通しており、玉13をポケット16内に挿入した後に、熱かしめを施すことで玉13より小さな開口幅となる熱かしめスロット部31とを備えている。
本実施の形態のポケット16は、図16で示した第5の実施の形態と同一形状であり、図19に形状のみを示して説明は省略する。
また、玉13より大きな開口幅となっている熱かしめする前の熱かしめスロット部31aから玉13を挿入するので、主体15、玉13の破損や、主体15の強度低下を防止することができる。
したがって、本実施の形態においても、第5の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
本実施の形態の保持器14は、図21に示すように、合成樹脂を射出成型することにより形成されており、円盤状の主体15と、この主体15の径方向中間部に円周方向に等間隔に設けられ、それぞれが円形である複数のポケット16と、主体15の外周側に形成されて各ポケット16にそれぞれ連通しており、玉13より僅かに小さな開口幅で開口している弾性変形スロット部32とを備えている。各ポケット16内にはそれぞれ、玉(転動体)13が転動自在に保持されている。
また、玉13より僅かに小さな開口幅となっている弾性変形スロット部32から玉13を挿入するので、主体15、玉13の破損や、主体15の強度低下を防止することができる。
したがって、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、主体15、玉13の破損や主体15の強度を低下させずに簡単にポケット16に玉13を挿入することができ、かつポケット16からの玉13の抜け落ちを確実に防止することで保持器14の組立工程の簡便化と、製造コストの低減化を図ったトロイダル型無段変速機を提供することができる。
本実施の形態の保持器14は、図23に示すように、主体15の内周側に形成されて各ポケット16にそれぞれ連通しており、玉13より僅かに小さな開口幅で開口している弾性変形スロット部33とを備えている。
本実施の形態のポケット16は、図2で示した第7の実施の形態と同一形状であり、図24に形状のみを示して説明は省略する。
また、玉13より僅かに小さな開口幅となっている弾性変形スロット部33から玉13を挿入するので、主体15、玉13の破損や、主体15の強度低下を防止することができる。
したがって、本実施の形態においても、第7の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
3 出力側ディスク
4 トラニオン
6 パワーローラ(内輪)
8 スラスト玉軸受(スラスト転がり軸受)
10 内輪軌道
11 外輪
12 外輪軌道
13 玉(転動体)
14 保持器
15 主体
16 ポケット
15a 一方の端面
15b 他方の端面
16a 一方側開口部
16b 他方側開口部
20,22,26,29 係合溝
21,23,25,28 止め輪(移動規制部材)
24,27 スロット
30 熱かしめスロット部
30a 熱かしめ前の熱かしめスロット部
31 熱かしめスロット部
31a 熱かしめ前の熱かしめスロット部
32,33 弾性変形スロット部
Claims (2)
- 相対回転を自在として互いに同心に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラを内側面側に回転自在に支持した状態で両端部に互いに同心に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされたトラニオンと、このトラニオンの内側面と前記パワーローラの大端面との間に設けられたスラスト転がり軸受とを備え、前記スラスト転がり軸受は、前記パワーローラの大端面に形成された内輪軌道と、前記トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された外輪軌道と、これらの内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、これらの転動体を保持する合成樹脂製の保持器とを備え、前記保持器は、円盤状の主体と、この主体の周方向に所定間隔をあけて設けられて前記複数の転動体を回転自在に保持する複数のポケットとを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記保持器の前記主体の一方の端面で開口している前記複数のポケットの一方側開口部の開口直径を前記転動体の直径より大きくし、前記主体の他方の端面で開口している前記複数のポケットの他方側開口部の開口直径を前記転動体の直径より小さくするとともに、
前記一方の端面の外周側、または内周側の所定の円周上に、全ての前記一方側開口部の縁部と交わるように係合溝を間欠的に形成し、この係合溝内に、全ての前記一方側開口部の縁部を横切り、前記ポケット内に配置した前記転動体の前記一方側開口部側への軸方向移動を規制する環状の移動規制部材を装着したことを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 相対回転を自在として互いに同心に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラを内側面側に回転自在に支持した状態で両端部に互いに同心に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされたトラニオンと、このトラニオンの内側面と前記パワーローラの大端面との間に設けられたスラスト転がり軸受とを備え、前記スラスト転がり軸受は、前記パワーローラの大端面に形成された内輪軌道と、前記トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された外輪軌道と、これらの内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、これらの転動体を保持する合成樹脂製の保持器とを備え、前記保持器は、円盤状の主体と、この主体の周方向に所定間隔をあけて設けられて前記複数の転動体を回転自在に保持する複数のポケットとを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記保持器の前記主体の一方の端面および他方の端面で開口している前記複数のポケットの一方側開口部および他方側開口部の開口直径を、前記転動体の直径より小さくするとともに、
前記主体の外周面、または内周面に、前記転動体が通過可能な開口幅で前記複数のポケットにそれぞれ連通する複数のスロットを形成し、これら複数のスロットを形成した側の前記主体の外周面、または内周面に、前記複数のスロットの開口部を横切ることで前記ポケット内に配置した前記転動体の径方向移動を規制する環状の移動規制部材を装着したことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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