JP3903465B2 - 運搬車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォークを備えている運搬車に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりフォークを備えている運搬車が提供されており、該運搬車は、例えば自動倉庫における荷の搬入、搬出を行なう入出庫ステーションや、自動搬送ラインへ荷の積載用のパレットを介して荷をセッティングするのに使用されている。作業員が運搬車を操作してパレットをフォークにて持ち上げて、所定の入出庫ステーションや自動搬送ラインまで搬送し、該箇所に設けられているガイド内に運搬車を前進させてパレットをセッティングするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる場合、運搬車を引っ張りながら左右に位置調整をすることは比較的容易であるものの、運搬車を押しながら左右に位置調整をしながらパレットを所定の決められた箇所にセッティングすることは非常に難しく、運搬車を前進、後進を繰り返しながらパレットをセッティングしなければならず、作業効率が落ちるという問題があった。
【0004】
本発明は上述の問題点に鑑みて提供したものであって、パレットの左右方向の位置調整を可能にして作業効率の向上を図ることを目的とした運搬車を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の運搬車では、パレットに挿入した状態で昇降自在なフォークと、該フォークに設けられ、フォークの長手方向に沿う回転軸周りに回転可能であって、上部が上記フォークの上面より突出しており、フォークに挿入されたパレットをパレット内側から支持するローラと、該ローラの回転をロック又は解除するローラ操作手段とを備えた運搬車であって、上記ローラ操作手段は、上記運搬車の操作ハンドルに設けられたレバーと、上記ローラに設けられ、上記レバー操作に伴いローラのロック又は解除を行なうロック/解除機構と、を備え、上記レバー操作をしないとき上記ロック/解除機構にてローラをロックして上記フォークが挿入された状態のパレットが移動することを防止し、上記レバー操作をしたとき上記ロック/解除機構にてローラのロックを解除して上記フォークが挿入された状態のパレットを上記フォークの長手方向に直角な左右方向へ移動可能にしたことを特徴とする。
【0006】
かかる構成とすることで、パレットを左右方向に位置決めして所定の箇所にセッティングする場合には、ローラ操作手段にてロックを解除してローラを回転可能にし、パレットを左右にスライドさせることで、セッティング箇所における左右方向の位置決めを正確にできて、パレットのセッティング作業の効率を向上させることができる。しかも、パレットを運ぶ時にはローラはロックされていることにより、ローラが回転してパレットが左右にスライドすることはなく、安全にパレットを運ぶことができる。
【0007】
また、前記レバーと前記ロック/解除機構とは機械的に連結しても良いし、電気的に連結しても良い。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は運搬車1の斜視図を示し、車体本体2の後部には駆動部3が配置され、この駆動部3の上部より傾倒自在なハンドル4が設けられている。車体本体2の前部は一対の昇降自在としたフォーク5が設けられており、フォーク5の先端側の下面には起伏自在な車輪6が設けられている。上記駆動部3には油圧機構部が納装されていて、ハンドル4の揺動操作にて上記油圧機構部にて車輪6を起立させることでフォーク5を上昇させるようになっている。また、フォーク5を下降させる場合にはハンドル4のダウンレバー7を握る操作にて油圧機構部を介して行なうようになっている。また、車体本体2の後端にはハンドル4の操作により操舵される操舵輪8が設けられている。
【0009】
図2(a)は運搬車1の平面図を、図2(b)は運搬車1の側面図をそれぞれ示しており、また、図3はフォーク5の横断面図を、図4はフォーク5の縦断面図をそれぞれ示している。図2〜図4に示すように、フォーク5の上面には、該フォーク5の長手方向に沿って長穴10が穿孔されていて、また、一対のフォーク5内には両端をベアリング等の軸受部12に回転自在に軸支されている長尺物のローラ11がそれぞれフォーク5の長手方向に沿って配設されている。図3に示すように、このローラ11の上部は上記長穴10を介してフォーク5の上面より少し露出していて、パレットがローラ11上に載置されるようになっている。
【0010】
上記ローラ11の回転によりパレットをフォーク5に対して左右にスライド可能としているが、常時はローラ11が回転出来ないようにブレーキ(ロック)をかけている。図5はかかるブレーキ構成(請求項1に記載したローラ操作手段)を示しており、ブレーキ構成は、ハンドル4に設けたブレーキ解除レバー13と、このブレーキ解除レバー13の操作によってローラ11をロック又は解除するロック/解除機構とから成り、ハンドル4に設けたブレーキ解除レバー13を握った時に、ロック/解除機構の動作によってブレーキが解除されてローラ11が回転可能な状態となるようにしている。ロック/解除機構の詳しくは、ローラ11の表面を圧接して該ローラ11の回転を止めるゴム14を先端側に設けたブレーキ片15が配置されていて、このブレーキ片15の基部側に一体に設けた支持片16が軸17にて軸支されていることで、ブレーキ片15は軸17を中心に揺動可能となっている。支持片16の一端には引っ張りバネ20が懸架されており、この引っ張りバネ20のバネ力にてブレーキ片15を図中時計方向に付勢し、ゴム14をローラ11の表面に圧接してローラ11にブレーキをかけて回転を止めている。
【0011】
また、ブレーキ片15の支持片16の他端にはブレーキ解除レバー13からのワイヤー21の端部が接続されていて、ブレーキ解除レバー13を握るとワイヤー21は図中の矢印方向に引っ張られる。このワイヤー21が引っ張られると、ブレーキ片15は軸17を中心にして図中の反時計方向に回転することで、ゴム14がローラ11の表面から離れる。これにより、ブレーキ解除レバー13の握り操作を行なうことで、ローラ11のブレーキが解除されて、ローラ11は自由に回転可能となる。なお、両側のフォーク5のローラ11のブレーキ構成は図5に示すように同じ構成としており、ワイヤー21は複数のガイドローラ22を介してブレーキ解除レバー13と支持片16、16に接続されている。
【0012】
次に、運搬車1によりパレットを所定の箇所にセッティングする場合の動作について図6及び図7により説明する。図6及び図7は、運搬車1のフォーク5にて持ち上げたパレット23を例えば自動倉庫の入出庫ステーション24に位置決めしてセッティングする場合を示し、入出庫ステーション24の両側にはパレット23の位置決め用のガイド25がそれぞれ形成されている。両ガイド25間の寸法はパレット23の横幅より少しだけ長くとってあるだけなので、作業員が運搬車1を押して前進させて行っても図7(a)に示すようにパレット23は入出庫ステーション24に対して左右方向にずれた位置になってしまう。
【0013】
次に、ブレーキ解除レバー13を握ると、上述のようにローラ11はブレーキが解除されるので、回転可能となり、そのため、ローラ11に載っていたパレット23は左右方向(横方向)にスライド可能となる。そして、パレット23が入出庫ステーション24の両側のガイド25内に前進できるようにパレット23を左右にスライドさせて、あるいはスライドさせながら運搬車1を前進させる。これにより、パレット23を両側のガイド25内に前進させることができて、パレット23を入出庫ステーション24の正確な位置にセッティングすることができる。なお、ローラ11のブレーキを解除しない限り、ローラ11はロックされているので、運搬車1によるパレット23の搬送時において、パレット23は安定した状態となっている。
【0014】
このように本実施形態では、パレット23をセッティングする場合に、常時はブレーキでロックされているローラ11をブレーキ解除レバー13にてブレーキを解除することで、ローラ11が回転可能となり、パレット23を左右にスライドさせ、パレット23を正確な位置にセッティングすることができる。これにより、パレット23のセッティングにおける作業効率を向上させることができる。また、運搬車1での運用の範囲が広がり、安価システムを構築することができる。
【0015】
図8はブレーキ構成の他の例を示し、両ローラ11の軸30に第1歯車31をそれぞれ設け、両第1歯車31、31にタイミングベルトやチェーンなど無端の環状体32を懸架して、両ローラ11の回転やブレーキを同時に行なうようにしている。また、一方のローラ11の軸30には第2歯車33を設けており、この第2歯車33と噛合している第3歯車34のシャフト35にディスク36を設けている。このディスク36の近傍に軸40を中心に揺動自在に一対のリンク41が略X字型に設けられており、この一対のリンク41の一端の間に引っ張りバネ42を介装している。また、一対のリンク41の他端側にはシュー43が設けられていて、両シュー43の間に上記ディスク36を配置して引っ張りバネ42のバネ力にてディスク36の表面をシュー43が両側から挟持し、ローラ11にブレーキをかけている。さらに、一方のリンク41の一端にブレーキ解除レバー13からのワイヤー21がガイドローラ22を介して接続されている。
【0016】
ブレーキ解除レバー13を握らない状態では、引っ張りバネ42のバネ力にて上述したようにディスク36の両側からシュー43が該ディスク36を挟持してディスク36が回転しないようにしてローラ11をロックしている。運搬車1によりパレット23を搬送している状態では先の場合と同様にローラ11にはロック(ブレーキ)がかかっているので、ローラ11は回転しない。そして、入出庫ステーション24等にパレット23をセッティングする場合には、ブレーキ解除レバー13を握ることで、ワイヤー21が図中矢印方向に引かれて一対のリンク41は引っ張りバネ42のバネ力に抗して開き、そのため、シュー43は開いてディスク36から離れる。これにより、ローラ11は回転可能となり、パレット23を左右にスライド可能にすることができる。したがって、パレット23を正確な位置にセッティングすることができる。
【0017】
なお、図8において、ローラ11のそれぞれの軸30にディスク36、シュー43を設けたリンク41等を配設して、個別にローラ11の回転、ブレーキを行なうようにしても良い。また、第2歯車33と第3歯車34を省略してディスク36をローラ11の軸30に直接取り付けるようにしても良い。
【0018】
なお、ローラ11のロックを行なうためのブレーキ構成や、ロックの解除を行なう場合の構成も、ブレーキ解除レバー13とワイヤー21だけなので、構成を簡単にでき、コストも抑えることができる。また、常時はローラ11はロックされて回転不可となっていて、ローラ11のロックを解除する場合には、単にブレーキ解除レバー13の握り操作だけで良く、そのため、パレット23のセッティング作業の効率を向上させることができる。
【0019】
なお、上記実施例では、ブレーキ解除レバー13とロック/解除機構とをワイヤー21によって機械的に連結した例を示したが、この機械的連結に限らず、電気的な連結を採用しても良い。例えば、図8で示したブレーキ解除レバー13にリミットスイッチを取り付けると共に、モータ駆動のシリンダにてピンをディスク36に対して挿抜可能に構成し、上記リミットスイッチが入ると、上記モータにロック解除の電気信号が発信され、普段ディスクに嵌まっているピンが引き抜かれてロックが解除できるようにすることも考えられる。、
【0020】
【発明の効果】
本発明の運搬車によれば、パレットを左右方向に位置決めして所定の箇所にセッティングする場合には、ローラ操作手段にてロックを解除してローラを回転可能にし、パレットを左右にスライドさせることで、セッティング箇所における左右方向の位置決めを正確にできて、パレットのセッティング作業の効率を向上させることができる。しかも、パレットを運ぶ時にはローラはロックされていることにより、ローラが回転してパレットが左右にスライドすることはなく、安全にパレットを運ぶことができる。そして、ローラのロックを解除するには意識的にローラ操作手段を操作する必要があるため、パレットの移送作業時に誤ってローラが回転可能になってパレットが崩れる、又は落下するなどの危険性を少なくすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における運搬車の斜視図である。
【図2】(a)(b)は本発明の実施の形態における運搬車の平面図及び側面図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるフォークの拡大横断面図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるフォークの拡大縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるローラにロックをかける場合のブレーキ構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるパレットをセッティングする場合の斜視図である。
【図7】(a)(b)は本発明の実施の形態におけるパレットをセッティングする場合の動作説明図である。
【図8】本発明の実施の形態におけるローラにロックをかける場合の他のブレーキ構成を示す図である。
【符号の説明】
1 運搬車
4 ハンドル
5 フォーク
11 ローラ
13 ブレーキ解除レバー
14 ゴム
15 ブレーキ片
20 引っ張りバネ
21 ワイヤー
23 パレット
30 軸
31 第1歯車
36 ディスク
40 軸
41 リンク
42 引っ張りバネ
43 シュー

Claims (1)

  1. パレットに挿入した状態で昇降自在なフォークと、
    該フォークに設けられ、フォークの長手方向に沿う回転軸周りに回転可能であって、上部が上記フォークの上面より突出しており、フォークに挿入されたパレットをパレット内側から支持するローラと、
    該ローラの回転をロック又は解除するローラ操作手段とを備えた運搬車であって、
    上記ローラ操作手段は、上記運搬車の操作ハンドルに設けられたレバーと、上記ローラに設けられ、上記レバー操作に伴いローラのロック又は解除を行なうロック/解除機構と、を備え、上記レバー操作をしないとき上記ロック/解除機構にてローラをロックして上記フォークが挿入された状態のパレットが移動することを防止し、上記レバー操作をしたとき上記ロック/解除機構にてローラのロックを解除して上記フォークが挿入された状態のパレットを上記フォークの長手方向に直角な左右方向へ移動可能にしたことを特徴とする運搬車。
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