JP3761296B2 - 金型移載装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のバンパ等を部分的に打抜く打抜きマシン等の金型を型置台等に搬出入するための金型移載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、打抜きマシン等の金型を交換する場合、例えばマシンの金型搬出入口から搬送台車の移載機構又はフォークリフト等によって金型を取り出し、搬送台車に載せて保管用の型置台に向けて搬送し移載するようにしているが、このような金型交換作業は危険を伴うと同時に位置合せ等が非常に難しい。
このため、このような金型の移載技術として、例えば特開平5−337948号のような金型交換装置が知られている。
【0003】
この装置は、台車式の金型交換台を成形機の前方に位置決めすることで、金型交換台の移載機構と成形機の移載機構の各移載路を一致させた後、金型の一端部に進退部材のフックを係合させ、この進退部材を押引き駆動機によって移載路に沿って移動させることで、成形機に対し金型を出し入れするようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような金型交換装置は、押引き駆動機のような高価な装置を必要とし、しかも構成が複雑なため移載手順が複雑で移載作業に時間がかかるとともに、保守整備等に手間がかかるという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、打抜きマシン等の金型を交換、移載する際、簡素で且つ安価な装置構成とし、また安全に作業出来る移載装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、請求項1において、一対の搬送レールに沿って移動自在となり且つ金型の移載機構を有する搬送台車と、前記搬送レールに近接して配設される型置台とを備え、前記搬送台車には、搭載される金型の出し入れ方向の位置を規制する金型ストッパと、台車を位置決めする位置決めピンが設けられるとともに、前記型置台の前方の搬送レールの少なくとも一方側のレールには位置決め穴が設けられ、前記台車の位置決めピンを搬送レールの位置決め穴に嵌合させて台車を位置決めした際、前記金型ストッパによる金型の位置規制が解除されるようにした金型移載装置であって、前記型置台には金型の移載機構が設けられ、また前記台車と型置台の間には、スプリング支持部材42、このスプリング支持部材を左右から押す左右一対のスプリング43、43、このスプリングと接続して前記位置決め部材との交差点付近にテーパ部t及びローラ46を持つ一対のギヤ保持部品44、44、このギア保持部品に保持される一対の駆動ギヤ45、45で構成される駆動力伝達機構が設けられるとともに、前記台車の位置決めピンを搬送レールの位置決め穴に嵌合させた際、スプリング43によってローラ46がテーパ部tを上方に向けて転動することで、ギア保持部材44を外側に向けて移動させ、駆動ギヤ45を台車5の外側に突出させることにより駆動力伝達機構が接続し、この駆動力伝達機構によって、前記台車を駆動する移載機構の駆動力が、型置台の移載機構にも伝達されるようにした。
【0007】
このように台車を位置決めすることで金型ストッパが解除されるようにすれば、台車の位置決めがなされない限り、金型を移動させることが出来ず、作業をより安全に行うことが出来る。ここで、位置決め穴は、例えばレールの上面に設ければ、位置決めピンを下降させるだけで嵌合させることが出来、また目視による位置合せ等も容易となるが、レールの側面等に設けても良い。またこのような位置決め穴は、左右一対の搬送レールの一方側だけに設ければ良いが、両方のレールに設けても良い。また台車の移載機構としては、例えば台車と型置台との間で金型をやりとり出来る搬送ローラとか、この搬送ローラを回転駆動する駆動部等から構成するようにした。
【0008】
また、台車の移載機構と型置台の移載機構を同一の駆動力で駆動するようにすれば、簡素な構成となり、また、駆動力伝達機構の接続が位置決めと同時になされるようにすれば、作業が容易となる。ここで、このような駆動力伝達機構の一例として、例えば位置決めピンの作動に連動して台車から歯車等が突出し、型置台の歯車に噛合するような機構が考えられる。
【0009】
また請求項2では、金型ストッパを位置決めピンの上部に一体に取付けるようにした。
このように金型ストッパを位置決めピンの上部に一体に設け、この金型ストッパを金型に係合させて位置規制すれば、例えば位置決めピンを下降させて位置決め穴に嵌合させるようにした場合に、金型ストッパも下降するため、金型に対する金型ストッパの規制を外すようにすることが出来る。すなわち、台車の位置決めに連動して金型ストッパの位置規制が解除される機構を簡単に構成することが出来る。
【0010】
また請求項3では、型置台を、搬送レールを挟んで両側に互い違いに複数配設するとともに、位置決め穴を型置台の前方であって且つ一対のレールのうち型置台寄りのレールだけに設け、また搬送台車の位置決めピンを、金型の出し入れ方向の両側に一対設けるようにした。
【0011】
このように搬送レールの両側に型置台を複数配設して、多数の金型保管場所を確保し、いずれの型置台との間でも1台の台車で金型の授受を行うようにする。このため、台車の移載機構は、金型をどちら側に向けても移動させることが出来るようにする。
【0012】
また台車上の金型は、一対の位置決めピンの上部に装着される一対の金型ストッパによって、金型の出し入れ方向の両側を位置規制するようにし、また、台車を型置台の前に位置決めする際、型置台側の位置決めピンを、型置台寄りのレールの位置決め穴に嵌合させることで、型置台側の金型ストッパの位置規制を解除し、型置台と台車の間で自由に金型をやりとり出来るようにする。
【0013】
この際、型置台とは反対側の金型ストッパは、位置規制状態にしておいても台車と型置台との間の金型のやりとりに何等問題がないばかりでなく、例えば型置台から台車上に金型を移載する時の位置規制が必要なため、反対側の金型ストッパは位置規制出来る状態を保持しておくことが好ましいため、一対の搬送レールのうち、型置台側の搬送レールだけに位置決め穴を設けるとともに、型置台を互い違いに配設して各レールの位置決め穴の位相をずらすことによって、型置台側の金型ストッパのみ位置決めが解除されるようにする。
【0014】
また請求項4では、搬送台車の両側の位置決めピンの作動を、カム・リンク機構が採用される台車位置決め機構により単独のレバーで操作するようにした。
【0015】
そして例えば一方側の位置決めピンをレールの位置決め穴の上方に臨ませてレバーを操作し、両方の位置決めピンを同時に下方に押圧することで、一方側の位置決めピンだけを位置決め穴に嵌合させる。この際、一対のレールの位置決め穴は位相がずれているため、両方の位置決めピンを同時に下方に押圧しても両方の位置決めピンが同時に降下することはなく、他方側の金型ストッパの位置規制状態は保持される。
そしてこのように単独のレバーで両方の位置決めピンを作動させれば、装置構成が簡素となる。
【0016】
ここで、カム・リンク機構が採用される台車位置決め機構の一例として、例えば両方の位置決めピンを連結部材でリンク結合し、レバーの操作で揺動する揺動部材と、連結部材との間にカム機構を設け、揺動部材の揺動によって連結部材を下方に押下げることで、両方の位置決めピンに同時に下方に押圧するような機構が考えられる。
【0019】
また請求項5では、金型の移載機構に、手動で操作される駆動ハンドルを設けた。そしてこの駆動ハンドルを手で廻すことで、例えば移載機構のローラを回転駆動して金型を移動させれば、モータ等を使用しなくても金型を移載することが出来、安価に且つ簡素に構成出来る。
【0020】
また請求項6では、搬送台車に、搬送レール上を手動で搬送するための搬送機構を設け、この搬送機構に、把持部を握るとブレーキが解除され、把持部を離すとブレーキがかかるブレーキシステムを設けた。このように台車の搬送も手動で行えば、すべての操作に電気等を必要とせず、より安価で簡素に構成出来るが、この際、把持部を離すとブレーキがかかるブレーキシステムを採用することで、例えば台車から作業員が離れた時等に台車にブレーキをかけることが出来、より安全である。
【0021】
また請求項7では、搬送レールを、型置台と成形機械の金型搬出入口との間に配設するようにした。このように搬送レールを型置台と金型搬出入口との間に設ければ、成形機械と型置台の間の金型のやりとりが容易に行える。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで、図1は本発明に係る金型移載装置全体の斜視図、図2は平面視による配置図、図3は型置台の前方に位置決めされる搬送台車の斜視図、図4は搬送台車の内部構造の説明図、図5は図4のA矢視図、図6は図4のB矢視図、図7は台車位置決め機構の説明図、図8は図4のC−C線断面図、図9は図8の部分拡大図、図10は図4のD−D線断面図、図11は台車と型置台の移載機構と駆動力伝達機構の説明図である。
【0023】
本発明に係る金型移載装置は、例えば車両のバンパー等を部分的に打抜くマシンの金型を交換する装置として適用され、この金型移載装置1は、図1、図2に示すように、打抜きマシン2と複数の型置台4、…に隣接して配設される一対の搬送レール3と、このレール3上を走行する搬送台車5を備えており、図1、図2では不図示の金型を打抜きマシン2と型置台4との間でやりとりするようにしている。
【0024】
前記打抜きマシン2は、金型を載置せしめることの出来る機台6と、金型を搬出入するためのゲート7を備えており、このゲート7はシリンダ作動によって開閉自在にされるとともに、前記機台6には、金型を搬出入する際に金型を持上げて回転する上下動自在な搬送ローラ(不図示)が設けられ、また前記機台6からゲート7側に向けて2本のコンベアが設けられている。
【0025】
前記搬送レール3は、前記打抜きマシン2のゲート7の前方から型置台4、…の前方に向けて延出しており、各型置台4、…の前方には、型置台4寄りのレール3に位置決め穴8、…が設けられている。
【0026】
前記型置台4は、図3に示すように、2列の搬送ローラ群等から構成される移載機構10と、金型を固定する金型固定機構11を備えており、前記移載機構10の駆動は、後述する駆動力伝達機構12を介して前記搬送台車5側の移載機構18の駆動ハンドル50で行うことが出来るようにされている。
また金型固定機構11は、金型搬入時に先端側を規制する固定ストッパ13と、搬入後に金型の基端側を固定する型ストッパ14を備えており、この型ストッパ14は、型置台4の上面に設けられたセット穴15に装着自在にされている。
【0027】
前記搬送台車5は、レール3に沿って台車5を走行させるための搬送機構16と、台車5を固定するための台車位置決め機構17と、金型を移載するための移載機構18を備えており、これら搬送機構16、及び台車位置決め機構17、及び移載機構18は、すべて手動で操作し得るよう簡素に構成されている。
【0028】
前記搬送機構16は、図4乃至図6に示すように、台車5の下方側でレール3上に係合する車輪20と、台車5の一端側から上方に延出する支持部材21に支持され且つ作業者が操作するハンドル22と、前記車輪20の回転を制動するブレーキシステム23を備えており、このブレーキシステム23は、車輪20近傍のブラケット24に摺動自在に支持され且つスプリング25によって常時車輪20に向けて押付けられるブレーキ部材26と、このブレーキ部材26に連結されるワイヤ27と、このワイヤ27の他端側が連結されるブレーキ解除レバー28を備えている。
【0029】
そして、通常時は、ブレーキ部材26がスプリング25力によって車輪20に押付けられ、作業者がブレーキ解除レバー28を操作すると、ブレーキが解除されるようにされている。
【0030】
前記台車位置決め機構17は、図7に示すように、左右のレール3、3に向けて垂下する左右一対の位置決め部材30、30と、作業者が操作するレバー31と、このレバー31の操作を、位置決め部材30、30の下向きの押圧力に変換するカム・リンク機構32を備えており、この位置決め部材30、30の下端部には、位置決めピン30a、30aが設けられるとともに、カム・リンク機構32は、レバー31の基端側に連結されるシャフト33と、このシャフト33の端部に連結される揺動部材34と、この揺動部材34の長孔34a内に係合するローラ35と、このローラ35のローラ軸35aを支持する一対のリンク部材36、36によって構成されている。
また、リンク部材36、36の両端は、位置決め部材30、30の上端に取付けられた金型ストッパ37、37に枢着されている。
【0031】
そして、前記レバー31をシャフト33軸周りに揺動させると、揺動部材34もレバー31と同じように揺動するようにし、この揺動部材34の揺動によって、長孔34aに係合するローラ35に下向きの力を加えるようにしている。またこの際、一方側の位置決めピン30aを、レール3の位置決め穴8の上方に位置させ、他方側の位置決めピン30aを、レール3面の上方に位置させていれば、位置決め穴8のある側の位置決めピン30aだけが嵌合して位置決めがなされる。
【0032】
また、位置決め部材30の上方の金型ストッパ37は、レバー31を操作する前は、図8に示すように、台車5の金型載置面sから上方に突出して金型の位置を規制出来るようにし、位置決め穴8に嵌合した側の位置決め部材30の金型ストッパ37は、台車5の金型載置面sから下方に没入して、金型の位置規制が外れるようにしている。
【0033】
尚、前記レバー31には、操作時以外は定位置に固定しておくレバー位置規制機構が設けられており、このレバー位置規制機構は、図7に示すように、レバー31に取付けられるプランジャ38と、このプランジャ38の先端を嵌合せしめることの出来る台車5側の位置決め穴39から構成されている。
【0034】
ところで、位置決めピン30aが位置決め穴8に嵌合されると、これに連動して駆動力伝達機構12が接続するようにされており、この駆動力伝達機構12の台車5側の構成について説明する。
【0035】
台車5側の駆動力伝達機構12は、図8に示すように、台車5の内部に配設され且つレール3と直交方向に延出するスライドガイド部材41と、このスライドガイド部材41の中間部に配設されるスプリング支持部材42と、このスプリング支持部材42を挟んで両側に配設される一対のスプリング43、43と、各スプリング43によって外側に向けて付勢される一対のギヤ保持部材44、44と、各キヤ保持部材44の先端に取付けられるそれぞれの駆動ギヤ45、45を備えており、前記各ギヤ保持部材44は、それぞれの位置決め部材30、30の中間部に形成された開口部30h、30hを挿通している。
【0036】
そしてこのギヤ保持部材44を挿通せしめた開口部30hは、図9に示すように、下端部にテーパ部tを備える一方、ギヤ保持部材44は、テーパ部tに対応する傾斜面部44tと、この傾斜面部44tから僅かに突出するローラ46を備えている。
【0037】
そして位置決め部材30が降下すると、スプリング43力によってローラ46がテーパ部tを上方に向けて転動しつつ、ギヤ保持部材44が外側(図9右方)に移動して駆動ギヤ45が台車5の外側に飛出し、逆に位置決め部材30が上昇すると、テーパ部tでローラ46を押圧することで、ギヤ保持部材44を内側(図9の左方)に向けて移動させ、駆動ギヤ45を台車5の内側に没入させるようにしている。
【0038】
一方、型置台4側の駆動力伝達機構12は、図11に示すように、回転方向調整用のアイドルギヤ47と、このアイドルギヤ47に噛合する被動ギヤ48を備えており、アイドルギヤ47の先端は、型置台4の側面から外部に突出しないよう配設されている。
そして、前記要領で駆動ギヤ45が台車5の外側に突出すると、アイドルギヤ47に対して駆動ギヤ45が噛合するようにしている。
【0039】
前記台車5側の移載機構18は、図3に示すように、支持部材21の中間部に取付けられる駆動ハンドル50と、図10、図11に示すように、駆動ハンドル50の回転がチェーン巻掛け機構51を介して伝達される回転軸52と、この回転軸52の回転が一対のチェーン巻掛け機構53、53を介して伝達される搬送ローラ54、…を備えており、またこの回転軸52の中間部には、前記駆動ギヤ45に回転を伝達するためのチェーン巻掛け機構55と、このチェーン巻掛け機構55のチェーンにテンションを与えるためのテンション機構56が設けられている。
【0040】
因みに、前記型置台4の移載機構10は、台車5側の移載機構18とほぼ同一の構成であり、前記被動ギヤ48の回転が、チェーン巻掛け機構57を介して伝達される回転軸58と、この回転軸58の回転が一対のチェーン巻掛け機構60、60を介して伝達される搬送ローラ61、…を備えている。
また台車5側の移載機構18と、型置台4の移載機構10には、いずれも搬出入される金型の両側面をガイドするガイドローラr、…(図3)が設けられている。
本金型移載装置1は以上のように構成されている。
【0041】
次に、本金型移載装置1の使用方法及び作用等について説明する。
打抜きマシン2から型置台4に金型を移載する手順について説明する。尚、型置台4から打抜きマシン2に移載する手順は、概ねこの逆手順である。
【0042】
まず、台車位置決め機構17のレバー31を固定位置(プランジャ38を位置決め穴39に嵌合させた状態)で、作業者はハンドル22を握ると同時に、ブレーキ解除レバー26を握って台車5をゲート7(図1)前まで押して来る。そして、ゲート7の前に来ると、図7に示す台車位置決め機構17のレバー31のプランジャ38を外してレバー31を揺動させると、打抜きマシン2側のレール3の位置決め穴8に、当該側の位置決めピン30aが嵌合し、打抜きマシン2側の金型ストッパ37の規制が解除され、反対側の金型ストッパ37は、規制位置を保持している。
【0043】
打抜きマシン2には、金型を下方から持上げる上下動自在なローラが設けられており、このローラによって金型が持上げられた後、作業員によって金型が引出される。そしてこの金型の前部が台車5の搬送ローラ54、…の一部にかかると、駆動ハンドル50を手で廻して金型を中央部まで移動させ、その後、台車位置決め機構17のレバー31を戻してプランジャ38を位置決め穴39に嵌合させると、位置決めピン30aはレール3の位置決め穴8から外れると同時に、金型の両側は金型ストッパ37、37により位置規制される。
【0044】
次に、作業者はハンドル22とブレーキ解除レバー26を握って台車5を移動させ、型置台4の前方に位置させる。そして、前記要領と同じ手順でプランジャ38を抜いた後、レバー31を操作して型置台4側の位置決めピン30aをレール3の位置決め穴8に嵌合させる。
【0045】
この位置決めピン30aの嵌合による位置決めと同時に、位置決め部材30の開口部30hのテーパ部tに係合するギヤ保持部材44が突出して、図11に示すように、駆動ギヤ45がアイドルギヤ47に噛合する。
【0046】
この状態で駆動ハンドル50を廻して金型を型置台4に送り込めば、台車5の搬送ローラ54、…も、型置台4の搬送ローラ61も共に駆動ハンドル50の操作によって回転し、スムーズに送り込むことが出来る。
そして、送り込みが完了すると、型ストッパ14をセット穴15に装着して金型を固定する。
【0047】
以上のような手順により、極めて簡易で且つ安全に金型を移載することが出来る。
【0048】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば、金型は打抜きマシン以外の金型でも良く、また型置台4の数、配置等も任意である。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本発明の金型移載装置は、請求項1のように、搬送台車を位置決めピンで位置決めする際、同時に金型ストッパの位置規制が解除されるようにしたため、確実に位置決めされない状態では金型を移動させることが出来ず、作業の安全を図ることが出来るとともに、手順が簡素化されて作業を円滑に行うことが出来る。
また請求項2のように、金型ストッパを位置決めピンの上部に一体に取付ければ、位置決めと同時に金型ストッパの位置規制が解除される機構を簡素に構成することが出来る。
【0050】
また請求項3のように、型置台を、搬送レールを挟んで両側に互い違いに複数配設し、位置決め穴を型置台寄りのレール側だけに設け、また搬送台車の位置決めピンを金型の出し入れ方向の両側に一対設ければ、多数の金型保管場所を確保することが出来、また、金型の出し入れに必要な金型ストッパだけを規制解除して、他方側の金型ストッパを規制状態に保持出来る。
また請求項4のように、搬送台車の両側の位置決めピンの作動を、単独のレバーで操作するようにすれば、装置構成が簡素となる。
【0051】
また請求項5のように、台車と型置台の間に駆動力伝達機構を設け、台車の位置決めピンを搬送レールの位置決め穴に嵌合させた際、同時に駆動力伝達機構が接続されるようにすれば、一層簡素な構成となり、また、作業が容易となる。
また請求項6のように、金型の移載機構に、手動で操作される駆動ハンドルを設け、この駆動ハンドルを手で廻すことで移載するようにすれば、安価に且つ簡素に構成出来る。
そして請求項7のように、台車のブレーキシステムとして、把持部を握るとブレーキが解除され、把持部を離すとブレーキがかかるようにすれば、より安全な装置にすることが出来る。
また請求項8のように、搬送レールを成形機の金型搬出入口と型置台との間に設ければ、成形機と型置台との間の金型のやりとりの一連の作業を円滑に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金型移載装置全体の斜視図
【図2】平面視による配置図
【図3】型置台の前方に位置決めされる搬送台車の斜視図
【図4】搬送台車の内部構造の説明図
【図5】図4のA矢視図
【図6】図4のB矢視図
【図7】台車位置決め機構の説明図
【図8】図4のC−C線断面図
【図9】図8の部分拡大図
【図10】図4のD−D線断面図
【図11】台車と型置台の移載機構と駆動力伝達機構の説明図
【符号の説明】
1…金型移載装置、3…搬送レール、4…型置台、5…搬送台車、8…位置決め穴、10…移載機構、12…駆動力伝達機構、16…搬送機構、17…台車位置決め機構、18…移載機構、23…ブレーキシステム、28…ブレーキ解除レバー、30…位置決め部材、30a…位置決めピン、31…レバー、32…カム・リンク機構、37…金型ストッパ。
Claims (7)
- 一対の搬送レールに沿って移動自在となり且つ金型の移載機構を有する搬送台車と、前記搬送レールに近接して配設される型置台とを備え、前記搬送台車には、搭載される金型の出し入れ方向の位置を規制する金型ストッパと、台車を位置決めする位置決めピンが設けられるとともに、前記型置台の前方の搬送レールの少なくとも一方側のレールには位置決め穴が設けられ、前記台車の位置決めピンを搬送レールの位置決め穴に嵌合させて台車を位置決めした際、前記金型ストッパによる金型の位置規制が解除されるようにした金型移載装置であって、前記型置台には金型の移載機構が設けられ、また前記台車と型置台の間には、スプリング支持部材42、このスプリング支持部材を左右から押す左右一対のスプリング43、43、このスプリングと接続して前記位置決め部材との交差点付近にテーパ部t及びローラ46を持つ一対のギヤ保持部品44、44、このギア保持部品に保持される一対の駆動ギヤ45、45で構成される駆動力伝達機構が設けられるとともに、前記台車の位置決めピンを搬送レールの位置決め穴に嵌合させた際、スプリング43によってローラ46がテーパ部tを上方に向けて転動することで、ギア保持部材44を外側に向けて移動させ、駆動ギヤ45を台車5の外側に突出させることにより駆動力伝達機構が接続し、この駆動力伝達機構によって、前記台車を駆動する移載機構の駆動力が、型置台の移載機構にも伝達されるようにしたことを特徴とする金型移載装置。
- 請求項1に記載の金型移載装置において、前記金型ストッパは、前記位置決めピンの上部に一体に取付けられることを特徴とする金型移載装置。
- 請求項2に記載の金型移載装置において、前記型置台は、前記搬送レールを挟んで両側に互い違いに複数配設され、また前記位置決め穴は、型置台の前方であって且つ左右一対のレールのうち型置台寄りのレールだけに設けられるとともに、前記搬送台車の位置決めピンは、金型の出し入れ方向の両側に左右一対設けられることを特徴とする金型移載装置。
- 請求項3に記載の金型移載装置において、前記搬送台車の両側の位置決めピンの作動は、カム・リンク機構を採用する台車位置決め機構により単独のレバーで操作されることを特徴とする金型移載装置。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の金型移載装置において、前記金型の移載機構は、手動で操作される駆動ハンドルを備えたことを特徴とする金型移載装置。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の金型移載装置において、前記搬送台車には、前記搬送レール上を手動で搬送するための搬送機構が設けられ、この搬送機構は、把持部を握るとブレーキが解除され、把持部を離すとブレーキがかかるブレーキシステムを備えたことを特徴とする金型移載装置。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の金型移載装置において、前記搬送レールは、前記型置台と成形機械の金型搬出入口との間に配設されることを特徴とする金型移載装置。
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