JP3901381B2 - 壁及び床の接合構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造住宅における壁及び床の接合構造に関し、特に、地震や台風等による強い水平力や群発地震等による繰返し振動力に対し強固な接合耐力を保持できるようにしたものの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種木造住宅用の壁及び床の接合構造としては、図5〜図7に模式的に示すように種々のものが知られている。すなわち、図5に示す構造では、土台、胴差等の横架材aの上面に根太bが端部にて載置固定され、この根太b上に床下地材cが固定され、この床下地材cの上に内壁下地材dが立設されている。この内壁下地材dは、横架材a上に立設した柱、間柱等の垂直材eに直接固定されるか或いは図示の如く胴縁材f等に固定されて、壁及び床の接合がなされている。
【0003】
図6の構造では、土台、胴差等の横架材aの側面下方に根太掛け材gが固定され、この根太掛け材g上に根太bの端部が根太b上面と横架材a上面とが略面一となるように載置されて取付固定されている。さらに、この根太bの上に床下地材cが固定され、この床下地材c上に内壁下地材dが立設され、この内壁下地材dは、横架材a上に立設した柱、間柱等の垂直材eに図示のように直接固定されるか或いは胴縁材(図示せず)等に固定され、その下端部は横架材a上に固定した内壁下地受け材hの側面に固定されて、壁及び床の接合がなされている。
【0004】
また、図7に示すものは、2階以上の床に用いられる背の高い根太bの場合であり、この従来例では、横架材aの側面上部に、根太bの端部が嵌まり込む切欠き部a1が設けられ、この切欠き部a1に根太bの端部が嵌め込まれて固定されており、それ以外は図6に示す構造と類似の構成で、壁と床とが接合されている。
【0005】
ところで、近年、高い耐久性の住宅が望まれてきており、特に地震や台風等の水平力や群発地震等による繰返しの振動力に対して、十分な耐力をもつ強い住宅が求められている。そして、従来、壁下地材に構造用合板や石膏ボード等の耐力面材を用いることにより、壁の水平耐力を向上させ、強度的な性質を向上させることも広く行われてきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図5に示す従来の構造においては、壁にあっては、内壁下地材dが柱や間柱等の垂直材eに直接に、或いは胴縁材fを介して取り付けられ、この垂直材eが土台や胴差等の横架材aに固定される一方、床にあっては、根太bが直接横架材a上面に固定され、その根太bの上に床下地材cが固定されている構成であるので、壁は壁として、また床は床としてそれぞれ独立して上記横架材aに固定されることになる。このため、壁と床との接合部における接合強度自体に対しては壁及び床の各々の横架材a等への接合強度の影響が大きく、壁及び床が相互に相乗し合ったり補完し合ったりして強度が向上するという効果は期待し難い。
【0007】
また、このため、内壁下地材dに例えば耐力面材を用いて壁強度を強くしても、その水平力への抵抗を床に伝えることができず、モノコック構造と呼ばれる構造によって耐震性等を顕著に向上させることは困難であった。一方、床の耐力を高めようとすると、例えば火打ち土台や火打ち梁で別途補強しておくことが必要であり、その場合、壁と一体的に水平力を伝達するには、柔らかすぎるという欠点があった。
【0008】
さらには、床の耐力は、土台や胴差等の横架材aと根太bの端部との取付強度、すなわち、その取付精度に大きく左右されるという問題があり、特に上記火打ち梁や火打ち土台を省略して施工を簡素化しようとした場合は、上記取付精度が悪いと、地震や台風等による強い水平力を受けたり、又は群発地震等の繰返しの振動力を受けたりすれば、根太bにぐらつき、転び、上下移動等の不具合が生じることがある。その結果、土台や胴差等の横架材aと根太bの端部との接合部に緩みや浮上がり、破損が起こり、上記水平力や振動力等の外力に十分対抗できなくなる虞れがあるばかりでなく、床面に不陸等の凹凸が生じ易いという欠点があった。
【0009】
すなわち、床面の剛性が低いと、耐力壁の少ない構面の損傷が大きくなるが、床面の剛性が高いと、地震や台風等の外力が耐力壁に伝わり、この外力を耐力壁だけでなく床で吸収できるようになる。
【0010】
また、上記のように根太bを使う場合、水平力や上下振動力を受けると根太bが浮き上がろうとするが、上記従来の図5〜図7に示す構造では、根太bを固定する釘が主となって抵抗しようとするため、根太bの釘による固定精度の影響を受け易く、また、上記外力を受けて釘が緩んだり根太bが反ったりすると、不陸を生じ易い。
【0011】
上記図6に示す従来構造においては、壁にあっては、柱や間柱等の垂直材eの下部間で内壁下地受け材hを横架材aに固定し、この内壁下地受け材hに内壁下地材dの下端部を固定する一方、床にあっては、横架材aの側面下方に根太掛け材gを固定し、この根太掛け材g上に根太bの端部を固定し、この根太bの上に床下地材cを固定しているが、この場合も、図5に示す構造と同様に、壁と床とがそれぞれに横架材aに取り付けられているので、壁と床との接合部における力の伝達に乏しく、上記のような相乗・補完効果が十分であるとは言い得ない。
【0012】
また、図6に示す構造では、特に部屋隅部にピアノ等の重量物を載置することもあることを考慮した場合、この部分の根太bの支持は、根太掛け材gに係るために不安定となる。
【0013】
さらに、図7に示す構造も上記と同様の問題があった。
【0014】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的は、壁及び床の接合構造を改良することで、その壁及び床の接合強度を顕著に向上させ、また根太等の取付精度に多少のムラがあっても、外力を受けたときに壁及び床が互いに相乗かつ補完し合って外力に対するより一層の抵抗が確保できるようにすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、横架材に対し根太の端部を横架材側面の根太掛け材又は切欠きにより根太上面が横架材上面と面一になるように取り付けて、その両上面間に亘り床下地材を取付固定し、この床下地材の端部上に内壁下地受け材を配置して、それを床下地材端部を挟んだ状態で横架材に固定し、この内壁下地受け材の側面に対し床下地材上の内壁下地耐力面材を固定するようにした。
【0016】
具体的には、請求項1の発明では、少なくとも土台、胴差のいずれかを含む横架材と、この横架材の側面下部に固定された根太掛け材と、上面が上記横架材の上面と面一になるように配置され、端部が上記根太掛け材上に載置固定された根太と、端部が、上記根太の上面と面一な上記横架材の上面に直接に固定された状態で、上記根太の上面に連続面を形成するように隙間なく連続して固定された床下地材と、全てが上記横架材上に直接に立設され、少なくとも柱を含む垂直材と、この垂直材の下部間でかつ上記床下地材の端部上に配置され、床下地材の端部を挟んだ状態で上記横架材に一体的に固定される内壁下地受け材と、上記床下地材の上面に立設され、下端部が上記内壁下地受け材の側面に固定され、上部が上部横架材に固定され、側部が上記垂直材に固定された内壁下地耐力面材とからなり、上記床下地材と内壁下地耐力面材とが、内壁下地受け材を介して横架材に一体的に固定されていることを特徴としている。
【0017】
上記の構成により、根太掛け材によって横架材の上面と面一に支持された根太及び該横架材の上面に床下地材が固定されるとともに、その床下地材の端部が土台や胴差等の横架材の上面に配置されて直接に固定され、この横架材には柱や間柱等の垂直材の全てが直接に立設され、該垂直材及び上部横架材に固定される内壁下地耐力面材の下端部が内壁下地受け材に固定され、この内壁下地受け材が上記横架材に、床下地材の端部を貫いた釘やねじ等の固定具により強固に固定されているので、根太は、その端部が、根太掛け材と床下地材、及びこの床下地材の端部を挟んで横架材上に固定される内壁下地受け材、さらには横架材によって狭持された形になる。しかも、内壁下地耐力面材の下端部が内壁下地受け材に固定され、この内壁下地受け材と床下地材の端部とが一体的となって横架材に固定されているので、内壁下地耐力面材の拘束力が、従来構造よりも一層直接的に根太に及ぶことになる。このため、地震や台風等の強い水平力、或いは群発地震の振動力を受けても、根太にぐらつきや転び、上下移動等が極めて生じ難くなり、強い強度を有する床及び壁の接合構造を永年に亘り安定して維持することが可能となる。
【0018】
また、根太の取付精度に多少の難があっても、上記したようにその端部が狭持された形になって床下地材や横架材により拘束され、しかも内壁下地受け材及びそれに固定される内壁下地耐力面材の拘束力をも受けてしっかりと拘束されるので、上記の外力に対しても十分に抵抗性を維持することができ、根太の浮上がりや不陸を防止することができる。
【0019】
また、根太を根太掛け材に固定し、床下地材及び内壁下地受け材を横架材にそれぞれ固定しているので、これらの固定を釘打ちにより行った場合、根太の浮上がりに対して3倍の釘が寄与することとなり、根太の浮上がりをさらに有効に防ぐことができる。
【0020】
そして、こうして壁及び床が横架材に一体的に接合されるので、外力に対し根太がしっかりと拘束されると、床下地もしっかりと固定保持され、この床下地がしっかりすると、内壁下地受け材や内壁下地耐力面材もしっかりとすることとなる。或いはその逆の場合でも同様の効果が得られる。つまり壁及び床が相互に相乗的、補完的に作用し合って耐久性の高い接合構造が維持される。
【0021】
また、床下地材の端部が横架材自体に直接掛かっているので、ピアノ等の重量物を部屋の隅部に載置しても安定する。
【0022】
請求項2の発明では、側面上部に切欠き部が設けられ、少なくとも土台、胴差のいずれかを含む横架材と、上面が上記横架材の上面と面一になるように配置され、端部が上記横架材の切欠き部に嵌め込まれて固定された根太と、端部が、上記根太の上面と面一な上記横架材の上面に直接に固定された状態で、上記根太の上面に連続面を形成するように隙間なく連続して固定された床下地材と、全てが上記横架材上に直接に立設され、少なくとも柱を含む垂直材と、この垂直材の下部間でかつ上記床下地材の端部上に配置され、床下地材の端部を挟んだ状態で上記横架材に一体的に固定される内壁下地受け材と、上記床下地材の上面に立設され、下端部が上記内壁下地受け材の側面に固定され、上部が上部横架材に固定され、側部が上記垂直材に固定された内壁下地耐力面材とからなり、上記床下地材と内壁下地耐力面材とが、内壁下地受け材を介して横架材に一体的に固定されていることを特徴としている。
【0023】
すなわち、上記請求項1の発明では、横架材に根太掛け材を固定し、この根太掛け材に根太を支持固定させる構成としているのに対し、この請求項2の発明では、横架材に、根太の端部を嵌め込むための切欠き部を設け、この切欠き部への嵌め込みにより根太の端部を固定支持しており、その他の構成は請求項1の発明と同様である。従って、この発明でも請求項1の発明と同様の作用効果が発現する。
【0024】
請求項3の発明では、上記内壁下地耐力面材が無機質系耐力面材からなっていて、長さ28mm〜65mmのねじにより少なくとも垂直材及び内壁下地受け材に固定されていることを特徴としている。すなわち、この発明では、特に石膏ボードや、大建工業(株)製の商品名「ダイライト」等の比較的軽量な無機質系耐力面材からなる内壁下地材を所定寸法のねじで固定するので、内壁下地耐力面材が地震等の水平力に対してより強固に固定されるとともに、無機質系ボードを釘で固定する場合にありがちな内壁下地耐力面材の浮上がり等を良好に防止できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1及び図2は本発明の実施形態1に係る壁及び床の接合構造を示し、1は住宅の1階部分における土台で、基礎2上に設置されている。この土台1に囲まれる部分の内部には土台1の1対の対向部分と平行になるように複数の大引3,3,…が配置され、この各大引3は複数の床束4,4,…上に亘って支持固定され、その上面は土台1の上面よりも低くて後述する根太掛け材8の上面と略面一になっている。上記土台1や大引3は、住宅の主要な構造強度を受け持つ構造部材を構成する横架材であって、木材(製材品)や集成材等の木質系材料からなる。
【0026】
上記土台1上の隅角部には柱5,5,…が、また柱5,5間の位置に間柱6がそれぞれ直接に立設固定されており、これら柱5及び間柱6は垂直材を構成している。
【0027】
上記土台1のうち大引3と平行な部分の側面下部には根太掛け材8が釘又はねじ(ビス)等の固定具30により固定されている。この根太掛け材8としては、上記土台1(横架材)と同様の木質系材料が使用され、その他、合板やLVL等も木質系材料として使用することができる。
【0028】
上記大引3上には大引3と直交する方向に平行に延びる複数の根太9,9,…が上記根太掛け材8に架け渡されるように並設され、この各根太9の中間部は大引3の上面に釘又はねじ(ビス)等の固定具(図示せず)により支持固定されている。この各根太9は後述の床下地材11を支持固定するためのもので、その上面は上記土台1(横架材)の上面と略面一になるように配置され、その端部9aは根太掛け材8の上面に載置されて釘又はねじ(ビス)等の固定具30により固定されている。各根太9は上記土台1又は大引3と同様に木質系材料からなり、例えば45×45mm又は45×60mmの角材(1階の場合)が用いられる。
【0029】
上記根太9,9,…の上面には複数枚の床下地材11,11,…が敷き並べられ、この各床下地材11は各根太9に対し釘やねじ等の固定具30により固定されている。これら複数枚の床下地材11,11,…が床面に敷き並べられて固定される際、一連の連続面を形成するように、つまり床下地材11,11同士の間に隙間ができないように連続して並べられて固定される。すなわち、床下地材11,11間に隙間があると、床面としての一体感がなくなり、外力を受けたときに局所的な弱点部から損傷を生じる可能性があり、これが壁及び床の接合部の外力に対する抵抗性を低下させる虞れがある。
【0030】
この床下地材11の端部のうち、床面の周縁に位置する端部11aは、図1に拡大して示すように、根太9の上面と略面一な土台1(横架材)上面にその幅方向中央まで延びるように位置していて、その状態で土台1に対し、釘やねじ等の固定具30と後述の内壁下地受け材13の上面から貫通する釘やねじ等の固定具30とにより固定されている。また、各床下地材11において、上記柱5と干渉する部分は、その干渉を避けるために欠き込んで施工される。この各床下地材11には、例えば合板、LVL、OSB、パーティクルボード、MDF等の木質系板材が使用され、この他に大建工業(株)製の商品名「ダイライト」等の無機質系板材を使用することもできる。
【0031】
上記土台1上に位置する、床下地材11の端部11a上には内壁下地受け材13が上記柱5と間柱6との間に配置された状態で載置され、この内壁下地受け材13は、床下地材11の端部11aを土台1(横架材)の上面との間に挟んだ状態(床下地材11の端部11aを介在させた状態)で該土台1に対し釘やねじ等の固定具30により一体的に固定されている。この内壁下地受け材13としては、上記根太掛け材8で説明したものと同様な材料が使用され、その寸法が30×40mm以上のものである。また、この内壁下地受け材13を止める固定具30は、同受け材13の高さよりも長くて土台1に十分に届く長さが必要である。
【0032】
床下地材11の端部のうち、床面の周縁に位置する端部11a近くの上面には複数枚の内壁下地耐力面材15,15,…(1枚のみ図示する)が立設され、この各内壁下地耐力面材15の下端部は上記内壁下地受け材13の側面に釘やねじ等の固定具30により固定され、側部は上記柱5及び間柱6に直接、同様の固定具(図示せず)により固定されている。この内壁下地耐力面材15としては、合板、LVL、OSB、パーティクルボード、MDF等の木質系板材が使用され、この他に石膏ボード、大建工業(株)製の商品名「ダイライト」等の無機質系板材を使用することもでき、このような板材は、耐力面材として認められているものを用いるのがよい。
【0033】
尚、図示していないが、内壁下地耐力面材15の上部は胴差、梁、軒桁等の上部横架材の側面に直接固定される。或いは、柱5及び間柱6の上部間(胴差等の上部横架材の下面)に上記内壁下地受け材13と同様な受け材を設けて、その受け材に内壁下地耐力面材15の上部を固定してもよい。
【0034】
また、このような内壁下地耐力面材15を固定する固定具30は釘でもよいが、上記した無機質板を使用する場合、長さ28mm〜65mmのねじで固定すると、一層良好な耐力を長く発現させることができるので好ましい。
【0035】
そして、以上により、壁及び床の接合構造は、上記床下地材11と内壁下地耐力面材15とが、内壁下地受け材13を介して土台1(横架材)に一体的に固定されている構造となっている。
【0036】
したがって、この実施形態の壁及び床の接合構造では、各根太9は、その端部9aが、根太掛け材8と床下地材11、及びこの床下地材11の端部11aを挟んで土台1(横架材)上に固定される内壁下地受け材13、さらには土台1によって狭持され、内壁下地耐力面材15の下端部は内壁下地受け材13に固定され、この内壁下地受け材13と床下地材11の端部11aが一体的となって土台1に固定されているので、内壁下地耐力面材15の拘束力が従来よりも直接的に根太9に及ぶことになり、地震や台風等の強い水平力、或いは群発地震の振動力を受けても、根太9にぐらつきや転び、上下への移動等が極めて生じ難くなる。よって、強い強度を有する床及び壁の接合構造を永年に亘り安定して維持することができる。
【0037】
また、各根太9の取付精度が多少低くても、その端部9aが床下地材11や土台1により狭持されて拘束されるばかりでなく、内壁下地受け材13及びそれに固定される内壁下地耐力面材15の拘束力をも受けて拘束されるので、上記の外力に対しても十分に抵抗性を維持することができ、根太9の浮上がりや不陸を防止することができる。
【0038】
尚、この実施形態1は、本発明を住宅の1階部分に適用した例であるが、本発明は2階以上の部分に適用できるのは勿論である。その場合、2階以上の部分では胴差、軒桁、床梁が横架材となる。また、2階に根太掛けして納めるに当たり、45×90mm〜105mmの根太9を用いるときは、そのままでは転び易いので、かき込みを入れて転ばないようにする必要がある。
【0039】
(実施形態2)
図3及び図4は本発明の実施態様2を示し(尚、図1及び図2と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、住宅の2階以上の階における床及び壁の接合構造に適用したものである。18は胴差で、上記実施形態1の土台1に相当する横架材を構成している。この胴差18には実施形態1の如き根太掛け材8が固定されておらず、その代わり、胴差18の所定部位の側面上部には胴差18の上面から略高さ方向中央部まで根太9の形状と同じ断面矩形状に切り欠いてなる複数の切欠き部19,19,…が胴差18の長さ方向に間隔をあけて形成されている(図3参照)。
【0040】
また、この胴差18のうち、上記切欠き部19,19,…を有する部分に直交して互いに平行に配置される対向部分の間には床梁21が掛け渡され、この床梁21の側面には上記胴差18の切欠き部19,19,…と同様の複数の切欠き部22,22,…が対応して形成されている。そして、上記床梁21と胴差18との間には両者に直交する方向の複数の根太9,9,…が掛け渡され、この各根太9の一方の端部9aは上記胴差18側面の切欠き部19に、また他方の端部9bは床梁21側面において胴差18の切欠き部19に対応する切欠き部22にそれぞれ嵌め込まれて固定され、各根太9の上面は胴差18(横架材)及び床梁21の上面と略面一になるように配置されている。
【0041】
その他の構成、例えば床下地材11や内壁下地受け材13、内壁下地耐力面材15の取付け等は上記実施形態1と同様である。従って、この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0042】
尚、この実施形態2の構造を住宅の1階部分に適用してもよいのは言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1又は2の発明によると、横架材上に全ての垂直材を直接に立設するとともに、その横架材に対し根太の端部を横架材側面の根太掛け材又は切欠きにより根太上面が横架材上面と面一になるように取り付けて、その両上面間に亘り隙間なく連続して床下地材を取付固定し、この床下地材の端部上でかつ垂直材の下部間に内壁下地受け材を配置して、それを床下地材端部を挟んだ状態で横架材に固定し、この内壁下地受け材の側面に対し床下地材上に立設されかつ上部横架材及び垂直材に固定された内壁下地耐力面材を固定するようにしたことにより、その壁及び床の接合強度を顕著に向上させることができ、地震や台風等の強い水平力、或いは群発地震の振動力を受けても、根太のぐらつき、転び、上下移動等が生じ難く、強い強度を有する床及び壁の接合構造を永年に亘り安定維持することができるとともに、根太等の取付精度に多少のムラがあっても、外力を受けたときに壁と床とが互いに相乗かつ補完し合って外力に対する大きな抵抗性を維持することができ、根太の浮上がりや不陸を防止することができる。
【0044】
請求項3の発明によると、内壁下地耐力面材を無機質系耐力面材として、長さ28mm〜65mmのねじにより少なくとも垂直材及び内壁下地受け材に固定するようにしたことにより、石膏ボード等の比較的軽量な無機質系耐力面材からなる内壁下地材が地震等の水平力に対してより強固に固定され、無機質系ボードを釘で固定する場合の内壁下地耐力面材の浮上がり等を良好に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る壁及び床の接合構造の要部を拡大して示す断面図である。
【図2】 実施形態1の接合構造の全体構成を示す斜視図である。
【図3】 実施形態2の接合構造の要部を拡大して示す図1相当図である。
【図4】 実施形態2の接合構造の全体構成を示す図2相当図である。
【図5】 接合構造の従来例を示す図1相当図である。
【図6】 接合構造の他の従来例を示す図1相当図である。
【図7】 接合構造のさらに他の従来例を示す図1相当図である。
【符号の説明】
1 土台(横架材)
5 柱(垂直材)
6 間柱(垂直材)
8 根太掛け材
9 根太
9a 端部
11 床下地材
11a 端部
13 内壁下地受け材
15 内壁下地耐力面材
18 胴差(横架材)
19 切欠き部
30 固定具
Claims (3)
- 少なくとも土台、胴差のいずれかを含む横架材と、
上記横架材の側面下部に固定された根太掛け材と、
上面が上記横架材の上面と面一になるように配置され、端部が上記根太掛け材上に載置固定された根太と、
端部が、上記根太の上面と面一な上記横架材の上面に直接に固定された状態で、上記根太の上面に連続面を形成するように隙間なく連続して固定された床下地材と、
全てが上記横架材上に直接に立設され、少なくとも柱を含む垂直材と、
上記垂直材の下部間でかつ上記床下地材の端部上に配置され、床下地材の端部を挟んだ状態で上記横架材に一体的に固定される内壁下地受け材と、
上記床下地材の上面に立設され、下端部が上記内壁下地受け材の側面に固定され、上部が上部横架材に固定され、側部が上記垂直材に固定された内壁下地耐力面材とからなり、
上記床下地材と内壁下地耐力面材とが、内壁下地受け材を介して横架材に一体的に固定されていることを特徴とする壁及び床の接合構造。 - 側面上部に切欠き部が設けられ、少なくとも土台、胴差のいずれかを含む横架材と、
上面が上記横架材の上面と面一になるように配置され、端部が上記横架材の切欠き部に嵌め込まれて固定された根太と、
端部が、上記根太の上面と面一な上記横架材の上面に直接に固定された状態で、上記根太の上面に連続面を形成するように隙間なく連続して固定された床下地材と、
全てが上記横架材上に直接に立設され、少なくとも柱を含む垂直材と、
上記垂直材の下部間でかつ上記床下地材の端部上に配置され、床下地材の端部を挟んだ状態で上記横架材に一体的に固定される内壁下地受け材と、
上記床下地材の上面に立設され、下端部が上記内壁下地受け材の側面に固定され、上部が上部横架材に固定され、側部が上記垂直材に固定された内壁下地耐力面材とからなり、
上記床下地材と内壁下地耐力面材とが、内壁下地受け材を介して横架材に一体的に固定されていることを特徴とする壁及び床の接合構造。 - 請求項1又は2の壁及び床の接合構造において、
内壁下地耐力面材が無機質系耐力面材からなっていて、長さ28mm〜65mmのねじにより少なくとも垂直材及び内壁下地受け材に固定されていることを特徴とする壁及び床の接合構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07885399A JP3901381B2 (ja) | 1999-03-24 | 1999-03-24 | 壁及び床の接合構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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