JP4359334B1 - 建物の壁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数枚の板材を積層してなる耐力壁において、厚みを大幅に増加させることなく、且つ作業者の負担を増加させることなく、簡単に塗り壁を構築でき、しかも塗り付けた壁材が剥離したり落下したりすることを防止できる建物の壁構造を提供する。
【解決手段】一対の柱4の互いに対向する面に上下方向に沿って形成された凹状の溝部11と、左右両端部分が溝部11内に挿入されるように、一対の柱4の間に順次落し込まれることにより構造壁5を構築する横長の落し込み板13と、落し込み板13の表面に形成され、開口側の溝幅が奥側の溝幅よりも狭く設定された複数の狭口溝と、複数の狭口溝内に充填されるように、土等の壁材が構造壁5の表面に直接塗り込まれることにより構築された塗り壁7とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の壁構造、特に木造建築物の構築、または歴史的建造物や重要文化財の修復に適した耐力壁構造に関するものである。
従来、木造建築の壁構造として、軸組における一対の柱の間に、小舞下地(竹や細木を縦横に組んで構成されたもの)や、ラス下地(小幅な板からなるもの)を取付け、これらの上から、あるいは金網状のラスをさらに介して、土や漆喰等を塗り込むことにより、塗り壁を構築したものが知られている。ところが、このような構造の塗り壁では、一般的に剛性が低いことから、例えば地震の横揺れや大風時の強風等、横から受ける力に対しては非常に弱いものとなっていた。
ところで、軸組の剛性を高めるため、一対の柱の間に比較的厚みのある木質の板材を複数枚積層することで、耐力壁を構築するものが提案されている(例えば特許文献1)。具体的に説明すると、一対の柱の互いに対向する面に、板材の左右両端側が嵌入される凹状の溝部を上下方向に沿って形成したものである。つまり、複数枚の板材を凹溝に対して上方から順に落とし込むこと、すなわち、複数の板材を互いに密着させながら積み上げることにより、一対の柱の間に木質の板材からなる壁面を構築するものである。これによれば、横からの力に対する剛性が高められ、耐震性及び耐風性に優れた壁構造となる。しかも、柱間の空間を木質の壁によって閉鎖するため、断熱効果及び蓄熱効果が高められ、ひいては省エネを図るとともに、屋内での快適性を高めることが可能となる。
しかし、上記のように板材を複数枚積層することで構築された耐力壁では、芯材となる板材の厚さを比較的大きくする必要があるため、その外側に塗り壁を構築しようとすると、板材の厚さに小舞下地やラス下地の厚み、さらには金網状のラスの厚みが加わることとなり、壁全体の厚みがかなり大きくなっていた。特に、壁の両側(例えば屋外側及び屋内側)に塗り壁を構築するものでは、さらに厚みが増加することとなり、「比較的狭い土地に建物を構築する」という現在の日本の状況から考えると、好ましくない状態となっていた。また、積層された板材の上からラス下地等を一枚ずつ取付けるという工程が必要となるため、現場での作業工程が多くなり、作業者の負担を増大させることが懸念されていた。
なお、積層された板材に、土や漆喰等の壁材を直接塗り付けるようにすれば、小舞下地やラス下地が不要となるが、これによれば、塗り付けた壁材が剥離したり落下したりしやすいものとなり、塗り壁の耐久性を低下させるおそれがある。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、複数枚の板材を積層してなる耐力壁において、厚みを大幅に増加させることなく、且つ作業者の負担や工程を増加させることなく、現場で簡単に塗り壁を構築することができ、しかも塗り付けた壁材が剥離したり落下したりすることを防止できる建物の壁構造の提供を課題とするものである。
本発明にかかる建物の壁構造(第一の発明)は、「軸組の構成要素である少なくとも一対の柱と、
該一対の柱の互いに対向する面に上下方向に沿って形成された凹状の溝部と、
左右両端部分が前記溝部内に挿入されるように、前記一対の柱の間に順次落し込まれることにより、前記一対の柱の間に積層された構造壁を構築する横長の落し込み板と、
それぞれの該落し込み板の表面に形成され、開口側の溝幅が奥側の溝幅よりも狭く設定された複数の狭口溝と、
前記複数の狭口溝内に充填されるように、土等の壁材が、前記構造壁の表面に直接塗り込まれることにより構築された塗り壁と
を具備する」ことを特徴とするものである。
ここで、「落し込み板」の材質としては、木材、集成材、パーティクルボード、MDF等のファイバーボード、及び合板等を挙げることができる。なお、製材工場で発生する廃材、森林の手入れのときに発生する間伐材、またはリサイクル材等を用いることも可能であり、これによれば資源の有効利用を図ることができる。また、木以外の材質、例えばパルプ材、アルミニウム等の金属、または合成樹脂から形成することも可能である。また、「狭口溝」は、開口側の溝幅が奥側(溝の奥)の幅よりも狭くなっていれば、断面形状は特に限定されるものではない。ただし、溝の奥に向うほど幅広となるように溝の側面をテーパー状に形成すれば、壁材が塗り込まれた際、狭口溝の奥に向って壁材を円滑に案内することが可能となる。また、「壁材」としては、土及び漆喰等を例示することができる。なお、壁材の上に仕上材を塗りつけたり取付けたりしてもよい。
本発明の建物の壁構造によれば、一対の柱の互いに対向する面に凹状の溝部が形成されており、横長の落し込み板の左右両端部分が溝部内に挿入されるように、一対の柱の間に、複数の落し込み板が順次落し込まれることにより、構造壁が構築されている。このように、一対の柱間に構造壁を構築することにより、軸組における剛性が高められ、地震の横揺れや強風等に対して耐え得ることが可能になる。
また、構造壁の表面、すなわち落し込み板の表面に、土等の壁材が直接塗り込まれている。ここで、落し込み板の表面には複数の狭口溝が形成されているため、構造壁の表面に壁材を塗り込む際、その一部が狭口溝内に入り込むことになる。したがって、壁材が乾燥し固化した状態では、壁材が構造壁に喰いこんだ状態となり、壁材の剥離や落下を防止することが可能になる。
また、本発明にかかる建物の壁構造(第二の発明)は、「軸組の構成要素である少なくとも一対の柱と、
該一対の柱の互いに対向する面に上下方向に沿って形成された凹状の溝部と、
左右両端部分が前記溝部内に挿入されるように、前記一対の柱の間に順次落し込まれることにより、前記一対の柱の間に積層された構造壁を構築する横長の落し込み板と、
長さが前記構造壁の高さと略一致し、前記落し込み板からなる前記構造壁の裏面において左右方向に複数枚並設されることにより前記一対の柱の間に補強壁を構築する縦板と、
それぞれの該縦板の表面に形成され、開口側の溝幅が奥側の溝幅よりも狭く設定された複数の狭口溝と、
前記複数の狭口溝内に充填されるように、土等の壁材が、前記補強壁の表面に直接塗り込まれることにより構築された塗り壁と
を具備する」ことを特徴とするものである。
ここで、「縦板」の材質としては、木材、集成材、パーティクルボード、MDF等のファイバーボード、及び合板等を挙げることができる。なお、廃材、間伐材、またはリサイクル材等を用いることも可能である。また、パルプ材、アルミニウム等の金属、または合成樹脂から形成することも可能である。なお、「狭口溝」及び「壁材」の説明については上記発明の場合と同様である。
本発明の建物の壁構造によれば、一対の柱の互いに対向する面に凹状の溝部が形成されており、横長の落し込み板の左右両端部分が溝部内に挿入されるように、一対の柱の間に、複数の落し込み板が順次落し込まれることにより、構造壁が構築されている。さらに、構造壁の裏面には、長さが構造壁の高さと略一致する縦板が左右方向に複数枚並設されることにより、補強壁が構築されている。このため、軸組における剛性を一層高めることができ、例えば筋交いや補強用金具を用いることなく、耐震性及び耐風性を確保することが可能になる。
また、補強壁の表面、すなわち縦板の表面に、土等の壁材が直接塗り込まれている。ここで、縦板の表面には複数の狭口溝が形成されているため、補強壁の表面に壁材を塗り込む際、その一部が狭口溝内に入り込むことになる。したがって、壁材が乾燥し固化した状態では、壁材が補強壁に喰いこんだ状態となり、壁材の剥離や落下を防止することが可能になる。
また、本発明にかかる建物の壁構造(第三の発明)は、「軸組の構成要素である少なくとも一対の柱と、
該一対の柱の互いに対向する面に上下方向に沿って形成された凹状の溝部と、
左右両端部分が前記溝部内に挿入されるように、前記一対の柱の間に順次落し込まれることにより、前記一対の柱の間に積層された構造壁を構築する横長の落し込み板と、
長さが前記構造壁の高さと略一致し、前記落し込み板からなる前記構造壁の裏面において左右方向に複数枚並設されることにより前記一対の柱の間に補強壁を構築する縦板と、
それぞれの前記落し込み板の表面に形成され、開口側の溝幅が奥側の溝幅よりも狭く設定された複数の構造壁側狭口溝と、
それぞれの前記縦板の表面に形成され、開口側の溝幅が奥側の溝幅よりも狭く設定された複数の補強壁側狭口溝と、
前記複数の構造壁側狭口溝内に充填されるように、土等の壁材が、前記構造壁の表面に直接塗り込まれることにより構築された構造壁側塗り壁と、
前記複数の補強壁側狭口溝内に充填されるように、土等の壁材が、前記補強壁の表面に直接塗り込まれることにより構築された補強壁側塗り壁と
を具備する」ことを特徴とするものである。
本発明の建物の壁構造は、上記第一の発明と上記第二の発明とを組み合わせたものである。これによれば、耐震性及び耐風性を確保するとともに、構造壁及び補強壁の表面に壁材を直接塗り込むことで、剥れたり落下したりすることのない、構造壁側塗り壁及び補強壁側塗り壁を構築することができる。
また、本発明の建物の壁構造において、「前記壁材に、炭または活性炭が含まれている」構成とすることができる。なお、炭としては、木炭または竹炭を粉砕した粉炭を例示することができる。
これによれば、構造壁または補強壁に塗り込まれた壁材の中に、炭または活性炭が含まれているため、炭の吸収性を利用して、塗り壁における調湿作用を高めることが可能になり、ひいては結露等を防止することが可能になる。また、炭によって室内の空気が浄化され、シックハウス症候群等を抑制することが可能になる。さらに土等の臭いを抑制することも可能になる。
このように、本発明によれば、耐震性及び耐風性に優れた構造壁の壁面に、土等の壁材が直接塗り込まれるため、壁の厚みを大幅に増加させることなく、塗り壁が施された耐力壁を構築することができる。また、構造壁の表面に形成された狭口溝に、壁材の一部が喰いこんだ状態で塗り壁が塗工されるため、壁材の剥離や落下を防止することができる。また、小舞下地やラス下地が不要となるため、現場で簡単に塗り壁を構築することができ、作業者の負担を大幅に軽減することができる。
本実施形態の建物の壁構造を示す断面図である。 壁材が塗られる前の壁構造を屋内側から見た斜視図である。 壁材が塗られる前の壁構造を屋外側から見た斜視図である。 (a)は落し込み板の要部を示す拡大斜視図であり、(b)は縦板の要部を示す拡大斜視図である。 縦板の変形例をしめす斜視図である。
以下、本発明の一実施形態である建物の壁構造について、図1〜図4に基づき説明する。本例の壁構造1は、軸組2を構成する複数本の柱4と、隣合う一対の柱4の間に構築される構造壁5と、構造壁5の裏面に構築される補強壁6と、構造壁5の表面(屋内側)に塗られた塗り壁7と、補強壁6の表面(屋外側)に塗られた塗り壁8と、を具備して構成されている。各構成について詳細に説明する。
軸組2は、屋根や床等の荷重を支えて基礎(図示しない)に伝えるための骨組であり、水平方向に配設された土台3、土台3の上で鉛直方向に配設された複数本の柱4、及び柱4の上に横架された梁(図示しない)等により構成されている。特に、柱4には、隣合う柱4の互いに対向する面に、凹状の溝部11が上下方向に沿って形成されている。
構造壁5は、隣合う一対の柱4の間に積層された複数枚の落し込み板13によって構成されている。つまり、落し込み板13は、板厚が溝部11の幅と略一致し、左右方向の長さが、対向する溝部11の間隔に略一致しており、左右両端部分が溝部11に挿入されるように、上方から一対の柱4の間に順に落し込まれ積層されている。なお、本例の落し込み板13は、木材で形成され板厚が約36mmに設定されている。また、図4(a)に示すように、落し込み板13の上面には、長手方向に沿って連続する嵌合凸部14が形成され、落し込み板13の下面には、長手方向に沿って連続する嵌合凹部15が形成され、積層される下方の落し込み板13の嵌合凸部14が、その上方の落し込み板13の嵌合凹部15に嵌め込まれることにより、落し込み板13同士が密着した状態で積み重ねられるようになっている。
また、落し込み板13の表面には、複数本(例えば6本)の狭口溝16が長手方向(すなわち水平方向)に沿って形成されている。この狭口溝16は、開口側の溝幅(図4(a)では上下方向の長さ)が奥側の溝幅(溝底の幅)よりも狭くなっている。特に、本例では狭口溝16の側面がテーパー形状となっており、溝の奥に向うほど幅が広くなっている。なお、本例では溝の深さが6mmで、開口側の溝幅が15mm、溝底の幅が20mmに設定されている。
補強壁6は、図3に示すように、隣合う一対の柱4の間において、左右方向に並設された複数枚の縦板18によって構成されている。なお、図3では、構造壁5の裏面に対して補強壁6を半分のみ構築した状態を示しているが、実際は、構造壁5の裏面全体(ただし溝部11への挿入部分は除く)に亘って補強壁6が設けられるようになっている。つまり、縦板18の長さは構造壁5の高さと略一致しており、複数枚並設した際の左右方向の長さが、隣合う一対の柱4間の内寸と略一致している。なお、本例の縦板18は木材で形成されており、釘19(図1参照)によって構造壁5の裏面に打付けられている。
また、図4(b)に示すように、縦板18の表面(屋外側に現れる面)には、複数本(例えば6本)の狭口溝20が長手方向(すなわち鉛直方向)に沿って形成されている。この狭口溝20は、落し込み板13における狭口溝16と同一の形状であり、溝の奥に向うほど幅が広くなっている。なお、本例では、縦板18の板厚が30mm、溝の深さが6mm、開口側の溝幅が15mm、溝底の幅が20mmに設定されている。
一方、塗り壁7は、図1に示すように、土22、及び粉炭23を含む壁材21が、構造壁5の表面、すなわち複数の落し込み板13の表面に、直接塗り込まれることにより構築されている。ここで、前述したように、落し込み板13の表面には複数の狭口溝16が形成されているため、構造壁5の表面に壁材21を塗り込む際、その一部が狭口溝16内に入り込むことになる。したがって、壁材21が乾燥し固化した状態では、その壁材21は構造壁5に喰いこんだ状態となる。
また、塗り壁8は、壁材21が、補強壁6の表面、すなわち複数の縦板18の表面に、直接塗り込まれることにより構築されている。なお、縦板18の表面にも複数の狭口溝20が形成されているため、補強壁6の表面に壁材21を塗り込む際、その一部が狭口溝20内に入り込むことになり、壁材21が乾燥し固化した状態では、その壁材21は補強壁6に喰いこんだ状態となる。
このように、本実施形態の建物の壁構造1によれば、複数枚の落し込み板13によって構造壁5が構築され、さらに構造壁5の裏面には、複数枚の縦板18を左右方向に並設することによって補強壁6が構築されているため、軸組2における剛性を大幅に高めることができ、耐震性及び耐風性に対し優れた建物を提供することが可能となる。なお、この壁構造は、建築基準法における耐力壁の規定に適合するものであるとの認定を受けている。
また、本実施形態の建物の壁構造1によれば、構造壁5及び補強壁6の壁面に、壁材21を直接塗り込むため、壁の厚みを大幅に増加させることなく、塗り壁7,8が施された耐力壁を構築することができる。また、構造壁5及び補強壁6の表面に形成された狭口溝16,20に、壁材21の一部が喰いこんだ状態で塗り壁7,8が塗工されるため、壁材21の剥離や落下を防止することができる。また、小舞下地やラス下地が不要となるため、現場で簡単に塗り壁7,8を構築することができ、作業者の負担を大幅に軽減することができる。さらに、塗り壁7,8の下地として、木材からなる構造壁5及び補強壁6が存在するため、塗り壁7,8の表面から釘を打ち付けたり木ねじを締め付けたりすることも可能になる。
なお、構造壁5及び補強壁6を構築する、落し込み板13及び縦板18には、深さが6mmの狭口溝16,20が形成されているが、落し込み板13の板厚を36mmとし、縦板18の板厚を30mmとすることにより、狭口溝16,20を除く板厚がそれぞれ30mm及び24mmとなり、耐力壁の規定に適合するための条件を満たすこととなる。
さらに、本実施形態の建物の壁構造1によれば、構造壁5または補強壁6に塗り込まれた壁材21の中に、粉炭23が含まれているため、炭の吸収性を利用して、塗り壁における調湿作用を高めることが可能になり、ひいては室内の結露等を防止することが可能になる。また、粉炭23によって室内の空気が浄化され、シックハウス症候群等を抑制することが可能になる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、構造壁5及び補強壁6の両壁面に、それぞれ塗り壁7,8を構築するものを示したが、構造壁5の表面のみ、あるいは補強壁6の表面のみに、塗り壁を構築するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、狭口溝16,20を、落し込み板13及び縦板18の長手方向に沿って形成するものを示したが、狭口溝16,20の方向は特に限定されるものではなく、落し込み板13及び縦板18の短手方向に沿って形成してもよく、斜め方向に形成してもよい。また、狭口溝16と狭口溝20とが同一方向を向くように形成してもよい。
さらに、上記実施形態では、縦板18において、狭口溝20を、長手方向(すなわち鉛直方向)に連続して形成したものを示したが、図5に示す縦板25のように、長手方向に沿って、所定長さ(例えば50mm)の狭口溝26を、所定の間隔で形成するようにしてもよい。これによれば、鉛直方向における狭口溝26同士の間に、溝が形成されていない部分が生じるため、狭口溝26に喰い込んだ壁材21が自重によって鉛直方向にずれることを防止することが可能になる。
また、上記実施形態では、土の壁7,8を構築するものを示したが、漆喰の壁を構築する場合も、本発明の構成を適用することができる。また、土壁の上から仕上げ材を塗るようにしてもよく、特に、屋外側となる塗り壁8に対して雨が当たるため、モルタルまたは漆喰を仕上げ材として塗ることが好ましい。
さらに、上記実施形態では、落し込み板13及び縦板18として木材から形成されたものを示したが、集成材、パーティクルボード、ファイバーボード、及び合板等の木質材から形成するようにしてもよい。さらに、パルプ材、アルミニウム等の金属、または合成樹脂から形成するようにしてもよい。
1 壁構造
2 軸組
4 柱
5 構造壁
6 補強壁
7 塗り壁(構造壁側塗り壁)
8 塗り壁(補強壁側塗り壁)
11 溝部
13 落し込み板
16 狭口溝(構造壁側狭口溝)
18 縦板
20 狭口溝(補強壁側狭口溝)
21 壁材
22 土
23 粉炭(炭)
特開2000−192574号

Claims (1)

  1. 軸組の構成要素である少なくとも一対の柱と、
    該一対の柱の互いに対向する面に上下方向に沿って形成された凹状の溝部と、
    左右両端部分が前記溝部内に挿入されるように、前記一対の柱の間に順次落し込まれることにより、前記一対の柱の間に積層された構造壁を構築する横長の落し込み板と、
    長さが前記構造壁の高さと略一致し、前記落し込み板からなる前記構造壁の裏面において左右方向に複数枚並設されることにより、前記一対の柱の間に補強壁を構築する縦板と、
    それぞれの前記落し込み板の表面に形成され、開口側の溝幅が奥側の溝幅よりも狭く設定された複数の構造壁側狭口溝と、
    それぞれの前記縦板の表面に形成され、開口側の溝幅が奥側の溝幅よりも狭く設定された複数の補強壁側狭口溝と、
    前記複数の構造壁側狭口溝内に充填されるように、土等の壁材が、前記構造壁の表面に直接塗り込まれることにより、前記一対の柱の間に構築された構造壁側塗り壁と、
    前記複数の補強壁側狭口溝内に充填されるように、土等の壁材が、前記補強壁の表面に直接塗り込まれることにより、前記一対の柱の間に構築された補強壁側塗り壁と
    を具備することを特徴とする建物の壁構造。
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