JP3897264B2 - タキサン型ジテルペンの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、卵巣癌、乳癌、肺癌等の治療薬として有用であるタキソールを含むタキサン型ジテルペンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
卵巣癌、乳癌、肺癌等の治療薬として有用であるタキソール(Taxol)は、イチイ科イチイ属植物であるタイヘイヨウイチイ(Taxus brevifolia NUTT) より単離同定されたタキサン型ジテルペンであり、活性と関連する複雑なエステルグループを有している。タキソールはタイヘイヨウイチイ植物体中のどの部位にも存在し、その含量は樹皮で最も高いことが報告されている。現在、タキソールは天然のまたは栽培された植物体中から採取されているが、イチイ属植物は地上20 cmの高さに成長するのに10年以上かかる生育の遅い植物であり、また樹皮を剥ぐと木が枯れてしまうことから容易に大量のタキソールを得ることは困難である。もし、タキソールおよびタキソールの前駆物質であるバッカチンIII 等のタキサン型ジテルペンの合成が細胞培養を利用して行うことができれば、樹木を伐採することなく、これらを大量にかつ容易に得ることができるので有利である。
【0003】
これまでの植物の培養細胞を利用したタキソール生産方法については、タイヘイヨウイチイ(Taxus brevifolia NUTT)培養細胞によるタキソール生産が米国で特許(US Patent 5,019,504)になっているが、そのタキソール生産量は1〜3 mg/lと記載されており、工業的生産には不十分である。また、細胞培養によるタキソールの生産性は不安定であり、選抜で一次的には生産性の高い細胞が得られるが、継代培養してその含量を維持することは難しい [E.R.M.Wickremesine et al., World Congress on Cell and Tissue Culture (1992)]。
【0004】
かかる状況の下、タキソールの生産性を向上させるために数々の方法が試みられており、それらの例として、タキソールの含有量が高い中国イチイTaxus chinensis の培養細胞を用いる方法 (US Patent 5,407,816) 、連続培養プロセスを用いる方法 (特開平7-255495, EP 683232)、情報伝達物質であるジャスモン酸メチルを培地に添加する方法 (特開平8-33490, EP 683232) などをあげることができる。しかし、上記いずれの方法も実用化には結びついておらず、一層の生産性向上が望まれている。
【0005】
一方、タキソール生産法の先行技術として、タキソール生合成前駆体であるバッカチンIII または10-デアセチルバッカチンIII からの半合成法がHoltonらの米国特許[US Patent 5,015,744]明細書に開示されており、すでに欧米ではこの半合成由来のタキソールが認可され、臨床に使用されている。植物の細胞培養法を用いれば、バッカチンIII 等の半合成原料の生産も可能であり、前記半合成法によるタキソール生産にも利用できる。
【0006】
植物の培養細胞は、一般に個々の細胞を接着している細胞壁が強固なため、液体培地中で振盪培養しても単細胞にはならず、数十μmから数mmの細胞塊を生成する。本発明で使用されるイチイ属植物など、木本植物はリグニンなどの二次細胞壁の発達によって、特に細胞の連結が強固である。
近年の植物細胞培養における二次代謝産物生産に関する研究によって、二次代謝産物がこれらの細胞塊ごとに異なることが知られている[Y. Yamada and Y. Fujita, Handbook of Plant Cell Culture, vol. 1, eds. by D. A. Evans et al., Macmillan Publishing Co., New York, pp. 717-728 (1983); Y. Hara et al., Planta Med., 55, pp. 151-154 (1989)]。しかし、細胞塊の粒径とタキサン型ジテルペンの生産性の関係については全く報告がない。
【0007】
一方、米国特許第5,344,775 号には、イチイ植物の、1 〜10個の細胞からなる小細胞塊を取得する方法として以下のプロセス:
(i) オーキシンとしてα−ナフタレン酢酸およびサイトカイニンとして6−ベンジルアミノプリンとを含む培地を保持する支持体上で、細胞分裂組織を含むイチイ属植物の切片からカルス塊を得る、
(ii)得られたカルス塊を上記オーキシンと上記サイトカイニンを含む液体培地で培養し、細胞の接着力が弱く、1 〜10個の細胞からなる細胞塊で構成される懸濁培養物を得る;
(iii) 得られた懸濁培養物から細胞を分離し、上記オーキシンと上記サイトカインを含む培地を保持する支持体の表面にプレーティングする;
(iv) (iii) で得られた細胞を上記支持体上で増殖させ、シュードカルス、すなわち分化した維管束や器官または明らかに識別できる細胞分裂部位を含まない不定形細胞からなり、細胞接着力が弱く、細胞塊が柔らかいために、物理的な衝撃を加えた際、多数の単細胞および小細胞塊を生じやすく、増殖培地上での細胞全体の倍加時間が (i)で得られたカルスよりも大きく、またタキサンの生産性が (i)で得られるカルスよりも大きく、またタキサンの生産性が(i) で得られるカルスよりも大きい細胞集団を得る;
が開示されている。
【0008】
しかしながら、1 〜10個の細胞からなる小細胞塊(イチイ属植物の培養細胞は、通常直径が20〜30μm であり、10個からなる細胞塊の直径は100 μm 未満と推定される)で、増殖または二次代謝産物の生産能力を持ったものを取得するのは極めて困難であり、当該特許に開示されているように、培地や培養条件を巧妙に組み合わせない限り、取得することは不可能である。
すなわち、本発明者らが使用している細胞を含む多くのイチイ属植物の培養細胞では、液体培養の攪拌条件を高めただけでは、1〜10個の健全細胞からなる小細胞塊が得られず、孔径100 μm の篩を用いて分画できるのは、増殖または二次代謝産物の生産能力を持たない老化した細胞の残骸のみである。
【0009】
したがって、前記米国特許に見られる小細胞塊の分離は、小細胞塊を遊離しやすいカルスを作成することにポイントがあり、小細胞塊を遊離させるための振盪や攪拌条件を規定している本発明とは、基本的な考え方や方法が異なる。換言すれば、前記米国特許に記載されている1 〜10個の健全細胞からなる小細胞塊を遊離させるための振盪や攪拌条件は、明細書から読み取る限り従来の範囲にあり、本発明の記載の方法のように従来の細胞培養に用いられる条件範囲を超えるものではない。
【0010】
【発明の解決しようとする課題】
本発明の目的は、植物細胞培養によるタキサン型ジテルペンの生産性を向上させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、タキサン型ジテルペンを産生する植物の細胞を培養するにあたって、粒径の小さな細胞塊を培養細胞とすることにより、タキサン型ジテルペンの生産性が向上することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、タキサン型ジテルペン産生植物の細胞を培養してタキサン型ジテルペンを生産するにあたり、生産に適したサイズ範囲の細胞塊の割合を増加させるための以下の工程:
(a)タキサン型ジテルペンの生産を目的とした培養に供するための前培養中、前培養から次の前培養への細胞移植時のいずれかに、篩および/またはフィルターを用いて細胞群から大細胞塊を除去する操作を少なくとも一回設ける;
(b)当該培養細胞を強攪拌条件下で培養する;
のいずれか、または両者を含むことを特徴とする、タキサン型ジテルペンの製造方法である。
【0013】
ここで、生産に適したサイズ範囲とは、長径と短径の中間値で表される平均直径が通常0.12mm以上1.6mm 以下、好ましくは0.12mm以上1.0mm 以下である。
また、細胞の総新鮮重量に対して、当該生産に適したサイズ範囲の細胞塊の割合を、65% 以上、特には80% 以上に増加させることが好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法に用いられるタキサン型ジテルペンを産生する植物としては、イチイ属植物、例えば、セイヨウイチイ(Taxus baccata LINN)、イチイ(T. cuspidata SIEB.et ZUCC) 、キャラボク(T. cuspidata SIEB.et ZUCC var. nana REHDER) 、タイヘイヨウイチイ(T. brevifolia NUTT)、カナダイチイ(T. canadensis MARSH)、中国イチイ(T. chinensis)、ヒマラヤイチイ(T. wallichiana ZUCC) 、T.media 等が挙げられる。これらの中でもセイヨウイチイおよびT.media が特に好ましい。
【0015】
先ずイチイ属に属する植物の植物体、例えば根、生長点、葉、茎、種子などから採取される植物片を殺菌処理後、ゲランガムで固めたウッディー・プラント・メディウム(以下、WP培地と略記する)の固体培地上に置床し、10〜35℃で14〜60日程度経過させて組織片の一部をカルス化させる。このようにして得られたカルスを継代培養すると生育速度が漸次高まり安定化したカルスが得られる。ここで、安定化したカルスとは、培養中にカルスの一部がシュートや根に分化しないでカルスの状態を保持する性質をもち細胞の生育速度が均質であるものをいう。この安定化したカルスを増殖に適した液体培地、例えば液体WP培地に移して増殖させると更に生育速度が高められる(この段階の前培養を特に増殖培養という)。
【0016】
本発明では、この安定化した細胞から、タキサン型ジテルペンの生産に適したサイズ範囲の細胞塊を増加させるため、次の二つの工程のいずれかまたは両者を行う。
第一の工程としては、培養細胞を篩にかけることにより大細胞塊を除去する。
本除去操作は、篩に代えてフィルターを用いてもよく、篩とフィルターの両方を組み合わせてもよい。篩の孔径は、大細胞塊が除けるものであれば制限がないが、目的物質の生産性向上の効率の点から、1410μm 以下が好ましく、中でも 840μm 以下がさらに好ましい。
【0017】
イチイ属植物の培養細胞の細胞塊は球形ではないので、短径が上記各孔径よりも短い細胞塊は、上記の各篩を通過しえる。各篩を通過しえる細胞塊の長径と短径の中間値で表される平均直径は、篩の孔径が1410μm の場合は1.6 mm以下、篩の孔径が840μm の場合は1.0 mm以下である。なお、孔径100 μm の篩を通過し得る平均直径0.12mm以下の細胞塊は、増殖能力およびタキサン型ジテルペンの生産能力が著しく低下しているので、細胞集団から除去しても、除去しなくてもどどちらでもよい。
【0018】
培養細胞を篩にかける時期は、前培養中、または前培養から次の前培養への細胞移植時であればよいが、作業効率ならびに経済性の点から前培養から次の前培養への細胞移植時が好ましい。また、タキサン型ジテルペンの生産を目的とした培養から遡って過去2〜10回の培養の間および/またはそれらの培養開始時の細胞移植の際に、大細胞塊を除去する操作を少なくとも1回行うのが好ましい。また、前培養から本培養への細胞移植時にも篩にかける操作は実施可能であるが、本培養の直前の前培養では細胞量が多く、篩にかける操作中の雑菌汚染の危険性が大きい上に、廃棄される大粒径細胞塊の量も多いため、無駄になる培養コストや廃棄物処理コストが高くなる欠点がある。
【0019】
WO95/14103(EP683232)には、前培養から本培養への細胞移植時に細胞を粒径によって分画する方法が開示されているが、本操作は実験の精度を上げることが目的であり、本発明に用いられている方法とは考え方ならびに操作が全く異なる。すなわち、本発明により達成される、篩にかけることによってタキサン型ジテルペンの生産に適したサイズ範囲の細胞塊の割合を増加させるという効果は、それ以降の細胞移植時に同様の操作を実施しなくとも通常2代以上10代程度までは持続するので、本操作を前培養から本培養への細胞移植時に実施する必要はない。
【0020】
培養細胞を篩にかける操作を培養中に行う場合は、細胞をいったん取り出して篩にかけるか、または培養装置中に付属品として篩や濾過槽を組み込んでおいて、自動的に大細胞塊を除去できるようにしてもよい。さらに、細胞を新しい培地に移植する際、定期的に上記篩分けを実施することによって、安定した小細胞塊群を得ることもできる。
ここで、前培養とは本培養に供給する種細胞増殖を主目的とし、細胞量の増加に従って段階的に培養規模を上げていくための培養をいい、タキサン型ジテルペンの生産の場合通常2〜10回行う。また、本培養とは、最終的に目的物質であるタキサン型ジテルペンの生産を目的とした培養をいう。
【0021】
第二の工程としては、大細胞塊が砕いて小細胞塊を生成するために、個々の細胞には損傷を与えない程度の強攪拌条件下で細胞を培養する。ここで、強攪拌条件とは、平均直径0.12mm以上1.6mm 以下、好ましくは0.12mm以上1.0mm 以下の細胞塊が、細胞の総新鮮重量に対して65% 以上、好ましくは80% 以上となるように粉砕できる攪拌条件をいう。
このような攪拌条件は、攪拌翼の回転速度増加や形状の変更、または培養槽内へのバッフルの取り付けによって得られる。この攪拌条件下での培養は、タキサン型ジテルペン生産のための本培養または前培養のいずれにおいても実施できる。また、培養期間中、攪拌強度はある特定の期間のみ強めても良いし、また、全期間にわたって強めても良い。
【0022】
上記攪拌条件を攪拌翼の回転速度の増加により得るには、例えば、翼径が槽内径の1/2で翼高が液深の1/4のパドル型攪拌翼を使用し、平均的な細胞間接着強度を有する細胞の場合、30〜180rpm、好ましくは40〜120rpmで行うことができる。
上記攪拌条件を攪拌翼の形状の変更により得るには、例えば、穴あきパドル型、スクリュー型、あるいはタービン型により行うことができる。
上記攪拌条件を培養槽内へのバッフルの取り付けにより得るには、培養槽内壁面からバッフル先端までの張り出し距離の延長および/またはバッフル設置数の増加により行うことができる。
かくして得られた上記の細胞塊を、タキサン型ジテルペンの生産を目的とした培養(本培養)に供する。
【0023】
本発明の製造方法の対象となるタキサン型ジテルペンとしては、タキサン骨格を有するジテルペンであれば特に制限はなく、具体的には、タキソール、10-デアセチルタキソール、7-エピタキソール、バッカチンIII 、10-デアセチルバッカチンIII 、7-エピバッカチンIII 、セファロマニン、10-デアセチルセファロマニン、7-エピセファロマニン、バッカチンVI、タキサン1a、キシロシルセファロマニン、キシロシルタキソール、タキソールC、10-デアセチルタキソールC、タキシシンI、タキシシンII、タキシンI、タキシンII、タキサギフィン等を例示できる。
【0024】
本発明の細胞培養に使用される培地としては、従来から知られている植物の細胞培養に用いられる培地、例えばムラシゲ・スクーグ(1962年)〔Murashige & Skoog〕の培地、リンスマイヤー・スクーグ(1965年)〔Linsmaier Skoog〕の培地、ウッディー・プラント・メディウム(1981年) 〔Woody Plant Medium〕、ガンボルグ〔Gamborg〕のB-5培地、藤田らのM-9培地等が挙げられる。
これら培地に植物ホルモンを添加し、更に必要に応じて炭素源、無機成分、ビタミン類、アミノ酸等を添加することもできる。
【0025】
炭素源としては、シュクロース、マルトース、ラクトース等の二糖類、グルコース、フルクトース、ガラクトース等の単糖類、デンプンあるいはこれら糖源の2種類以上を適当な比率で混合したものを使用できる。
【0026】
無機成分としては、例えばリン、窒素、カリウム、カルシウム、マグネシウム、イオウ、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、銅、モリブデン、塩素、ナトリウム、ヨウ素、コバルト等が挙げられ、これらの成分は例えば硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、塩化カリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、ホウ酸、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム、三酸化モリブデン、ヨウ化カリウム、塩化コバルト等の化合物として添加できる。
【0027】
植物ホルモンとしては、例えばインドール酢酸(IAA)、ナフタレン酢酸(NAA)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)等のオーキシン類、カイネチン、ゼアチン、ジヒドロゼアチン等のサイトカイニン類が用いられる。
ビタミン類としては、例えばビオチン、チアミン(ビタミンB1)、ピリドキシン(ビタミンB6)、パントテン酸、イノシトール、ニコチン酸等が用いられる。
アミノ酸類としては、例えばグリシン、フェニルアラニン、ロイシン、グルタミン、システイン等を添加できる。
一般に前記の各成分は、無機成分が約0.1 M〜100 mM、炭素源が約1〜約30 g/l、植物ホルモン類が約0.01〜約10 M、ビタミン類およびアミノ酸類がそれぞれ約0.1〜約100 mg/lの濃度で用いられる。
【0028】
本発明の細胞培養においては、前記植物の根、生長点、葉、茎、種子、花粉、葯、がく等の組織片または細胞、あるいはこれらを上記培地あるいは他の従来の培地によって細胞培養して得られる培養細胞を使用することができる。
以上のようにして得られた培養組織または培養細胞および/または培地から、メタノール等の有機溶媒による抽出によってタキサン型ジテルペンを分離することができる。また、培地中に適当な吸着剤や有機溶媒を共存させ、連続的にタキサン型ジテルペンを回収することもできる。
【0029】
また、タキサン型ジテルペンの生産を目的とした培養では、生産促進剤としてジャスモン酸メチルなどのジャスモン酸誘導体(特開平8−33490号)の他、特開平8−56680号明細書に記載されている重金属を含む化合物および/または重金属イオン、特開平8−56681号明細書に記載されているアミン類、サイクロデキストリンなどの環状多糖類(特開平8−140690号)を添加することにより、タキサン型ジテルペンの生産性をさらに高めることができる。
【0030】
本発明の細胞培養における培養温度としては、通常は約10〜約35℃、特に23〜28℃が増殖速度が大きいので好適である。また、培養期間としては、7〜42日間が好適である。
本発明の培養方法において液体培地を用いた場合には、培養終了後に培養細胞をデカンテーションまたは濾過等の方法によって培地から分離し、培養細胞および/または培地から目的とするタキサン型ジテルペンを有機溶媒による抽出等の方法によって分離することができる。
さらに、本発明の効果を高める方法として、特開平7−135967号、特開平8−33490号明細書に開示されている、細胞を比重の違いにより複数の層に分け、少なくとも一つの層に含まれる細胞を培養する方法との併用が挙げられる。
【0031】
また、本発明は、特開平8−9983号明細書に記載されている、培養器内の気相中の酸素濃度を培養初期より大気中の酸素濃度未満の条件下に制御して培養を行うか、或いは組織および/または細胞と接する流動性の培地中の溶存酸素濃度を培養初期よりその温度に於ける飽和溶存酸素濃度未満である条件下に制御して培養する方法と併用することによって生産性向上を図ることもできる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕 (前培養時の攪拌速度の篩による細胞塊分別への影響)
(1) 前培養
2%アンチホルミン溶液または70%エタノール溶液等で滅菌処理したTaxus media の種子から無菌的に胚を取り出した。その一部を、ナフタレン酢酸を10-5 Mの濃度になるように添加し、オートクレーブ殺菌した固体WP培地(ゲランガム0.25重量%)に置床し、25℃で暗所にて静置培養してカルスを得た。次にこのカルス4 g(新鮮重)を、ナフタレン酢酸を上記と同濃度で添加し、オートクレーブ殺菌した液体WP培地(以下標準培地という)100ml入りの300 ml三角フラスコに移し、ロータリーシェーカー上で旋回培養(振幅25 mm、100 rpm)し、14日毎に5回植え継ぎ、該カルスの生育速度を速めた。こうして得られた細胞を以下標準細胞という。
得られた標準細胞を上記と同じ条件でフラスコに移植し、振盪速度を170 rpmに設定した同型のロータリーシェーカー上で14日間培養した。
【0033】
(2) 篩分け
得られた細胞を孔径が1410μm 、840μm 、500μm のステンレス製篩を用いて、細胞塊サイズによって順次分画し、各画分の細胞新鮮重量比を測定した。
一方、比較として、得られた標準細胞について振盪速度170 rpmでの培養を行わず、そのまま同様にして篩分けして細胞塊サイズによって順次分画し、各画分の細胞新鮮重量比を測定した。これらの結果を併せて表1に示す。
振盪速度170rpmで前培養を行った方は、篩分け操作によって平均直径の小さい細胞塊の細胞の総新鮮重量に対して占める割合が増加していくように分画できた。
【0034】
【表1】
Figure 0003897264
【0035】
〔実施例2〕 (各粒径画分由来の細胞のタキソール生産性)
実施例1で得られた4画分の細胞をそれぞれ2g(新鮮重)ずつ、タキサン型ジテルペンの生産促進剤であるジャスモン酸メチル100μM を含む標準培地20 ml(100 ml三角フラスコ入り)に移して、25℃、暗所、振盪速度を100 rpmに設定した前記と同型のロータリーシェーカー上で14日間振盪培養した(本培養)。
培養終了後、細胞を濾過により採取し凍結乾燥した。乾燥重量を測定し、液体培地1L当たりの培養細胞の生育重量を求めた。得られた乾燥カルスからメタノール等を用いてタキサン型ジテルペンを抽出し、高速液体クロマトグラフィーを用いて標準品と比較定量することによってタキソール収量を測定した。また、培養ろ液からジクロロメタンを用いてタキサン型ジテルペンを抽出し、以下上記と同様に定量した。その結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
Figure 0003897264
表2によれば、孔径が小さいステンレス製篩を用いて分画した細胞ほど、タキソール収量が多くなることがわかる。
【0037】
〔実施例3〕(タキソール生産に対する前培養時の振盪速度の影響)
(1) 前培養
実施例1に記載の標準細胞4 g(新鮮重)を標準培地100 ml(300 ml三角フラスコ入り)に移植し、25℃、暗所、振盪速度を170 rpmに設定した前記と同型のロータリーシェーカー上で14日間振盪培養した。
(2) 本培養
得られた細胞を濾過によって液体培地から分離し、そのうちの2g(新鮮重)をジャスモン酸メチル100μM を含む標準培地20 ml(100 ml三角フラスコ入り)に移して、25℃、暗所、振盪速度を100 rpmに設定した前記と同型のロータリーシェーカー上で14日間振盪培養した。得られた細胞と培地を実施例2に記載の方法で処理し、乾燥細胞収量およびタキソール収量を測定した。
また、前培養におけるロータリーシェーカーの振盪速度が100 rpm、80 rpmとする以外は、上記と同様に操作し、乾燥細胞収量およびタキソール収量を測定した。
さらに、前培養で使用するフラスコが攪拌強度を増加させるため底部にバッフルの役目をする襞を設けたフラスコ(図1)であること以外は、上記と同様に操作し、乾燥細胞収量およびタキソール収量を測定した。以上の測定結果を併せて表3に示す。
【0038】
【表3】
Figure 0003897264
表3によれば、振盪速度を上げて前培養した細胞ほど、タキソール収量が多くなることがわかる。
【0039】
〔実施例4〕(タキソール生産に対する本培養時の攪拌速度の影響、および攪拌速度の細胞塊粒径への影響)
撹拌速度を40 rpm、60rpmおよび80rpmに設定した変型パドル型撹拌翼付きジャーファーメンターに、ジャスモン酸メチル100μM を含む標準培地1リットルおよび標準細胞100g(新鮮重)を移植し、1%の炭酸ガスを含む空気を0.1 vvmの速度で通気しながら、25℃、暗所で14日間培養した。得られた細胞の一部と培地を実施例2に記載の方法で処理し、乾燥細胞収量およびタキソール収量を測定した。残りの細胞は、孔径840μm の篩を用いて、これを通過する小粒径細胞の割合を調べた。結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
Figure 0003897264
表4によれば、攪拌速度を上げて本培養した細胞ほど、タキソール収量が多くなることがわかる。また、攪拌速度を上げて本培養した細胞は、小粒径細胞の細胞の総新鮮重量に占める割合が増加する。
【0041】
〔実施例5〕(タキソール生産に対する篩による細胞塊分別の影響)
実施例1に記載の標準細胞から、孔径1410μm または840 μm のステンレス製篩を通過する細胞塊群を分離した後、濾過によって液体培地から分離し、そのうちの4g(新鮮重)を標準培地100 ml(300 ml三角フラスコ入り)に移して、25℃、暗所、振盪速度を100 rpmに設定した前記と同型のロータリーシェーカー上で14日間振盪培養した。得られた細胞全量をそのまま濾過によって液体培地から分離し、そのうちの2 gを100μM のジャスモン酸メチルを含む標準培地20 ml(100 ml三角フラスコ入り)に移して、25℃、暗所、振盪速度を100 rpmに設定した前記と同型のロータリーシェーカー上で14日間振盪培養した。得られた細胞と培地を実施例2に記載の方法で処理し、乾燥細胞収量およびタキソール収量を測定した。結果を表5に示す。
また、篩を用いた大細胞塊の除去を行わないこと以外は上記と同様に処理して乾燥細胞収量およびタキソール収量を測定した。結果を併せて表5に示す。
【0042】
【表5】
Figure 0003897264
表5によれば、前培養の細胞移植時に孔径が小さいステンレス製篩を用いて分画した細胞ほど、タキソール収量が多くなることがわかる。
【0043】
〔実施例6〕〔孔径500 μm 以下の篩分けによる細胞の粒径分布、および得られた画分のタキソール生産性〕
実施例1に記載の標準細胞について篩分けを行う際に、孔径が500 μm 、250 μm 、100 μm のステンレス製篩を用いて分画する以外は同様に操作し、各画分の細胞新鮮重量比を測定した。結果を表6に示す。
【0044】
【表6】
Figure 0003897264
【0045】
孔径が100 μm の篩を通過した細胞を顕微鏡で観察したところ、振盪速度に関わらず10個以下の細胞からなる細胞塊も僅かに認められたが、すべて褐変した老化細胞の集団、またはその残骸であった。また、実施例2に従って、これらの細胞を再度培養したが、新たな細胞増殖ならびにタキサン型ジテルペンの生産は全く認められなかった。
よって、実施例2にてタキソール生産性の向上を確認した孔径500 μm の篩を用いて分別した画分であっても、孔径100 μm の篩を通過する画分は本発明のタキサン型ジテルペンの生産には適しないことが認められた。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、タキサン型ジテルペン産生植物の細胞培養によって、大量のタキサン型ジテルペンを簡便に得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】底部にバッフルの役目をする襞を設けたフラスコの図を示す。

Claims (7)

  1. タキサン型ジテルペン産生植物の細胞を培養してタキサン型ジテルペンを生産するにあたり、長径と短径の中間値で表される平均直径が 0.12mm 以上 1.6mm 以下の細胞塊の割合を細胞の総新鮮重量に対して 65% 以上に増加させるための以下の工程:
    (a)タキサン型ジテルペンの生産を目的とした培養に供するための前培養中、前培養から次の前培養への細胞移植時のいずれかに、篩および/またはフィルターを用いて長径と短径の中間値で表される平均直径が 0.12mm 以上 1.6mm 以下の細胞塊以外の細胞塊を除去する操作を少なくとも一回設ける;
    (b)当該培養細胞を30 180rpm 攪拌条件下で培養する;
    のいずれか、または両者を含むことを特徴とする、タキサン型ジテルペンの製造方法。
  2. 前記平均直径が 0.12mm 以上 1.0mm 以下である請求項1に記載の方法。
  3. 前記細胞塊の割合を、細胞の総新鮮重量に対して80%以上に増加させる請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程(a)の操作をタキサン型ジテルペンの生産を目的とした培養から遡って過去2〜10回の培養の間および/またはそれらの培養開始時の細胞移植の際に、少なくとも1回設けることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. タキサン型ジテルペンが、タキソール、10-デアセチルタキソール、7-エピタキソール、バッカチンIII 、10-デアセチルバッカチンIII 、7-エピバッカチンIII 、セファロマニン、10-デアセチルセファロマニン、7-エピセファロマニン、バッカチンVI、タキサン1a、キシロシルセファロマニン、キシロシルタキソール、タキソールC、10-デアセチルタキソールC、タキシシンI、タキシシンII、タキシンI、タキシンII、タキサギフィンから選ばれる少なくとも1種以上である請求項1〜に記載の方法。
  6. タキサン型ジテルペンを産生する植物がイチイ属植物である請求項1〜に記載の方法。
  7. イチイ属植物が、Taxus media またはセイヨウイチイ(Taxus baccata)である請求項に記載の方法。
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