JP3895714B2 - 歯車伝動機構 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに噛み合うピニオンとラックとを備えたラックアンドピニオン式の歯車伝動機構に関し、特に、車両に開閉自在に装着された開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置に適用して有効なものである。
従来から、駆動源に回転駆動されるピニオンとピニオンに噛み合うラックとを備え、駆動源の回転運動をラックと連動する被駆動部材の往復運動に変換して伝達する所謂ラックアンドピニオン式の歯車伝動機構が知られている。たとえば、特許文献1や特許文献2には、このような歯車伝動機構を車両用自動開閉装置に適用した技術が示されており、この場合、ピニオンを車体側に固定された電動モータにより回転駆動し、ラックを車両に開閉自在に装着された開閉部材に連結することにより、電動モータの回転運動を開閉部材の開閉運動に変換して開閉部材の自動開閉動作を行うようにしている。
このような歯車伝動機構に設けられるピニオンは所謂小歯車であり、所定の円ピッチで等間隔に並ぶ複数のピニオン歯を有している。一方、ピニオンに噛み合わされるラックには直線方向に並ぶ複数のラック歯が設けられており、これらのラック歯はピニオンとの噛み合いが滑らかになるように、それぞれピニオン歯の歯厚に対応した同一の歯厚に形成されるとともに隣り合うラック歯の間隔つまり直線ピッチがピニオンの円ピッチに対応した一定の値に設定されている。また、ラック歯の歯厚はピニオン歯の歯厚よりも僅かに薄く形成されており、ラック歯とピニオン歯の互いに噛み合う歯面とは反対側の歯面の間にバックラッシと呼ばれる隙間を設けて、歯を製作する際の公差、作動中の歪みや熱による変形等を吸収するようにしている。
特開2001−280000号公報 特開2002−087065号公報
しかしながら、このような歯車伝動機構では、ピニオン歯とラック歯との噛み合い部分にはバックラッシが設けられているので、ピニオンの停止時にラックに外部からの振動が加わると、ラック歯とピニオン歯とが振動的に接触して歯当たり音が発生する場合がある。たとえば、前述のような車両用自動開閉装置の場合では、車両走行時等に生じる振動により開閉部材が開閉方向に僅かに振動されると、その振動がラックに伝達されてラックの推進運動となり、ラック歯がピニオン歯に対して振動的に接触して歯当たり音を発生させる。そして、通常、このような自動開閉装置は車両のピラー内やルーフ内など、乗員の耳元に近い位置に装着されるので、歯当たり音が乗員の耳に届き易く、乗員に不快感を生じさせることになる。
これに対して、たとえばラックに対するピニオンの噛み合い深さを浅くし、バックラッシを加えられる振動の振幅より大きく設定して歯当たり音を低減させる方法が考えられる。しかし、この方法では、通常の作動時においてもバックラッシが必要以上に大きく設定されることになるので、ラックの動作タイミングが遅れたり、負荷の変動によりラックの動作が不自然になるなどの問題があった。
本発明の目的は、ピニオンの停止時におけるピニオン歯とラック歯との歯当たり音を低減することにある。
本発明の歯車伝動機構は、複数のピニオン歯を備え駆動源により回転駆動されるピニオンと前記ピニオンに噛み合う複数のラック歯を備え被駆動部材と連動するラックとを有し、前記駆動源の回転運動を前記被駆動部材の往復運動に変換する歯車伝動機構であって、正転時の前記ピニオン歯に接触する正転側歯面と逆転時の前記ピニオン歯に接触する逆転側歯面との中心を通る噛み合い基準線相互間の直線ピッチが前記ピニオンの円ピッチに対応した標準歯と、前記直線ピッチと同一の直線ピッチの噛み合い基準線を中心として、当該噛み合い基準線と前記逆転側歯面との厚みが前記噛み合い基準線と前記正転側歯面との厚みよりも薄い肉薄歯とを前記ラック歯に設け、前記ピニオンの停止時に前記ピニオン歯を前記肉薄歯に噛み合わせることを特徴とする。
本発明の歯車伝動機構は、前記ピニオンを車両に固定された電動モータにより回転駆動し、前記ラックを車両に開閉自在に装着された開閉部材に連結し、前記電動モータの回転運動を前記開閉部材の開閉運動に変換することを特徴とする。
本発明の歯車伝動機構は、前記開閉部材を前記車両の後端部に上下方向に開閉自在に装着したことを特徴とする。
本発明の歯車伝動機構は、前記開閉部材が全閉位置にあるときに前記ピニオン歯が前記肉薄歯に噛み合い、前記ピニオンを正転させることにより前記開閉部材が全閉位置から開方向に駆動されることを特徴とする。
本発明によれば、ピニオンの停止時におけるピニオン歯とラック歯との間のバックラッシを大きくすることができるので、振動が加えられることにより互いに衝突する際のピニオン歯とラック歯との相対速度を低減して、歯当たり音を抑制することができる。また、標準歯と肉薄歯の正転側歯面はピニオンの円ピッチに対応した同一の直線ピッチで並ぶので、標準歯に並べて肉薄歯を形成した場合であっても停止状態から正転方向にピニオンが回転運動する際の作動を確実に行うことができる。さらに、作動を開始したピニオンのピニオン歯は標準歯と噛み合うので、作動時におけるピニオン歯とラック歯との間のバックラッシは適切な値となり、ラックを確実に駆動することができる。
また、この歯車伝動機構を車両に設けられる車両用自動開閉装置に用いた場合には、歯当たり音を抑制して車室内の騒音を低減することができる。この場合、開動作時にピニオン歯が標準歯から肉薄歯にかけて同一の直線ピッチで形成される正転側歯面に接するようにすることにより、より大きな負荷がラックに加わる開閉部材の開動作を確実に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態である歯車伝動機構を備えた車両の概略を示す説明図であり、図2は図1に示す車両用自動開閉装置の詳細を示す正面図である。
図1に示すように、車両11(後側の一部のみを示す)の後端部には開閉部材としてのバックドア12が設けられている。このバックドア12はルーフ13の後端部に取り付けられたヒンジ14を介して車両11に装着されており、ヒンジ14の開閉中心軸を中心として図中実線で示す全閉位置と図中2点鎖線で示す全開位置との間の約90度の範囲で上下方向に開閉自在となっている。
なお、車両11とバックドア12との間にバックドア12の開閉動作を補助するガスステーを装着してもよい。
この車両11には連結ロッド15とアクチュエータユニット16とを有する車両用自動開閉装置17が設けられており、バックドア12はこの車両用自動開閉装置17により自動的に開閉されるようになっている。
図2に示すように、連結ロッド15は鋼材で形成されたロッド部15aと、それぞれロッド部15aの両端に設けられた3次元的に作動可能な継手部15b,15c(ピロボール)とを備えており、一方の継手部15bは連結ブラケット18を介してバックドア12に回動自在に連結されている。そして、連結ロッド15の他方の継手部15cを車両11に対して略上下方向に往復運動させることにより、連結ロッド15の往復運動に連動させてバックドア12を開閉させることができるようになっている。
一方、アクチュエータユニット16は取付ブラケット21を有しており、この取付ブラケット21において車両11の後端側のピラーの内部に固定されている。アクチュエータユニット16には取付ブラケット21に固定された駆動部23が設けられており、この駆動部23には駆動源としての電動モータ24と減速機構25および電磁クラッチ(図示せず)が設けられている。電動モータ24には図示しない制御装置が接続されており、この制御装置により電動モータ24の作動制御が行われるようになっている。制御装置はCPUやメモリ等を備えたマイクロコンピュータとなっており、車室内等に設けられた図示しない開閉スイッチからの指令信号にしたがって電動モータ24に制御電流を出力するようになっている。そして、電動モータ24は制御装置から供給される制御電流により、その図示しない回転軸が正逆方向に回転するようになっている。
減速機構25は電動モータ24の回転軸に接続されており、電動モータ24の出力つまり電動モータ24の回転軸の回転運動を所定の回転数にまで減速して出力軸27に伝達するようになっている。
電磁クラッチは、たとえば摩擦式の電磁クラッチとなっており、減速機構25と出力軸27の間に設けられて減速機構25と出力軸27との間を動力伝達状態と動力遮断状態とに切り替えることができるようになっている。そして、バックドア12が手動で開閉操作される際に電磁クラッチを動力遮断状態に切り替えることにより、バックドア12の手動での操作を容易に行えるようにしている。
アクチュエータユニット16には電動モータ24つまり出力軸27の回転運動を連結ロッド15の往復運動に変換するために歯車伝動機構31が備えられている。この歯車伝動機構31はラックアンドピニオン式となっており、ピニオン32とこれと噛み合わされるラック33とを有している。
ピニオン32は複数のピニオン歯34を備えた所謂小歯車となっており、その軸心において出力軸27に固定されている。これにより、ピニオン32は電動モータ24に回転駆動されて正転および逆転するようになっている。
ラック33は鋼板により形成されており、その形状は車両11に対して上下方向に長い略長方形状となっている。このラック33の車両上方側の一端にはガイド部33aが設けられており、このガイド部33aは軸方向を車両11に対して略上下方向に向けて取付ブラケット21に固定されたガイドレール35に摺動自在に係合している。また、ラック33には長手方向に延びる溝部36が形成されており、この溝部36においてピニオン32と対向して取付ブラケット21に固定されたガイドピン37に摺動自在に係合している。これにより、ラック33は図2中に実線で示すように車両下側となる閉側ストローク端と図2中に2点鎖線で示すように車両上側となる開側ストローク端との間でガイドレール35に沿って車両上下方向に直線往復動自在となっている。
ラック33のピニオン32と対向する側の一側端には長手方向に並ぶ複数のラック歯38が設けられている。これらのラック歯38はピニオン32のピニオン歯34に噛み合わされており、これにより、ピニオン32が正転つまり図中時計回りに回転するとラック33は図中右側つまり閉側ストローク端から開側ストローク端に向く方向に移動し、ピニオン32が逆転つまり図中反時計回りに回転するとラック33は図中左側つまり開側ストローク端から閉側ストローク端に向く方向に移動するようになっている。つまり、電動モータ24によりピニオン32が正逆方向に回転駆動されると、ラック33はガイドレール35に沿って閉側ストローク端と開側ストローク端との間で直線往復動するようになっている。
また、ラック33の車両上方側の一端のガイド部33aに固定されるロッドブラケット33bには前述の連結ロッド15の他方の継手部15cが回動自在に連結されている。そして、ラック33が直線往復運動するとその直線往復運動が連結ロッド15を介してバックドア12に伝達され、バックドア12が開閉方向に駆動されるようになっている。つまり、被駆動部材としてのバックドア12とラック33とは連動するようになっている。
このような構造により、歯車伝動機構31は電動モータ24の回転運動をバックドア12の全閉位置と全開位置の間の往復運動つまり開閉運動に変換し、電動モータ24によるバックドア12の自動開閉動作が行われる。
図3は図2に示すラックの詳細を示す正面図であり、図4は図2に示すピニオンとラックとの噛み合い部分の詳細を示す正面図である。
図3に示すように、ラック33に形成される複数のラック歯38は標準歯列部41と肉薄歯列部42とに分けて設けられている。標準歯列部41はラック33が開側ストローク端にあるときにピニオン32と噛み合う側つまりラック歯38の車両下方側の端部からラック33が閉側ストローク端となったときにピニオン歯34と噛み合う部分の直前までの範囲で形成されている。一方、肉薄歯列部42はラック33が閉側ストローク端となったときにピニオン歯34と噛み合うように、ラック歯38の車両上方側の端部から所定の範囲で形成されており、その範囲は標準歯列部41より狭くなっている。つまり、ラック歯38は基本的には標準歯列部41により形成され、肉薄歯列部42は少なくともラック33が閉側ストローク端となったときにピニオン歯34と噛み合うような範囲に形成されている。図示する場合では、ラック33の作動誤差等を考慮して、ラック33の上方側の端部から6つ分のラック歯38が肉薄歯列部42となっている。
図4に示すように、標準歯列部41におけるラック歯38は、それぞれ標準歯43となっている。これらの標準歯43は正転時のピニオン歯34に接触する正転側歯面43aと逆転時のピニオン歯34に接触する逆転側歯面43bとを有しており、正転側歯面43aと逆転側歯面43bの中心を通る噛み合い基準線44と正転側歯面43aの間の厚みW1と噛み合い基準線44と逆転側歯面43bの間の厚みW2とが等しい形状に形成されている。各標準歯43の噛み合い基準線44の相互間の間隔つまり直線ピッチP1はピニオン32の円ピッチP2に対応した値つまりピニオン32の円ピッチP2と同一となっており、これにより標準歯43はピニオン歯34に対して滑らかに噛み合うようになっている。
また、標準歯43の正転側歯面43aと逆転側歯面43bとの間の歯厚T1はピニオン歯34の歯厚T2よりも僅かに薄く形成されている。これにより、隣り合う標準歯43の間隔つまり標準歯43の歯溝の幅L1はピニオン歯34の歯厚T2よりも僅かに広くなり、相互に噛み合う標準歯43とピニオン歯34との間には適切なバックラッシが生じることになる。
一方、肉薄歯列部42におけるラック歯38は標準歯43よりも歯厚が薄く形成された肉薄歯45となっている。これらの肉薄歯45は正転時のピニオン歯34に接触する正転側歯面45aと逆転時のピニオン歯34に接触する逆転側歯面45bとを有しており、標準歯43の噛み合い基準線44と同一の直線ピッチP1の噛み合い基準線44を中心として、その噛み合い基準線44と逆転側歯面45bとの厚みW3が噛み合い基準線44と正転側歯面45aとの厚みW4よりも薄く形成されている。つまり、肉薄歯45は、噛み合い基準線44と正転側歯面45aの間の厚みW4は標準歯43における噛み合い基準線44と正転側歯面43aの間の厚みW2と等しく形成され、噛み合い基準線44と逆転側歯面45bの間の厚みW3は標準歯43における噛み合い基準線44と逆転側歯面43bの間の厚みW1より薄く形成されることにより、その歯厚T3が標準歯43の歯厚T1よりも薄く形成されている。これにより、隣り合う肉薄歯45の間隔つまり肉薄歯45の歯溝の幅L2は標準歯43の歯溝の幅L1より大きくなり、互いに噛み合う肉薄歯45とピニオン歯34の間には、互いに噛み合う標準歯43とピニオン歯34の間よりも大きなバックラッシが生じることになる。なお、厚みW1〜W4、直線ピッチP1、歯厚T1,T3、歯溝の幅L1,L2は、それぞれラック歯38のピッチ線上における寸法であり、円ピッチP2、歯厚T2は、それぞれピニオン歯34のピッチ円上における寸法である。
したがって、ラック33が閉側ストローク端とされてピニオン32が停止したときには、ピニオン歯34は肉薄歯45と噛み合ってピニオン歯34とラック歯38の間のバックラッシは大きくなるので、ラック33に振動が加えられても、ピニオン歯34とラック歯38との歯当たり音は抑制されることになる。この場合、ピニオン歯34が肉薄歯45に噛み合うときにはバックドア12は全閉位置となっているので、バックドア12が全閉位置とされて車両11が走行し、ラック33に車両11が走行する際に生じる振動が加えられても、ラック歯38がピニオン歯34に接して生じる歯当たり音は抑制されることになる。
このように、この歯車伝動機構31では、バックドア12が全閉位置となってピニオン32が停止しているときにはピニオン歯34は肉薄歯45と噛み合うので、ピニオン歯34とラック歯38の間のバックラッシは大きくなり、ラック33に振動が加えられてもピニオン歯34とラック歯38との歯当たり音が抑制されることになる。また、通常、車両11が走行する際にはバックドア12は全閉位置とされるが、そのときピニオン歯34は肉薄歯45に噛み合わされて歯当たり音が抑制されるので、車両走行時の車室内の騒音を低減させることができる。さらに、作動を開始したピニオン32のピニオン歯34は標準歯43と噛み合うので、作動時におけるピニオン歯34とラック歯38の間のバックラッシは適切な値となり、ラック33を確実に作動させることができる。
ところで、このような車両用自動開閉装置17では、ラック33にはバックドア12を閉動作させる際よりも開動作させる際により大きな負荷が加えられるので、歯車伝動機構31にはバックドア12を開動作させる場合により確実な作動が要求される。
これに対して、この歯車伝動機構31では、肉薄歯45は噛み合い基準線44と正転側歯面45aの間の厚みW4が標準歯43における厚みW2と等しく形成され、噛み合い基準線44と逆転側歯面45bの間の厚みW3のみが標準歯43の厚みW1より薄く設定されているので、ピニオン32が正転する際つまりバックドア12を開動作させる際にピニオン歯34に接する標準歯43の正転側歯面43aと肉薄歯45の正転側歯面45aは標準歯43から肉薄歯45にかけて全て同一の直線ピッチP1で並ぶことになる。したがって、ピニオン32を正転させてバックドア12を全閉位置から全開位置に向く開方向に駆動する際には、ピニオン歯34は常に一定の直線ピッチP1で並ぶ正転側歯面43a,45aに接することになり、バックドア12を開動作させる際のピニオン32とラック33の間の動力伝達は、全てのラック歯38が標準歯43である場合と同様に確実に行われることになる。
これに対して、標準歯43の逆転側歯面43bと肉薄歯45の逆転側歯面45bは、それぞれ標準歯列部41もしくは肉薄歯列部42においてはそれぞれ同一の直線ピッチP1で並んでいるが、標準歯43と肉薄歯45とが隣接する部分における直線ピッチP3は標準歯43の歯厚T1と肉薄歯45の歯厚T3の差の分だけ他の直線ピッチP1より狭くなっている。したがって、ピニオン32が電動モータ24により逆転方向に回転駆動され、バックドア12が全開位置から全閉位置に向く閉方向に駆動される場合には、標準歯43と肉薄歯45との境界部でピニオン歯34に対するラック歯38の直線ピッチが変化することになる。しかし、この場合、ピニオン歯34に対するラック歯38の直線ピッチは小さくなる方向に変化するので、ピニオン歯34はラック歯38に対してラック歯38の直線ピッチの減少分だけ空回りするだけで、この歯車伝動機構31の動作上に大きな影響を生じさせない。
このように、この歯車伝動機構31では、標準歯43より歯厚が薄く形成された肉薄歯45の正転側歯面45aは標準歯43の正転側歯面43aと同一の直線ピッチP1で並ぶので、正転するピニオン32は常に一定の噛み合いピッチでラック33に噛み合うことになり、この歯車伝動機構31の作動を確実にすることができる。
また、この歯車伝動機構31では、開動作時にピニオン歯34と接する側の歯面を標準歯43から肉薄歯45にかけて同一の直線ピッチで形成される正転側歯面43a,45aとしたので、より大きな負荷がラック33に加わるバックドア12の開動作時に、確実な作動を行うことができる。また、より優先度の高い開動作時にピニオン歯34と正転側歯面43a,45aとが接するようにしたので、振動による歯当たり音の低減と、この歯車伝動機構31の作動の確実性とを両立させることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、前記実施の形態においては歯車伝動機構31は車両11の開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置17に適用されているが、これに限らず、ピニオン32を駆動する駆動源の回転運動をラック33に連動する被駆動部材の往復運動に変換するものであれば、他の用途に適用してもよい。
また、前記実施の形態においては、開閉部材は車両11の後端部に上下方向に開閉自在に装着されたバックドア12とされているが、これに限らず、横開きのドアなど他の開閉部材としてもよい。
さらに、前記実施の形態においては、アクチュエータユニット16は車両11のピラーの内部に固定されているが、これに限らず、車両11のルーフ13の内部に配置するようにしてもよい。この場合、ラック33は車両11に対して略前後方向に往復動自在に設けられる。
さらに、前記実施の形態においては、肉薄歯列部42はバックドア12が全閉位置となったときにピニオン歯34と噛み合う部分に形成されているが、これに限らず、ピニオン32の停止時にピニオン歯34と噛み合えば、いずれの位置に設定するようにしてもよい。
本発明の一実施の形態である歯車伝動機構を備えた車両の概略を示す説明図である。 図1に示す車両用自動開閉装置の詳細を示す正面図である。 図2に示すラックの詳細を示す正面図である。 図2に示すピニオンとラックとの噛み合い部分の詳細を示す正面図である。
符号の説明
11 車両
12 バックドア
13 ルーフ
14 ヒンジ
15 連結ロッド
15a ロッド部
15b,15c 継手部
16 アクチュエータユニット
17 車両用自動開閉装置
18 連結ブラケット
21 取付ブラケット
23 駆動部
24 電動モータ
25 減速機構
27 出力軸
31 歯車伝動機構
32 ピニオン
33 ラック
33a ガイド部
33b ロッドブラケット
34 ピニオン歯
35 ガイドレール
36 溝部
37 ガイドピン
38 ラック歯
41 標準歯列部
42 肉薄歯列部
43 標準歯
43a 正転側歯面
43b 逆転側歯面
44 噛み合い基準線
45 肉薄歯
45a 正転側歯面
45b 逆転側歯面
W1,W2 厚み
P1 直線ピッチ
P2 円ピッチ
T1 標準歯の歯厚
T2 ピニオン歯の歯厚
1 標準歯の歯溝の幅
W3,W4 厚み
T3 肉薄歯の歯厚
2 肉薄歯の歯溝の幅
P3 直線ピッチ

Claims (4)

  1. 複数のピニオン歯を備え駆動源により回転駆動されるピニオンと前記ピニオンに噛み合う複数のラック歯を備え被駆動部材と連動するラックとを有し、前記駆動源の回転運動を前記被駆動部材の往復運動に変換する歯車伝動機構であって、
    正転時の前記ピニオン歯に接触する正転側歯面と逆転時の前記ピニオン歯に接触する逆転側歯面との中心を通る噛み合い基準線相互間の直線ピッチが前記ピニオンの円ピッチに対応した標準歯と、
    前記直線ピッチと同一の直線ピッチの噛み合い基準線を中心として、当該噛み合い基準線と前記逆転側歯面との厚みが前記噛み合い基準線と前記正転側歯面との厚みよりも薄い肉薄歯とを前記ラック歯に設け、
    前記ピニオンの停止時に前記ピニオン歯を前記肉薄歯に噛み合わせることを特徴とする歯車伝動機構。
  2. 請求項1記載の歯車伝動機構において、前記ピニオンを車両に固定された電動モータにより回転駆動し、前記ラックを車両に開閉自在に装着された開閉部材に連結し、前記電動モータの回転運動を前記開閉部材の開閉運動に変換することを特徴とする歯車伝動機構。
  3. 請求項2記載の歯車伝動機構において、前記開閉部材を前記車両の後端部に上下方向に開閉自在に装着したことを特徴とする歯車伝動機構。
  4. 請求項2または3記載の歯車伝動機構において、前記開閉部材が全閉位置にあるときに前記ピニオン歯が前記肉薄歯に噛み合い、前記ピニオンを正転させることにより前記開閉部材が全閉位置から開方向に駆動されることを特徴とする歯車伝動機構。
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