JP2009007920A - 車両用開閉体の駆動装置 - Google Patents

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Takashi Takizawa
貴史 瀧澤
Kazunori Ishihara
和典 石原
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Abstract

【課題】駆動装置の構造簡素化による製造コスト低減,駆動装置作動時の異音発生の抑制および駆動装置のコンパクト化を実現する。
【解決手段】電動モータ31によりセクタギヤ33を回転駆動することでロッド71を介してリンクアーム72が揺動運動し、リンクアーム72の揺動運動が出力アーム73に伝達されてテールゲート11が開閉駆動するようにした。これにより、従前のスライダ,ローラおよびガイド部材を廃止することができ、駆動装置20の構造を簡素化して製造コストの低減を図り、ローラの転動等に起因する異音の発生を無くし、さらには、ローラによる駆動ロスを無くして電動モータ31の小型化が図れて駆動装置20をコンパクト化することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車体に設けられる上下開閉式の開閉体を開閉駆動する車両用開閉体の駆動装置に関する。
従来、ワゴン車やワンボックス車等における車体の後端部には、車体の上下方向に揺動する上ヒンジ下開き式(上下開閉式)のテールゲート(開閉体)が設けられており、当該テールゲートを全開位置に移動させることにより車体の後端部に比較的大きな開口部を形成して、様々な大きさの荷物の搬入搬出作業を容易に行えるようになっている。
テールゲートは車体の後端部の大きな開口部を開閉するようになっているため、その寸法が大きいばかりか重量が嵩み、さらには車体の上下方向に揺動させる必要があるため、テールゲートの開閉操作を手動で行うことは容易ではない。そこで、テールゲートの開閉操作を容易にするために、正方向または逆方向に回転駆動される電動モータを駆動源とした車両用開閉体の駆動装置を車体に装着し、この駆動装置を駆動することによりテールゲートを自動的に開閉操作できるようにした車両が開発されている。
このような車両用開閉体の駆動装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1に記載された車両用開閉体の駆動装置は、駆動モータにより回転駆動されるクランクギヤと、一端がクランクギヤの偏心位置に回動自在に連結され、他端が複数の回転部材(ローラ)を介してガイド部材内をスライドするスライダに回動自在に連結されたクランクアームと、一端がスライダに回動自在に連結され、他端が後部ドアに回動自在に連結されたドアアームとを備えている。
そして、後部ドアが全閉位置にある状態のもとで駆動モータを回転駆動してクランクギヤを回転させると、クランクギヤの回転に伴ってクランクアームが移動し、これによりスライダがガイド部材内を移動する。その結果、ガイド部内から後部ドアに向けてドアアームが突出されて、後部ドアを全開位置の方向に向けて移動させることができる。
特開2003−104060号公報(図2)
しかしながら、上述の特許文献1に記載された車両用開閉体の駆動装置によれば、複数のローラを介してガイド部材内をスライダが往復動するようになっているために部品点数が多く、また、ガイド部材内でのスライダの往復動を円滑に行わせるために各構成部品を精度良く製造する必要がある等、製造コストが嵩むという問題があった。さらに、駆動装置を作動させたときにガイド部材とスライダとの間から複数のローラが転動すること等による異音が発生したり、複数のローラとガイド部材との間での摩擦抵抗による駆動ロスを解消するために大型の駆動モータを用いたりする必要がある等の問題も生じ得る。
本発明の目的は、駆動装置の構造簡素化による製造コスト低減,駆動装置作動時の異音発生の抑制および駆動装置のコンパクト化を実現することが可能な車両用開閉体の駆動装置を提供することにある。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、車体に設けられた第1軸を中心に揺動する上下開閉式の開閉体を開閉駆動する車両用開閉体の駆動装置であって、前記車体に装着され、正方向または逆方向に回転駆動される駆動源と、前記駆動源の回転駆動が伝達される出力回転体と、一端が前記駆動源と前記開閉体との間でかつ前記車体の前記第1軸よりも下方に設けられた第2軸に回動自在に連結され、他端が前記第2軸の下方に延出されて揺動運動するリンクアームと、一端が前記リンクアームの他端に設けられた第3軸に回動自在に連結され、他端が前記開閉体の前記第1軸から離間して設けられた第4軸に回動自在に連結される出力アームと、一端が前記出力回転体の偏心位置に設けられた偏心軸に回動自在に連結され、他端が前記リンクアームを揺動するよう前記リンクアームの所定箇所に回動自在に連結されるロッドとを備えることを特徴とする。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記ロッドの他端を、前記リンクアームの前記第3軸よりも前記第2軸寄りの第5軸に回動自在に連結することを特徴とする。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記開閉体が全閉位置にあるとき、前記第5軸が前記偏心軸および前記第2軸を結ぶ仮想線よりも下方に位置するよう前記駆動源を前記車体に装着することを特徴とする。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記駆動源を前記車体に傾斜させて装着し、前記開閉体の全閉位置から全開位置への移動に伴い前記出力回転体の前記偏心軸が下方に移動するようにしたことを特徴とする。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記駆動源を前記車体への傾斜方向と交差する方向にさらに傾斜させ、前記偏心軸が下方に突出する円弧状の軌跡上を移動するようにしたことを特徴とする。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記開閉体が全開位置にある状態のもとで、前記偏心軸が前記第2軸よりも下方に位置するよう前記駆動源を前記車体に装着することを特徴とする。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記ロッドを、前記偏心軸および前記リンクアームに球面軸受を介して回動自在に連結することを特徴とする。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記リンクアームは、一対の側壁と、該側壁同士を連結する連結壁とからなり、前記各側壁の両端側を前記第2軸および前記第3軸にそれぞれ回動自在に連結し、前記ロッドの他端を前記各側壁間に回動自在に連結することを特徴とする。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記各側壁間は、前記第2軸側よりも前記第3軸側が幅狭に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、駆動源により出力回転体を回転駆動することでロッドを介してリンクアームが揺動運動し、このリンクアームの揺動運動が出力アームに伝達されて開閉体が開閉駆動されるので、従前のスライダ,ローラおよびガイド部材を廃止することができる。したがって、駆動装置の構造を簡素化して製造コストの低減を図ることができる。また、従前のローラを廃止することができるので、ローラの転動等に起因する異音の発生を無くして駆動装置の静粛性を向上させることができる。さらに、従前のローラによる駆動ロスを無くして駆動源への負荷を小さくすることができるので、従前に比して小型の駆動源を採用でき、駆動装置のコンパクト化を図ることができる。
本発明によれば、ロッドの他端を、リンクアームの第3軸よりも第2軸寄りの第5軸に回動自在に連結するようにしたので、ロッドの移動量に対して第3軸の移動量を増加させることができる。したがって、駆動源の回転駆動量を少なくしたとしても開閉体を全閉位置から全開位置に移動させることが可能となり、駆動装置をさらにコンパクト化することができる。
本発明によれば、開閉体が全閉位置にあるとき、第5軸が偏心軸および第2軸を結ぶ仮想線よりも下方に位置するよう駆動源を車体に装着するようにしたので、開閉体の全閉位置から開方向への移動開始時に、リンクアームを下方へ揺動させるための第5軸の移動方向に向かう分力を速やかに発生させて、リンクアームを駆動ロスすること無く効率良く揺動運動させることができる。
本発明によれば、駆動源を車体に傾斜させて装着し、開閉体の全閉位置から全開位置への移動に伴い出力回転体の偏心軸が下方に移動するようにしたので、偏心軸の下方への移動に伴いロッドを下方に移動させることができる。また、ロッドが下方に移動するので、当該ロッドと第2軸との干渉を抑制して駆動源を第2軸に近接させて配置することができ、駆動装置の設置スペースを小さくすることができる。
本発明によれば、駆動源を車体への傾斜方向と交差する方向にさらに傾斜させ、偏心軸が下方に突出する円弧状の軌跡上を移動するようにしたので、開閉体の全閉位置から全開位置への移動開始後に、偏心軸(ロッド)を速やかに下方へ移動させることができる。したがって、開閉体の開操作初期段階からロッドと第2軸との干渉が抑制されるので、その分、駆動源を第2軸に近接させて配置することが可能となり、駆動装置の設置スペースをより小さくすることができる。
本発明によれば、開閉体が全開位置にある状態のもとで、偏心軸が第2軸よりも下方に位置するよう駆動源を車体に装着するようにしたので、ロッドが下方へ移動するにつれて当該ロッドを水平状態に近づけることができる。したがって、開閉体が全開位置にある時のロッドの車体の開口部側への突出量が抑制されて、荷物等の搬入搬出作業を容易に行うことができる。
本発明によれば、ロッドを、偏心軸およびリンクアームに球面軸受を介して回動自在に連結するようにしたので、出力回転体の回転運動をリンクアームの揺動運動に効率良く変換することができる。したがって、出力回転体の駆動力を伝達経路の途中で駆動ロスすること無くリンクアームに確実に伝達することができる。
本発明によれば、リンクアームは、一対の側壁と、該側壁同士を連結する連結壁とからなり、各側壁の両端側を第2軸および第3軸にそれぞれ回動自在に連結し、ロッドの他端を各側壁間に回動自在に連結するので、高負荷が加わるリンクアームの剛性を向上させることができる。また、ロッドからリンクアームに伝わる駆動力を各側壁に均等に伝達することができるので、リンクアームにはこじり力が作用せず、駆動ロスをより低下させることが可能となる。
本発明によれば、各側壁間は、第2軸側よりも第3軸側が幅狭に形成されているので、リンクアームの車体の外部に露出する部分を極力小さくしてその外観を向上させることができる。
以下、本発明の第1実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明に係る車両用開閉体の駆動装置が搭載された車体の後端部を示す側面図を、図2は駆動装置周辺を拡大して示す部分拡大図を、図3は駆動装置(全閉位置)を車体の下方から見た正面図を、図4は図3のA−A線に沿う断面図を、図5は軸の軌跡を説明する作動説明図を、図6は開閉体が図2に示す状態から半開位置に移動した状態を示す部分拡大図を、図7は開閉体が図6に示す状態から全開位置に移動した状態を示す部分拡大図をそれぞれ表している。
図1に示すように、車体10の後端部にはテールゲート(開閉体)11が設けられている。このテールゲート11は、一端側が車体10におけるルーフ部10aの後端側に設けられたヒンジ軸(第1軸)12を介して車体10に装着され、ヒンジ軸12を中心に、全閉位置と全開位置との間の約80度(deg)の範囲で上下方向に揺動自在となっている。つまり、テールゲート11は上ヒンジ下開き式(上下開閉式)となっている。
車体10とテールゲート11の他端側(図中下側)との間には、テールゲート11を閉塞状態でロックする電磁式のロック機構13が設けられており、このロック機構13は、車内等に設けられた図示しない開閉スイッチを開操作することによってロック解除されるようになっている。
また、車体10とテールゲート11との間には、操作力補助装置としてのガスステー14が設けられている。このガスステー14は、テールゲート11の全開位置方向に所定の大きさの補助力を付与し、テールゲート11を手動で開操作する際にその操作力を軽減するようになっている。なお、ガスステー14は、テールゲート11の大きさや重量によって車種毎に任意に設けられるものである。
車体10におけるルーフ部10aの内側には、ヒンジ軸12の水平方向隣に近接して車両用開閉体の駆動装置20(以下、単に駆動装置と言う)が装着されている。この駆動装置20は、操作者によって開閉スイッチ(図示せず)を開操作または閉操作することにより駆動され、ガスステー14と協働してテールゲート11を開閉駆動するようになっている。
図2ないし図4に示すように、駆動装置20は、モータ部30とリンク機構部70とから構成されている。駆動装置20を構成するモータ部30は、車体10に対して後方側(図中右側)に所定角度で傾斜され、かつ、当該傾斜角と交差する方向、つまり、図中手前方向にも所定角度で傾斜するよう取り付けブラケット(図示せず)を介して車体10に装着されている。
モータ部30は、駆動源としての電動モータ31と、減速機構34および電磁クラッチ40を収容するケース32と、電動モータ31の回転駆動が伝達される出力回転体としてのセクタギヤ33とを備えている。
電動モータ31は、略有底筒状のモータケース31a内に固定された永久磁石と、当該永久磁石の内側に回転自在に設けられ、コイルが巻装されるアーマチュア軸(何れも図示せず)とを有している。この電動モータ31は、アーマチュア軸の同軸上に設けられた図示しない整流子に摺接するブラシを備えた、所謂、ブラシ付きの直流モータとなっている。そして、電動モータ31に図示しないコントローラから所定の大きさの電流を供給することにより、アーマチュア軸が正方向または逆方向に所定の速度で回転し、その回転がケース32の内部の減速機構34に向けて出力されるようになっている。
ケース32の内部には、アーマチュア軸の回転を減速する減速機構34が収容されている。この減速機構34は、図4に示すように、アーマチュア軸に一体的に設けられたウォームギヤ34aと、このウォームギヤ34aに噛み合うウォームホイール34bとから構成されている。そして、アーマチュア軸の回転は減速機構34によって減速され、この減速されて高トルク化された出力は、ウォームホイール34bの回転中心に配置される出力軸35に出力されるようになっている。
ケース32の内部には、減速機構34に加え、出力軸35と同軸上に動力断続機構としての電磁クラッチ40が収容されており、ウォームホイール34bの回転は電磁クラッチ40を介して出力軸35に伝達されるようになっている。つまり、ウォームホイール34bと出力軸35との間の動力伝達を、電磁クラッチ40によって断続できるようになっている。
電磁クラッチ40は、所謂、摩擦式のクラッチであり、互いに摩擦接触可能なクラッチロータ41とアーマチュア42とを有している。クラッチロータ41およびアーマチュア42の軸方向における対向面は、それぞれ摩擦面となっており、これらの摩擦面は互いに僅かな隙間を介して対向している。
クラッチロータ41は、鋼材等の磁性材料により断面が略コの字形形状の円環状に形成され、軸受43を介して出力軸35に相対回転自在に装着されるとともに、ロータリング44を介してウォームホイール34bに連結されてウォームホイール34bとともに回転するようになっている。一方、アーマチュア42は、鋼材等の磁性材料により円板状に形成され、ウォームホイール34bとクラッチロータ41との間で、かつ、ロータリング44の内側に配置されている。
アーマチュア42の中心には貫通孔が形成され、この貫通孔の内側には円板状の接続部材45が配置されている。この接続部材45の内周側は出力軸35に固定されており、接続部材45の外周側には板ばね46を介してアーマチュア42が連結されている。これにより、アーマチュア42は板ばね46および接続部材45を介して出力軸35に動力伝達可能に連結されるとともに、板ばね46の弾性変形により図中上下方向に移動自在となっている。
クラッチロータ41の背面(図中下側)には、クラッチヨーク47がケース32に固定して設けられており、このクラッチヨーク47の内部には、クラッチコイル48が設けられている。クラッチコイル48は図示しないコントローラに電気的に接続されており、コントローラから所定の大きさの電流が供給されるとクラッチヨーク47に磁気吸引力を発生させ、アーマチュア42をクラッチロータ41に引き付けるようになっている。
このような構造により、クラッチコイル48に電流が供給されると、クラッチロータ41とアーマチュア42との摩擦面が摩擦接触され、電磁クラッチ40は動力伝達状態に切り替えられ、ウォームホイール34bの回転が電磁クラッチ40を介して出力軸35に伝達されるようになる。これとは反対に、クラッチコイル48への電流の供給が停止されると、アーマチュア42は板ばね46のばね力によりクラッチロータ41から引き離され、電磁クラッチ40は動力遮断状態に切り替えられて、ウォームホイール34bと出力軸35との間における回転の伝達が遮断されるようになる。
このように、駆動装置20においては、減速機構34と出力軸35との間に電磁クラッチ40を設けており、当該電磁クラッチ40を動力遮断状態に切り替えることにより、テールゲート11を手動で開閉操作できるようにしている。
図4に示すように、出力軸35の電磁クラッチ40側とは反対側(図中上側)には、シングルピニオン式の遊星歯車機構(遊星減速機構)50が配置されている。この遊星歯車機構50は、出力軸35に固定されたサンギヤ(太陽歯車)51と、このサンギヤ51の周りに回転自在に設けられる3つのプラネタリギヤ(遊星ギヤ)52・・・と、各プラネタリギヤ52の回転軸を支持するキャリア53と、各プラネタリギヤ52と噛み合ってサンギヤ51の外周側に設けられるリングギヤ(インターナルギヤ)54とから構成されている。
遊星歯車機構50を構成するリングギヤ54は、ケース32に固定されており、これにより、出力軸35の回転が入力要素としてのサンギヤ51から各プラネタリギヤ52に伝達されるとともに減速されて、出力要素としてのキャリア53に高トルク化されて出力されるようになっている。ただし、出力軸35の同軸上に設ける遊星減速機構としては、シングルピニオン式の遊星歯車機構に限らず、ダブルピニオン式の遊星歯車機構であってもよい。
遊星歯車機構50を構成するキャリア53は、略中空円筒状に形成されており、このキャリア53の内側には、合成樹脂製の軸受55を介して出力軸35が回転自在に貫通されている。また、キャリア53の外周面には、所定ピッチの出力ギヤ53aが一体的に形成されており、この出力ギヤ53aには、セクタギヤ33のギヤ歯33aが噛み合わされている。
出力軸35の一端側(図中上側)は、合成樹脂等よりなる軸受56を介して板状の支持プレート57により回転自在に支持されている。この支持プレート57は、段差を有する略段付椀状形状に形成されており、出力軸35の支持に加え、キャリア53の出力ギヤ53aを取り囲んで保護する役割も果たしている。なお、支持プレート57は、複数のネジ58(図示では1つのみ)によってケース32に固定されている。
遊星歯車機構50の図中左側には、当該遊星歯車機構50を構成するキャリア53と並ぶようにして、セクタギヤ33の回転中心に固定される支持ピン59が設けられている。この支持ピン59の一端側(図中上側)は、合成樹脂等よりなる軸受60を介して支持プレート57により回転自在に支持されており、支持ピン59の他端側(図中下側)は、合成樹脂等よりなる軸受61を介してケース32の支持凹部62に入り込んで回転自在に支持されている。
支持ピン59には、外周縁部にギヤ歯33aが形成された略扇形形状のセクタギヤ33が一体的に設けられている。セクタギヤ33の偏心位置、つまり、支持ピン59から離れた径方向外側のギヤ歯33a寄りの位置には、偏心軸としての球面軸受のボールスタッド63が取り付けられている。このボールスタッド63には、図2に示すように、ロッド71の一端(図中左端)に形成された球面軸受のソケット71aが嵌合して連結されており、ロッド71の一端を回動自在に支持している。
駆動装置20を構成するリンク機構部70は、図2に示すように、両端に球面軸受のソケット71a,71bが形成されたロッド71と、略コの字形形状に形成され、その開口側がテールゲート11側を向くように設けられたリンクアーム72と、ストレート形状の出力アーム73とから構成されている。
リンクアーム72の一端側(図中上側)は、モータ部30とテールゲート11との間で、かつ、車体10のヒンジ軸12よりも下方に設けられた固定軸(第2軸)15に回動自在に連結されており、リンクアーム72の他端側(図中下側)は、固定軸15の下方に延出されている。そして、リンクアーム72は、固定軸15を中心に下振り状態で揺動自在、つまり、固定軸15の水平線(図中左右方向に延びる線)よりも下側で固定軸15を中心に揺動自在となっている。
リンクアーム72の他端側には、連結軸(第3軸)74が一体的に設けられており、この連結軸74には、出力アーム73の一端側(図中左側)が回動自在に連結されている。出力アーム73の他端側(図中右側)は、テールゲート11のヒンジ軸12から離間した位置に設けられたブラケット16のブラケット軸17に回動自在に連結されている。ブラケット軸17は、図2に示す状態、つまり、テールゲート11が全閉位置にある状態において、固定軸15よりも距離L1の分だけ若干下方に位置するようになっている。これにより、出力アーム73は、その他端側が一端側よりも上方に位置するよう所定角度で傾斜されて、テールゲート11に対して略垂直の状態となっている。
リンクアーム72の図中上下方向に対する連結軸74よりも固定軸15寄りには、球面軸受のボールスタッド75(第5軸、図2,図3参照)が取り付けられており、このボールスタッド75には、ロッド71の他端の球面軸受のソケット71bが回動自在に連結されている。
リンクアーム72は、ボールスタッド75にロッド71を介して電動モータ31の動力が入力される一方、連結軸74から出力アーム73を介してテールゲート11を開閉させる開閉力を出力するように構成されているため、リンクアーム72自体に加わる高負荷に耐え得る高い剛性を持って構成されている。
ここで、図2に示す状態において、ボールスタッド75は、ボールスタッド63よりも距離L2の分だけ若干下方であって、固定軸15よりも距離L3の分だけ下方に位置して、ボールスタッド63と固定軸15を結ぶ仮想線(図2、図5中太字破線)よりも下方に位置するようになっている。これにより、ロッド71が図中右方に移動した際に、ボールスタッド75には斜め下方向への押圧力Fが作用し、リンクアーム72が下振り状態で揺動自在となっていることから、ボールスタッド75の軌跡(図中破線)方向に分力fが発生するようになっている。
また、ボールスタッド75をリンクアーム72の固定軸15寄りに取り付けることで、連結軸74寄りに取り付ける場合に比してロッド71の移動量に対するリンクアーム72の揺動量を多く(揺動角を大きく)できるようにしている。したがって、ボールスタッド75をリンクアーム72の所定箇所に任意に取り付けることで、テールゲート11の開閉角度を任意に調整できるようになっている。ただし、ここで言う「リンクアーム72の所定箇所」とは、リンクアーム72の固定軸15の部分を除く任意の位置、つまり、ロッド71の移動によってリンクアーム72が揺動し得る任意の位置のことである。
次に、以上のように構成される駆動装置20の作動について、図面に基づき詳細に説明する。
図2に示す状態、つまり、テールゲート11が全閉位置にある状態において、操作者が開閉スイッチ(図示せず)を開操作すると、まず、図1に示すテールゲート11のロック機構13が解錠される。その後、ロック機構13の解錠をトリガとしてコントローラ(図示せず)が電動モータ31に所定の大きさの電流を供給する。また、これと連動して電磁クラッチ40にも所定の大きさの電流が供給される。これにより、電動モータ31が一定の出力で正方向に回転する回転状態とされ、かつ、電磁クラッチ40が動力伝達状態とされる。
電動モータ31が回転駆動されると、その回転駆動は、以下に示す[1]〜[4]の段階を経てセクタギヤ33に伝達される。
[1]アーマチュア軸(図示せず)が回転駆動され、この回転がウォームギヤ34aおよびウォームホイール34b(減速機構34)によって減速される(第1減速)。
[2]電磁クラッチ40の動力伝達状態により、減速機構34によって減速された回転が、ウォームホイール34bを介して出力軸35に伝達される。
[3]出力軸35の回転が、サンギヤ51,プラネタリギヤ52およびキャリア53の順に伝達され減速される(第2減速)。
[4]遊星歯車機構50の回転に伴って、キャリア53の出力ギヤ53aに噛み合うセクタギヤ33が回転駆動される。
セクタギヤ33には、減速機構34による第1減速および遊星歯車機構50による第2減速を経て高トルク化された回転駆動が伝達され、これにより、セクタギヤ33は、図3および図4の矢印a方向に、高出力トルクで回転するようになる。
ここで、テールゲート11の開き始めにおいては、図1に示すようにガスステー14の補助力は略ヒンジ軸12の方向に作用することになるため、このときのガスステー14の補助力は、テールゲート11の全開位置方向に殆ど作用しない状態にある。したがって、テールゲート11を全閉位置から全開位置の方向へ移動させるには、駆動装置20に比較的大きな出力を発生させる必要がある。
テールゲート11が全閉位置にある場合において、図3に示すように、セクタギヤ33の中心に固定された支持ピン59の中心とロッド71とを結ぶ垂線PL1の長さ寸法は、テールゲート11が全開位置の方向へ移動(例えば図3の二点鎖線で示す半開位置へ移動)した後の同垂線PL2の長さ寸法に比して短くなっている(PL1<PL2)。これにより、セクタギヤ33はロッド71に対して大きな駆動力を付与するようになっている。したがって、図2に示す分力fは、テールゲート11を開くために必要な十分に大きな力とすることができ、テールゲート11を全閉位置にある状態からスムーズに開き始めることが可能となっている。
その後、さらにセクタギヤ33の回転を継続して行うと、図3の二点鎖線で示す半開位置から三点鎖線で示す全開位置に向けて、図5に示すように、ボールスタッド63,ボールスタッド75,連結軸74およびブラケット軸17が、丸印から三角印を経て四角印へとそれぞれ推移する。その結果、テールゲート11は、ヒンジ軸12を中心に、図2に示す全閉位置から図6に示す約40度の角度で開いた半開位置,また、図2に示す全閉位置から図7に示す約80度の角度で開いた全開位置に移動する。
図5に示すように、ボールスタッド63の軌跡TL1は、下方に突出する円弧状の軌跡を描くようになる。これは、図2に示すように、モータ部30を車体10の後方側に所定角度で傾斜させるとともに、当該傾斜角と交差する図中手前方向にも傾斜するよう車体10に装着したことによるものである。
また、ボールスタッド75の軌跡TL2は、リンクアーム72が固定軸15を中心に揺動することにより下方に突出する円弧状の軌跡を描き、これと同様に、連結軸74の軌跡TL3についても下方に突出する円弧状の軌跡を描く。ここで、連結軸74の軌跡TL3は、ボールスタッド75が固定軸15寄りに取り付けられていることから、ロッド71の移動量に対して増幅されており、したがって、ボールスタッド75の軌跡TL2よりも長い軌跡を描くようになっている。
ボールスタッド63が軌跡TL1を描くことと、連結軸74が軌跡TL2を描くことにより、ロッド71は図中実線,破線,一点鎖線の順で徐々に水平に近づくとともに下方へ移動していき、これにより、ロッド71が固定軸15に干渉するのを防止するようにしている。また、ボールスタッド63が軌跡TL1を描くことにより、テールゲート11の開き始めの初期段階から、ロッド71が速やかに下方に移動して水平状態に近づき、これにより、ロッド71が固定軸15に対して干渉し難くなっている。
連結軸74が軌跡TL3を描くことにより、テールゲート11のブラケット軸17が、連結軸74の軌跡TL3と略同じ長さの軌跡TL4を描き、これにより、テールゲート11は、基準角度(0度)となる全閉位置から全開位置(約80度)に向けて、ヒンジ軸12を中心に揺動される。
ここで、図7に示すように、テールゲート11が全開位置にある場合において、ボールスタッド63が固定軸15よりも所定距離L4の分だけ僅かに下方に位置されることにより、ロッド71は車体10に近接した状態で略水平となる。これにより、リンク機構部70の車室内(図示せず)への突出量が抑制される。
テールゲート11を全開位置から全閉位置に移動させる場合には、電動モータ31を逆方向に回転駆動、つまり、セクタギヤ33を図3の三点鎖線で示す全開位置から矢印b方向(図4の矢印b方向)に回転駆動させ、上記各軸63,75,74および17を、図5に示すそれぞれの軌跡上の四角印から三角印を経て丸印へとそれぞれ推移させるようにする。このときも、テールゲート11が全開位置にある場合において、図3に示すように、セクタギヤ33の中心に固定された支持ピン59の中心とロッド71とを結ぶ垂線PL3の長さ寸法は、テールゲート11が全開位置の方向へ移動(例えば図3の二点鎖線で示す半開位置へ移動)した後の同垂線PL2の長さ寸法に比して短くなっている(PL3<PL2)。これにより、セクタギヤ33はロッド71に対して大きな駆動力を付与するようになっている。従って、全閉位置から開き始めるときと同様に全開位置から閉め始める際にもテールゲート11を閉めるために必要な十分に大きな力とすることができテールゲート11を全開位置にある状態からスムーズに閉め始めることが可能となっている。
その後、電動モータ31の回転駆動を継続して行い、その駆動力によりロック機構13を施錠させる。このとき、上述のように支持ピン59の中心とロッド71とを結ぶ垂線PL1の長さ寸法が、テールゲート11が半開位置へ移動した後の同垂線PL2の長さ寸法に比して短く(PL1<PL2)しているので、ロッド71には大きな駆動力が付与されて、ロック機構13を容易に施錠できるようになっている。
以上のように構成した第1実施の形態に係る駆動装置20によれば、電動モータ31によりセクタギヤ33を回転駆動することでロッド71を介してリンクアーム72が揺動運動し、このリンクアーム72の揺動運動が出力アーム73に伝達されてテールゲート11が開閉駆動されるので、従前のスライダ,ローラおよびガイド部材を廃止することができる。
したがって、駆動装置20の構造を簡素化して製造コストの低減を図ることができる。また、従前のローラを廃止することができるので、ローラの転動等に起因する異音の発生を無くして駆動装置20の静粛性を向上させることができる。さらに、従前のローラによる駆動ロスを無くして電動モータ31への負荷を小さくすることができるので、従前に比して小型の電動モータを採用でき、駆動装置20のコンパクト化を図ることができる。
また、第1実施の形態に係る駆動装置20によれば、電動モータ31の回転駆動をテールゲート11を開閉するための直動運動に変換させるために、ラック&ピニオン等よりもコンパクトなセクタギヤ33とリンク機構部70を用いるので、駆動装置20をよりコンパクト化することが可能となる。これにより、駆動装置20の車体10への搭載性が向上するとともに、その設置スペースを小さくすることができ、車体10のデザイン性を損なうことなく車体10の設計自由度を向上させることができる。
さらに、第1実施の形態に係る駆動装置20によれば、ロッド71の球面軸受のソケット71bを、リンクアーム72の連結軸74よりも固定軸15寄りに取り付けたボールスタッド75に回動自在に連結したので、ロッド71の移動量に対して連結軸74の移動量を増加させることができる。したがって、セクタギヤ33の回転角度を小さくしたり、セクタギヤ33を小径化してボールスタッド63の回転半径を小さくしたりして、ロッド71の移動量を小さくしたとしてもテールゲート11を全閉位置から全開位置に移動させることが可能となり、駆動装置20をさらにコンパクト化することができる。
また、第1実施の形態に係る駆動装置20によれば、テールゲート11が全閉位置にあるとき、ボールスタッド75がボールスタッド63および固定軸15を結ぶ仮想線よりも下方に位置するよう電動モータ31を車体10に装着したので、テールゲート11の全閉位置から開方向への移動開始時に、リンクアーム72を下方へ揺動させるためのボールスタッド75の移動方向に向かう分力f(図2参照)を速やかに発生させて、リンクアーム72を駆動ロスすること無く効率良く揺動運動させることができる。
さらに、第1実施の形態に係る駆動装置20によれば、電動モータ31を車体10に傾斜させて装着し、テールゲート11の全閉位置から全開位置への移動に伴いセクタギヤ33のボールスタッド63が下方に移動するようにしたので、ボールスタッド63の下方への移動に伴いロッド71を下方に移動させることができる。また、ロッド71が下方に移動するので、当該ロッド71と固定軸15との干渉を抑制して電動モータ31を固定軸15に近接させて配置することができ、駆動装置20の設置スペースを小さくすることができる。
また、第1実施の形態に係る駆動装置20によれば、電動モータ31を車体10への傾斜方向と交差する方向にさらに傾斜させ、ボールスタッド63が下方に突出する円弧状の軌跡上を移動するようにしたので、テールゲート11の全閉位置から全開位置への移動開始後に、ロッド71を速やかに下方へ移動させることができる。したがって、テールゲート11の開操作初期段階からロッド71と固定軸15との干渉が抑制されるので、その分、電動モータ31を固定軸15に近接させて配置することが可能となり、駆動装置20の設置スペースをより小さくすることができる。
さらに、第1実施の形態に係る駆動装置20によれば、テールゲート11が全開位置にある状態のもとで、ボールスタッド63が固定軸15よりも下方に位置するよう電動モータ31を車体10に装着したので、ロッド71が下方へ移動するにつれて当該ロッド71を水平状態に近づけることができる。したがって、テールゲート11が全開位置にある時のリンク機構部70の車室内への突出量が抑制されて、荷物等の搬入搬出作業を容易に行うことができる。
また、第1実施の形態に係る駆動装置20によれば、ロッド71を、ボールスタッド63およびリンクアーム72に球面軸受のソケット71a,71bを介して回動自在に連結したので、がたつくこと無くセクタギヤ33の回転運動をリンクアーム72の揺動運動に効率良く変換することができる。したがって、セクタギヤ33の駆動力を伝達経路の途中で駆動ロスすること無くリンクアーム72に確実に伝達することができる。
次に、本発明の第2実施の形態に係る車両用開閉体の駆動装置について、図面に基づき詳細に説明する。図8は第2実施の形態に係る駆動装置周辺を拡大して示す部分拡大図を表している。なお、上述した第1実施の形態に係る駆動装置20と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8に示すように、駆動装置80は、上述した駆動装置20のリンク機構部70に替えてリンク機構部90を備えた点が異なっている。リンク機構部90は、ストレート形状のリンクアーム91を備えており、このリンクアーム91の連結軸74には、第3軸としてのボールスタッド92(図中破線)が取り付けられている。ボールスタッド92には、上述した駆動装置20のロッド71よりも長尺のロッド93の他端における球面軸受のソケット71bが回動自在に連結されている。
以上のように構成した第2実施の形態に係る駆動装置80によれば、リンクアーム91の連結軸74における軌跡の長さが上述した第1実施の形態に係る駆動装置20に比して短くなり、この点を除いて第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第2実施の形態に係る駆動装置80は、連結軸74の移動軌跡を短くすることができるので、テールゲート11の開閉角度が小さな車体10に対して適用することができ、さらには、リンクアーム91の形状を単純化して、例えば出力アーム73と部品を共通化することもできるので、より製造コストの低減を図ることが可能となる。
次に、本発明の第3実施の形態に係る車両用開閉体の駆動装置について、図面に基づき詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態に係る駆動装置20と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9は第3実施の形態に係る駆動装置を示す斜視図を、図10(a),(b),(c)はリンクアームの詳細構造を説明する説明図を、図11は図10(b)のC−C断面を示す断面図を、図12はリンクアームとロッドとの連結部分を示す部分拡大断面図を、図13は第3実施の形態に係るリンクアームの変形例を説明する説明図を、図14は第3実施の形態に係るリンクアームの他の変形例を説明する説明図をそれぞれ表している。
図9に示すように、駆動装置100は、上述した駆動装置20のリンク機構部70に替えてリンク機構部110を備えた点が異なっており、リンク機構部110はリンクアーム111とロッド112とを備えている。リンクアーム111は、図10および図11に示すように、固定軸15や連結軸74等の軸方向に対向配置された一対のリンク部材113,114を有している。各リンク部材113,114は、所定の肉厚を有する鋼板をプレス加工等することにより所定形状に形成され、その断面は略L字形状となっている。
各リンク部材113,114は、側壁113a,114aと、各側壁113a,114a同士を連結する連結壁113b,114bとをそれぞれ備えており、各連結壁113b,114bは、各側壁113a,114aの幅方向両端側からそれぞれ略垂直方向に延ばされている。各連結壁113b,114bは、各リンク部材113,114をそれぞれ組み付けた状態のもとで、各側壁113a,114a間に所定の隙間を形成するようになっており、各連結壁113b,114bは、各側壁113a,114aの対向箇所にそれぞれ溶接部Pにより溶接固定されている。これにより、リンクアーム111の略半分を占める部分は、内側が中空となった断面が略四角形形状に形成されている。なお、リンクアーム111に必要とされる剛性に応じて、各連結壁113b,114bのうちのいずれか一方を省略、つまり、各側壁113a,114aのうちのいずれか一方を断面が略I字形状となるように形成し、リンクアーム111を断面チャンネル状の構造とすることもできる。
各側壁113a,114aの一端側は、第2軸としての固定軸15に回転自在に連結され、各側壁113a,114aの他端側は、第3軸としての連結軸74に回転自在に連結されている。図10(b)に示すように、各側壁113a,114aにおける固定軸15側の隙間寸法(側壁間寸法)はW1に設定され、各側壁113a,114aにおける連結軸74側の隙間寸法はW2に設定されている。隙間寸法W2は隙間寸法W1よりも幅狭に設定(W2<W1)されており、これにより、リンクアーム111の一端側よりも他端側を幅狭にして、リンクアーム111の車体10の外部に露出し得る露出範囲Sの部分を極力小さくして外観を向上させている。
各側壁113a,114aの固定軸15寄りで、かつ各連結壁113b,114bの近傍には、軸孔113c,114cがそれぞれ形成されている。各軸孔113c,114cには、図12に示すように、第5軸としてのピロボール軸115が取り付けられており、ピロボール軸115には、断面が略球状となったピロボール116が装着されている。ロッド112の他端側には、ピロボール116の外周面に摺接して揺動する受け部材117が設けられており、図中矢印(二点鎖線)に示すように、ロッド112はリンクアーム111に対して所定角度範囲で揺動自在となっている。このように、本実施の形態においては、各側壁113a,114a間に、ピロボール116を介してロッド112の他端を回動自在に連結するようにしており、所謂、ピロボールジョイントの連結構造を採用している。
連結軸74側の各側壁113a,114a間には、図9に示すように出力アーム73の一端側が入り込んでおり、出力アーム73の一端側は連結軸74に軸支されている。これにより、各側壁113a,114aからの駆動力は、連結軸74を介して出力アーム73に向けて真っ直ぐに伝わり、出力アーム73にはこじり力が作用せず、駆動ロスをより低下させることが可能となっている。
以上のように構成した第3実施の形態に係る駆動装置100においても、第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第3実施の形態に係る駆動装置100によれば、リンクアーム111を、各側壁113a,114aと、各側壁113a,114a同士を連結する各連結壁113b,114bとから形成し、各側壁113a,114aの両端側を固定軸15および連結軸74にそれぞれ回動自在に連結し、ロッド112の他端を各側壁113a,114a間に回動自在に連結したので、高負荷が加わるリンクアーム111の剛性をより向上させることができる。
また、ロッド112からリンクアーム111に伝わる駆動力を、図12の黒丸印C(ピロボール116の中心点)に作用させて、各側壁113a,114aに均等に伝達することができるので、リンクアーム111にはこじり力が作用せず、駆動ロスをより低下させることが可能となる。
さらに、第3実施の形態に係る駆動装置100によれば、各側壁113a,114a間は、固定軸15側よりも連結軸74側が幅狭に形成されているので、リンクアーム111の車体10の外部に露出する部分の外観を向上させることができる。
ここで、リンクアーム111は、図13に示すように一対の側壁120と一方の連結壁121とを一体として断面チャンネル状(断面U字状)となるようプレス加工を施し、各側壁120の先端側に他方の連結壁122を溶接部Pにより溶接固定することもできる。この場合には、溶接部Pをリンクアーム111の一側に配置することができるので、リンクアーム111の組み付け作業性を向上させることが可能となる。なお、リンクアーム111に必要とされる剛性に応じて他方の連結壁122を省略し、断面チャンネル状の構造とすることもでき、この場合には溶接作業を省略することが可能となる。
また、リンクアーム111は、図14に示すように各リンク部材113,114を組み付けた状態のもとで、連結軸74側(図中右側)が先細りとなるよう略Y字形状に形成することもできる。この場合には、リンクアーム111の車体10の外部に露出する部分を極力小さくして外観をより向上させることが可能となる。図14における中心線C1は固定軸15の中心線を、中心線C2は連結軸74の中心線をそれぞれ表している。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施の形態においては、開閉体として車体10の後端部に設けられる上下開閉式のテールゲート11としたものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、セダン車等の車体に設けられるトランクリッド等、他の上下開閉式の開閉体にも適用することができる。
また、上記各実施の形態においては、電動モータ31を、車体10に対して後方側に所定角度で傾斜させるとともに、当該傾斜角と交差する方向にも所定角度で傾斜させたものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、駆動装置20,80,100の車体10への取り付けスペースに余裕がある場合には、電動モータ31を車体10に対して水平に取り付けるようにしても良い。また、車体10の後方側のみに所定角度で傾斜させたり、当該傾斜角と交差する方向のみに所定角度で傾斜させたりしても良い。
さらに、上記各実施の形態においては、テールゲート11が全開位置にある状態において、ボールスタッド63が固定軸15の下方に所定距離L4(図7参照)をもって位置するよう構成したものを示したが、本発明はこれに限らず、車体10の構造、つまり、車体10への駆動装置20,80,100の取り付けスペースの大きさ等に応じて、ボールスタッド63を固定軸15の上方に位置するよう構成しても良い。
本発明に係る車両用開閉体の駆動装置が搭載された車体の後端部を示す側面図である。 駆動装置周辺を拡大して示す部分拡大図である。 駆動装置(全閉位置)を車体の下方から見た正面図である。 図3のA−A線に沿う断面図である。 軸の軌跡を説明する作動説明図である。 開閉体が図2に示す状態から半開位置に移動した状態を示す部分拡大図である。 開閉体が図6に示す状態から全開位置に移動した状態を示す部分拡大図である。 第2実施の形態に係る駆動装置周辺を拡大して示す部分拡大図である。 第3実施の形態に係る駆動装置を示す斜視図である。 (a),(b),(c)は、リンクアームの詳細構造を説明する説明図である。 図10(b)のC−C断面を示す断面図である。 リンクアームとロッドとの連結部分を示す部分拡大断面図である。 第3実施の形態に係るリンクアームの変形例を説明する説明図である。 第3実施の形態に係るリンクアームの他の変形例を説明する説明図である。
符号の説明
10 車体
10a ルーフ部
11 テールゲート(開閉体)
12 ヒンジ軸(第1軸)
13 ロック機構
14 ガスステー
15 固定軸(第2軸)
16 ブラケット
17 ブラケット軸(第4軸)
20 駆動装置(車両用開閉体の駆動装置)
30 モータ部
31 電動モータ(駆動源)
31a モータケース
32 ケース
33 セクタギヤ(出力回転体)
33a ギヤ歯
34 減速機構
34a ウォームギヤ
34b ウォームホイール
35 出力軸
40 電磁クラッチ
41 クラッチロータ
42 アーマチュア
43 軸受
44 ロータリング
45 接続部材
46 板ばね
47 クラッチヨーク
48 クラッチコイル
50 遊星歯車機構
51 サンギヤ
52 プラネタリギヤ
53 キャリア
53a 出力ギヤ
54 リングギヤ
55,56 軸受
57 支持プレート
58 ネジ
59 支持ピン
60,61 軸受
62 支持凹部
63 ボールスタッド(偏心軸,球面軸受)
70 リンク機構部
71 ロッド
71a,71b ソケット(球面軸受)
72 リンクアーム
73 出力アーム
74 連結軸(第3軸)
75 ボールスタッド(第5軸,球面軸受)
80 駆動装置
90 リンク機構部
91 リンクアーム
92 ボールスタッド(第3軸,球面軸受)
93 ロッド
100 駆動装置
110 リンク機構部
111 リンクアーム
112 ロッド
113,114 リンク部材
113a,114a 側壁
113b,114b 連結壁
113c,114c 軸孔
115 ピロボール軸
116 ピロボール
117 受け部材
120 側壁
121,122 連結壁
P 溶接部
S 露出範囲
W1,W2 隙間寸法

Claims (9)

  1. 車体に設けられた第1軸を中心に揺動する上下開閉式の開閉体を開閉駆動する車両用開閉体の駆動装置であって、
    前記車体に装着され、正方向または逆方向に回転駆動される駆動源と、
    前記駆動源の回転駆動が伝達される出力回転体と、
    一端が前記駆動源と前記開閉体との間でかつ前記車体の前記第1軸よりも下方に設けられた第2軸に回動自在に連結され、他端が前記第2軸の下方に延出されて揺動運動するリンクアームと、
    一端が前記リンクアームの他端に設けられた第3軸に回動自在に連結され、他端が前記開閉体の前記第1軸から離間して設けられた第4軸に回動自在に連結される出力アームと、
    一端が前記出力回転体の偏心位置に設けられた偏心軸に回動自在に連結され、他端が前記リンクアームを揺動するよう前記リンクアームの所定箇所に回動自在に連結されるロッドとを備えることを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
  2. 請求項1記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記ロッドの他端を、前記リンクアームの前記第3軸よりも前記第2軸寄りの第5軸に回動自在に連結することを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
  3. 請求項2記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記開閉体が全閉位置にあるとき、前記第5軸が前記偏心軸および前記第2軸を結ぶ仮想線よりも下方に位置するよう前記駆動源を前記車体に装着することを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記駆動源を前記車体に傾斜させて装着し、前記開閉体の全閉位置から全開位置への移動に伴い前記出力回転体の前記偏心軸が下方に移動するようにしたことを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
  5. 請求項4記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記駆動源を前記車体への傾斜方向と交差する方向にさらに傾斜させ、前記偏心軸が下方に突出する円弧状の軌跡上を移動するようにしたことを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
  6. 請求項4または5記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記開閉体が全開位置にある状態のもとで、前記偏心軸が前記第2軸よりも下方に位置するよう前記駆動源を前記車体に装着することを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記ロッドを、前記偏心軸および前記リンクアームに球面軸受を介して回動自在に連結することを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記リンクアームは、一対の側壁と、該側壁同士を連結する連結壁とからなり、前記各側壁の両端側を前記第2軸および前記第3軸にそれぞれ回動自在に連結し、前記ロッドの他端を前記各側壁間に回動自在に連結することを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
  9. 請求項8記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記各側壁間は、前記第2軸側よりも前記第3軸側が幅狭に形成されていることを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
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