JP2011140787A - ウィンドレギュレータおよびパワーウィンド装置 - Google Patents

ウィンドレギュレータおよびパワーウィンド装置 Download PDF

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Abstract

【課題】逆転防止構造の組み付け性を向上させることにある。
【解決手段】基端部に設けられる回動軸54を中心としてパワーウィンドモータ15により回動されるメインアーム50と、メインアーム50に回動自在に連結されるサブアーム51とを有するXアーム式のウィンドレギュレータ14において、メインアーム50とサブアーム51との連結部にクラッチ機構61を設ける。このクラッチ機構61によって、ウィンドガラス12に加えられる外力によりメインアーム50が回動されることが阻止されるとともに、パワーウィンドモータ15によりメインアーム50が回動されることが許容され、ウィンドガラス12に加えられる外力によりウィンドガラス12が押し下げられることが防止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に設けられたウィンドガラスを昇降するウィンドレギュレータ、および当該ウィンドレギュレータを駆動するパワーウィンドモータを備えたパワーウィンド装置に関する。
自動車等の車両のドア内部には、ドアに設けられたウィンドガラスを昇降するためのガラス昇降装置が搭載されている。ガラス昇降装置は、ウィンドガラスを昇降するウィンドレギュレータ、および当該ウィンドレギュレータを駆動する駆動部を有している。この駆動部としては、ウィンドレギュレータをレギュレータハンドルにより手動で駆動する手動式と、ウィンドレギュレータをパワーウィンドモータにより自動で駆動する自動式(パワーウィンド装置)とがある。
ウィンドレギュレータには、例えば、特許文献1に記載されるように、Xアーム式のウィンドレギュレータが広く用いられている。Xアーム式のウィンドレギュレータは、基端部に設けられる回動軸を中心として駆動部により回動されるメインアームと、基端部がドアパネルにスライド自在に取り付けられたサブアームとを有している。メインアームとサブアームとは相互に交差した状態で回動自在に連結されており、それぞれのアームの先端部がウィンドガラスにスライド自在に取り付けられている。そして、駆動部によりメインアームが回動されると、ドアパネルに装着されたガイドに沿ってウィンドガラスが車両上下方向に昇降され、それに伴ってサブアームが回動されるようになっている。
このようなガラス昇降装置には、ウィンドガラスに加えられる外力によりウィンドガラスが押し下げられることを防止するために逆転防止構造が設けられている。例えば、特許文献1に記載されるパワーウィンド装置では、パワーウィンドモータのモータシャフトの先端側にクラッチが設けられている。このクラッチにより、ウィンドガラスに加えられる外力によるウィンドレギュレータのアーム揺動を阻止するとともに、パワーウィンドモータによるウィンドレギュレータのアーム揺動を許容するようにしている。また、特許文献2に記載されるパワーウィンドモータでは、モータシャフトの先端側に高摩擦材が設けられている。これにより、モータシャフトの先端面と高摩擦材との間で生じる摩擦力によってモータシャフトの回転抵抗を増大させ、ウィンドガラスに加えられる外力によるウィンドレギュレータのアーム揺動を防止するようにしている。
特開2008−99402号公報 特開平8−275454号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるように、パワーウィンドモータのモータシャフトの先端側にクラッチを設ける場合には、パワーウィンドモータがモータシャフトの軸方向に大型化し、パワーウィンドモータのレイアウト性が悪化することになる。また、パワーウィンドモータの部品点数が多くなりコスト高となるとともに、パワーウィンドモータのモータシャフトの先端側にクラッチを組み付ける作業は煩雑である。
一方、特許文献2に記載されるように、パワーウィンドモータのモータシャフトの先端側に高摩擦材を設ける場合には、パワーウィンドモータによりウィンドレギュレータを駆動する際に、モータシャフトの先端面と高摩擦材との間で生じる摩擦力がモータシャフトの回転抵抗となる。それによって、パワーウィンドモータの駆動効率を低下させることとなる。
本発明の目的は、逆転防止構造の組み付け性を向上させることにある。
本発明の他の目的は、パワーウィンドモータの駆動効率を向上させることにある。
本発明のウィンドレギュレータは、車両に設けられたウィンドガラスに先端部が取り付けられ、基端部に設けられる回動軸を中心として駆動部により回動されるメインアームと、先端部が前記ウィンドガラスに取り付けられるとともに基端部が車体に取り付けられるサブアームと、前記メインアームと前記サブアームとを互いに回動自在に連結する連結部とを有するXアーム式のウィンドレギュレータであって、前記メインアームと前記サブアームとの連結部は、前記ウィンドガラスに加えられる外力により前記メインアームが回動されることを阻止し、前記駆動部により前記メインアームが回動されることを許容するクラッチ機構を有することを特徴とする。
本発明のウィンドレギュレータは、前記クラッチ機構は、前記サブアームに形成される円孔と、前記メインアームに設けられて前記円孔に回動自在に嵌合され、前記円孔の内周面との間で溝部を形成する係止面を備えた嵌合部と、前記溝部内に収容され、前記円孔の内周面と前記嵌合部の係止面との間で挟まれる係止位置のもとで、前記メインアームが回動されることを阻止する係止部材とを有することを特徴とする。
本発明のウィンドレギュレータは、前記メインアームは、基端部に設けられる前記回動軸を中心として前記駆動部により回動される駆動アームと、先端部が前記ウィンドガラスに取り付けられるとともに基端部に前記嵌合部が設けられ、基端部において前記駆動アームの先端部に揺動自在に連結される従動アームとを有し、前記クラッチ機構は、前記駆動アームの先端部に設けられて前記円孔内に配され、前記駆動アームが前記従動アームに対して揺動されることにより前記係止部材を解除位置へ操作する突起部を有し、当該解除位置のもとで前記係止部材は、前記メインアームが回動されることを許容することを特徴とする。
本発明のウィンドレギュレータは、前記クラッチ機構は、前記嵌合部に前記円孔の周方向に揺動自在に装着された係止解除部材を有し、当該係止解除部材を介して前記突起部は前記係止部材を前記解除位置へ操作することを特徴とする。
本発明のウィンドレギュレータは、前記突起部は前記円孔の中心に対して前記溝部と反対側に配置されていることを特徴とする。
本発明のウィンドレギュレータは、前記駆動アームの先端部には前記駆動アームの回動方向に沿って長孔形成され、当該長孔に前記従動アームの基端部に固定された連結軸が挿通されることにより、前記駆動アームと前記従動アームとが揺動自在に連結されていることを特徴とする。
本発明のウィンドレギュレータは、前記連結軸は前記円孔の中心に位置させて前記従動アームの基端部に固定されていることを特徴とする。
本発明のパワーウィンド装置は、上記ウィンドレギュレータと、モータシャフトの端部にスチールボールが配置された前記駆動部としてのパワーウィンドモータとを有することを特徴とする。
本発明によれば、クラッチ機構をメインアームとサブアームとの連結部に配置したので、パワーウィンドモータのモータシャフトの先端側にクラッチ機構を組み付ける場合に比べて、クラッチ機構を組み付ける作業が容易となり、クラッチ機構の組み付け作業の作業性を向上させることができる。また、逆転防止機構としてパワーウィンドモータのモータシャフトの先端側に高摩擦材を設ける場合のように、ウィンドレギュレータの駆動時にモータシャフトと高摩擦材との間で生じる摩擦力がモータシャフトの回転抵抗となることはなく、パワーウィンドモータの駆動効率を向上させることができる。
本発明によれば、円孔の中心に対して溝部と反対側に配置された突起部により、嵌合部に円孔の周方向に揺動自在に装着された係止解除部材を介して係止部材を解除位置に操作するようにしたので、駆動アームの揺動方向に対して係止解除部材が係止部材に作用する方向を反対方向に変換することができる。
本発明の一実施の形態であるパワーウィンド装置を備えた自動車のドア内部を示す概略図である。 パワーウィンドモータの一部切り欠き正面図である。 図2におけるA−A線に沿う断面図である。 メインアームとサブアームとの連結部を示す斜視図である。 図4の分解斜視図である。 図1におけるB−B線に沿う断面図である。 図6におけるC−C線に沿う断面図である。 図7を一部拡大して示す断面図である。 (A)〜(C)はウィンドガラスを下降させる際のクラッチ機構の動作を示す説明図である。 (A)〜(C)はウィンドガラスを上昇させる際のクラッチ機構の動作を示す説明図である。 (A)、(B)はウィンドガラスを上昇させる際のクラッチ機構の動作を示す説明図である。 クラッチ機構の変形例を示す図8に対応する断面図である。 (A)は図12に示すクラッチ機構において図9(A)に対応する説明図であり、(B)は図12に示すクラッチ機構において図10(B)に対応する説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、自動車のドア11の内部には、ドア11に設けられたウィンドガラス12を昇降するためのガラス昇降装置としてのパワーウィンド装置13が搭載されている。パワーウィンド装置13は、ウィンドガラス12を昇降するウィンドレギュレータ14と、当該ウィンドレギュレータ14を自動で駆動する駆動部としてのパワーウィンドモータ15とを有している。
パワーウィンドモータ15は、図2に示すように、電動モータ16と当該電動モータ16の回転を減速させてウィンドレギュレータ14に伝達する減速機構とを1つのユニットとした減速機構付モータである。このパワーウィンドモータ15は、駆動源である電動モータ16と、減速機構を備えるギヤ部17とを有している。
電動モータ16にはブラシ付直流モータが用いられ、電動モータ16に設けられるモータシャフト18が正方向または逆方向に回転可能となっている。電動モータ16は、薄板鋼板等を有底の段付き筒状にプレス成形することにより形成されるヨーク19を備えている。ヨーク19の内周面には、径方向内側に向けてそれぞれN極、S極に着磁された一対の永久磁石20がモータシャフト18の径方向に対向して固着されている。
ヨーク19の内部には、一対の永久磁石20とそれぞれ微小隙間(エアギャップ)を介して対向するようにアーマチュア(電機子)21が収容されている。アーマチュア21は、モータシャフト18の回転方向に複数のスロットを備えるアーマチュアコア21aを有しており、アーマチュアコア21aの各スロットには導線が重ね巻きされて複数のアーマチュアコイル21bが装着されている。
アーマチュア21の軸心にはアーマチュア軸22が貫通して設けられており、このアーマチュア軸22の軸方向基端側の端部は、ヨーク19の底壁に固定されたラジアル軸受23によって回転自在に支持されている。また、アーマチュア軸22の軸方向基端側の端部にはスチールボール24が転動自在に装着されており、アーマチュア軸22は、ヨーク19の底壁に固定されたスラストプレート25にスチールボール24を介して当接されている。これにより、アーマチュア軸22(モータシャフト18)の軸方向基端側方向のスラスト荷重がスラストプレート25により支持されている。そして、スチールボール24とスラストプレート25とが相互に点接触されているため、アーマチュア軸22(モータシャフト18)の回転抵抗が低減されるようになっている。一方、アーマチュア軸22の軸方向先端側の端部は、ヨーク19の開口部に装着された樹脂製のブラシホルダ26に固定されたラジアル軸受27によって回転自在に支持されている。
アーマチュア軸22には、アーマチュアコア21aの軸方向先端側に隣接して当該アーマチュア21と一体に回転するコンミテータ28が固定されている。コンミテータ28は、互いに絶縁された状態でアーマチュア軸22の回転方向に等間隔に並べて配置される複数のセグメント片を備え、各セグメント片にはそれぞれ対応するアーマチュアコイル21bが電気的に接続されている。このコンミテータ28の外周面には、ブラシホルダ26に設けられた一対のブラシ26aが摺接されている。
電動モータ16は、ヨーク19の開口側においてギヤ部17のギヤケース30に取り付けられている。樹脂製のギヤケース30は、アーマチュア軸22の軸方向に延びるとともにヨーク19側に開口するウォーム収容部31を備えている。電動モータ16はウォーム収容部31の開口側の端面に固定されており、アーマチュア軸22の軸方向先端側の端部は、ウォーム収容部31の内部に形成されたウォーム収容室31aに突出されている。また、ウォーム収容部31aの開口部には、ブラシ26aおよびコンミテータ28を介して電動モータ16のアーマチュア21に給電するための図示しないコネクタユニットが装着されている。コネクタユニットは、車両側の給電コネクタに接続されるとともにブラシホルダ26に設けられたリード板に電気的に接続されて、車両側の給電コネクタとアーマチュア21のアーマチュアコイル21bとを結ぶ電気回路を構成している。そして、当該コネクタユニットを介して電動モータ16に給電することでアーマチュア軸22が正方向または逆方向に回転されるようになっている。
ウォーム収容室31aに突出されたアーマチュア軸22の軸方向先端側の端部には、アーマチュア軸22と同軸状に配されたウォーム軸33の軸方向基端側の端部が連結具34により連結されている。つまり、この電動モータ16のモータシャフト18は、アーマチュア軸22およびウォーム軸33により形成された分割シャフト構造であり、アーマチュア軸22とウォーム軸33とが一体に回転されるようになっている。ウォーム軸33はウォーム収容室31aに収容され、その軸方向両端側の端部がラジアル軸受35,36によって回転自在に支持されている。また、ウォーム軸33の軸方向先端側の端部にはスチールボール37が転動自在に装着されており、ウォーム軸33は、ウォーム収容室31aの軸方向先端側の端部に配されたスラストプレート38にスチールボール37を介して当接されている。これにより、ウォーム軸33(モータシャフト18)の軸方向先端側方向のスラスト荷重がスラストプレート38により支持されている。そして、スチールボール37とスラストプレート38とが相互に点接触されているため、ウォーム軸33(モータシャフト18)の回転抵抗が低減されるようになっている。このウォーム軸33の軸方向中央部には、図2に示すように、ウォーム33aが一体に設けられている。
ギヤケース30はウォーム収容部31と一体に形成されたウォームホイール収容部40を備えており、ウォームホイール収容部40の内部にはウォームホイール収容室40aが形成されている。このウォームホイール収容室40aには、ウォーム33aに噛み合う歯部41aが外周に設けられたウォームホイール41が収容されている。
ウォームホイール収容部40は、ギヤケース25においてウォーム収容部31の開口側と直交する方向に開口する有底円筒形状をしている。ウォームホイール収容部40の軸心には、ウォームホイール収容部40の開口部に装着されたボトムカバー43から突出した状態で支軸42が固定されている。ウォームホイール41は、ウォームホイール収容部40の底壁部40bから支軸42の外周に沿って延びる円筒部40cにより、ウォームホイール収容室40a内に回転自在に支持されている。
ウォームホイール収容部40はウォーム収容部31に隣接して一体に形成されており、ウォームホイール収容部40のウォーム収容部31側には、ウォーム収容室31aとウォームホイール収容室40aとを連通する連通孔44が形成されている。ウォーム軸33のウォーム33aとウォームホイール41の歯部41aとは連通孔44を介して噛み合っている。これらウォーム33aおよびウォームホイール41からなる減速機構により、電動モータ16の回転が減速されてウォームホイール41に伝達されるようになっている。
なお、上記のように、アーマチュア軸22とウォーム軸33とは、連結された状態で両端がスチールボール24,37によって点接触で支持されている。そのため、ウォームホイール41が回転するときにウォーム軸33およびアーマチュア軸22にかかる軸方向(スラスト方向)の力による回転抵抗が低減されるようになっている。
図3に示すように、ウォームホイール41はダンパ付ウォームホイールとなっており、ウォームホイール41の回転がダンパ部材45を介して従動プレート46に伝達される。すなわち、ウィンドレギュレータ14からウォームホイール14に伝達される衝撃をダンパ部材45により緩衝して、電動モータ16にその衝撃が伝達されないようになっている。また、従動プレート46には、ボトムカバー43からウォームホイール収容室40aの外部へ突出するピニオンギヤ47が設けられており、当該ピニオンギヤ47の回転によりウィンドレギュレータ14が駆動されるようになっている。なお、ボトムカバー43の内面にはシール部材48が装着されており、当該シール部材48によりウォームホイール収容室40aがシールされて、ウォームホイール収容室40aの内部へ雨水等が浸入することが防止されている。
図1に示すように、ウィンドレギュレータ14は、パワーウィンドモータ15により回動されるメインアーム50、および当該メインアーム50に回動自在に連結されるサブアーム51を有するXアーム式のウィンドレギュレータである。メインアーム50は駆動アーム52と従動アーム53とにより構成されている。
駆動アーム52は、パワーウィンドモータ15側からウィンドガラス12側へ向けて延びるプレート形状をしている。駆動アーム52の基端部つまりパワーウィンドモータ15側の端部は、ドアパネル(車体)に固定された回動軸54により回動自在に支持されている。この回動軸54はパワーウィンドモータ15の支軸42と平行となるように、その軸方向を車室内外方向に向けて水平に配置されている。また、駆動アーム52の基端部には、セクタギヤ55が固定されており、セクタギヤ55はパワーウィンドモータ15のピニオンギヤ47と噛み合っている。これにより、パワーウィンドモータ15が作動されてピニオンギヤ47が回転されると、セクタギヤ55とともに駆動アーム52が回動軸54を中心として回動されるようになっている。この駆動アーム52の先端部は従動アーム53の基端部に連結されている。
従動アーム53は、駆動アーム52の長手方向寸法と同様の長手方向寸法に形成されたプレート形状をしている。従動アーム53は、その長手方向を駆動アーム52の長手方向とほぼ同一方向に向けた状態で、駆動アーム52の先端部と従動アーム53の基端部とが連結されている。つまり、駆動アーム52と従動アーム53とはメインアーム50の中央部において連結されている。この従動アーム53の先端部には、スライダ57が回動自在に装着されており、スライダ57は、ウィンドガラス12の下端部に固定されるとともに水平方向に延びて形成されたレール56に沿ってスライド自在に取り付けられている。
一方、サブアーム51は、メインアーム50の長手方向寸法と同様の長手方向寸法に形成されたプレート形状をしている。サブアーム51は、その長手方向をメインアーム50の長手方向に対して交差させた状態で、サブアーム51の中央部が駆動アーム52と従動アーム53との連結部においてメインアーム50に回動自在に連結されている。サブアーム51の先端部には、スライダ58が回動自在に装着されており、スライダ58はレール56に沿ってスライド自在に取り付けられている。また、サブアーム51の基端部には、スライダ60が回動自在に装着されており、スライダ60は、ドアパネルに固定されるとともに水平方向に延びるレール59に沿ってスライド自在に取り付けられている。このレール59は、回動軸54とほぼ同一水平面上に配置されるようにドアパネルに固定されており、メインアーム50が回動軸54を中心として回動されると、それに伴ってサブアーム51が基端部を中心として回動されるようになっている。
これらメインアーム50およびサブアーム51は、基端部がドアパネルに取り付けられるとともに先端部がウィンドガラス12に取り付けられており、ウィンドガラス12は一対のアーム50,51によりドアパネルに対して昇降自在に支持されている。駆動アーム52がパワーウィンドモータ15により回動軸54を中心として回動されると、従動アーム53は駆動アーム52とともに回動軸54を中心として回動され、スライダ57がレール56に沿って水平方向にスライドされる。そして、ドアパネルに固定された図示しないガイドに沿ってウィンドガラス12が上下方向に昇降される。それに伴って、サブアーム51は、基端部を中心としてメインアーム50の回動方向とは逆向きに回動され、スライダ58,60がレール56,59に沿ってそれぞれ水平方向にスライドされる。これにより、レール56が水平を保った状態でウィンドガラス12が上下方向に昇降され、ウィンドガラス12の開閉がパワーウィンド装置13により行われるようになっている。
なお、図1に実線で示すウィンドレギュレータ14は、ウィンドガラス12の閉状態におけるウィンドレギュレータを示しており、図1に二点鎖線で示すウィンドレギュレータ14は、ウィンドガラス12の開状態におけるウィンドレギュレータを示している。すなわち、ウィンドガラス12を下降させる際には、メインアーム50が回動軸54を中心として図中時計回り方向に回動され、それに伴ってサブアーム51が基端部を中心として図中反時計回り方向に回動される。逆に、ウィンドガラス12を上昇させる際には、メインアーム50が回動軸54を中心として図中反時計回り方向に回動され、それに伴ってサブアーム51が基端部を中心として図中時計回り方向に回動される。
このウィンドレギュレータ14には、メインアーム50とサブアーム51との連結部に位置して、ウィンドガラス12に加えられる外力によりウィンドガラス12が押し下げられることを防止するために逆転防止構造としてのクラッチ機構61が設けられている。
図4はメインアームとサブアームとの連結部を示す斜視図であり、図5は図4の分解斜視図である。図6は図1におけるB−B線に沿う断面図であり、図7は図6におけるC−C線に沿う断面図である。
図4に示すように、駆動アーム52の先端部と従動アーム53の基端部とは、回動軸54と平行に延びる円柱形状の連結軸63により、駆動アーム52の中心線C1と従動アーム53の中心線C2とがほぼ同一直線上となるように連結されている。また、サブアーム51は、駆動アーム52の先端部と従動アーム53の基端部との間で連結軸63の軸方向に挟まれるようにして組み付けられている。そして、メインアーム50とサブアーム51とは、駆動アーム52および従動アーム53の中心線C1,C2とサブアーム51の中心線C3とを交差させた状態で連結されている。
サブアーム51の中央部には、図5に示すように、連結軸63の軸方向に貫通する円孔64が形成されており、円孔64の中心がサブアーム51の中心線C3上となるように配されている。一方、駆動アーム52の先端部には、連結軸63の軸方向に貫通する長孔65が駆動アーム52の回動方向に沿って形成されている。また、駆動アーム52の先端部には、長孔65よりも駆動アーム52の先端側に位置して、連結軸63の軸方向一端側つまり従動アーム53側に突出する円柱形状の突起部66が設けられている。これら長孔65および突起部66は、その中心が駆動アーム52の長手方向の中心を通る中心線C1上となるように配されている。
従動アーム53の基端部には、図7に示すように、連結軸63の軸方向他端側つまり駆動アーム52側に突出する嵌合部67が設けられている。嵌合部67は、連結軸63の軸方向に貫通する円形状の貫通孔68aが形成されるボス部68と、ボス部68周りに設けられる3つの外周部69a,69bとを有している。この嵌合部67は、貫通孔68aの中心が従動アーム53の中心線C2上となるように配されており、従動アーム53の中心線C2に関して対称な形状をしている。
各外周部69a,69bのうち1つの外周部69aはボス部68よりも従動アーム53の先端側に設けられ、他の2つの外周部69bはボス部68よりも従動アーム53の幅方向(長手方向と直交する方向)両側にそれぞれ設けられている。各外周部69a,69bの外周面は、サブアーム51の円孔64の径に対応させて貫通孔68aを中心とする円弧状に形成されている。また、ボス部68と外周部69aとの間には、幅方向溝70が従動アーム53の幅方向に沿って形成されており、ボス部68と一対の外周部69bとの間には、円弧状溝71が貫通孔68aを中心とする円弧状にそれぞれ形成されている。
この嵌合部67には、係止解除部材としての板ばね部材72が円孔64の周方向に揺動自在に装着されている。板ばね部材72は、幅方向溝70内に配される幅方向部72a、一対の円弧状溝71内にそれぞれ配される一対の円弧状部72b、および幅方向部72aと一対の円弧状部72bとをそれぞれ連結する一対の連結部72cを有している。つまり、板ばね部材72は貫通孔68aを中心とする略円環形状(略C字形状)をしている。
幅方向部72aはボス部68側に向けて屈曲する形状をしており、中央部においてボス部68に当接するとともに、その両端部に向かうにつれて従動アーム53の先端側に向けて傾斜している。すなわち、幅方向部72aとボス部68との間の隙間は従動アーム53の幅方向両側に向かうにつれて大きくなり、幅方向部72aと外周部69aとの間の隙間は従動アーム53の幅方向両側に向かうにつれて小さくなっている。また、各円弧状部72bは、嵌合部67における従動アーム53の基端側の端面に形成された係止面67aから従動アーム53の基端側へ僅かに突出されている。さらに、各連結部72cはボス部68側に向けて屈曲する形状をしており、ボス部68に形成された円弧状面68bに中央部において当接するとともに、その両端部に向かうにつれてボス部68から離反する側へ傾斜されて幅方向部72aおよび円弧状部72bにそれぞれ連結されている。
サブアーム51の中央部と従動アーム53の基端部とは、サブアーム51の円孔64に従動アーム53の嵌合部67が嵌合されることにより組み付けられている。円孔64と嵌合部67とが嵌合された状態では、円孔64の中心と貫通孔68aの中心とが同軸状に配されるとともに、各外周部69a,69bの円弧状の外周面が円孔64の内周面に摺接されている。これにより、嵌合部67は円孔64に回動自在に嵌合され、サブアーム51と従動アーム53とが相互に回動自在となっている。また、嵌合部67の係止面67aは、従動アーム53の基端側において円孔64の内周面に対向しており、円孔64の内周面と嵌合部67の係止面67aとの間で溝部73を形成している。係止面67aは従動アーム53の幅方向にほぼ平行に形成されているため、溝部73は円孔64の周方向に沿って溝部73の径方向寸法が変化されている。この溝部73内には、円柱形状の係止部材(ロックプレート)74がその軸方向を連結軸63の軸方向と平行にして、円孔64の周方向に沿って移動自在に収容されている。
一方、駆動アーム52の先端部と従動アーム53の基端部とは、サブアーム51と従動アーム53とが組み付けられた状態で、駆動アーム52の長孔65および従動アーム53の貫通孔68aに連結軸63が挿通されることにより組み付けられている。連結軸63が長孔65および貫通孔68aに挿通された状態では、連結軸63が貫通孔68aに対して固定されるとともに、連結軸63が長孔65に移動自在に挿通されている。これにより、駆動アーム52は、従動アーム53に対して駆動アーム52の回動方向に沿って揺動自在となっている。また、駆動アーム52の突起部66は、板ばね部材72の幅方向部72aと嵌合部67の外周部69aとの間の隙間に配されている。つまり、突起部66は、溝部73と円孔64の中心に対して反対側に配置されている。
連結軸63は、図6に示すように、連結軸63の軸方向一端側に貫通孔68aよりも大径に形成された係止部63aを備えており、係止部63aが嵌合部67における駆動アーム52側とは反対側の端面に突き当てられている。連結軸63の軸方向他端側の端部は長孔65から突出されており、連結軸63の軸方向他端側の端部には円環状のプレート75がカシメにより固定されている。これら連結軸63の係止部63aとプレート75との間で挟み込まれることにより、アーム51〜53が相互に回動自在に連結されている。
このような構造により、クラッチ機構61はメインアーム50とサブアーム51との連結部に配されており、クラッチ機構61は、連結軸63、円孔64、長孔65、突起部66、嵌合部67、板ばね部材72、および係止部材74から構成されている。このクラッチ機構61は、クラッチ機構61がロック状態のもとで、ウィンドガラス12に加えられる押し下げ力によりメインアーム50が回動されることを阻止する。また、クラッチ機構61が解除状態のもとで、パワーウィンドモータ15によりメインアーム50が回動されることを許容するようになっている。
図8は図7の一部を拡大して示す断面図であり、ロック状態におけるクラッチ機構61を示している。パワーウィンドモータ15が停止している状態では、図8に示すように、駆動アーム52の突起部66が板ばね部材72の幅方向部72aの中央部に隣接するとともに、連結軸63が長孔65の長手方向中央部に位置されている。そして、駆動アーム52の中心線C1と従動アーム53の中心線C2とがほぼ同一直線上となるように配置されている。また、係止部材74は、その自重により溝部73の下方側に位置されており、円孔64の内周面と嵌合部67の係止面67aとの間で挟み込まれた係止位置となっている。
係止部材74が係止位置のもとでは、ウィンドガラス12に押し下げ力が加えられて、従動アーム53およびサブアーム51が連結軸63を中心として相互に逆向きに図中矢印方向に回動されることが防止されている。すなわち、連結軸63を中心として嵌合部67を円孔64内で図中時計回り方向に回動しようとしても、係止部材74が円孔64の内周面と嵌合部67の係止面67aとの間で挟み込まれ、嵌合部67が円孔64に対してロックされているため、従動アーム53がサブアーム51に対して回動されることが抑止されている。これにより、ウィンドガラス12に加えられる押し下げ力によりメインアーム50が回動されることが阻止され、ウィンドガラス12が押し下げられることがクラッチ機構61により防止されるようになっている。
なお、係止部材74がその自重により係止位置に位置されていない場合には、ウィンドガラス12に加えられる押し下げ力により従動アーム53がサブアーム51に対して僅かに回動されると、嵌合部67が連結軸63を中心として円孔64内を図中時計回り方向に回動される。これによって、嵌合部67が係止部材74に突き当てられ、係止部材74が係止位置となるため、係止部材74がその自重により係止位置に位置されていない場合であっても、ウィンドガラス12が押し下げられることを確実に防止することができる。
図9(A)〜(C)はウィンドガラスを下降させる際のクラッチ機構の動作を示す説明図であり、図10(A)〜(C)および図11(A)、(B)はウィンドガラスを上昇させる際のクラッチ機構の動作を示す説明図である。
パワーウィンド装置13によりウィンドガラス12を下降させる際には、図8に示すようにクラッチ機構61がロックされた状態から、パワーウィンドモータ15により駆動アーム52を回動軸54を中心として図中時計回り方向に回動させる。このとき、駆動アーム52の先端部は従動アーム53の基端部に揺動自在に連結されているため、図9(A)に示すように、駆動アーム52は長孔65に沿って従動アーム53に対して揺動される。そして、駆動アーム52の中心線C1が回動軸54を中心として従動アーム53の中心線C2に対して、駆動アーム52の揺動方向つまり図中時計回り方向に傾斜される。それとともに、駆動アーム52の突起部66が幅方向溝70内を駆動アーム52の揺動方向に揺動される。
この突起部66は、板ばね部材72の幅方向部72aの一端側(駆動アーム52の揺動方向側)をボス部68側に押し付け、板ばね部材72を連結軸63を中心として円孔64の周方向に沿って図中時計回り方向に揺動させる。これにより、駆動アーム52の揺動方向側に設けられる一方の円弧状部72bの先端部が溝部73内に突出されて、係止部材74が係止位置から解除位置へ操作される。また、各連結部72cの中央部がボス部68の円弧状面68bに沿って摺動されて、各連結部72cが連結軸63の径方向外側(図中矢印方向)に変形される。すなわち、連結軸63を中心として係止部材74と対向して配置された突起部66により、板ばね部材74を介して係止部材74を係止位置から解除位置へ操作することで、駆動アーム52の揺動方向に対して板ばね部材72が係止部材74に作用する方向が反対方向に変換されるようになっている。
係止部材74が解除位置のもとでは、係止部材74と嵌合部67の係止面67aとの間に隙間が形成されるため、嵌合部67が係止部材74とともに円孔64内を図中時計回りに回動することが可能となり、クラッチ機構61が解除状態となる。また、突起部66が板ばね部材72を介して嵌合部67に突き当てられるとともに、長孔65の長手方向一端側(駆動アーム52の揺動方向と反対側)の側面が連結軸63に突き当てられており、駆動アーム52が従動アーム53に2点で当接されている。これにより、駆動アーム52が駆動軸54を中心として図中時計回り方向にさらに回動されると、図9(B)に示すように、従動アーム53が駆動アーム52と一体に回動軸54を中心として回動され、ウィンドガラス12が下降される。それに伴って、サブアーム51は、メインアーム50の回動方向と逆向きに図中反時計回り方向に回動され、このようにして、パワーウィンド装置13によりウィンドガラス12の開動作が行われる。
パワーウィンドモータ15が停止されると、連結軸63が従動アーム53およびサブアーム51の自重により長孔65内を下降する。また、板ばね部材72には変形した状態から元にもどろうとするばね力が働くため、図9(C)に示すように、駆動アーム52の突起部66が板ばね部材72の幅方向部72aの中央部に隣接するとともに、連結軸63が長孔65の長手方向中央部に位置される。そして、駆動アーム52の中心線C1と従動アーム53の中心線C2とがほぼ同一直線上となるように配置される。係止部材74は、その自重により溝部73の下方側に移動され、円孔64の内周面と嵌合部67の係止面67aとの間で挟み込まれた係止位置となり、クラッチ機構61がロック状態にもどる。
一方、パワーウィンド装置13によりウィンドガラス12を上昇させる際には、図10(A)に示すようにクラッチ機構61がロックされた状態から、パワーウィンドモータ15により駆動アーム52を回動軸54を中心として図中反時計回り方向に回動させる。このとき、駆動アーム52の先端部は従動アーム53の基端部に揺動自在に連結されているため、図10(B)に示すように、駆動アーム52は長孔65に沿って従動アーム53に対して揺動される。そして、駆動アーム52の中心線C1が回動軸54を中心として従動アーム53の中心線C2に対して駆動アーム52の揺動方向つまり図中反時計回り方向に傾斜される。それとともに、駆動アーム52の突起部66が幅方向溝70内を駆動アーム52の揺動方向に揺動される。
この突起部66は、板ばね部材72の幅方向部72aの他端側(駆動アーム52の揺動方向側)をボス部68側に押し付け、板ばね部材72を連結軸63を中心として円孔64の周方向に沿って図中反時計回り方向に揺動させる。これにより、駆動アーム52の揺動方向側に設けられる他方の円弧状部72bの先端部が溝部73内に突出されるとともに、各連結部72cの中央部がボス部68の円弧状面68bに沿って摺動されて、各連結部72cが連結軸63の径方向外側(図中矢印方向)に変形される。
係止部材74はその自重により下方側に位置されており、ウィンドガラス12を上昇させる際には、嵌合部67が係止部材74から離れる方向つまり図中反時計回り方向に円孔64内を回動する。そのため、係止部材74により嵌合部67が円孔64に対してロックされることなく、嵌合部67が係止部材74とともに円孔64内を回動することが可能である。また、突起部66が板ばね部材72を介して嵌合部67に突き当てられるとともに、長孔65の長手方向他端側(駆動アーム52の揺動方向と反対側)の側面が連結軸63に突き当てられており、駆動アーム52が従動アーム53に2点で当接されている。これにより、駆動アーム52が駆動軸54を中心として図中反時計回り方向にさらに回動されると、図10(C)に示すように、従動アーム53が駆動アーム52と一体に回動軸54を中心として回動され、ウィンドガラス12が上昇される。それに伴って、サブアーム51は、メインアーム50の回動方向と逆向きに図中時計回り方向に回動され、このようにして、パワーウィンド装置13によりウィンドガラス12の閉動作が行われる。
パワーウィンドモータ15が停止されると、図11(A)に示すように、ウィンドレギュレータ14の自重により駆動アーム53がピニオンギヤ47とセクタギヤ55とのガタの分だけ下降する。それに伴って、連結軸63が従動アーム53およびサブアーム51の自重により長孔65内を下降する。また、板ばね部材72には変形した状態から元にもどろうとするばね力が働くため、図11(B)に示すように、駆動アーム52の突起部66が板ばね部材72の幅方向部72aの中央部に隣接するとともに、連結軸63が長孔65の長手方向中央部に位置される。そして、駆動アーム52の中心線C1と従動アーム53の中心線C2とがほぼ同一直線上となるように配置される。係止部材74は、その自重により溝部73の下方側に移動され、円孔64の内周面と嵌合部67の係止面67aとの間で挟み込まれた係止位置となり、クラッチ機構61がロック状態となる。
なお、上記のように、ウィンドガラス12を上昇させる際には、他方の円弧状部72bの先端部が溝部73内に突出されている。そのため、溝部73内のクリアランスの関係で係止部材74が自重により下方側に移動されない場合であっても、係止部材74が円孔64の内周面と嵌合部67の係止面67aとの間で挟み込まれて嵌合部67が円孔64に対してロックされることを防止することができ、ウィンドガラス12の閉動作を確実に行うことができるようになっている。
このように、クラッチ機構61をメインアーム50とサブアーム51との連結部に配置したので、パワーウィンドモータ15のギヤケース30の内部にクラッチ機構を組み付ける場合に比べて、クラッチ機構61を組み付ける作業が容易となり、クラッチ機構61の組み付け作業の作業性を向上させることができる。
さらに、パワーウィンドモータ15のモータシャフト18の先端側にクラッチを組み付ける場合には、パワーウィンドモータ15がモータシャフト18の軸方向に大型化し、パワーウィンドモータ15のレイアウト性が悪化することになるとともに、部品点数が増加することとなる。これに対して、本発明のように、メインアーム50とサブアーム51との連結部にクラッチ機構61を組み付けることで、ウィンドレギュレータ14を大型化することなく、クラッチ機構61を組み付けることが可能である。また、パワーウィンドモータ15のモータシャフト18の先端側にクラッチを組み付ける場合に比べて、パワーウィンドモータ15の部品点数を少なくすることができ、コストを低減することができる。
さらに、逆転防止機構としてパワーウィンドモータ15のモータシャフト18の先端側に高摩擦材を設ける場合のように、ウィンドレギュレータ14の駆動時にモータシャフトと高摩擦材との間で生じる摩擦力がモータシャフト18の回転抵抗となることはなく、パワーウィンドモータ15の駆動効率を向上させることができる。
また、連結軸63を中心として係止部材74と対向して配置された突起部66により、連結軸63を中心として略円環状に形成された板ばね部材72を介して係止部材74を解除位置に操作するようにしたので、駆動アーム52の揺動方向に対して板ばね部材72が係止部材74に作用する方向を反対方向に変換することができる。
図12はクラッチ機構の変形例を示す図8に対応する断面図であり、図13(A)は図12に示すクラッチ機構において図9(A)に対応する説明図であり、図13(B)は図12に示すクラッチ機構において図10(B)に対応する説明図である。なお、図12および図13(A)、(B)において、上記部材と同様の部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
図12に示すように、駆動アーム52の先端部には、長孔65よりも駆動アーム52の先端側に位置して、連結軸63の軸方向一端側つまり従動アーム53側に突出する円柱形状の一対の突起部66a,66bが設けられている。この一対の突起部66a,66bは、長孔65よりも駆動アーム52の幅方向(長手方向と直交する方向)両側にそれぞれ設けられている。駆動アーム52の先端部と従動アーム53の基端部とが組み付けられた状態では、一対の突起部66a,66bが板ばね部材72の一対の連結部72cの幅方向外側に隣接してそれぞれ配置されている。つまり、一対の突起部66a,66bは、溝部73と円孔64の中心に対して反対側に配置されている。
このクラッチ機構61では、パワーウィンド装置15によりウィンドガラス12を下降させる際には、図13(A)に示すように、駆動アーム52の揺動方向と反対側に設けられる一方の突起部66aにより、板ばね部材72の一方の連結部72cがボス部68側に押し付けられる。これによって、連結軸63を中心として板ばね部材72を円孔64の周方向に沿って図中時計回り方向に揺動させるようになっている。一方、パワーウィンド装置13によりウィンドガラス12を上昇させる際には、図13(B)に示すように、駆動アーム52の揺動方向と反対側に設けられる他方の突起部66bにより、板ばね部材72の他方の連結部72cがボス部68側に押し付けられる。これによって、連結軸63を中心として板ばね部材72を円孔64の周方向に沿って図中反時計回り方向に揺動させるようになっている。
このように、ウィンドガラス12を下降させる際には一方の突起部66aにより板ばね部材72を揺動させ、ウィンドガラス12を上昇させる際には他方の突起部66aにより板ばね部材72を揺動させるようにしても良く、クラッチ機構61の構造は種々変更可能である。なお、図12に示すクラッチ機構61においても、上記と同様の動作により同様の効果を奏することができることはもちろんである。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記実施の形態においては、ウィンドレギュレータ14をパワーウィンドモータ15により自動で駆動するようにしたが、ウィンドレギュレータ14をレギュレータハンドルにより手動で駆動するようにしても良い。
11 ドア
12 ウィンドガラス
13 パワーウィンド装置
14 ウィンドレギュレータ
15 パワーウィンドモータ(駆動部)
16 電動モータ
17 ギヤ部
18 モータシャフト
19 ヨーク
20 永久磁石
21 アーマチュア
21a アーマチュアコア
21b アーマチュアコイル
22 アーマチュア軸
23 ラジアル軸受
24 スチールボール
25 スラストプレート
26 ブラシホルダ
26a ブラシ
27 ラジアル軸受
28 コンミテータ
30 ギヤケース
31 ウォーム収容部
31a ウォーム収容室
33 ウォーム軸
33a ウォーム
34 連結具
35,36 ラジアル軸受
37 スチールボール
38 スラストプレート
40 ウォームホイール収容部
40a ウォームホイール収容室
40b 底壁部
40c 円筒部
41 ウォームホイール
41a 歯部
42 支軸
43 ボトムカバー
44 連通孔
45 ダンパ部材
46 従動プレート
47 ピニオンギヤ
48 シール部材
50 メインアーム
51 サブアーム
52 駆動アーム
53 従動アーム
54 回動軸
55 セクタギヤ
56 レール
57,58 スライダ
59 レール
60 スライダ
61 クラッチ機構
63 連結軸
63a 係止部
64 円孔
65 長孔
66,66a,66b 突起部
67 嵌合部
67a 係止面
68 ボス部
68a 貫通孔
68b 円弧状面
69a,69b 外周部
70 幅方向溝
71 円弧状溝
72 板ばね部材(係止解除部材)
72a 幅方向部
72b 円弧状部
72c 連結部
73 溝部
74 係止部材
75 プレート

Claims (8)

  1. 車両に設けられたウィンドガラスに先端部が取り付けられ、基端部に設けられる回動軸を中心として駆動部により回動されるメインアームと、
    先端部が前記ウィンドガラスに取り付けられるとともに基端部が車体に取り付けられるサブアームと、
    前記メインアームと前記サブアームとを互いに回動自在に連結する連結部とを有するXアーム式のウィンドレギュレータであって、
    前記メインアームと前記サブアームとの連結部は、前記ウィンドガラスに加えられる外力により前記メインアームが回動されることを阻止し、前記駆動部により前記メインアームが回動されることを許容するクラッチ機構を有することを特徴とするウィンドレギュレータ。
  2. 請求項1記載のウィンドレギュレータにおいて、前記クラッチ機構は、
    前記サブアームに形成される円孔と、
    前記メインアームに設けられて前記円孔に回動自在に嵌合され、前記円孔の内周面との間で溝部を形成する係止面を備えた嵌合部と、
    前記溝部内に収容され、前記円孔の内周面と前記嵌合部の係止面との間で挟まれる係止位置のもとで、前記メインアームが回動されることを阻止する係止部材とを有することを特徴とするウィンドレギュレータ。
  3. 請求項2記載のウィンドレギュレータにおいて、前記メインアームは、
    基端部に設けられる前記回動軸を中心として前記駆動部により回動される駆動アームと、
    先端部が前記ウィンドガラスに取り付けられるとともに基端部に前記嵌合部が設けられ、基端部において前記駆動アームの先端部に揺動自在に連結される従動アームとを有し、
    前記クラッチ機構は、
    前記駆動アームの先端部に設けられて前記円孔内に配され、前記駆動アームが前記従動アームに対して揺動されることにより前記係止部材を解除位置へ操作する突起部を有し、
    当該解除位置のもとで前記係止部材は、前記メインアームが回動されることを許容することを特徴とするウィンドレギュレータ。
  4. 請求項3記載のウィンドレギュレータにおいて、前記クラッチ機構は、前記嵌合部に前記円孔の周方向に揺動自在に装着された係止解除部材を有し、当該係止解除部材を介して前記突起部は前記係止部材を前記解除位置へ操作することを特徴とするウィンドレギュレータ。
  5. 請求項4記載のウィンドレギュレータにおいて、前記突起部は前記円孔の中心に対して前記溝部と反対側に配置されていることを特徴とするウィンドレギュレータ。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載のウィンドレギュレータにおいて、前記駆動アームの先端部には前記駆動アームの回動方向に沿って長孔形成され、当該長孔に前記従動アームの基端部に固定された連結軸が挿通されることにより、前記駆動アームと前記従動アームとが揺動自在に連結されていることを特徴とするウィンドレギュレータ。
  7. 請求項6記載のウィンドレギュレータにおいて、前記連結軸は前記円孔の中心に位置させて前記従動アームの基端部に固定されていることを特徴とするウィンドレギュレータ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のウィンドレギュレータと、モータシャフトの端部にスチールボールが配置された前記駆動部としてのパワーウィンドモータとを有することを特徴とするパワーウィンド装置。
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