JP2000248831A - パワーウインドレギュレータ - Google Patents

パワーウインドレギュレータ

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JP2000248831A
JP2000248831A JP11051243A JP5124399A JP2000248831A JP 2000248831 A JP2000248831 A JP 2000248831A JP 11051243 A JP11051243 A JP 11051243A JP 5124399 A JP5124399 A JP 5124399A JP 2000248831 A JP2000248831 A JP 2000248831A
Authority
JP
Japan
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lift arm
window glass
pinion gear
arm
clutch
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Pending
Application number
JP11051243A
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English (en)
Inventor
Yoshifumi Masaoka
祥史 正岡
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Jtekt Column Systems Corp
Original Assignee
Fuji Kiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気的な故障などで駆動モータの回転が不能
となった場合でも、手動によりウインドガラスを作動で
きるようにしたパワーウインドレギュレータを提供す
る。 【解決手段】 この発明に係るパワーウインドレギュレ
ータEは、駆動モータ31とリフトアーム10との間に
駆動力遮断手段40を介して構成され、ウインドガラス
2を手動で作動する必要が生じた場合、駆動力遮断手段
40を作動して駆動モータ31とリフトアーム10との
連結を切り離し、ウインドガラス2を手動で作動できる
ようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用のウイン
ドガラスを駆動モータにより昇降させるパワーウインド
レギュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図10に示すように、ウインドガ
ラス2をアッパーガイドレール3を介して支持するリン
ク機構4と、このリンク機構4に設けたセクタギヤ5
と、このセクタギヤ5と噛合するピニオンギヤ6を有す
る駆動モータ7を備えたパワーウインドレギュレータ1
は公知である。
【0003】このパワーウインドレギュレータ1におい
て、リンク機構4は、リフトアーム4aと、このリフト
アーム4aの中間部に軸部4cによりX形に枢着された
サブリフトアーム4bとからなり、リフトアーム4a及
びサブリフトアーム4bの各上部は、アッパーガイドレ
ール3にそれぞれ摺動可能に支持されている。
【0004】リフトアーム4aの下部は、ドア本体側に
取り付けられたベースプレート8に枢軸4dにより軸着
されており、サブリフトアーム4bの下端は、ドア本体
側に取り付けられたロアガイドレール9に摺動可能に支
持されている。
【0005】また、セクタギヤ5はリフトアーム4aの
下端に固着されており、枢軸4dを中心とする円弧状の
歯部5aを有している。このセクタギヤ5と噛合するピ
ニオンギヤ6を有する駆動モータ7は、ベースプレート
8に装着されており、この駆動モータ7を回転させるこ
とによりピニオンギヤ6及びセクタギヤ5を介してリフ
トアーム4aとサブリフトアーム4bを互いに反対方向
に作動せしめ、ウインドガラス2を昇降させるように構
成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した駆
動モータ7の回転によりウインドガラス2を昇降させる
ようにしたパワーウインドレギュレータ1においては、
緊急時、例えば車両の運転中、車両が河川に転落した場
合、水圧によりドアを開放することは困難なので、ウイ
ンドガラス2を開放させてウインドガラス側から乗員が
脱出する必要がある。
【0007】しかし、このような場合、浸水でバッテリ
がショートして駆動モータ7は回転不能となっているの
で、ウインドガラス2を開放することができないという
問題があった。
【0008】この発明は、上述した従来技術の問題を解
決すべくなされたもので、その目的とするところは、電
気的な故障などで駆動モータの回転が不能となった場合
でも、手動によりウインドガラスを作動できるようにし
たパワーウインドレギュレータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る請求項1のパワーウインドレギュレ
ータでは、車体のドア本体側に枢着されたリフトアーム
と、このリフトアームに取り付けられたセクタギヤと、
このセクタギヤをピニオンギヤを介して駆動モータによ
り駆動する駆動機構を有し、ドア本体側に昇降可能に配
置されたウインドガラスを前記リフトアームの作動によ
り昇降するようにしたパワーウインドレギュレータであ
って、前記駆動モータと前記リフトアームとの間に駆動
力遮断手段を介在して構成され、前記ウインドガラスを
手動で作動する必要が生じた場合、前記駆動力遮断手段
を作動して前記駆動モータと前記リフトアームとの連結
を切り離し、前記ウインドガラスを手動により作動可能
にしたことを特徴としている。
【0010】また、請求項2のパワーウインドレギュレ
ータでは、駆動力遮断手段は、車体のドア本体側に固定
されてリフトアームを、回動可能に枢着するベースプレ
ートに揺動可能にブラケットを軸着し、このブラケット
に駆動モータ及びこの駆動モータにより駆動されるピニ
オンギヤを取り付け、このブラケットをセクタギヤ側に
付勢してピニオンギヤとセクタギヤとの噛合を保持する
とともに、ウインドガラスを手動で作動する必要が生じ
た場合、このブラケットを反セクタギヤ側に作動してピ
ニオンギヤとセクタギヤの噛合を切り離し可能にしたこ
とを特徴としている。
【0011】また、請求項3のパワーウインドレギュレ
ータでは、ブラケットとリフトアームとをワイヤにより
連結し、ブラケットを反セクタギヤ側に作動すると、こ
のワイヤを介して前記リフトアームをウインドガラス下
降方向に作動するようにしたことを特徴としている。
【0012】また、請求項4のパワーウインドレギュレ
ータでは、駆動力遮断手段は、駆動モータの出力軸と、
この出力軸に軸方向移動可能に取り付けられるピニオン
ギヤとをセレーション結合し、このピニオンギヤを出力
軸側に付勢すると共に、ピニオンギヤを反出力軸側に移
動させるピニオンギヤ引抜き手段を設け、このピニオン
ギヤに噛合するセクタギヤを介してリフトアームを取り
付けて構成され、ウインドガラスを手動で作動する必要
が生じた場合、前記ピニオンギヤ引抜き手段により前記
ピニオンギヤを反出力軸側に移動してピニオンギヤと前
記出力軸のセレーション結合を切り離し可能にしたこと
を特徴としている。
【0013】また、請求項5のパワーウインドレギュレ
ータでは、ピニオンギヤ引抜き手段は、ピニオンギヤの
反出力軸側に頭部を有する軸杆を一体的に形成し、この
軸杆に挿通されるハンドルアームと軸杆の頭部との各接
触面に相互に係合するカム部を形成して軸杆に対するハ
ンドルアームの回動で軸杆を軸方向へ移動可能にすると
共に、さらにハンドルアームを回動すると、ハンドルア
ームと軸杆が係合して一体で回動可能となり、ハンドル
アームを回動して前記リフトアームを下降方向に作動で
きるようにしたことを特徴としている。
【0014】また、請求項6のパワーウインドレギュレ
ータでは、駆動力遮断手段は、リフトアームをドア本体
側への枢着部でセクタギヤを有する第1のリフトアーム
と、ウインドガラス側の第2のリフトアームとに分割
し、この第1及び第2のリフトアームをクラッチ手段に
より一体的に回動可能に構成され、ウインドガラスを手
動で作動する必要が生じた場合、前記クラッチ手段を作
動することにより、前記第1及び第2のリフトアームの
連結を切り離し可能にしたことを特徴としている。
【0015】また、請求項7のパワーウインドレギュレ
ータでは、クラッチ手段は、ドア本体側に固定されたベ
ースプレートに第1のリフトアームに突設したガイド管
体を回転可能に支持し、このガイド管体にクラッチ板を
一体で回動可能かつ、軸方向へ移動可能に取り付け、こ
のクラッチ板と前記第1のリフトアームとの間に、前記
第2のリフトアームを回転可能に配置すると共に、前記
クラッチ板を第2のリフトアーム側に圧接するクラッチ
スプリングを設け、さらに、前記クラッチ板の第2のリ
フトアーム側に突設したクラッチ突起と、このクラッチ
突起と対向せしめて前記第2のリフトアームに穿設され
たクラッチ孔とを係合して一体で回動可能に構成され、
ウインドガラスを手動で作動する必要が生じた場合、前
記第1のリフトアームのガイド管体に挿入されたノブを
押圧して前記クラッチ板をクラッチスプリング側に移動
させることにより、前記クラッチ板のクラッチ突起を前
記第2のリフトアームのクラッチ孔から離脱せしめ、前
記第1及び第2のリフトアームの連結を切り離し可能に
したことを特徴としている。
【0016】また、請求項8のパワーウインドレギュレ
ータでは、第2のリフトアームは、ガイド管体に支持さ
れたリフトアーム作動スプリングにより常時ウインドガ
ラス下降方向に付勢され、前記第1及び第2のリフトア
ームの連結が切り離されると、第2のリフトアームが下
降方向に回動されることを特徴としている。
【0017】そして、上記のように構成された請求項1
に係る発明においては、駆動力遮断手段を作動すること
により駆動モータとウインドガラスを支承するリフトア
ームとの連結を切り離すことができ、電動モータによる
ウインドガラスの昇降操作ができない場合であってもウ
インドガラスを手動により下降させることができるよう
になる。
【0018】また、請求項2に係る発明においては、駆
動機構を取り付けたブラケットを反セクタギヤ側に手動
で作動することによって、ピニオンギヤとセクタギヤの
噛合を切り離しているため、ウインドガラスを支承する
リフトアームを自由にすることができ、これによりウイ
ンドガラスを手動により作動させることができるように
なる。
【0019】また、請求項3に係る発明においては、ブ
ラケットの反セクタギヤ側への作動により、ワイヤを介
してリフトアームをウインドガラス下降方向に作動する
ようにしたから、閉じた状態にあるウインドガラスを下
降してウインドガラスと窓枠の間に隙間を作ることがで
きる。これにより、この隙間に手を入れることができる
ようになり、ウインドガラスを容易に下降方向へ作動さ
せることができるようになる。
【0020】また、請求項4に係る発明においては、駆
動モータの出力軸とピニオンギヤのセレーション結合を
ピニオンギヤ引抜き手段を作動することによりピニオン
ギヤを軸方向に移動させて切り離すようにしたから、ピ
ニオンギヤと噛合するセクタギヤを取り付けたリフトア
ームを回動可能にすることができ、ウインドガラスを手
動により作動させることができるようになる。
【0021】また、請求項5に係る発明においては、ハ
ンドルアームの回動を利用してピニオンギヤを軸方向へ
移動させると共に、ハンドルアームの回動によりピニオ
ンギヤを回動可能としたからハンドルアームを手動で回
動することにより、ウインドガラスを下降方向へ作動さ
せることができる。
【0022】また、請求項6に係る発明においては、リ
フトアームを枢着部でセクタギヤを有する第1のリフト
アームと、ウインドガラスを支承する第2のリフトアー
ムとに分割し、クラッチ手段を介して一体で回動可能と
したからクラッチ手段を作動することにより、第1のリ
フトアームと第2のリフトアームとを切り離してウイン
ドガラスを支承する第2のリフトアームを回動可能にす
ることができ、ウインドガラスを手動により作動させる
ことができるようになる。
【0023】また、請求項7に係る発明においては、ノ
ブを押圧することにより、セクタギヤ側の第1のリフト
アームとウインドガラス側の第2のリフトアームとの連
結を切り離して第2のリフトアームを回動可能にできる
ので、容易にウインドガラスを手動により作動させるこ
とができるようになる。
【0024】また、請求項8に係る発明においては、ノ
ブを押圧すると、リフトアーム作動スプリングにより第
2のリフトアームがウインドガラス下降方向に回動する
ので、閉じた状態にあるウインドガラスを下降してウイ
ンドガラスと窓枠の間に隙間を作ることができる。これ
により、この隙間に手を入れることができるようにな
り、ウインドガラスを容易に下降方向へ作動させること
ができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を実
施例に基づき、図1〜図9を参照して説明する。なお、
図1及び図2は第1実施例、図3及び図4は第2実施
例、図5〜図7は第3実施例、図8及び図9は第4実施
例を示している。
【0026】この発明に係るパワーウインドレギュレー
タEの基本構造は、図10に示す従来構造と同様であ
り、車体のドア本体側に枢着されたリフトアーム10
と、このリフトアーム10に取り付けられたセクタギヤ
20と、このセクタギヤ20をピニオンギヤ32を介し
て駆動モータ31により駆動する駆動機構30を有し、
ドア本体側に昇降可能に配置されたウインドガラス2を
リフトアーム10の作動により昇降するように構成され
ている。
【0027】そして、この発明に係るパワーウインドレ
ギュレータEは、駆動モータ31とリフトアーム10と
の間に駆動力遮断手段40を介在して構成され、ウイン
ドガラス2を手動で作動する必要が生じた場合、駆動力
遮断手段40を作動して駆動モータ31とリフトアーム
10との連結を切り離し、ウインドガラス2を手動で作
動できるようになっている。
【0028】まず、図1及び図2を参照して第1実施例
の構成を説明する。
【0029】この第1実施例に係る駆動力遮断手段40
は、車体のドア本体側に固定されてリフトアーム10を
回動可能に枢着したプレート状のブラケット41を揺動
可能に軸着し、このブラケット41に駆動モータ31及
びこの駆動モータ31により駆動されるピニオンギヤ3
2を取り付け、ウインドガラス2を手動で作動する必要
が生じた場合、このブラケット41を反セクタギヤ側に
作動してピニオンギヤ32とセクタギヤ20の噛合を外
すようになっている。
【0030】また、ブラケット41は、常時セクタギヤ
側に付勢され、ピニオンギヤ32とセクタギヤ20との
噛合を保持できるようになっている。
【0031】また、ブラケット41とリフトアーム10
とをワイヤ47により連結し、ブラケット41を反セク
タギヤ側に作動すると、このワイヤ47を介してリフト
アーム10がウインドガラス2の下降方向に作動するよ
うになっている。
【0032】さらに、第1実施例の構成を詳細に説明す
る。
【0033】リフトアーム10の下部は、ドア本体側に
固定されたベースプレート11にバーリング状に形成し
た軸支部11aに回動可能に枢着されており、この軸支
部11aがリフトアーム10の回動中心Pになってい
る。また、セクタギヤ20は、リフトアーム10の下端
に固着されており、その外側面に軸支部11aを中心と
する円弧状の歯部20aが形成されている。
【0034】駆動力遮断手段40を構成するプレート状
のブラケット41は、上部を枢軸42によりベースプレ
ート11に軸着しており、このブラケット41には、駆
動機構30を構成する駆動モータ31と、この駆動モー
タ31により駆動されるピニオンギヤ32とが取り付け
られている。このピニオンギヤ32は、セクタギヤ20
と噛合可能な位置に配置されている。また、ブラケッ4
1にピニオンギヤ32を挟んで枢軸42の反対側に突設
したピンをベースプレート11に形成した切欠きに係合
させており、これにより、ベースプレート11に対する
ブラケット41の常時における位置決めと剥離強度の向
上を行なうようにしている。
【0035】また、ブラケット41の自由端部には、レ
バー軸43が突設されており、このレバー軸43は車室
内から操作が行なえるようにドア本体から車室内に突出
している。また、このレバー軸43と、ベースプレート
11に突設された係止ピン44との間には、引張スプリ
ング45の両端フック部がそれぞれ係止されており、こ
の引張スプリング45によって、ブラケット41はピニ
オンギヤ32が常時セクタギヤ側に回動するように付勢
されており、これによって、ピニオンギヤ32とセクタ
ギヤ20との噛合が保持されている。
【0036】また、ブラケット41のレバー軸43と、
リフトアーム10に突設された取付ピン46は、ワイヤ
47によって連結されており、このワイヤ47はリフト
アーム10が最上昇位置、すなわちウインドガラスが閉
じられた状態にある時でも弛緩した状態となるように取
り付けられている。
【0037】つぎに、第1実施例の作用を説明する。
【0038】図1に示すように、ブラケット41は、通
常引張スプリング45により枢軸42を中心として反時
計方向に回動するように付勢されており、これによっ
て、ピニオンギヤ32はセクタギヤ20に噛合してい
る。
【0039】この状態で、駆動モータ31を正回転させ
ると、ピニオンギヤ32及びセクタギヤ20を介してリ
フトアーム10が軸支部11aを中心として時計方向に
回動し、これによって、ウインドガラス2を下降させる
ことができる。
【0040】また、ウインドガラス2が下降位置にある
状態において駆動モータ31を逆回転させると、リフト
アーム10が軸支部11aを中心として反時計方向に回
動し、これによってウインドガラス2を上昇させること
ができる。
【0041】このように、通常時は、駆動モータ31に
よりウインドガラス2を作動させることができるが、緊
急時、例えば、車両の浸水などでバッテリがショート
し、駆動モータ31の回転が不能となった場合は、ウイ
ンドガラス2を手動で下降方向へ作動する必要がある。
【0042】このような場合には、レバー軸43を把持
して引張スプリング45のスプリング力に抗して矢印A
方向に移動させる。すると、図1に仮想線で示すよう
に、ブラケット41は、駆動モータ31及びピニオンギ
ヤ32と一体的に枢軸42を中心として時計方向に回動
し、ピニオンギヤ32とセクタギヤ20の噛合が解かれ
る。
【0043】また、ブラケット41の時計方向の回動に
伴って、ワイヤ47が緊張し、このワイヤ47によっ
て、図1に仮想線で示すように、リフトアーム10がセ
クタギヤ20と一体的に時計方向に回動する。
【0044】これによって、ウインドガラス2が窓枠と
の間に手がかけられる程度に少許下降し、このウインド
ガラス2の上端縁を手動で押圧することによりウインド
ガラス2を大幅に下降させることができる。
【0045】上述した第1実施例によれば、駆動力遮断
手段40を作動することにより駆動モータ31とリフト
アーム10との連結が切り離されるため、電動モータ3
1によるウインドガラス2の昇降操作ができない場合で
あってもウインドガラス2を手動により下降させること
ができるようになる。
【0046】また、ブラケット41を反セクタギヤ側に
手動で作動することによってピニオンギヤ32とセクタ
ギヤ20の噛合を切り離しているため、ウインドガラス
2を支承するリフトアーム10を自由にすることがで
き、これにより、ウインドガラス2を下降させることが
できるようになる。
【0047】また、常には、ピニオンギヤ32は、引張
スプリング45のスプリング力によりセクタギヤ20に
圧接噛合しており、駆動モータ31の駆動力を、ピニオ
ンギヤ32及びセクタギヤ20を介して的確にリフトア
ーム10に伝達することができる。
【0048】また、ブラケット41の反セクタギヤ側へ
の作動により、ワイヤ47を介してリフトアーム10を
ウインドガラス2の下降方向に作動するようにしたか
ら、閉じた状態にあるウインドガラス2を下降してウイ
ンドガラス2と窓枠との間に隙間を作ることができる。
これにより、隙間に手を入れてウインドガラス2を容易
に下降方向へ作動させることができる。
【0049】これによって、緊急時におけるウインドガ
ラス2の手動操作を容易に行うことができ、緊急時にお
いても十分対応することができるようになる。
【0050】つぎに、図3及び図4を参照して第2実施
例の構成を説明する。ただし、第1実施例と共通する構
成要素には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
【0051】この第2実施例に係る駆動力遮断手段40
は、駆動モータ31の出力軸33と、この出力軸33に
軸方向移動可能に取り付けられるピニオンギヤ32とを
セレーション結合し、このピニオンギヤ32を出力軸3
3側に付勢すると共に、ピニオンギヤ32を反出力軸側
に移動させるピニオンギヤ引抜き手段50を設け、この
ピニオンギヤ32に噛合するセクタギヤ20を介してリ
フトアーム10を取り付けて構成され、ウインドガラス
2を手動で作動する必要が生じた場合、ピニオンギヤ引
抜き手段50によりピニオンギヤ32を反出力軸側に移
動してピニオンギヤ32と出力軸33とのセレーション
結合を切り離し可能になっている。
【0052】また、ピニオンギヤ引抜き手段50は、ピ
ニオンギヤ32の反出力軸側に頭部52を有する軸杆5
1を一体的に形成し、この軸杆に挿通されるハンドルア
ーム53と軸杆51の頭部52との各接触面に相互に係
合するカム部52a,53aを形成して軸杆51に対す
るハンドルアーム53の回動で軸杆51を軸方向へ移動
可能にすると共に、さらに、ハンドルアーム53を回動
すると、ハンドルアーム53と軸杆51が係合して一体
で回動可能となり、ハンドルアーム53を回動してリフ
トアーム10を下降方向に作動できるようになってい
る。
【0053】さらに、第2実施例の構成を詳細に説明す
る。
【0054】リフトアーム10の回動中心Pに相当する
部分は、ドア本体側のドアパネル12に固定されたベー
スプレート11にバーリング状に形成された軸支部11
aであり、この軸支部11aにリフトアーム10は回動
可能に取り付けられている。
【0055】駆動モータ31は、ベースプレート11に
固定されており、この駆動モータ31の出力軸33にピ
ニオンギヤ32がセレーション結合されている。すなわ
ち、出力軸33に形成されたセレーション部33aに、
ピニオンギヤ32に形成されたセレーション部32aが
軸方向のみ移動可能に挿入されている。また、ピニオン
ギヤ32には、リフトアーム10に固着されたセクタギ
ヤ20が噛合されている。
【0056】そして、ピニオンギヤ32が軸方向に移動
し、そのセレーション部32aが出力軸33のセレーシ
ョン部33aから引抜かれても、ピニオンギヤ32とセ
クタギヤ20の噛合関係が保持されるように、ピニオン
ギヤ32の歯部の幅は、出力軸33のセレーション部3
3aの幅より十分大きく設定されている。
【0057】軸杆51は、ピニオンギヤ32と一体的に
反出力軸側に設けられており、ベースプレート11に突
設されたスプリング受部11bとピニオンギヤ32上面
との間に介装された圧縮スプリング54により常時出力
軸側に付勢されている。なお、ベースプレート11のス
プリング受部11b外側面は、ドアパネル12の外側面
より外方に突出している。
【0058】軸杆51の他端部は、ベースプレート11
のスプリング受部11bから外方に突出しており、この
部分に頭部52が一体的に設けられている。この頭部5
2は、軸杆51の軸心を中心として円形状に形成されて
おり、その下面は、軸杆51の軸線と直交して形成され
ている。この頭部52の下面には、中心を通る線上に下
方に突出する凸状のカム部52aが直径方向全域にわた
って形成されている。また、頭部52の外周面には、頭
部52の中心を中心とする円弧状の切欠部52bが所定
の角度をもって形成されている。
【0059】ハンドルアーム53は、軸杆51の頭部5
2と、リフトアーム10が枢着されたベースプレート1
1のスプリング受部11bに挟持されて軸杆51に回動
可能に挿入されている。このハンドルアーム53の頭部
52下面と接触する上面には、頭部52のカム部52a
とに全面的係合する凹状のカム部53aが形成されてい
る。
【0060】そして、常には、軸杆51に作用している
圧縮スプリング54によって頭部52のカム部52a
は、ハンドルアーム53のカム部53aに圧接係合して
いる。また、ハンドルアーム53の上面には、頭部52
の切欠部52bに係合可能な作動ピン53bが突設され
ている。さらに、ハンドルアーム53の先端部には、把
持部53cが突設されている。
【0061】つぎに、第2実施例の作用を説明する。
【0062】図3に示すように、軸杆51は、圧縮スプ
リング54により出力軸側に付勢されており、これによ
って、通常時には、ピニオンギヤ32のセレーション部
32aは、出力軸33のセレーション部33aにセレー
ション結合している。また、頭部52のカム部52a
は、ハンドルアーム53のカム部53aに圧接係合して
いる。
【0063】この状態で、駆動モータ31を正回転させ
ると、ピニオンギヤ32と噛合しているセクタギヤ20
を介してリフトアーム10がリフトアーム回動中心Pを
中心としてウインドガラス2を下降させる方向に回動
し、これによって、ウインドガラス2を下降させること
ができる。この際、ハンドルアーム53は、軸杆51と
一体的に矢印B方向(図4参照)に回動する。
【0064】また、ウインドガラス2が下降位置にある
状態において、駆動モータ31を逆回転させると、リフ
トアーム10がリフトアーム回動中心Pを中心としてウ
インドガラス2を上昇させる方向に回動し、これによっ
て、ウインドガラス2を上昇させることができる。
【0065】ここで、上述のように、ウインドガラス2
を手動で作動する必要がある緊急時の場合について説明
する。
【0066】このような場合には、ハンドルアーム53
の把持部53cを把持して、ハンドルアーム53を図4
において矢印B方向に回動する。すると、ピニオンギヤ
32が出力軸33とセレーション係合しているので、軸
杆51が回動することなく、図3に仮想線で示すよう
に、頭部52のカム部52aが、ハンドルアーム53の
カム部53aから離脱してハンドルアーム53の上面に
乗り上げ、軸杆51が圧縮スプリング54のスプリング
力に抗して軸方向へ移動する。
【0067】これによって、ピニオンギヤ32のセレー
ション部32aと出力軸33のセレーション部33aと
のセレーション結合が解かれる。
【0068】この状態から、さらにハンドルアーム53
を同方向に回動させると、作動ピン53bが頭部51の
切欠部52bの一側に当接し、軸杆51、すなわち、ピ
ニオンギヤ32が一体で回転するようになる。
【0069】すると、セクタギヤ20を介してリフトア
ーム10がウインドガラス2を下降させる方向に回動
し、これによって、ウインドガラス2を下降させること
ができる。
【0070】上述した第2実施例によれば、ピニオンギ
ヤ引抜き手段50を作動することによりピニオンギヤ3
2を軸方向に移動させて駆動モータ31の出力軸33と
ピニオンギヤ32のセレーション結合を切り離すように
したから、ピニオンギヤ32に噛合するセクタギヤ20
を取り付けたリフトアーム10を回動可能にすることが
でき、ウインドガラス2を手動により下降させることが
できるようになる。
【0071】また、ハンドルアーム53の回動を利用し
てピニオンギヤ32を軸方向へ移動させると共に、ハン
ドルアーム53の回動によりピニオンギヤ32を回動可
能としたからハンドルアーム53を手動で回動するとし
いう単一の操作だけで駆動機構の切り離しと、ハンドル
アーム53の回動によるウインドガラス2の下降操作を
行なうことができる。これによって、緊急時におけるウ
インドガラス2の手動操作を容易に行うことができる。
【0072】つぎに、図5〜図7を参照して第3実施例
の構成を説明する。ただし、第1実施例と共通する構成
要素には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
【0073】この第3実施例に係る駆動力遮断手段40
は、リフトアーム10をドア本体側への枢着部でセクタ
ギヤ20を有する第1のリフトアーム61と、ウインド
ガラス2側の第2のリフトアームとに分割し、この第1
のリフトアーム61及び第2のリフトアーム62をクラ
ッチ手段60により一体的に回動可能に構成され、ウイ
ンドガラス2を手動で作動する必要が生じた場合、クラ
ッチ手段60を作動することにより、第1のリフトアー
ム61と第2のリフトアーム62の連結を切り離してウ
インドガラス2を手動により作動できるようになってい
る。
【0074】また、クラッチ手段60は、ドア本体側に
固定されたベースプレート11に、第1のリフトアーム
61に突設したガイド管体63を回転可能に支持し、こ
のガイド管体63にクラッチ板64を一体で回動可能か
つ、軸方向へ移動可能に取り付け、このクラッチ板64
と第1のリフトアーム61との間に、第2のリフトアー
ム62を回転可能に配置すると共に、クラッチ板64を
第2のリフトアーム側に圧接するクラッチスプリング6
5を設け、さらに、クラッチ板64の第2のリフトアー
ム側に突設したクラッチ突起64bと、このクラッチ突
起64bと対向せしめて第2のリフトアーム62に穿設
されたクラッチ孔62aとを係合して一体で回動可能に
構成され、ウインドガラス2を手動で作動する必要が生
じた場合、第1のリフトアーム61のガイド管体63に
挿入されたノブ66を押圧してクラッチ板64をクラッ
チスプリング側に移動させることにより、クラッチ板6
4のクラッチ突起64bを第2のリフトアーム62のク
ラッチ孔62aから離脱せしめ、第1のリフトアーム6
1と第2のリフトアーム62との連結を切り離してウイ
ンドガラス2を手動により作動できるようになってい
る。
【0075】また、第2のリフトアーム62は、ガイド
管体63に支持されたリフトアーム作動スプリング67
により、常時ウインドガラス2の下降方向に付勢され、
第1のリフトアーム61と第2のリフトアーム62の連
結が切り離されると、第2のリフトアームが下降方向に
回転され、ウインドガラス2が自動的に下降するように
構成されている。
【0076】さらに、第3実施例の構成を詳細に説明す
る。
【0077】リフトアーム10は、ドア本体側のドアパ
ネル12に固定されたベースプレート11のリフトアー
ム回動中心Pでセクタギヤ20を有する第1のリフトア
ーム61と、ウインドガラス2を支承する第2のリフト
アーム62とに分割されている。
【0078】第1のリフトアーム61の反セクタギヤ側
には、リフトアーム回動中心Pに相当する位置に中空状
のガイド管体63が直交して固着されており、このガイ
ド管体63はベースプレート11に回動可能に支持され
ている。また、ガイド管体63の反ベースプレート側に
は、長手方向に相対向して一対の切欠溝63aが形成さ
れている。さらに、ガイド管体63の端部には、座板6
3bが取り付けられており、これによって、ガイド管体
63の端部は閉口されている。
【0079】クラッチ板64は中央に挿通孔が形成され
た円板で、ガイド管体63に嵌挿されており、挿通孔の
内周面にガイド管体63の切欠溝63aに係合して摺動
可能な一対のガイド突起64aが直径方向に相対向して
形成されている。また、クラッチ板64の第2のリフト
アーム62との接触面には、円周方向に複数個、例えば
4個のクラッチ突起64bが円周方向に同一間隔で突設
されている。さらに、クラッチ板64はガイド管体63
内に介装されたクラッチスプリング65により常時、第
2のリフトアーム62側に向って移動するように付勢さ
れている。
【0080】第2のリフトアーム62の基部は、第1の
リフトアーム61とクラッチ板64とにより挟持されて
ガイド管体63に緩挿して配置されており、この基部に
は、クラッチ板64の4個のクラッチ突起64bが係合
する4個のクラッチ孔62aが、クラッチ突起64bと
相対向して穿設されている。
【0081】また、ガイド管体63には、ドア本体側の
ドアパネル12から車室内に突出するノブ66が挿入さ
れており、このノブ66はクラッチ板64をクラッチス
プリング65のスプリング力に抗して押圧することでク
ラッチ板64をガイド管体63の軸方向に移動させるよ
うに構成されている。
【0082】さらに、第2のリフトアーム62には、ガ
イド管体63の切欠溝63aに内端部を係止したうず巻
スプリング状のリフトアーム作動スプリング67の外端
部が係止されるフック部62bが設けられており、第2
のリフトアーム62をウインドガラス2の下降方向に回
動するように付勢されている。
【0083】つぎに、第3実施例の作用を説明する。
【0084】図5に示すように、通常時には、ガイド管
体63に回転方向の移動を規制されたクラッチ板64
は、クラッチスプリング65により上方に付勢され、そ
のクラッチ突起64bが第2のリフトアーム62のクラ
ッチ孔62aに挿入されている。これによって、第1の
リフトアーム61と第2のリフトアーム62とは一体的
に連結されている。
【0085】この状態で、駆動モータ31を正回転させ
ると、ピニオンギヤ32と噛合しているセクタギヤ20
を介して第1のリフトアーム61及び第2のリフトアー
ム62がリフトアーム回動中心Pを中心としてウインド
ガラス2を下降させる方向に回動し、これによって、ウ
インドガラス2を下降させることができる。
【0086】また、ウインドガラス2が下降位置にある
状態において、駆動モータ31を逆回転させると、第1
のリフトアーム61及び第2のリフトアーム62がリフ
トアーム回動中心Pを中心としてウインドガラス2を上
昇させる方向に回動し、これによって、ウインドガラス
2を上昇させることができる。
【0087】ここで、上述のように、ウインドガラス2
を手動で作動する必要がある場合について説明する。
【0088】このような場合には、図5において、ノブ
66をクラッチスプリング65のスプリング力に抗して
矢印C方向に押圧する。すると、クラッチ板64が下方
に押圧されて移動し、そのクラッチ突起64bが第2の
リフトアーム62のクラッチ孔62aから離脱する。
【0089】これによって、第1のリフトアーム61と
第2のリフトアーム62との連結が切り離される。する
と、第2のリフトアーム62はリフトアーム作動スプリ
ング67のスプリング力よりウインドガラス2を下降さ
せる方向に回動し、ウインドガラス2が下降し、その
後、このウインドガラス2の上端縁を手動で押圧するこ
とにより、ウインドガラス2を大幅に下降させることが
できる。
【0090】上述した第3実施例によれば、クラッチ手
段60を作動することにより駆動モータ側の第1のリフ
トアーム61とウインドガラス側の第2のリフトアーム
62とを切り離して第2のリフトアーム62を回動可能
にすることができ、ウインドガラス2を手動によって作
動させることができるようになる。
【0091】また、ノブ66を押圧することにより第1
のリフトアーム61と第2のリフトアーム62との連結
が切り離されると共に、リフトアーム作動スプリング6
7により第2のリフトアーム62がウインドガラス2下
降方向に回動するので、閉じた状態にあるウインドガラ
ス2を下降してウインドガラス2の上端縁と窓枠の間に
隙間を作ることができ、この隙間に手を入れてウインド
ガラス2を押し下げることで、ウインドガラス2を手動
により容易に下降させることができる。これによって、
上記緊急時においても十分に対応することができる。
【0092】つぎに、図8及び図9を参照して第4実施
例の構成を説明する。この第4実施例は前記第2実施例
に対してピニオンギヤ引拭き手段を別構造としたもので
あり、この第2実施例と共通する構成要素には同一の符
号を付し、その説明を簡略化する。
【0093】この第4実施例におけるピニオンギヤ引抜
き手段70は、ピニオンギヤ32の反出力軸側に二面幅
部51aを有する軸杆51を一体的に形成し、この軸杆
51に円筒状の一対のカム部材71,72を挿入し、こ
の一対のカム部材71,72の対向面にそれぞれテーパ
ー状のカム面71a,72aを形成し、外側に配置され
る第1のカム部材71は軸杆71の二面幅部51aに係
合して一体で回動すると共に、内側に配置される第2の
カム部材72は軸杆51に対して軸方向及び回転方向に
移動可能であり、この第2のカム部材72の外周面にギ
ヤ72bを形成し、ベースプレート11に軸杆51と同
一中心で回動可能に挿着したハンドル軸74に揺動可能
にハンドルアーム53を軸支しており、ハンドルアーム
53の揺動時に第2のカム部材72のギヤ72bに係合
可能な歯部76aをこのハンドルアーム53に形成して
構成される。
【0094】そして、ウインドガラス2を手動で作動す
る必要が生じた場合、ハンドルアーム53を回動する
と、ハンドルアーム53が揺動してハンドルアーム53
の歯部74が第2のカム部材72のギヤ72bに係合し
て一体で回動し、カム面71a,72aの作用により第
1のカム部材71及び軸杆51を軸方向に移動して、ピ
ニオンギヤ32と出力軸33とのセレーション結合を切
り離し、軸杆51が一杯まで移動するとハンドルアーム
53の回転がカム面71a,72aを介して軸杆51を
回転させる方向に作用してピニオンギヤ32を回転させ
るので、リフトアーム10を下降方向に作動できるよう
になっている。
【0095】さらに、第4実施例の構成を詳細に説明す
る。
【0096】軸杆51は、ピニオンギヤ32と一体的に
反出力軸側に設けられており、ベースプレート11に設
けられたスプリング受部材とピニオンギヤ32上面との
間に介装された圧縮スプリング54により常時出力軸側
に付勢されている。
【0097】軸杆51の反ピニオンギヤ側は、ドアパネ
ル12から車室内に突出しており、この部分に二面幅部
51aが形成されている。この二面幅部51aには、円
筒状に形成された一対のカム部材71,72が挿入さ
れ、外側に配置される第1のカム部材71は軸杆71の
二面幅部51aに係合して一体で回動すると共に、内側
に配置される第2のカム部材72は軸杆51に対して軸
方向及び回転方向に移動可能である。
【0098】この一対のカム部材71,72の対向面に
はそれぞれテーパー状のカム面71a,72aが形成さ
れている。また、第2のカム部材72は、その一端面を
スプリング受部材に摺接すると共に、外周面には全周に
渡ってギヤ72bが形成されている。
【0099】ハンドル軸74は、ベースプレート11に
設けられたスプリング受部材に軸杆51と同一中心で回
動可能に挿着され、第2のカム部材72に形成したギヤ
72bを覆うようにカップ状に形成されている。また、
このハンドル軸74の外周部には、軸ピン73によりハ
ンドルアーム53が揺動可能に軸着される。
【0100】ハンドルアーム53には、先端部には把持
部53cが突設されると共に、基部にはハンドル軸74
に沿ってアーム部76が形成され、このアーム部76の
内面に第2のカム部材72に噛合可能な歯部76aが形
成される。
【0101】ハンドルアーム53とハンドル軸74の間
には圧縮スプリング75が介装されており、通常はハン
ドルアーム53の歯部76aと第2のカム部材72のギ
ヤ72bとの間に所定の隙間を保つように付勢される。
【0102】つぎに、第4実施例の作用を説明する。
【0103】図8に示す状態において、駆動モータ31
を正回転させると、ピニオンギヤ32と噛合しているセ
クタギヤ20を介してリフトアーム10がウインドガラ
ス2を下降させる方向に回動し、これによって、ウイン
ドガラス2を下降させることができる。この際、ハンド
ルアーム53の歯部76aと第2のカム部材72のギヤ
72bとの間に所定の隙間を有して噛合していないた
め、ハンドルアーム53及びハンドル軸74は回動する
ことがない。また、第2のカム部材72は、軸杆51と
一体で回動する第1のカム部材71のカム面71aにカ
ム面72aを押圧されて回動するため、軸杆51は軸方
向に移動することなく回動できる。
【0104】また、ウインドガラス2が下降している状
態において、駆動モータ31を逆回転させると、ピニオ
ンギヤ32と噛合しているセクタギヤ20を介してリフ
トアーム10がウインドガラス2を上昇させる方向に回
動し、これによって、ウインドガラス2を上昇させるこ
とができる。
【0105】ここで、ウインドガラス2を手動で作動す
る場合について説明する。
【0106】このような場合には、ハンドルアーム53
の把持部53cを把持して、ハンドルアーム53を回動
する。この時、ハンドルアーム53がハンドル軸74に
対して軸ピン73を中心にハンドルアーム53の回転方
向に揺動し、ハンドルアーム53の歯部76aが第2の
カム部材72のギヤ72aに係合するため、ハンドルレ
バー53と第2のカム部材72が一体で回動する。
【0107】すると、第1のカム部材71のカム面71
aが第2のカム部材72のカム面72aに押圧される
が、ピニオンギヤ32と出力軸33とがセレーション結
合して回動できないので、カム面71a,72aの作用
により第1のカム部材71が軸杆51と共に軸方向に移
動する。
【0108】そして、ピニオンギヤ32と出力軸33の
セレーション結合が外れると共に、ピニオンギヤ32の
端面がスプリング受部材に当接し、軸杆51は軸方向に
移動できなくなる。
【0109】そのため、ハンドルアーム53の回転は、
カム面71a,72aを介して軸杆51を回転させる方
向に作用し、ピニオンギヤ32が一体で回転するように
なる。
【0110】これにより、セクタギヤ20を介してリフ
トアーム10がウインドガラス2を下降させる方向に回
動し、ウインドガラス2を下降させることができる。
【0111】上述した第4実施例によれば、前記第2実
施例が奏する作用効果と同様の作用効果を奏するのはも
ちろんのこと、駆動モータ31の回動による通常のウイ
ンドガラス2の昇降操作の際に、車室内に設けられるハ
ンドルアーム53が回動することがなく、また、車室内
に突出する軸杆51等の構造がハンドル軸74に覆われ
ているため、通常の作動機構と緊急時の作動機構とを完
全に切り離すことができる。これにより、乗員に対して
ハンドルアーム53が緊急時にのみ使用するものである
ことを明確に認識させることができると共に、その見栄
えを向上させることができる。
【0112】
【発明の効果】請求項1に係る発明においては、駆動力
遮断手段を作動することにより駆動モータとウインドガ
ラスを支承するリフトアームとの連結を切り離すことが
でき、電動モータによる、ウインドガラスの昇降操作が
行なえない場合であってもウインドガラスを下降させる
ことができるようになる。
【0113】また、請求項2に係る発明においては、駆
動機構を取り付けたブラケットを反セクタギヤ側に手動
で作動することによって、ピニオンギヤとセクタギヤの
噛合を切り離すことでウインドガラスを支承するリフト
アームを自由にすることができるのでウインドガラスを
手動により作動させることができるようになる。
【0114】また、請求項3に係る発明においては、ブ
ラケットの反セクタギヤ側への作動により、ワイヤを介
してリフトアームをウインドガラスの下降方向に作動す
るようにしたから、閉じた状態にあるウインドガラスを
下降してウインドガラスと窓枠の間に隙間を設けること
ができる。これにより、この隙間に手を入れてウインド
ガラスを押し下げることで容易に下降させることができ
る。
【0115】また、請求項4に係る発明においては、駆
動モータの出力軸とピニオンギヤとのセレーション結合
をピニオンギヤ引抜き手段を作動することによりピニオ
ンギヤを軸方向に移動させて切り離すようにしたから、
ピニオンギヤと噛合するセクタギヤを有するリフトアー
ムを回動可能にすることができ、ウインドガラスを手動
により作動させることができるようになる。
【0116】また、請求項5に係る発明においては、ハ
ンドルアームの回動を利用してピニオンギヤを軸方向へ
移動させると共に、ハンドルアームの回動によりピニオ
ンギヤを一体で回動可能としたから、ハンドルアームを
手動で回動することにより、ウインドガラスを下降方向
へ作動させることができる。
【0117】また、請求項6に係る発明においては、リ
フトアームをその枢着部でセクタギヤを有する第1のリ
フトアームと、ウインドガラスを支承する第2のリフト
アームとに分割し、クラッチ手段を介して一体で回動可
能としたから、クラッチ手段を作動することにより、第
1のリフトアームと第2のリフトアームとの連結を切り
離してウインドガラスを支承する第2のリフトアームを
回動可能にすることができ、ウインドガラスを手動によ
り作動させることができるようになる。
【0118】また、請求項7に係る発明においては、ノ
ブを押圧することにより、セクタギヤ側の第1のリフト
アームとウインドガラス側の第2のリフトアームとの連
結を切り離して第2のリフトアームを回動可能にできる
ので、ウインドガラスを手動により容易に作動させるこ
とができるようになる。
【0119】また、請求項8に係る発明においては、ノ
ブを押圧すると、リフトアーム作動スプリングにより第
2のリフトアームがウインドガラス下降方向に回動する
ので、閉じた状態にあるウインドガラスを下降してウイ
ンドガラスと窓枠の間に隙間を設けることができる。こ
れにより、この隙間に手を入れてウインドガラスを押し
下げることで、ウインドガラスを容易に下降方向へ作動
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係るパワーウインドレ
ギュレータの正面視説明図。
【図2】同図1のII−II矢視説明図。
【図3】この発明の第2実施例に係るパワーウインドレ
ギュレータの平面視一部断面説明図。
【図4】同軸杆の頭部とノブとの関係を示す説明図。
【図5】この発明の第3実施例に係るパワーウインドレ
ギュレータの平面視一部断面説明図。
【図6】同図5のVI−VI矢視断面説明図。
【図7】同図5のVII −VII 矢視説明図。
【図8】この発明の第4実施例に係るパワーウインドレ
ギュレータの平面視一部断面説明図。
【図9】同図8のVIII-VIII矢視説明図。
【図10】従来例に係るパワーウインドレギュレータの
正面視説明図。
【符号の説明】
2 ウインドガラス 10 リフトアーム 20 セクタギヤ 20a 歯部 30 駆動機構 31 駆動モータ 32 ピニオンギヤ 32a セレーション部 33 出力軸 33a セレーション部 40 駆動力遮断手段 41 ブラケット 45 引張スプリング 47 ワイヤ 50 ピニオンギヤ引抜き手段 51 軸杆 52 頭部 52a カム部 53 ハンドルアーム 53a カム部 54 圧縮スプリング 60 クラッチ手段 61 第1のリフトアーム 62 第2のリフトアーム 62a クラッチ孔 64 クラッチ板 64b クラッチ突起 65 クラッチスプリング 66 ノブ 67 リフトアーム作動スプリング E パワーウインドレギュレータ P リフトアームの回動中心

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体のドア本体側に枢着されたリフトア
    ームと、このリフトアームに取り付けられたセクタギヤ
    と、このセクタギヤをピニオンギヤを介して駆動モータ
    により駆動する駆動機構を有し、ドア本体側に昇降可能
    に配置されたウインドガラスを前記リフトアームの作動
    により昇降するようにしたパワーウインドレギュレータ
    であって、 前記駆動モータと前記リフトアームとの間に駆動力遮断
    手段を介在して構成され、前記ウインドガラスを手動で
    作動する必要が生じた場合、前記駆動力遮断手段を作動
    して前記駆動モータと前記リフトアームとの連結を切り
    離し、前記ウインドガラスを手動により作動可能にした
    ことを特徴とするパワーウインドレギュレータ。
  2. 【請求項2】 駆動力遮断手段は、車体のドア本体側に
    固定されてリフトアームを、回動可能に枢着するベース
    プレートに揺動可能にブラケットを軸着し、このブラケ
    ットに駆動モータ及びこの駆動モータにより駆動される
    ピニオンギヤを取り付け、このブラケットをセクタギヤ
    側に付勢してピニオンギヤとセクタギヤとの噛合を保持
    するとともに、ウインドガラスを手動で作動する必要が
    生じた場合、このブラケットを反セクタギヤ側に作動し
    てピニオンギヤとセクタギヤの噛合を切り離し可能にし
    たことを特徴とする請求項1記載のパワーウインドレギ
    ュレータ。
  3. 【請求項3】 ブラケットとリフトアームとをワイヤに
    より連結し、ブラケットを反セクタギヤ側に作動する
    と、このワイヤを介して前記リフトアームをウインドガ
    ラス下降方向に作動するようにしたことを特徴とする請
    求項2記載のパワーウインドレギュレータ。
  4. 【請求項4】 駆動力遮断手段は、駆動モータの出力軸
    と、この出力軸に軸方向移動可能に取り付けられるピニ
    オンギヤとをセレーション結合し、このピニオンギヤを
    出力軸側に付勢すると共に、ピニオンギヤを反出力軸側
    に移動させるピニオンギヤ引抜き手段を設け、このピニ
    オンギヤに噛合するセクタギヤを介してリフトアームを
    取り付けて構成され、ウインドガラスを手動で作動する
    必要が生じた場合、前記ピニオンギヤ引抜き手段により
    前記ピニオンギヤを反出力軸側に移動してピニオンギヤ
    と前記出力軸のセレーション結合を切り離し可能にした
    ことを特徴とする請求項1記載のパワーウインドレギュ
    レータ。
  5. 【請求項5】 ピニオンギヤ引抜き手段は、ピニオンギ
    ヤの反出力軸側に頭部を有する軸杆を一体的に形成し、
    この軸杆に挿通されるハンドルアームと軸杆の頭部との
    各接触面に相互に係合するカム部を形成して軸杆に対す
    るハンドルアームの回動で軸杆を軸方向へ移動可能にす
    ると共に、さらにハンドルアームを回動すると、ハンド
    ルアームと軸杆が係合して一体で回動可能となり、ハン
    ドルアームを回動して前記リフトアームを下降方向に作
    動できるようにしたことを特徴とする請求項4記載のパ
    ワーウインドレギュレータ。
  6. 【請求項6】 駆動力遮断手段は、リフトアームをドア
    本体側への枢着部でセクタギヤを有する第1のリフトア
    ームと、ウインドガラス側の第2のリフトアームとに分
    割し、この第1及び第2のリフトアームをクラッチ手段
    により一体的に回動可能に構成され、ウインドガラスを
    手動で作動する必要が生じた場合、前記クラッチ手段を
    作動することにより、前記第1及び第2のリフトアーム
    の連結を切り離し可能にしたことを特徴とする請求項1
    記載のパワーウインドレギュレータ。
  7. 【請求項7】 クラッチ手段は、ドア本体側に固定され
    たベースプレートに第1のリフトアームに突設したガイ
    ド管体を回転可能に支持し、このガイド管体にクラッチ
    板を一体で回動可能かつ、軸方向へ移動可能に取り付
    け、このクラッチ板と前記第1のリフトアームとの間
    に、前記第2のリフトアームを回転可能に配置すると共
    に、前記クラッチ板を第2のリフトアーム側に圧接する
    クラッチスプリングを設け、さらに、前記クラッチ板の
    第2のリフトアーム側に突設したクラッチ突起と、この
    クラッチ突起と対向せしめて前記第2のリフトアームに
    穿設されたクラッチ孔とを係合して一体で回動可能に構
    成され、ウインドガラスを手動で作動する必要が生じた
    場合、前記第1のリフトアームのガイド管体に挿入され
    たノブを押圧して前記クラッチ板をクラッチスプリング
    側に移動させることにより、前記クラッチ板のクラッチ
    突起を前記第2のリフトアームのクラッチ孔から離脱せ
    しめ、前記第1及び第2のリフトアームの連結を切り離
    し可能にしたことを特徴とする請求項6記載のパワーウ
    インドレギュレータ。
  8. 【請求項8】 第2のリフトアームは、ガイド管体に支
    持されたリフトアーム作動スプリングにより常時ウイン
    ドガラス下降方向に付勢され、前記第1及び第2のリフ
    トアームの連結が切り離されると、第2のリフトアーム
    が下降方向に回動されることを特徴とする請求項7記載
    のパワーウインドレギュレータ。
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