JP3955013B2 - 動力装置のクラッチ機構 - Google Patents

動力装置のクラッチ機構 Download PDF

Info

Publication number
JP3955013B2
JP3955013B2 JP2003400810A JP2003400810A JP3955013B2 JP 3955013 B2 JP3955013 B2 JP 3955013B2 JP 2003400810 A JP2003400810 A JP 2003400810A JP 2003400810 A JP2003400810 A JP 2003400810A JP 3955013 B2 JP3955013 B2 JP 3955013B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
gear body
armature
electromagnetic coil
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003400810A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005163852A (ja
Inventor
和人 横森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Mining and Smelting Co Ltd filed Critical Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Priority to JP2003400810A priority Critical patent/JP3955013B2/ja
Priority to US10/998,161 priority patent/US7422094B2/en
Publication of JP2005163852A publication Critical patent/JP2005163852A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3955013B2 publication Critical patent/JP3955013B2/ja
Priority to US12/121,247 priority patent/US7703838B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、動力装置のクラッチ機構に関するものであり、特に、小型の電磁コイル部で大きなトルクを伝達できるクラッチ機構に関するものであり、また、電磁コイルをオフにした状態でもクラッチ連結状態を保持できるクラッチ機構に関するものである。本発明のクラッチ機構が使用される動力装置の、一例としては、車両スライド扉を開扉方向及び閉扉方向にスライドさせるパワースライド装置が挙げられる。
従来の車両スライド扉には、モータ動力でスライド扉を開扉方向及び閉扉方向にスライドさせるパワースライド装置や、モータ動力でハーフラッチ位置のスライド扉をフルラッチ位置に移動させるパワークローズ装置や、モータ動力でスライド扉のドアラッチ装置をアンラッチさせるパワーリリース装置等の動力装置が設けられている。
前記動力装置、特に、パワースライド装置として用いられる動力装置には、モータの動力をスライド扉に伝達するクラッチ機構が設けられいる。クラッチ機構は、機械式クラッチ機構と、電磁式クラッチ機構とに大別され、それぞれ長所短所を備えている。
機械式クラッチ機構の長所は、電装部品が少なく安価に製造できることであるが、クラッチの連結と切断にタイムラグが生じると共に、このタイムラグにより制御システムが複雑になる短所を備える。
これに対して、電磁式クラッチ機構では、制御が単純で、連結及び切断を瞬時に行える利点を備えるが、パワースライド装置のように高出力の動力装置に適用できる電磁式クラッチ機構はその電磁コイル部が大型で高価なものになる欠点を備えている。
電磁コイル部が大型化する理由について説明する。電磁式クラッチ機構にも種類があり、摩擦式と噛合式とに分別できる。摩擦式クラッチでは、電磁コイル部の磁力でアーマチュアを摩擦回転板に接触させることでクラッチが接続され、アーマチュアと摩擦回転板との間の摩擦係数の大小で伝達できる出力の大きさが左右される。このため、パワースライド装置のように大出力の動力装置では、大きな摩擦係数が得られるように強力な電磁コイル部が必要となる。
これに対して、噛合式クラッチでは、電磁コイル部の磁力でアーマチュアの凹凸状の噛合部を、同様に凹凸状に形成した回転板に噛合わせることでクラッチが接続される。このように凹凸噛合であれば、伝達出力が噛合力によって左右されることはないが、噛合式ではアーマチュアの移動距離が格段に長くなる。摩擦式のアーマチュアが電磁コイル部の磁力で引き寄せられる距離は1mm以下と短いが、噛合式のアーマチュアの場合には移動距離が3〜5mm位と長くなるところ、磁力は距離が長くなると極端に低下するから、噛合式のアーマチュアを移動させうる電磁コイル部も、やはり大型化が避けられなかった。
本出願人は上記問題を解決するために、機械式クラッチ機構と電磁式クラッチ機構とを融合させた合理的なクラッチ機構を備えた動力装置を提案している(特許文献1)。
特願2002−194014(特開2004−036193号公報)
前記先願発明のものは、電磁コイル部がオフになるとクラッチが切断される構造であったため、操作性・利便性に課題があった。
そこで、本発明は、電磁コイル部をオフにしてもクラッチ連結状態を継続させることが可能となる動力装置のクラッチ機構を提供し、このクラッチ機構におけるクラッチ連結状態の解除方法を提供する。
よって、本発明は、モータ24の動力で支持軸28を中心に回転するホイール26と、前記支持軸28に支持された固定歯車体69と、通常クラッチ連結位置に移動すると前記固定歯車体69と噛合って前記ホイール26の回転を前記固定歯車体69に伝達できクラッチ切断位置に移動すると前記固定歯車体69との噛合が外れる移動歯車体65と、前記移動歯車体65を前記クラッチ切断位置に向けて付勢するクラッチ解除バネ70とを備えたクラッチ機構31において、前記移動歯車体65はクラッチ連結方向及びクラッチ切断方向のいずれの方向に移動しても前記ホイール26を介して前記モータ24の回転力を受けられるように前記ホイール26に係合させ、前記クラッチ機構31には、更に、前記移動歯車体65に対して相対的に回転すると前記クラッチ解除バネ70の弾力に抗して前記移動歯車体65を前記クラッチ連結位置に変位させ得るアーマチュア61と、前記アーマチュア61を磁力により引き寄せることで前記アーマチュア61にブレーキ抵抗を付与して前記アーマチュア61と前記移動歯車体65との共回り状態を規制できる電磁コイル部60とを備え、前記モータ24及び前記電磁コイル部60が共にオンになると前記移動歯車体65は前記通常クラッチ連結位置に変位して前記クラッチ機構31は前記モータ24の回転を前記固定歯車体69に伝達する通常クラッチ連結状態となり、前記アーマチュア61には前記クラッチ解除バネ70の弾力で前記通常クラッチ連結位置から前記クラッチ切断方向に戻される途中で且つ前記固定歯車体69との噛合が外れる前の前記移動歯車体65と当接して前記移動歯車体65を、前記移動歯車体65と前記固定歯車体69との噛合が継続されるブレーキクラッチ連結位置に保持して前記クラッチ機構31をブレーキクラッチ連結状態にできるクラッチ保持面64Dを設け、前記クラッチ保持面64Dと前記移動歯車体65との当接は前記電磁コイル部60がオフのときに前記移動歯車体65が回転すると前記アーマチュア61を共回りさせる構成とし、前記モータ24と前記電磁コイル部60を制御する制御部88には、前記電磁コイル部60のオンを継続させて前記移動歯車体65と前記アーマチュア61との共回り状態を規制させた状態で前記モータ24を逆回転させて前記移動歯車体65と前記クラッチ保持面64Dとの当接を解除しその後前記電磁コイル部60と前記モータ24をオフにする通常クラッチ連結動力解除制御を設け、前記固定歯車体69は回転するとワイヤーケーブルを介して車両スライド扉11をスライド移動させるワイヤードラム30に連結させた動力装置のクラッチ機構としたものである。
また、本発明は、モータ24の動力で支持軸28を中心に回転するホイール26と、前記支持軸28に支持された固定歯車体69と、通常クラッチ連結位置に移動すると前記固定歯車体69と噛合って前記ホイール26の回転を前記固定歯車体69に伝達できクラッチ切断位置に移動すると前記固定歯車体69との噛合が外れる移動歯車体65と、前記移動歯車体65を前記クラッチ切断位置に向けて付勢するクラッチ解除バネ70とを備えたクラッチ機構31において、前記移動歯車体65はクラッチ連結方向及びクラッチ切断方向のいずれの方向に移動しても前記ホイール26を介して前記モータ24の回転力を受けられるように前記ホイール26に係合させ、前記クラッチ機構31には、更に、前記移動歯車体65に対して相対的に回転すると前記クラッチ解除バネ70の弾力に抗して前記移動歯車体65を前記クラッチ連結位置に変位させ得るアーマチュア61と、前記アーマチュア61を磁力により引き寄せることで前記アーマチュア61にブレーキ抵抗を付与して前記アーマチュア61と前記移動歯車体65との共回り状態を規制できる電磁コイル部60とを備え、前記モータ24及び前記電磁コイル部60が共にオンになると前記移動歯車体65は前記通常クラッチ連結位置に変位して前記クラッチ機構31は前記モータ24の回転を前記固定歯車体69に伝達する通常クラッチ連結状態となり、前記移動歯車体65には前記移動歯車体65が前記クラッチ解除バネ70の弾力で前記通常クラッチ連結位置から前記クラッチ切断方向に戻される途中で且つ前記固定歯車体69との噛合が外れる前に前記アーマチュア61と当接して前記移動歯車体65を前記移動歯車体65と前記固定歯車体69との噛合が継続されるブレーキクラッチ連結位置に保持できもって前記クラッチ機構31をブレーキクラッチ連結状態にできるクラッチ保持面72Dを設け、前記クラッチ保持面72Dと前記アーマチュア61との当接は前記電磁コイル部60がオフのときに前記移動歯車体65が回転すると前記アーマチュア61を共回りさせる構成とし、前記モータ24と前記電磁コイル部60を制御する制御部88には、前記電磁コイル部60のオンを継続させて前記移動歯車体65と前記アーマチュア61との共回り状態を規制させた状態で前記モータ24を逆回転させて前記アーマチュア61と前記クラッチ保持面72Dとの当接を解除しその後前記電磁コイル部60と前記モータ24をオフにする通常クラッチ連結動力解除制御を設け、前記固定歯車体69は回転するとワイヤーケーブルを介して車両スライド扉11をスライド移動させるワイヤードラム30に連結させた動力装置のクラッチ機構としたものである。
本発明のクラッチ機構によれば、電磁コイル部60をオフにしてもクラッチ連結状態を継続させることが可能となる。このため、例えば、本発明の動力装置をパワースライド装置に用いたときには、被駆動部材となるスライド扉11をモータ24の減速機構に連結した状態に保持できるから、減速機構の強い抵抗力によりスライド扉を所望の位置に保持することが可能となる。そして、このクラッチ連結状態は、制御部の制御により解除可能となる。
本発明の実施例を図により説明すると、10は車体、11は車体10にスライド自在に取付けられたスライド扉であり、車体10のドア開口12を塞ぐ閉扉位置と開扉位置との間をスライド移動する。なお、本発明ではスライド扉11の開扉位置を、スライド扉11をフルに開いた位置(以下、完全開扉位置というが、通常数センチメートルの幅がある。)と、閉扉位置と開扉位置の途中の中間開扉位置(図1参照)の2種類に区別している。
ドア開口12の上部近傍の車体10にはアッパーレール13が固定され、ドア開口12の下部近傍の車体10にはロワーレール14が固定され、車体10の後部側面であるクオータパネル15にはセンターレール16が固定される。スライド扉11には、アッパーレール13にスライド自在に係合するアッパーブラケット17と、ロワーレール14にスライド自在に係合するロワーブラケット18と、センターレール16にスライド自在に係合するセンターブラケット19とが設けられる。各ブラケット17、18、19は、好適にはスライド扉11に揺動自在に軸止され、これらのブラケットとレールとの係合によりスライド扉11は開扉方向及び閉扉方向にスライド自在となる。
前記スライド扉11の内部空間50(図2)にはモータ動力を備えた動力ユニット20が設けられる。動力ユニット20には、図6、7のように、ワイヤーケーブルの牽引及び引き出しを司るワイヤードラム30が設けられ、ワイヤードラム30には2本のワイヤーケーブル、即ち、開扉用ケーブル21’と閉扉用ケーブル21”の基端側がそれぞれ連結される。ワイヤードラム30が開扉方向に回転すると、開扉用ケーブル21’は巻き取られ閉扉用ケーブル21”は引き出され、ワイヤードラム30が閉扉方向に回転すると、開扉用ケーブル21’は引き出され閉扉用ケーブル21”は巻き取られる関係になっている。
前記開扉用ケーブル21’は、図4のように、スライド扉11の前側下部位置、即ち、前記ロワーブラケット18の近傍位置から、スライド扉11の外部に車体側(ロワーブラケット18側)に向けて引き出される。ロワーブラケット18には垂直軸芯のプーリー22が設けられ、スライド扉11から引き出された開扉用ケーブル21’はプーリー22の前側を経由した後、ロワーレール14内を後方に伸びてロワーレール14の後端部若しくはその近傍の車体10に固定される。これにより、閉扉状態で開扉用ケーブル21’が巻き取られると、ロワーブラケット18を介してスライド扉11は後方に(開扉方向に)スライドする。
前記閉扉用ケーブル21”は、図5のように、スライド扉11の後側の上下の中央部、即ち、前記センターブラケット19の近傍位置から、スライド扉11の外部に車体側(センターブラケット19側)に向けて引き出される。センターブラケット19には垂直軸芯のプーリー23が設けられ、スライド扉11から引き出された閉扉用ケーブル21”はプーリー23の後側を経由した後、センターレール16内を前方に伸びてセンターレール16の前端部若しくはその近傍の車体10に固定される。これにより、開扉状態で閉扉用ケーブル21”が巻き取られると、センターブラケット19を介してスライド扉11は前方に(閉扉方向に)スライドする。
図8はワイヤーケーブル30のテンションを適正圧に維持するテンション機構100を示しており、好適には、動力ユニット20に設けられる。テンション機構100のケース101内にはケーブル21’、21”が当接する一対のテンションローラ102、103が設けられる。テンションローラ102、103は、テンション軸104、105で軸止され、テンションバネ106の弾力で互いに接近するように付勢される。107はテンションセンサーであり、テンションローラ102、103の移動量を検出する。
図6、7において、高出力モータ24の出力軸には円筒ウオーム25が取付けられており、円筒ウオーム25の軸芯の両側には第1ウオームホイール26と、第2ウオームホイール27とがそれぞれ円筒ウオーム25に噛合するように設けられている。第1ウオームホイール26は、第1支持軸28により動力ユニット20のケース29内に軸止され、第1支持軸28には前記ワイヤードラム30も軸止されている。第1ウオームホイール26とワイヤードラム30との間には、後に詳細に説明する第1クラッチ機構31が設けられ、第1クラッチ機構31がオンになると第1ウオームホイール26の回転がワイヤードラム30に伝達され、オフになるとワイヤードラム30は第1ウオームホイール26に対して自由となる。このため、図6において、モータ24の正転により第1ウオームホイール26が時計回転している最中に第1クラッチ機構31がオンになると、ワイヤードラム30も時計回転して開扉用ケーブル21’は引き出され閉扉用ケーブル21”は巻き取られ、反対にモータ24の逆転により第1ウオームホイール26が反時計回転している最中に第1クラッチ機構31がオンになると、ワイヤードラム30も反時計方向に回転して開扉用ケーブル21’は巻き取られ閉扉用ケーブル21”は引き出されることになる。モータ24の動力によりワイヤードラム30を回転させてケーブル21’、21”の巻き取り引き出しを行う機能が、動力ユニット20のパワースライド機能(装置)となる。
前記円筒ウオーム25と前記第1ウオームホイール26との関係では、第1ウオームホイール26に加えられる回転力では円筒ウオーム25は実用的には回転しない関係になっているが、フェールセーフの観念から、かなり強い力を第1ウオームホイール26に加えれば円筒ウオーム25を回転させることが可能であることが望ましい。
前記第2ウオームホイール27は、第2支持軸32により動力ユニット20のケース29内に軸止される。第2支持軸32の一方の端部はケース29を貫通して外方に突出させ、その突出端には揺動アーム33を固定する。第2ウオームホイール27と第2支持軸32との間には第2クラッチ機構34を設け、第2クラッチ機構34がオンになると第2ウオームホイール27の回転が第2支持軸32を介して揺動アーム33に伝達され、オフになると揺動アーム33は第2ウオームホイール27に対して自由となる。
前記揺動アーム33の回動端にはリリースケーブル35の一端を係止させる。リリースケーブル35の他端側は、前記スライド扉11のドアラッチユニット36(図1、9)に連結し、揺動アーム33の揺動でリリースケーブル35が矢印A方向に牽引されると、ドアラッチユニット36が解放されるように構成する。ドアラッチユニット36の一例は、図9に示してあり、ドアラッチユニット36は、前記車体10に固定されたストライカ37と係合するラッチ38と、ラッチ38と係合するラチェット39とを備え、ラッチ38はラッチバネ40の弾力で時計回転方向に付勢され、ラチェット39はラチェットバネ41の弾力で反時計回転方向に付勢される。スライド扉11が閉扉方向に移動すると、ラッチ38はストライカ37に当接して、実線で示された開扉位置(アンラッチ位置)からラチェット39がラッチ38のハーフラッチ段部42に係合するハーフラッチ位置を介してラチェット39がラッチ38のフルラッチ段部43に係合するフルラッチ位置(点線で示された位置)まで回転し、ラッチ38がフルラッチ位置になるとスライド扉11は完全に閉扉される。前記リリースケーブル35はラチェット39に関連的に連結され、リリースケーブル35が矢印A方向に牽引されると、ラチェット39がラッチ38から離脱してドアラッチユニット36はアンラッチされ、スライド扉11は開扉可能状態になる。モータ24の動力により揺動アーム33を揺動させてドアラッチユニット36をアンラッチさせる機能が、動力ユニット20のパワーリリース機能となる。
図7に示した前記第1クラッチ機構31は、電気制御でオンオフする電磁コイル部60を備えたクラッチであり、概略的には、電磁コイル部60がオンになると第1クラッチ機構31は連結状態となり、オフになると切断状態となるが、後述するように電磁コイル部60がオフの時でもクラッチ連結状態(ブレーキクラッチ連結状態)を維持できる特徴を備えている。電磁コイル部60は前記第1支持軸28周りに配置した円筒状であり、電磁コイル部60はケース29に対して固定され、第1支持軸28は電磁コイル部60に対して回転自在となっている。第1ウオームホイール26は電磁コイル部60の外周に回転自在に支持される。図7において、電磁コイル部60の左方には環状アーマチュア61が近接配置され、アーマチュア61は第1支持軸28に回転自在に軸止され、且つその軸方向に移動自在となっている。アーマチュア61はブレーキ解除バネ62の弱い弾力で電磁コイル部60から離れるように左方に付勢され、第1支持軸28の段部に当接している。アーマチュア61の右面は、電磁コイル部60がオンになるとブレーキ解除バネ62の弾力に抗して電磁コイル部60の磁力で引き寄せられて電磁コイル部60の左面に密着する。この密着により生じる摩擦抵抗がクラッチ連結に必要なブレーキ抵抗となるが、第1に、必要なブレーキ抵抗が少ないこと、第2に、アーマチュア61を電磁コイル部60に近接配置できることから、本発明における電磁コイル部60の発生磁力は弱くて済み、もって、軽量小型で安価な電磁コイル部を使用できる。
前記アーマチュア61の左面にはカム体63を固定する。アーマチュア61とカム体63とは一体的に動くもので、一体形成しても良い。カム体63のカム面64は、図10のように、第1支持軸28の軸芯方向の左方に膨らむ頂部64Aと、切欠により形成した底部64Bと、これらを繋げる斜面64Cを備えた規則性のある環状凹凸面である。斜面64Cは、中腹にクラッチ保持面64Dを備えた2段斜面で、中腹のクラッチ保持面64Dは、電磁コイル部60がオフの時に第1クラッチ機構31をブレーキクラッチ連結状態に維持する機能を備える。図12はカム面64の詳細な形状を示し、斜面64Cは第1支持軸28の軸芯Xに対して好適には約30度の斜面であり、また、クラッチ保持面64Dは軸芯Xに対して直交する平坦面でも良いが、好適には約10度の後退面に形成される。
図7において、前記カム体63の左方には移動歯車体65(図11)が設けられる。移動歯車体65は第1支持軸28に回転自在で且つその軸方向に移動自在に軸止されており、その外周部には右方の第1ウオームホイール26に向かって伸びる複数の脚部66が形成されている。脚部66の右方先端部は、図7、13のように、前記第1ウオームホイール26の係合溝67に係合させ、第1ウオームホイール26の回転で移動歯車体65も連動して回転するようになっている。脚部66は係合溝67に対して第1支持軸28の軸方向においてスライド自在であるが、移動歯車体65が最大に左方に移動しても脚部66と係合溝67との係合は外れず、従って、移動歯車体65と第1ウオームホイール26とは常時一体的に回転する。また、脚部66と係合溝67との間には、図14のように、回転方向における隙間Yが形成され、脚部66(移動歯車体65)は係合溝67(第1ウオームホイール26)に対して約6度程度だけ自由に回転できる設定にする。移動歯車体65の左面には、第1支持軸28を中心とする移動環状ギア部68が設けられる。
前記移動歯車体65の左方には、固定歯車体69が配置され、移動歯車体65と固定歯車体69との間には移動歯車体65を右方に押圧するクラッチ解除バネ70が設けられる。固定歯車体69の左面は前記ワイヤードラム30に固定され、両者は一体的に回転する。ワイヤードラム30は第1支持軸28と一体回転するように第1支持軸28の左端に固定される。固定歯車体69の右面には固定環状ギア部71が設けられ、移動歯車体65がクラッチ解除バネ70の弾力に抗して第1支持軸28に対して左方にスライドすると、移動環状ギア部68は固定環状ギア部71に噛合する。ギア部68とギア部71とが噛合した状態が、第1クラッチ機構31の通常クラッチ連結状態となり、第1ウオームホイール26の回転はワイヤードラム30に伝達される。反対に、移動歯車体65がクラッチ解除バネ70の弾力で第1支持軸28に対して右方にスライドすると、移動環状ギア部68は固定環状ギア部71から離脱してクラッチ切断状態となり、第1ウオームホイール26の回転はワイヤードラム30に伝達されなくなる。
前記移動歯車体65には、前記カム体63のカム面64と協同して移動歯車体65を前記クラッチ解除バネ70の弾力に抗して左方にスライドさせるカム面72が形成される。カム面72は、図11のように、第1支持軸28の軸芯方向において右方に膨らむ頂部72Aと、底部72Bと、これらを繋げる斜面72Cを備えた規則性のある環状凹凸面である。カム面72はカム面64に対して略対称の構造を備えているが、本実施例では、クラッチ保持面は備えていない。しかし、クラッチ保持面はカム面64とカム面72のいずれか一方側に形成すれば所期の効果を奏するものであり、図15のように、カム面72の斜面72Cをクラッチ保持面72Dを備えた2段斜面にしても良い。
前記移動歯車体65がクラッチ解除バネ70の弾力で右方にスライドすると、通常は図17、18のように、カム面72の頂部72Aがカム面64の底部64Bにぴったり合致し、移動環状ギア部68は固定環状ギア部71から離脱してクラッチ切断状態となる。このクラッチ切断状態において、電磁コイル部60をオンにするとアーマチュア61の右面はブレーキ解除バネ62の弾力に抗して電磁コイル部60の左面(摩擦面)に磁力で引き寄せられて密着し、アーマチュア61及びカム体63にはブレーキ抵抗が付与される。ついで、モータ24の動力で移動歯車体65(カム面72)を回転させると、ブレーキ抵抗によりカム体63は回転が規制された状態にあるから、図19のようにカム面同士による楔効果でカム面72とカム体63のカム面64とは位相がずれて、移動歯車体65はクラッチ解除バネ70の弾力に抗して左方に押し出され、図20のように、移動環状ギア部68は固定環状ギア部71に噛合し通常クラッチ連結状態になる。
図19、20の通常クラッチ連結状態でモータ24及び電磁コイル部60を共にオフにすると、アーマチュア61及びカム体63はブレーキ抵抗から解放される。すると、クラッチ解除バネ70の弾力により移動歯車体65は、カム体63を逃げ方向(図19において下方)に回転させながら右方へ移動し、移動歯車体65は、固定歯車体69との噛合状態が外れる前に、図21、22のように、移動歯車体65の頂部72Aがカム体63のクラッチ保持面64Dに当接し、これにより、移動歯車体65はカム体63を回転させることができなくなると共に右方への移動も規制される。このため、電磁コイル部60がオフの状態であっても、移動歯車体65と固定歯車体69との噛合が維持され第1クラッチ機構31はブレーキクラッチ連結状態となる。
図21、22のブレーキクラッチ連結状態では、頂部72Aとクラッチ保持面64Dとの当接による抵抗で、移動歯車体65とアーマチュア61及びカム体63とは、一体的に回転する状態に維持される。従って、移動歯車体65を図22において上方に移動させるために固定歯車体69を上方に回転させても、アーマチュア61及びカム体63も連動して上動することになるから、ブレーキクラッチ連結状態は解除されない。なお、移動歯車体65とカム体63との一体状態に保つために必要な頂部72Aとクラッチ保持面64Dとの間の摩擦力は、クラッチ保持面64Dが第1支持軸28の軸芯Xに対して直交する平坦面であっても確保できるが、クラッチ保持面64Dを約10度程度の後退面にすると良好な摩擦が得られる。
前記頂部72Aと前記クラッチ保持面64Dとの当接は、後述する「ブレーキクラッチ連結状態の手動解除操作」のように、電磁コイル部60をオンにしてから移動歯車体65をアーマチュア61及びカム体63に対して相対的に図17、18において上方に移動させると解除できる。このときに必要な移動歯車体65の回転角度は約5度であり、脚部66と係合溝67との間に形成された前記隙間Yにより得られる移動歯車体65の自由な回転角度(約6度)より小さく設定される。
前記第2クラッチ機構34は、前記第1クラッチ機構31と略同じ構造であり、73は円筒状の電磁コイル部、74は環状アーマチュア、75はブレーキ解除バネ、76はカム体、77はカム体76のカム面、78は移動歯車体、79は脚部、80は係合溝、81は環状移動ギア部、82は固定歯車体、83はクラッチ解除バネ、84は固定環状ギア部、85は移動歯車体78のカム面である。第2クラッチ機構34の固定歯車体82は、第2支持軸32の左端に固定した受部材86に固定される。なお、第2クラッチ機構34はブレーキクラッチ連結状態を備えていない。
図9において、44は前記スライド扉11の内部に取付けらるパワークローズ装置であり、パワークローズ装置44のモータ動力は、クローズケーブル45を介して前記ドアラッチユニット36のラッチ38に伝達される。図示の実施例では、パワークローズ装置44は動力ユニット20とは別個の装置になっている。パワークローズ装置44は、スライド扉11の閉扉方向への移動によりラッチ38がハーフラッチ位置になると、クローズケーブル45を牽引して、ラッチ38をハーフラッチ位置からフルラッチ位置に回転させ、スライド扉11を完全に閉扉させる。
図7において、前記第1支持軸28の一方の端部は前記ケース29を貫通して外方に突出させ、その突出端には歯車51を固定し、歯車51には回転体52を噛合させる。回転体52は前記ワイヤードラム30の回転で第1支持軸28が回転すると、これに連動して回転する。53は動力ユニット20の制御基板であり、制御基板53には回転体52(ワイヤードラム30)の回転(及び回転方向、回転速度)を検出するドラム回転センサー54が直接取付けられている。回転体52とセンサー54とに、回転体52の好適な実施例は、S極磁性体とN極磁性体を円周方向に間隔を置いて配置したもので、センサー54は磁気を検出するホールICである。センサー54を制御基板53に直接取付けると、ハーネスが不要になって外部からの電気のノイズに対して有利になる。
図1において、87はスライド扉11の開扉ハンドルであり、開扉ハンドル87は前記ドアラッチユニット36のラチェット39に関連的に連結され、ラチェット39をラッチ38から解放させる。
図16において、88は制御部、89は前記開扉ハンドル89の開扉操作を検出するハンドルスイッチ、90は前記モータ24の回転を検出する回転検出センサーであり、好適には、モータ脈派を検出する。
図6、7に示した動力ユニット20は、パワースライド機能とパワーリリース機能を備えており、両機能で1個のモータ24を共用する構成になっている。
(作用)
第1クラッチ機構31の作用を説明する。電磁コイル部60がオフの状態では、アーマチュア61と電磁コイル部60との間には実質的な摩擦抵抗は発生しない。この状態で、モータ24の正転により、円筒ウオーム25を回転させると、第1ウオームホイール26は図6において時計回転し、移動歯車体65も脚部66と係合溝67との係合により時計回転する。このとき、移動歯車体65はクラッチ解除バネ70の弾力で右方に移動していて、図7、18のように、移動歯車体65の移動ギア部68は固定歯車体69の固定ギア部71から離脱しており(クラッチ切断状態)、また、移動歯車体65のカム面72は、図17のように、カム体63のカム面64と互いに近接する状態で接面している。従って、この状態でモータ24を正転させると、移動歯車体65と、カム体63と、カム体63と一体のアーマチュア61とが共に回転するだけで、移動歯車体65は固定歯車体69に向けて移動しない。。
上記状態(図17、18)で、電磁コイル部60をオンにすると、アーマチュア61はブレーキ解除バネ62の弾力に抗して発生磁力により電磁コイル部60に引き寄せられて電磁コイル部60とアーマチュア61との間に所定のブレーキ抵抗が発生し、これにより、アーマチュア61及びカム体63の共回り回転が規制され、移動歯車体65はカム体63に対して第1支持軸28を中心に相対的に回転する。すると、カム面72とカム面64とは図19のように位相がずれて、移動歯車体65はクラッチ解除バネ70の弾力に抗して固定歯車体69に向かって押し出され、図20のように、移動歯車体65の移動環状ギア部68は固定歯車体69の固定ギア部71に係合して通常クラッチ連結状態となる。これにより、モータ24の回転は固定歯車体69を介してワイヤードラム30に伝達され、閉扉用ケーブル21”が巻き取られてスライド扉11は閉扉方向に移動する。なお、クラッチが連結された後は、アーマチュア61及びカム体63も移動歯車体65と共に回転する。
スライド扉11が閉扉方向に移動している最中に、モータ24及び電磁コイル部60をオフにすると、第1ウオームホイール26に係合している移動歯車体65は回転停止し、アーマチュア61及びカム体63はブレーキ抵抗から解放され、クラッチ解除バネ70の弾力により移動歯車体65は、カム体63を逃げ方向(図19、20において下方)に回転させながら右方へ戻される。すると、移動歯車体65は、固定歯車体69との噛合状態が外れる前に、図21、22のように、移動歯車体65の頂部72Aがカム体63のクラッチ保持面64Dに当接し、これにより、移動歯車体65はカム体63を回転させることができなくなると共に右方への移動も規制された状態になる。このため、電磁コイル部60がオフの状態であっても、移動歯車体65が固定歯車体69と噛合するブレーキクラッチ連結状態が維持される。このようなブレーキクラッチ連結状態では、スライド扉11はモータ24側の減速機構に直結されるため、実質的に不動状態に保たれる。従って、利用者が意図的にモータ24及び電磁コイル部60をオフにすれば、スライド扉11を所望の中間開扉位置に保持させることができる。また、この途中停止を制御部88による自動制御で行うようにすると、スライド扉11を自動操作で半分程度開いた状態を簡単に停止保持させることもできる。
制御部88による通常の閉扉制御でスライド扉11が閉扉位置まで移動したら(このとき、第1クラッチ機構31は図19、20の通常クラッチ連結状態にある)、モータ24を所定時間(所定量)だけ逆転させる。すると、電磁コイル部60のオンが継続されているからアーマチュア61及びカム体63を残して、移動歯車体65が所定量だけ図20において上方に移動し、図23、24のように、移動歯車体65の頂部72Aがカム体63のクラッチ保持面64Dより上方に移動する。この状態になったら電磁コイル部60とモータ24をオフにする。これにより、移動歯車体65はクラッチ解除バネ70の弾力により頂部72Aがカム体63のクラッチ保持面64Dに当接することなく右方に移動し、図17、18のクラッチ切断状態に復帰する。
次に、第1クラッチ機構31のブレーキクラッチ連結状態(図21、22)の解除について説明する。ブレーキクラッチ連結状態をクラッチ切断状態に切り替えるには、まず、電磁コイル部60をオンさせる。すると、アーマチュア61及びカム体63は電磁コイル部60に引き寄せられてブレーキ抵抗が付与される。この段階では、移動歯車体65もクラッチ解除バネ70の弾力により僅かに右動するが固定歯車体69との噛合は継続されている。次ぎに、動力によるときは、モータ24を回転させて移動歯車体65を図22の場合であれば上方に回転させ、移動歯車体65の頂部72Aがカム体63のクラッチ保持面64Dより上方に移動したら電磁コイル部60とモータ24をオフにする。すると、移動歯車体65はクラッチ解除バネ70の弾力により頂部72Aがカム体63のクラッチ保持面64Dに当接することなく右方に移動し、図17、18のクラッチ切断状態に復帰する。
モータ24の動力ではなく手動でブレーキクラッチ連結状態を解除するときには、電磁コイル部60がオンになった後、スライド扉11を手動で移動させる。すると、ワイヤードラム30が回転して固定歯車体69を介して移動歯車体65も回転する。このとき、ブレーキクラッチ連結状態では、ワイヤードラム30はモータ24側に連結されていることになるが、脚部66と係合溝67との間に形成された隙間Yにより移動歯車体65は約6度程度第1ウオームホイール26に対して自由に回転できるから、スライド扉11は第1ウオームホイール26を回転させることなく軽い操作力で移動して移動歯車体65を回転させることができる。ついで、移動歯車体65の回転により移動歯車体65の頂部72Aがカム体63のクラッチ保持面64Dから外れたら、移動歯車体65はクラッチ解除バネ70の弾力により右動して、図17、18のクラッチ切断状態に復帰する。
上記手動によるブレーキクラッチ連結状態の解除では、制御部88がクラッチ手動解除操作を検出するとブレーキクラッチ連結手動解除制御として、一定時間だけ電磁コイル部60オンにする。クラッチ手動解除操作には、多数のものが考えられるが、本発明では、第1として、スライド扉11の開扉ハンドル87の開扉操作をクラッチ手動解除操作と見做す。第2として、スライド扉11が手動力により所定量の移動としたときもクラッチ手動解除操作と見做すようにしても良い。スライド扉11の所定量の移動は、ワイヤードラム30の回転量から検出することで可能となるが、この場合には、脚部66と係合溝67との間に形成された隙間Yにより軽い操作で移動できる距離を超えた移動量に設定することが望ましい。設定した移動量が少ないと、スライド扉11に寄りかかったりすることで意に反してブレーキクラッチ連結手動解除制御が行われる可能性がある。また、スライド扉11の所定量の移動は、テンション機構100のセンサー107で検出することも可能であり、スライド扉11が強い力で動かされると、テンションローラ102、103がテンションバネ106の弾力に抗して移動するから、この移動をセンサー107で検出すればよい。第3として、手動力によるスライド扉11の所定回数の開扉方向及び閉扉方向への反復移動をクラッチ手動解除操作と見做すようにしても良い。スライド扉11の操作法に不慣れな人は、スライド扉11が途中で動かない状況に直面したとき、スライド扉11を開扉方向及び閉扉方向に直感的に動かすことが予想される。このため、スライド扉11の移動量が、脚部66と係合溝67との間に形成された隙間Yにより軽い操作で移動できる移動量以内であっても、反復して開扉方向及び閉扉方向に動いたときにはブレーキクラッチ連結手動解除制御を行うようにする。
本発明によるクラッチ機構31のブレーキクラッチ連結状態は、上述のように、電磁コイル部60がオフの状態でも維持され、ブレーキクラッチ連結状態を長期間維持してもこの機能による消費電力は実質的にゼロとなる。このため、この機能を利用してスライド扉11を完全開扉位置に保持する利用法が実施可能となる。そこで、本発明では、制御部88による通常の開扉制御でスライド扉11が完全開扉位置まで移動したら(このとき、第1クラッチ機構31は図19、20の通常クラッチ連結状態にある)、モータ24及び電磁コイル部60をオフにする。すると、第1ウオームホイール26に係合している移動歯車体65は回転停止し、アーマチュア61及びカム体63はブレーキ抵抗から解放され、クラッチ解除バネ70の弾力により移動歯車体65は、カム体63を逃げ方向(図19、20において下方)に回転させながら右方へ戻される。そして、移動歯車体65は、固定歯車体69との噛合状態が外れる前に、図21、22のように、移動歯車体65の頂部72Aがカム体63のクラッチ保持面64Dに当接し、クラッチ機構31はブレーキクラッチ連結状態に維持される。このブレーキクラッチ連結状態では、円筒ウオーム25と第1ウオームホイール26との噛合による強力な抵抗がスライド扉11に作用し、スライド扉11の保持に必要な保持力を十分に満たせ、従来用いられていた所謂「全開位置ホルダー」を不要にできる。また、円筒ウオーム25と第1ウオームホイール26との噛合による抵抗を弱めに設定して、「全開位置ホルダー」と共同してスライド扉11を完全開扉位置に保持するようにしても良く、この場合には、円筒ウオーム25と第1ウオームホイール26との噛合による抵抗を弱めに設定できるため、動力ユニット20の故障時にスライド扉11を手動で動かすのが比較的容易となる。
スライド扉を備えた車両の後部側面を示した側面図。 閉扉状態の略図。 開扉状態の略図。 ロワーブラケットの平面図。 センターブラケットの平面図。 動力ユニットの側面図。 前記動力ユニットの断面図。 前記動力ユニットのテンション機構の平面図。 ドアラッチユニットの断面図。 カム体の斜視図。 移動歯車体の斜視図。 カム体のカム面の詳細図。 第1ウオームホイールの係合溝と移動歯車体の脚部との係合状態を示す断面図。 前記係合溝と前記脚部との間の隙間を示す略図。 移動歯車体のクラッチ保持面を示す断面図。 ブロック回路図。 クラッチ切断状態時のカム体のカム面と移動歯車体のカム面とを示す側面図。 図17に対応したクラッチ切断状態の移動歯車体と固定歯車体を示す略図。 クラッチ連結状態時のカム体のカム面と移動歯車体のカム面とを示す側面図。 図19に対応したクラッチ連結状態の移動歯車体と固定歯車体を示す略図。 電磁コイル部がオフ状態におけるブレーキクラッチ連結状態のカム体のカム面と移動歯車体のカム面とを示す側面図。 図21に対応したブレーキクラッチ連結状態の移動歯車体と固定歯車体を示す略図。 ブレーキクラッチ連結状態を解除する途中のカム体のカム面と移動歯車体のカム面とを示す側面図。 図23に対応したクラッチ連結状態を解除する途中の移動歯車体と固定歯車体を示す略図。
符号の説明
10…車体、11…スライド扉、12…ドア開口、13…アッパーレール、14…ロワーレール、15…クオータパネル、16…センターレール、17…アッパーブラケット、18…ロワーブラケット、19…センターブラケット、20…動力ユニット、21’…開扉用ケーブル、21”…閉扉用ケーブル、22…プーリー、23…プーリー、24…モータ、25…円筒ウオーム、26…第1ウオームホイール、27…第2ウオームホイール、28…第1支持軸、29…ケース、30…ワイヤードラム、31…第1クラッチ機構、32…第2支持軸、33…揺動アーム、34…第2クラッチ機構、35…リリースケーブル、36…ドアラッチユニット、37…ストライカ、38…ラッチ、39…ラチェット、40…ラッチバネ、41…ラチェットバネ、42…ハーフラッチ段部、43…フルラッチ段部、44…パワークローズ装置、45…クローズケーブル、50…内部空間、51…歯車、52…回転体、53…制御基板、54…ドラム回転センサー、60…電磁コイル部、61…アーマチュア、62…ブレーキ解除バネ、63…カム体、64…カム面、64A…頂部、64B…底部、64C…斜面、64D…クラッチ保持面、65…移動歯車体、66…脚部、67…係合溝、68…移動環状ギア部、69…固定歯車体、70…クラッチ解除バネ、71…固定環状ギア部、72…カム面、72A…頂部、72B…底部、72C…斜面、72D…クラッチ保持面、73…電磁コイル部、74…アーマチュア、75…ブレーキ解除バネ、76…カム体、77…カム面、78…移動歯車体、79…脚部、80…係合溝、81…移動環状ギア部、82…固定歯車体、83…クラッチ解除バネ、84…固定環状ギア部、85…カム面、86…受部材、87…開扉ハンドル、88…制御部、89…ハンドルスイッチ、90…回転検出センサー、100…テンション機構、101…ケース、102、103…テンションローラ、104、105…テンション軸、106…テンションバネ、107…テンションセンサー、X…軸芯、Y…隙間。

Claims (2)

  1. モータ24の動力で支持軸28を中心に回転するホイール26と、前記支持軸28に支持された固定歯車体69と、通常クラッチ連結位置に移動すると前記固定歯車体69と噛合って前記ホイール26の回転を前記固定歯車体69に伝達できクラッチ切断位置に移動すると前記固定歯車体69との噛合が外れる移動歯車体65と、前記移動歯車体65を前記クラッチ切断位置に向けて付勢するクラッチ解除バネ70とを備えたクラッチ機構31において、前記移動歯車体65はクラッチ連結方向及びクラッチ切断方向のいずれの方向に移動しても前記ホイール26を介して前記モータ24の回転力を受けられるように前記ホイール26に係合させ、前記クラッチ機構31には、更に、前記移動歯車体65に対して相対的に回転すると前記クラッチ解除バネ70の弾力に抗して前記移動歯車体65を前記クラッチ連結位置に変位させ得るアーマチュア61と、前記アーマチュア61を磁力により引き寄せることで前記アーマチュア61にブレーキ抵抗を付与して前記アーマチュア61と前記移動歯車体65との共回り状態を規制できる電磁コイル部60とを備え、前記モータ24及び前記電磁コイル部60が共にオンになると前記移動歯車体65は前記通常クラッチ連結位置に変位して前記クラッチ機構31は前記モータ24の回転を前記固定歯車体69に伝達する通常クラッチ連結状態となり、前記アーマチュア61には前記クラッチ解除バネ70の弾力で前記通常クラッチ連結位置から前記クラッチ切断方向に戻される途中で且つ前記固定歯車体69との噛合が外れる前の前記移動歯車体65と当接して前記移動歯車体65を前記移動歯車体65と前記固定歯車体69との噛合が継続されるブレーキクラッチ連結位置に保持できもって前記クラッチ機構31をブレーキクラッチ連結状態にできるクラッチ保持面64Dを設け、前記クラッチ保持面64Dと前記移動歯車体65との当接は前記電磁コイル部60がオフのときに前記移動歯車体65が回転すると前記アーマチュア61を共回りさせる構成とし、前記モータ24と前記電磁コイル部60を制御する制御部88には、前記電磁コイル部60のオンを継続させて前記移動歯車体65と前記アーマチュア61との共回り状態を規制させた状態で前記モータ24を逆回転させて前記移動歯車体65と前記クラッチ保持面64Dとの当接を解除しその後前記電磁コイル部60と前記モータ24をオフにする通常クラッチ連結動力解除制御を設け、前記固定歯車体69は回転するとワイヤーケーブルを介して車両スライド扉11をスライド移動させるワイヤードラム30に連結させた動力装置のクラッチ機構。
  2. モータ24の動力で支持軸28を中心に回転するホイール26と、前記支持軸28に支持された固定歯車体69と、通常クラッチ連結位置に移動すると前記固定歯車体69と噛合って前記ホイール26の回転を前記固定歯車体69に伝達できクラッチ切断位置に移動すると前記固定歯車体69との噛合が外れる移動歯車体65と、前記移動歯車体65を前記クラッチ切断位置に向けて付勢するクラッチ解除バネ70とを備えたクラッチ機構31において、前記移動歯車体65はクラッチ連結方向及びクラッチ切断方向のいずれの方向に移動しても前記ホイール26を介して前記モータ24の回転力を受けられるように前記ホイール26に係合させ、前記クラッチ機構31には、更に、前記移動歯車体65に対して相対的に回転すると前記クラッチ解除バネ70の弾力に抗して前記移動歯車体65を前記クラッチ連結位置に変位させ得るアーマチュア61と、前記アーマチュア61を磁力により引き寄せることで前記アーマチュア61にブレーキ抵抗を付与して前記アーマチュア61と前記移動歯車体65との共回り状態を規制できる電磁コイル部60とを備え、前記モータ24及び前記電磁コイル部60が共にオンになると前記移動歯車体65は前記通常クラッチ連結位置に変位して前記クラッチ機構31は前記モータ24の回転を前記固定歯車体69に伝達する通常クラッチ連結状態となり、前記移動歯車体65には前記移動歯車体65が前記クラッチ解除バネ70の弾力で前記通常クラッチ連結位置から前記クラッチ切断方向に戻される途中で且つ前記固定歯車体69との噛合が外れる前に前記アーマチュア61と当接して前記移動歯車体65を前記移動歯車体65と前記固定歯車体69との噛合が継続されるブレーキクラッチ連結位置に保持できもって前記クラッチ機構31をブレーキクラッチ連結状態にできるクラッチ保持面72Dを設け、前記クラッチ保持面72Dと前記アーマチュア61との当接は前記電磁コイル部60がオフのときに前記移動歯車体65が回転すると前記アーマチュア61を共回りさせる構成とし、前記モータ24と前記電磁コイル部60を制御する制御部88には、前記電磁コイル部60のオンを継続させて前記移動歯車体65と前記アーマチュア61との共回り状態を規制させた状態で前記モータ24を逆回転させて前記アーマチュア61と前記クラッチ保持面72Dとの当接を解除しその後前記電磁コイル部60と前記モータ24をオフにする通常クラッチ連結動力解除制御を設け、前記固定歯車体69は回転するとワイヤーケーブルを介して車両スライド扉11をスライド移動させるワイヤードラム30に連結させた動力装置のクラッチ機構。
JP2003400810A 2003-11-28 2003-11-28 動力装置のクラッチ機構 Expired - Fee Related JP3955013B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003400810A JP3955013B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 動力装置のクラッチ機構
US10/998,161 US7422094B2 (en) 2003-11-28 2004-11-29 Clutch mechanism for power device
US12/121,247 US7703838B2 (en) 2003-11-28 2008-05-15 Clutch mechanism for power device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003400810A JP3955013B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 動力装置のクラッチ機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005163852A JP2005163852A (ja) 2005-06-23
JP3955013B2 true JP3955013B2 (ja) 2007-08-08

Family

ID=34724929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003400810A Expired - Fee Related JP3955013B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 動力装置のクラッチ機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3955013B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4623076B2 (ja) * 2007-10-26 2011-02-02 三菱自動車工業株式会社 ブレーキ装置
JP6260367B2 (ja) * 2014-03-11 2018-01-17 株式会社ジェイテクト クラッチ装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4612129Y1 (ja) * 1969-11-11 1971-04-27
JPH06213289A (ja) * 1993-01-20 1994-08-02 Mazda Motor Corp 差動制限装置
JP2000160935A (ja) * 1998-11-30 2000-06-13 Aisin Seiki Co Ltd ドア制御装置
JP3660162B2 (ja) * 1999-05-28 2005-06-15 本田技研工業株式会社 電磁クラッチ
JP2001193353A (ja) * 1999-10-19 2001-07-17 Nippon Cable Syst Inc 電動スライドドアの開閉制御装置
JP4556153B2 (ja) * 2000-06-29 2010-10-06 日立オートモティブシステムズ株式会社 電動ディスクブレーキ
CN1311174C (zh) * 2001-06-08 2007-04-18 易通公司 电激励锁闭差速器
JP3921374B2 (ja) * 2001-10-11 2007-05-30 三井金属鉱業株式会社 車両スライド扉用動力スライド装置の制御方法
JP3694494B2 (ja) * 2002-07-02 2005-09-14 三井金属鉱業株式会社 車両スライド扉の動力装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005163852A (ja) 2005-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7703838B2 (en) Clutch mechanism for power device
JP4072111B2 (ja) 動力装置
JP4720395B2 (ja) 車両用ドアハンドル装置
US6685239B2 (en) Vehicle door opening closing device
US7726455B2 (en) Electro-mechanical clutch
US7360337B2 (en) Door closing apparatus
KR100553653B1 (ko) 도어 클로징 장치
JPH11151158A (ja) カーテン移動装置
JP3694494B2 (ja) 車両スライド扉の動力装置
JP2008019567A (ja) 車両用ドアロック装置
JP3955013B2 (ja) 動力装置のクラッチ機構
JP3955014B2 (ja) 動力装置のクラッチ機構
JP3822874B2 (ja) 車両スライド扉用パワースライド装置
JP2002129812A (ja) 車両用ドア装置
JP2007197991A (ja) 電気錠に於けるデッドボルト駆動機構
JP2010037723A (ja) ドアラッチ装置
JP4005033B2 (ja) 車両スライド扉の動力スライド装置
TWI257911B (en) Auxiliary device for bicycle transmission
JP2008208585A (ja) 電動機のクラッチ機構
JP4840016B2 (ja) クラッチ機構
JPH11166361A (ja) クラッチ装置
JP2013019215A (ja) 車両用ドアロック装置
JP3393206B2 (ja) 車両スライド扉の動力スライド装置
JP2008019568A (ja) 車両用ドアロック装置
JP2006342502A (ja) 車両ドアラッチ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070123

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070424

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070427

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100511

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140511

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees