JPH06213289A - 差動制限装置 - Google Patents

差動制限装置

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JPH06213289A
JPH06213289A JP5007707A JP770793A JPH06213289A JP H06213289 A JPH06213289 A JP H06213289A JP 5007707 A JP5007707 A JP 5007707A JP 770793 A JP770793 A JP 770793A JP H06213289 A JPH06213289 A JP H06213289A
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JP
Japan
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cam
clutch
pair
main clutch
differential
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JP5007707A
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Wataru Kuwabara
亙 桑原
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Mazda Motor Corp
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 差動制限状態の解除時における作動応答性を
高めるとともに、高トルクの入力時においても差動制限
をより完全に行う。 【構成】 アクチュエータによって締結されるパイロッ
トクラッチY1と噛合歯を備えたドグクラッチでなるメ
インクラッチY2とを備えるとともに、該パイロットク
ラッチY1とメインクラッチY2との間に、所定のカム力
を発生するカム手段Rと、該カム力を受けて上記メイン
クラッチY2に所定の押圧力を付与してこれを噛合させ
る押圧手段Qとを配設したものにおいて、上記メインク
ラッチY2の噛合歯31a,32aの歯面31b,32bを傾
斜させて軸方向に所定の分離力を発生させ得る如くする
とともに、該歯面31b,32bの傾斜角を、上記分離力
が上記カム力よりも小さくなるように設定し、差動制限
解除時には上記分離力で瞬時にメインクラッチY2を締
結解除させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、差動制限装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、差動装置における差動作用を
必要に応じて制限する差動制限装置として種々の構造の
ものが提案されており、その一つとして例えば、特開平
3ー219123号公報に開示される如く、差動装置の
一対の出力軸の間に、アクチュエータによって締結され
るパイロットクラッチと、該パイロットクラッチの締結
により作動するカム機構と該カム機構の作動により所定
の押圧力を発生する押圧機構と、該押圧機構の押圧力に
よって締結されるメインクラッチとを配置し、差動制限
時には上記パイロットクラッチの締結力を増幅した状態
でメインクラッチに伝達してこれを締結させるようにし
たものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上掲の差動
制限装置においては、パイロットクラッチとメインクラ
ッチの両方を多板クラッチで構成していることから、特
に分担トルクの大きいメインクラッチにおいては、例え
ば高負荷運転中での差動制限時には摩擦板間に滑りが生
じて完全な差動制限作用を得にくく、また摩擦板が発熱
して焼き付きを起こすということも考えられる。
【0004】かかる問題を解決する一つの方法として、
メインクラッチとして、伝達トルクが大きく完全な差動
制限が可能で且つ焼き付き等の心配のないドグクラッチ
を採用することが考えられる。ところが、このドグクラ
ッチは対向配置される一対のドグの噛合歯を相互に噛合
させることで締結される構造であることから、該一対の
ドグを噛合させた差動制限状態からこれらを分離させて
差動状態とする場合に比較的時間がかかることになる。
従って、このようなドグクラッチをメインクラッチとし
て採用した差動制限装置と、自動車の各車輪のスリップ
制御を行う所謂アンチブレーキングシステム(以下、A
BS制御という)とが並設されたものにおいては、差動
制限状態下においてABS制御が開始されると可能な限
り瞬時に差動制限状態を解除して差動状態としもって各
車輪の個別制御が可能なる如くすることが要求される
が、上記ドグクラッチの特性上、これが達成できないと
いう問題が生じることになる。
【0005】そこで本願発明は、特に差動制限状態の解
除時における作動応答性を高めるとともに、高トルクの
入力時においても差動制限をより完全に行うことができ
るようにした差動制限装置を提案せんとしてなされたも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として、請求項1記載の発
明では、入力軸と一体的に回転するピニオンシャフトに
設けられたピニオンギヤと該ピニオンギヤに噛合する一
対のサイドギヤにそれぞれ連結された一対の出力軸とを
備えてなる差動装置の上記一対の出力軸の間に、アクチ
ュエータによって締結されるパイロットクラッチと、軸
方向に対して所定の傾斜角をもつカム面を形成した相対
回転可能な一対のカム部材と該一対のカム部材のカム面
間に配置されたボールとからなり上記パイロットクラッ
チが締結されたときに上記一対のカム部材が相対回転し
て該一対のカム部材の軸方向距離を拡大する方向に所定
のカム力を発生するカム手段と、該カム手段が作動した
際にそのカム力を受けて軸方向へ移動して所定の押圧力
を発生する押圧手段と、該押圧手段の押圧力によって締
結されるメインクラッチとを配置し、上記パイロットク
ラッチが締結されることで上記カム手段及び押圧手段を
介して上記メインクラッチが締結され、上記一対の出力
軸間の差動が制限されるようにした差動制限装置におい
て、上記メインクラッチを、複数の噛合歯を備えた一対
のドグを接離可能に対向配置してなるドグクラッチで構
成する一方、該噛合歯の歯面を軸方向に対して所定の傾
斜角をもって傾斜させて該メインクラッチの負荷トルク
により上記歯面の傾斜角に対応した軸方向への分離力を
発生させ得る如くするとともに、該歯面の傾斜角を、上
記分離力が上記カム手段のカム力よりも小さくなるよう
に設定したことを特徴としている。
【0007】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
差動制限装置において、上記カム手段のカム面の傾斜角
を、上記メインクラッチの噛合歯の歯面の傾斜角よりも
小さく設定したことを特徴としている。
【0008】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
差動制限装置において、上記カム手段の有効径を上記メ
インクラッチの有効径よりも小さく設定したことを特徴
としている。
【0009】
【作用】本願各発明ではかかる構成とすることによって
それぞれ次のような作用が得られる。
【0010】請求項1記載の発明では、差動制限解除状
態においては、パイロットクラッチが非締結とされカム
手段及び押圧手段が非作動状態とされることからメイン
クラッチも締結解除状態にあり、従って、差動装置の一
対の出力軸の差動が許容される。
【0011】これに対して、差動制限時には、パイロッ
トクラッチの締結によってカム手段及び押圧手段が作動
してメインクラッチが締結され、上記差動装置の一対の
出力軸が一体的に連結されその差動が制限される。この
場合、メインクラッチの噛合歯の歯面を傾斜させること
で所定の分離力が発生する構造となっているが、上記カ
ム手段が上記分離力よりも大きなカム力を発生し得る如
く構成されているので、上記分離力の存在にかかわらず
迅速且つ確実にメインクラッチを締結させて差動制限に
移行することができるものである。また、メインクラッ
チがドグクラッチで構成されていることから、例え高負
荷運転時の如く入力トルクが大きい時であっても該メイ
ンクラッチの滑り等の問題もなく確実な差動制限作用が
達成されるものである。
【0012】一方、差動制限状態を解除して差動状態と
する場合には、パイロットクラッチの締結解除に伴って
上記カム手段及び押圧手段が非作動とされ上記メインク
ラッチにかかっていた押圧力が解除されると、メインク
ラッチはその噛合歯の歯面の傾斜によって生じる分離力
によって素早く締結解除され、迅速な差動状態への移行
が可能となるものである。
【0013】請求項2記載の発明ではカム手段のカム面
の傾斜角をメインクラッチの噛合歯の歯面の傾斜角より
も小さく設定することで、また請求項3記載の発明では
カム手段の有効径をメインクラッチの有効径よりも小さ
く設定することで、それぞれメインクラッチの分離力よ
りもカム手段のカム力(即ち、押圧手段の押圧力)を大き
くして差動制限操作及び差動制限解除操作を迅速且つ確
実に行うことが可能となるものてある。
【0014】
【発明の効果】従って、本願各発明の差動制限装置によ
れば、メインクラッチがドグクラッチで構成されている
ことから、大トルクの入力時であっても確実にこれを締
結して完全な差動制限状態を達成することができ、例え
ば従来のようにメインクラッチを多板クラッチで構成し
た場合に比して、作動の確実性・信頼性及び装置の耐久
性の向上が図れるものである。
【0015】また、差動制限状態の解除時には、メイン
クラッチに作用する分離力によってより素早くこれを締
結解除して差動状態により迅速に移行し得ることから、
その作動応答性が向上し、例えばABS制御が行なわれ
る自動車にあっては各車輪の個別制御に迅速に移行し得
ることからその制御上の信頼性が高められるものであ
る。
【0016】
【実施例】以下、本願発明の差動制限装置を実施例に基
づいて具体的に説明すると、図1には本願発明の実施例
にかかる差動制限装置を備えた四輪駆動車のセンターデ
ィファレンシャルの要部が示されており、同図において
符号1はエンジントルクの入力部となる入力軸、2は上
記入力軸1と同軸状に配置された後輪側出力軸、3は上
記入力軸1の外側に相対回転可能に嵌挿された前輪側出
力軸であって、この後輪側出力軸2と前輪側出力軸3と
の間に後述の差動装置Xと、差動制限装置を構成するパ
イロットクラッチY1とメインクラッチY2とカム手段R
と押圧手段Qとが配置されている。
【0017】差動装置X 上記差動装置Xは、上記入力軸1に一体的に突設された
ピニオンシャフト4に回転可能に支持されたピニオンギ
ヤ5と、上記後輪側出力軸2の端部に一体形成され且つ
上記ピニオンギヤ5に噛合せしめられたフロント側サイ
ドギヤ6と、上記前輪側出力軸3の端部に一体的に形成
され且つ上記ピニオンギヤ5に噛合せしめられたリヤ側
サイドギヤ7と、上記前輪側出力軸3の外側に相対回転
可能に配置されるとともに上記ピニオンシャフト4に連
結されて上記入力軸1と一体的に回転するケーシング8
とを備えている。尚、図1において符号9は上記前輪側
出力軸3にスプライン結合された前輪側への出力ギヤ9
である。
【0018】パイロットクラッチY1 上記パイロットクラッチY1は、上記後輪側出力軸2に
そのボス部21aがスプライン結合されてこれと一体的
に回転するクラッチドラム21と、該クラッチドラム2
1の縦壁部21bの軸方向内側位置に積層配置され且つ
外周壁21cに対してスライド可能に支持された複数の
外側摩擦板23,23,・・と一枚の押圧リング22と、
上記各外側摩擦板23,23,・・間に挟まれた状態で配
置されるともに後述の第1カムリング25に対してスラ
イド可能に支持された複数の内側摩擦板24,24,・・
と、上記クラッチドラム21の縦壁部21bの軸方向外
側位置においてデフケース19に支持された状態で配置
された電磁石20(特許請求の範囲中のアクチュエータ
に該当する)とで構成されている。
【0019】このパイロットクラッチY1は、上記電磁
石20が励磁され、上記外側摩擦板23が該電磁石20
側に吸引されることで上記各外側摩擦板23,23,・・
とかく内側摩擦板24,24,・・との間に所定の摩擦力
を発生させてこれを締結し、もって上記クラッチドラム
21(即ち、後輪側出力軸2)と後述の第1カムリング2
5とを一体的に結合する如く作用する。
【0020】カム手段R 上記カム手段Rは、対向状態で近接配置されるとともに
上記クラッチドラム21のボス部21aに遊嵌された第
1カムリング25と第2カムリング26(これらがそれ
ぞれ特許請求の範囲中のカム部材に該当する)と、これ
らの間に介在せしめられたボール27とで構成される。
そして、上記第1カムリング25及び第2カムリング2
6には、図2に示すように、その側面に対して傾斜角β
をもつ略V字状のカム面25a,26aが凹設されてお
り、上記ボール27はこの第1カムリング25のカム面
25aと第2カムリング26のカム面26aとで形成され
る空間部に嵌装されている。
【0021】このカム手段Rは、第1カムリング25と
第2カムリング26との間に差動が生じない状態では上
記ボール27によって周方向に係合されて一体的に回転
するが、これらの間に差動が生じて所定のトルクが発生
した場合には、上記ボール27が上記各カム面25a,2
6aに乗り上げて一種のクサビ作用をなし、第2カムリ
ング26が第1カムリング25から離間する方向に移動
せしめられ、これによって該第2カムリング26には上
記トルクの大きさとカム面25a,26aの傾斜角βとに
応じた所定のカム力P2が軸方向に発生する。
【0022】メインクラッチY2 上記メインクラッチY2は、上記差動装置Xのケーシン
グ8の外周側に一体的に延設されたフロント側ドグ31
と、該フロント側ドグ31に対向状態で配置されるとと
もに上記クラッチドラム21の外周壁21cに対して軸
方向にスライド可能に支持されたリヤ側ドグ32とを備
えている。このフロント側ドグ31とリヤ側ドグ32に
は、図3に示すように、その対向面上に、傾斜角αの歯
面31b,32bを有する複数の噛合歯31a,31a,・
・、同32a,32a,・・がそれぞれ形成されている。そ
して、このメインクラッチY2は、上記フロント側ドグ
31に対してリヤ側ドグ32が接近して上記各噛合歯3
1a,32aが噛合することで締結状態とされ、また該リ
ヤ側ドグ32がフロント側ドグ31から離間して上記各
噛合歯31a,32aの噛合状態が解除されることで締結
解除される。
【0023】さらに、このメインクラッチY2において
は、上記フロント側ドグ31とリヤ側ドグ32とが噛合
した締結状態でこれらの間に所定のトルクがかかると、
このトルクの大きさと上記歯面31b,32bの傾斜角α
とに応じた所定の分離力P1を軸方向に向けて発生する
ようになっている。従って、このフロント側ドグ31と
リヤ側ドグ32との噛合状態を達成・維持するためには
少なくとも上記分離力P1以上の大きさの押圧力をリヤ
側ドグ32にかける必要があり、このリヤ側ドグ32に
対する押圧作用が後述の押圧手段Qによって行なわれる
ものである。
【0024】押圧手段Q 上記押圧手段Qは、上記カム手段Rの第2カムリング2
6の外周側に一体的に延設形成され且つ上記メインクラ
ッチY2のリヤ側ドグ32の背面側に対向配置された押
圧部28で構成される。そして、この押圧部28は、上
記ケーシング8にスプライン係合されており、該ケーシ
ング8と一体的に(即ち、上記入力軸1と一体的に)回転
駆動されるとともに、上記カム手段Rが作動してその第
2カムリング26に上記カム力がかかって該第2カムリ
ング26が第1カムリング25から離間する方向(図面
上の左方向)に移動する際に、該第2カムリング26と
一体的に移動して上記リヤ側ドグ32を所定の押圧力
(即ち、上記カム手段Rにより発生せしめられるカム力
と同じ力)で押圧して上記メインクラッチY2を締結状態
とさせる如く作用する。
【0025】以上の如く構成することにより、差動制限
が行なわれない通常の運転状態においては、パイロット
クラッチY1が締結解除され、カム手段Rの第1カムリ
ング25と第2カムリング26及び該第2カムリング2
6に一体形成された押圧部28とはケーシング8を介し
て入力軸1と一体的に結合されるとともに、上記後輪側
出力軸2との相対回転が可能となっている。従って、こ
の状態において、上記入力軸1(即ち、前輪側出力軸3)
と後輪側出力軸2との間に差動が生じた場合には、上記
差動装置Xのピニオンギヤ5が適宜に回転してこの入力
軸1と後輪側出力軸2との間の差動が許容される。
【0026】一方、運転者から差動制限要求が出されて
上記電磁石20が励磁されると、上記メインクラッチY
2が締結され、カム手段Rの第1カムリング25が後輪
側出力軸2と一体的に連結される。従って、この状態下
において上記入力軸1と後輪側出力軸2との間に差動が
生じると、上記カム手段Rの第1カムリング25と第2
カムリング26との間に相対回転が生じ、該カム手段R
が作動状態となって該第2カムリング26をして上記押
圧部28が所定の押圧力でメインクラッチY2のリヤ側
ドグ32を締結側に押圧移動させ、該メインクラッチY
2が締結状態とされる。このようにメインクラッチY2
締結されると、入力軸1と後輪側出力軸2とが一体化さ
れ、上記差動装置Xによる差動作用が制限される。
【0027】この場合、上記メインクラッチY2が従来
のような多板式クラッチではなくドグクラッチで構成さ
れていることから、例え大きな伝達トルクの入力時にお
ける差動制限要求であっても、メインクラッチY2は滑
り等を生じることなく確実に締結して差動制限状態を達
成することができ、また滑りによる発熱及びこれに伴う
焼き付き等の不都合の発生もなく、その作動上の信頼性
が飛躍的に高められるものである。
【0028】また、差動制限状態において、例えば運転
者から差動制限の解除要求が出されるとか、ABS制御
の実行に伴って差動制限の解除要求信号が出された場合
には、上記電磁石20への通電が停止され上記パイロッ
トクラッチY1が締結解除される。これに伴ってカム手
段Rによるカム力及び押圧手段Qによる押圧力が消滅す
ることから、上記メインクラッチY2も締結解除され、
再び差動状態に復帰する。
【0029】ところで、このようにメインクラッチY2
をドグクラッチで構成した場合には、該ドグクラッチの
構造上の特質からその締結解除に時間がかかり、特に瞬
時の差動制限解除が要求されるABS制御時においては
問題となることは既述の通りである。
【0030】このためこの実施例のものにおいては、本
願発明を適用して上述の如く、メインクラッチY2の噛
合歯31a,32aの歯面31b,32bの傾斜角αを、該歯
面31b,32bの傾斜に起因して軸方向への分離力が発
生するようにするとともに、この分離力が上記カム手段
Rによるカム力(即ち、押圧手段Qの押圧力)よりも大き
くならないないように上記傾斜角αを設定し、さらにこ
のような条件を達成するための具体的方法として、上記
ドグクラッチの歯面傾斜角αを上記カム手段Rのカム面
傾斜角βよりも大きくするとともに、上記メインクラッ
チY2の有効径を上記カム手段Rの有効径よりも大きく
設定している。
【0031】かかる構成とすることで、パイロットクラ
ッチY1の締結解除に伴ってカム手段Rのカム力が消滅
した場合にはメインクラッチY2が自己の分離力によっ
て瞬時に締結解除され、また差動制限操作時には上記メ
インクラッチY2の分離力の存在にもかかわらず上記カ
ム手段Rのカム力によって確実に上記メインクラッチY
2を締結状態とし且つその状態を維持し得るものであ
る。
【0032】これを力学的に証明すると次の通りであ
る。即ち、パイロットクラッチY1のロックトルクを
(t)、メインクラッチY2にかかるロックトルクを(T)、
メインクラッチY2の有効径を(D)、カム手段Rの有効
径を(d)とすると、メインクラッチY2に上記歯面傾斜角
αに起因して上記ロックトルク(T)によって発生する分
離力(P1)は、P1=(2・T/D)・(1/tanα)と表
せ、また、カム手段Rにそのカム面傾斜角βに起因して
上記パイロットクラッチY 1のロックトルク(t)により発
生するカム力(即ち、押圧部28による押圧力)P2は、
2=(2・t/d)・(1/tanβ)と表せる。
【0033】ここで、上記メインクラッチY2の分離力
1の存在にかかわらず、差動状態から差動制限状態に
設定し且つこれを維持するための条件は、P1<P2、即
ち、〔(P2/P1)>1〕であるから、これを整理する
と、(P2/P1)=(t/T)・(D/d)・(tanα/tanβ)>
1となる。
【0034】この条件式から、(t/T)のロックトルク
関係の下で、(傾斜角α>傾斜角β)とし且つ(D>d)と
することで上記条件が成立し、上記メインクラッチY2
の分離力P1の存在にかかわらず、差動状態から差動制
限状態に設定し且つこれを維持するとともに、差動制限
の解除時には上記分離力P1で瞬時にメインクラッチY2
を締結解除させることができるものである。
【0035】このように、差動制限操作時におけるメイ
ンクラッチY2の締結作動が該メインクラッチY2におけ
る分離力P1の存在にもかかわらず確実に行なわれると
ともに、差動制限解除操作時にはパイロットクラッチY
1の締結解除に伴ってメインクラッチY2が自己の分離力
1によって瞬時に締結解除されることで、差動制限装
置の高い作動応答性が確保され精度の良い差動制限が実
現されるとともに、ABS制御を行うものにあっては該
ABS制御の制御特性も良好に維持されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例にかかる差動制限装置の要部
縦断面図である。
【図2】図1のII-II横断面図である。
【図3】図1のIII-III横断面図である。
【符号の説明】
1は入力軸、2は後輪側出力軸、3は前輪側出力軸、4
はピニオンシャフト、5はピニオンギヤ、6はフロント
側サイドギヤ、7はリヤ側サイドギヤ、8はケーシン
グ、9は出力ギヤ、19はデフケース、20は電磁石、
21はクラッチドラム、22は押圧リング、23は外側
摩擦板、24は内側摩擦板、25は第1カムリング、2
6は第2カムリング、27はボール、28は押圧部、3
1はフロント側ドグ、32はリヤ側ドグ、Qは押圧手
段、Rはカム手段、Yはクラッチ手段、Y1はパイロッ
トクラッチ、Y2はメインクラッチ、Xは差動装置であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸と一体的に回転するピニオンシャ
    フトに設けられたピニオンギヤと該ピニオンギヤに噛合
    する一対のサイドギヤにそれぞれ連結された一対の出力
    軸とを備えてなる差動装置の上記一対の出力軸の間に、 アクチュエータによって締結されるパイロットクラッチ
    と、 軸方向に対して所定の傾斜角をもつカム面を形成した相
    対回転可能な一対のカム部材と該一対のカム部材のカム
    面間に配置されたボールとからなり上記パイロットクラ
    ッチが締結されたときに上記一対のカム部材が相対回転
    して該一対のカム部材の軸方向距離を拡大する方向に所
    定のカム力を発生するカム手段と、 該カム手段が作動した際にそのカム力を受けて軸方向へ
    移動して所定の押圧力を発生する押圧手段と、 該押圧手段の押圧力によって締結されるメインクラッチ
    とを配置し、 上記パイロットクラッチが締結されることで上記カム手
    段及び押圧手段を介して上記メインクラッチが締結さ
    れ、上記一対の出力軸間の差動が制限されるようにした
    差動制限装置であって、 上記メインクラッチを、複数の噛合歯を備えた一対のド
    グを接離可能に対向配置してなるドグクラッチで構成す
    る一方、 該噛合歯の歯面を軸方向に対して所定の傾斜角をもって
    傾斜させて該メインクラッチの負荷トルクにより上記歯
    面の傾斜角に対応した軸方向への分離力を発生させ得る
    如くするとともに、該歯面の傾斜角を、上記分離力が上
    記カム手段のカム力よりも小さくなるように設定したこ
    とを特徴とする差動制限装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記カム手段のカム
    面の傾斜角を、上記メインクラッチの噛合歯の歯面の傾
    斜角よりも小さく設定したことを特徴とする差動制限装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、上記カム手段の有効
    径を上記メインクラッチの有効径よりも小さく設定した
    ことを特徴とする差動制限装置。
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Cited By (8)

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