JP3984502B2 - 車両用自動開閉装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両にヒンジを介して開閉自在に装着される開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車等の車両には、ドア、バックドア等、車両に開閉自在に装着された開閉部材が随所に設けられている。特に、ワゴン車やワンボックス車等では、車両の後端部にバックドアを設けて車両後方からの荷物の積み下ろし等を容易に行い得るようにしたものが多く見受けられる。通常、このようなバックドアは車両ルーフ後端部に設けられたヒンジを介して装着されており、車両に対して略垂直となる全閉状態と車両に対して略水平となる全開状態との間で上下方向に開閉するようになっている。この場合、バックドアは車両上方に跳ね上げられることになるので、リフトゲートやリヤハッチなどとも呼ばれている。
【0003】
ところが、このようなバックドアは大型で重い場合が多いため、特に、女性や子供ではその開閉を容易に行うことが困難な場合があった。また、バックドアは全開状態となったときには上方に大きく跳ね上げられることになるため、その開閉はさらに困難なものとなっていた。
【0004】
そこで、ワンボックス車等のファミリーユースが増加している状況の下、女性や子供でも容易に開閉できるように、バックドアの自動開閉装置を搭載した車両が登場し、増加する傾向にある。また、自動開閉装置を設置すれば運転席から手が届かなくともバックドアを遠隔操作できるため、この利便性からも自動開閉装置の取り付け要請は少なくない。
【0005】
このようなバックドアの自動開閉装置としては車両のルーフ部つまりは車両外側となるルーフパネルと車室内側の天井パネルとの間にアクチュエータユニットが配置され、このアクチュエータユニットによりバックドアに連結された連結ロッド駆動することでバックドアを開閉動作させるものが知られている。このようなアクチュエータは駆動源として電動モータを有しており、この電動モータの出力は入力ギヤと多段減速ギヤ機構とを介して連結ロッドが連結された出力ギヤに伝達されるようになっている。多段減速ギヤ機構は互いに同軸となる大径ギヤと小径ギヤとが一体となった複数の2段ギヤを有しており、これらの2段ギヤはそれぞれ出力ギヤを支持する支軸と同様に車両に対して垂直に設けられた複数の中間軸に回転自在に支持されている。そして、最も入力ギヤに近い中間軸に設けられた2段ギヤにおける大径ギヤは入力ギヤに噛み合わされ、この2段ギヤの小径ギヤは次段の中間軸に設けられた大径ギヤに噛み合わされ、以降、順次2段ギヤを噛み合わせることにより、所定段数の減速ギヤ列が構成されるようになっている。そして、出力ギヤが最終段の小径ギヤに噛み合わされることにより、入力ギヤの回転が所定の減速比で減速されて出力ギヤに伝達されるようになっている。
【0006】
したがって、電動モータが正転もしくは逆転すると、その回転運動が所定の回転数に減速されて出力ギヤに伝達され、出力ギヤを揺動運動させることになる。そして、出力ギヤの揺動運動が連結ロッドを介してバックドアの開閉動作に変換されることにより、バックドアが自動的に開閉されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなアクチュエータユニットにおける多段減速ギヤ機構では、それぞれの2段ギヤにおける小径ギヤは大径ギヤに対してすべて中間軸の軸方向に対して一方側に配置されており、つまり、それぞれの2段ギヤは中間軸の軸方向に順次重ねた状態で配置されている。そのため、この多段減速ギヤ機構は中間軸方向の厚み寸法が大きくなり、アクチュエータユニットの厚み寸法を大きくすることになる。したがって、このようなアクチュエータユニットを収容する空間をルーフパネルと天井パネルとの間に設けるためには車室内の天井部における天井パネルをルーフパネルに対して下方に設定することになり、車両の居住性を低下させることになっていた。
【0008】
本発明の目的は、車両用自動開閉装置を薄型化して車両の居住性を向上させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両用自動開閉装置は、車両後端部のルーフ部に配置され、ヒンジを介して車両の後端部に上下方向に開閉自在に装着される開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、入力ギヤが設けられ、電動モータにより駆動される入力軸と、前記車両に垂直に配置される出力軸と該出力軸に設けられる出力ギヤとを備え、前記入力軸よりも車両後方側に配置されるとともに前記開閉部材に連結される出力部材と、前記出力軸に対してそれぞれ平行となって前記入力軸と前記出力軸との間に配置され、それぞれ大径ギヤと小径ギヤとが設けられる複数の中間軸とを有し、相互に隣り合って配置されるそれぞれの中間軸に設けられ相互に噛み合う大径ギヤと小径ギヤとからなるギヤ対の同一面側に、相互に非噛み合い状態となってそれぞれの中間軸に設けられる前記大径ギヤと前記小径ギヤを互いに隣接させて配置し、複数の前記中間軸のうち最も車両前方側の中間軸に設けられた大径ギヤに前記入力ギヤを噛み合わせるとともに、複数の前記中間軸のうち最も車両後方側の中間軸に設けられた小径ギヤに前記出力ギヤを噛み合わせたことを特徴とする。
【0011】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記出力軸にクランクアームを設け、前記クランクアームに前記開閉部材を連結したことを特徴とする。
【0012】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記クランクアームを前記出力ギヤに対して複数の前記中間軸のうち最も出力軸側の中間軸に設けられた大径ギヤと同一側で前記出力軸に固定したことを特徴とする。
【0013】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記クランクアームの先端部を前記大径ギヤに対して前記出力ギヤ側且つ前記出力ギヤの外周面より外側に配置し、前記先端部に前記開閉部材を連結したことを特徴とする。
【0014】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記入力軸は前記電動モータのアマチュアシャフトであり、前記アマチュアシャフトの回転は最も車両前方側の中間軸に電磁クラッチを介して伝達されることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施の形態であるパワーバックドア機構を備えた車両の一部であって、バックドアが全閉状態のときを示す側面図であり、図2は図1に示す車両の一部であって、バックドアが全開状態のときを示す側面図である。また、図3は図2に示すパワーバックドア機構の詳細を示す断面図であり、図4は図3に示すアクチュエータユニットの詳細を示す断面図である。さらに、図5はアクチュエータユニットと連結ロッドとの連結部の詳細を示す斜視図である。
【0019】
図1、図2に示すように、車両1の後端部には開閉部材としてのバックドア2が設けられている。バックドア2は車両のルーフ部3の後端部にその開閉中心軸4aを略水平として取り付けられたヒンジ4を介して車両1に開閉自在に装着されており、図1に示すように車両1に対して略垂直となる全閉状態と、図2に示すように車両に対して略水平となる全開状態との間で、開閉中心軸4aを中心とした約90度の範囲で上下方向に開閉するようになっている。なお、その開閉範囲も約90度とは限らず任意の角度に設定してもよい。
【0020】
車両1には、バックドア2を自動的に開閉するために車両用自動開閉装置としてのパワーバックドア機構10が設けられており、図3に示すように、このパワーバックドア機構10はアクチュエータユニット11と連結ロッド12とを有している。アクチュエータユニット11は車両1の後端部におけるルーフ部3つまり車両外側のルーフパネル13と車室内側の天井パネル14との間に取付ブラケット15,16を介して固定されている。連結ロッド12は鋼材で形成されたロッド部12aの両端にボールジョイントのソケット12b、12cを固定した構造となっており、その一端がバックドア2の開閉中心軸4aから離れた位置にて湾曲状に一体的に延設されるアーム17の先端部に設けられたボールジョイントのスタッド17aに連結されている。また、天井パネル14には開口部14aが形成されており、連結ロッド12はこの開口部14aからルーフ部3内に挿通され、その他端がアクチュエータユニット11に連結されている。この開口部14aについては、ゴム等の弾性部材で形成されたダストカバー等を取り付けるようにしてもよい。そして、この連結ロッド12の他端をアクチュエータユニット11により駆動することで、バックドア2の開閉動作が行われるようになっている。
【0021】
図4に示すように、アクチュエータユニット11は電動モータ20と減速ギヤ機構21とを有しており、電動モータ20は減速ギヤ機構21のギヤケース22に図示しない締結部材により固定されている。ギヤケース22はクラッチ収容部23とこのクラッチ収容部23より車両上下方向の厚みが薄いギヤ収容部24とを有しており、クラッチ収容部23に対してギヤ収容部24が車両後方側となるように配置されている。電動モータ20の入力軸としてのアマチュアシャフト25はクラッチ収容部23の内部に突出しており、このアマチュアシャフト25のクラッチ収容部23の内部に突出した部分における外周面には入力ギヤとしてのウォーム26が形成されている。
【0022】
ギヤ収容部24の内部には、軸方向を車両1に対して垂直としてギヤケース22に固定された出力軸としての支持ピン30と、この支持ピン30にボールベアリング31を介して回転自在に取り付けられた出力ギヤ32とを有する出力部材としての出力ギヤユニット33が設けられている。そして、出力ギヤ32の、その回転中心軸つまり支持ピン30から所定距離離れた位置にはボールジョイントのスタッド32aが設けられ、連結ロッド12のボールジョイントのソケット12cはこのスタッド32aに連結されている。つまり出力ギヤ32は連結ロッド12を介してバックドア2に連結されている。この場合、図5に示すように、ギヤケース22の車両1の下方側となる面には、連結ロッド12のボールジョイントのソケット12cが突出・移動するためのスリット34が形成されている。したがって、出力ギヤ32が所定の範囲内で揺動運動することにより、ボールジョイントのソケット12cはこのスリット34の範囲内で同様に揺動運動することになる。この揺動範囲は、一方側の揺動端が車両1の前方側に位置し、他方側の揺動端が車両1の後方側に位置するようになっている。これにより、出力ギヤ32の揺動運動は連結ロッド12を介してバックドア2の開閉運動に変換され、バックドア2が開閉動作されることになる。
【0023】
また、ギヤケース22にはそれぞれ車両上側もしくは下側から出力ギヤ32に摺接する樹脂製のシュー35,36がそれぞれねじ部材37,38により固定されており、これらのシュー35,36により連結ロッド12を介してバックドア2から出力ギヤ32に入力される軸方向の荷重が支持されるようになっている。これにより、連結ロッド12からの荷重により出力ギヤ32が軸方向へ撓み変形することを防止するようになっている。
【0024】
減速ギヤ機構21はクラッチ収容部23とギヤ収容部24とにまたがって収容されており、アマチュアシャフト25の回転を減速して出力ギヤ32に伝達するようになっている。この減速ギヤ機構21はクラッチ収容部23の内部においてボールベアリング40,41によりギヤケース22に回転自在に支持された中間軸としてのピニオンシャフト42と、ギヤ収容部24の内部においてボールベアリング43,44によりギヤケース22に回転自在に支持された中間軸としてのサブシャフト45とが設けられており、それぞれのシャフト42,45はその軸方向が支持ピン30と平行つまり車両1に垂直となるように配置されている。また、それぞれのシャフト42,45はアマチュアシャフト25と支持ピン30との間に位置して、サブシャフト45はピニオンシャフト42より車両後方側に配置されている。
【0025】
ピニオンシャフト42にはアマチュアシャフト25に形成されたウォーム26と噛み合う大径ギヤとしてのウォームホイル46が回転自在に設けられており、電動モータ20が作動することによりウォーム26を介してウォームホイル46が回転されるようになっている。このとき、ウォームホイル46はピニオンシャフト42に対して回転自在に設けられているので、ウォームホイル46が回転してもピニオンシャフト42は回転しない。また、このピニオンシャフト42にはウォームホイル46に対して車両下側に隣接して小径ギヤとしてのピニオンギヤ47が設けられている。このピニオンギヤ47はウォームホイル46より小径に形成され、その歯数もウォームホイル46より少ないものとなっている。そして、このピニオンギヤ47はピニオンシャフト42に固定されており、ピニオンシャフト42と一体に回転するようになっている。
【0026】
また、減速ギヤ機構21には、クラッチ収容部23の内部に収容された電磁クラッチ50を有している。この電磁クラッチ50はウォームホイル46とピニオンギヤ47との間を、動力伝達状態と動力遮断状態とに切り替えるための所謂摩擦式の電磁クラッチであり、互いに摩擦面51a,52aを対向させて配置された駆動ディスク51と従動ディスク52およびコイル部53とを有している。
【0027】
駆動ディスク51は鋼材により形成されており、ウォームホイル46にスプライン結合されることによりウォームホイル46と一体に回転するとともにウォームホイル46の軸方向つまりピニオンシャフト42の軸方向に移動自在となっている。一方、従動ディスク52はピニオンシャフト42に固定されており、ピニオンシャフト42と一体に回転するようになっている。コイル部53は従動ディスク52の背部つまり車両上方側に位置してギヤケース22に固定されており、図示しない給電ユニットから供給される電力により電磁力を生じることができるようになっている。そして、コイル部53が電磁力を生じると、駆動ディスク51が従動ディスク52に近づくように軸方向に移動されて、それぞれのディスク51,52がその摩擦面51a,52aにおいて互いに圧着されることになる。これにより、ウォームホイル46はそれぞれのディスク51,52を介してピニオンシャフト42と固定された動力伝達状態となり、ウォームホイル46の回転がピニオンギヤ47に伝達されることになる。また、コイル部53への電力の供給を停止されると、それぞれのディスク51,52間の摩擦力が減少して、ウォームホイル46とピニオンギヤ47とは動力遮断状態となる。
【0028】
サブシャフト45には、大径ギヤとしての大径スパーギヤ60と小径ギヤとしての小径スパーギヤ61とが設けられており、これらのスパーギヤ60,61はともにサブシャフト45に固定されてそれぞれサブシャフト45とともに一体に回転するようになっている。
【0029】
大径スパーギヤ60はピニオンギヤ47より大径に形成されており、ピニオンギヤ47と噛み合わされてピニオンギヤ47とともにギヤ対を形成している。これにより、ピニオンギヤ47の回転は減速されて大径スパーギヤ60に伝達されるようになっている。また、小径スパーギヤ61は大径スパーギヤ60より小径に形成され、また、出力ギヤ32よりも小径に形成されており、出力ギヤ32と噛み合わされて出力ギヤ32とともにギヤ対を形成している。これにより、小径スパーギヤ61の回転は減速して出力ギヤ32に伝達されるようになっている。したがって、ピニオンギヤ47の回転は、これらの2つのスパーギヤ60,61を介して2段階に減速されて出力ギヤ32に伝達されるようになっている。
【0030】
このように、ギヤケース22内に設けられた減速ギヤ機構21により、電動モータ20のアマチュアシャフト25の回転は、ウォーム26、ウォームホイル46、ピニオンギヤ47および2つのスパーギヤ60,61を介して多段に減速されて出力ギヤ32に伝達されるようになっている。
【0031】
ここで、大径スパーギヤ60はその車両1に対する上下方向の位置が、ピニオンギヤ47とほぼ同一であるとともに、出力ギヤ32の車両下方面側に位置して配置されている。また、小径スパーギヤ61はその車両1に対する上下方向の位置が、大径スパーギヤ60の車両上方面側であるとともに、ウォームホイル46とほぼ同一に配置されている。つまり、それぞれ隣り合うピニオンシャフト42とサブシャフト45に設けられ、相互に非噛み合い状態となるウォームホイル46と小径スパーギヤ61は、それぞれこれらのシャフト42,45に設けられて相互に噛み合うピニオンギヤ47と大径スパーギヤ60とからなるギヤ対の同一面側つまり車両上方面側に配置されている。また、アマチュアシャフト25に形成されたウォーム26と支持ピン30に設けられた出力ギヤ32とは、それぞれその車両上下方向の位置がウォームホイル46および小径スパーギヤ61とほぼ同一とされている。これにより、ギヤケース22内にてそれぞれのギヤにより形成されるギヤ列は、ウォーム26、ウォームホイル46、小径スパーギヤ61および出力ギヤ32からなる車両上方側の列と、ピニオンギヤ47と大径スパーギヤ60とからなる車両下方側の列との2段の列により形成されることになる。したがって、これらのギヤによって形成されるギヤ列が要する車両上下方向の厚み寸法はこれらのギヤの上下方向2列分の厚み寸法に収まることになり、その寸法は小さく押さえられることになる。そして、このような配置により、減速ギヤ機構21の減速段数を増すためにさらにギヤ数を増した場合であっても、その厚み寸法を薄くすることができる。
【0032】
このように、本発明のアクチュエータユニット11では、相互に非噛み合い状態となってそれぞれ隣り合うピニオンシャフト42とサブシャフト45に設けられるウォームホイル46と小径スパーギヤ61を、それぞれこれらのシャフト42,45に設けられて相互に噛み合うピニオンギヤ47と大径スパーギヤ60とからなるギヤ対の同一面側つまり車両上方面側に配置するようにしたので、これらのギヤによって形成されるギヤ列が要する車両上下方向の厚み寸法はこれらのギヤの上下方向2列分の幅寸法に収まることになり、このアクチュエータユニット11の車両上下方向の厚み寸法を薄くすることができる。したがって、車室内における天井パネル14をより上方に設定することが可能となり、この車両1の居住性等を向上させることができる。
【0033】
また、本発明のアクチュエータユニット11では、出力ギヤユニット33がアマチュアシャフト25つまり電動モータ20よりも車両後方側に配置されているので、アクチュエータユニット11の車両後方側における車両上下方向の寸法を特に小さくすることができる。したがって、たとえば図1に示す車両1のように、デザイン性を向上させるために車両1のルーフパネル13の後端部を車両1の下方向に傾斜させることにより、ルーフパネル13と天井パネル14との間のスペースがより薄くされた場合であってもこのアクチュエータユニット11を配置させることができる。
【0034】
次に、このような構造のパワーバックドア機構10の作動について説明する。
【0035】
まず、図1に示すように、バックドア2が全閉状態となっているときに図示しないバックドア開閉スイッチをオンすると、車両1に搭載された図示しないバッテリから電動モータ20に電流が供給され、アマチュアシャフト25が所定の方向に回転を開始する。そして、このアマチュアシャフト25の回転が減速ギヤ機構21を介して伝達されることにより、出力ギヤ32が所定の方向に回転運動し、連結ロッド12を作動させてバックドア2が図2に示す全開状態に向けて開動作することになる。そして、バックドア2が図2に示す全開状態となると電動モータ20は停止されることになる。反対に、バックドア2が全開状態のときに図示しないバックドア開閉スイッチがオフされると電動モータ20は逆転され、それにともない出力ギヤ32も逆転されてバックドア2は閉動作することになる。
【0036】
図6は図4に示すアクチュエータユニットの変形例を示す断面図であり、図7は図6に示すクランクアームの変形例を示す断面図である。図6、図7においては前述した部材に対応する部材には同一の符号が付されている。
【0037】
図6に示すアクチュエータユニット70は、その基本的な構造は図4に示すアクチュエータユニット11と同様な構造となっている。このアクチュエータユニット70では、アクチュエータユニット11において出力ギヤ32を支持するためにギヤケース22に固定されて設けられていた支持ピン30に替えて、ボールベアリング71,72によりギヤケース22に回転自在に支持される出力軸としての出力シャフト73が設けられている。そして、この出力シャフト73にはクランクアーム74が固定されている。つまり、減速ギヤ機構21を介して出力ギヤ32に伝達されるアマチュアシャフト25の回転は、さらに出力シャフト73を介してクランクアーム74に伝達され、クランクアーム74を揺動運動させるようになっている。そして、連結ロッド12はボールジョイントのソケット12cがこのクランクアーム74の先端部74aに設けられたボールジョイントのスタッド74cに連結されるようになっており、クランクアーム74の揺動運動をバックドア2に伝達するようになっている。
【0038】
このクランクアーム74はその固定部74bが、出力ギヤ32に対してサブシャフト45に設けられた大径スパーギヤ60と同一側つまり車両下方側にて出力シャフト73に固定されており、また、その先端部74aが大径スパーギヤ60に対して出力ギヤ32側つまり車両上方側であり、且つ、出力ギヤ32の外周面より外側に配置されるように曲げて形成されている。したがって、クランクアーム74の固定部74bは、減速ギヤ機構21におけるピニオンギヤ47と大径スパーギヤ60とからなる車両下方側の列の延長上に位置することになり、また、その先端部74aはウォーム26、ウォームホイル46、小径スパーギヤ61および出力ギヤ32からなる車両上方側の列の延長上に位置することになる。したがって、このクランクアーム74は、減速ギヤ機構21を構成するギヤ列の車両上下方向の厚み寸法の範囲内に位置することになり、このようなクランクアーム74を用いた場合であってもこのアクチュエータユニット70の車両上下方向の厚み寸法を薄くすることができる。また、連結ロッド12は、このクランクアーム74の先端部74aに車両下側において連結されるようになっているので、この先端部74aにおけるボールジョイントのソケット12cも減速ギヤ機構21を構成するギヤ列の車両上下方向の厚み寸法の範囲内に位置することになり、このアクチュエータユニット70の車両上下方向の厚み寸法を拡大しない。また、クランクアーム74により揺動運動される連結ロッド12の揺動半径は、クランクアーム74の先端部74aが出力ギヤ32の外周面より外側に配置されていることにより、出力ギヤ32に連結される場合よりも大きなものとなる。つまり、このクランクアーム74により、出力ギヤ32を大型化しなくとも連結ロッド12の揺動ストロークを拡大することができる。
【0039】
このように、本発明のアクチュエータユニット70では、クランクアーム74をその固定部74bにおいて出力ギヤ32の車両下方側にて出力シャフト73に固定し、また、その先端部74aを車両上方側であり、且つ、出力ギヤ32の外周面より外側に配置されるように曲げて形成し、さらに、連結ロッド12をこのクランクアーム74の先端部74aの車両下側に連結するようにしたので、このクランクアーム74と連結ロッド12のボールジョイントのソケット12cとが減速ギヤ機構21を構成するギヤ列の車両上下方向の厚み寸法内に収まることになり、このアクチュエータユニット70の車両上下方向の厚み寸法を薄くすることができる。
【0040】
また、クランクアームとしては、図6に示す形状に限らず、図7に示すように、出力ギヤ32に対して出力シャフト73の車両上下方向の両側で固定される形状のクランクアーム75としてもよい。これにより、クランクアーム75の剛性が向上することになり、連結ロッド12からクランクアーム75に入力されるバックドア2からの荷重を確実に支持することができる。また、連結ロッド12のボールジョイントのソケット12cが連結されるスタッド74cが固定される面を車両に垂直にも配置することが可能になるので、連結ロッド12の配置の自由度を向上させることができる。
【0041】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、前記実施の形態においては、出力軸としてギヤケース22に固定された支持ピン30が用いられ、この支持ピン30に対して出力ギヤ32が回転自在に設けられているが、これに限らず、ギヤケース22にボールベアリング等により回転自在に支持された出力シャフトを設け、出力ギヤ32をこの出力シャフトに固定するようにしてもよい。また、中間軸としてギヤケース22に回転自在に支持されたピニオンシャフト42とサブシャフト45とを設け、これらのシャフト42,45にギヤを固定することによりそれぞれのギヤが回転自在となるようにされているが、これに限らず、中間軸をギヤケース22に固定されたピン部材として、これらのピン部材に対してボールベアリング等により回転自在にギヤを設けるようにしてもよい。
【0042】
また、前記実施の形態においては、減速ギヤ機構21にはウォームホイル46とピニオンギヤ47とを動力伝達状態と動力遮断状態とに切り替える電磁クラッチ50が設けられているが、これに限らず、電磁クラッチ50を用いず、ウォームホイル46を直接ピニオンシャフト42に固定するようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、入力ギヤの回転を減速して出力ギヤに伝達する複数の大径ギヤおよび小径ギヤによって形成されるギヤ列が要する軸方向の幅寸法をこれらのギヤの軸方向の2列分の幅寸法に収めることができるので、この車両用自動開閉装置の厚み寸法を薄くすることができる。
【0045】
また、本発明によれば、車両用自動開閉装置の厚み寸法を薄くすることができるので、この車両用自動開閉装置を車両のルーフ部に配置した場合には、車室内における天井パネルをより上方に設定することが可能となり、車両の居住性等を向上させることができる。
【0046】
さらに、本発明によれば、出力部材は入力軸より車両後方側に配置されているので、アクチュエータユニットの車両後方側における車両上下方向の寸法を特に小さくすることができる。したがって、車両の後端部におけるルーフパネルが車両の下方向に傾斜させられてより上下方向に薄くなったルーフ部にもこの車両用自動開閉装置を配置させることができる。
【0047】
さらに、本発明によれば、クランクアームは大径ギヤと小径ギヤとによるギヤ列の厚み寸法の範囲内に収められるので、この車両用自動開閉装置の厚み寸法を薄くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるパワーバックドア機構を備えた車両の一部であって、バックドアが全閉状態のときを示す側面図である。
【図2】図1に示す車両の一部であって、バックドアが全開状態のときを示す側面図である。
【図3】図2に示すパワーバックドア機構の詳細を示す断面図である。
【図4】図3に示すアクチュエータユニットの詳細を示す断面図である。
【図5】アクチュエータユニットと連結ロッドとの連結部の詳細を示す斜視図である。
【図6】図4に示すアクチュエータユニットの変形例を示す断面図である。
【図7】図6に示すクランクアームの変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 車両
2 バックドア
3 ルーフ部
4 ヒンジ
4a 開閉中心軸
10 パワーバックドア機構
11 アクチュエータユニット
12 連結ロッド
12a ロッド部
12b、12c ソケット
13 ルーフパネル
14 天井パネル
14a 開口部
15,16 取付ブラケット
17 アーム
17a スタッド
20 電動モータ
21 減速ギヤ機構
22 ギヤケース
23 クラッチ収容部
24 ギヤ収容部
25 アマチュアシャフト
26 ウォーム
30 支持ピン
31 ボールベアリング
32 出力ギヤ
32a スタッド
33 出力ギヤユニット
34 スリット
35,36 シュー
37,38 ねじ部材
40,41 ボールベアリング
42 ピニオンシャフト
43,44 ボールベアリング
45 サブシャフト
46 ウォームホイル
47 ピニオンギヤ
50 電磁クラッチ
51 駆動ディスク
51a 摩擦面
52 従動ディスク
52a 摩擦面
53 コイル部
60 大径スパーギヤ
61 小径スパーギヤ
70 アクチュエータユニット
71,72 ボールベアリング
73 出力シャフト
74 クランクアーム
74a 先端部
74b 固定部
74c スタッド
75 クランクアーム

Claims (5)

  1. 車両後端部のルーフ部に配置され、ヒンジを介して車両の後端部に上下方向に開閉自在に装着される開閉部材を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、
    入力ギヤが設けられ、電動モータにより駆動される入力軸と、
    前記車両に垂直に配置される出力軸と該出力軸に設けられる出力ギヤとを備え、前記入力軸よりも車両後方側に配置されるとともに前記開閉部材に連結される出力部材と、
    前記出力軸に対してそれぞれ平行となって前記入力軸と前記出力軸との間に配置され、それぞれ大径ギヤと小径ギヤとが設けられる複数の中間軸とを有し、
    相互に隣り合って配置されるそれぞれの中間軸に設けられ相互に噛み合う大径ギヤと小径ギヤとからなるギヤ対の同一面側に、相互に非噛み合い状態となってそれぞれの中間軸に設けられる前記大径ギヤと前記小径ギヤを互いに隣接させて配置し、
    複数の前記中間軸のうち最も車両前方側の中間軸に設けられた大径ギヤに前記入力ギヤを噛み合わせるとともに、複数の前記中間軸のうち最も車両後方側の中間軸に設けられた小径ギヤに前記出力ギヤを噛み合わせたことを特徴とする車両用自動開閉装置。
  2. 請求項1記載の車両用自動開閉装置において、前記出力軸にクランクアームを設け、前記クランクアームに前記開閉部材を連結したことを特徴とする車両用自動開閉装置。
  3. 請求項記載の車両用自動開閉装置において、前記クランクアームを前記出力ギヤに対して複数の前記中間軸のうち最も出力軸側の中間軸に設けられた大径ギヤと同一側で前記出力軸に固定したことを特徴とする車両用自動開閉装置。
  4. 請求項または記載の車両用自動開閉装置において、前記クランクアームの先端部を前記大径ギヤに対して前記出力ギヤ側且つ前記出力ギヤの外周面より外側に配置し、前記先端部に前記開閉部材を連結したことを特徴とする車両用自動開閉装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用自動開閉装置において、前記入力軸は前記電動モータのアマチュアシャフトであり、前記アマチュアシャフトの回転は最も車両前方側の中間軸に電磁クラッチを介して伝達されることを特徴とする車両用自動開閉装置。
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