JP3895614B2 - 旋回作業機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックホー等の旋回作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、バックホーにおいては、旋回台の前部に掘削装置を装備した標準機及び後方小旋回機、旋回台の中央部に掘削装置を装備した超小旋回機等が有り、各機種には用途に応じて操縦装置の操縦ボックスを旋回台上の運転席の前方に配置したものがある。
この種の従来技術として、特開平8−134948号公報に開示されたバックホーがあり、バックホーの操縦装置は通常、左右走行モータ、走行変速、旋回モータ、ドーザシリンダ、ブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダ、スイングシリンダ等のアクチュエータへの圧油を制御する多数のコントロールバルブと、各コントロールバルブを操作する操作手段とを有し、操作手段は操縦ボックスに配置されるのに対して、コントロールバルブは操縦ボックスから離れた旋回台内部に配置されている。
【0003】
操作手段からコントロールバルブまでの操作力の伝達は、左右走行用、ドーザ用、スイング用等のコントロールバルブのように、メカ式コントロールバルブを使用して、リンク及びロッドを介して操作レバーと連動連結するものと、旋回用、ブーム用、アーム用等のように、油圧式コントロールバルブを使用して、操作レバーでパイロットバルブを操作することにより、パイロット圧で油圧式コントロールバルブを制御するものとがある。
このパイロット圧でコントロールバルブを制御するものは、頻繁かつ繊細な操作を必要とするものであり、前記操縦ボックス内に配置した多数のバルブを左右一対の操作レバーで操作するようになっている。
【0004】
前記操縦ボックスには操作手段だけが配置されていて、コントロールバルブは操縦ボックスから離れて旋回台内に配置されており、よって、操縦ボックス自体は前後幅がそれほど大きくしなくてもよく、操縦ボックス背面と運転席との間の距離を大きくとって、足下空間を確保している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術では、コントロールバルブが操縦ボックスから離れて旋回台内に配置されているため、それらの配置がまとまらなく、しかも配管スペースも必要とし、簡略化し難いものとなっている。
しかも、コントロールバルブを旋回台内に配置すると、旋回台内部にコントロールバルブ配置空間を形成するために、同様に旋回台内部に配置されるオイルタンク、燃料タンク等の容積が圧迫されてしまう。
【0006】
そこで、コントロールバルブを操縦ボックス内の操作手段の下方に配置することが考えられているが、コントロールバルブを操縦ボックス内に配置すると、操縦ボックスの前後寸法が大きくなり、特に小型超小旋回バックホーにおいては、運転席から掘削装置までの距離が極めて短いので、その間に配置される操縦ボックスの前後寸法が大きいと、居住性が悪化し、ウオークスルーが困難になることがあり、また、コントロールバルブの上部は操作手段が邪魔になって組み立て・メンテナンス等が困難になることがある。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした旋回作業機を提供することを目的とする。
本発明は、コントロールバルブをその前後方向中心が操作手段の中心よりも前側になるようにずらして配置することにより、操縦ボックスの中途部から下方にかけて運転席からの距離を拡大して、足下居住空間を拡大しかつウオークスルーを良好し、更にコントロールバルブの上部の組み立て・メンテナンス等を容易にできるようにした旋回作業機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明における課題解決のための第1の具体的手段は、運転席5の前方の旋回台2前部に配置した操縦ボックス6は、着脱可能なボックスカバー7内の上部に操作手段8を配置し、この操作手段8の下方でかつ前後方向中心9Sを操作手段8の中心8Sよりも前側へずらしてコントロールバルブ9を配置していることである。
これによって、運転席5と操縦ボックス6との間の足下居住空間を拡大して、ウオークスルーを良好にすることが可能になり、また、コントロールバルブ9の上部の組み立て・メンテナンス等を操作手段8に妨害されることなくすることができるようになる。
【0009】
本発明における課題解決のための第2の具体的手段は、第1の具体的手段に加えて、前記操作手段8はパイロットバルブを有し、前記コントロールバルブ9はスプール9aを上下方向に配置し、コントロールバルブ9とパイロットバルブとを接続する配管11をコントロールバルブ9の前方と上方とに配置していることである。
これによって、コントロールバルブ9の上部の配管作業をパイロットバルブに妨害されることなく行え、また、コントロールバルブ9の前面側で容易に行うことができる。
【0010】
本発明における課題解決のための第3の具体的手段は、第1又は2の具体的手段に加えて、前記旋回台2に枠フレーム12を設け、この枠フレーム12の上部と中途部とに操作手段8とコントロールバルブ9とをそれぞれ設け、前記枠フレーム12の左右フレーム側板13は下部に対して上部を後方側に中途部を前方側にそれぞれ偏位していることである。
これによって、操作手段8の前側の左右方向側方及びコントロールバルブ9の後側の左右方向側方を、枠フレーム12によって妨害されることなく開放でき、操作手段8の前側、下側及びコントロールバルブ9の後側、上側等のメンテナンスが容易になる。
【0011】
本発明における課題解決のための第4の具体的手段は、第1〜3のいずれかの具体的手段に加えて、前記操縦ボックス6の前面を旋回台2前端より前方へ張り出していることである。
これによって、操縦ボックス6を旋回台2前端より前方へ張り出した分だけ、運転席5と操縦ボックス6との間の居住空間を拡大することができ、ウオークスルーも良好になる。
本発明における課題解決のための第5の具体的手段は、第1〜4のいずれかの具体的手段に加えて、前記操縦ボックス6の前面を凸状に形成し、背面を凹状に形成していることである。
【0012】
これによって、運転席5と操縦ボックス6との間の居住空間を無理なく拡大することができ、ウオークスルーも良好になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図3、4において、1は旋回作業機として例示する後方小旋回型のバックホーであり、このバックホー1はクローラ走行装置4と、旋回台2を有する上部体30と、旋回台2に装着した掘削装置3とから主構成されている。
クローラ走行装置4は、トラックフレームの左右サイドフレーム31の前後部に駆動輪、従動輪及びその中間の複数個の転輪を回転自在に支持し、これらにゴム製又は鉄製のクローラ32を巻き付け、前記駆動輪を油圧の左右走行モータ33等の走行駆動源で駆動するように構成されている。
【0014】
トラックフレームは左右サイドフレーム31を左右方向移動自在に支持し、油圧シリンダで移動するようにしており、左右クローラ走行装置4は可変脚となっている。
クローラ走行装置4を最広脚にしたとき、旋回軸心Xから左右クローラ走行装置4の外側端までの距離は、旋回台2の最大半径と略同じか又は若干長くなっており、10%程度長く設定していてもよい。
クローラ走行装置4を最狭脚にしたとき、旋回軸心Xから左右クローラ走行装置4の外側端までの距離は、旋回軸心Xから旋回台2の左右各側面までの距離と略同じ又は若干長くなっており、10%程度長く設定していてもよい。
【0015】
前記トラックフレームはその上部に旋回ベアリング34を介して旋回台2を搭載しており、旋回台2は旋回モータによって旋回軸心Xを中心に左右方向旋回自在になっている。トラックフレームの前部にはドーザ35をドーザシリンダ36を介して昇降自在に装着している。
旋回台2は、基本となるベースプレート2A上にフレーム、縦壁、支持台等を溶着して形成されており、その後端に旋回台2の最後端を形成するバランスウエイト37が設けられている。
【0016】
旋回台2上には、エンジン38、燃料タンク39、オイルタンク40、エンジン38によって駆動される油圧ポンプ41、ラジエータ42、オイルタンク40上に配置されたバッテリ43、それらを覆うボンネット44、このボンネット44上に取り付けられた運転席5、この運転席5の前方に配置された操縦ボックス6等が搭載され、これらによって前記上部体30が形成されている。
前記オイルタンク40はバランスウエイト37内又は前側に設けられており、油圧ポンプ41は、各種アクチュエータへ作動油を供給するメインポンプの他に、操作手段へパイロット油を供給するパイロット圧用油圧ポンプも有する。
【0017】
旋回台2の運転席5の前側はステップ45となっており、ベースプレート2Aの前部には、受けブラケット17を介して掘削装置3が縦軸19回り揺動自在に装着されている。
図1〜6において、操縦ボックス6は、運転席5の前方でかつ旋回台2前部に配置されており、その内部に操縦に必要な略総てのものを収納している。12は正面視門形の枠フレームであり、この枠フレーム12の上部に操作手段としてのパイロットバルブ8及び油路マニホールド10を取り付け、油路マニホールド10の下方の中途部に多数のコントロールバルブ9を配置し、下部でペダル関係を支持し、ボックスカバー7でそれら全体を覆っている。
【0018】
ボックスカバー7内のパイロットバルブ8、コントロールバルブ9は前後方向位置が同一ではなく、コントロールバルブ9の前後方向中心9Sがパイロットバルブ8の中心8Sよりも前側へずらされている。
コントロールバルブ9のスプール9aはバルブ本体の前後方向略中途部に位置し、その上下端部にパイロット油作動用の油圧配管又はリンク等が連結されるが、コントロールバルブ9がパイロットバルブ8及びマニホールド10の直下に位置すると、それらが障害になって、油圧配管又はリンク等の連結作業が困難になる。
【0019】
前述のように、コントロールバルブ9をパイロットバルブ8から前側へ若干ずらすだけで、コントロールバルブ9の上部の配管作業が容易になり、また、コントロールバルブ9を前方へずらした分だけ、運転席5からコントロールバルブ9までの距離が長くなり、コントロールバルブ9の背面に配管11Cを接続しても、居住空間として最も要求される部分を拡大することができ、ウオークスルーも良好になる。
即ち、コントロールバルブ9を前側へ偏位させることによって、操縦ボックス6の背面(後カバー7Rの背面)を凹状に形成し、操縦ボックス6の前後寸法が従来と同じでも、上下中途部を前側へ偏位させて、後側に懐を作り、運転席5からの距離を大きくして、運転席5と操縦ボックス6との間の居住空間を拡大しウオークスルーを良好にしている。
【0020】
また、前記コントロールバルブ9とマニホールド10とを接続する配管11は、コントロールバルブ9の下側と接続される配管11Aがコントロールバルブ9の前面に沿わせ配置され、コントロールバルブ9の上側と接続される配管11Bはコントロールバルブ9から略真上に延びている。コントロールバルブ9と油圧ポンプ41及びオイルタンク40と接続する配管11Cは、コントロールバルブ9の背面から下方へ延設されている。そして、これらの配管11はボックスカバー7を取り外すことによって配管作業・メンテナンスが可能になっている。
【0021】
コントロールバルブ9を前側へ偏位させたことに伴って、前記枠フレーム12の左右フレーム側板13は下部に対して上部を後方側に中途部を前方側にそれぞれ偏位させており、パイロットバルブ8の前側の左右方向側方及びコントロールバルブ9の後側の左右方向側方を、枠フレーム12によって妨害されることなく開放でき、パイロットバルブ8の前側及びコントロールバルブ9の上側並びにパイロットバルブ8の下側及びコントロールバルブ9の後側等のメンテナンスが容易になる形状になっている。
【0022】
ボックスカバー7は前カバー7Fと後カバー7Rとを有し、前後に分離可能になっており、旋回台2に対して個別に着脱自在に装着している。この前後カバー7F、7Rの前後割面Pは中途部が上部よりも前側に位置する形状となっている。即ち、側面形状を略S字状(右側面S字形状、左側面逆S字形状)に形成されていて、前カバー7F及び後カバー7Rの割面形成縁部は波形状で角ばってはいない。
前記ボックスカバー7の前後割面Pを略S字状に形成することにより、前後割面Pはパイロットバルブ8及びコントロールバルブ9のそれぞれの前後中央位置に略沿わせることができるようになる。これによって、前カバー7Fを開放したときに、後カバー7Rによって妨害されることなく、また、後カバー7Rを開放したときに前カバー7Fによって妨害されることなく、パイロットバルブ8及びコントロールバルブ9の前側又は後側のメンテナンスができる。
【0023】
また、前後割面Pを略S字状に形成することにより、前カバー7Fを開放すると、パイロットバルブ8の前面及びコントロールバルブ9の上部側方を大きく開放でき、後カバー7Rを開放すると、パイロットバルブ8の下部及びコントロールバルブ9の背面側方を大きく開放でき、前後面をそれぞれ上下均一開放するのではなく重点開放でき、メンテナンスの必要な部分をよりメンテナンス容易になるように開放できる。
前記コントロールバルブ9を前側へ偏位させた上で、操縦ボックス6の前面を旋回台2前端より前方へ張り出して、操縦ボックス6の前面(前カバー7Fの前面)を凸状に形成しており、操縦ボックス6全体として従来より前側へ偏位させ、運転席5及びボンネット44の前端から操縦ボックス6背面までの距離をより大きくし、居住空間を拡大するようにしている。
【0024】
操縦ボックス6は正面視において、上部が幅広に、中途部から下部にかけて幅狭に形成され、下部に配置される左右のペダル59、60、61等の左右間隔が余り広くならないようにしている。
前記パイロットバルブ8は左右一対あって、フレーム上板14に取り付けてアッセンブリとして構成してあり、このフレーム上板14の両端を左右フレーム側板13に固定している。また、左右フレーム側板13の上部にはマニホールド10が連結され、中途部にはコントロールバルブ9が連結されているので、枠フレーム12は門型形状と言うだけでなく、その中途2カ所でも左右フレーム側板13がコントロールバルブ9及びマニホールド10によって連結されているので、それらが相互に補強し合って堅牢な取り付け、堅牢な枠フレーム構造体を構成できる。
【0025】
コントロールバルブ9は、油圧式とメカ式(リンク等を介して操作力が伝達される機械式)の両式のものが使用されており、全コントロールバルブ9は多数のバルブ体を運転席5から見て左右方向に複数重合した状態で配置され、各バルブ体のスプール9aは縦方向に配置され、スプール9aが互いに平行となっている。
このコントロールバルブ9は、例えば、旋回モータ用の旋回バルブ9A、アームシリンダ49用のアームバルブ9B、ブームシリンダ21用のブームバルブ(昇降バルブ)9C、バケットシリンダ51用のバケットバルブ(掬い・ダンプバルブ)9D、左右走行モータ33用の走行左バルブ9E及び走行右バルブ9F、ドーザシリンダ36用のドーザバルブ9G、サービスポート用の切換バルブ9H、左右走行モータ33用の変速バルブ9J、スイングブラケット18を揺動するスイングシリンダ52用のスイングバルブ9K等からなり、バックホー1に装備されている各種アクチュエータを制御するコントロールバルブの総てが、隣接して設けられている。これらコントロールバルブ9の配置順序は、必要に応じて適宜設定される。
【0026】
前記走行左バルブ9E、走行右バルブ9F、ドーザバルブ9G、変速バルブ9J及び切換バルブH等は、メカ式コントロールバルブであって、リンク、アーム及び操作レバー又は操作ペダル等を介してそれぞれ人力で操作される。
それに対して、旋回バルブ9A、アームバルブ9B、ブームバルブ9C、バケットバルブ9D及びスイングバルブ9K等は、頻繁かつ繊細な操作を必要とするため、パイロット油圧式コントロールバルブが使用されていて、エンジン38によって駆動される油圧ポンプ41からのパイロット圧油で油圧操作可能になっている。
【0027】
前記全コントロールバルブ9A〜2Kを挟むように、それらの両端にブロック53A、53Bが接続されており、両ブロック53A、53Bにはメイン回路のポンプポートPとタンクポートTとが形成され、それぞれメイン配管とドレン配管(図1に示す配管11C)とが接続されている。
また、全コントロールバルブ9A〜2K及び左右ブロック53A、53Bは、左右一対のフレーム側板13に挟まれた状態で取り付けられており、左右フレーム側板13の上下中途部を連結する役目もしている。
【0028】
前記油路マニホールド10は上面に左右一対のパイロットバルブ8を固定しており、下面にはパイロットバルブ8とコントロールバルブ9A〜2Kとの油路接続パターンを切り換える油路切換ユニット15を取り付けて構成されている。
油路マニホールド10は1枚の中間プレートを挟んで2枚のブロックを対向配置したものであり、パイロットバルブ8と油路切換ユニット15との間にそれらを接続する多数の油路を形成している。
前記左右パイロットバルブ8はそれぞれ1本の操作レバー55を有する。左操作レバー55は旋回・アーム用であり、右操作レバー55はブーム・バケット用であり、各操作レバー55は左右及び前後に揺動可能であり、それぞれ1方向の往復揺動で各パイロットバルブ8の2つのバルブ体を択一的に又は同時に操作可能になっている。
【0029】
前記フレーム上板14は両端が左右フレーム側板13の上部に固定されており、このフレーム上板14はパイロットバルブ8の支持だけでなく、左右走行操作レバー56も支持している。左右走行操作レバー56は操作手段の一部を構成しており、リンク・アーム等を介して左右の走行バルブ9E、9Fのスプールに接続されている。
前記油路切換ユニット15はパイロットバルブ8とコントロールバルブ9との間の油路を切り換えて組み合わせを変更するものであり、扁平なユニット本体内に1本のスプールが保持され、ユニット本体の外面に配置した切換レバーによって軸方向に摺動可能になっている。
【0030】
前記油路マニホールド10の下面にはアンロードバルブ57が設けられていて、油圧ポンプ41からパイロットバルブ8へ至るパイロット油路と並列的に接続されている。57Aはアンロードバルブ57の操作レバーであり、回動することにより、パイロット圧油を排油してパイロットバルブ8を操作不能にし、操作レバー55が不本意に揺動されても掘削装置3が作動しないようにしている。
前記枠フレーム12の左右フレーム側板13は左右下部に旋回台2に取り付けるための台板12Aを有し、左側の台板12Aの近傍に筒体58A、58Bが設けられ、筒体58Aに切換バルブ9Hと連動連結されるベダル回動軸を枢支し、このベダル回動軸にサービスペダル59が装着され、筒体58Bに変速バルブ9Jと連動連結されるベダル回動軸を枢支し、このベダル回動軸に走行1・2速を切り換える変速ベダル60を装着している。
【0031】
また、右側の台板12Aの近傍に筒体58Cが設けられ、この筒体58Cにスイングバルブ9Kと連動連結されるベダル回動軸を枢支し、このベダル回動軸にスイングペダル24Cを装着している。
右フレーム側板13の中途部及びマニホールド10にステーを介してレバー軸62が枢支され、このレバー軸62の外端にドーザレバー63が設けられていて、ドーザバルブ9Gを操作可能になっている。
掘削装置3は、前記受けブラケット17に縦軸19を介して支持されたスイングブラケット18にブーム20とブームシリンダ21の各基端部を横軸22、23を介して昇降自在に枢支し、ブーム20の先端にアーム48を枢支してアームシリンダ49で上下揺動可能にし、アーム48の先端にバケット(作業具)50を枢支してバケットシリンダ51で掬い(掻き)及びダンプ動作可能にしている。
【0032】
前記受けブラケット17は、操縦ボックス6の前側で旋回台2の前面(最前端)から前方突出しており、操縦ボックス6が左右方向略中央に位置しているのに対して、受けブラケット17は左右一側(右側)にずれて配置されている。
旋回台2の旋回軸心Xからこの受けブラケット17の先端又は縦軸19までの距離L1は、旋回軸心Xから旋回台2の後端までの距離L2と略等しく又は短く設定されており、前記距離L1、L2は、クローラ走行装置4を広幅脚にしたときに、旋回軸心Xからクローラ32の外側端までの距離と略同一か又は小さいことが好ましい。
【0033】
旋回作業機1は小型であるので、旋回台2は極めて小さく、旋回台2の幅は標準的な大きさの運転席5の幅の約2倍以下であり、運転席5の前部は旋回軸心Xに近接しており、ボンネット44の前部は旋回軸心Xとオーバラップする位置になるほど、エンジン38も旋回軸心X近くに配置されている。
前記受けブラケット17の旋回台2前面から前方突出量は、旋回台2の前後バランスを良好にするためには可及的に小さい方が好ましく、そのために、距離L1を距離L2以下に設定することが要求される。
【0034】
ブーム20はくの字状に折曲されていて、その折曲部の外面に取り付け板20Aが固着され、この取り付け板20Aにブームシリンダ21のチューブの基部が枢支されており、このブームシリンダ21はブーム20の背面外側に配置されている。
ブーム20は背面がブームシリンダ21と略平行になる図3の状態が、ブーム20を上昇させて最も折り畳んだ状態であり、この状態で操縦ボックス6がブームシリンダ21と接触しないように、操縦ボックス6が旋回台2に対して可及的に前方に配置され、旋回台2からの受けブラケット17の突出量を少なくし、操縦ボックス6の前面をスイングブラケット18の縦軸軸受部18Aと前後方向に近接させている。
【0035】
ブーム20は図6に示すように、断面形状で縦横比を略1対1に設定している。ブームシリンダ21のチューブ基部をブーム20内に突入させて枢支する場合は、ブーム20の背面に孔を形成するので、幅を広くして強度を確保する必要があるが、ブームシリンダ21をブーム20の背面外方に配置する場合は、ブーム幅が狭くとも十分な強度を確保することができる。
図6においては、1点鎖線、2点鎖線でブーム20を左右に60度前後の角度にスイングさせた状態を示しており、ブームシリンダ21はブーム20よりも左右方向の寸法が小さく、ブーム20は前述したごとく幅狭に形成しているので、従って、スイングさせたときにブームセンターYからの後方側に延びる距離が短くなる。
【0036】
即ち、ブームシリンダ21をブーム20の後方側に配置しかつブーム20を幅狭に形成することにより、ブーム20のスイング角度をより大きくできる、旋回台2の先端から縦軸19までの距離を短くできる、旋回台2の先端から操縦ボックス6の突出量を大きくできる、及び/又は、旋回台2及び操縦ボックス6の先端を旋回軸心Xからより遠くにできる、ことになり、旋回台2の前後重量バランスを良好に維持しながら、運転席5と操縦ボックス6との間の居住空間(特に足下空間)を無理なく拡大することができ、ウオークスルーを良好にすることが可能になる。
【0037】
前述したバックホー1は、必要最小限の居住空間等を確保しながら小型化するために種々の構成を採用している。
即ち、運転席5を運転に必要な大きさとし、運転席5から操作レバー55及び走行操作レバー56までの距離を適正距離とし、必要馬力のエンジン38、適正容量の燃料タンク39、オイルタンク40及び油圧ポンプ41、ラジエータ42並びにバッテリ43等を旋回台2に搭載し、これらを可及的小さなボンネット44で覆い、このボンネット44上に運転席5を載置している。
【0038】
そして、前後方向において、運転席5の後端を旋回台2の最後端を形成するボンネット44、バランスウエイト37の後端と略一致させ、運転席5の前端をボンネット44の前端より後側とし、ボンネット44の前部を旋回軸心Xと略オーバラップさせ、運転席5の前端を旋回軸心Xに近接している。
また、左右方向において、ボンネット44及び旋回台2の左右幅を運転席5の左右幅より僅かに広幅とし、旋回台2を略前方後円形状に形成し、操縦ボックス6を旋回台2の前端の左右略中央に配置し、受けブラケット17を旋回台2の前端面の中央から右に設けている。
【0039】
バックホー1を必要機能を備えた上で可及的に小さくするために、前記のように構成した上で次のような構成をとっている。
ブームシリンダ21をブーム20の背面外側に配置して、操縦ボックス6に近い側をブーム20より幅狭のブームシリンダ21とし、ブーム20の幅を狭くできるようにブームシリンダ21をブーム20の背面に挿入しない外側配置としており、特に、ブーム20の断面形状を縦横比を略1対1に設定して幅を従来技術よりも十分狭くしており、ブーム20及びブームシリンダ21を可及的に操縦ボックス6の前面に近づけられる、ブーム20のスイング角度を十分な大きさに設定できる、又は操縦ボックス6をより前側に配置する等を可能にしている。
【0040】
また、旋回台2の旋回軸心Xから縦軸19までの距離L1を旋回軸心Xから旋回台2の後端までの距離L2と略等しく設定し、運転席5から旋回台2の後端までの距離L2、運転席5及びボンネット44と旋回軸心Xとの位置関係を可及的に短くした上で、縦軸19までの距離L1を短くすることにより、旋回台2の前後バランスを良好に維持し、超小旋回機としての最大旋回半径を小さくしている。
さらに、操縦ボックス6の前面とスイングブラケット18の縦軸軸受部18Aとを前後方向に近接させており、運転席5に対して特定された操縦ボックス6に対して、スイングブラケット18の縦軸軸受部18Aを近接させることにより、旋回台2の前後バランスを良好に維持し、超小旋回機としての最大旋回半径を小さくし、逆に操縦ボックス6をより前側に配置して、運転席5の前側の居住空間、ウオークスルー空間等をより広くすることを可能にしている。
【0041】
さらにまた、操縦ボックス6の前面を旋回台2前端より前方へ張り出しており、その前方へ張り出した分だけ、運転席5と操縦ボックス6との間の居住空間を拡大することができ、ウオークスルーも良好になり、操縦ボックス6が前方へ張り出した分だけ旋回台2を小さくしたとすると、旋回台2の小型化が可能になる。
また、コントロールバルブ9の前後方向中心9Sをパイロットバルブ8の中心8Sより前側に偏位させること等で操縦ボックス6の前面を凸状に形成すると、操縦ボックス6の背面を凹状に形成することが可能になり、運転席5と操縦ボックス6との間の居住空間を拡大することができ、ウオークスルーも良好になり、逆にその分だけ操縦ボックス6が後方へずらしたり、旋回台2を小さくしたりすることが可能になる。
【0042】
これらの各構成は総てを組み合わせなくとも、1つ又は複数でのそれぞれの機能を発揮でき、複数の機能を有する場合は一方を押さえて他方を際だたせたり、両方を少しずつ作用させたりすることができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、バックホー1は、旋回台2から操縦ボックス6を取り外し、旋回台2及びクローラ走行装置4等をそのまま使用して、メカ式操縦ボックスを取り付けることができる。
【0043】
その場合、メカ式操縦ボックスは、旋回バルブ2A、アームバルブ2B、ブームバルブ2C及びバケットバルブ2Dがその他のコントロールバルブと同様にメカ式が使用され、パイロットバルブ8、油路切換ユニット、油圧マニホールド10等を持たない枠フレーム12に2本の操作レバー(操作手段)を支持し、その2本の操作レバーでメカ式の旋回バルブ2A、アームバルブ2B、ブームバルブ2C及びバケットバルブ2Dを操作するように連動連結する。
バックホー1は、旋回台2を共通にして、操縦ボックス6を油圧式とメカ式とを選択でき、クローラ走行装置4を広狭変更する可変脚と脚幅一定のものとを選択でき、また、旋回台2もコントロールバルブ9の配置空間を設けることを考慮しなくてよいので、旋回軸心Xから前側の寸法、後側の寸法を適宜設定することが可能になっている。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、運転席5と操縦ボックス6との間の足下居住空間を拡大して、ウオークスルーを良好にすることができ、また、コントロールバルブ9の上部、背部等の組み立て・メンテナンス等を操作手段8に妨害されることなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】旋回作業機の操縦ボックスを示す側面図である。
【図2】旋回作業機の前部を示す側面図である。
【図3】旋回作業機の全体を示す側面図である。
【図4】旋回作業機の平面図である。
【図5】操縦ボックスの背面図である。
【図6】操縦ボックスとブームの関係を示す平面説明図である。
【符号の説明】
1 旋回作業機(バックホー)
2 旋回台
3 掘削装置
4 クローラ走行装置
5 運転席
6 操縦ボックス
7 ボックスカバー
8 パイロットバルブ(操作手段)
8S パイロットバルブの前後方向中心
9 コントロールバルブ
9S コントロールバルブの前後方向中心
10 マニホールド
11 配管
12 枠フレーム
13 フレーム側板
14 フレーム上板
17 受けブラケット
18 スイングブラケット
19 縦軸
20 ブーム
21 ブームシリンダ
22 横軸
23 横軸
L 距離
P 割面
X 旋回軸心
Claims (4)
- 運転席(5)の前方の旋回台(2)前部に配置した操縦ボックス(6)は、着脱可能なボックスカバー(7)内の上部に操作手段(8)を配置し、この操作手段(8)の下方でかつ前後方向中心(9S)を操作手段(8)の中心(8S)よりも前側へずらしてコントロールバルブ(9)を配置し、
前記操作手段(8)の下方でかつ旋回台(2)のステップ(45)より上方でコントロールバルブ(9)の後側に懐を形成しており、
前記コントロールバルブ(9)はスプール(9a)を上下方向に配置し、コントロールバルブ(9)の上側と操作手段(8)とを接続する配管(11B)をコントロールバルブ(9)の略真上へ延設し、ドレン配管(11C)をコントロールバルブ(9)の背面から下方へ延設していることを特徴とする旋回作業機。 - 前記コントロールバルブ(9)の下側と操作手段(8)とを接続する配管(11A)をコントロールバルブ(9)の前面に沿わせて配置していることを特徴とする請求項1に記載の旋回作業機。
- 前記操作手段(8)はパイロットバルブ及び油路マニホールド(10)を備えており、前記旋回台(2)に枠フレーム(12)を設け、この枠フレーム(12)の上部に前記パイロットバルブ及び油路マニホールド(10)を、中途部にコントロールバルブ(9)をそれぞれ設け、前記枠フレーム(12)の左右フレーム側板(13)は下部に対して上部を後方側に中途部を前方側にそれぞれ偏位していることを特徴とする請求項1又は2に記載の旋回作業機。
- 前記操縦ボックス(6)の前面を凸状に形成し、背面を凹状に形成し、前記前面を旋回台(2)前端より前方へ張り出していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の旋回作業機。
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