JPH09256408A - ブレード作業機の操作装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 チルト回動仕様のブレード作業機を大幅な
改造をしないでブレードのアングル回動操作を行なうこ
とができる操作装置を提供する。 【解決手段】 昇降アーム３にチルト軸５ｃを介してブ
レード１をチルト回動可能に設けるとともに、ブレード
１を回動させる油圧シリンダ１Ｓをメインバルブ群中の
補助バルブ７Ｈの操作によってロータリジョイント８を
介して作動させるブレード作業機において、ブレード１
をアングル軸５ａに支持するとともに、このアングル軸
５ａの少なくとも一側にブレード１をアングル回動させ
る油圧シリンダを設け、チルトシリンダ１Ｓとロータリ
ジョイント８との間に、このチルトシリンダ１Ｓとアン
グルシリンダ３Ｌ，３Ｒとに油路を切換えるセレクタバ
ルブ９を設けてチルト回動作業及びアングル回動作業を
行なうことができるブレード作業機の操作装置としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、チルト回動操作可
能なブレード作業機におけるアングル回動操作装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、パワーショベルやトラクタ等の作
業機体に設置される昇降アームの先端部にブレード（土
押具）を装着したブレード作業機は、このブレードを油
圧シリンダ（アングルシリンダ）によって上下方向にチ
ルト回動可能に支持するとともに、このブレードの左右
方向のアングル回動操作は、ブレードと昇降アームとを
長さ調節可能な連結杆で連結することによって行なうこ
とができる簡易型のブレード作業機が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の簡易型のブレー
ド作業機は、ブレードを左右方向に回動するアングル回
動を上下方向に回動するチルト回動と同様に、油圧シリ
ンダによって行なう場合に、後付け作業によってアング
ル回動用の油圧シリンダを作動操作するアングル操作バ
ルブを、前記本機内に設置されるメインバルブ群中のチ
ルトバルブに隣り合わせて増設し、その油路をロータリ
ジョイントに接続するとともに、このロータリジョイン
トからアングル回動用の油圧シリンダへの送油及び戻り
油等の油路（パイプ）を増設して行なわれる。

【０００４】従って、本機側には後付け作業によるブレ
ードのアングル回動用のバルブ及び油路等の増設油器の
設置スペースを、あらかじめ設けておかねばならない不
合理な欠点がある上に、ロータリージョイントの油路の
本数が増えるという問題がある。更にメインバルブ群中
へ増設するアングルバルブは高価格であり、また油圧回
路を複雑にして増設コストが高くなる等の問題がある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記従来の問題を解決す
るための本発明のブレード作業機の操作装置は、昇降ア
ーム３にチルト軸５ｃを介してブレード１をチルト回動
可能に設けるとともに、該ブレード１を回動させる油圧
シリンダ（チルトシリンダ）１Ｓをメインバルブ群中の
補助バルブ７Ｈの操作によって、ロータリジョイント８
を介して作動させるブレード作業機において、前記ブレ
ード１をアングル軸５ａを介してアングル回動可能に支
架するとともに、該アングル軸５ａの少なくとも一側に
ブレード１をアングル回動させる油圧シリンダ（アング
ルシリンダ）を設け、上記チルトシリンダ１Ｓとロータ
リジョイント８との間に、該チルトシリンダ１Ｓとアン
グルシリンダ３Ｌ，３Ｒとに油路を切換えるセレクタバ
ルブ９を設けている。

【０００６】また、アングルシリンダ３Ｌ，３Ｒをアン
グル軸５ａの両側に設けるとともに、セレクタバルブ９
からの油路７０，７１を上記一方のアングルシリンダ３
Ｌ，３Ｒの両油圧室に接続し、その接続部位からエルボ
管７ｃ，７ｄを介して他方のアングルシリンダ３Ｒ，３
Ｌの対設する両油圧室と油路７０ａ，７１ａで接続させ
ることを特徴としている。

【０００７】さらに、セレクタバルブ９とチルトシリン
ダ１Ｓ及びアングルシリンダ３Ｌ，３Ｒを連結する油路
を、昇降アーム３にブレード１を取付ける支持ブラケッ
ト５内を挿通させることを特徴としている。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて説明する。１はブレードで、クローラ走行方式のパ
ワーショベル（即ち走行作業機）の機体（本機）２の前
方に昇降油圧シリンダ３ａによって昇降可能に支持され
た昇降アーム３の前端に取付けてある。

【０００９】このブレード１は、後述する支持ブラケッ
ト５による機構及び油圧回路によって、在来の油圧チル
ト回動構成によるブレード作業機を、後付け作業により
アングル回動可能に、簡単且つ廉価に製作可能にしたも
のである。図１〜図３に示すように、支持ブラケット５
はフレード１の背面に一体的なブロック状に形成したも
ので、側面視において前部に設けた広巾な受板５０の下
部位置に後方に向けて、上下段にブラケット板５１，５
２を設け、この上段のブラケット板５１の後端部にサポ
ート板５３を設けている。

【００１０】そして上記ブラケット板５１，５２の中央
部及び両側にそれぞれピン孔を開孔し、このブラケット
板５１，５２を、昇降アーム３の先端部中央に形成した
取付部３ｂ，３ｂ（図１）間に嵌合し、これらの取付部
３ｂ，３ｂに取付ピン（アングル軸）５ａを縦方向に挿
入することによって支持ブラケット５を昇降アーム３に
対して図２の矢印ａで示す前後回動（以下アングル回動
という）可能に支持している。

【００１１】また、ブラケット板５１，５２の両側間に
昇降アーム３の基部側両側に枢着された油圧シリンダ
（以下アングルシリンダという）３Ｒ，３Ｌ（図５）を
嵌合して取付ピン５ｂ，５ｂで連結することにより、両
アングルシリンダ３Ｒ，３Ｌが各別に対応作動させる
と、中央部に設けた上記アングル軸５ａを中心に支持ブ
ラケット５が矢印ａのようにアングル回動を行なうよう
になっている。

【００１２】また、前記受板５０の下方の中央部にはチ
ルト軸５ｃ（図３，図５）を前後方向に突設しており、
このチルト軸５ｃにブレード１の背面に形成した軸受部
１ａ（図１）を嵌挿することにより、ブレード１をチル
ト軸５ｃを中心に、左右が図３の矢印ｂで示す上下回動
（以下チルト回動という）するように、支持ブラケット
５に着脱可能に装着される。

【００１３】そして図３に示すように、ブレード１の側
方の上部に枢着されたチルトシリンダ１Ｓの他端を、前
記サポート板５３の上方の中央部から前方に突設させた
作動ピン５ｄと連結することにより、このチルトシリン
ダ１Ｓが往復作動するとブレード１はチルト軸５ｃを中
心にチルト回動を行なうようになっている。一方、前記
サポート板５３の中腹部には、図３に示すように長孔５
３ａが横向きに開口されており、この長孔５３ａには前
記昇降アーム３の上部側の取付部３ｂ（図１）が挿入さ
れるとともに、チルトシリンダ１Ｓ、アングルシリンダ
３Ｒ及び３Ｌ用の油路を形成するパイプを挿通するよう
にしている。

【００１４】次に、図４においてチルトシリンダ１Ｓ、
アングルシリンダ３Ｒ，３Ｌを作動させる油圧回路につ
いて説明する。６はメインポンプ６ａとパイロットポン
プ６ｂからなる油圧ポンプであり、これに連なる７は、
本機２の上部旋回台の腹部内に設置されたメインバルブ
群で、バケット等のメイン作業装置部の作動操作を行う
ものである。そしてこのメインバルブ群７の側方には、
任意なアタッチメント作業装置の作動操作を行う補助バ
ルブ７Ｈが１ケ分だけ標準装備されている。

【００１５】本実施の形態においては、補助バルブ７Ｈ
より下手側の油路７ａ，７ｂに形成される在来構成のも
のと同様なロータリジョイント８を介してチルトシリン
ダ１Ｓを作動させる回路中において、このロータリジョ
イント８とチルトシリンダ１Ｓの間に２位置切換式で廉
価型のセレクタバルブ９を後付け可能にしている。そし
てこのセレクタバルブ９の切換操作によってチルトシリ
ンダ１Ｓと、後付け可能に設置される前述のアングルシ
リンダ３Ｒ，３Ｌを各別に作動させることができるよう
にしている。

【００１６】このとき、セレクタバルブ９の一対のポー
トから延設される油路（パイプ）７０，７１は、それぞ
れ各アングルシリンダ３Ｒ，３Ｌのブレード１を同方向
に回動されるシリンダ室に送油及び排油を行なうように
連結するとともに、図１、図２に示すように油路７０，
７１は二又状のエルボ管７ｃ，７ｄ（図２）を、一方の
アングルシリンダ３Ｌ側に取付け連通した状態で、これ
より分岐させた油路７１ａ，７１ｂを他のアングルシリ
ンダ３Ｒに止着連通させることにより、簡潔な配管路の
形態で油路７１ａ，７１ｂを支持ブラケット５の受板５
０とサポート板５３間で形成される空間部位を配管空間
５ｋ（図２）としてコンパクトに横断して配管すること
ができるようにしている。

【００１７】また、昇降アーム３の内側中途部に取付け
られたセレクタバルブ９（図２）から前方に向けて延設
される前述の油路７ａ，７ｂ及び７０，７１は、束ねた
状態でサポート板５３に開口した長孔５３ａ（図３）を
通して前記配管空間５ｋ内を経て配管するようにしてい
るので、支持ブラケット５は配管保護部材を兼ねること
ができると共に、この部分における配管カバーの取付け
構成を、受板５０或はサポート板等を利用して簡単に行
なうことができる。

【００１８】なお、上記セレクタバルブ９はチルトシリ
ンダ１Ｓとアングルシリンダ３Ｒ，３Ｌの操作位置の切
換えを手動操作レバーによって行なってもよいが、この
実施形態ではパイロットポンプ６ｂを利用し、ロータリ
ジョイント８の予備ポートにパイロット油路７３を設け
てパイロットバルブ９０を運転席側に設置した切換バル
ブ７５によって、足踏操作で能率よく切換えるようにし
ている。また、６０はセレクタバルブ９からタンク６１
へ送油する戻り路であり、ロータリージョイント８のド
レンポートを兼用することができる。

【００１９】以上の構成により、従来のチルト回動仕様
のブレード作業機をメインバルブ群７中にバルブを追加
したり、ロータリージョイント８の油路数を増やすこと
なく、ブレード１のアングル回動をも行なうことができ
るように簡単且つ廉価に構成することができる。 また
上記構成によって後付け作業によるアングル回動機構の
改造追加が容易になる等の特徴を有する。

【００２０】そしてブレードのチルト回動作業時におい
て、図４に示す補助バルブ７Ｈを操作してチルトシリン
ダ１Ｓに送油し、ブレード１をチルト軸５ｃを中心に回
動させ、チルト作業を行なうことができる。また、ブレ
ード１をアングル回動させたい場合には、セレクタバル
ブ９を運転席から切換バルブ７５を操作すると、パイロ
ットバルブ９０が作動してセレクタバルブ９を他方に簡
単に切換えることができる。従って、この状態において
前記補助バルブ７Ｈを操作することによりアングルシリ
ンダ３Ｒ，３Ｌに送油してブレード１をアングル軸５ａ
を中心に所望角度に回動維持することができ、アングル
作業を能率よく良好に行なうことができる。

【００２１】図５はアングルシリンダ３Ｒ，３Ｌに前述
したエルボ管７ａ，７ｂを設けないで直接連結した油路
７０，７１を支持ブラケット５内を通して配管する配管
例を示している。

【００２２】

【発明の効果】以上の構成により本発明は以下の効果を
奏する。請求項１の発明により、ロータリジョイント８
の下手側にセレクタバルブ９を設けて、チルトシリンダ
１Ｓとアングルシリンダ３Ｌ，３Ｒとを切換操作可能に
連結することにより、本機２側のメインバルブ群７中に
アングルシリンダ３Ｌ，３Ｒを操作するためのバルブの
増設を不要にすることができる。

【００２３】また、ロータリージョイント８の油路の増
設数を抑制することができるので、ブレード１のアング
ル回動を簡単な構造で行いコストを低減することができ
る。従って、ブレード１のアングル回動用の後付け作業
を容易に行なうことができるとともに、アングル回動操
作を良好に行なうことができる。請求項２の発明によ
り、セレクタバルブ９から両側のアングルシリンダ３
Ｌ，３Ｒの作動を油路の露出本数を少なくした状態で行
なうことができるので、配管が容易になるとともに、配
管のカバーの取付けを簡単に行なうことができる。

【００２４】請求項３の発明により、ブレード１に形成
された支持ブラケット５内にチルトシリンダ１Ｓとアン
グルシリンダ３Ｌ，３Ｒへの油路を挿通させることによ
り、可動するブレード１への油路をコンパクトにまとめ
て取付けることができるとともに、保護を簡潔な構成で
良好に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るブレード作業機の要部を示す側面
図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】図１の背面図である。

【図４】油圧回路図である。

【図５】配管の比較例を示す平面図である。

【符号の説明】

１ ブレード １Ｓ チルトシリン
ダ ２ 本機 ３ 昇降アーム ３Ｌ，３Ｒ アングルシリンダ ５ 支持ブラケット ５ａ アングル軸 ５ｃ チルト軸 ５０ 受板 ５３ サポート板 ５ｋ 配管空間 ６ 油圧ポンプ ７ メインバルブ
群 ７Ｈ 補助バルブ（チルトバルブ） ８ ロータリジョイント ９ セレクタバル
ブ ７ａ，７０，７１，７１ａ，７１ｂ 油路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降アーム３にチルト軸５ｃを介してブ
   レード１をチルト回動可能に設けるとともに、このブレ
   ード１を回動させる油圧シリンダ１Ｓをメインバルブ群
   中の補助バルブ７Ｈの操作によってロータリジョイント
   ８を介し作動させるブレード作業機において、 前記ブレード１をアングル軸５ａを介してアングル回動
   可能に支架するとともに、該アングル軸５ａの少なくと
   も一側にブレード１をアングル回動させる油圧シリンダ
   ３Ｌ，３Ｒを設け、上記チルトシリンダ１Ｓとロータリ
   ジョイント８との間に、該チルトシリンダ１Ｓとアング
   ルシリンダ３Ｌ，３Ｒとに油路を切換えるセレクタバル
   ブ９を設けたことを特徴とするブレード作業機の操作装
   置。
2. 【請求項２】 アングルシリンダ３Ｌ，３Ｒをアングル
   軸５ａの両側に配置するとともに、セレクタバルブ９か
   らの油路７０，７１を上記一方のアングルシリンダ３Ｌ
   の両油圧室に接続し、その接続部位からエルボ管７ｃ，
   ７ｄを介し他方のアングルシリンダ３Ｒの対設する両油
   圧室と油路７０ａ，７１ａで接続させる請求項１記載の
   ブレード作業機の操作装置。
3. 【請求項３】 セレクタバルブ９とチルトシリンダ１Ｓ
   及びアングルシリンダ３Ｒ，３Ｌを連結する油路を、昇
   降アーム３にブレード１を取付ける支持ブラケット５内
   を挿通させた請求項１又は２記載のブレード作業機の操
   作装置。