JP3894608B2 - 乗用型管理作業車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、前後方向に長い棒状の機体フレームの前下部に前一輪と、後下部に後二輪を支持し、腹部に作業機を吊設した乗用型管理作業車の、ステアリングコラムの補強部材を兼用するアシストパイプの取付構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術において、前後方向に機体フレームを配置し、機体の前部に操向輪として前輪を一輪を配し、後部に二輪の後輪を配した三輪駆動式の乗用管理作業車において、各車輪の上部に機体フレームを配し、該機体フレームの後部に動力部を配し、動力部の上方に運転部を配し、前輪と後輪の間の腹部に作業機を配した乗用型の作業機は公知となっている。また、前記機体フレームの後部から、昇降リンク機構を介して作業機を吊設し、動力部より前方に突出したPTO軸より作業機に動力を伝達するようにしていた。更に、前記機体フレームの前後略中央部より上方にハンドルコラムが立設されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の技術において、前記ステアリングハンドルを、単にパイプを曲げて機体フレームの上部に配置した構成であると、走行時に振動がステアリングハンドルに直接伝わり、ハンドル操作がやり難くなっていた。また、後方よりオペレーターが乗降する構成では、車体の前後方向の重量バランスを崩す可能性があるので、機体側部より乗降するように構成することができるが、機体前後中央の腹部に作業機を吊設しているので、作業機を避けて乗降するときに姿勢を崩し易かったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そして、本発明はこのような問題点を解消するために、次のような手段を用いる。
前後方向に機体フレーム(1)を設け、該機体フレーム(1)の前部に一輪の前輪(2)を支持し、後部に2輪の後輪(3・3)を支持し、前後の車輪の間の腹部に作業機(D)を昇降可能に吊設した、3輪型の乗用型管理作業車において、該機体フレーム(1)の前下部にブラケット(18)を下方に突出し、該ブラケット(18)の上下位置に、上リ ンク(19)と下リンク(20)の前部を枢支し、該上リンク(19)と下リンク(20)の他端に、前記作業機(D)のヒッチ(21)を枢支し、油圧シリンダー(22)を介装した昇降機構(C)により作業機(D)を昇降可能とし、該ヒッチ(21)に、左右方向に延出する棒状のツールバー(23)の中央部を固設し、該ツールバー(23)の中央部と左右側部に、取付け位置を変更可能に複数の作業機(D)を装着し複数条の管理作業を可能とし、前記機体フレーム(1)の中途部上に、上方へステアリングハンドル(14)を突出し、ステアリングハンドル(14)を支持する筒体(44)の両側部と、その下方の機体フレーム(1)の両側部の間に、左右のアシストパイプ(48・48)を側方に突出して設け、該アシストパイプ(48・48)は、パイプ体(48a・48a)を正面視「コ」字状に折り曲げて、該パイプ体(48a・48a)の開放面側を対向させ、左右のパイプ体(48a・48a)の上側の端部を、前記筒体(44)の上下途中部の左右両側に固設し、下側の端部を機体フレーム(1)の左右側面に固定したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付の図面を基に説明する。図1は腹部に中耕ロータリを装着する乗用型管理作業車の全体側面図、図2は同じく乗用型管理作業車の全体平面図、図3は動力伝達構成を配した機体フレームを示す部分側面断面図、図4は本発明のステアリングハンドルの支持するアシストパイプを示す正面図、図5は同じくアシストパイプを示す側面図、図6は本発明のアシストパイプを配した乗用型管理作業車の斜視図、図7は他の実施例のアシストパイプを配した乗用型管理作業車の斜視図である。
【0006】
図1、図2、図6において、乗用型管理作業車Aの全体構成について説明する。乗用型管理作業車Aの運転部Bが、前後方向に長い機体フレーム1の後部に配され、該機体フレーム1の後端部にエンジンEが搭載され、ミッションケースMによって走行変速し、ミッションケースM下部に配するリアアクスルケース4より、後輪駆動ケース5を介して後輪3・3が駆動される。一方、機体フレーム1内を動力伝達軸9が挿通され(図3)、機体フレーム1前部にフロントケース7を設け、該フロントケース7下部に鉛直方向を軸心として左右回動可能に前輪駆動ケース8を装着し、該前輪駆動ケース8に一輪の前輪2を支持して駆動できるようにし、三輪駆動車を構成している。また、前記エンジンEはボンネット10によって被装され、ボンネット10前方にはミッションケースM及び後輪3を被装する車体カバー11が配され、該車体カバー11上に運転席12が載置され、運転席12前方の機体フレーム1中途部上にステアリングコラム13が立設されている。該ステアリングコラム13上部より上方にステアリングハンドル14が突出され、ステアリングコラム13の右側部にアクセルレバー15が突出され、左側部にキースイッチ16が配置されている。
【0007】
また、前記前輪2と後輪3との間位置の乗用型管理作業車Aの腹部には、作業機Dが昇降機構Cによって吊設されている。即ち、前記機体フレーム1の前下部(フロントケース7の後方位置)に、左右一対のブラケット18・18が下方に突出され、各ブラケット18・18の上下位置に、上リンク19と下リンク20との前部が枢支されて平行リンクを構成し、該上リンク19と下リンク20の他端に作業機Dのヒッチ21が枢支され、ブラケット18と下リンク20の間に油圧シリンダー22を介装して昇降機構Cを上下に回動できるようにしている。更に、前記ヒッチ21下部には、左右方向に延出する棒状のツールバー23の中央部が固設されている。該ツールバー23の中央部と左右側部に、取付け位置を変更可能に複数の作業機Dが装着され、複数条の管理作業を行えるようにしている。尚、図2に示す右側の作業機Dは、取り付け位置を左右方向中央側に装着したものであり、左側の作業機Dは左右方向外側に装着したものである。
【0008】
また、前記作業機Dとして本実施例においてロータリ耕耘機が装着されている。該ロータリ耕耘機は、ツールバー23に外嵌する装着部28と、該装着部28に固定されるチェーンケース25と、該チェーンケース25下部に軸支した耕耘軸に植設した耕耘刃26と、該耕耘刃26を被装するカバー27等より成り、前記チェーンケース25の中途部から後方にビームを突設してゲージ輪30と畝立てを行う培土板31が固設されている。尚、作業機Dはロータリ耕耘機に限定するものでなく、雑草を取り除く熊手形状のレーキ等を配置することもできる。
【0009】
また、左右方向に複数個配置した各ロータリ耕耘機は前記ミッションケースMよりユニバーサルジョイント37を介して動力が伝達される。即ち、前記ツールバー23の左右方向の略中央部に動力入力ケース36が固設され、一方、図3に示すように、前記ミッションケースM下部より前方にPTO軸35が突出され、該PTO軸35と動力入力ケース36の入力軸との間にユニバーサルジョイント軸37が介装されて動力が伝達される。該動力入力ケース36より側方に動力軸38・38が突出され、該動力軸38がチェーンケース25上部内に挿入され、各ロータリ耕耘機に動力が伝達される。また、前記ユニバーサルジョイント37は、スプライン軸や、多角形軸によって形成した伝動軸37aと、該伝動軸を摺動自在に嵌入する嵌合筒37bより成り、昇降機構Cによって昇降したときに、ミッションケースMと作業機Dとの間隔が変更しても、ユニバーサルジョイント37が伸縮して作業機Dに動力が伝達されるようにしている。
【0010】
次に、前記機体フレーム1について、図1〜図3を用いて説明する。前記機体フレーム1は、前後方向に長く筒状に形成され、ステアリングコラム13を立設した前後方向略中央位置におて、段差状に前部フレーム1aと後部フレーム1bとに形成され、更に後部フレーム1bの後端部にエンジンフレーム1c・1cが固定されている。
【0011】
前記エンジンフレーム1c・1cは、後部フレーム1bの後端上部左右に二本固設され、該エンジンフレーム1c・1cの後上部にエンジンEが載置され、エンジンフレーム1c・1cの前部に車体カバー11が載置され、ミッションケースM及び後輪3が被装されている。また、図1に示すように、前記車体カバー11上に載置する運転席12は、後輪3を支持する車軸6の上方位置に配されており、作業者が運転席12に搭乗したときに重量が車軸6上にかかり、機体全体の重量バランスが崩れないようにしている。
【0012】
また、前記後部フレーム1bは、正面断面視で下方が開放された「コ」字状に形成され、後部フレーム1bの後端部をミッションケースMの直前方位置まで延出している。前記後部フレーム1b内には、ミッションケースMの上部より前方に突出される第一動力伝達軸9aが後部フレーム1b内の上部に前後方向に配置され、前記ミッションケースMの下部より突出したPTO軸35には前記ユニバーサルジョイント37が連結され、作業機Dを上昇したときには上方へ回動し、「コ」字状に形成された後部フレーム1bの開放面内まで回動される。よって、前記作業機Dを高く上昇させても、ユニバーサルジョイント37と後部フレーム1bとが干渉することはない。
【0013】
更に、前記後部フレーム1bには、下部左右両側にステップ40が形成されて、該ステップ40の外周部にはパイプ体を屈曲した枠体41が設けられ補強している。該ステップ40は、側面視において車体カバー11の前部からステアリングコラム13側方まで延出しているが、前方は開放されて運転席12に搭乗した作業者からは作業機Dを視認でき、また、ステップ40の前側より乗降できるようにしている。
【0014】
また、前記後部フレーム1b前上部に連結フレーム1dが固設され、該連結フレーム1d上部に前部フレーム1aの後部が固設され、該前部フレーム1a後部上にステアリングコラム13が立設され、ステアリングコラム13下部より前部フレーム1aが前方に延出されており、後部フレーム1bより一段高く前部フレーム1aが配されている。そして、前述した作業機Dを吊設する昇降機構Cが、前部フレーム1aの前部に配されているので、図1に示すように、昇降機構Cがステップ40面より高い位置に配置でき、また、作業機Dを上昇させた位置において、作業機Dのヒッチ21もステップ40の配設面より高く保持でき、作業機Dを高く上昇できる。
【0015】
また、前記前部フレーム1a内部に第二動力伝達軸9bや操向回動軸43が支持されている。該操向回動軸43の後部は、ジョイント軸46を介して操作軸45の下部に連結されており、該操作軸45はステアリングコラム13内に上下方向に支持されてステアリングハンドル14に連動連結されている。
【0016】
また、前記段差状に形成した前部フレーム1a後部と後部フレーム1b前部の間に垂直状にチェーンケース50が配置され、該チェーンケース50の下部に第一動力伝達軸9aが連結され、第二動力伝達軸9bの後部がチェーンケース50の上部に連結されて動力を伝達する構成としている。
【0017】
次に、ステアリングハンドル14の支持構成に付いて図3〜図5を用いて説明する。前記ステアリングハンドル14は、ステアリングコラム13の内部の、前部フレーム1aの後端部に立設する支持部材に支持されている。即ち、前部フレーム1aの後端部に正面視「コ」字状の固定体47が固設され、「コ」字状の固定体47の開放面内に前部フレーム1aの左右側面が固定され、固定体47の閉塞面側上に支持部材としての筒体44を立設し、該筒体44をステアリングコラム13の上部より上方に突出されている。前記筒体44の内部に操作軸45が軸支され、該操作軸45の上端部にステアリングハンドル14が連動連結されている。また、前記ステアリングコラム13上部は筒体44に固定され、アクセルレバー15の基部も筒体44に固定されている。
【0018】
そして、本発明において、前記ステアリングハンドル14を支持する、筒体44と機体フレーム1の間にアシストパイプ48が設けられている。図4、図5に示すように、該アシストパイプ48は、パイプ体48a・48aを正面視「コ」字状に折り曲げて、開放面側を対向させて、左右のパイプ体48a・48aの上側の端部を固定板48bによって、前記筒体44の上下途中部の左右両側に突設したステー49・49に固設している。パイプ体48a・48aの下側の端部は挟持板48c・48cによって連結フレーム1dの左右側面に固定している。
【0019】
このようにアシストパイプ48はステアリングコラム13の左右側面より側方に突出されて、ステアリングコラム13の筒体44と機体フレーム1の間を補強し、作業者が運転部Bに乗降する際に手摺りとして利用することができ、腹部に作業機Dを配置した機体の側方から容易に乗降できるようにしている。
【0020】
また、アシストパイプ48の固定構造の別実施例として、図7に示すように構成することもできる。ステアリングコラム13’は前面を前方に膨出させて、前部フレーム1aの前後途中部まで被装し、内部を燃料タンクとして使用したり、バッテリーケースとして使用することができるようにしている。また、アシストパイプ48は下端部を下方に延出し、ステップ40の枠体41の前左右途中部に固設して、アシストパイプ48’は正面視逆L字状に構成することもできる。このようにして筒体44を強固に補強する構成とし、アシストパイプ48’は上下方向に長くなり、昇降時に握る部分が長くなりステップ40への乗降を容易にしている。
【0021】
【発明の効果】
このように構成したことによって、次のような効果を奏するのである。
前後方向に機体フレーム(1)を設け、該機体フレーム(1)の前部に一輪の前輪(2)を支持し、後部に2輪の後輪(3・3)を支持し、前後の車輪の間の腹部に作業機(D )を昇降可能に吊設した、3輪型の乗用型管理作業車において、該機体フレーム(1)の前下部にブラケット(18)を下方に突出し、該ブラケット(18)の上下位置に、上リンク(19)と下リンク(20)の前部を枢支し、該上リンク(19)と下リンク(20)の他端に、前記作業機(D)のヒッチ(21)を枢支し、油圧シリンダー(22)を介装した昇降機構(C)により作業機(D)を昇降可能とし、該ヒッチ(21)に、左右方向に延出する棒状のツールバー(23)の中央部を固設し、該ツールバー(23)の中央部と左右側部に、取付け位置を変更可能に複数の作業機(D)を装着し複数条の管理作業を可能とし、前記機体フレーム(1)の中途部上に、上方へステアリングハンドル(14)を突出し、ステアリングハンドル(14)を支持する筒体(44)の両側部と、その下方の機体フレーム(1)の両側部の間に、左右のアシストパイプ(48・48)を側方に突出して設け、該アシストパイプ(48・48)は、パイプ体(48a・48a)を正面視「コ」字状に折り曲げて、該パイプ体(48a・48a)の開放面側を対向させ、左右のパイプ体(48a・48a)の上側の端部を、前記筒体(44)の上下途中部の左右両側に固設し、下側の端部を機体フレーム(1)の左右側面に固定したので、ステアリングハンドルの支持部材の剛性を高めることができ、機体の振動を抑えることができ、ステアリングハンドルの操作性を向上すると同時に、ステアリングコラムに取付けたアクセルレバーやキースイッチの操作性も向上することができる。
また、前記アシストパイプを、乗降時の把手として使用することができるので、腹部に作業機を配し、乗降のスペースが規制された機体の側部からの乗降であっても、不安定になることなく容易に乗降できる。また運転時においても、腹部の作業機が回転していても、アシストパイプがあるので、作業機の方向へ落ちたりするという不安定になることがない。
更に、前記アシストパイプ上には、作業灯や、方向指示器、マーカ等の付属品を容易に装着することができ、ブラケット等を余分に装着する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 腹部に中耕ロータリを装着する乗用型管理作業車の全体側面図である。
【図2】 同じく乗用型管理作業車の全体平面図である。
【図3】 動力伝達構成を配した機体フレームを示す部分側面断面図である。
【図4】 本発明のステアリングハンドルの支持するアシストパイプの正面図である。
【図5】 同じくアシストパイプを示す側面図である。
【図6】 本発明のアシストパイプを配した乗用型管理作業車の斜視図である。
【図7】 他の実施例のアシストパイプを配した乗用型管理作業車の斜視図である。
【符号の説明】
A 乗用型管理作業車
D 作業機
1 機体フレーム
2 前輪
3 後輪
13 ステアリングコラム
14 ステアリングハンドル
44 筒体
48 アシストパイプ
Claims (1)
- 前後方向に機体フレーム(1)を設け、該機体フレーム(1)の前部に一輪の前輪(2)を支持し、後部に2輪の後輪(3・3)を支持し、前後の車輪の間の腹部に作業機(D)を昇降可能に吊設した、3輪型の乗用型管理作業車において、該機体フレーム(1)の前下部にブラケット(18)を下方に突出し、該ブラケット(18)の上下位置に、上リンク(19)と下リンク(20)の前部を枢支し、該上リンク(19)と下リンク(20)の他端に、前記作業機(D)のヒッチ(21)を枢支し、油圧シリンダー(22)を介装した昇降機構(C)により作業機(D)を昇降可能とし、該ヒッチ(21)に、左右方向に延出する棒状のツールバー(23)の中央部を固設し、該ツールバー(23)の中央部と左右側部に、取付け位置を変更可能に複数の作業機(D)を装着し複数条の管理作業を可能とし、前記機体フレーム(1)の中途部上に、上方へステアリングハンドル(14)を突出し、ステアリングハンドル(14)を支持する筒体(44)の両側部と、その下方の機体フレーム(1)の両側部の間に、左右のアシストパイプ(48・48)を側方に突出して設け、該アシストパイプ(48・48)は、パイプ体(48a・48a)を正面視「コ」字状に折り曲げて、該パイプ体(48a・48a)の開放面側を対向させ、左右のパイプ体(48a・48a)の上側の端部を、前記筒体(44)の上下途中部の左右両側に固設し、下側の端部を機体フレーム(1)の左右側面に固定したことを特徴とする乗用型管理作業車。
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