JP7114498B2 - 作業車両 - Google Patents
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Description
エンジンの下部を支持する前フレームと、前記エンジンを覆うボンネットと、車体の前方に配置されるインプルメントを昇降可能に支持するフロントリンク機構と、前記フロントリンク機構を介して前記インプルメントを昇降駆動するアクチュエータとを備え、
前記フロントリンク機構は、車体の左右方向に延びる第1支軸と、前記第1支軸を支点にして上下方向に揺動する左右の揺動リンクとを有し、
前記揺動リンクは、前記第1支軸から前記インプルメントに架設され、
前記第1支軸が、前記ボンネットの下方で当該ボンネットの前端よりも車体後側の位置に配置されている点にある。
又、インプルメントの昇降ストロークを長くすることで、使用可能なインプルメントの種類が多くなり、その結果、作業車両による作業の多様性を図ることができる。
つまり、各揺動リンクの揺動支点となる第1支軸を、ボンネットの下方でボンネットの前端よりも車体後側の位置に配置することにより、車体にフロントリンク機構やインプルメントを備えることに起因して作業車両の運転や輸送が行い難くなることを抑制しながら、作業車両による作業の多様性を図ることができる。
車体の左右方向に延びて左右の前輪を支持する前輪支持部材と、前記前フレームから下方に延びて前記前輪支持部材を支持する前ブラケットと後ブラケットとを備え、
前記第1支軸が、前記前ブラケットの下端よりも下方で前記前輪支持部材の下端よりも上方の位置で、かつ、前記前ブラケットの前端よりも車体後側で前記前輪支持部材よりも車体前側の位置に配置されている点にある。
又、第1支軸が前輪支持部材の近くに配置されることにより、各揺動リンクにおける車体の前端から車体後側への入り込み長さを長くすることができる。これにより、フロントリンク機構やインプルメントを含む車体の全長が長くなることを抑制しながらも、各揺動リンクの長さをより長くすることができ、よって、インプルメントが昇降するときの昇降移動量に対する車体前後方向への移動量を小さくすることができる。
つまり、作業車両の運転や輸送が行い難くなる不都合を招くことなく、インプルメントの昇降駆動時にインプルメントが車体に接触する虞を回避し易くすることができる。又、インプルメントの昇降ストロークを更に長くすることができ、その結果、使用可能なインプルメントの種類をより多くすることができ、作業車両による作業の多様性を更に図ることができる。
前記アクチュエータが、車体の前後方向に伸縮する前後向き姿勢で前記ボンネットの下方に配置された油圧シリンダである点にある。
その結果、油圧シリンダとして、ボンネットの下方に配置し易い伸縮ストロークの短い小型のものを採用しても、使用可能なインプルメントの種類を多くすることができ、作業車両による作業の多様性を図ることができる。
前記油圧シリンダが、前記前輪よりも車体の左右中央側で、前記前輪の右最大切れ角位置と左最大切れ角位置との間の位置に配置されている点にある。
その結果、左右の前輪のトレッドを広くすることによる作業車両の大型化を招くことなく、使用可能なインプルメントの種類を多くすることができ、作業車両による作業の多様性を図ることができる。
前記ボンネットは、前記前フレームの左右両側端から横外方に張り出す左右の張出部を有し、
前記油圧シリンダは、左右一対で、各シリンダチューブの外径が前記張出部の左右幅よりも短い小径に設定されている点にある。
そして、油圧シリンダが左右一対であることにより、各油圧シリンダが、各張出部の左右幅内に配置される小径で出力の小さいものであったとしても、重量の大きいインプルメントを速やかに昇降駆動させることができる。
つまり、油圧シリンダとして、ボンネットの下方に配置し易い小径のものを採用しながら、作業車両による作業の多様性を図ることができる。
前記油圧シリンダが、前記前フレームの上下幅内に配置され、
前記フロントリンク機構は、前記ボンネットの下方で前記第1支軸よりも上方の位置において車体の左右方向に延びる第2支軸と、前記第2支軸を支点にして揺動する左右のリフトアームと、前記リフトアームから前記揺動リンクの前後中間部にわたる左右のリフトロッドとを有し、
前記リフトアームは、前記第2支軸から上方に延びて前記油圧シリンダに連結される第1アーム部と、前記第2支軸から車体前側に延びて前記リフトロッドを支持する第2アーム部とを有し、前記第2アーム部における前記第2支軸から前記リフトロッドまでの長さが、前記第1アーム部における前記第2支軸から前記油圧シリンダまでの長さよりも長くなっている点にある。
そして、インプルメントの昇降駆動時には、油圧シリンダの車体前後方向での伸縮動作が、各リフトアームのアーム比に応じて増幅されながら各第2アーム部の上下揺動に変換される。又、各第2アーム部の上下揺動が、左右の揺動リンクに対する各リフトロッドの連結位置に応じて増幅されながら各揺動リンクの上下揺動に変換される。その結果、油圧シリンダとして伸縮ストロークの短い小型のものを採用しても、インプルメントの昇降ストロークを長くすることができる。
つまり、油圧シリンダとして、ボンネットの下方に更に配置し易い伸縮ストロークのより短い小型のものを採用しながらも、使用可能なインプルメントの種類を多くすることができ、作業車両による作業の多様性を図ることができる。
前記インプルメントが、前記エンジンからの動力で駆動される駆動式の作業装置であり、
前記エンジンから前記作業装置への伝動を可能にする伝動ユニットを備え、
前記伝動ユニットは、前記前ブラケットとの間に前記第2支軸の配置を可能にする前後間隔を置いて前記前フレームの前端部に連結されている点にある。
つまり、インプルメントの昇降ストロークを短くすることなく、インプルメントとして駆動式の作業装置を使用することができ、結果、作業車両による作業の多様性を更に図ることができる。
なお、本発明は、トラクタ以外の例えば乗用草刈機や乗用田植機などの作業車両に適用することができる。
具体的には、減速機構47は、正回転動力取り出し用においては、図8に示すように、作業クラッチ46を介して入力軸45と一体回転する従動軸49、従動軸49とフロントPTO軸48との間に配置される第1中継軸50、従動軸49と一体回転する第1減速ギア51、第1減速ギア51と噛み合い連動する第2減速ギア52、第2減速ギア52と第1中継軸50を介して一体回転する第3減速ギア53、及び、第3減速ギア53と噛み合い連動し、かつ、フロントPTO軸48と一体回転する第4減速ギア54、などが備えられている。これにより、減速機構47は、正回転動力取り出し用においては、エンジン4からの動力を、所定の減速比で減速した後に、正回転動力としてフロントPTO軸48に伝えることができる。
減速機構47は、逆回転動力取り出し用においては、図9に示すように、正回転動力取り出し用の構成部品に加えて、第1中継軸50の横側方に平行に配置される第2中継軸55、及び、等速伝動用の第1等速ギア56と第2等速ギア57、などが備えられている。そして、正回転動力取り出し用の伝動構成に代えて、第2減速ギア52が第1中継軸50を介して第1等速ギア56と一体回転し、第1等速ギア56が第2等速ギア57と噛み合い連動する。又、第2等速ギア57が、第2中継軸55を介して第3減速ギア53と一体回転する。これにより、減速機構47は、逆回転動力取り出し用においては、エンジン4からの動力を、正回転動力取り出し用の場合と同じ所定の減速比で減速した後に、逆回転動力としてフロントPTO軸48に伝えることができる。
又、インプルメント100の昇降ストロークが長くなることで、使用可能なインプルメント100の種類が多くなり、これにより、トラクタ1による作業の多様性を図ることができる。ちなみに、このトラクタ1において使用可能なフロントマウント式のインプルメント100には、前述した図1に示すスノーブロア110以外に、図10に示すバランスウェイト120や図11に示すフロントブレード130、図示しないフロントモア、フロントバケット、フロントスイーパ、フロントカルチベータ、などがある。
そして、各ロアリンク38の長さが長くなることにより、インプルメント100が昇降するときの昇降移動量に対する車体前後方向への移動量を小さくすることができる。又、第1支軸39が前車軸ケース10の下端よりも上方の比較的高い位置に配置されることにより、各ロアリンク38の上昇揺動によるインプルメント100の上昇駆動時には、その上昇に伴うインプルメント100の車体側への変位を抑制することができる。その結果、使用可能なインプルメント100の種類を多くしながらも、インプルメント100の昇降駆動時にインプルメント100が車体に接触する虞を回避し易くなる。
そして、左右一対の油圧シリンダ33が配置されるボンネット6の下方の位置が、左右の前輪2よりも車体の左右中央側で、前輪2の右最大切れ角位置と左最大切れ角位置との間の位置であることから、左右の前輪2のトレッドを広くすることなく、左右の油圧シリンダ33が操舵可能な左右の前輪2と干渉する虞を回避することができる。
又、各油圧シリンダ33におけるシリンダチューブ33Aの外径が前述したボンネット6の左右の張出部6Aにおける下端の左右幅Wよりも短い小径に設定されていることから、ボンネット6の下方における左右の張出部6Aの左右幅W内で、かつ、前フレーム5の上下幅内の空間を各油圧シリンダ33の配置スペースに有効利用することができる。
しかも、油圧シリンダ33が左右一対であることにより、各油圧シリンダ33が、各張出部6Aの左右幅W内に配置可能な小径で出力の小さいものであったとしても、重量の大きいインプルメント100を速やかに昇降駆動させることができる。
本発明の別実施形態について説明する。
なお、以下に説明する各別実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の別実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
例えば、作業車両1は、左右の後輪3に代えて左右のクローラを備えるセミクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両1は、左右の前輪2及び左右の後輪3に代えて左右のクローラを備えるフルクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両1は、エンジン4と電動モータとを備えるハイブリッド仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両1は、左右の前輪2が駆動されない二輪駆動式に構成されていてもよい。
例えば、作業車両1は、自動運転システムを備えて自動走行可能に構成されていてもよい。
例えば、フロントリンク機構32は、トップリンク37を備えずに、左右の揺動リンク38が備えられた2点リンク式に構成されていてもよい。
例えば、フロントリンク機構32は、単一のアクチュエータ33によって左右の揺動リンク38が揺動駆動される構成であってもよい。
例えば、フロントリンク機構32は、左右の揺動リンク38と一体揺動する操作アームを有して、操作アームがアクチュエータ33によって直に揺動駆動される構成であってもよい。
例えば、第1支軸39は、ボンネット6の下方におけるボンネット6の前端よりも車体後側で、かつ、前フレーム5の前端よりも車体前側の位置に配置されていてもよい。
例えば、第1支軸39は、ボンネット6の下方における前フレーム5の前端よりも車体後側の位置に配置されていてもよい。
例えば、第1支軸39は、ボンネット6の下方における伝動ユニット34と前車軸ケース10を支持する前ブラケット12との間の位置に配置されていてもよい。
例えば、第1支軸39は、前フレーム5と前車軸ケース(前輪支持部材)10と前ブラケット12との間に形成された空間に配置されていてもよい。
例えば、第1支軸39は、前車軸ケース(前輪支持部材)10と同等の高さ位置に配置されていてもよい。
例えば、第2支軸40は、ボンネット6の下方における第1支軸39よりも車体後側の位置に配置されていてもよい。
例えば、第2支軸40は、前フレーム5と前車軸ケース(前輪支持部材)10と前ブラケット12との間に形成された空間に配置されていてもよい。
例えば、アクチュエータ33は、電動モータと電動モータによって伸縮駆動されるシリンダ部とを有する電動シリンダであってもよい。
例えば、アクチュエータ33は、シリンダチューブ33Aの外径が前述したボンネット6の張出部6Aの左右幅Wよりも長い大径に設定された油圧シリンダ33であってもよい。
例えば、アクチュエータ33は単一のものであってもよい。
例えば、アクチュエータ33は、前フレーム5における左右のサイドプレート18の間に配置されていてもよい。
例えば、アクチュエータ33は、ボンネット6の下方におけるボンネット6と前車軸ケース(前輪支持部材)10との間の位置に、前下がり姿勢で配置されていてもよい。
例えば、アクチュエータ33は、ボンネット6の内部に配置されていてもよい。
4 エンジン
5 前フレーム
6 ボンネット
6A 張出部
10 前車軸ケース(前輪支持部材)
12 前ブラケット
13 後ブラケット
32 フロントリンク機構
33 油圧シリンダ(アクチュエータ)
33A シリンダチューブ
34 伝動ユニット
38 揺動リンク(ロアリンク)
39 第1支軸
40 第2支軸
41 リフトアーム
41A 第1アーム部
41B 第2アーム部
42 リフトロッド
100 インプルメント
Claims (7)
- エンジンの下部を支持する前フレームと、前記エンジンを覆うボンネットと、車体の前方に配置されるインプルメントを昇降可能に支持するフロントリンク機構と、前記フロントリンク機構を介して前記インプルメントを昇降駆動するアクチュエータと、車体の左右方向に延びて左右の前輪を支持する前輪支持部材と、前記前フレームから下方に延びて前記前輪支持部材を支持する前ブラケットとを備え、
前記フロントリンク機構は、車体の左右方向に延びる第1支軸と、前記第1支軸を支点にして上下方向に揺動する左右の揺動リンクとを有し、
前記揺動リンクは、前記第1支軸から前記インプルメントに架設され、
前記第1支軸が、前記ボンネットの下方で当該ボンネットの前端よりも車体後側の位置で、かつ、前記前ブラケットの下端よりも下方の位置に配置されている作業車両。 - エンジンの下部を支持する前フレームと、前記エンジンを覆うボンネットと、車体の前方に配置されるインプルメントを昇降可能に支持するフロントリンク機構と、前記フロントリンク機構を介して前記インプルメントを昇降駆動するアクチュエータと、車体の左右方向に延びて左右の前輪を支持する前輪支持部材と、前記前フレームから下方に延びて前記前輪支持部材を支持する前ブラケットとを備え、
前記フロントリンク機構は、車体の左右方向に延びる第1支軸と、前記第1支軸を支点にして上下方向に揺動する左右の揺動リンクとを有し、
前記揺動リンクは、前記第1支軸から前記インプルメントに架設され、
前記第1支軸が、前記ボンネットの下方で当該ボンネットの前端よりも車体後側の位置で、かつ、前記前ブラケットの前端よりも車体後側の位置に配置されている作業車両。 - 前記第1支軸が、前記前輪支持部材の下端よりも上方の位置で、かつ、前記前輪支持部材よりも車体前側の位置に配置されている請求項1又は2に記載の作業車両。
- 前記アクチュエータが、車体の前後方向に伸縮する前後向き姿勢で前記ボンネットの下方に配置された油圧シリンダであり、
前記油圧シリンダが、前記前輪よりも車体の左右中央側で、前記前輪の右最大切れ角位置と左最大切れ角位置との間の位置に配置されている請求項1~3のいずれか一項に記載の作業車両。 - 前記ボンネットは、前記前フレームの左右両側端から横外方に張り出す左右の張出部を有し、
前記油圧シリンダは、左右一対で、各シリンダチューブの外径が前記張出部の左右幅よりも短い小径に設定されている請求項4に記載の作業車両。 - 前記油圧シリンダが、前記前フレームの上下幅内に配置され、
前記フロントリンク機構は、前記ボンネットの下方で前記第1支軸よりも上方の位置において車体の左右方向に延びる第2支軸と、前記第2支軸を支点にして揺動する左右のリフトアームと、前記リフトアームから前記揺動リンクの前後中間部にわたる左右のリフトロッドとを有し、
前記リフトアームは、前記第2支軸から上方に延びて前記油圧シリンダに連結される第1アーム部と、前記第2支軸から車体前側に延びて前記リフトロッドを支持する第2アーム部とを有し、前記第2アーム部における前記第2支軸から前記リフトロッドまでの長さが、前記第1アーム部における前記第2支軸から前記油圧シリンダまでの長さよりも長くなっている請求項4又は5のいずれか一項に記載の作業車両。 - エンジンの下部を支持する前フレームと、前記エンジンを覆うボンネットと、車体の前方に配置されるインプルメントを昇降可能に支持するフロントリンク機構と、前記フロントリンク機構を介して前記インプルメントを昇降駆動するアクチュエータと、車体の左右方向に延びて左右の前輪を支持する前輪支持部材と、前記前フレームから下方に延びて前記前輪支持部材を支持する前ブラケットとを備え、
前記フロントリンク機構は、前記ボンネットの下方の位置において車体の左右方向に延びる第2支軸と、前記第2支軸を支点にして揺動する左右のリフトアームとを有し、
前記インプルメントが、前記エンジンからの動力で駆動される駆動式の作業装置であり、
前記エンジンから前記作業装置への伝動を可能にする伝動ユニットを備え、
前記伝動ユニットは、前記前ブラケットとの間に前記第2支軸の配置を可能にする前後間隔を置いて前記前フレームの前端部に連結されている作業車両。
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