JPH06125607A - 歩行型移動農機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 １台の機械で耕耘作業並びに芝刈り作業がで
きるように機体の汎用性を図るると共に、その為の機械
を機体安定性のよいものから得しめんとする。 【構成】 エンジン１の下部に、高速用ＰＴＯ軸９Ａと
低速用ＰＴＯ軸９Ｂとを備えたミッションケース２を設
け、このミッションケース２に、前記低速用ＰＴＯ軸９
Ｂと連動するロータリ耕耘装置３のロータリケース３ａ
を機体前方に突出する姿勢で連結する取付部２ａと、高
速用ＰＴＯ軸９Ａと連動するロータリ耕耘装置３のロー
タリケース３ａを機体前方に突出する姿勢で連結する取
付部２ｂとを設けて、ロータリ耕耘装置３と芝刈り用ロ
ータリ装置２２を付け換え可能に構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、歩行型移動農機に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、耕耘作業や芝刈り作業を行うに当
たっては、夫々、専用の歩行型耕耘機や歩行型芝刈機を
用いていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】夫々の専用機は、稼働
率が低く、維持、管理にコストが高く付く不都合があ
る。又、歩行型耕耘機や歩行型芝刈機は、夫々、機体の
重心位置が高く、つまり、歩行型耕耘機においては、実
開平３−１２９００１号公報に示されるように、縦型の
走行ミッションケースの前面にエンジン搭載フレームを
連結して走行車輪の前方にエンジンを配設すると共に、
走行ミッションケースの後方にロータリ耕耘装置を配置
する構造、そして、歩行型芝刈機においては、実開平３
−９２９０３号公報に示されるように、縦型の走行ミッ
ションケースの後面にエンジン搭載フレームを連結して
走行車輪の後方にエンジンを配設すると共に、走行ミッ
ションケースの前方にモーアを配置する構造のものであ
るから、機体のピッチングやローリングを発生し易く作
業が行ない難い不都合がある。本発明は、機体の重心位
置を低くしてピッチングやローリングを抑制すると共
に、ロータリ作業並びに芝刈り作業が行えるように機体
の汎用性をはかることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の特徴は、下方に向けて出力軸を突設したエン
ジンの下部に、高速用ＰＴＯ軸と低速用ＰＴＯ軸とをケ
ース側壁から突出する状態で設けたミッションケースを
連結し、このミッションケースに、前記低速用ＰＴＯ軸
と連動するロータリ耕耘装置のロータリケースを機体前
方に突出する姿勢で連結する取付部と、高速用ＰＴＯ軸
と連動するロータリ耕耘装置のロータリケースを機体前
方に突出する姿勢で連結する取付部とを設けて、前記ロ
ータリ耕耘装置と芝刈り用ロータリ装置を付け換え可能
に構成すると共に、前記エンジンの後方下部に走行車輪
を配置し、更に、前記ミッションケースの低速用ＰＴＯ
軸を走行車輪から遠ざけて、かつ、前記高速用ＰＴＯ軸
を走行車輪に近づけて配置した点にある。

【０００５】

【作用】耕耘作業を行なう場合には、図２に示すよう
に、低速用ＰＴＯ軸９Ｂにロータリ耕耘装置側の伝動軸
１０Ａを連結することで、図１並びに図４に示すよう
に、耕耘作業を行なうことができる歩行型移動農機を構
成することができる。芝刈り作業を行なう場合には、図
２に示す、高速用ＰＴＯ軸９Ａに芝刈り用ロータリ装置
側の伝動軸（図示せず）を連結することで、図５に示す
ように、芝刈り作業が行なえる歩行型移動農機に構成す
ることができる。そして、エンジンの下部に水平方向に
突出するロータリ耕耘装置のロータリケース、又は、芝
刈り用ロータリ装置のロータリケースを設けることで、
エンジンの対地高さを低くすることができ、しかも、ミ
ッションケースやロータリケース内のギア等の伝動装置
が低い位置に並ぶ為、より機体の重心位置を低くするこ
とができる。そして、耕耘作業用の低速用ＰＴＯ軸を走
行車輪から遠ざけて、芝刈り用の高速用ＰＴＯ軸を走行
車輪に近づけて配設してあるから、重量が必要な土工作
業は前荷重となり、重量のあまり必要でない芝刈り作業
は、前荷重が軽減され、且つ機体の全長が短くなる。

【０００６】

【発明の効果】上記構成の結果、一台の歩行型移動農機
で耕耘作業と、芝刈り作業が行なえ、作業機の維持、管
理のコストが安くなる。又、機体のピッチング並びにロ
ーリングの抑制がはかれ、機体の操縦操作が行い易くな
る。更に、エンジン荷重が、ロータリ耕耘装置の打ち込
み反力に伴うロータリ耕耘装置の浮き上がりを抑制する
ので、操縦ハンドルに大きな力を加えずともロータリ作
業が行える。更に又、芝刈り作業を行なう場合には、前
荷重が抑制されると共に、機体の全長が短くなることに
よって、機体が取り扱い易くなる。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。図１に示すように、エンジン１の出力軸１ａを下方
に向けたバーチカルエンジンの下部に、ミッションケー
ス２を連結すると共に、このミッションケース２に、サ
イドドライブ型ロータリ耕耘装置３のロータリケース３
ａを前方に突出する水平姿勢で連結して、エンジン１の
前方にサイドドライブ型ロータリ耕耘装置３を配設し、
ミッションケース２の背面に、走行車輪４を備えたフレ
ーム５を連結して、そのフレーム５に、操縦ハンドル６
を取付けてサイドドライブ型の歩行型耕耘機を構成して
ある。

【０００８】前記エンジン１からの出力は、ロータリ用
クラッチ７を介して、図２に示すように、ミッションケ
ース２内のベベルギア８に伝動されるようになってい
る。前記ミッションケース２内には、前記ベベルギア８
及び高低２段に変速可能なギア変速装置９が内装されて
おり、前記ギア変速装置９の変速ギア９ａを装着する伝
動上手側の伝動軸９Ａ、つまり、走行車輪４に近い伝動
軸９Ａが芝刈り用の高速用ＰＴＯ軸に、ギア変速装置９
の受動ギア９ｂを装着する伝動下手側の伝動軸９Ｂ、つ
まり、走行車輪４から遠い側の伝動軸９Ｂがロータリ耕
耘装置用の低速用ＰＴＯ軸に構成され、ミッションケー
ス２の側壁から、夫々、突出して設けられている。

【０００９】前記ロータリ耕耘装置３のロータリケース
３ａ内には、チェーン伝動装置１０が内装されており、
駆動側スプロケット１０ａの支持軸１０Ａが前記低速用
ＰＴＯ軸９Ｂと連動連結されている。前記ミッションケ
ース２の他側壁に、ロータリ耕耘装置３の支持枠３ｂが
連結されており、この支持枠３ｂと前記ロータリケース
３ａとに亘ってロータリ耕耘装置３が架設されている。
前記ロータリ耕耘装置３のロータリ軸３ｃの一端側は、
ロータリケース３ａの従動側スプロケット１０ｂにスプ
ライン嵌合を介して抜差し自在に内嵌され、他端側が、
支持枠３ｂのベアリングに抜差し自在に内嵌され、前記
ロータリケース３ａと支持枠３ｂに対して分離自在にな
っている。

【００１０】前記走行車輪４へは、図１に示すように、
前記ロータリクラッチ７よりも伝動上手側部分から分岐
された伝動軸１１、並びに、走行クラッチ１２を介して
走行用減速ケース１３内の減速ギアを介して前記走行車
輪４に伝動されるようになっている。前記操縦ハンドル
６には、操縦ハンドル６と共握り可能なロータリクラッ
チレバー１４、並びに、走行クラッチレバー１５が装着
されており、操縦ハンドル５から手を離せばロータリ耕
耘装置３と走行車輪４の伝動が断たれるように安全性が
はかられている。図２及び図３に示すように、前記ロー
タリ耕耘装置３の変速ギア９ａは、ロータリ変速レバー
１６を縦軸芯周Ｘりに左右方向に操作するとシフトロッ
ド９ｃが左右方向にスライド操作されて変速が行なわれ
るようになっている。図３に示すように、前記エンジン
１は、ミッションケース２の上方４箇所に突出する状態
に設けられたステー２Ａに固定連結されている。図１に
示すように、前記ロータリ耕耘装置３の前方には、ゲー
ジ輪１７が配設されており、前記ゲージ輪１７は、ロー
タリカバー１８上面の左右一対の取付けブラケット１９
に連結されている。前記ロータリカバー１８は、ロータ
リカバー１８の上面に付設された左右一対の取付けブラ
ケット１９の後端がミッションケース２の側壁にボルト
連結され、そして、ロータリカバー１８の上面に付設さ
れた別の取付けステー２０がエンジン１に連結されて支
持されている。前記フレーム５の後端には、機体に走行
抵抗を与える為の抵抗棒取付け用の筒状ブラケット２１
が設けられている。

【００１１】芝刈り作業を行う場合には、ロータリ耕耘
装置３の伝動装置を利用するものであって、つまり、ロ
ータリケース３ａ内のチェーン伝動装置１０と支持枠３
ｂを利用するものであって、ミッションケース２の左側
面に取付けているロータリケース３ａとミッションケー
ス２の右側面に取付けている支持枠３ｂとを取外して、
その取外したロータリケース３ａをミッションケース２
の右側面に、支持枠３ｂをミッションケース２の左側面
に取付けて、ロータリケース３ａの伝動軸１０Ａと高速
用ＰＴＯ軸９Ａとを連動連結し、そして、ロータリケー
ス３ａと支持枠３ｂとに亘って芝刈り用のロータリ装置
２２を架設して芝刈り用歩行型耕耘機を構成する。前記
ミッションケース２の両側壁の外面には、前記ロータリ
ケース３ａ並びに支持枠３ｂを前方突出の水平姿勢で固
定連結することができるロータリ耕耘装置３に対する取
付部２ａ，２ａと芝刈り用のロータリ装置２２に対する
取付部２ｂ，２ｂが夫々設けられている。

【００１２】〔別実施例〕芝刈り用のロータリ装置を連
結するに当たって、耕耘装置のロータリケース３ａと支
持枠３ｂとを利用したが、専用のロータリケース３ａと
支持枠３ｂを用いて連結してもよい。

【００１３】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】全体側面図

【図２】ミッションケースの内部を示す横断平面図

【図３】エンジンとミッションケースの連結状態を示す
側面図

【図４】耕耘ロータリ装置を取付けた状態を示す平面図

【図５】芝刈り用ロータリ装置を取付けた状態を示す平
面図

【符号の説明】

１ エンジン ２ ミッションケース ３ ロータリ耕耘装置 ３ａ ロータリケース ６ 走行車輪

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下方に向けて出力軸（１ａ）を突設した
   エンジン（１）の下部に、高速用ＰＴＯ軸（９Ａ）と低
   速用ＰＴＯ軸（９Ｂ）とをケース側壁から突出する状態
   で設けたミッションケース（２）を連結し、このミッシ
   ョンケース（２）に、前記低速用ＰＴＯ軸（９Ｂ）と連
   動するロータリ耕耘装置（３）のロータリケース（３
   ａ）を機体前方に突出する姿勢で連結する取付部（２
   ａ）と、高速用ＰＴＯ軸（９Ａ）と連動するロータリ耕
   耘装置（３）のロータリケース（３ａ）を機体前方に突
   出する姿勢で連結する取付部（２ｂ）とを設けて、前記
   ロータリ耕耘装置（３）と芝刈り用ロータリ装置（２
   ２）を付け換え可能に構成すると共に、前記エンジン
   （１）の後方下部に走行車輪（４）を配置し、更に、前
   記ミッションケース（２）の低速用ＰＴＯ軸（９Ｂ）を
   走行車輪（４）から遠ざけて、かつ、前記高速用ＰＴＯ
   軸（９Ａ）を走行車輪（４）に近づけて配置してある歩
   行型移動農機。