JP3894435B2 - デジタルカメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影によって得られた画像情報が記録されると共に、記録された前記画像情報の消去の禁止を設定することができる記録媒体が装着可能に構成されたデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージ・センサ等の撮像素子の高解像度化に伴い、デジタルカメラの需要が急増している。
【0003】
また、このようなデジタルカメラでは、一般に、撮影により撮像素子を介して得られた画像情報は、当該デジタルカメラに装着された可搬型の記録媒体に記録されるものとされており、最近では、複数の異なる種類の記録媒体が装着可能に構成されたデジタルカメラも製品化されている。
【0004】
ところで、この種のデジタルカメラで用いることができる可搬型の記録媒体には、スマートメディア(Smart Media(R))、SD(Secure Digital)カード、メモリスティック、コンパクトフラッシュ(R)(Compact Flash)、マイクロドライブ等の多くの種類が存在する。そして、これらの記録媒体では、記録された情報の誤消去を防止するために次のような工夫が施されていた。
【0005】
SDカード及びメモリスティックでは書き込み防止スイッチが設けられており、当該スイッチを書き込み防止側に設定することで記録された情報の誤消去を防止することができる。また、スマートメディアではライトプロテクトシールを貼り付けることで、記録されている情報の誤消去を防止することができる。
【0006】
更に、ICメモリカードにおける記録情報の誤消去を防止するための技術として、絶縁シートを貼り付けることで情報の書き込みを防止することができるライトプロテクト端子をICメモリカードに設けた技術(特開2001−22913参照)もあった。
【0007】
これらは、記録媒体に記録されている全ての情報の誤消去を一括して防止するためのものであり、これらの記録媒体が装着可能なデジタルカメラでは、装着された記録媒体が誤消去を防止する状態とされているときには、当該記録媒体に対する新たな情報の記録や、記録されている情報の消去を行わないことは勿論のこと、当該記録媒体の初期化(本明細書では、「フォーマット」ともいう。)も行わないように構成されている。
【0008】
一方、上記のような、記録媒体に記録されている全ての情報の誤消去を一括して防止する技術の他に、記録媒体に記録されている情報のファイル単位での誤消去を防止するための技術として、ファイル毎に読み込み専用のファイルであることを示す属性であるリードオンリー属性を設定することができるように構成しておき、消去を禁止したいファイルのみリードオンリー属性を設定することにより、ファイル単位での誤消去を防止する技術があった。但し、この技術では、記録媒体の初期化が行われたときには、リードオンリー属性の設定の如何にかかわらず、全ての情報が消去される。
【0009】
しかしながら、マイクロドライブ等の一部の記録媒体には、記録されている全ての情報の誤消去を一括して防止するための配慮がなされておらず、リードオンリー属性によるファイル単位での誤消去防止のみ可能とされたものがあった。
【0010】
従って、この種の記録媒体を装着可能に構成されたデジタルカメラでは、装着された記録媒体の初期化が指示された場合には、リードオンリー属性の設定の如何にかかわらず、全ての情報が消去されてしまう、という問題点があった。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、消去の禁止が設定された画像情報の記録された記録媒体が装着され、かつ当該記録媒体の初期化の実行指示がなされたときの上記画像情報の不用意な消去を防止することができるデジタルカメラを提供することが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、撮影によって得られた画像情報が記録されると共に、記録された前記画像情報の消去の禁止を設定することができる記録媒体が装着可能に構成されたデジタルカメラであって、装着された前記記録媒体の初期化を指示する指示情報を入力する入力手段と、前記入力手段によって前記指示情報が入力されたとき、装着された前記記録媒体に消去の禁止が設定された画像情報が記録されている場合には前記指示情報に応じた初期化の実行を確認するための報知を行う報知手段と、を備えたものである。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、装着された記録媒体の初期化を指示する指示情報が入力手段によって入力されたとき、当該記録媒体に消去の禁止が設定された画像情報が記録されている場合には上記指示情報に応じた初期化の実行を確認するための報知が報知手段によって行われる。
【0014】
なお、当該報知手段による報知には、本発明のデジタルカメラに液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示手段が設けられている場合の、当該表示手段により記録媒体に対する初期化の実行を確認する旨のメッセージを表示することによる報知の他、ブザーが設けられている場合の当該ブザーの鳴動による報知、LED等のランプが設けられている場合の当該ランプの点灯や点滅による報知、音声発生装置が設けられている場合の当該音声発生装置により記録媒体に対する初期化の実行を確認する旨のメッセージを発声させることによる報知等、ユーザに対して初期化の実行を確認するための報知が行えるものであれば如何なる形態も適用できる。また、上記記録媒体には、スマートメディア、SDカード、メモリスティック、コンパクトフラッシュ(R)、マイクロドライブ等、記録情報の消去の禁止を設定することができるあらゆる可搬型の記録媒体が含まれる。
【0015】
すなわち、本発明では、装着された記録媒体の初期化が指示されたときに、当該記録媒体に消去の禁止が設定されている画像情報が記録されている場合は初期化を実行する前に、ユーザに本当に初期化を実行するか否かの確認を促すようにしている。したがって、消去の禁止が設定された画像情報が初期化によって安易に消去されることを防止できる。
【0016】
このように、請求項1に記載の発明によれば、装着された記録媒体の初期化を指示する指示情報が入力されたとき、当該記録媒体に消去の禁止が設定された画像情報が記録されている場合には上記指示情報に応じた初期化の実行を確認するための報知を行っているので、消去の禁止が設定された画像情報の記録された記録媒体が装着され、かつ当該記録媒体の初期化の実行指示がなされたときの上記画像情報の不用意な消去を防止することができる。
【0017】
一方、上記の目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、撮影によって得られた画像情報が記録されると共に、記録された前記画像情報の消去の禁止を設定することができる記録媒体が装着可能に構成されたデジタルカメラであって、装着された前記記録媒体の初期化を指示する指示情報を入力する入力手段と、前記画像情報を記憶可能な記憶手段と、前記入力手段によって前記指示情報が入力されたとき、装着された前記記録媒体に記録され、かつ消去の禁止が設定されている画像情報を前記記憶手段に記憶した後、前記記録媒体の初期化を行い、その後に前記記憶手段に記憶した画像情報を前記記録媒体に記録する初期化手段と、を備えている。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、装着された記録媒体の初期化を指示する指示情報が入力手段によって入力されたとき、初期化手段により、当該記録媒体に記録され、かつ消去の禁止が設定されている画像情報が記憶手段に記憶された後、上記記録媒体の初期化が行われ、その後に上記記憶手段に記憶された画像情報が上記記録媒体に記録される。なお、上記記憶手段には、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュEEPROM(Flash EEPROM)等の各種記憶素子が含まれる。
【0019】
すなわち、本発明では、装着された記録媒体の初期化が指示されたときに、当該記録媒体に記録され、かつ消去の禁止が設定されている画像情報をデジタルカメラに設けられた記憶手段に記憶(退避)した後に記録媒体の初期化を行うようにしている。よって、記録媒体の初期化を行うことによって当該記録媒体の全ての情報が失われても、消去の禁止が設定された画像情報については記憶手段に残された状態となる。
【0020】
そして、本発明では、記録媒体の初期化を行った後に上記記憶手段に記憶(退避)しておいた画像情報を当該記録媒体に記憶する(戻す)ようにしており、初期化が行われても消去の禁止が設定された画像情報については、見かけ上、消去されないことになる。
【0021】
このように、請求項2に記載の発明によれば、装着された記録媒体の初期化を指示する指示情報が入力されたとき、当該記録媒体に記録され、かつ消去の禁止が設定されている画像情報を記憶手段に記憶した後、上記記録媒体の初期化を行い、その後に上記記憶手段に記憶した画像情報を上記記録媒体に記録しているので、消去の禁止が設定された画像情報の記録された記録媒体が装着され、かつ当該記録媒体の初期化の実行指示がなされたときの上記画像情報の不用意な消去を防止することができる。
【0022】
ところで、本請求項2に記載の発明では、消去の禁止が設定された画像情報を記憶手段に一時的に退避することで、初期化により当該画像情報が失われないようにしている。しかし、記憶手段の記憶容量には制限があり、初期化が指示された記録媒体に記録されかつ消去の禁止が設定された画像情報が多数存在した場合、記憶容量の不足により、当該画像情報の全てを記憶手段に退避することができない場合がある。
【0023】
そこで、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記初期化手段は、前記記憶手段の記憶容量の不足により前記消去の禁止が設定されている画像情報の全てを前記記憶手段に記憶することができない場合は、予め定められた優先順位に基づいて選択した画像情報を前記記憶手段に記憶することを特徴としたものである。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の初期化手段によって、記憶手段の記憶容量の不足により消去の禁止が設定されている画像情報の全てを記憶手段に記憶することができない場合は、予め定められた優先順位に基づいて選択された画像情報が記憶手段に記憶される。
【0025】
なお、上記優先順位に基づく画像情報の選択は、記録媒体に記録された日時が新しいものを優先した選択や、サイズが大きいもの(又は、小さいもの)を優先した選択等を例示することができる。記録日時が新しい画像情報や、サイズの大きい画像情報は、それ以降、利用される可能性が高いと考えられる。一方、サイズの小さい順に優先的に記憶(退避)するようにすれば、多くの画像情報を記憶することができる。
【0026】
このように、請求項3に記載の発明によれば、記憶手段の記憶容量の不足により、消去の禁止が設定されている画像情報の全てを記憶手段に記憶することができない場合は、予め定められた優先順位に基づいて選択した画像情報を記憶手段に記憶しているので、記憶手段の記憶容量が不足している場合であっても、予め定められた優先順位において上位となる画像情報については記憶手段に記憶させることができ、当該画像情報の不用意な消去を防止することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0028】
〔第1実施形態〕
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の外観上の構成を説明する。同図に示すように、デジタルカメラ10の正面には、被写体像を結像させるためのレンズ21と、撮影時に必要に応じて被写体に照射する光を発するストロボ62と、撮影する被写体の構図を決定するために用いられるファインダ88と、が備えられている。また、デジタルカメラ10の上面には、撮影を実行する際にユーザによって押圧操作されるレリーズボタン(所謂シャッター)92と、電源スイッチ94と、が備えられている。
【0029】
なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10のレリーズボタン92は、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。そして、デジタルカメラ10では、レリーズボタン92を半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタースピード、絞りの状態)が設定された後、AF(Auto Focus、自動合焦)機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。
【0030】
一方、デジタルカメラ10の背面には、前述のファインダ88の接眼部と、撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像や各種メニュー画面、メッセージ等を表示するための液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)44と、撮影を行うモードである撮影モード及び撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像をLCD44に表示(再生)するモードである再生モードの何れか一方のモードに設定する際にユーザによってスライド操作されるモード切替スイッチ96と、LCD44の表示領域における上・下・左・右の4方向の移動方向を示す4つの矢印キー及び当該4つの矢印キーの中央部に位置された決定キーの合計5つのキーを含んで構成された十字カーソルボタン98と、以後の撮影時にストロボ62を強制的に発光させるモードである強制発光モードを設定する際にユーザによって押圧操作される強制発光スイッチ99と、が備えられている。
【0031】
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の電気系の構成を説明する。
【0032】
同図に示すように、デジタルカメラ10は、前述のレンズ21を含んで構成された光学ユニット22と、レンズ21の光軸後方に配設された電荷結合素子(以下、「CCD」という。)24と、相関二重サンプリング回路(以下、「CDS」という。)を含んで構成されたアナログ信号処理部26と、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)28と、所定容量のラインバッファを内蔵し、かつ入力されたデジタル画像データを後述するメモリ72の所定領域に直接記憶させる制御を行うと共に、デジタル画像データに対して各種のデジタル画像処理を行うデジタル信号処理部30と、を含んで構成されている。
【0033】
なお、CDSによる相関二重サンプリング処理は、固体撮像素子の出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として、固体撮像素子の1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理である。
【0034】
一方、デジタルカメラ10は、デジタル画像データにより示される画像やメニュー画面等をLCD44に表示させるための信号を生成してLCD44に供給するLCDインタフェース42と、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU(中央処理装置)50と、主として撮影により得られたデジタル画像データを記憶するVRAM(Video RAM)により構成されたメモリ72と、メモリ72に対するアクセスの制御を行うメモリインタフェース70と、コンパクトフラッシュ(R)により構成されたメモリカード82をデジタルカメラ10でアクセス可能とするための外部メモリインタフェース80と、所定の圧縮形式でデジタル画像データに対して圧縮処理を施す一方、圧縮処理されたデジタル画像データに対して圧縮形式に応じた伸張処理を施す圧縮・伸張処理回路86と、を含んで構成されている。
【0035】
デジタル信号処理部30、LCDインタフェース42、CPU50、メモリインタフェース70、外部メモリインタフェース80、及び圧縮・伸張処理回路86はシステムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU50は、デジタル信号処理部30及び圧縮・伸張処理回路86の作動の制御、LCD44に対するLCDインタフェース42を介した各種情報の表示、メモリ72及びメモリカード82へのメモリインタフェース70及び外部メモリインタフェース80を介したアクセスを行うことができる。
【0036】
一方、デジタルカメラ10には、主としてCCD24を駆動させるためのタイミング信号を生成してCCD24に供給するタイミングジェネレータ32が備えられており、CCD24の駆動はCPU50によりタイミングジェネレータ32を介して制御される。
【0037】
更に、デジタルカメラ10にはモータ駆動部34が備えられており、光学ユニット22に備えられた焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータの駆動もCPU50によりモータ駆動部34を介して制御される。
【0038】
すなわち、本実施の形態に係る光学ユニット22に含まれるレンズ21は複数枚のレンズを有し、焦点距離の変更(変倍)が可能なズームレンズとして構成されており、図示しないレンズ駆動機構を備えている。このレンズ駆動機構に上記焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータは含まれるものであり、これらのモータは各々CPU50の制御によりモータ駆動部34から供給された駆動信号によって駆動される。
【0039】
CPU50は、光学ズーム倍率を変更する際にはズームモータを駆動制御して光学ユニット22に含まれるレンズ21の焦点距離を変化させる。
【0040】
また、CPU50は、CCD24による撮像によって得られた画像のコントラスト値が最大となるように上記焦点調整モータを駆動制御することによって合焦制御を行う。すなわち、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、合焦制御として、読み取られた画像のコントラストが最大となるようにレンズの位置を設定する、所謂TTL(Through The Lens)方式を採用している。
【0041】
更に、前述のレリーズボタン92、電源スイッチ94、モード切替スイッチ96、十字カーソルボタン98、及び強制発光スイッチ99の各種ボタン類及びスイッチ類(同図では、「操作部90」と総称。)はCPU50に接続されており、CPU50は、これらの操作部90に対する操作状態を常時把握できる。
【0042】
また、デジタルカメラ10には、ストロボ62とCPU50との間に介在されると共に、CPU50の制御によりストロボ62を発光させるための電力を充電する充電部60が備えられている。更に、ストロボ62はCPU50にも接続されており、ストロボ62の発光はCPU50によって制御される。
【0043】
一方、図3には、本実施の形態に係るメモリカード82の記録領域が模式的に示されている。同図に示すように、メモリカード82の記録領域は管理領域A1とデータ領域A2に大別される。
【0044】
管理領域A1にはファイルを管理するための領域である予約領域82Aと、FAT(File Allocation Table)82Bと、FAT82Bと同一の内容とされたFAT82Cと、ディレクトリ82Dと、の各領域を有する。なお、FATを2つ用意してあるのは安全のためである。これに対し、データ領域A2には、記録すべきデジタル画像データ等のデータがファイル単位で記録される。
【0045】
データ領域A2のアクセス単位をクラスタと呼び、クラスタは予め定められた数の連続したセクタから構成される。また、データ領域A2は所定データサイズのクラスタに区分されており、特定のクラスタの使用状況は、対応するFATエントリによって知ることができる。また、1つのファイルデータは、データサイズにより1つ、又は複数のクラスタから成り立つ。
【0046】
なお、データ領域A2においてデータが記録されていない領域の記録内容は、一般に‘0’又は16進数の‘F’(10進数の‘15’)で埋め尽くされた状態となっているが、以下では、16進数の‘F’で埋め尽くされているものとして説明する。
【0047】
FAT82Bはファイルの格納位置を示すためのマップであり、各々のファイルがどのクラスタにどのような順序で記録されているかを示すためのマップである。FATは各々のクラスタに対応したエントリを持つ。ファイルが1クラスタで格納できない場合には、そのファイルが格納されている次のクラスタのエントリ番号がFATのエントリに記録される。また、FATエントリが‘0’以外ならば、それに対応するクラスタは使用されており、‘0’であれば、それに対応するクラスタは使用されていない。
【0048】
一方、ディレクトリ82Dには、ファイル名、属性、ファイルが作成又は最後に更新された日時、ファイルの先頭のFATエントリ、ファイルサイズ等がファイル毎に記録されている。なお、上記属性は、対応するファイル名により示されるファイルの種別を示すものであり、ユーザによって読み込み専用であることが指定されたファイルについては、当該属性としてリードオンリー属性を示す‘R’が記録される。リードオンリー属性が設定されたファイルは、ファイル単位での消去を行うことが禁止される。
【0049】
なお、ディレクトリ及びFATにより記録メディアを管理する技術は公知であるので、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0050】
ところで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10には、再生モードが設定されているときに、装着されたメモリカード82のフォーマット(本発明の「初期化」に相当)を行うフォーマット処理や、当該メモリカード82におけるデータ領域A2の記録内容の消去を防止するプロテクトモード処理等の各種処理を実行する機能が搭載されており、ユーザは所望の処理をLCD44に表示された後述する再生モード用メニュー画面(図5(A)も参照)上で指定することにより当該処理をデジタルカメラ10に実行させることができる。
【0051】
なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10は、撮影によって得られたデジタル画像データをメモリカード82のデータ領域A2にファイル単位で記録するように構成されている。そして、上記プロテクトモード処理には、メモリカード82のデータ領域A2に記録された画像ファイル毎に消去を禁止する「1コマプロテクト」と、データ領域A2に記録された全ての画像ファイルの消去を一括して禁止する「全コマプロテクト」と、の2種類がある。
【0052】
メモリカード82が請求項1記載の発明の記録媒体に、十字カーソルボタン98が請求項1記載の発明の入力手段に、CPU50が請求項1記載の発明の報知手段に、各々相当する。
【0053】
次に、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。まず、撮影時におけるデジタルカメラ10の全体的な動作について簡単に説明する。
【0054】
まず、CCD24により光学ユニット22を介した撮像を行い、被写体像を示すR(赤)、G(緑)、B(青)の信号をアナログ信号処理部26に順次出力する。アナログ信号処理部26は、CCD24から入力された信号に対して相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理を施した後にADC28に順次出力する。ADC28は、アナログ信号処理部26から入力されたR、G、Bの信号を各々12ビットのR、G、Bの信号(デジタル画像データ)に変換してデジタル信号処理部30に順次出力する。デジタル信号処理部30は、内蔵しているラインバッファにADC28から順次入力されるデジタル画像データを蓄積して一旦メモリ72の所定領域に格納する。
【0055】
メモリ72の所定領域に格納されたデジタル画像データは、CPU50による制御によりデジタル信号処理部30によって読み出され、これらに所定の物理量に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行なうと共に、ガンマ処理及びシャープネス処理を行なって8ビットのデジタル画像データを生成し、更にYC信号処理を施して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(以下、「YC信号」という。)を生成し、YC信号をメモリ72の上記所定領域とは異なる領域に格納する。
【0056】
なお、LCD44は、CCD24による連続的な撮像によって得られた動画像(スルー画像)を表示してファインダとして使用することができるものとして構成されているが、このようにLCD44をファインダとして使用する場合には、生成したYC信号を、LCDインタフェース42を介して順次LCD44に出力する。これによってLCD44にスルー画像が表示されることになる。
【0057】
ここで、レリーズボタン92がユーザによって半押し状態とされた場合、前述のようにAE機能が働いて露出状態が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態とされた場合、この時点でメモリ72に格納されているYC信号を、圧縮・伸張処理回路86によって所定の圧縮形式(本実施の形態では、JPEG形式)で圧縮した後に外部メモリインタフェース80を介してメモリカード82に記録することにより撮影が行われる。
【0058】
次に、図4を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10で実行される電源オン処理について説明する。なお、図4は、電源スイッチ94がオン状態とされているときにデジタルカメラ10のCPU50によって実行される電源オン処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、ここでは、デジタルカメラ10に、画像ファイルが記録されたメモリカード82が装着されている場合について説明する。
【0059】
同図のステップ200では、ユーザによるモード切替スイッチ96の操作により再生モードが設定されているか否かを判定し、否定判定の場合は撮影モードが設定されているものと見なしてステップ202に移行し、通常の撮影モード時の処理を行う。一方、肯定判定の場合にはステップ204に移行して再生モード用の各種初期設定を行い、その後にステップ206に移行する。
【0060】
なお、上記ステップ204の初期設定では、装着されたメモリカード82に記録されている画像ファイルのうち、予め定められた規則に応じた画像ファイル(例えば、ディレクトリ82Dに記録されている作成又は最後に更新された日時が最も直近の画像ファイル等)により示される被写体像をLCD44に表示させる処理も行われる。そして、ここで表示された被写体像は、十字カーソルボタン98の操作によって、メモリカード82に記録されている他の画像ファイルにより示される被写体像に任意に変更することができる。
【0061】
ステップ206では、予め定められた再生モード用メニュー画面がOSD(On Screen Display)機能を用いてLCD44に表示されるようにLCDインタフェース42を制御し、次のステップ208で所定情報の入力待ちを行う。
【0062】
図5(A)には、上記ステップ206の処理によってLCD44に表示された再生モード用メニュー画面が示されている。同図に示すように、本実施の形態における再生モード用メニュー画面では、希望する処理の指定を促す旨のメッセージが表示されると共に、指定可能な処理として、前述の「プロテクトモード処理」、「フォーマット処理」等の各種処理名が表示される。また、本実施の形態におけるプロテクトモード処理には、前述のように「1コマプロテクト」と「全コマプロテクト」の2種類の処理が用意されているので、これらの名称も当該メニュー画面には表示される。更に、当該メニュー画面では、ユーザによる指定状態の明確化のために、各処理毎に指定の有無を示す矩形枠が表示される。
【0063】
なお、本実施の形態では、再生モード用メニュー画面がOSD機能によりLCD44に表示されるので、当該メニュー画面はLCD44に表示されている被写体像に重ね合わされた状態で表示される。但し、同図では、錯綜を回避するために、被写体像の図示を省略している。
【0064】
図5(A)に示すような再生モード用メニュー画面がLCD44に表示されると、ユーザは、十字カーソルボタン98の矢印キーの操作によって所望の処理を指定した後に十字カーソルボタン98の決定キーを押圧操作する。これに応じてCPU50には決定キーが操作された旨を示す情報が入力され、上記ステップ208が肯定判定となってステップ210に移行する。なお、図5(A)では、ユーザによってフォーマット処理が指定された状態が示されている。
【0065】
ステップ210では、ユーザにより再生モード用メニュー画面上で指定された処理がプロテクトモード処理(「1コマプロテクト」又は「全コマプロテクト」)であったか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ212に移行して、ユーザによって指定されたプロテクトモード処理が1コマプロテクトであったか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ214に移行する。
【0066】
ステップ214では、処理対象とする画像ファイル(本実施の形態では、この時点でLCD44に表示されている被写体像に対応する画像ファイル)にリードオンリー属性が設定されているか否かを判定することによって当該画像ファイルにプロテクトが設定されているか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ216に移行して当該画像ファイルのリードオンリー属性を解除することで当該画像ファイルのプロテクトを解除した後に上記ステップ200に戻り、否定判定の場合にはステップ218に移行して当該画像ファイルのリードオンリー属性を設定することで当該画像ファイルのプロテクトを設定した後に上記ステップ200に戻る。
【0067】
すなわち、本実施の形態における1コマプロテクトの処理は、処理対象とする画像ファイルにプロテクトが既に設定されている場合には当該プロテクトを解除し、逆に、当該画像ファイルにプロテクトが設定されていない場合にはプロテクトを設定するものとされている。
【0068】
一方、上記ステップ212で否定判定された場合には、ユーザによって指定されたプロテクトモード処理が全コマプロテクトであったものと見なしてステップ220に移行する。
【0069】
ステップ220では、装着されているメモリカード82に記録されている全ての画像ファイルにリードオンリー属性が設定されているか否かを判定することによって全コマプロテクトが既に設定されているか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ222に移行してメモリカード82に記録されている全ての画像ファイルのリードオンリー属性を解除することで全ての画像ファイルのプロテクトを解除した後に上記ステップ200に戻り、否定判定の場合にはステップ224に移行して全ての画像ファイルのリードオンリー属性を設定することで全ての画像ファイルのプロテクトを設定した後に上記ステップ200に戻る。
【0070】
すなわち、本実施の形態における全コマプロテクトの処理は、メモリカード82に記録されている全ての画像ファイルにプロテクトが既に設定されている場合には全てのプロテクトを解除し、逆に、当該全ての画像ファイルにプロテクトが設定されていない場合には全ての画像ファイルにプロテクトを設定するものとされている。
【0071】
一方、上記ステップ210において否定判定された場合にはステップ226に移行する。
【0072】
ステップ226では、ユーザにより再生モード用メニュー画面上で指定された処理がフォーマット処理であったか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ228に移行して、メモリカード82に記録されている全ての画像ファイルの属性を当該メモリカード82のディレクトリ82Dから読み出す。
【0073】
次のステップ230では、読み出した属性にリードオンリー属性が含まれているか否かを判定することによってメモリカード82にプロテクトの設定された画像ファイルが存在するか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ232に移行して予め定められたフォーマット確認画面がLCD44に表示されるようにLCDインタフェース42を制御し、次のステップ234で所定情報の入力待ちを行う。
【0074】
図5(B)には、上記ステップ232の処理によってLCD44に表示されたフォーマット確認画面が示されている。同図に示すように、本実施の形態におけるフォーマット確認画面では、メモリカード82にプロテクトが設定された画像ファイルが存在することを示すメッセージと、フォーマットを実行してもよいか否かの入力を促すメッセージが表示されると共に、フォーマットしてもよい場合に指定する「よい」という表示と、フォーマットしてはいけない場合に指定する「わるい」という表示が指定の有無を示す矩形枠と共に表示される。
【0075】
図5(B)に示すようなフォーマット確認画面がLCD44に表示されると、ユーザは、十字カーソルボタン98の矢印キーの操作によって「よい」又は「わるい」を指定した後に十字カーソルボタン98の決定キーを押圧操作する。これに応じてCPU50には決定キーが操作された旨を示す情報が入力され、上記ステップ234が肯定判定となってステップ236に移行する。なお、図5(B)では、ユーザによってフォーマットしてもよい旨を示す、「よい」が指定された状態が示されている。
【0076】
ステップ236では、ユーザによりフォーマット確認画面上で「よい」が指定されたか否かを判定することにより、装着されているメモリカード82をフォーマットするか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ238に移行してメモリカード82をフォーマットした後に上記ステップ200に戻り、否定判定の場合には上記ステップ238の処理を実行することなく上記ステップ200に戻る。
【0077】
一方、上記ステップ226において否定判定された場合には、ユーザにより再生モード用メニュー画面上で指定された処理(「プロテクトモード処理」及び「フォーマット処理」以外の処理)を実行し、その後に上記ステップ200に戻る。
【0078】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、装着されたメモリカード82の初期化(フォーマット)を指示する指示情報が入力されたとき、当該メモリカード82に消去の禁止が設定された画像ファイルが記録されている場合には上記指示情報に応じた初期化の実行を確認するための報知を行っているので、消去の禁止が設定された画像ファイルの記録されたメモリカード82が装着され、かつ当該メモリカード82の初期化の実行指示がなされたときの上記画像ファイルの不用意な消去を防止することができる。
【0079】
なお、本実施の形態では、初期化の実行を確認するための報知として、LCD44によりメモリカード82に対する初期化の実行を確認する旨のメッセージを表示することによる報知を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ブザーの鳴動による報知、ランプの点灯や点滅による報知、音声発生装置により記録媒体に対する初期化の実行を確認する旨のメッセージを発声させることによる報知等、ユーザに対して初期化の実行を確認するための報知が行えるものであれば如何なる形態も適用できる。これらの場合にも、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0080】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、請求項1に記載の発明の形態について説明したが、本第2実施形態では、請求項2及び請求項3に記載の発明の形態について説明する。なお、本第2実施形態に係るデジタルカメラの構成は、第1実施形態に係るデジタルカメラ10(図1、図2参照)と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0081】
メモリカード82が請求項2及び請求項3記載の発明の記録媒体に、十字カーソルボタン98が請求項2及び請求項3記載の発明の入力手段に、メモリ72が請求項2及び請求項3記載の発明の記憶手段に、CPU50が請求項2及び請求項3記載の発明の初期化手段に、各々相当する。
【0082】
以下、図6を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10で実行される電源オン処理について説明する。なお、図6は、電源スイッチ94がオン状態とされているときに本第2実施形態に係るデジタルカメラ10のCPU50によって実行される電源オン処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、図4と同一の処理を行うステップには図4と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0083】
図6に示すように、本第2実施形態に係る電源オン処理は、図4におけるステップ228〜ステップ238の処理に代えてステップ240のフォーマット処理(図7参照)を適用している点のみが上記第1実施形態に係る電源オン処理と異なっている。そこで、以下、図7を参照して、当該フォーマット処理について説明する。なお、図7は、当該フォーマット処理を実行する際にデジタルカメラ10のCPU50によって実行されるフォーマット処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0084】
同図のステップ300では、装着されたメモリカード82に記録されている全ての画像ファイルの属性を当該メモリカード82のディレクトリ82Dから読み出す。
【0085】
次のステップ302では、読み出した属性にリードオンリー属性が含まれているか否かを判定することによってメモリカード82にプロテクトの設定された画像ファイルが存在するか否かを判定し、否定判定の場合はステップ304に移行してメモリカード82をフォーマットした後に本フォーマット処理を終了し、ステップ200(図6も参照)に戻る。
【0086】
一方、上記ステップ302で肯定判定された場合にはステップ306に移行して、メモリ72の空容量(残記憶容量)を検出し、次のステップ308では、上記ステップ300で読み出した属性としてリードオンリー属性が設定された全ての画像ファイルのファイルサイズをメモリカード82のディレクトリ82Dから読み出して合算し、この合算値と上記ステップ306で検出したメモリ72の空容量とに基づいて、全てのプロテクトが設定された画像ファイルをメモリ72に記憶(退避)できるか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ310に移行して全てのプロテクトが設定された画像ファイルをメモリ72の空領域に記憶(退避)した後にステップ316に移行する。
【0087】
一方、上記ステップ308で否定判定となった場合にはステップ312に移行して、予め定められた優先順位に基づいて、メモリ72に退避する画像ファイルをプロテクトが設定されている画像ファイルから選択し、次のステップ314で、選択した画像ファイルをメモリ72の空領域に記憶(退避)し、その後にステップ316に移行する。なお、上記ステップ312における画像ファイルの選択方法としては次の2つの方法が例示できる。
1.プロテクトが設定された全ての画像ファイルについて、ファイルが作成又は最後に更新された日時を示す情報をメモリカード82のディレクトリ82Dから読み出し、日時が新しいものを優先してメモリ72に記憶可能な画像ファイルを選択する。
2.プロテクトが設定された全ての画像ファイルについて、ファイルサイズが大きいもの(又は、小さいもの)を優先してメモリ72に記憶可能な画像ファイルを選択する。
【0088】
なお、本実施の形態では、画像ファイルの選択方法として上記1の方法を適用している。上記ステップ310、ステップ312及びステップ314の処理によって、メモリカード82に記憶されているプロテクトが設定された画像ファイルが、メモリ72の空容量が許す限り、当該メモリ72に記憶(退避)される。
【0089】
ステップ316では、メモリカード82をフォーマットし、次のステップ318では、上記ステップ310又はステップ314の処理によってメモリ72に退避された画像ファイルをメモリカード82に記憶し、その後に本フォーマット処理プログラムを終了してステップ200(図6も参照)に戻る。
【0090】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、装着されたメモリカード82の初期化(フォーマット)を指示する指示情報が入力されたとき、当該メモリカード82に記録され、かつ消去の禁止が設定されている画像ファイルをメモリ72に記憶した後、メモリカード82の初期化を行い、その後にメモリ72に記憶した画像ファイルをメモリカード82に記録しているので、消去の禁止が設定された画像ファイルの記録されたメモリカード82が装着され、かつ当該メモリカード82の初期化の実行指示がなされたときの上記画像ファイルの不用意な消去を防止することができる。
【0091】
また、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、メモリ72の記憶容量の不足により、消去の禁止が設定されている画像ファイルの全てをメモリ72に記憶することができない場合は、予め定められた優先順位に基づいて選択した画像ファイルをメモリ72に記憶しているので、メモリ72の記憶容量が不足している場合であっても、予め定められた優先順位において上位となる画像ファイルについてはメモリ72に記憶させることができ、当該画像ファイルの不用意な消去を防止することができる。
【0092】
なお、本第2実施形態では、メモリ72の空容量が不足している場合に、ユーザに対して何ら報知することなく予め定められた優先順位順にプロテクトの設定された画像ファイルを退避する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、メモリ72の空容量が不足している旨を報知する形態とすることもできる。この場合は、プロテクトが設定された画像ファイルの全ては保持できない旨をユーザに認識させることができ、初期化の実行を再考させる余地を与えることができる。
【0093】
また、上記各実施形態では、本発明の記録媒体としてコンパクトフラッシュ(R)を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、スマートメディア、SDカード、メモリスティック、マイクロドライブ等を適用する形態とすることもできることは言うまでもない。この場合も、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0094】
更に、上記各実施形態において説明した各種処理プログラムの処理の流れ(図4、図6、図7参照)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0095】
【発明の効果】
請求項1に記載のデジタルカメラによれば、装着された記録媒体の初期化を指示する指示情報が入力されたとき、当該記録媒体に消去の禁止が設定された画像情報が記録されている場合には上記指示情報に応じた初期化の実行を確認するための報知を行っているので、消去の禁止が設定された画像情報の記録された記録媒体が装着され、かつ当該記録媒体の初期化の実行指示がなされたときの上記画像情報の不用意な消去を防止することができる、という効果が得られる。
【0096】
また、請求項2及び請求項3に記載のデジタルカメラによれば、装着された記録媒体の初期化を指示する指示情報が入力されたとき、当該記録媒体に記録され、かつ消去の禁止が設定されている画像情報を記憶手段に記憶した後、上記記録媒体の初期化を行い、その後に上記記憶手段に記憶した画像情報を上記記録媒体に記録しているので、消去の禁止が設定された画像情報の記録された記録媒体が装着され、かつ当該記録媒体の初期化の実行指示がなされたときの上記画像情報の不用意な消去を防止することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るデジタルカメラ10の外観を示す外観図である。
【図2】実施の形態に係るデジタルカメラ10の電気系の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係るメモリカード82の記録領域の構成を示す模式図である。
【図4】第1実施形態に係る電源オン処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】(A)は再生モード用メニュー画面の表示例を示す概略図であり、(B)はフォーマット確認画面の表示例を示す概略図である。
【図6】第2実施形態に係る電源オン処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態に係るフォーマット処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 デジタルカメラ
50 CPU(報知手段、初期化手段)
72 メモリ(記憶手段)
82 メモリカード(記録媒体)
98 十字カーソルボタン(入力手段)

Claims (3)

  1. 撮影によって得られた画像情報が記録されると共に、記録された前記画像情報の消去の禁止を設定することができる記録媒体が装着可能に構成されたデジタルカメラであって、
    装着された前記記録媒体の初期化を指示する指示情報を入力する入力手段と、前記入力手段によって前記指示情報が入力されたとき、装着された前記記録媒体に消去の禁止が設定された画像情報が記録されている場合には前記指示情報に応じた初期化の実行を確認するための報知を行う報知手段と、
    を備えたデジタルカメラ。
  2. 撮影によって得られた画像情報が記録されると共に、記録された前記画像情報の消去の禁止を設定することができる記録媒体が装着可能に構成されたデジタルカメラであって、
    装着された前記記録媒体の初期化を指示する指示情報を入力する入力手段と、
    前記画像情報を記憶可能な記憶手段と、
    前記入力手段によって前記指示情報が入力されたとき、装着された前記記録媒体に記録され、かつ消去の禁止が設定されている画像情報を前記記憶手段に記憶した後、前記記録媒体の初期化を行い、その後に前記記憶手段に記憶した画像情報を前記記録媒体に記録する初期化手段と、
    を備えたデジタルカメラ。
  3. 前記初期化手段は、前記記憶手段の記憶容量の不足により前記消去の禁止が設定されている画像情報の全てを前記記憶手段に記憶することができない場合は、予め定められた優先順位に基づいて選択した画像情報を前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項2に記載のデジタルカメラ。
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