媒体収容部が少なくとも2基備えられていると、例えば、ユーザは記憶媒体をどの媒体収容部に収容すればいいのか戸惑うことがある。例えば、1つの媒体収容部から取り外した記憶媒体にどのような情報が記憶されているのかユーザにとってわかり難い場合もある。本発明の目的は、ユーザの戸惑いを軽減し、または媒体収容部から取り外した記憶媒体にどのような情報が記憶されているのかをユーザが知る手助けをすることにより利便性を高めたシステムを提供することである。
(1)着脱可能な記憶媒体を保持する少なくとも2つの媒体収容部と、
前記媒体収容部にそれぞれ収容された記憶媒体にアクセスする機能を持ち、少なくとも一方の前記媒体収容部に保持された記憶媒体に、車両に搭載された撮像装置で撮像された映像を記憶させる機能を持つ制御手段と、
前記制御手段がアクセスする記憶媒体の担う役割をユーザに知らせる通知手段と
を有するシステムとするとよい。
ユーザは、車両に搭載された撮像装置で撮像された映像が記憶された記憶媒体を媒体収容部から取り外して、他の装置で利用することができる。さらに、ユーザは、媒体収容部に保持されている、または保持される記憶媒体の役割を認識することができる。記憶媒体の役割を認識したユーザは、記憶媒体を媒体収容部に着脱するとき、または記憶媒体を媒体収容部から取り外した後に、記憶媒体をその役割に応じて適切に取り扱うことができる。このため、ユーザにとって利便性が高まる。
通知手段は、例えば、ユーザが記憶媒体を媒体収容部に装着する前に、その媒体収容部に装着される記憶媒体の担う役割をユーザに知らせるとよい。ユーザは、記憶媒体を媒体収容部に装着する前に、記憶媒体の担う役割を知ることができる。通知手段は、例えば、ユーザが記憶媒体を媒体収容部から取り外した時に、その媒体収容部に装着されていた記憶媒体の担う役割をユーザに知らせるとよい。ユーザは、媒体収容部から取り外した記憶媒体の担う役割を知ることができる。通知手段は、ユーザが記憶媒体を媒体収容部に装着する前、及びユーザが記憶媒体を媒体収容部から取り外した時の両方の時点で、記憶媒体の担う役割をユーザに知らせると特によい。
着脱可能な記憶媒体として、例えばSDカード、マイクロSDカード、XQDカード等を用いることができる。例えば媒体収容部に対応してシステムの筐体にスロット等の挿入口を設けるとよい。例えば、ユーザは、挿入口を通して記憶媒体を媒体収容部に装着させ、媒体収容部から記憶媒体を取り外すことができる。
媒体収容部に収容された記憶媒体へのアクセスは、記憶媒体へのデータの書き込み、及び記憶媒体からのデータの読み出しの少なくとも一方を含むとよい。
次に、2つの媒体収容部に保持される記憶媒体の担う役割について例示する。
(1.1)例えば、2つの記憶媒体の双方に、車両に搭載された撮像装置で撮像された映像を記録するとよい。この映像として、例えば車両の電源がオンにされた時点からオフにされた時点までに亘る映像、車両の電源がオンにされている期間に所定のイベントが発生した時点の前後の所定時間の映像、駐車期間中の映像、駐車期間中に所定のイベントが発生した時点の前後の所定時間の映像等とするとよい。ユーザは、この撮像装置を含むシステムをドライブレコーダとして利用することができる。
例えば、2つの媒体収容部に保持される記憶媒体に、同一の映像を同時に記録し、一方が他方をバックアップする役割を持たせるとよい。例えば、一方の記憶媒体に、リアルタイムに映像を録画する役割を持たせ、他方の記憶媒体に、録画された映像をコピーする役割を持たせるとよい。例えば、一方の記憶媒体に、高解像度または高フレームレートの映像を記録する役割を持たせ、他方の記憶媒体に、低解像度または低フレームレートで長時間録画する役割を持たせるとよい。
例えば、1つの映像を一定時間ごとに交互に2つの記憶媒体に記録し、2つの記憶媒体に、相互に補完し合って1つの映像を構成する役割を持たせるとよい。例えば、記憶媒体への映像の書き込み単位ごとに2つの記憶媒体を短時間で切り替えて、1つの映像を2つの記憶媒体に交互に記録することにより、2つの記憶媒体に、見かけ上の書き込み速度を向上させる役割を持たせるとよい。例えば、一方の記憶媒体に一時的な書き込みエラーが発生したときに、他方の記憶媒体に、書き込みエラーの発生した記憶媒体を代替する役割を持たせるとよい。
例えば、一方の記憶媒体に、車両の電源がオンになった時点からオフになった時点までに亘って映像を常時記録する役割を持たせ、他方の記憶媒体に、所定のイベントが発生した時点の前後の映像を記録する役割を持たせるとよい。例えば、一方の記憶媒体に、車両の電源がオンになっている期間に映像を常時記録する役割を持たせ、他方の記憶媒体に、駐車期間中の映像を記録する役割を持たせるとよい。
例えば、一方の記憶媒体のフォーマット形式を汎用のフォーマット形式にして、他の汎用の再生装置で映像を再生するための記憶媒体としての役割を持たせ、他方の記憶媒体のフォーマット形式を独自のフォーマット形式にして、本システム及び独自の再生機能を持つ装置のみで映像を再生するための記憶媒体としての役割を持たせるとよい。
例えば、一方の記憶媒体に、特定のイベント(第1種のイベント)が発生した時点の前後の映像を記録する役割を持たせ、他方の記憶媒体に、第1種のイベントとは異なるイベント(第2種のイベント)が発生した時点の前後の映像を記録する役割を持たせるとよい。第1種のイベント及び第2種のイベントを定義する情報は、予め制御手段に記憶させておくとよい。
例えば、車両に2台の撮像装置(第1の撮像装置と第2の撮像装置)を搭載して、一方の記憶媒体に第1の撮像装置で撮像された映像を記録する役割を持たせ、他方の記憶媒体に第2の撮像装置で撮像された映像を記録する役割を持たせるとよい。
(1.2)一方の記憶媒体に、撮像装置が車両に搭載された状態で撮像される映像を記録する役割を持たせ、他方の記憶媒体に、撮像装置が車両から取り出されて、例えばアウトドアスポーツに用いられる器具等に装着された状態で撮像される映像を記録する役割を持たせるとよい。アウトドアスポーツとして、例えばスノーボード、スキー、サーフィン、ウィンドサーフィン、サイクリング、ジョギング等が挙げられる。ユーザは、この撮像装置を含むシステムを、ドライブレコーダとして利用することもできるし、アクションカメラとして利用することもできる。
(1.3)一方の記憶媒体に、車両に搭載された撮像装置で撮像される映像(車両の周囲、特に前方の映像)をそのまま記録する役割を持たせ、他方の記憶媒体に、例えば車両に搭載された撮像装置で撮像される映像に他の画像を合成した映像を記録する役割を持たせるとよい。他の画像として、レーダ装置に近づいたことを知らせる警報画像等とするとよい。この警報画像が合成された映像を早送り再生してレーダ装置に近づいた期間の映像を容易に見つけることができる。警報等が発生しているときに運転者がどのように運転を行ったか、警報の内容と照らしあわせて確認することができる。
(1.4)一方の記憶媒体に、車両に搭載された撮像装置で撮像される映像を記録する役割を持たせ、他方の記憶媒体に、例えば走行中の車両情報を時系列に並べたログデータを記録する役割を持たせるとよい。
例えば、一方の記憶媒体に、車両の周囲、特に前方の映像を記録する役割を持たせ、他方の記憶媒体に、急発進、急旋回、急ブレーキ、急加速等の危険運転の有無を確認するための基礎となるログデータを記録する役割を持たせるとよい。
(1.5)一方の記憶媒体に、車両に搭載された撮像装置で撮像される映像を記録する役割を持たせ、他方の記憶媒体に、撮像装置で撮像される映像から特定の画像を抽出するためのテンプレート画像を記録しておく役割を持たせるとよい。テンプレート画像として、例えば、各種交通標識の画像、特定の人物の画像、特定の車両番号の画像等とすることができる。リアルタイムに取得された画像に対して交通標識の画像に基づく画像認識を行うことにより、現在位置に適用される交通規則を検知することができる。リアルタイムに取得された画像に対して特定の人物の画像、特定の車両番号の画像に基づく画像認識を行うことにより、特定の人物、特定の車両を見つけ出すことができる。
(1.6)一方の記憶媒体に、車両に搭載された撮像装置で撮像される映像を記録する役割を持たせ、他方の記憶媒体に、システムへの種々のアクセスを許可する鍵となる情報(アクセス権限を示す情報)を記憶する役割を持たせるとよい。下位のアクセス権限しか持たないユーザが、上位のアクセス権限を持つ者にしか許容しない処理を行うことを防止できる。これにより、セキュリティを高めることができる。
(1.7)一方の記憶媒体に、車両に搭載された撮像装置で撮像される映像を記録する役割を持たせ、他方の記憶媒体に、記録される映像に目印を付ける条件を指定するための基礎となる情報を記憶する役割を持たせるとよい。制御手段は、目印を付ける条件が満たされるイベントの発生を検出した時点の映像にイベント発生を示す目印を施すとよい。映像の記録後、映像に付された目印を利用して所定のイベントが発生した時点の映像を容易に検索することができる。映像を記録する役割を持つ記憶媒体は、所定のイベントが発生した時点であることを示す目印を記録する役割を併せ持つ。
(1.8)一方の記憶媒体に、予め決められたルートを定期的に走行する車両に搭載された撮像装置で撮像される映像を記録する役割を持たせ、他方の記憶媒体に、予め決められているルートを走行した車両に搭載されていた撮像装置で撮像された映像を記録しておく役割を持たせるとよい。制御手段は、予め決められたルートを走行している車両において、過去に撮像された映像を再生するとよい。運転者は、再生されている映像に基づいて決められたルートを迷うことなく走行することができる。
(1.9)一方の記憶媒体に、車両に搭載された撮像装置に代えて、販売店の店内に陳列された撮像装置で撮像される映像を記録する役割を持たせ、他方の記録媒体に、販売促進用のビデオ映像を記録しておく役割を持たせるとよい。販売店は、この撮像装置を含むシステムを販売用のデモ機として利用することができる。また、販売促進用のビデオ映像を再生することにより、システムの機能や性能を消費者に知らせることができる。
通知手段として、例えば画像を表示する表示装置、音声を出力する音声出力装置、表示装置に画像を表示させ、または音声出力装置に音声を出力させる指令を送信する通信装置、記憶媒体を収容する位置に対応付けて筐体の表面に表示された文字または図形等とするとよい。その他に、通知手段として、筐体の挿入口を通して媒体収容部に記憶媒体を装着させる構成において、挿入口の大きさを異ならせた構成、挿入口の形状を異ならせた構成、記憶媒体の挿入方向を異ならせた構成、挿入口へのアクセスの難易度を異ならせた構成としてもよい。
例えば、記憶媒体の担う役割は、上述の(1.1)から(1.9)までに例示した1つの例(役割のモード)に固定することなく、記憶媒体にどのモードの役割を担わせるか変更可能にするとよい。例えば、記憶媒体にどのモードの役割を担わせるか、ユーザに選択させる機能を持たせるとよい。全ての媒体収容部から記憶媒体を取り外すと、記憶媒体の担う役割のモードを、予め設定されている基本のモードに戻すようにするとよい。記憶媒体を媒体収容部に装着する前は、役割のモードが決まっておらず、記憶媒体を媒体収容部に装着した後に、役割のモードを決定するようにしてもよい。
(2)前記制御手段は、同一の撮像装置で撮像された映像を、前記媒体収容部にそれぞれ保持された記憶媒体に、ある時間単位ごとに交互に映像を記録する機能を持ち、
前記制御手段は、さらに、前記通知手段を通して、前記媒体収容部にそれぞれ保持された記憶媒体がひと組になって1つの映像を構成する役割を持つことをユーザに知らせる機能を持つシステムとするとよい。
ユーザは、複数の媒体収容部にそれぞれ保持されている記憶媒体がひと組になって1つの映像を構成することに気付きやすくなる。媒体収容部から記憶媒体を取り外した後、複数の記憶媒体を組みにして取り扱うことが好ましいことに気付くことにより、組となる記憶媒体が散逸して1つの映像を構成できなくなってしまう事態が生じ難くなる。
例えば、1つの媒体収容部に保持されている記憶媒体が取り外されたとき、制御手段は、他の媒体収容部に保持されている記憶媒体も取り外して一緒に携行または保管するように、音声または画像によってユーザに促すとよい。例えば、1つの媒体収容部に記憶媒体が保持されたとき、制御手段は、他方の媒体収容部に組をなす他の記憶媒体を保持させるように、音声または画像によってユーザに促すとよい。例えば、映像を記録する記憶媒体を切り替える時間単位は、数分から数十分とするとよい。
(3)前記制御手段は、一方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体が取り外されたことを検出すると、前記通知手段を通して、他方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体も映像の再生に必要であることをユーザに知らせる機能を持つシステムとするとよい。
ユーザが、記憶媒体に記録された映像を他の機器で再生するために媒体収容部から記憶媒体を取り外したときに、もう一方の記憶媒体の取り外し忘れが生じ難くなる。これにより、手戻りなく、他の機器で映像を再生することができる。例えば、上記(2)の構成において、ユーザは、ある時間単位ごとに交互に映像が記録された2つの記憶媒体をひと組として、他の機器で映像を再生することができる。例えば、一方の記憶媒体に映像を記録し、他方の記憶媒体に映像を再生する権限を表す情報(以下、鍵情報という。)を記憶させておいてもよい。このとき、ユーザは、映像が記録された記憶媒体と、鍵情報が記憶された記憶媒体とをひと組として、他の機器で映像を再生することができる。
(4)さらに、映像を送信する通信手段を有し、
前記制御手段は、一方の前記媒体収容部に保持された記憶媒体に記録した映像のうち前記通信手段を介して送信していない映像を、他方の前記媒体収容部に保持された記憶媒体に映像を記録している期間に読み出して送信する機能を持つシステムとするとよい。
制御手段は、映像を記憶媒体に記録した後に、記録されている映像を外部機器に送信することができる。ユーザは、記憶媒体を媒体収容部から取り外すことなく、映像を外部機器で再生することができる。通常、リムーバブル記憶媒体は、データの書き込み中に読み出しを行うと、書き込み及び読み出し速度が著しく低下する傾向を示す。記憶媒体への映像の記録中は、その記憶媒体に記録された映像の読み出しを行わず、他の記憶媒体に映像を記録している期間に、送信できなかった映像を読み出して送信するため、書き込み及び読み出し速度の低下を抑制することができる。通信エラー等によって映像を即時に送信できなかった場合でも、後に記憶媒体から映像を読み出して送信することができる。記憶媒体は、映像を記録する役割を担うとともに、通信手段を介して送信する映像を、送信が完了するまで記憶しておく記憶手段としての役割も担う。
例えば、制御手段は、撮像装置で撮像された映像を媒体収容部に保持されている記憶媒体に記録するとともに、通信手段を通して即時(リアルタイム)に外部機器に送信するとよい。例えば、通信手段は無線通信により映像を送信するとよい。無線通信技術として、例えばWiFi規格、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信の規格、4G等の移動通信システムの規格等に準拠した無線通信技術を用いることができる。例えば、外部機器として、サーバ、パソコン、スマートホン、タブレット端末等を用いることができる。
(5)前記制御手段は、映像を一時的に記憶するバッファメモリを持ち、同一の撮像装置で撮像された映像を一方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に前記バッファメモリから転送し、転送が終了する前に、他方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体へのバッファメモリからの転送を開始する機能を持つシステムとするとよい。
1つの記憶媒体に映像を記録する場合と比べて、見かけの書き込み速度を速くすることができる。これにより、1つの記憶媒体への書き込み速度では書き込みが間に合わない程度の高フレームレート、高解像度の映像を記録することが可能になる。2つの記憶媒体は、時間的に連続する映像が時間軸上で細切れに分割された短時間の映像を記録するとともに、2つの記憶媒体がひと組になって時間的に連続する1つの映像を構成する役割を担う。
例えば、記憶媒体への映像の記録にDMA転送を利用し、DMA転送ブロックごとに転送先の記憶媒体を切り替えるとよい。
バッファメモリは媒体収容部ごとに準備するとよい。一方のバッファメモリ内の映像を記憶媒体へ転送する処理が完了すると、他方のバッファメモリ内の映像の転送状態に依存することなく、映像の転送が完了したバッファメモリに新しい映像をバッファリングすることができる。1つのバッファメモリ内のメモリ空間を、一方の媒体収容部用の領域と、他方の媒体収容部用の領域とに区分してもよい。
(6)少なくとも2つの前記媒体収容部は、最大書き込み速度が相互に異なるインタフェース規格をサポートしており、
前記制御手段は、最大書き込み速度の速い方のインタフェース規格をサポートする前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に、撮像装置で撮像された映像をリアルタイムに書き込み、ユーザからの指令によって、リアルタイムに書き込まれた映像を他方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体にコピーする機能を持つシステムとするとよい。
書き込み速度の遅い方の記憶媒体にリアルタイムに映像を記録する場合と比べて、高フレームレート、高解像度の映像をリアルタイムに記録することが可能になる。書き込み速度の速い方の記憶媒体に記録された映像を他の記憶媒体にコピーするとききには、コピー先の記憶媒体に速い書き込み速度は要求されない。このため、書き込み速度の遅い方の記憶媒体として、より低価格の記憶媒体を用いることができる。これにより、同一の映像を複数の低価格の記憶媒体にコピーして配布用として用いることができる。最大書き込み速度の速いインタフェース規格をサポートしている媒体収容部に保持される記憶媒体は、例えば映像をリアルタイムに記録する役割を担い、他方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、例えば既に記録されている映像をコピーする役割を担う。特に、本システムは上記(1)の構成を備えているため、ユーザは、リアルタイムに映像を記録する記憶媒体と、コピー用の記憶媒体とを区別することができる。
例えば、最大書き込み速度の速い方の記憶媒体としてXQDカードを用い、最大書き込み速度の遅い方の記憶媒体としてSDカードを用いることができる。
例えば、通知手段は、リアルタイムに映像を記録する記憶媒体を装着すべき媒体収容部を特定する情報(例えば位置)と、コピー用の記憶媒体を装着すべき媒体収容部を特定する情報(例えば位置)とを、表示装置に表示させるとよい。
(7)少なくとも一方の前記媒体収容部は、無線通信機能を持つ記憶媒体との間のインタフェース規格をサポートしており、
前記制御手段は、無線通信機能を持つ記憶媒体に、撮像装置で撮像された映像を送信させる機能、及び他方の前記媒体収容部に保持されている前記憶媒体から映像を読み出して、読み出された映像を送信させる機能を有するシステムとするとよい。
撮像装置で撮像された映像を、無線通信機能を持つ記憶媒体を介して、外部機器に無線送信することができる。これにより、ユーザは、記憶媒体を媒体収容部から取り外すことなく外部機器で映像を再生することができる。一方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、映像を無線で送信する役割を担い、他方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、映像を記録する役割を担う。なお、無線で送信する役割を担う記憶媒体に、さらに映像を記録する役割を担わせてもよい。
無線通信機能を持つ記憶媒体として、例えばWiFi規格の通信機能を持つSDIOカード、移動通信システム規格の通信機能を持つSDIOカード、トランスファージェット規格の通信機能を持つSDIOカード等を用いることができる。
2つの媒体収容部が、無線通信機能を持つ記憶媒体との間のインタフェース規格をサポートするようにするとさらによい。例えば、一方の媒体収容部に保持されている記憶媒体に映像を記録しているときに、他方の媒体収容部に保持されている記憶媒体に既に記録されている映像を、その記憶媒体の通信機能を用いて送信することができる。
(8)一方の前記媒体収容部に、車両に搭載された撮像装置で過去に撮像された映像が、撮像された位置情報とともに記録された記憶媒体が保持されているとき、
前記制御手段は、車両の現在位置に基づいて、対応する位置情報に対応する映像を前記媒体収容部に保持されている記憶媒体から読み出して表示手段に表示させる機能を持つシステムとするとよい。
運転者は、表示手段に表示された映像を参考にしながら運転することができる。過去に撮像された映像として、車両の推奨走行経路を走行しながら撮像されたものとするとよい。推奨走行経路に不案内な運転者にとって、表示手段に表示された映像は推奨走行経路を走行するために有益な情報になる。例えば、一方の媒体収容部に保持される記憶媒体は映像をリアルタイムに記録する役割を担い、他方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、過去に走行したときの映像を提供する機能を担う。
(9)上記(8)のシステムにおいて、前記通知手段は、2つの前記媒体収容部のうち、表示手段に表示させるべき映像が記録されている記憶媒体を保持すべき前記媒体収容部をユーザに知らせる機能を持つシステムとするとよい。
運転者は、過去に撮像された映像が記録されている記憶媒体をどの媒体収容部に保持させればよいのかを容易に知ることができる。このため、媒体収容部への記憶媒体の装着間違いが生じ難くなる。
(10)さらに、外部からの電源の供給が停止したときに前記制御手段に電源を供給する内部電源を有し、
前記制御手段は、外部からの電源の供給があるときに、一方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に映像を記録し、外部からの電源の供給が停止したときに前記内部電源から電源の供給を受け、他方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に映像を記録する機能を持つシステムとするとよい。
ユーザは、システムを車両から持ち出して所望の対象物を撮像することができる。システムが車両に搭載されているときに撮像された映像が記録された記憶媒体と、車両から持ち出して撮像した映像が記録された記憶媒体とを別々に保管することができる。システムを車両に搭載した状態で、撮像装置で撮像された映像を一方の媒体収容部に保持されている記憶媒体に記録しながら、他方の媒体収容部に保持されている記憶媒体から、車外で記録された映像を読み出すことができる。
例えば、車両を運転して行楽に出かけ、行楽地で本システムを車両から持ち出してアクションカメラとして利用することができる。行楽地で撮像した映像を、行楽帰りの車内で再生することができる。
例えば、一方の記憶媒体は、車両走行中の映像をリアルタイムに記録する役割を担い、他方の記憶媒体は、アクションカメラとして使用しているときに撮像された映像を記録する役割、及びアクションカメラとして使用しているときに撮像された撮像を、車内において提供する役割を担う。例えば、通知手段は、車両走行中の映像を記録する記憶媒体を保持する媒体収容部を特定する情報(例えば位置)、及びアクションカメラとして使用しているときに撮像された映像を記録する記憶媒体を保持する媒体収容部を特定する情報(例えば位置)を表示手段に表示させるとよい。これにより、ユーザは、どの媒体収容部に保持されている記憶媒体に、どの映像が記録されているかを容易に知ることができる。
システムに外部から電源が供給されている期間は、システムをドライブレコーダとして動作させ、システムがドライブレコーダとして動作しているときに外部からの電源供給が停止したら、システムを駐車監視記録用レコーダとして動作させ、システムに外部から電源が供給されていない状態でシステムのメインスイッチがオンにされたら、アクションカメラとして動作させるとよい。ドライブレコーダまたは駐車監視記録用レコーダとして動作しているときは、一方の媒体収容部に保持された記憶媒体に映像を記録し、アクションカメラとして動作しているときは、他方の媒体収容部に保持された記憶媒体に映像を記録するとよい。
アクションカメラとして動作した後、システムを車両に搭載して外部からの電源供給が開始されると、アクションカメラとして動作した期間に記録された映像を自動的に再生するとよい。ユーザは、アクションカメラとして撮像された映像を、車内で直ちに鑑賞して楽しむことができる。
アクションカメラとして動作した後、システムを車両に搭載して外部からの電源供給が開始された時点から所定の時間が経過するまでは、撮像装置で撮像されている現在の映像を表示手段に表示させ、所定の時間が経過した後に、アクションカメラとして動作した期間に記録された映像を自動的に再生するようにしてもよい。ユーザは、撮像装置で撮像されている現在の映像が表示手段に表示されている期間に、表示手段に表示されている映像を見ながら撮像装置の姿勢を調整することができる。
(11)前記制御手段は、車両に搭載された撮像装置で撮像された映像を一方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に記録し、車両に搭載された撮像装置で撮像された映像に他の画像を重ね合わせた合成画像を他方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に記録する機能を持つシステムとするとよい。
ユーザは、車両の走行時に録画された映像を走行後に確認する際に、合成画像を種々の用途に利用することができるとともに、もう一方の記憶媒体には、未加工の映像をそのまま残すことができる。映像の再生時に、合成画像と未加工の映像とを対比することができる。未加工の映像により、警報発生時における車両の周囲の状況を詳細に把握することができる。さらに、未加工の映像は、改ざん等が行われていないと推認することができるため、合成画像よりも高い証拠能力を有すると考えられる。一方の記憶媒体は、映像を未加工の状態で記録する役割を担い、他方の記憶媒体は、撮像された映像に警報情報等の画像を合成した合成画像を記録する役割を担う。
例えば、撮像装置で撮像された映像に重ね合わせる画像として、コンピュータで生成した画像とするとよい。コンピュータで生成した画像として、例えばレーダ検知器等の機器で検知された警報情報を採用するとよい。警報情報として、例えばレーダ式速度取締機等の警報対象までの距離を示す情報、運転者に対して出された速度低下を促す情報等の運転者への注意喚起情報が挙げられる。車両の管理責任者は、警報が出されたときに運転者がどのような走行を行ったかを確認することができる。
警報情報を映像に重ね合わせて画像として記録するとともに、警報を知らせる音声を発出して、音声情報を記録するとよい。例えば、未加工の映像を記憶する記憶媒体には、車両内のマイクで拾われた音声を記録し、合成画像を記録する記憶媒体には警報の音声のみを記録してもよい。
合成画像として、撮像装置で撮像された映像に、警報情報を表す半透明の画像を重ね合わせるとよい。画面を分割して、画面の一部に警報発出時の車両位置周囲の地図を表示するとよい。
(12)前記制御手段は、2つの撮像装置で撮像された映像を、それぞれ異なる前記媒体収容部に保持された記憶媒体に記録する機能を持ち、前記通知手段は、2つの撮像装置と前記媒体収容部との対応関係をユーザに知らせるシステムとするとよい。
2つの記憶媒体は、それぞれ異なる撮像装置で撮像された映像を記録する役割を担う。通知手段は、例えば2つの媒体収容部と、その媒体収容部に保持されている記憶媒体に記録する映像を撮像する撮像装置との対応関係を、画像または文字情報として表示するとよい。1つの撮像装置ではカバーできない広い領域の映像を記録することができる。ユーザは、どの媒体収容部に保持されている記憶媒体にどの撮像装置で撮像された映像が記録されているかを容易に知ることができる。ユーザは、確認したい映像が記録されている記憶媒体を媒体収容部から取り外すことができる。
制御手段は、2つの媒体収容部にそれぞれ保持されている記憶媒体に記録されている映像が、同一の期間に異なる領域を撮像した映像であることを、通知手段を通してユーザに知らせるとよい。通知手段を通して通知に気付いたユーザは、同一の期間に撮像された映像を関連付けて、例えば同時刻の映像を同時に表示手段に表示させて確認することができる。
ユーザが1つの媒体収容部に保持されている記憶媒体のみを取り外したとき、制御手段は、もう一方の媒体収容部に保持されている記憶媒体に同一の期間に撮像された映像が記録されているため、そちらの媒体収容部に保持されている記憶媒体も取り外すように、通知手段を通してユーザに促すとよい。この通知により、媒体収容部からの記憶媒体の取り外し忘れが生じ難くなる。
2つの媒体収容部に保持されていた記憶媒体の映像を確認する際には、再生機器が、2つの映像を同期させて同一時刻の映像を表示手段に同時に表示させるとよい。ユーザは、同時刻における車両の周囲の状況を容易に確認することができる。
例えば、2つの撮像装置として、車両の前方及び後方、または前方及び車内を撮像する装置を用いるとよい。車両の走行後に、車両の前方と後方との両方の状況、または前方と車内との両方の状況を映像で確認することができる。
例えば、2つの撮像装置を作業車両に搭載し、一方で車両の前方を撮像し、他方で作業箇所を撮像してもよい。例えば、撮像装置を搭載する作業車両をフォークリフトとし、1つの撮像装置で撮像する作業箇所をフォークの昇降動作の範囲とするとよい。ユーザは、作業車両の走行状況と作業状況とを、作業後に映像で確認することができる。
例えば、構内で稼働する車両に2つの撮像装置を搭載し、一方で車両の前方を撮像し、他方で運転者を撮像するとよい。2つの撮像装置で撮像された映像を見ることにより、運転者が構内の運転規則を守っているか否かを検証することができる。例えば、右左折するときに指差し歓呼したか否かを検証することができる。映像に音声が付加されている場合には、特定の場所で「右よし左よし」といった歓呼を行ったか否かを検証することができる。
例えば、2つの撮像装置として、相互に種類の異なる撮像装置を用いてもよい。例えば、一方の撮像装置として全天球カメラを用い、他方の撮像装置として通常のカメラを用いるとよい。ユーザは、通知手段を通して通知された情報に基づいて、全天球カメラで撮像された映像が記憶されている記憶媒体と、通常のカメラで撮像された映像が記録されている記憶媒体とを、容易に区別することができる。
2つの撮像装置のうち一方をシステムの筐体内に収め、他方を外付けカメラとするとよい。ユーザは、1つの外付けカメラのみを筐体に接続すればよいため、接続作業の簡易化を図ることができる。
2つの撮像装置をともに外付けカメラとしてもよい。ユーザは、撮像すべき対象や撮像された映像の用途によって、好適な性能を持つ外付けカメラを選択することができる。また、撮像装置の配置位置がシステムの筐体の位置の影響を受けず、撮像装置の配置の自由度が高まる。外付けカメラを接続するためのシステムの筐体側の接続端子の形状を相互に異ならせるとよい。種類の異なる2つの外付けカメラの接続ミスを防止することができる。
媒体収容部を3つ以上とし、媒体収容部の個数分の撮像装置を準備してもよい。媒体収容部及び撮像装置を3つ以上準備することにより、より広範囲の映像を同時に撮像して、対応する記憶媒体に記録することができる。
(13)前記制御手段は、同一の撮像装置で撮像された映像を、フレームレート及び解像度の少なくとも一方の録画条件を異ならせて、2つの前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に記録する機能を持ち、前記通知手段は、録画条件の相違に基づく情報をユーザに知らせる機能を持つシステムとするとよい。
フレームレートまたは解像度の低い録画条件で記録される方の記憶媒体は、長時間録画用として利用することができ、フレームレートまたは解像度の高い録画条件で記録される方の記憶媒体は、記録された映像のより詳細な分析用として利用することができる。ユーザは、通知手段を通して通知された情報に基づいて、映像の利用目的に応じてどの媒体収容部に保持された記憶媒体の映像を見ればよいか容易に判断することができる。
長時間録画用の記憶媒体は、詳細分析用の記憶媒体よりも書き換え回数が少なくなるため、寿命が長くなる。例えば、詳細分析用の記憶媒体が寿命を超えたことによって映像が記録されなかったとしても、長時間録画用の記憶媒体には映像が残っている。また、2つの記憶媒体が同時期に寿命を迎える確率は低い。このため、一方の記憶媒体が寿命を迎えたとしても、他方の記憶媒体には映像が正常に記録されることとなり、どちらの記憶媒体にも映像が残っていないという事態が発生することはほとんどない。
2つの媒体収容部に保持される記憶媒体は、それぞれ同一の撮像装置で撮像された映像を異なる録画条件で記録する役割を担う。通知手段がユーザに知らせる録画条件の相違に基づく情報として、例えばフレームレートを示す情報、解像度を示す情報等を採用するとよい。
(14) 前記媒体収容部の少なくとも1つに保持されている記憶媒体に、フレームレート及び解像度の少なくとも一方の録画条件が記憶されており、
前記制御手段は、前記媒体収容部に保持された記憶媒体に記憶されている録画条件を読み出し、読み出された録画条件に基づいて映像を記録する機能を持つシステムとするとよい。
ユーザは、媒体収容部に保持させる記憶媒体に予め録画条件を記憶させておくことにより、所望の録画条件で映像を記憶媒体に記録させることができる。
録画条件として、フレームレート及び解像度の他に、例えばイベント発生時の前後の映像を記録するときのイベントの発生を判定する条件、音声を記録するか否かという条件等を含めてもよい。イベントの発生を判定する条件には、例えば、車両に搭載された加速度センサの検出値等を判定閾値として用いるとよい。加速度センサの検出値以外に、その他のイベントの種別を録画条件として採用してもよい。
媒体収容部に保持される記憶媒体は、映像を記録する役割を担うとともに、少なくとも一方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、録画条件を記憶する役割を担う。通知手段は、録画条件を記憶する記憶媒体を保持する媒体収容部を特定する情報(例えば位置)をユーザに通知するとよい。
2つの媒体収容部に保持された記憶媒体の両方に録画条件が記憶されているとき、制御手段は、特定の1つの媒体収容部に保持されている記憶媒体に記憶されている録画条件を有効にし、他方の媒体収容部に保持されている記憶媒体に記憶されている録画条件は採用せず、有効な録画条件に基づいて2つの記憶媒体に映像を記録するとよい。ユーザは、実際に記録したい録画条件を記憶させた記憶媒体を特定の1つの媒体収容部に保持させればよく、他方の記憶媒体に記憶されている録画条件を知る必要はない。
制御手段は、2つの媒体収容部に保持されている記憶媒体に記憶されている録画条件をそれぞれ有効にし、記憶媒体ごとに、その記憶媒体に記憶されている録画条件に基づいて映像を記録してもよい。ユーザは、記憶媒体ごとに録画条件を決めることができる。
制御手段は、記憶媒体に記憶されている録画条件を採用せず、予め制御手段に設定されている録画条件に基づいて映像を記憶媒体に記録してもよい。ユーザは、予め制御手段に録画条件を設定しておくことにより、記憶媒体を媒体収容部に保持させる度に記憶媒体に記憶されている録画条件を確認することなく、所望の録画条件に基づいて映像を記録させることができる。
制御手段は、特定の1つの媒体収容部に保持されている記憶媒体に記憶されている録画条件を有効にするモード、記憶媒体に記憶されている録画条件を両方とも有効にするモード、及び予め制御手段に設定されている録画条件を有効にするモードの中から1つのモードをユーザに選択させるとよい。ユーザは、システムの利用形態に応じて最も適切なモードを選択することができる。
制御手段は、ユーザに選択させる複数のモードをメニューとして表示手段に表示させるとよい。ユーザは、メニューの中から1つのモードを選択すればよい。録画条件が記憶されていない記憶媒体が媒体収容部に保持されているときは、その媒体収容部に保持されている記憶媒体に記憶されている録画条件を有効にするモードをメニューから除外しておくとよい。制御手段に録画条件が設定されていないとき、制御手段に設定されている録画条件を有効にするモードをメニューから除外しておくとよい。ユーザは、選択可能なモードの一覧を知ることができる。
それぞれの記憶媒体に、録画条件ともに優先度を記憶させておき、制御手段は、優先度の高い方の録画条件を有効にするとよい。優先度が同一である場合には、優先度を設定した時期に基づいてどちらの録画条件を有効にするかを決定するとよい。例えば、設定時期が新しい方の録画条件を有効にするとよい。その逆に、設定時期が古い方の録画条件を有効にしてもよい。設定時期が新しい方の録画条件を有効にするか、古い方の録画条件を有効にするかを、予め制御手段に設定しておくとよい。
(15)前記制御手段は、同一の撮像装置で撮像された映像を、少なくとも2つの前記媒体収容部に保持されている記憶媒体の双方に、リアルタイムに記録する機能を持つシステムとするとよい。
どちらかの媒体収容部に保持されている記憶媒体で書き込みエラーが発生して映像が記録されなかった場合でも、他方の媒体収容部に保持されている記憶媒体に映像を正常に記録することができる。このため、映像が全く残らないという事態の発生を回避することができる。一方の媒体収容部のみの記憶媒体を取り外して、パソコン等の他の機器で映像を再生することができる。
例えば、2つの媒体収容部に保持される記憶媒体は同一の映像を記録し、相互にバックアップし合う役割を担う。通知手段は、例えば2つの媒体収容部に保持されている記憶媒体に同一の映像が記録されていることをユーザに知らせるとよい。
制御装置は、同一の映像が記録された記憶媒体のそれぞれに、同一の映像を記録した他の記憶媒体が存在するという情報、及び両者を関連づける情報(ペアリング情報)を記憶させるとよい。制御手段は、1つの媒体収容部に保持されている記憶媒体のペアリング情報を読み取ることにより、同一の映像が記憶されたペアとなる記憶媒体の有無、ペアとなる記憶媒体の識別を行うことができる。
(16)前記制御手段は、前記媒体収容部に保持された記憶媒体への映像の記録時にベリファイする機能を持ち、一方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体への記録時にベリファイエラーが発生したとき、他方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に、ベリファイエラーが発生した映像を記録する機能を持つシステムとするとよい。
一方の記憶媒体への書き込み時にベリファイエラーが発生して書き込めなかった映像を、他方の記憶媒体に書き込むことができる。これにより、全体として、映像が記録できなくなってしまう事態の発生頻度を低減することができる。
2つの媒体収容部に保持されている記憶媒体は、映像を記録する際に一方の記憶媒体でベリファイエラーが発生しても、相互に補完し合って映像を記録する役割を担う。例えば、通知手段は、2つの媒体収容部に保持されている記憶媒体に、1つの映像が相互に補完し合って記録されていることをユーザに知らせるとよい。
例えば、記憶媒体への映像の書き込み時に肯定応答(ACK)信号が返信されるとベリファイエラーが発生しなかったと判定し、否定応答(NAK)信号が返信されるとベリファイエラーが発生したと判定するとよい。または、記録された映像を読み出して、データの整合性を確認することによりベリファイエラーの発生の有無を判定してもよい。
ベリファイエラーが発生して、映像の記録先の記憶媒体を変更した後、変更後の記憶媒体でもベリファイエラーが発生したら、映像の記録先を元の記憶媒体に戻してもよい。ベリファイエラー発生の要因が一時的なものである場合には、元の記憶媒体に映像を正常に記録することができる可能性もある。
(17)前記媒体収容部の少なくとも1つに保持されている記憶媒体に、アクセス権限を示す鍵情報が記憶されており、
前記制御手段は、前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に記憶されている鍵情報を読み出し、読み出された鍵情報に基づいて前記媒体収容部に保持されている記憶媒体へのアクセスを制限または許可する機能を持つシステムとするとよい。
一方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、映像を記録する役割を担い、他方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、媒体収容部に保持されている記憶媒体へのアクセス権限を示す鍵情報を記憶する役割を担う。鍵情報に応じてアクセスを制限することにより、システムのセキュリティを高めることができる。例えば、制御手段は、管理者モードと使用者モードとのいずれかの動作モードで動作する機能を持つとよい。記憶媒体に記憶させる鍵情報として、管理者モードでの動作の許可、使用者モードでの動作のみの許可等とするとよい。例えば、制御手段は、管理者モードで動作しているときは、媒体収容部に保持されている記憶媒体の初期化処理を行うことができるが、使用者モードで動作しているときは、媒体収容部に保持されている記憶媒体の初期化処理を行うことができないようにするとよい。例えば、記憶媒体に記憶されている情報を、管理者のみが閲覧可能な情報と、一般使用者も閲覧可能な情報とに区分してもよい。制御手段は、管理者モードで動作しているときは、管理者のみが閲覧可能な情報を読み出すことができるが、使用者モードで動作しているときは、管理者のみが閲覧可能な情報を読み出すことができなくするとよい。
鍵情報を記憶させておく記憶媒体に、運転者指導用の情報を記憶させておくとよい。制御手段は、運転者指導用の情報を読み出して出力手段に出力させるとよい。出力手段として、例えば画像を表示する表示手段や音声を出力する発音手段を用いるとよい。運転者は、出力手段に出力された情報に気付くことにより、安全運転を行うように動機付けされる。管理者は、運転者ごとに、その運転者の運転の習性に基づいて運転者指導用の情報を記憶媒体に記憶させて、その運転者に渡すとよい。
例えば、一時停止を無視してしまう習性のある運転者には、一時停止を促す情報を記憶させた記憶媒体を渡すとよい。制御手段は、撮像装置で撮像された映像を画像解析して一時停止の標識を検出すると、一時停止を促す情報を出力手段から出力させるとよい。一時停止を促す情報として、例えば、「一時停止の標識のある場所では一時停止しましょう。」という音声を出力するとよい。例えば、急ハンドルの操作を頻繁に行う運転者には、急ハンドル操作をしないように促す情報を記憶させた記憶媒体を渡すとよい。
管理者は、車両の走行中に常時記録された映像を見て、運転者ごとの運転の習性を知ることができる。また、記憶媒体に記録された映像と位置情報とを関連づけて、過去に危険運転を行った場所を特定することができる。管理者は、運転者指導用の情報にこの位置情報を合わせて記憶させておくとよい。制御手段は、過去に危険運転を行った場所に近づいたことを検知すると、危険運転を行わないように注意喚起する情報を出力手段から出力させるとよい。また、制御手段は、運転者指導用の情報として記憶されている危険運転と同種の危険運転の発生を検知したら、その危険運転を行わないように注意喚起する情報を出力手段から出力させるとよい。さらに、制御手段は、危険運転の発生が予測される事象が発生した時点で、その危険運転を行わないように注意喚起する情報を出力手段から出力させるとよい。例えば、撮像装置で撮像された映像内に信号機を検出したら、信号無視をしないように注意喚起する情報を出力手段から出力させるとよい。例えば、撮像装置で撮像された映像内に歩行者を検出したら、歩行者に注意するように注意喚起する情報を出力手段から出力させるとよい。
(18)前記通知手段は、少なくとも2つの前記媒体収容部のうち、鍵情報が記憶されている記憶媒体を保持すべき前記媒体収容部をユーザに知らせる機能を持つシステムとするとよい。
鍵情報を記憶している記憶媒体の媒体収容部への装着誤りが生じ難くなる。例えば、記憶媒体の担う役割をユーザに通知する通知手段として、鍵情報が記憶されている記憶媒体を装着すべき媒体収容部の近傍の筐体表面に、鍵情報を示す標識を設けるとよい。また、制御手段は、鍵情報が記憶された記憶媒体が、間違った媒体収容部に装着されたことを検知すると、記憶媒体を正しい媒体収容部に装着するように促す情報を通知手段から出力させるとよい。
(19) 前記制御手段は、車両の電源がオンにされた時点からオフにされた時点までに亘って撮像装置で撮像された映像と、所定のイベントが発生した時点を含む一部の映像とを、相互に異なる前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に記録する機能、または、車両の電源がオンにされた時点からオフにされた時点までに亘って撮像装置で撮像された映像と、車両の電源がオフになっている期間に撮像装置で撮像された映像とを、相互に異なる前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に記録する機能を持つシステムとするとよい。
1つの記憶媒体に上述の2つの映像を記録する場合と比べて、全体としての記録容量が増加する。これにより、車両の電源がオンにされた時点からオフにされた時点までに亘って撮像装置で撮像された映像を記録(常時記録という。)することができる時間、または車両の電源がオフになっている期間に撮像装置で撮像された映像を記録(駐車監視記録という。)することができる時間が長くなる。常時記録または駐車監視記録を行うときに、記憶媒体の空き容量がなくなると古い映像を新しい映像で上書きする処理を行う場合には、上書き回数を少なくすることができる。これにより、記憶媒体の寿命を伸ばすことができる。
記録される映像の容量に応じて、適切な記録容量を持つ記憶媒体を準備すればよい。例えば、イベントが発生した時点を含む一部の映像を記録(イベント記録という。)するための記憶媒体には、常時記録用または駐車監視記録用の記憶媒体ほどの容量は必要とされない。このため、常時記録用または駐車監視記録の記憶媒体として大容量のものを準備し、イベント記録用の記憶媒体としては、常時記録用または駐車監視記録用の記憶媒体よりも容量の小さなものを準備すればよい。これにより、記憶媒体に要するコストを削減することができる。
一方の媒体収容部に保持されている記憶媒体は、映像を常時記録する役割を担い、他方の媒体収容部に保持されている記憶媒体は、映像を駐車監視記録またはイベント記録する役割を担う。例えば、通知手段は、映像を常時記録、駐車監視記録、またはイベント記録する記憶媒体が保持される媒体収容部を特定する情報(例えば位置)をユーザに知らせるとよい。
ユーザは、見たい映像が記録されている方の記憶媒体のみを媒体収容部から取り外して、外部の機器で再生することができる。例えば、イベント発生時の映像を見たい場合には、イベント記録用の記憶媒体のみを媒体収容部から取り外せばよい。
「車両の電源がオフになっている期間に撮像装置で撮像された映像」には、例えば車両が駐車されている期間に撮像された映像が含まれる。駐車中の全期間に亘って撮像された映像を記録するとよく、駐車中に所定のイベントが発生した時点を含む一部の映像を記録すると特によい。イベントとして、例えば撮像している映像内での動きの発生、車両の振動の発生、大きな音の発生、車両の窓の開放、車両のドアの開放等を含めるとよい。駐車監視記録用の記憶媒体にイベントが発生した時点を含む一部の映像を記録することにより、記憶媒体の容量の消費量を削減することができる。
(20)前記制御手段は、車両に搭載された撮像装置で撮像された映像を一方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に記録し、車両から取得された車両の走行に関わる情報を他方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に記録する機能を持つシステムとするとよい。
管理者は、記憶媒体に記憶されている映像と、撮像時の車両の走行に関わる情報とを関連付けて、映像取得時の運転を評価することができる。一方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、車両に搭載された撮像装置で撮像された映像を記録する役割を担い、他方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、車両から取得された車両の走行に関わる情報を記録する役割を担う。通知手段は、例えば、映像を記録する記憶媒体を保持する媒体収容部を特定する情報(例えば位置)と、車両の走行に関わる情報を記録する記憶媒体を保持する媒体収容部を特定する情報(例えば位置)とをユーザに知らせるとよい。
車両の走行に関わる情報には、例えば位置情報、速度情報、加速度情報、車両の操作状況を示す情報等を含めるとよい。これらの情報は、例えば車両のOBDコネクタを介して取得することができる。車両の操作状況には、例えばブレーキを踏んだか否か、方向指示器を出したか否かという操作状況等を含めるとよい。
(21)前記媒体収容部の少なくとも1つに保持されている記憶媒体に、所定のイベントが発生したと判断する条件であるイベント条件が記憶されており、
前記制御手段は、一方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体からイベント条件を読み取り、撮像装置で撮像された映像を他方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に記録するとともに、読み出されたイベント条件を満たすイベントの発生を検出すると、イベントが発生したことを示す目印を、映像と関連付けて記録する機能を持つシステムとするとよい。
ユーザは、映像を記録している記憶媒体に記録された目印を参考にして、確認または検証したい映像を短時間で見つけ出すことができる。これにより、膨大な映像から有益な映像を抽出し、映像を有効に利用することができる。ユーザは、確認または検証したいイベント条件を記憶媒体に記憶させておけばよいため、イベント条件の追加や削除を容易に行うことができる。
一方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、イベント条件を記憶する役割を担い、他方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、映像を記録するとともに、イベント条件を満たすイベントが発生した時点を記憶する役割を担う。通知手段は、イベント条件を記憶している記憶媒体を保持する媒体収容部を特定する情報(例えば位置)、及び映像が記録される記憶媒体を保持する媒体収容部を特定する情報(例えば位置)をユーザに知らせるとよい。
イベント条件に、例えば運転者の疲労、不注意等によって生じ得るイベントの発生を検出する条件を含めるとよい。例えば、走行車線からの逸脱、前の車両への異常接近、前の車両が発進したにもかかわらず自車が停止中のままで一定時間経過、横ブレ、スリップ等の発生をイベント条件として挙げることができる。これらのイベントの発生は、車両に先進運転支援システム(ADAS)を搭載することにより検出することができる。管理者は、イベント発生時の映像を運転者に見せることにより、運転者に危険度を自覚させ、安全運転につなげることができる。
イベント条件として、例えば撮像された映像内に特定の人物や特定の車両が存在するという条件を含めるとよい。検知すべき特定の人物や車両の画像を記憶媒体に記憶させておき、制御手段は、画像認証技術を用いて特定の人物や車両を検出するとよい。制御手段は、特定の人物や車両を検出したら、検出した場所の位置情報、検出時の映像等をデータセンタ(例えば警察のサーバ等)に送信するとよい。データセンタに送られた情報は、手配中の人物や車両を見つけ出す有益な手がかりとなる。
イベント条件として、例えば不穏または危険な動きをしている車両(危険車両)の検知を含めるとよい。不穏または危険な動きには、例えば蛇行運転、信号無視、速度超過等を含めるとよい。制御手段は、危険車両を検出したら、検出した場所の位置情報、検出時の映像等をデータセンタ(例えば警察のサーバ等)に送信するとよい。危険車両の存在を複数の車両の運転者で共有することにより、危険車両に起因する事故の発生を未然に防止することが可能になる。危険車両の運転者に、危険運転を行わないように指導することができる。
イベント条件として、特定の姿勢をとっている人物の検知、特定の年代の歩行者の検知、自転車の検知、特定の交通標識の検知等を含めるとよい。これらのイベントが発生した時に運転者がどのような運転を行ったかを、容易に確認または検証することができる。例えば、特定の姿勢をとっている人物として、手を上げている人物、自撮り棒を持っている人物等含めるとよい。手を上げている人物が検知された時に、例えば運転者が一時停止したか否かを映像によって検証することができる。自撮り棒を持っている人物を検知した時に、運転者が速度を緩めたか否かを検証することができる。特定の年代の歩行者として、子供または老人を含めるとよい。歩行者として子供または老人を検知したときに、例えば運転者が速度を緩めたか否かを検証することができる。種々の交通標識を検知した時に、例えば運転者が交通規則を順守しているか否かを検証することができ
(22)前記制御手段は、一方の前記媒体収容部に保持される記憶媒体に汎用のファイルフォーマット形式で映像を記録し、他方の前記媒体収容部に保持される記憶媒体に独自のフォーマット形式で映像を記録する機能を持つシステムとするとよい。
汎用のファイルフォーマット形式で映像が記録されている記憶媒体を媒体収容部から取り外して、一般的な再生装置、例えばパソコンの汎用メディアプレーヤ等で再生することができる。独自のフォーマット形式で映像が記録されている記憶媒体は、媒体収容部から取り外して専用のアプリケーションソフトを用いて再生することができる。
一方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、汎用のファイルフォーマット形式で映像を記録する役割を担い、他方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、独自のファイルフォーマット形式で映像を記録する役割を担う。通知手段は、例えば汎用のファイルフォーマット形式で映像を記録する記憶媒体を保持する媒体収容部を特定する情報(例えば位置)、及び独自のファイルフォーマット形式で映像を記録する記憶媒体を保持する媒体収容部を特定する情報(例えば位置)をユーザに知らせるとよい。
汎用のファイルフォーマットとして、例えばaviファイルフォーマットを採用するとよい。映像の圧縮技術として、MPEG2、モーションJPEG、H.264、H.265等を適用するとよい。
(23)前記制御手段は、前記媒体収容部に保持されている記憶媒体を初期化する機能を持ち、ユーザから1つの前記媒体収容部に保持されている記憶媒体を初期化する操作が行われると、ユーザによって指定された初期化すべき前記媒体収容部を特定する情報、及び初期化実行の確認待ち状態であることを、前記通知手段を通してユーザに知らせ、ユーザから確認済の応答を受けた後、初期化処理を実行する機能を持つシステムとするとよい。
ユーザの操作ミスによって想定外の記憶媒体が初期化されてしまうことを防止することができる。その結果、消去したくない映像が消去されてしまうことを防止することができる。
ユーザによって指定された初期化すべき媒体収容部を特定する情報として、制御手段が媒体収容部を特定する情報を文字または画像で表示手段に表示させるとよい。
(24)前記制御手段は、2つの前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に、相互に補完し合う関係を持つ映像、及び2つの記憶媒体を関連付ける識別情報を記録し、一方の前記媒体収容部にのみ前記識別情報が記録された記憶媒体が保持されているとき、相互に補完し合う他の記憶媒体が存在することを、前記通知手段を通してユーザに知らせる機能を持つシステムとするとよい。
ユーザが記憶媒体を媒体収容部に装着し、または媒体収容部から取り外すときに、相互に補完し合う関係を持つ2つの記憶媒体の一方の装着忘れ、または取り外し忘れが生じ難くなる。相互に補完し合う関係を持つ2つの記憶媒体が散逸して有益な映像が得られなくなってしまう事態の発生を回避することができる。
2つの媒体収容部に保持される記憶媒体は、相互に補完し合う関係をもつ映像を記録する役割を担う。例えば、2つの媒体収容部に保持される記憶媒体に、補完する相手となる記憶媒体を識別する識別情報を記憶する役割を担うようにするとよい。
相互に補完し合う関係として、例えば一部の時間帯の映像が一方の記憶媒体に記録され、残りの時間帯の映像が他方の記憶媒体に記録されており、両者が補完し合って全期間に亘る映像が構成される関係とするとよい。映像を時間軸上で細切れに分割して、細切れに分割された映像を2つの記憶媒体に交互に記録すると特によい。
相互に補完し合う関係として、例えば一方が汎用のフォーマット形式で初期化された記憶媒体であり、他方が独自のフォーマット形式で初期化された記憶媒体であり、両者に記録されている映像が同一である関係とするとよい。再生する機器に応じて、その機器でサポートされているフォーマット形式の記憶媒体を装着することにより、映像を再生することができる。汎用のフォーマット形式として例えばFATフォーマット形式を採用するとよい。独自のフォーマット形式として例えばYPフォーマットと呼ばれる形式を採用するとよい。
(25)前記制御手段は、前記媒体収容部の一方に保持されている記憶媒体に記録された映像を、他方に保持されている記憶媒体にコピーする機能を持ち、さらに、ユーザの操作によってコピー処理開始の予約をする機能を持つシステムとするとよい。
長時間に亘って記録された映像を他の記憶媒体にコピーするには長時間が必要となる。コピー処理開始の予約をしておくと、ユーザが本システムを使用していない空き時間にコピー処理を行うことができる。
一方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、元となる映像を記録しておく役割を担い、他方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、映像のコピー先としての役割を担う。通知手段は、例えばコピー元となる記憶媒体を保持する媒体収容部を特定する情報(例えば位置)、及びコピー先となる記憶媒体を保持する媒体収容部を特定する情報(例えば位置)をユーザに知らせるとよい。
ユーザがコピー元の映像を指定できるようにするとよい。コピー元の映像として、イベント記録された映像を選択可能にし、常時記録された映像は選択できないようにするとよい。一般的に、常時記録された映像はイベント記録された映像より著しく大きな容量を持つため、コピーに長大な時間が必要になる。常時記録された映像をコピー元として選択できないようにすると、コピーに想定外の長い時間が掛かってしまう事態の発生を回避することができる。
(26)さらに、前記媒体収容部及び前記制御手段を収納する筐体を有し、前記媒体収容部に記憶媒体を保持させるときに記憶媒体を通過させる挿入口が前記媒体収容部ごとに前記筐体に設けられており、
2つの前記媒体収容部は、それぞれ大きさの異なる記憶媒体を保持するように構成されており、前記挿入口の大きさが、保持する記憶媒体の大きさの相違に対応して相互に異なっており、
前記通知手段は、前記挿入口の大きさが異なる構成によりユーザに前記媒体収容部に保持される記憶媒体の役割を知らせるシステムとするとよい。
ユーザは、挿入口の大きさを見て、その挿入口を通して媒体収容部に装着する記憶媒体の役割に気付くことができる。例えば、ユーザは、大きな挿入口を通して装着する記憶媒体は持ち運び時に紛失し難いであろうことに思い至り、その結果その挿入口を通して装着する記憶媒体は持ち運び用であると気付く。逆に、小さい方の挿入口を通して装着される記憶媒体は、原則的に常に媒体収容部に装着した状態で使用するためのものであることに気付く。
(27)さらに、前記媒体収容部及び前記制御手段を収納する筐体を有し、前記媒体収容部に記憶媒体を保持させるときに記憶媒体を通過させる挿入口が前記媒体収容部ごとに前記筐体に設けられており、
一方の前記挿入口は他方の前記挿入口より記憶媒体を通過させ難い構成を有し、
前記通知手段は、前記挿入口の構成の相違によりユーザに前記媒体収容部に保持される記憶媒体の役割を知らせるシステムとするとよい。
ユーザは記憶媒体の装着時に、挿入口を通過させ難いことを感知することにより、その媒体収容部に保持される記憶媒体の役割に気付くことができる。例えば、挿入口を通過させ難いとき、ユーザは、その挿入口を通過させて媒体収容部に装着される記憶媒体は、持ち運び用ではなく、原則的に装着したまま使用するためのものであることに気付く。逆に、挿入口を通過させ易いとき、ユーザは、その挿入口を通過させて媒体収容部に装着される記憶媒体は、持ち運び用であることに気付く。
例えば、記憶媒体を通過させ難い挿入口は開閉可能な蓋を取り付けた構成とし、記憶媒体を通過させ易い挿入口は常時開放された構成とするとよい。
(28)さらに、前記媒体収容部及び前記制御手段を収納する筐体を有し、
前記筐体を車両に搭載した状態で、一方の前記媒体収容部は他方の前記媒体収容部より記憶媒体を装着し難い位置に配置されており、
前記通知手段は、前記媒体収容部の位置の相違によりユーザに前記媒体収容部に保持される記憶媒体の役割を知らせるシステムとするとよい。
ユーザは記憶媒体の装着時に、媒体収容部の位置の相違によって記憶媒体を装着し難いことまたは装着し易いことを感知することにより、その媒体収容部に装着する記憶媒体の役割に気付くことができる。例えば、記憶媒体を装着し難いとき、ユーザは、その媒体収容部に装着される記憶媒体は、持ち運び用ではなく、原則的に装着したまま使用するためのものであることに気付く。逆に、記憶媒体を装着し易いとき、ユーザは、その媒体収容部に装着される記憶媒体は、持ち運び用であることに気付く。
記憶媒体を装着し易い位置として、例えば筐体を車両に搭載した状態で、筐体表面のうち一般的な成人男性の手首から先の部分に相当する大きさの空き空間が表面に隣接して確保されている領域が挙げられる。一般的な成人男性の手首から先の部分に相当する大きさとして、例えば直径10cmの球体とするとよい。記憶媒体を装着し難い位置として、例えばこのような空き空間が確保されていない領域が挙げられる。
例えば、記憶媒体を装着しにくい位置として、車両の前方、上方、またはその中間の方向を向く筐体表面とするとよい。記憶媒体を装着し易い位置として、例えば左右方向、または車室内の方向を向く筐体表面とするとよい。筐体を車両に取り付けるためのブラケットの方向を向く面を、記憶媒体を装着し難い位置としてもよい。
制御手段は、例えば駐車期間中に撮像装置で撮像された映像を、記憶媒体を装着し難い位置に配置された媒体収容部に保持されている記憶媒体に記録するとよい。車両の駐車時に運転者が誤って記憶媒体を媒体収容部から取り外してしまい、駐車期間中の映像の記録ができなくなってしまう事態が発生し難くなる。
(29)前記制御手段は、2つの前記媒体収容部に保持されている記憶媒体でそれぞれエラーが発生したことを検知する機能を持ち、一方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体でエラーが発生したことを検知し、エラーが発生した記憶媒体が前記媒体収容部から取り外されたことを検知すると、もう一方の記憶媒体も取り外してメンテナンス担当に提出するように促すメッセージを出力手段に出力させるシステムとするとよい。
エラーが発生した記憶媒体のみならず、エラーが発生していない記憶媒体も合わせて検査することにより、エラーの発生原因の切り分けをし易くなる。エラーには、例えば記憶媒体故障、書き込み失敗、上書き回数の規定値超過といったものが含まれる。
(30)前記媒体収容部に保持される記憶媒体は、書き込み動作を禁止する機械的な書き込み禁止スイッチを有しており、
前記媒体収容部は、保持している記憶媒体の書き込み禁止スイッチを操作して書き込み禁止状態に設定する機能を持ち、
前記制御手段は、所定のイベントが発生したことを検知すると、前記媒体収容部を制御して記憶媒体の書き込み禁止スイッチを書き込み禁止状態に設定する機能を持つシステムとするとよい。
記憶媒体を書き込み禁止状態にすることにより、イベント発生時の映像が上書きされてしまうことを防止することができる。書込み禁止スイッチとして機械的スイッチを用い、媒体収容部は機械的スイッチを駆動する機能を持つとよい。機械的スイッチを駆動する機能は、例えばソレノイドアクチュエータ等で実現することができる。
(31)一方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に販売促進用の映像が記録されているとき、
前記制御手段は、車両に搭載された撮像装置に代えて、販売店に陳列された撮像装置で撮像された映像を他方の前記媒体収容部に保持されている記憶媒体に記録し、所定時間経過すると記録を停止して、記録された映像を表示手段に表示させる機能を持つシステムとするとよい。
販売店は、販売促進用の映像を表示手段に表示させることにより、消費者の購買意欲を高めることができる。さらに、システムの機能を消費者に容易に伝えることができる。消費者は、販売店で撮像された映像を、表示手段を通して確認することができる。これにより、消費者はシステムの機能や性能を体感することができる。
一方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、販売促進用の映像を記録しておく役割を担い、他方の媒体収容部に保持される記憶媒体は、販売店に陳列された撮像装置で撮像された映像を記録する役割を担う。通知手段は、例えば販売促進用の映像を記録している記憶媒体を保持する媒体収容部を特定する情報(例えば位置)、及び販売店に陳列された撮像装置で撮像された映像を記録する記憶媒体を保持する媒体収容部を特定する情報(例えば位置)をユーザに知らせるとよい。
販売促進用の映像の最後に、これから撮影が始まることを消費者に伝える映像を付加しておくとよい。消費者は、この映像を見て、撮像が開始されることを知り、撮像したい対象物に撮像装置を向ける行動を開始することができる。制御手段は、一定時間で撮像を終了させて自動的に映像を再生して表示手段に表示させるとよい。撮像された映像の再生が終了すると、販売促進用の映像の再生に戻るとよい。
(32)前記通知手段は、2つの前記媒体収容部に保持される記憶媒体に記憶される情報の相互の関係をユーザに知らせる機能を持つシステムとするとよい。
ユーザは、2つの媒体収容部に保持される記憶媒体に記憶される情報の相互の関係を知ることができる。このため、ユーザにとって利便性が高まる。
次に、2つの記憶媒体に記憶される情報の相互の関係について例示する。まず、2つの記憶媒体に記憶される情報が共に映像である場合について例示する。
映像の相互の関係として、2つの映像がペアになって意味をなし、一方のみの映像では意味をなさないか、所期の利用目的を達成できない関係とするとよい。2つの記憶媒体に記憶されている情報がこの関係を持つとき、通知手段が、1つの記憶媒体のみでは利用できないことをユーザに知らせるとよい。ユーザは、2つの記憶媒体を一組として携行するように促されるため、1つの記憶媒体の携行を忘れて映像を利用できなくなる事態が生じ難くなる。
映像の相互関係として、撮像対象物及び撮像時期が同一であり、どちらの映像でも単独で利用価値がある関係とするとよい。このような関係として、例えば、2つの記憶媒体への記録形式が全く同一であるという関係、2つの記憶媒体のフォーマット形式が異なるという関係、2つの記憶媒体に記録された映像のフレームレート、解像度等の設定条件が異なるという関係、一方には撮像期間中に取得されたすべての映像を記録しており、他方には所定のイベント発生時点の前後の映像のみを記録しているという関係、両方ともイベント発生時点の前後の映像を記録しているがイベントの種別が異なるという関係等を挙げることができる。2つの記憶媒体に記憶されている情報がこの関係を持つとき、通知手段が、映像を単独で利用可能であること、及び2つの映像の相違点をユーザに知らせるとよい。ユーザは、利用目的に応じてどちらの記憶媒体の映像を見ることが好ましいかを判断することができる。
映像の相互関係として、撮像対象物が同一であるが撮像時期が異なるため、映像の利用目的が異なる関係とするとよい。このような関係として、例えば、規定の経路を走行する車両に搭載された撮像装置で撮像された映像であるが、撮像日時が異なるという関係を挙げることができる。2つの記憶媒体に記憶されている情報がこの関係を持つとき、通知手段が映像の撮像時期を車両の運転者に知らせるとよい。車両の運転者は、既定の経路を走行する際に過去に記録された映像を確認することができるため、経路の間違いが生じにくい。
映像の相互関係として、異なる撮像装置で異なる撮像対象物を同一時期に撮像した映像であるという関係とするとよい。このような関係として、例えば車両の前方の映像と車内の映像との関係、車両の前方の映像と後方の映像との関係、作業車両の前方の映像と作業対象箇所の映像との関係等を挙げることができる。2つの記憶媒体に記憶されている情報がこの関係を持つとき、通知手段が2つの映像の撮像時期が同一であることをユーザに知らせるとよい。ユーザは、2つの映像を、時刻を同期させて再生することに意味があることを認識することができる。
映像の相互関係として、同一の撮像装置を用いて異なる環境下で撮像した映像であるという関係とするとよい。このような関係として、例えば撮像装置を車両に搭載して撮像した映像と、撮像装置を車両から持ち出してアウトドアスポーツ用の器具に取りつけて撮像した映像等を挙げることができる。2つの記憶媒体に記憶されている情報がこの関係を持つとき、通知手段が2つの映像が異なる環境下で撮像されたものであるということをユーザに知らせるとよい。ユーザは、2つの記憶媒体に異なる環境下で撮像された異なる映像が記録されていることを知ることができる。さらに、通知手段は、どちらの記憶媒体にどの環境で撮像した映像が記録されているのかを知らせると特によい。ユーザは、どちらの記憶媒体にどの環境下で撮像された映像が記録されているのかを知ることができる。
映像の相互関係として、同一の撮像装置を用いて撮像した映像であるが、一方の記憶媒体に記録された映像は、撮像された映像に付加的な画像を重ねた合成画像であるという関係とするとよい。付加的な画像として、例えば車両がレーダ装置に近づいた時に発出される警報画像等とするとよい。2つの記憶媒体に記録されている映像がこの関係を持つとき、通知手段が一方の記憶媒体に記録された映像は、付加的な画像が重ねられた合成画像であるということをユーザに知らせるとよい。
映像の相互関係として、2つ合わせて共通の目的を達成するための映像であるが、一方は事前に準備された映像であり、他方はその場で録画される映像であるという関係とするとよい。このような関係として、例えば一方がシステムの機能及び性能を説明する販売促進用の映像であり、他方がその場で撮像された映像であるという関係を挙げることができる。2つの記憶媒体に記憶されている情報がこの関係を持つとき、通知手段は、一方の記憶媒体が事前に準備された映像であり、他方の記憶媒体には録画が行われることをユーザに知らせるとよい。ユーザは、一方の記憶媒体の映像が事前に準備されたものであるとき、他方の記憶媒体は録画用とすべきことを知ることができる。消費者は、販売促進用の映像を見ることによって、システムの概要及び性能を知ることができ、その場で録画された映像を見ることにより、システムの動作及び性能を実体験することができる。
映像の相互関係として、一方の映像が撮像装置で撮像されるものであり、他方の映像が撮像装置で撮像される映像から特定の画像を抽出するためのテンプレート画像であるという関係とするとよい。通知手段は、一方の記憶媒体に記録されている画像が画像認識用のテンプレート画像であり、他方は画像記録用の記憶媒体であることをユーザに知らせるとよい。ユーザは、テンプレート画像を追加または修正することにより、種々の画像を抽出することができる。
次に、2つの記憶媒体の一方に記憶されている情報が映像であり、他方に記憶されている情報が映像以外のデータである場合について例示する。
情報の相互の関係として、一方の情報が撮像装置で撮像される映像であり、他方の情報が記憶媒体にアクセスする権限を示す情報(鍵情報)であるという関係とするとよい。通知手段は、一方の記憶媒体に記憶されている情報がアクセス権限を示す情報であることをユーザに知らせるとよい。ユーザは、映像にアクセスするために所定のアクセス権限を許可する鍵となる記憶媒体が必要であることを知ることができる。
情報の相互の関係として、一方の情報が車両に搭載された撮像装置で撮像される映像であり、他方の情報が車両情報を時系列に記録するログデータであるという関係とするとよい。通知手段は、一方が車両に搭載された撮像装置で撮像された映像であり、他方がログデータであることをユーザに知らせるとよい。ユーザは、2つの記憶媒体にそれぞれ記録された映像とログデータとを組み合わせて車両の走行に関する有益な情報が得られることを知ることができる。
ユーザは、車両に搭載された撮像装置で撮像された映像が記憶された記憶媒体を媒体収容部から取り外して、他の装置で利用することができる。さらに、ユーザは、通知手段からの通知により、媒体収容部に保持されている、または保持される記憶媒体の役割を認識することができる。記憶媒体の役割を認識したユーザは、記憶媒体を媒体収容部に着脱するとき、または記憶媒体を媒体収容部から取り外した後に、記憶媒体をその役割に応じて適切に取り扱うことができる。このため、ユーザにとって利便性が高まる。
本発明の実施の形態について、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
[第1の実施例]
図1A〜図4を参照して、映像を記録するシステムの第1の実施例としてドライブレコーダについて説明する。
図1Aは、第1の実施例によるシステム1を斜め後方から見た斜視図である。システム1の筐体の1つの側面にSDカード挿入口10a及びSDカード挿入口10bが設けられている。筐体の背面に、ディスプレイ11、及び複数の操作ボタン12が設けられている。筐体の上面にジョイントレール13が設けられている。図1Aには現れていないが、筐体の前面にカメラのレンズが設けられている。図1Aに現れていない方の側面にDCジャックが設けられており、底面にスピーカ及びHD出力端子が設けられている。
レンズを含むカメラは、例えば車両の前方の映像を撮像する。DCジャックは、電源ケーブルを介してDC電源に接続するためのジャックである。SDカード挿入口10a及び10bはSDカードを挿入するための挿入口である。スピーカは、音や音声を出力する。HD出力端子は、ケーブルを介して他の情報機器に接続するための端子である。ジョイントレール13は、システム1を車両に搭載するためのジョイントを取り付けるためのものである。ディスプレイ11は種々の画像を表示する。操作ボタン12は、ユーザが操作することによってシステム1に種々の指令を入力するためのものである。
図1Bは、システム1が車両に搭載された状態のシステム1、フロントガラス3、ダッシュボード等を示す図である。システム1は、車両のフロントガラス3の上部であって左右方向中央付近のルームミラー4に隣接する助手席側の位置に配置されている。システム1は、両面テープ等の取り付け部材によりフロントガラス3に貼りつけて固定されている。システム1のDCジャックが電源ケーブル6を介してシガーソケット5に接続されている。車両のアクセサリ電源がオンにされると、シガーソケット5からシステム1に電力が供給される。
図2は、第1の実施例によるシステム1のブロック図である。システム1は、コントローラ20、カメラ17、データベース21、GPS受信機16、SDカードリーダ14a及び14b、加速度センサ18、スピーカ15、ディスプレイ11、操作ボタン12、及び通信回路19を含む。なお、SDカードリーダ14a及び14bは、厳密には「SDカードリーダライタ」というべきであるが、本明細書において、単に「SDカードリーダ」という。
スピーカ15及びディスプレイ11は、ユーザに種々の情報を知らせるための通知手段として機能する。スピーカ15は、コントローラ20の制御に基づいて、音や音声により警報や種々の情報を発出する。ディスプレイ11は、コントローラ20の制御に基づいて種々の情報を画像で表示する。操作ボタン12は、ユーザがシステム1に対して種々の指令を与える入力手段として機能する。
カメラ17は、画角内(視野内)の動画を撮像する撮像装置として機能する。カメラ17は、撮像した動画を映像データとしてコントローラ20に取り込まれる。コントローラ20は、カメラ17から入力された映像データに基づいて、SDカードリーダ14a及び14bの少なくとも一方に保持されたSDカードに映像の記録を行う。
データベース21は、例えばコントローラ20に外付けした不揮発性メモリ(例えばEEPROM)に格納されている。データベース21には、例えば地図データが含まれる。
GPS受信機16は、コントローラ20の指示に基づいて現在時刻における自車の位置情報を検出する。位置情報は、GPS衛星からの信号に基づいて求められた時刻、自車の速度、経度、緯度、高度等を含む。コントローラ20は、これらの位置情報の履歴を記録する処理を行う。
SDカードリーダ14a及び14bは、それぞれSDカード22a及び22bを保持する媒体収容部として機能する。SDカード22a及び22bは、着脱可能な記憶媒体として機能する。ユーザは、SDカード挿入口10a及び10b(図1A)を通して、それぞれSDカードリーダ14a及び14bにSDカード22a及び22bを装着することができる。SDカードリーダ14a及び14bは、それぞれコントローラ20からの制御に基づいて、SDカードリーダ14a及び14bに保持されているSDカード22a及び22bのデータを読み取り、またはSDカード22a及び22bにデータを記憶させる。
加速度センサ18として、3軸(x軸、y軸、z軸)それぞれの方向の加速度及び傾きを検出する3軸タイプのセンサが用いられる。加速度センサ18による計測値が、常時、コントローラ20に取り込まれる。コントローラ20は、例えば10msごとに3軸の加速度情報を取得する。
コントローラ20は、周知のCPU20a、ROM20b及びRAM20c等のメモリ、タイマ20d、その他の周辺回路等を有する。コントローラ20のROM20b内に各種プログラムが記憶されている。コントローラ20はこれらのプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。各種プログラムには、オペレーティングシステム(OS)、GPS情報処理プログラム、映像処理プログラム、通信処理プログラム等が含まれる。
コントローラ20はGPS情報処理プログラムを実行することにより、GPS受信機16で受信されたGPS情報を、SDカードリーダ14a及び14bにそれぞれ保持されたSDカード22a及び22bに保存することができる。コントローラ20は映像処理プログラムを実行することにより、カメラ17が撮像した映像を時刻と関連付けてSDカードの所定の記録領域に記録することができる。コントローラ20は、SDカードリーダ14a及び14bにそれぞれ保持されたSDカード22a及び22bにアクセスする機能を持ち、SDカードリーダ14a及び14bの少なくとも一方に保持されたSDカードに、カメラ17で撮像された映像を記録する機能を持つ制御手段として機能する。
ディスプレイ11は、コントローラ20がアクセスするSDカード22a及び22bの担う役割をユーザに知らせる通知手段として機能する。
通信回路19は、外部機器、例えばサーバ、パソコン、スマートホン、タブレット端末等と無線通信を行うための通信手段として機能する。コントローラ20は、通信処理プログラムを実行することにより、通信回路19を介して、外部機器に映像等のデータを送信する機能を有する。通信回路19として、例えばWiFi規格、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信の規格、LTE、4G等の移動通信システムの規格等に準拠した通信回路を用いるとよい。近距離無線通信の規格は、例えば構内で稼働する作業車両(フォークリフト等)と外部機器との通信に適用することができる。移動通信システムの規格は、例えば、より広範囲の領域内で移動する車両と外部機器との通信に適用することができる。
図3A及び図3Bは、カメラ17で撮像された映像をSDカードリーダ14a及び14bにそれぞれ保持されているSDカード22a及び22bに記録するタイミング、及び通信回路19を介して外部機器に映像を送信するタイミングを示すタイミングチャートである。
図3Aは、通信回線が通信可能な状態になっている期間のタイミングチャートを示している。コントローラ20は、1つのカメラ17で撮像された映像を、SDカード22a及び22bに、ある時間単位ごとに交互に記録する機能を持つ。図3Aに示した例において、コントローラ20は、期間T1、T3、T5、T7・・・に撮像された映像を一方のSDカード22aに記録し、期間T2、T4、T6、T8・・・に撮像された映像を他方のSDカード22bに記録する。さらに、コントローラ20は、映像を、通信回路19を介してリアルタイムに外部機器に送信する。
図3Bは、通信回路19を介した通信回線が一時的に途切れた場合のタイミングチャートを示している。図3Bでは、期間T4の開始時点t1に通信回線が通信不可状態になり、期間T5の途中の時点t2で通信回線が復活し、期間T6の途中の時点t3で通信不可状態になり、期間T7の途中の時点t4で通信回線が復活した例を示している。
通信回線が途切れている期間にも、コントローラ20は映像をSDカード22a及び22bに交互に記録する。通信回線が途切れている期間には、コントローラ20は通信回路19を介した映像の送信を行わない。例えば、コントローラ20は、t1からt2までの期間に撮像された映像A、BをSDカード22bに記録し、映像CをSDカード22aに記録するが、外部機器には送信しない。t3からt4までの期間に撮像された映像DをSDカード22bに記録し、映像EをSDカード22aに記録するが、外部機器には送信しない。
コントローラ20は、SDカード22bに記録した映像のうち、通信回路19を介してリアルタイム送信していない映像Aを、他方のSDカード22aに映像を記録している期間T5に読み出して通信回路19を介して外部機器に送信する。期間T5に読み出し及び送信できなかった映像B、及び期間T6に記録された映像Dは、期間T7にSDカード22bから読み出して通信回路19を介して外部機器に送信する。期間T5に送信できなかった映像Cは、次の期間T6にSDカード22aから読み出して、通信回路19を介して外部機器に送信する。同様に、期間T7に送信できなかった映像Eは、次の期間T8にSDカード22aから読み出して、通信回路19を介して外部機器に送信する。期間T5〜T8には、コントローラ20は、リアルタイムの映像の送信と、SDカード22aまたは22bに記録されている映像の読み出し送信との両方を同時に実行する。
このように、コントローラ20は、一方のSDカード22aに映像を書き込み、他方のSDカード22bから映像を読みだす状態(期間T1、T3、T5、T7・・・)と、一方のSDカード22aから映像を読み出し、他方のSDカード22bに映像を書き込む状態(期間T2、T4、T6、T8・・・)とを時間的に交互に作っている。
コントローラ20は、上述の2枚のSDカード22a及び22bの役割をユーザに知らせる画像をディスプレイ11に表示する。
図4は、ディスプレイ11に表示された画像の一例を示す。ディスプレイ11の画面が、上端に位置するモード表示領域31、下端に位置する時刻表示領域32、及び両者に挟まれた映像表示領域30に区画されている。コントローラ20は、カメラ17で撮像された映像を映像表示領域30にリアルタイムに表示する。モード表示領域31に、種々のモードを示すアイコンを表示する。時刻表示領域32に、現時点の時刻を数字で表示する。
モード表示領域31に、カメラ17で撮像された映像が、SDカード22a及び22bの一方に記録されることを示すアイコン55が表示されている。アイコン55に示すスイッチは、現時点で映像を記録している方のSDカードを表すアイコンの方に切り替えられている。映像を記録するSDカードが切り替わると、アイコン55内のスイッチも切り替わる。
[第1の実施例の効果]
次に、第1の実施例の優れた効果について説明する。ユーザは、車両に搭載されたカメラ17で撮像された映像が記憶されたSDカード22a及び22bをSDカードリーダ14a及び14bから取り外して、他の装置で利用することができる。さらに、ユーザは、アイコン55を見て、SDカードリーダ14a及び14bに保持されている、または保持されるSDカード22a及び22bの役割を認識することができる。SDカード22a及び22bの役割を認識したユーザは、SDカード22a及び22bをSDカードリーダ14a及び14bに着脱するとき、またはSDカード22a及び22bをSDカードリーダ14a及び14bから取り外した後に、SDカード22a及び22bをその役割に応じて適切に取り扱うことができる。このため、ユーザにとって利便性が高まる。
第1の実施例では、SDカード22a及び22bに記録された映像を無線通信で外部機器に送信することができる。このため、SDカード22a及び22bをシステム1から取り外すことなく、外部機器で映像を再生することができる。本明細書において、映像データを単に映像という場合がある。
一般的に、SDカードは、データを書き込みながらデータの読み出しを行うと、データ転送速度が遅くなってしまう。例えば、図3Bに示したSDカード22aに記録された未送信の映像Cを、SDカード22aに映像を記録する期間T5に読み出して送信しようとすると、SDカード22aへのデータ転送速度が遅くなってしまう。書き込み速度が、映像を記録するために必要とされる速度より遅くなってしまうと、映像の正常な記録ができなくなってしまう。第1の実施例では、SDカード22aへの映像の記録中(期間T5)は、そのSDカード22aに記録された映像Cの読み出しを行わず、他のSDカード22bに映像を記録している期間T6に、送信できなかった映像Cを読み出して送信するため、書き込み及び読み出し速度の低下を抑制することができる。
なお、一方のSDカード22aへの映像の書き込みと、他方のSDカード22bからの映像の読み出しとは、DMAコントローラによって並行して行うことができる。
通信エラー等によって映像をリアルタイムに送信できなかった場合でも、後にSDカード22a及び22bから映像を読み出して送信することができる。SDカード22a及び22bは、映像を記録する役割を担うとともに、通信回路19を介して送信する映像を、送信が完了するまで記憶しておく記憶手段としての役割も担う。
SDカード22a及び22bに記録した映像を、通信回路19を介した送信が完了するまでコントローラ20内のバッファメモリに残しておく場合には、SDカード22a及び22bから映像を読み出すこと無く、バッファメモリから映像を読み出して送信することができる。ところが、この方式を採用する場合には、通信回線が使用不可状態の期間に撮像された全ての映像をバッファメモリに残しておく必要があるため、大容量のバッファメモリを確保しておかなければならない。第1の実施例では、SDカード22a及び22bに映像を記録した時点でバッファメモリから映像を削除することができるため、バッファメモリの容量の増大を抑制することができる。さらに、バッファメモリは揮発性であるため、電源の供給が停止すると、バッファメモリ内の映像は消去されてしまう。第1の実施例では、映像が不揮発性のSDカード22a及び22bに記録されるため、電源の供給が停止しても、未送信の映像が消去されてしまうことはない。
1つの時間単位内で記録される映像の容量は、DMA転送ブロックの容量よりも十分大きい。映像を記録するSDカード22a及び22bの切り替えを行う時間単位は、例えば数分から数十分の範囲にするとよい。
[第1の実施例の変形例]
次に、第1の実施例の変形例について説明する。第1の実施例においてカメラ17で撮像される映像は動画である。動画をSDカード22a及び22bに記録する際に、画像圧縮技術を用いるとよい。例えば、動画をIフレーム(キーフレーム)とPフレームとで構成するとよい。通信回路19を介して送信するときには、Iフレームと、それに続く複数のPフレームとを不可分の最小単位とし、最小単位ごと、または複数の最小単位をまとめて1つの転送単位として送信するとよい。
例えば図3Bに示した期間T5には、CPU20aはSDカード22aへの映像の書き込みと、SDカード22bからの映像の読み出しとの両方の処理を行う。従って、CPU20aの負担が増加する。CPU20aの処理能力が十分ではない場合には、リアルタイムの送信の終了後に、SDカード22a及び22bから映像を読み出して送信してもよい。
また、図3Bに示した期間T5には、リアルタイムに送信すべき映像と、SDカード22bから読み出された映像Aとの両方を送信する必要があるため、通信回線に高いデータ転送レートが求められる。通信回線のデータ転送レートが十分でない場合には、送信すべき映像の圧縮率を高くして、データ転送量を削減するとよい。
[第2の実施例]
次に、図5A及び図5Bを参照して、第2の実施例によるシステムについて説明する。以下、第1の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
図5Aは、第2の実施例によるシステム1のコントローラ20の一部のブロック図である。コントローラ20が、一方のSDカードリーダ14aに対応するDMAコントローラ20eとバッファメモリ20gとを含み、他方のSDカードリーダ14bに対応するDMAコントローラ20fとバッファメモリ20hとを含む。バッファメモリ20g及び20hは、それぞれSDカード22a及び22bに記録する映像を一時的に記憶する。
CPU20aは、SDカード22aに記録すべき映像をバッファメモリ20gに書き込んだ後、DMAコントローラ20eに指令を与えることにより、バッファメモリ20g内の映像をSDカード22aに転送させる機能を持つ。同様に、CPU20aは、他方のSDカード22bに記録すべき映像をバッファメモリ20hに書き込んだ後、DMAコントローラ20fに指令を与えることにより、バッファメモリ20h内の映像をSDカード22bに転送させる機能を持つ。
図5Bは、SDカード22a及び22bに映像を転送するタイミングを示すタイミングチャートである。コントローラ20は、カメラ17から映像A〜映像Eを時系列に取得する。映像A〜映像Eの各々は、DMAによるデータ転送単位である。
CPU20aは、映像Aをバッファメモリ20gに書き込んだ後、DMAコントローラ20eに指令を与えて(時点t1)、SDカード22aへ映像Aの転送を開始する。並行して、CPU20aは映像Bをバッファメモリ20hに書き込む。映像Aの転送が終了する(時点t3)前に、CPU20aはDMAコントローラ20fに指令を与えて(時点t2)、SDカード22bへの映像Bの転送を開始する。その後も、映像Bの転送が終了する前に、映像Cの転送を開始する。
第2の実施例においては、2つのSDカード22a及び22bは、時間的に連続する映像が時間軸上で細切れに分割された短時間の映像を記録するとともに、2つのSDカード22a及び22bがひと組になって時間的に連続する1つの映像を構成する役割を担う。
[第2の実施例の効果]
次に、第2の実施例の優れた効果について説明する。例えば一方のバッファメモリ20g内の映像をSDカード22aに転送する処理が完了すると(図5Bのt3)、他方のバッファメモリ20h内に未転送の映像が残っていても、映像の転送が完了したバッファメモリ20gに新しい映像をバッファリングすることができる。このように、1つの映像を2つのSDカード22a及び22bに分散して書き込むことにより、見かけ上の転送速度を速くすることができる。これにより、1枚のSDカードへの書き込み速度では書き込みが間に合わない程度の高フレームレート、高解像度の映像を記録することが可能になる。例えば、超高画質の8K動画は、SDカードの書き込み速度がボトルネックとなって、通常のSDカードにリアルタイムに記録することができない。第2の実施例によるシステムにおいては、SDカードの書き込み速度のボトルネックを解消することができる。
[第2の実施例の変形例]
2枚のSDカード22a及び22bに分散させて映像を記録する場合でも、書き込み速度のボトルネックを解消できない場合には、SDカードを3枚以上にするとよい。
第2の実施例では、SDカードリーダ14a及び14bごとにバッファメモリ20g及び20hを準備したが、1つのバッファメモリ内のメモリ空間を、一方のSDカードリーダ14a用の領域と、他方のSDカードリーダ14b用の領域とに区分してもよい。
[第3の実施例]
次に、図6を参照して第3の実施例によるシステムについて説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
図6は、第3の実施例によるシステム1のコントローラ20が実行する処理のフローチャートである。車両の電源がオンにされることによってシステムが起動されると、コントローラ20(図2)は、カメラ17(図2)で撮像された映像を一方のSDカードリーダ14aに保持されているSDカード22aに記録する(ステップSA1)。
次に、コントローラ20は、現時点の車両の位置が警報発出条件を満たしているか否かを判定する(ステップSA2)。例えば、コントローラ20は、現在の車両位置からレーダ式速度取締機までの距離が判定閾値以下になったときに、警報発出条件が満たされたと判定する。判定閾値として、例えば500m、1km等を採用するとよい。
コントローラ20は、警報発出条件が満たされたと判定した場合には、カメラ17で撮像された映像に警報情報を表す画像を合成して合成画像を生成する(ステップSA3)。警報情報として、例えばレーダ式速度取締機までの距離を示す情報、運転者に対して出された速度低下を促す情報等の運転者への注意喚起情報が挙げられる。警報情報を表す画像は、コントローラ20が生成する。コントローラ20は、この合成画像をディスプレイ11に表示する(ステップSA4)。その後、合成画像をSDカードリーダ14bに保持されているSDカード22bに記録する(ステップSA5)。
図7Aに、ディスプレイ11に表示された画像の一例を示す。コントローラ20は、映像表示領域30に合成画像を表示する。カメラ17で撮像された映像33に、警報情報を示す画像34が合成されている。図7Aに示した例では、警報情報を示す画像は、自車からレーダ式速度取締機までの距離が500mになったことを示す文字情報を含んでいる。
ステップSA2で警報発出条件を満たしていないと判定した場合には、カメラ17で撮像された映像33をディスプレイ11に表示する(ステップSA6)。その後、カメラ17で撮像された映像を、SDカードリーダ14bに保持されているSDカード22bに記録する(ステップSA7)。
図7Bに、SDカード22bに記録された映像33の一例を示す。この映像33は、カメラ17で撮像された映像に対して何ら画像合成処理が施されていないものである。なお、SDカード22bに記録された映像33には、画像合成処理は施されていないが、映像の圧縮処理を施すとよい。
ステップSA5またはSA7の後、コントローラ20は処理を終了するか否かを判定する(ステップSA8)。例えば、車両の電源がオフにされている場合に、処理を終了すると判定する。処理を終了しない場合には、ステップSA1からステップSA8までの処理を繰り返す。
[第3の実施例の効果]
次に、第3の実施例の優れた効果について説明する。ユーザは、車両の走行時に録画された映像を走行後に確認する際に、合成画像を種々の用途に利用することができるとともに、もう一方の記憶媒体には、未加工の映像をそのまま残すことができる。映像の再生時に、合成画像と未加工の映像とを対比することができる。車両の管理責任者は、警報が出されたときに運転者がどのような走行を行ったかを確認することができる。未加工の映像により、警報発生時における車両の周囲の状況を詳細に把握することができる。さらに、未加工の映像は、改ざん等が行われていないと推認することができるため、合成画像よりも高い証拠能力を有すると考えられる。
[第3の実施例の変形例]
カメラ17で撮像された映像に重ね合わせる画像として、警報情報を示す画像の他に、コンピュータで生成した他の画像としてもよい。コンピュータで生成した画像として、カーナビゲーションシステムにより表示されている画像、例えば警報発出時における車両の現在位置の周囲の地図としてもよい。コンピュータで生成した画像を半透明にして、カメラ17で撮像された映像に重ねてもよい。コンピュータで生成した画像を半透明にすると、重なり部分においても、未加工の映像を再生することなくカメラ17で撮像された映像を確認することができる。
警報情報を映像に重ね合わせて画像として記録するとともに、警報を知らせる音声を発出して、音声情報を記録するとよい。例えば、「Hシステムまで500mです。速度を60km以下にしてください。」という音声を出力するとともに、この音声情報をSDカード22bに記録するとよい。例えば、未加工の映像を記憶するSDカード22aには、車両内のマイクで拾われた音声を記録し、合成画像を記録するSDカード22bには警報の音声のみを記録してもよい。
[第4の実施例]
次に図8A、図8B、及び図9を参照して第4の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
図8A及び図8Bは、それぞれSDカード22a及び22bに記録する映像のフレームの概念図である。コントローラ20(図2)は、カメラ17(図2)で撮像された映像を、フレームレート(単位時間あたりのコマ数)を異ならせてSDカード22a及び22bに記録する機能を持つ。例えば、一方のSDカード22aには、30fpsのフレームレートで映像を記録し、他方のSDカード22bには、5fpsのフレームレートで映像を記録する。
図9に、ディスプレイ11に表示された画像の一例を示す。コントローラ20(図2)は、ディスプレイ11のモード表示領域31に、カメラ17で撮像された映像がSDカード22a及び22bに記録されることを示すとともに、フレームレートを示すアイコン37を表示する。アイコン37では、フレームレートが上下2段に並べて数値で表示されている。上段に表示されたフレームレートの数値は、上側のSDカード挿入口10b(図1A)を通して着脱されるSDカード22bに記録する映像のフレームレートを示しており、下段に表示されたフレームレートの数値は、下側のSDカード挿入口10a(図1A)を通して着脱されるSDカード22aに記録する映像のフレームレートを示している。ディスプレイ11は、SDカード22a及び22bがそれぞれ30fps及び5fpsのフレームレートで映像を記録する役割を担っていることをユーザに知らせる通知手段として機能する。
[第4の実施例の効果]
次に、第4の実施例の優れた効果について説明する。フレームレートが低い録画条件で記録される方のSDカード22bは、長時間録画用として利用することができ、フレームレートが高い録画条件で記録される方のSDカード22aは、記録された映像のより詳細な分析用として利用することができる。ユーザは、ディスプレイ11に表示されたアイコン37を見て、映像の利用目的に応じてSDカードリーダ14a及び14bのうちどちらに保持されたSDカードの映像を見ればよいか容易に判断することができる。
長時間録画用のSDカード22bは、詳細分析用のSDカード22aよりも書き換え回数が少なくなるため、寿命が長くなる。例えば、詳細分析用のSDカード22aが寿命を超えたことによって映像が記録されなかったとしても、長時間録画用のSDカード22bには映像が残っている。また、2つのSDカード22a及び22bが同時期に寿命を迎える確率は低い。このため、SDカード22a及び22bの一方が寿命を迎えたとしても、他方には映像が正常に記録されることとなり、SDカード22a及び22bのどちらにも映像が残っていないという事態が発生することはほとんどない。
[第4の実施例の変形例]
第4の実施例ではSDカード22a及び22bに記録する映像のフレームレートを異ならせたが、フレームレート以外の録画条件、例えば解像度を異ならせてもよい。さらに、フレームレートと解像度との両方を異ならせてもよい。長時間録画用のSDカード22bに記録する映像の解像度を、詳細分析用のSDカード22aに記録する映像の解像度より低くするとよい。解像度をこのように設定することにより、SDカード22bの録画可能時間をより長くすることができる。SDカード22a及び22bに記録する映像の解像度を異ならせる場合には、コントローラ20は、ディスプレイ11に解像度を示す文字情報を表示するとよ
[第5の実施例]
次に、図10を参照して第5の実施例によるシステムについて説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
第5の実施例によるシステム1のコントローラ20(図2)は、カメラ17で撮像された映像をSDカードリーダ14a及び14bにそれぞれ保持されているSDカード22a及び22bの双方に、同一の録画条件でリアルタイムに記録する機能を持つ。コントローラ20は、SDカード22a及び22bの双方に同一の映像を記録した場合、SDカード22a及び22bに、両者を結びつける識別情報(ペアリング情報)を書き込む。2枚のSDカード22a及び22bは同一の映像を記録し、相互にバックアップし合う役割を担う。
コントローラ20は、2枚のSDカード22a及び22bに同一の映像が記録されて相互にバックアップし合う役割を担っていることをユーザに知らせる。例えば、コントローラ20は、ディスプレイ11に、2枚のSDカード22a及び22bに同一の映像が記録されて相互にバックアップし合う役割を担っていることを表す情報を画像または文字で表示する。
図10は、コントローラ20が実行する処理のフローチャートである。車両の電源がオンにされることによってシステム1が起動されると、コントローラ20は、SDカードリーダ14a及び14bの双方にSDカード22a及び22bが装着されているか否かを判定する(ステップSB01)。
SDカードリーダ14a及び14bの一方にのみSDカードが装着されている場合には、コントローラ20は、1枚のSDカードのみに映像を記録するか、2枚のSDカードに映像を記録するかをユーザに選択させる(ステップSB02)。例えば、コントローラ20は、1枚のSDカードのみに映像を記録するか、2枚のSDカードに映像を記録するかの選択を促すメッセージをディスプレイ11に表示する。ユーザは、操作ボタン12(図1A、図2)等を操作することにより、1枚のSDカードのみに映像を記録するか、2枚のSDカードに映像を記録するかを選択することができる。なお、SDカードリーダ14a及び14bの一方に装着されていたSDカードを取り外した後、SDカードリーダ14a及び14bのうち異なる方に装着してもよい。
ユーザが、2枚のSDカードに映像を記録することを選択した場合には、コントローラ20は対となるもう一方のSDカードを空きのSDカードリーダに装着するように促すメッセージをディスプレイ11に表示し、SDカードが装着されるまで待機する(ステップSB03)。
コントローラ20は、空きのSDカードリーダにSDカードが装着されたことを検出すると、2つのSDカードリーダ14a及び14bに装着されているSDカード22a及び22bに不整合がないかを判定する(ステップSB04)。例えば、コントローラ20は、2つのSDカード22a及び22bに書き込まれている識別情報を読み出し、両者が相互に対になる関係を有しているか否かを判定する。両者が対になる関係を有している場合、2枚のSDカード22a及び22bに記録されている映像が同一か否かを判定する。例えば、2枚のSDカード22a及び22bに記録されている映像の容量及び記録日時を比較することにより、映像が同一か否かを判定することができる。
2枚のSDカード22a及び22bが対になる関係を持ち、かつ両者の映像が同一である場合には、コントローラ20は2枚のSDカード22a及び22bに不整合が無いと判定する。その他の場合には、不整合が有ると判定する。
2枚のSDカード22a及び22bに不整合が有ると判定した場合、コントローラ20は、SDカード22a及び22bのうちどちらの映像を残すかユーザに選択させる(ステップSB05)。例えば、コントローラ20は、SDカードリーダ14a及び14bのうちどちらに装着されているSDカードの映像を残すかを選択させるメッセージをディスプレイ11に表示する。ユーザは、操作ボタン12等を操作することにより、SDカードリーダ14a及び14bのうち映像を残すSDカードが装着されている方のSDカードリーダを選択することができる。
ユーザがSDカードリーダ14aを選択した場合、コントローラ20は選択されなかったSDカードリーダ14bに装着されているSDカード22bの映像を消去し、SDカード22aの映像をSDカード22bにコピーする(ステップSB06)。SDカード22aとSDカード22bとの識別情報が異なっている場合には、SDカード22bの識別情報をSDカード22aの識別情報に整合させる。
ユーザがSDカードリーダ14bを選択した場合、コントローラ20は選択されなかったSDカードリーダ14aに装着されているSDカード22aの映像を消去し、SDカード22bの映像をSDカード22aにコピーする(ステップSB07)。SDカード22aとSDカード22bとの識別情報が異なっている場合には、SDカード22aの識別情報をSDカード22bの識別情報に整合させる。
ステップSB06またはステップSB07の処理が終了すると、カメラ17で撮像された映像を2枚のSDカード22a及び22bに記録する処理を開始する(ステップSB08)。
ステップSB04で2枚のSDカード22a及び22bに不整合が無いと判定した場合には、コントローラ20は、2枚のSDカード22a及び22bに記録する処理を開始する(ステップSB08)。
ステップSB01で2枚のSDカードが装着されていると判定した場合には、コントローラ20は、ステップSB02及びステップSB03の処理を実行することなく、ステップSB04の処理を実行する。
ステップSB02でユーザが1枚のSDカードのみに映像を記録することを選択した場合には、SDカードリーダ14a及び14bの一方に装着されているSDカードに記録されている映像を消去するか否かをユーザに選択させる(ステップSB10)。例えば、コントローラ20は、映像を消去するか否かを問い合わせるメッセージをディスプレイ11に表示する。ユーザは、操作ボタン12等を操作することにより、映像を消去するか否かを選択することができる。
ユーザが映像を消去することを選択した場合には、コントローラ20は、装着されているSDカード内の映像を消去する(ステップSB11)。映像の消去後、コントローラ20は、カメラ17で撮像された映像を1枚のSDカードに記録する処理を開始する(ステップSB12)。ユーザが映像を消去しないことを選択した場合には、コントローラ20は、映像を消去することなく、カメラ17で撮像された映像を1枚のSDカードに記録する処理を開始する(ステップSB12)。
[第5の実施例の効果]
次に、第5の実施例の優れた効果について説明する。ステップSB08において2枚のSDカード22a及び22bに映像をリアルタイムに記録した場合、SDカード22a及び22bの一方で書き込みエラーが発生しても、他方のSDカードに映像を正常に記録することができる。このため、映像が全く残らないという事態の発生を回避することができる。SDカードリーダ14a及び14bの一方のみのSDカードを取り外して、パソコン等の他の機器で映像を再生することができる。
また、SDカード22a及び22bの一方のあるセクタの映像が読み取り不能であっても、他方の同一の映像が記録されたセクタの内容を読み取ることにより、その映像を再生することができる。
ユーザは、SDカードの役割を表す情報が表示されているディスプレイ11を見て、2枚のSDカード22a及び22bが対になっていることを知ることができる。
さらに、ユーザは、ステップSB02でディスプレイ11に表示された情報を見て、現在装着している1枚のSDカードと対になる他のSDカードが存在することに気付くことができる。これにより、SDカードの挿入忘れを防止することができる。また、対となる他のSDカードが手元に見当たらない場合は、ユーザはステップSB02で1枚のみのSDカードに記録することを選択することにより、システム1に映像の記録を行わせることができる。
ステップSB04でコントローラ20が2枚のSDカード22a及び22bの整合性を判定しているため、対となる2枚のSDカード22a及び22bの整合性を保つことができる。
[第6の実施例]
次に、図11、図12A、及び図12Bを参照して第6の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。第6の実施例によるシステム1は、2枚のSDカード22a及び22bのうち一方に映像を記録するとともに、一方のSDカードへの映像の記録時にベリファイエラーが発生すると、映像の記録先のSDカードを切り替えて、他方のSDカードに映像を記録する機能を持つ。
図11は、第6の実施例によるシステム1のコントローラ20(図2)が実行する処理のフローチャートである。車両の電源がオンにされてシステム1が起動されると、コントローラ20は、SDカードリーダ14a及び14b(図2)に装着されているSDカード22a及び22bのうち一方を動作状態にし、他方を待機状態にする(ステップSC1)。コントローラ20は、動作状態になっているSDカードが装着されているSDカードリーダをユーザに知らせる画像をディスプレイ11に表示する(ステップSC2)。その後、コントローラ20は、カメラ17(図2)で撮像された映像を動作状態のSDカードに書き込む(ステップSC3)。
映像の書き込み後、コントローラ20は、システムの動作の終了か否かを判定する(ステップSC4)。例えば、車両の電源がオフにされた場合に、システム1の動作の終了と判定する。システム1の動作が終了ではない場合、コントローラ20は、SDカード書き込み時のベリファイエラー発生の有無を判定する(ステップSC5)。例えば、SDカードへの映像の書き込み時に肯定応答(ACK)信号が返信されるとベリファイエラーが発生しなかったと判定し、否定応答(NAK)信号が返信されるとベリファイエラーが発生したと判定するとよい。ベリファイエラー発生の有無の判定は、例えばDMA転送ごとに行うとよい。ベリファイエラーが発生していない場合は、新たな映像を動作状態のSCカードに書き込む(ステップSC3)。
ベリファイエラーが発生した場合には、コントローラ20は動作状態のSDカードを待機状態にし、待機状態のSDカードを動作状態にする(ステップSC6)。SDカードの状態を切り替えた後、コントローラ20は、動作状態になっているSDカードが装着されているSDカードリーダをユーザに知らせる画像をディスプレイ11に表示する(ステップSC7)とともに、ベリファイエラーが発生して正常に書き込めなかった映像を、新たに動作状態にされたSDカードに書き込む(ステップSC8)。その後、新たな映像を動作状態のSDカードに書き込む(ステップSC3)。
図12Aは、一方のSDカードリーダ14aに装着されているSDカード22aが動作状態になっているときにコントローラ20がディスプレイ11に表示した画像の一例を示す。図12Bは、他方のSDカードリーダ14bに装着されているSDカード22bが動作状態になっているときにコントローラ20がディスプレイ11に表示した画像の一例を示す。コントローラ20(図2)は、動作状態に設定しているSDカードが装着されているSDカードリーダを示すアイコン38をモード表示領域31に表示する。アイコン38は、動作状態に設定されているSDカードを示すとともに、2枚のSDカードが対になって1つの映像を記録していることをユーザに知らせることができる図形とされている。図12Aでは、動作状態のSDカード22aを示す図形が白抜きでかつ太い輪郭線で示され、待機状態のSDカード22bを示す図形がグレーで示されている。さらに、SDカード22a及び22bを示す2つの図形が折れ線で囲まれている。SDカード22a及び22bを示す2つの図形を折れ線で取り囲む図形とすることにより、ユーザは2枚のSDカード22a及び22bが対になっていることを認識することができる。
[第6の実施例の効果]
次に、第6の実施例の優れた効果について説明する。一方のSDカードへの書き込み時にベリファイエラーが発生して書き込めなかった映像を、他方のSDカードに書き込むことができる。このように、2つのSDカードリーダ14a及び14bにそれぞれ保持されているSDカード22a及び22bは、映像を記録する際に一方のSDカードでベリファイエラーが発生しても、相互に補完し合って映像を記録する役割を担う。
ベリファイエラー発生の要因が一時的なものである場合には、一度ベリファイエラーが発生したSDカードに、その後映像を正常に記録することができる可能性がある。従って、ベリファイエラーが発生して動作状態のSDカードを変更した後、新たに動作状態にされたSDカードでもベリファイエラーが発生したら、元のSDカードを再度動作状態にする。これにより、全体として、映像が記録できなくなってしまう事態の発生頻度を低減することができる。
[第6の実施例の変形例]
例えば、コントローラ20は、2つのSDカードリーダ14a及び14bにそれぞれ保持されているSDカード22a及び22bに、1つの映像が相互に補完し合って記録されていることを、ディスプレイ11に表示することによってユーザに知らせるとよい。ユーザは、時間的に連続する映像を再生するためには、2枚のSDカード22a及び22bが必要であることに気付く。外部の機器で映像を再生する場合には、ユーザは、2枚のSDカード22a及び22bをSDカードリーダ14a及び14bから取り外して外部機器に装着する必要があることを認識することができる。
ベリファイエラー発生の有無の判定に際し(ステップSC5)、SDカードに記録された映像を読み出して、データの整合性を確認してもよい。また、書き込んだ映像を読み出して、CRCチェックを行ってもよ
[第7の実施例]
次に、図13を参照して第7の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
コントローラ20は、一方のSDカードリーダに保持されるSDカードに汎用のファイルフォーマット形式で映像を記録し、他方のSDカードリーダに保持されるSDカードに独自のフォーマット形式で映像を記録する機能を持つ。汎用のファイルフォーマット形式として、例えばaviファイルフォーマットを採用することができる。映像の圧縮技術として、MPEG2、モーションJPEG、H.264、H.265等を適用するとよい。独自のファイルフォーマット形式として、例えばYPフォーマット形式と呼ばれるフォーマット形式を採用することができる。
一方のSDカードリーダに保持されるSDカードは、汎用のファイルフォーマット形式で映像を記録する役割を担い、他方のSDカードリーダに保持されるSDカードは、独自のファイルフォーマット形式で映像を記録する役割を担う。
コントローラ20は、例えば汎用のファイルフォーマット形式で映像を記録するSDカードを保持するSDカードリーダ、及び独自のファイルフォーマット形式で映像を記録するSDカードを保持するSDカードリーダをユーザに知らせる画像をディスプレイ11に表示する。
図13は、コントローラ20がディスプレイ11に表示した画像の一例を示す。コントローラ20は、ディスプレイ11のモード表示領域31に、SDカードリーダ14a及び14bにそれぞれ保持されるSDカード22a及び22bのフォーマット形式を示すアイコン39を表示する。例えば、SDカード22aを示すアイコンの右側に「avi」という文字が表示され、SDカード22bを示すアイコンの右側に「YP」という文字が表示されている。さらに、アイコン39は、2枚のSDカード22a及び22bに記録される映像が同一のものであることをユーザに知らせることができる図形にされている。例えば、カメラ17を示すアイコンから延びる1本の直線が2本に分岐し、分岐した直線がそれぞれ2枚のSDカード22a及び22bを示す2つのアイコンに向かって伸び、それぞれの先端に矢印が付されている。
[第7の実施例の効果]
次に、第7の実施例の優れた効果について説明する。汎用のファイルフォーマット形式で映像が記録されているSDカード22aをSDカードリーダ14aから取り外して、一般的な再生装置、例えばパソコンの汎用メディアプレーヤ等で再生することができる。独自のフォーマット形式で映像が記録されているSDカード22bは、SDカードリーダ14bから取り外して専用のアプリケーションソフトを用いて再生することができる。
ユーザは、SDカード22a及び22bを示す2つのアイコン39に向かう2本の矢印を見て、カメラ17で撮像された映像が、SDカード22a及び22bの両方に記録されることを認識することができる。さらに、ユーザは、SDカード22a及び22bを示すアイコン39の右側に表示された文字を見て、2枚のSDカード22a及び22bのフォーマット形式を知ることができる。
独自のフォーマット形式で映像が記録されたSDカード22bは、その内容を一般的なパソコン等で再生、書き換え等を行うことができないため、映像の守秘性、安全性を高めることができる。
[第8の実施例]
次に、図14を参照して第8の実施例によるシステムについて説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。上述の複数の実施例では、着脱可能な記憶媒体としてSDカードを採用したが、第8の実施例では、最大書き込み速度の規格値が異なる2種類の記憶媒体を採用する。例えば、一方の最大書き込み速度の速い記憶媒体としてXQDカードを採用し、最大書き込み速度の遅い記憶媒体としてSDカードを採用することができる。
2種類の記憶媒体に対してそれぞれ、媒体収容部が設けられている。例えば、2つの媒体収容部の一方をXQDカードリーダとし、他方をSDカードリーダとすることができる。XQDカードリーダがサポートするインタフェース規格の最大書き込み速度は、SDカードリーダがサポートするインタフェース規格の最大書き込み速度より速い。
コントローラ20は、カメラ17で撮像された映像を、最大書き込み速度の速い方のインタフェース規格をサポートするXQDカードリーダに保持されているXQDカードに、カメラ17で撮像された映像をリアルタイムに書き込む。コントローラ20は、ユーザからの指令によって、XQDカードにリアルタイムに書き込まれた映像をSDカードリーダに保持されているSDカードにコピーする機能を持つ。
さらに、コントローラ20は、一方の媒体収容部がXQDカードリーダであり、他方の媒体収容部がSDカードリーダであることを示す画像をディスプレイ11に表示する。
図14は、コントローラ20がディスプレイ11に表示した画像の一例を示す。コントローラ20は、モード表示領域31に、媒体収容部のインタフェース規格を示すアイコン40を表示する。このアイコン40は、XQDカードリーダ及びSDカードリーダに保持されるXQDカード及びSDカードの担う役割を知らせる機能も持つ。例えば、アイコン40は、XQDカードに、カメラ17で撮像された映像がリアルタイムに記録され、XQDカードに記録された映像がSDカードにコピーされることを表している。
[第8の実施例の効果]
次に、第8の実施例の優れた効果について説明する。最大書き込み速度の遅いSDカードにリアルタイムに映像を記録する場合と比べて、高フレームレート、高解像度の映像をXQDカードにリアルタイムに記録することが可能になる。XQDカードに記録された映像を他のSDカードにコピーするとききには、コピー先のSDカードに速い書き込み速度は要求されない。一般的に、書き込み速度の遅い方のSDカードは、XQDカードより低価格である。これにより、同一の映像を複数の低価格のSDカードにコピーして配布用として用いることができる。
[第8の実施例の変形例]
最大書き込み速度の速い方の記憶媒体として、XQDカード以外のリムーバブルメディアを用いてもよく、最大書き込み速度の遅い方の記憶媒体として、SDカード以外のリムーバブルメディアを用いてもよい。
コントローラ20は、XQDカードに記録された映像をコピーするコピー開始時刻を指定してコピー予約ができる機能を持つとよい。ユーザは、車両を使用しない時間帯を指定して映像のコピーを実行させることができる。
XQDカードには、車両の電源がオンにされてからオフにされるまでの期間にカメラ17で撮像された映像を記録(以下、常時記録という。)するとよい。また、所定のイベントが発生したことを検出した時点の前後の映像を記録(以下、イベント記録という。)してもよい。常時記録とイベント記録との両方を行うと特によい。
コントローラ20は、XQDカードにイベント記録された映像から、コピーすべき映像をユーザに選択させる機能を有するとよい。
図15は、コピー元の映像をユーザに選択させるときにディスプレイ11に表示される画像の一例を示す。コントローラ20は、XQDカードに記録されている映像のイベント発生日時と、イベント発生時点の映像のサムネイル画像とを映像表示領域30に表示するとともに、コピー元の映像を選択するようにユーザに促すメッセージを表示する。ユーザは、操作ボタン12を操作することにより、コピーすべき映像を選択することができる。コントローラ20は、選択された映像をXQDカードからSDカードにコピーする。
常時録画されたすべての映像をコピーするには、長大なコピー時間が必要となる。ユーザが所望の映像のみを選択してコピーすることにより、不要なコピー時間を削減することができる。
[第9の実施例]
次に、図16A及び図16Bを参照して第9の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
図16Aは、第9の実施例によるシステム1の一部の機能ブロック図である。第9の実施例によるシステム1のSDカードリーダ14a及び14bの少なくとも一方、例えばSDカードリーダ14bは、無線通信機能を持つSDIOカード22cとの間のインタフェース規格をサポートしている。SDIOカード22cとして、例えばWiFi規格の通信機能を持つカード、移動通信システム規格の通信機能を持つカード、トランスファージェット規格の通信機能を持つカード等を用いることができる。
コントローラ20は、SDIOカード22cに、カメラ17(図2)で撮像された映像を外部機器に送信させる機能、及びSDカード22aから映像を読み出して、読み出された映像を送信させる機能を有する。
図16Bは、SDカードリーダ14bに無線通信機能を持つSDIOカード22cが装着されているときにコントローラ20がディスプレイ11に表示する画像の一例を示す。コントローラ20は、モード表示領域31にSDカードリーダ14a及び14bに装着されているSDカード22a及びSDIOカード22cを表すアイコン41a及び41bを表示する。無線通信機能を持つSDIOカード22cを表すアイコンは、無線通信機能持つことを知らせるためのアンテナの図形を含む。
[第9の実施例の効果]
次に、第9の実施例の優れた効果について説明する。第9の実施例によるシステム1は、カメラ17で撮像された映像を、無線通信機能を持つSDIOカード22cを介して、外部機器に無線送信することができる。これにより、ユーザは、SDカード22aをSDカードリーダ14aから取り外すことなく、SDカード22aに記録されている映像を外部機器で再生することができる。
ユーザは、ディスプレイ11に表示された画像を見ることにより、一方のSDカードリーダ14bに装着されているSDIOカード22cが無線通信機能を持ち、映像を無線で送信する役割を担っていることを知ることができる。他方のSDカードリーダ14aに装着されているSDカード22aは、映像を記録する役割を担っていることを知ることができる。
[第9の実施例の変形例]
SDIOカード22cに、無線通信機能の他に映像を記録する機能を持たせるとよい。SDIOカード22cに記録された映像は、コントローラ20からの指令により、SDIOカード22cの無線通信機能を利用して外部機器に送信することができる。例えば、SDIOカード22cからコントローラ20が映像を読み出して、読み出された映像をSDIOカード22cから送信するとよい。また、コントローラ20がSDIOカード22cに送信指令を与えることにより、SDIOカード22cが自律的に映像を送信するようにすると特によい。
2つのSDカードリーダ14a及び14bの両方が、無線通信機能を持つSDIOカードとの間のインタフェース規格をサポートするようにするとさらによい。例えば、一方のSDIOカードリーダに保持されているSDIOカードに映像を記録している最中に、他方のSDカードリーダに保持されているSDIOカードに既に記録されている映像を、そのSDIOカードの通信機能を用いて送信することができる。
SDIOカードとして、トランスファージェット等の近接無線転送技術規格対応のものを用いてもよい。近接無線転送技術規格対応のSDIOカードをSDカードリーダに保持した状態のとき、ユーザはシステム1(図1A、図1B)を車両から取り外して親機に近づけることにより、映像を親機に転送することができる。近接無線転送技術規格対応のSDIOカードとのインタフェース規格をサポートするSDカードリーダは、近接無線転送を妨げないようにするために、他方のSDカードリーダよりも筐体の壁際に配置することが好ましい。
[第10の実施例]
次に、図17を参照して第10の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
コントローラ20は、車両の電源がオンにされた時点からオフにされた時点までに亘ってカメラ17で撮像された映像を記録(以下、常時記録という。)する機能、常時記録される映像のうち所定のイベントが発生した時点を含む所定の期間の映像を記録(以下、イベント記録という。)する機能、車両の電源がオフにされている期間にカメラ17で撮像された映像を記録(以下、駐車監視記録という。)する機能、車両の走行に関する情報を時系列に並べたログデータを記録(以下、ログデータ記録という。)する機能を持つ。
所定のイベントとして、例えば加速度センサ18による閾値以上の大きさの衝撃の検知を挙げることができる。ログデータには、例えば、GPS情報(車両位置情報)、速度情報、加速度情報、車両の操作状況を示す情報、車両の移動の軌跡等を含めるとよい。車両の操作状況には、例えばブレーキを踏んだか否か、方向指示器を出したか否かという操作状況等を含めるとよい。これらの情報は、車両に搭載された種々のセンサやOBDコネクタ等から取得することができる。
常時記録、イベント記録、駐車監視記録、及びログデータ記録の記録先が、SDカードリーダ14aに保持されているSDカード22a及びSDカードリーダ14bに保持されているSDカード22bのどちらかに設定されている。コントローラ20は、これらの記録先がどちらのSDカードリーダに保持されているSDカードかをユーザに知らせる機能を持つ。
図17は、記録先をユーザに知らせるためにコントローラ20がディスプレイ11に表示した画像の一例を示す。ユーザは、操作ボタン12を操作することにより図17に示した画像を表示させることができる。
コントローラ20は、映像表示領域30に本システム1の外形、及びSDカード挿入口10a及び10bを図形で表示するとともに、SDカード挿入口10a及び10bの位置と、SDカード挿入口10a及び10bに挿入されたSDカード22a及び22bに記録される内容との対応関係を示す図表を表示する。図17に示された画像から、ユーザは、常時記録が下側のSDカード挿入口10aに挿入されたSDカード22aに対して行われ、イベント記録、駐車監視記録、及びログデータ記録が上側のSDカード挿入口10bに挿入されたSDカード22bに対して行われることを認識することができる。
[第10の実施例の効果]
次に、第10の実施例の優れた効果について説明する。第10の実施例では、常時記録、イベント記録、駐車監視記録、及びログデータ記録の全てを1つのSDカードに記録する場合に比べて、全体としての記録容量が増加する。これにより、常時記録することができる時間、または駐車監視記録することができる時間が長くなり、イベント記録することが可能なイベント数が多くなり、記録可能なログデータのデータ量が多くなる。常時記録または駐車監視記録において、SDカードの空き容量がなくなると古い映像を新しい映像で上書きする処理を行う場合には、上書き回数を少なくすることができる。これにより、SDカードの寿命を伸ばすことができる。
ユーザは、記録される映像の容量に応じて、適切な記録容量を持つSDカードを準備すればよい。
ユーザは、見たい映像が記録されている方のSDカードのみをSDカードリーダから取り外して、外部の機器で再生することができる。例えば、イベント発生時の映像を見たい場合には、イベント記録用のSDカード22bのみをSDカードリーダ14bから取り外せばよい。ディスプレイ11に表示された画像(図17)を見て、ユーザは、どちらのSDカードを取り外せばよいか容易に知ることができる。
本システム1を業務用として使用する場合に、例えば、運行管理者は、運転者にイベント記録されたSDカード22bのみを提出させるようにするとよい。運行管理者にとって、常時記録された映像を全て確認する場合に比べて、確認すべき映像の量が減るという効果が得られる。また、運行管理者に必要な情報のみを一方のSDカードに記録させ、必要性の低い情報を他方のSDカードに記録させることにより、運行管理者に提出すべきSDカードの枚数を削減することができる。これにより、運行管理がしやすくなる。
[第10の実施例の変形例]
第10の実施例では、コントローラ20が常時記録、イベント記録、駐車監視記録、及びログデータ記録を行う機能を有していたが、常時記録とイベント記録の2つを行う機能、または駐車監視記録とイベント記録との2つを行う機能を持つようにしてもよい。このとき、常時記録または駐車監視記録を行うSDカードと、イベント記録を行うSDカードとを異ならせるとよい。常時記録または駐車監視記録を行うSDカードに対しては上書きを行い、イベント記録を行うSDカードに対しては上書きを行わないようにするとよい。
例えば、イベント記録用のSDカードには、常時記録用または駐車監視記録用のSDカードほどの容量は必要とされない。このため、常時記録用または駐車監視記録用のSDカードとして相対的に大容量のものを準備し、イベント記録用のSDカードとしては、常時記録用または駐車監視記録用のSDカードよりも容量の小さなものを準備すればよい。これにより、SDカードに要するコストを削減することができる。
駐車監視記録は、車両の電源をオフにして駐車している全期間に亘って撮像された映像を記録するとよく、駐車中に所定のイベントが発生した時点を含む一部の映像を記録すると特によい。イベントとして、例えば撮像している映像内での動きの発生検出(モーションディテクト)、車両の振動発生検出、大きな音の発生検出、車両の窓の開放検出、車両のドアの開放検出等を含めるとよい。駐車監視記録用の記憶媒体にイベントが発生した時点を含む一部の映像を記録することにより、駐車監視記録用のSDカードの容量の消費量を削減することができる。
一方のSDカードに常時記録を行い、他方のSDカードにログデータ記録を行ってもよい。運行管理者は、一方のSDカードに記憶されている映像と、ログデータとを関連付けて、映像取得時の運転を評価することができる。運転者は、ディスプレイ11に表示された画像(図17)を見ることにより、例えば、映像を記録するSDカードを挿入するSDカード挿入口の位置と、ログデータを記録するSDカードを挿入するSDカード挿入口の位置とを知ることができる。
第10の実施例では、常時記録、イベント記録、駐車監視記録、及びログデータ記録と、SDカードとの対応関係を固定したが、この対応関係をユーザが変更できるようにするとよい。例えば、図17に示したディスプレイ11の画像を見ながらユーザが操作ボタン12を操作することにより、対応関係を変更できるようにするとよい。
常時記録用のSDカード、イベント記録用のSDカード、及び駐車監視記録用のSDカードを装着するための3つのSDカードリーダをシステム1に持たせてもよい。用途ごとにSDカードを分けることにより、複数のSDカードをそれぞれ必要とする管理者に提出することができる。
[第11の実施例]
次に、図18Aを参照して、第11の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
第11の実施例によるシステムのコントローラ20は、特定のイベント(第1種のイベントという。)が発生した時点の前後の映像を一方のSDカードに記録し、第1種のイベントとは異なる特定のイベント(第2種のイベントという。)が発生した時点の前後の映像を他方のSDカードに記録する機能を持つ。第1種のイベント及び第2種のイベントを定義する情報は、例えば予めコントローラ20に記憶させておくとよい。
コントローラ20は、特定のイベントと、そのイベントが発生したときの映像を記録するSDカードとの対応関係をディスプレイ11に表示する。
図18Aは、イベントと記録先のSDカードとの対応関係が表示されたディスプレイ11上の画像を示す。ユーザは、操作ボタン12を操作することにより図18Aに示した画像を表示させることができる。
コントローラ20は、映像表示領域30に本システム1の外形、及びSDカード挿入口10a及び10bを図形で表示するとともに、SDカード挿入口10a及び10bの位置と、SDカード挿入口10a及び10bに挿入されたSDカード22a及び22bへの記録の契機となるイベントとの対応関係を示す図表を表示する。
急ハンドル、急ブレーキ、急加速等は、主として運転者自身の運転能力や運転態度に基づく。衝突の発生は、運転者の運転能力や運転態度とは無関係に、他車の走行に原因があるとも考えられる。このように、図18Aに示した例のように、運転者以外に原因があると考えられるイベントが発生したときに映像を記録するSDカード22aと、主として運転者に原因があると考えられるイベントが発生したときの映像を記録するSDカード22bとを異ならせるとよい。
[第11の実施例の効果]
次に、第11の実施例の優れた効果について説明する。図18Aに示された画像から、ユーザは、衝突発生時の映像が下側のSDカード挿入口10aに挿入されたSDカード22aに記録され、急ハンドル、急ブレーキ、及び急加速発生時の映像が上側のSDカード挿入口10bに挿入されたSDカード22bに記録されることを知ることができる。
運転者の運転技術や運転態度に原因があると考えられるイベント(例えば急ハンドル、急ブレーキ、及び急加速等)が発生したときの映像は、運転者の教育に役立てることができる。運行管理者が、急ハンドル、急ブレーキ、及び急加速発生時の映像が記録されたSDカード22bをシステム1から取り出して提出するように運転者に要求すると、運転者は、ディスプレイ11に表示された画像から、どのSDカード挿入口のSDカードを取り出せばよいか容易に判断することができる。
[第11の実施例の変形例]
図18Bは、第11の実施例の変形例によるシステムのコントローラ20がディスプレイ11に表示した画像の一例を示す。この変形例では、コントローラ20は、法定速度を順守しているときにイベントが発生したら、その前後の映像を一方のSDカード22aに記録し、法定速度を超過しているときにイベントが発生したら、その前後の映像を他方のSDカード22bに記録する。コントローラ20は、発生したイベントと、映像を記録すべきSDカードとの対応関係をディスプレイ11に表示する。現在走行している経路の法定速度は、道路標識や地図データ等から取得することができる。
ユーザは、法定速度を超過しているときの映像と、法定速度を順守しているときの映像とを容易に比較することができる。
[第12の実施例]
次に、図19A及び図19Bを参照して第12の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
第12の実施例では、一方のSDカードリーダに保持されているSDカードに、所定のイベントが発生したと判断する条件であるイベント条件が記憶されている。コントローラ20は、SDカードからイベント条件を読み取り、カメラ17で撮像された映像を他方のSDカードリーダに保持されているSDカードに記録するとともに、読み出されたイベント条件を満たすイベントの発生を検出すると、イベントが発生したことを示す目印を、映像と関連付けて記録する機能を持つ。
コントローラ20は、イベント条件を記憶したSDカードを装着するSDカードリーダと、映像を記録するSDカードを装着するSDカードリーダとをユーザに知らせるための画像をディスプレイ11に表示する。
図19Aは、ディスプレイ11に表示された画像の一例を示す。カメラ17で撮像された映像が記録されるSDカード22aを示すアイコン42a、及びイベント条件を記憶したSDカード22bを示すアイコン42bがモード表示領域31に表示されている。例えば、カメラ17を示すアイコンからSDカード22aを示すアイコンに向かう矢印が表示されており、その矢印の途中に丸で囲まれた感嘆符が重ねて表示され、感嘆符の近傍にSDカード22bを示すアイコン42bが表示されている。カメラ17を示すアイコンからSDカード22aを示すアイコンに向かう矢印は、カメラ17で撮像された映像がSDカード22aに記録されることを表している。矢印上に示された感嘆符及びSDカード22bを示すアイコン42bは、SDカード22bにイベント条件が記憶されていることを表している。
図19Bは、SDカード22aに記録された映像のフレーム列を示す。複数のフレームのうち、イベント発生時に撮像されたフレームに対応して、イベントが発生したことを示す目印43が記録されている。目印43は、どのイベントが発生したかを識別する情報を含んでいる。
[第12の実施例の効果]
次に、第12の実施例の優れた効果について説明する。ユーザは、映像を記録しているSDカード22aに記録された目印43を参考にして、確認または検証したい映像を短時間で見つけ出すことができる。これにより、膨大な映像から有益な映像を抽出し、映像を有効に利用することができる。ユーザは、確認または検証したいイベント条件をSDカード22bに記憶させておけばよいため、イベント条件の追加や削除を容易に行うことができる。
ユーザは、ディスプレイ11に表示された画像を見て、カメラ17で撮像された映像がSDカード22aに記録され、SDカード22bにイベント条件が記憶されていることを類推することができる。これにより、ユーザは、イベント条件を記憶したSDカード22bを装着すべきSDカードリーダ14b、及び映像を記録するSDカード22aを装着すべきSDカードリーダ14aを知ることができる。
イベント条件に、例えば運転者の疲労、不注意等によって生じ得るイベントの発生を検出する条件を含めるとよい。例えば、走行車線からの逸脱、前の車両への異常接近、前の車両が発進したにもかかわらず自車が停止中のままで一定時間経過、横ブレ、スリップ等の発生をイベント条件として挙げることができる。これらのイベントの発生は、車両に先進運転支援システム(ADAS)を搭載することにより検出することができる。運行管理者は、イベント発生時の映像を運転者に見せることにより、運転者に危険度を自覚させ、安全運転につなげることができる。
イベント条件として、例えば撮像された映像内に特定の人物や特定の車両が存在するという条件を含めるとよい。検知すべき特定の人物や特定の車両番号の画像をテンプレート画像としてSDカード22bに記憶させておき、コントローラ20は、画像認証技術を用いて特定の人物や車両を検出するとよい。コントローラ20は、特定の人物や車両を検出したら、検出した場所の位置情報、検出時の映像等をデータセンタ(例えば警察のサーバ等)に送信するとよい。データセンタに送られた情報は、手配中の人物や車両を見つけ出す有益な手がかりとなる。
イベント条件として、例えば不穏または危険な動きをしている車両(危険車両)の検知を含めるとよい。不穏または危険な動きには、例えば蛇行運転、信号無視、速度超過等を含めるとよい。コントローラ20は、危険車両を検出したら、検出した場所の位置情報、検出時の映像等をデータセンタ(例えば警察のサーバ等)に送信するとよい。危険車両の存在を複数の車両の運転者で共有することにより、危険車両に起因する事故の発生を未然に防止することが可能になる。危険車両の運転者に、危険運転を行わないように指導することができる。
イベント条件として、特定の姿勢をとっている人物の検知、特定の年代の歩行者の検知、自転車の検知、特定の交通標識の検知等を含めるとよい。これらのイベントが発生した時に運転者がどのような運転を行ったかを、容易に確認または検証することができる。例えば、特定の姿勢をとっている人物として、手を上げている人物、自撮り棒を持っている人物等含めるとよい。手を上げている人物が検知された時に、例えば運転者が一時停止したか否かを映像によって検証することができる。自撮り棒を持っている人物を検知した時に、運転者が速度を緩めたか否かを検証することができる。特定の年代の歩行者として、子供または老人を含めるとよい。歩行者として子供または老人を検知したときに、例えば運転者が速度をゆるめたか否かを検証することができる。種々の交通標識を検知した時に、例えば運転者が交通規則を順守しているか否かを検証することができる。
[第13の実施例]
次に、図20〜図22を参照して、第13の実施例によるシステムについて説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
第13の実施例では、SDカードリーダ14aに保持されているSDカード22aに、フレームレート及び解像度の少なくとも一方の録画条件が記憶されている。コントローラ20は、SDカード22aに記憶されている録画条件を読み出し、読み出された録画条件に基づいて映像を記録する機能を持つ。
コントローラ20は、SDカード22aに記憶されている録画条件をディスプレイ11に表示することにより、どのような録画条件で映像が記録されているかをユーザに知らせる。
図20は、ディスプレイ11に表示された画像の一例を示す。SDカード22aを示すアイコン53a及びSDカード22bを示すアイコン53bがモード表示領域31に表示されている。例えば、アイコン53aの右側に表示された文字は、SDカード22aに「フレームレート30fps」という録画条件が記憶されていることを表している。アイコン53bの右側に表示された下向きの三角記号は、SDカード22bに、SDカード22aのフレームレートと同一のフレームレートで映像が記録されることを表している。
SDカード22aに記憶される録画条件は、例えばパソコン等の外部機器で設定することができる。
図21は、パソコンを用いてSDカードに録画条件を設定するときの設定ウィンドウの一例を示す。録画方法の選択ボックスにより、ユーザは、常時録画のみを行うモード、常時録画とイベント録画との両方を行うモード、及びイベント録画のみを行うモードから1つのモードを選択することができる。
図21示した画像では、システム1に内蔵されたカメラ(メインカメラ)17の他に、サブカメラを接続可能な例を示しているが、第13の実施例では、サブカメラが接続されていない例について説明する。ユーザは、メインカメラの解像度、録画コマ数(フレームレート)、イベント記録コマ数をプルダウンメニューから選択することができる。さらに、ユーザは、イベント記録時間、音声記録の有無、履歴記録時間、履歴記録コマ数をプルダウンメニューから選択することができる。さらに、ユーザは、常時記録、イベント記録、履歴記録の記録領域に空きが無くなった時に上書きを行うか否かを選択することができる。
さらに、ユーザは、加速度センサ(Gセンサ)18の測定値に基づくイベント記録を行うか否か、ジャイロセンサの測定値に基づくイベント記録を行うか否かを選択することができる。さらに、イベント記録を行うと判定する測定値の大きさを設定することができる。
パソコンの画面に表示された設定ウィンドウに、「SDカードへ保存」ボタンが表示されている。ユーザがポインティングデバイスにより「SDカードへ保存」ボタンを選択(例えばクリック、タップ等)すると、設定ウィンドウで設定された録画条件がSDカードに記憶される。
[第13の実施例の効果]
次に第13の実施例の優れた効果について説明する。ユーザは、SDカードリーダ14aに装着するSDカード22aに予め録画条件を記憶させておくことにより、所望の録画条件で映像をSDカード22a及び22bに記録させることができる。ディスプレイ11に表示されたアイコン53a及び53bを見ることにより、記録条件が記憶されているSDカード22aを装着すべきSDカードリーダ14a、及び現在の記録条件を確認することができる。
[第13の実施例の変形例]
録画条件として、フレームレート及び解像度の他に、図21に示したように、例えばイベント発生時の前後の映像を記録するときのイベントの発生を判定する条件、音声を記録するか否かという条件等を含めてもよい。イベントの発生の有無を判定する条件には、例えば、車両に搭載された加速度センサ18の検出値等を判定閾値として用いるとよい。加速度センサ18の検出値以外に、その他のイベントの種別を録画条件として採用してもよい。
第13の実施例では、SDカードリーダ14aに装着されるSDカード22aに録画条件を記憶しておくこととしたが、他方のSDカードリーダ14bに装着されるSDカード22bに録画条件を記憶しておくこととしてもよい。
2つのSDカードリーダ14a及び14bに保持されたSDカード22a及び22bの両方に録画条件が記憶されているとき、コントローラ20は、特定の1つのSDカードリーダに保持されているSDカードに記憶されている録画条件を有効にし、他方のSDカードリーダに保持されているSDカードに記憶されている録画条件は採用せず、有効な録画条件に基づいて2枚のSDカードに映像を記録するとよい。ユーザは、実際に記録したい録画条件を記憶させたSDカードを特定の1つのSDカードリーダに装着すればよく、他方のSDカードに記憶されている録画条件を知る必要はない。
コントローラ20は、2つのSDカードリーダ14a及び14bに保持されているSDカード22a及び22bに記憶されている録画条件をそれぞれ有効にし、SDカードごとに、そのSDカードに記憶されている録画条件に基づいて映像を記録してもよい。ユーザは、SDカードごとに録画条件を決めることができる。
コントローラ20は、SDカードに記憶されている録画条件を採用せず、予めコントローラ20に設定されている録画条件に基づいて映像をSDカードに記録してもよい。ユーザは、予めコントローラ20に録画条件を設定しておくことにより、SDカードをSDカードリーダに装着する度にSDカードに記憶されている録画条件を確認することなく、所望の録画条件に基づいて映像を記録させることができる。
コントローラ20は、特定の1つのSDカードリーダに保持されているSDカードに記憶されている録画条件を有効にするモード、SDカードに記憶されている録画条件を両方とも有効にするモード、及び予めコントローラ20に設定されている録画条件を有効にするモードの中から1つのモードをユーザに選択させる機能を持つとよい。ユーザは、システムの利用形態に応じて最も適切なモードを選択することができる。
コントローラ20は、ユーザに選択させる複数のモードをメニューとしてディスプレイ11に表示させるとよい。
図22は、ディスプレイ11に表示されたメニュー画面の一例を示す。SDカードリーダ14aに保持されたSDカード22aに記憶された録画条件を有効にするモードを指定するボタン44a、SDカードリーダ14bに保持されたSDカード22bに記憶された録画条件を有効にするモードを指定するボタン44b、双方のSDカードに記憶された録画条件を有効にするモードを指定するボタン44c、及びコントローラ20に設定されている規定の録画条件を有効にするモードを指定するボタン44dが表示されている。
ユーザは、メニューの中から1つのモードを選択すればよい。録画条件が記憶されていないSDカードがSDカードリーダに保持されているときは、そのSDカードリーダに保持されているSDカードに記憶されている録画条件を有効にするモードをメニューから除外しておくとよい。コントローラ20に録画条件が設定されていないとき、コントローラ20に設定されている既定の録画条件を有効にするモードをメニューから除外しておくとよい。ユーザは、ディスプレイ11に表示されたメニュー画面を見て、選択可能なモードの一覧を知ることができる。
それぞれのSDカードに、録画条件ともに優先度を記憶させておき、コントローラ20は、優先度の高い方の録画条件を有効にしてもよい。優先度が同一である場合には、優先度を設定した時期に基づいてどちらの録画条件を有効にするかを決定するとよい。例えば、設定時期が新しい方の録画条件を有効にするとよい。その逆に、設定時期が古い方の録画条件を有効にしてもよい。設定時期が新しい方の録画条件を有効にするか、古い方の録画条件を有効にするかを、予めコントローラ20に設定しておくとよい。
有効にする録画条件が記憶されたSDカードが装着されるSDカードリーダ及びSDカード挿入口を固定しておいてもよい。例えば、ユーザは、有効にしたい録画条件を記憶させたSDカードを、予め決められた位置のSDカード挿入口に挿入すればよい。
図21では、パソコンで録画条件を設定する例について説明したが、録画条件をSDカードに記憶させる機能をシステム1のコントローラ20に持たせてもよい。
[第14の実施例]
次に、図23A、図23B、図24A、及び図24Bを参照して第14の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
図23Aは、第14の実施例によるシステム1の一部の機能を示すブロック図である。第14の実施例においては、2台のカメラ17a及び17bからコントローラ20に映像が転送される。例えば、2台のカメラ17a及び17bを、それぞれ車両の前方及び後方、または前方及び車内を撮像するように設置するとよい。
コントローラ20は、2台のカメラ17a及び17bで撮像された映像を、それぞれ異なるSDカードリーダ14a及び14bに保持されたSDカード22a及び22bに記録する機能を持つ。コントローラ20は、ディスプレイ11に、2台のカメラ17a及び17bと2つのSDカードリーダ14a及び14bとの対応関係を、画像または文字情報として表示する。
図23Bは、2台のカメラ17a及び17bと2つのSDカードリーダ14a及び14bとの対応関係が表示されたディスプレイ11上の画像を示す。モード表示領域31に、カメラ17aがSDカードリーダ14aに対応することを示すアイコン45a、及びカメラ17bがSDカードリーダ14bに対応することを示すアイコン45bが表示されている。
[第14の実施例の効果]
次に、第14の実施例の優れた効果について説明する。第14の実施例によるシステム1は、1つのカメラではカバーできない広い領域の映像を記録することができる。例えば、車両の前方と後方の映像、または前方と車内の映像を記録することができる。ユーザは、ディスプレイ11に表示された画像(図23B)を見て、どのSDカードリーダに保持されているSDカードにどのカメラで撮像された映像が記録されているかを容易に知ることができる。ユーザは、外部機器で再生したい映像が記録されているSDカードをSDカードリーダから取り外して、映像を再生することができる。
[第14の実施例の変形例]
コントローラ20は、2つのSDカードリーダ14a及び14bにそれぞれ保持されているSDカード22a及び22bに記録されている映像が、同一の期間に異なる領域を撮像した映像であることを、ディスプレイ11を通してユーザに知らせるとよい。ユーザはディスプレイ11を通して、同一の期間に撮像された2つの映像がそれぞれ2枚のSDカード22a及び22bに記録されていることに気付く。2枚のSDカード22a及び22bの映像を確認する際には、再生機器が、2つの映像を同期させて同一時刻の映像を表示画面に同時に表示させるとよい。ユーザは、同時刻における車両の周囲の状況を容易に確認することができる。
ユーザが1つのSDカードリーダに保持されているSDカードのみを取り外したとき、コントローラ20は、もう一方のSDカードリーダに保持されているSDカードに同一の期間に撮像された映像が記録されているため、そちらのSDカードも取り外すようにユーザに促すメッセージをディスプレイ11に表示するとよい。この通知により、SDカードリーダ14a及び14bからのSDカード22a及び22bの取り外し忘れが生じ難くなる。
例えば、2つのカメラ17a及び17bを作業車両に搭載し、一方で車両の前方を撮像し、他方で作業箇所を撮像してもよい。例えば、カメラ17a及び17bを搭載する作業車両をフォークリフトとし、1つのカメラ17aで撮像する作業箇所をフォークの昇降動作の範囲とするとよい。ユーザは、作業車両の走行状況と作業状況とを、作業後に映像で確認することができる。
例えば、構内で稼働する車両に2つのカメラ17a及び17bを搭載し、一方で車両の前方を撮像し、他方で運転者を撮像するとよい。2つのカメラ17a及び17bで撮像された映像を見ることにより、運転者が構内の運転規則を守っているか否かを検証することができる。例えば、右左折するときに指差し歓呼したか否かを検証することができる。映像に音声が付加されている場合には、特定の場所で「右よし左よし」といった歓呼を行ったか否かを検証することができる。
例えば、2つのカメラ17a及び17bとして、相互に種類の異なるカメラを用いてもよい。例えば、一方のカメラ17aとして全天球カメラを用い、他方のカメラ17bとして通常のカメラを用いるとよい。ユーザは、ディスプレイ11を通して通知された情報に基づいて、全天球カメラで撮像された映像が記憶されているSDカードと、通常のカメラで撮像された映像が記録されているSDカードとを、容易に区別することができる。
図24Aに示すように、一方のカメラ17aをシステム1の筐体内に収め、他方のカメラ17bを外付けカメラとするとよい。ユーザは、外付け用の1つのカメラ17bのみを筐体に接続すればよいため、接続作業の簡易化を図ることができる。
図24Bに示すように、2つのカメラ17a及び17bをともに外付けカメラとしてもよい。ユーザは、撮像すべき対象や撮像された映像の用途によって、好適な性能を持つ外付けカメラを選択することができる。また、カメラ17a及び17bの配置位置がシステムの筐体の位置の影響を受けないため、カメラ17a及び17bの配置の自由度が高まる。外付けカメラ17a及び17bを接続するためのシステム1の筐体側の接続端子46a及び46bの形状を異ならせるとよい。種類の異なる2つの外付けカメラ17a及び17bの接続ミスを防止することができる。
SDカードリーダを3つ以上とし、SDカードリーダの個数分のカメラを準備してもよい。SDカードリーダ及びカメラを3つ以上準備することにより、より広範囲の映像を同時に撮像して、対応するSDカードに記録することができる。
[第15の実施例]
次に、図25を参照して第15の実施例によるシステムについて説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
コントローラ20は、カメラ17で撮像された現在の映像を、一方のSDカードリーダ14aに保持されるSDカード22aに記録する。第15の実施例では、他方のSDカードリーダ14bに、車両に搭載されたカメラ17で過去に撮像された映像が、撮像された位置情報とともに記録されたSDカード22bが保持される。コントローラ20は、車両の現在位置に基づいて、現在の車両の位置情報と照らし合わせながら、現在の位置情報に対応する映像をSDカード22bから読み出してディスプレイ11に表示する機能を持つ。
このように、例えば、一方のSDカードリーダ14aに保持されるSDカード22aは映像をリアルタイムに記録する役割を担い、他方のSDカードリーダ14bに保持されるSDカード22bは、過去に走行したときの映像を提供する機能を担う。コントローラ20は、2枚のSDカード22a及び22bの役割を、ディスプレイ11を通してユーザに知らせる。
図25は、ディスプレイ11に表示された画像の一例を示す。モード表示領域31に、カメラ17で撮像された映像をリアルタイムにSDカード22aに記録することを示すアイコン47aと、SDカード22bに記録されている映像をディスプレイ11に表示することを示すアイコン47bが表示されている。さらに、映像表示領域30に、カメラ17で撮像された現在の映像48と、SDカード22bから読み出された映像49が表示されている。表示された過去の映像49は、現在の車両位置に対応する位置情報に関連付けられたものである。
[第15の実施例の効果]
次に、第15の実施例の優れた効果について説明する。運転者は、ディスプレイ11に表示された過去の映像49を参考にしながら運転することができる。過去に撮像された映像として、車両の推奨走行経路を走行しながら撮像されたものとするとよい。推奨走行経路に不案内な運転者にとって、ディスプレイ11に表示された映像49は推奨走行経路を走行するために有益な情報になる。
運転者は、モード表示領域31に表示されたアイコン47a及び47bを見て、推奨走行経路を走行したときの過去の映像が記録されたSDカード22bを、どのSDカードリーダに装着すればよいか容易に知ることができる。このため、SDカードリーダへのSDカードの装着間違いが生じ難くなる。
[第16の実施例]
次に、図26及び図27を参照して第16の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
第16の実施例においては、販売促進用の店頭デモ映像が記録されたSDカード22bが一方のSDカードリーダ14bに装着され、販売店の店頭に陳列された状態で動作する。
図26は、システム1の動作のフローチャートである。ユーザ、例えば販売店の店員が、デモンストレーションモードを開始する操作を行うと、コントローラ20は、一方のSDカード22bに記録されている販売促進用のデモ映像をディスプレイ11に表示する(ステップSD1)。販売促進用のデモ映像の最後に、これから撮影が始まることを消費者に伝える映像が付加されている。例えば、「これから撮影を開始しますので、撮影したい方向にカメラを向けてください。」という音声を含む映像を流すとよい。
コントローラ20は、販売促進用のデモ映像の再生が終了すると、予めコントローラ20に設定されている所定時間、カメラ17で撮像された映像を他方のSDカード22aに記録する(ステップSD2)。この所定時間は、例えば30秒程度にするとよい。所定時間が経過すると、コントローラ20は映像の記録を終了し、SDカード22aに記録された映像を再生する(ステップSD3)。再生された映像はディスプレイ11に映し出される。
その後、コントローラ20は、販売促進用の動作を終了させるか否かを判定する。例えば、システム1への電源の供給が停止した時点で、コントローラ20は動作を終了させる。コントローラ20が動作を終了させない場合には、再度、販売促進用のデモ映像の再生(ステップSD1)からの動作を繰り返し実行する。このように、コントローラ20は、デモ映像の再生、店頭の映像の記録、及び店頭の映像の再生を、この順番に切り替えて実行する。
コントローラ20は、例えば販売促進用の映像を記録しているSDカード22bを保持するSDカードリーダ14bを特定する情報、及び販売店に陳列されたカメラ17で撮像された映像を記録するSDカード22aを保持するSDカードリーダ14aを特定する情報をディスプレイ11に表示する。
図27は、ディスプレイ11に表示された画像の一例を示す。モード表示領域31に、SDカード22a及び22bの担う役割をユーザに知らせるためのアイコン50が表示されている。アイコン50は、カメラ17で撮像された映像がSDカード22aに記録され、SDカード22aに記録された映像がディスプレイ11に表示されること、SDカード22bにデモ映像が記録されていること、及びデモ映像がディスプレイ11に表示されることを表している。
[第16の実施例の効果]
次に、第16の実施例の優れた効果について説明する。販売店は、販売促進用のデモ映像をディスプレイ11に表示させることにより、消費者の購買意欲を高めることができる。さらに、システムの機能を消費者に容易に伝えることができる。消費者は、販売店で撮像された映像を、ディスプレイ11を通して確認することができる。これにより、消費者はシステムの機能を深く理解し、性能を体感することができる。
消費者は、デモ映像を見て撮像が開始されることを知り、撮像したい対象物にカメラを向けようとする行動を開始することができる。コントローラ20は、一定時間で撮像を終了させて自動的に映像を再生してディスプレイ11に表示させるとよい。撮像された映像の再生が終了すると、販売促進用の映像の再生に戻るとよい。
[第17の実施例]
次に、図28を参照して第17の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
第17の実施例によるシステム1は、外部、例えば車両からの電源の供給が停止したときシステム1内の種々の部品に電力を供給する内部電源(バッテリ)を有する。車両からシステム1に電源が供給されている期間に内部電源が充電される。
システム1は、車両から電源が供給されているときにドライブレコーダとして動作するモード(ドライブレコーダモード)、車両に搭載された状態で車両からの電源の供給が停止すると駐車監視記録装置として動作するモード(駐車監視モード)、車外に持ち出した状態でアクションカメラとして動作するモード(アクションカメラモード)のいずれかの動作モードで動作する機能を持つ。
図28は、動作モード間のモード遷移図を示す。システム1は、ドライブレコーダモード、駐車監視モード、アクションカメラモード、停止Aモード、及び停止Bモードの5個の動作モードを持つ。ドライブレコーダモードでは、外部(例えば車両)からの電源供給が有り、かつメインスイッチがオンにされている。ドライブレコーダモードでは、コントローラ20は、例えば常時記録、イベント記録等を行う。
動作モードがドライブレコーダモードのときに外部からの電源供給が停止すると、コントローラ20は、動作モードを駐車監視モードに遷移させる。駐車監視モードでは、コントローラ20は駐車監視記録を行う。動作モードがドライブレコーダモードのときにメインスイッチがオフにされると、コントローラ20は、動作モードを停止Aモードに遷移させる。停止Aモードでは、コントローラ20は映像の記録を行わない。
動作モードが駐車監視モードのときに外部からの電源供給が再開されると、コントローラ20は、動作モードをドライブレコーダモードに遷移させる。動作モードが駐車監視モードのときにメインスイッチがオフにされると、コントローラ20は、動作モードを停止Bモードに遷移させる。停止Bモードでは、コントローラ20は映像の記録を行わない。
動作モードが停止Aモードのときにメインスイッチがオンにされると、コントローラ20は、動作モードをドライブレコーダモードに遷移させる。動作モードが停止Aモードのときに外部からの電源供給が停止すると、コントローラ20は、動作モードを停止Bモードに遷移させる。
動作モードが停止Bモードのときに外部からの電源供給が再開すると、コントローラ20は、動作モードを停止Aモードに遷移させる。動作モードが停止Bモードのときにメインスイッチがオンにされると、コントローラ20は、動作モードをアクションカメラモードに遷移させる。動作モードがアクションカメラモードのときの動作については後に説明する。
動作モードがアクションカメラモードのときにメインスイッチがオフにされると、コントローラ20は、動作モードを停止Bモードに遷移させる。動作モードがアクションカメラモードのときに外部からの電源供給が再開すると、コントローラ20は、動作モードをドライブレコーダモードに遷移させる。
コントローラ20は、ドライブレコーダモードのとき、一方のSDカードリーダ14aに保持されているSDカード22aに映像を記録し、アクションカメラモードのとき、他方のSDカードリーダ14bに保持されているSDカード22bに映像を記録する機能を持つ。また、コントローラ20は、駐車監視モードのときに、一方のSDカードリーダ14aに保持されているSDカード22aに映像を記録する機能を持つ。コントローラ20は、SDカードリーダ14a及び14bに保持されているSDカード22a及び22bの担う役割をディスプレイ11に表示する。
図29は、ディスプレイ11に表示された画像の一例を示す。モード表示領域31に、システム1が車両に搭載されているときに撮像された映像が一方のSDカード22aに記録されることを表すアイコン51a、及びシステム1が車外に持ち出された状態で撮像された映像が他方のSDカード22bに記録されることを表すアイコン51bが表示されている。図29では、システム1が車外に持ち出されたことを、一例としてスキー板の図形で代表して表している。
[第17の実施例の効果]
ユーザは、システム1を車両から持ち出して所望の対象物を撮像することができる。システム1が車両に搭載されているときに撮像された映像が記録されたSDカード22aと、車両から持ち出して撮像した映像が記録されたSDカード22bとを別々に保管することができる。システム1を車両に搭載した状態で、カメラ17で撮像された映像を一方のSDカード22aに記録しながら、他方のSDカード22bから、車外で記録された映像を読み出すことができる。
例えば、車両を運転して行楽に出かけ、行楽地でシステム1を車両から持ち出してアクションカメラとして利用することができる。行楽地で撮像した映像を、行楽帰りの車内で再生することができる。
ユーザは、ディスプレイ11に表示されているアイコン51a及び51bを見て、どのSDカードリーダに保持されているSDカードに、どの映像が記録されているかを容易に知ることができる。
システム1をドライブレコーダとして使用しているときは、車両の電源がオンになっている期間にシステム1の内部電源が自動的に充電される。このため、システム1をアクションカメラとして使用するときに、内部電源の充電忘れが生じにくい。
[第17の実施例の変形例]
システム1がアクションカメラとして動作した後、システム1を車両に搭載して外部からの電源供給が開始されると、コントローラ20は、アクションカメラとして動作した期間にSDカード22bに記録された映像を自動的に再生する機能を持つとよい。ユーザは、アクションカメラとして撮像された映像を、車内で直ちに鑑賞して楽しむことができる。
システム1にHDMI(登録商標)端子等の映像データ出力端子を設け、大画面モニタに接続する機能を持たせると特によい。アクションカメラとして撮像した映像を、大画面で鑑賞することができる。このように、SDカードリーダ14bは、プレイバック用のSDカードを保持する役割を担う。プレイバック用のSDカードリーダ14bに、映画等の映像が記録されたSDカードを装着すると、車内の大画面で映画を鑑賞することができる。
システム1がアクションカメラとして動作した後、システム1を車両に搭載して外部からの電源供給が開始された時点から所定の時間が経過するまでは、コントローラ20は、カメラ17で撮像されている現在の映像をディスプレイ11に表示させ、所定の時間が経過した後に、アクションカメラとして動作した期間に記録された映像を自動的に再生する機能を持つとよい。ユーザは、カメラ17で撮像されている現在の映像がディスプレイ11に表示されている期間に、ディスプレイ11に表示されている映像を見ながらカメラ17の姿勢を調整することができる。
ドライブレコーダに搭載されるカメラは、一般的に超広角、単焦点という特徴を持つ。この特徴は、アクションカメラに求められる特徴と共通である。システム1をアクションカメラとして利用するために、システム1に防水機能を付与するとよい。
システム1を車両に搭載するときに使用するジョイントレール13の他に、システム1をアクションカメラとして使用するときに、アウトドアスポーツで用いられる種々の器具に取りつけるためのマウントとのジョイント部分を設けるとよい。また、車両搭載用のジョイントレール13を、アダプタを介してアクションカメラ用の種々のマウントに取り付けてもよい。システム1を車両に搭載する場合には、図1Bに示したように一般的にはシステム1が上から吊るされるが、アクションカメラとして使用する場合には、システム1を下から支える場合が多い。ジョイントレール13を利用してシステム1を下から支えると、撮像時に天地が逆転する。システム1は、加速度センサ18(図2)によって天地を判定し、天地の判定結果に応じて、撮像された映像の上下を決定して記録するとよい。
システム1がドライブレコーダモード、駐車監視モード、及びアクションカメラモードのそれぞれで動作しているときに、所定のイベントが発生したときの前後の所定時間の映像のみを所定のSDカードに記録する機能をコントローラ20に持たせるとよい。イベント発生検出時点から映像の記録開始時点まで遡る時間を「先行時間」といい、イベント発生検出時点から映像の記録終了までの経過時間を「ディレイ時間」ということとする。映像を記録するイベントが発生したと判定する条件(イベント条件)を、動作モードごとに異ならせるとよい。イベント条件は、映像を記録する契機(トリガ)となる条件である。
[第17の実施例で適用されるイベント条件]
次に、動作モードごとに適用可能なイベント条件について説明する。
動作モードがドライブレコーダモードのときには、イベント条件として、ある閾値以上の衝撃の検知、急ハンドル操作の検知、急ブレーキ操作の検知、急加速の検知等とするとよい。動作モードが駐車監視モードのときには、イベント条件として、カメラ17の視野内での物体の移動の検知、窓ガラスの開放の検知、ドアの開放の検知、車体の揺れの検知、閾値以上の大きな音の検知等とするとよい。動作モードがアクションカメラモードのときは、システム1を使用するユーザがどのようなアウトドアスポーツをしているかによってイベント条件を変えるとよい。
以下、サーフィンを行っているときのイベント条件について説明する。例えば、イベント条件としてテイクオフの検出とするとよい。ここで、テイクオフとは、寝そべった状態でパドリングしながら加速し、波の勢いに乗って立ち上がった瞬間を意味する。テイクオフ時にサーフボードが走り始めるため、その時の加速度、モーション等によりテイクオフを検出するとよい。テイクオフの検出には、加速度、角速度、姿勢角、方位、速度、位置等を計測することができるモーションセンサを用いるとよい。
サーファーが波を捉えた瞬間の映像を残すために、テイクオフ検出時点からの先行時間を、例えば30秒以上2分以下とするとよく、約1分とすると特によい。テイクオフから乗り納めまでの映像を残すために、テイクオフから乗り納めまでの想定時間を考慮してディレイ時間を決めるとよい。例えば、ディレイ時間を1分以上3分以下とするとよく、約2分とすると特によい。ディレイ時間内に再度テイクオフを検出すると、その時点から所定のディレイ時間が経過するまで映像を記録するとよい。
上級者は、波のリップ際でボトムを当て込むリップアクションを行うことにより加速させることがある。このとき、モーションも大きくなり、加速もつく。映像の記録中に、このリップアクションを検出すると、その検出時点から所定のディレイ時間を再計測するとよい。例えば、リップアクションを検出した時点に、イベント発生からの経過時間を初期設定するとよい。経過時間を初期設定すると、リップアクションの検出時点から所定のディレイ時間が経過するまで映像が記録される。
次に、スキーまたはスノーボードを行っているときのイベント条件について説明する。例えば、イベント条件として滑り始めの検出とするとよい。滑り始めの検出には、加速度、角速度、姿勢角、方位、速度、位置等を計測することができるモーションセンサを用いるとよい。先行時間は、例えば30秒以上2分以下とするとよく、約1分とすると特によい。ディレイ時間は、例えば1分以上3分以下とするとよく、約2分とすると特によい。
また、イベント条件として、転倒の検出とするとよい。転倒の検出は、モーションセンサによって加速度、角速度、姿勢角、方位等の計測結果を用いて行うことができる。さらに、イベント条件として、速度が所定の閾値に達したことの検出としてもよい。
コントローラ20は、映像の記録中に所定のトリガを検出すると、ディレイ時間を延長するとよい。滑っている最中は、何かしらの動作も伴うため、加速度やモーションをトリガとして拾うとよい。直滑降を行っている場合には、速度をトリガとして拾うとよい。イベント検出時点から所定のディレイ時間内に所定のトリガの検出が無ければ、イベント検出時点から所定のディレイ時間が経過した時点で映像の記録を終了させるとよい。
次に、ゴルフを行っているときのイベント条件について説明する。例えば、アドレス完了の検知をイベント条件(トリガ)とし、インパクトの検知から所定のディレイ時間が経過した時点で記録を停止するとよい。フォロースルー期間の映像を残すために、所定のディレイ時間は、例えば2秒以上5秒以下とするとよく、約3秒とすると特によい。アドレス完了の検知、インパクトの検知は、ゴルファーの手首に取り付けて使用するスリムウォッチ型のセンサ(例えば株式会社ユピテルから販売されているゴルフナビYBW−Putt)等で検出することができる。スリムウォッチ型のセンサから近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標)等)機能を用いて検出結果をシステム1に送信することにより、システム1はアドレス完了時点及びインパクトの時点を特定することができる。
ヘッドスピード、ボールスピード、ミート率、飛距離等を推定する機能を持ったスイングトレーナー(例えば株式会社ユピテルから販売されているスイングトレーナーGSTシリーズ)と本実施例のシステム1とを連携させることにより、映像にヘッドスピード、ボールスピード、ミート率、飛距離等の推定値を埋め込む機能を付加するとよい。ユーザは、実際のスイングの映像と、ヘッドスピード、ボールスピード、ミート率、飛距離等とを関連付けて自分のスイングの良し悪しを検証することができる。
ゴルフ練習場で、録画機能を持つ本実施例のシステム1をセットするのは恥ずかしい場合もある。例えば、打席後部の椅子にシステムをセットすると、本システム1の存在を他人に気付かれにくい。システム1を椅子に載せて姿勢を保つ機能を持つ固定装置をシステム1に取り付けるとなおよい。さらに、椅子等に缶ホルダが設けられている場合には、システム1を缶ホルダに入れて姿勢を保持する機能を持つ固定装置をシステム1に取りつけてもよい。システム1には、このような固定装置を取り付けるための取り付け部を設けるとよい。
ゴルフ練習場に出かけると、1回あたり100〜300発程度の球数を打つのが一般的である。例えば、1発あたり約10秒程度の映像を記録するという条件の下では、1回の練習当たり約3000秒の映像を記録することになる。一例として、解像度1080p、フレームレート30fpsの条件で3000秒の映像を記録することが可能な容量のSDカードを準備することが望ましい。また、ゴルファーは自分のスイングを検証するために、映像の解像度よりもフレームレートを高めることを望む傾向が高い。システム1は、ユーザの操作によってフレームレートを変化させる機能を持つとよい。映像を記録するSDカードの容量、及び設定されたフレームレートに応じて、解像度を自動調整する機能を持つとさらによい。解像度を調整することにより、ユーザがフレームレートを高く設定しても、必要とする時間の映像を記録することが可能になる。
アドレス完了の検知以後の映像のフレームレートを、アドレス完了の検知以前の映像のフレームレートより高く(コマ数を多く)するとよい。アドレス完了の検知以前の映像のフレームレートを低くすることにより、映像の全体のデータ量を少なくすることができる。
全てのスイングではなく、特定の条件を満たすスイングの映像のみを記録するようにしてもよい。例えば、ミスショットと判定されたスイング及びナイスショットと判定されたスイングの映像のみを記録するようにするとよい。システム1は、ナイスショットとミスショットとを判別する機能を持つとよい。ミスショットか否か、及びナイスショットか否かは、ミート率、ヘッドスピード、飛距離等の推定値に基づいて判定するとよい。例えば、ミート率が1.4以上、ヘッドスピードが50m/s以上、かつ飛距離が260ヤード以上と推定されたスイングをナイスショットと判定するとよい。また、ミート率が1.2以上1.3以下と推定されたスイングをミスショットと判定するとよい。
特定のショットの映像のみを記録することにより、SDカードの容量を節約することができる。また、SDカードの容量が一定である場合に、フレームレートや解像度を高めることができる。ユーザは、ナイスショットの映像とミスショットの映像とを再生して、両者を比較することができる。システム1は、映像の再生時に、1つの画面にナイスショットの映像とミスショットの映像とを並べて表示する機能を持つと特によい。
他の例として、全てのスイングの映像を記録するとともに、ナイスショット及びミスショットを特定する目印を映像と一緒に記録するとよい。ナイスショット及びミスショットを特定する目印を利用して、長時間の映像から、ナイスショットの映像とミスショットの映像とを容易に抽出することができる。
ゴルフ練習場での練習において、クラブ種ごとに打った球数を、日時情報とともに記録しておくとよい。ユーザは、この記録に基づいて、クラブ種ごとの球数の履歴を知ることができる。打った球数は練習量と考えることもできる。例えば、1年前はドライバーの練習量が多かったが、このところアイアンの練習量が多いといった傾向を知ることができる。
ゴルフ練習場で一球打ってから次に打つまでの時間間隔を示す情報を映像とともに記録するとよい。例えば、同じクラブで打ち続けている期間は、時間間隔が比較的短くなり、クラブを変更したときの時間間隔は比較的長くなる。映像と一緒に記録された時間間隔は、クラブを変えた時点を見つけ出す手掛かりになる。
例えば、基本フォームが固まっていない初心者は、基本フォームを身に着ける目的でゴルフ練習場に通う。例えば、ドライバーのスライス防止のために、左肩が開かないようにしたいユーザにとって、種々の対策が存在する。種々の対策を試して効果がありそうな対策が見つかると、再現性を確認するために同じ対策を取り入れて打ち続ける。このときのフォームの映像を休憩中に確認し、イメージと違っていたらまた打ち続ける。例えば、動画投稿サイトに投稿されているお手本の動画と、自分のフォームとを比較することにより、イメージ通りにスイングできているか検証することができる。練習ショット及びその映像の記録と、映像の確認とを繰り返すことによって上達が可能なる。一球打ってから次に打つまでの時間間隔を示す情報は、この繰り返し練習中に映像を確認した時点を見つけ出す手掛かりになる。
上述のイベント条件は、ドライブレコーダの機能とアクションカメラの機能とを備えた第17の実施例によるシステム1に適用されるのみならず、アクションカメラ専用機においても適用することが可能である。
[第18の実施例]
次に、図30を参照して第18の実施例によるシステムについて説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
第18の実施例では、SDカードリーダ14a及び14bの少なくとも1つに保持されているSDカードに、アクセス権限を示す鍵情報が記憶されている。コントローラ20は、SDカードリーダに保持されているSDカードに記憶されている鍵情報を読み出し、読み出された鍵情報に基づいてSDカードリーダ14a及び14bに保持されているSDカードへのアクセスを制限または許可する機能を持つ。
コントローラ20は、カメラ17で撮像された映像を記録する役割を担うSDカードを保持するSDカードリーダと、鍵情報が記憶されているSDカードが保持されるSDカードリーダとを、ディスプレイ11に表示する画像によってユーザに知らせる機能を持つ。
図30は、ディスプレイ11に表示された画像の一例を示す。モード表示領域31に、SDカードリーダ14aに保持されるSDカード22aに映像が記録されることを示すアイコン52a、及びSDカードリーダ14bに保持されるSDカード22bに鍵情報が記憶されていることを示すアイコン52bが表示されている。
[第18の実施例の効果]
次に、第18の実施例の優れた効果について説明する。一方のSDカードリーダ14bに保持されるSDカード22bの鍵情報によって、SDカード22a及び22bへのアクセスが制限または許可されるため、システムのセキュリティを高めることができる。
ユーザは、ディスプレイ11に表示された画像を見て、鍵情報が記憶されたSDカード22bを、どのSDカードリーダに装着すればよいかを容易に知ることができる。これにSDカードの装着ミスを少なくすることができる。
[第18の実施例の変形例]
例えば、コントローラ20は、管理者モードと使用者モードとのいずれかの動作モードで動作する機能を持つとよい。SDカード22bに記憶させる鍵情報として、管理者モードでの動作の許可、使用者モードでの動作のみの許可等とするとよい。例えば、コントローラ20は、管理者モードで動作しているときは、SDカードリーダ14aに保持されているSDカード22aの初期化処理を行うことができるが、使用者モードで動作しているときは、SDカードリーダ14aに保持されているSDカード22aの初期化処理を行うことができないようにするとよい。例えば、SDカード22aに記憶されている情報を、管理者のみが閲覧可能な情報と、一般使用者も閲覧可能な情報とに区分してもよい。コントローラ20は、管理者モードで動作しているときは、管理者のみが閲覧可能な情報を読み出すことができるが、使用者モードで動作しているときは、管理者のみが閲覧可能な情報を読み出すことができなくするとよい。コントローラ20は、鍵情報が記憶されたSDカードがどのSDカードリーダにも保持されていない時、使用者モードで動作する機能を持つとよい。
鍵情報を記憶させておくSDカード22bに、運転者指導用の情報(例えばビデオ映像)を記憶させておくとよい。コントローラ20は、運転者指導用の情報を読み出してディスプレイ11に表示したり、スピーカ15から音声を出力したりするとよい。運転者指導用のビデオ映像が記憶されたSDカードが装着されると、コントローラ20は、指導用のビデオ映像を自動再生するとよい。運転者は、ディスプレイ11に表示された情報、スピーカ15から出力された情報に気付くことにより、安全運転を行うように動機付けされる。管理者は、運転者ごとに、その運転者の運転の習性に基づいて運転者指導用の情報をSDカード22bに記憶させて、その運転者に渡すとよい。
例えば、一時停止を無視してしまう習性のある運転者には、一時停止を促す情報を記憶させたSDカード22bを渡すとよい。コントローラ20は、カメラ17で撮像された映像を画像解析して一時停止の標識を検出すると、一時停止を促す情報をディスプレイ11やスピーカ15から出力するとよい。一時停止を促す情報として、例えば、「一時停止の標識のある場所では一時停止しましょう。」という音声を出力するとよい。例えば、急ハンドルの操作を頻繁に行う運転者には、急ハンドル操作をしないように促す情報を記憶させたSDカード22bを渡すとよい。
管理者は、車両の走行中に常時記録された映像を見て、運転者ごとの運転の習性を知ることができる。また、SDカードに記録された映像と位置情報とを関連づけて、過去に危険運転を行った場所を特定することができる。管理者は、運転者指導用の情報にこの位置情報を付加して記憶させておくとよい。コントローラ20は、過去に危険運転を行った場所に近づいたことを検知すると、危険運転を行わないように注意喚起する情報をディスプレイ11やスピーカ15から出力するとよい。また、コントローラ20は、運転者指導用の情報として記憶されている危険運転と同種の危険運転の発生を検知したら、その危険運転を行わないように注意喚起する情報をディスプレイ11やスピーカ15から出力するとよい。さらに、コントローラ20は、危険運転の発生が予測される事象が発生した時点で、その危険運転を行わないように注意喚起する情報をディスプレイ11やスピーカ15から出力するとよい。例えば、カメラ17で撮像された映像内に信号機を検出したら、信号無視をしないように注意喚起する情報をディスプレイ11やスピーカ15から出力するとよい。例えば、カメラ17で撮像された映像内に歩行者を検出したら、歩行者に注意するように注意喚起する情報をディスプレイ11やスピーカ15から出力するとよい。
鍵情報が記憶されているSDカード22bをユーザに知らせる通知手段として、鍵情報が記憶されているSDカード22bを装着すべきSDカードリーダ14bの近傍の筐体表面に、鍵情報を示す標識を設けるとよい。また、コントローラ20は、鍵情報が記憶されたSDカード22bが間違ったSDカードリーダに装着されたことを検知すると、SDカード22bを正しいSDカードリーダに装着するように促す情報をディスプレイ11やスピーカ15から出力するとよい。
[第19の実施例]
次に、図31を参照して第19の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
第19の実施例では、コントローラ20は、2つのSDカードリーダ14a及び14bに保持されているSDカード22a及び22bに、相互に補完し合う関係を持つ映像、及び2枚のSDカード22a及び22bを関連付ける識別情報を記録する。さらに、識別情報が記録されたSDカードが一方のSDカードリーダにのみ保持されているとき、相互に補完し合う他のSDカードが存在することを、ディスプレイ11やスピーカ15を通してユーザに知らせる機能を持つ。
図31は、ディスプレイ11に表示された画像の一例を示す。一例として、カメラ17で撮像された映像が一方のSDカード22aと他方のSDカード22bとに交互に記録されることを示すアイコン55がモード表示領域31に表示されている。SDカード22a及び22bがペアとなり、記録された映像が相互に補完し合って1つの映像を構成することを示す識別情報が、SDカード22a及び22bに記憶されている。
一方のSDカードのみがSDカードリーダに装着されると、コントローラ20は、「ペアを構成する2枚のSDカードのうち1枚が装着されました。ペアとなるもう1枚のSDカードも装着してください。このまま処理を続けますか?」というメッセージをディスプレイ11に表示する。ユーザは、操作ボタン12を操作することにより、「はい」または「いいえ」を選択することができる。
ユーザが「はい」を選択すると、コントローラ20はこのまま処理を続ける。例えば、装着されているSDカードにのみ映像を記録する。ユーザが「いいえ」を選択すると、コントローラ20は、もう1枚のSDカードがSDカードリーダに装着されるまで処理を待機する。
また、ペアとなる2枚のSDカードのうち一方のみがSDカードリーダから取り外されると、コントローラ20は、ペアとなるSDカードがSDカードリーダに残っていることをユーザに知らせるとよい。
[第19の実施例の効果]
次に、第19の実施例の効果について説明する。ユーザがSDカードをSDカードリーダに装着し、またはSDカードリーダから取り外すときに、相互に補完し合う関係を持つ2枚のSDカードの一方の装着忘れ、または取り外し忘れが生じ難くなる。相互に補完し合う関係を持つ2枚のSDカードが散逸して有益な映像が得られなくなってしまう事態の発生を回避することができる。
[第19の実施例の変形例]
相互に補完し合う関係として、例えば一方が汎用のフォーマット形式で初期化されたSDカードであり、他方が独自のフォーマット形式で初期化されたSDカードであり、両者に記録されている映像が同一である関係とするとよい。再生する機器に応じて、その機器でサポートされているフォーマット形式のSDカードを装着することにより、映像を再生することができる。汎用のフォーマット形式として例えばFATフォーマット形式を採用するとよい。独自のフォーマット形式として例えばYPフォーマットと呼ばれる形式を採用するとよい。
FATフォーマットのSDカードがSDカードリーダから取り外されてYPフォーマットのSDカードが装着されたら、コントローラ20は、FATフォーマットのSDカードを装着するように促すメッセージをディスプレイ11に表示するとよい。
コントローラ20は、2つのSDカードリーダに装着されたSDカードに、共にYPフォーマットで映像を記録してもよい。このとき、一方のSDカードが取り外されてFATフォーマットのSDカードが装着されたら、コントローラ20は、YPフォーマットのSDカードを装着するように促すメッセージをディスプレイ11に表示するとよい。または、新たに装着されたFATフォーマットのSDカードをYPフォーマットで初期化してもよいかユーザに確認するメッセージをディスプレイ11に表示してもよい。
鍵情報を記憶しているSDカードを装着すべきSDカードリーダに、鍵情報を記憶していないSDカードが装着されたら、コントローラ20は、鍵情報を記憶したSDカードを装着するように促すメッセージをディスプレイ11に表示するとよい。
[第20の実施例]
次に、図32を参照して第20の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
第20の実施例では、コントローラ20は、SDカードリーダ14a及び14bに保持されているSDカード22a及び22bを初期化する機能を持つ。ユーザが、1つのSDカードリーダに保持されているSDカードを初期化する操作を行うと、コントローラ20は、ユーザによって指定された初期化すべきSDカードを特定する情報、及び初期化実行の確認待ち状態であることを、ディスプレイ11に表示する機能を持つ。コントローラ20は、ユーザから確認済の応答を受けた後、初期化処理を実行する機能を持つ。
図32は、ディスプレイ11に表示された画像の一例を示す。映像表示領域30に、システム1の外形を表す図形を、SDカード挿入口10a及び10bの位置が分かるように表示する。さらに、ユーザによって指定された初期化すべきSDカードが挿入されているSDカード挿入口を、他のSDカード挿入口と区別して表示するとともに、初期化するか否かの確認を求めるメッセージを表示する。例えば、「初期化しますか。」というメッセージを表示する。ユーザは、「はい」または「いいえ」を選択することができる。
ユーザが「はい」を選択すると、コントローラ20は、ユーザに指定されたSDカードの初期化を実行する。ユーザが「いいえ」を選択すると、コントローラ20は初期化処理を中止する。
[第20の実施例の効果]
次に、第20の実施例の効果について説明する。コントローラ20は、初期化処理時にユーザからの確認の応答を待ってから初期化を実行するため、ユーザの操作ミスによって想定外の記憶媒体が初期化されてしまうことを防止することができる。その結果、消去したくない映像が消去されてしまうことを防止することができる。
指定された初期化対象のSDカードが挿入されているSDカード挿入口の位置が図形で表示されるため、ユーザは、初期化対象のSDカードの指示間違いがあったときに、間違いに容易に気付くことができる。
[第21の実施例]
次に、図33を参照して第21の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
図33は、第21の実施例によるシステム1の斜視図、及びシステム1に装着されるSDカード22a及び22bの平面図である。第21の実施例では、システム1のSDカード挿入口10a及び10bのそれぞれに識別標識が表示されている。一方のSDカード挿入口10aの近傍に表示された識別標識60aと、他方のSDカード挿入口10bの近傍に表示された識別標識60bとは、形状及び色の少なくとも一方が異なる。図33に示した例では、一方の識別標識60aの形状が星形であり、他方の識別標識60bの形状が三角形である。
システム1に、SDカードに貼付するためのシール61a及び61bが付属している。シール61a及び61bには、それぞれSDカード挿入口10a及び10bに付された識別標識と同一の形状及び色の識別標識が付されている。例えば、一方のシール61aには星形の識別標識が印刷されており、他方のシール61bには三角形の識別標識が印刷されている。
[第21の実施例の効果]
次に、第21の実施例の優れた効果について説明する。ユーザは、SDカード22a及び22bに、それぞれシール61a及び61bを貼付することにより、SDカードとSDカード挿入口とを対応付けることができる。ユーザがSDカードをSDカードリーダに装着するとき、識別標識を見てどちらのSDカード挿入口に挿入すればよいか容易に知ることができる。これにより、SDカードの装着間違いが減るという効果が得られる。
[第21の実施例の変形例]
コントローラ20は、SDカードリーダに装着されたSDカードに、SDカードリーダに対応付けられている識別標識を特定する情報を記憶させるとよい。例えば、星形の識別標識を特定する情報が記憶されたSDカード22aを、三角形の識別標識に対応付けられたSDカード挿入口10bに誤って挿入したら、コントローラ20はSDカード22aから識別標識を特定する情報を読み出して、誤装着を検知することができる。コントローラ20は、誤装着を検知すると、ディスプレイ11に誤装着であることを知らせるメッセージを表示するとよい。例えば、三角形のシールが貼付されているSDカードを装着するように促すメッセージを表示するとよい。ユーザは、ディスプレイ11に表示されたメッセージを見て誤装着であることに気付くことができる。
[第22の実施例]
次に、図34A及び図34Bを参照して第22の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
図34Aは、第22の実施例によるシステム1の斜視図である。一方のSDカード挿入口10bはシステム1の筐体の上面に設けられており、他方のSDカード挿入口10aはシステム1の側面に設けられている。筐体の上面は車両のフロントガラスまたは天井に対向しており、両者の間の空間は狭い。このため、ユーザが、上面に設けられたSDカード挿入口10bを通してSDカードを挿入または取り外すことは困難である。これに対し、側面に設けられたSDカード挿入口10aを通してSDカードを挿入または取り外すことは比較的容易である。
一方のSDカード挿入口10aに対応するSDカードリーダ14aに装着されるSDカード22aは、頻繁に脱着を行う必要がある用途に用いられ、他方のSDカード挿入口10bに対応するSDカードリーダ14bに装着されるSDカード22bは、頻繁に脱着を行う必要がない用途に用いられる。
システム1は、2つのSDカードリーダ14a及び14bへのSDカードの脱着のし易さの相違によって、SDカードの担う役割をユーザに知らせている。
[第22の実施例の効果]
ユーザはSDカードの装着時に、SDカード挿入口を通して着脱し難いことを感知することにより、そのSDカード挿入口を通して装着されるSDカードの役割に気付くことができる。例えば、SDカード挿入口を通して着脱し難いとき、ユーザは、そのSDカード挿入口を通してSDカードリーダに装着されるSDカードは、持ち運び用ではなく、原則的に装着したまま使用するためのものであることに気付く。逆に、SDカード挿入口を通して着脱し易いとき、ユーザは、そのSDカード挿入口を通してSDカードリーダに装着されるSDカードは、持ち運び用であることに気付く。
[第22の実施例の変形例]
システム1を車両に搭載した状態で、一方のSDカードリーダは他方のSDカードリーダよりSDカードを装着し難い位置に配置するとよい。システム1は、SDカードリーダの位置の相違により、ユーザにSDカードリーダに保持されるSDカードの役割を知らせるとよい。
SDカードを装着し易い位置として、例えば筐体を車両に搭載した状態で、筐体表面のうち一般的な成人男性の手首から先の部分に相当する大きさの空き空間が筐体の表面に隣接して確保されている領域が挙げられる。一般的な成人男性の手首から先の部分に相当する大きさとして、例えば直径10cmの球体とするとよい。SDカードを装着し難い位置として、例えばこのような空き空間が確保されていない領域が挙げられる。
例えば、SDカードを装着し難い位置として、車両の前方、上方、またはその中間の方向を向く筐体表面とするとよい。SDカードを装着し易い位置として、例えば左右方向、または車室内の方向を向く筐体表面とするとよい。筐体を車両に取り付けるためのブラケットの方向を向く面を、SDカードを装着し難い位置としてもよい。
コントローラ20は、例えば駐車期間中にカメラ17で撮像された映像を、SDカードを装着し難い位置に配置されたSDカードリーダに保持されているSDカードに記録するとよい。車両の駐車時に運転者が誤ってSDカードをSDカードリーダから取り外してしまい、駐車期間中の映像の記録ができなくなってしまう事態が発生し難くなる。
図34Bに示すように、SDカード挿入口10bに開閉可能な蓋62を取り付けることにより、SDカードを通過させ難い構成とするとよい。SDカードを通過させ易いSDカード挿入口10aは常時開放された構成とするとよい。
[第23の実施例]
次に、図35を参照して第23の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
図35は、第23の実施例によるシステム1の斜視図である。システム1の筐体に、SDカード挿入口10a及び10bが設けられている。SDカード挿入口10a及び10bに対応して、筐体内にSDカードリーダ14a及び14bが配置されている。SDカードリーダ14a及び14bは、それぞれ大きさの異なるSDカードを保持するように構成されている。例えば、一方のSDカードリーダ14aは相対的に小さいマイクロSDカードを保持し、他方のSDカードリーダ14bは、通常の大きさのSDカードを保持する。
SDカード挿入口10aと10bとの大きさが、保持するSDカードの大きさの相違に対応して相互に異なっている。例えば、マイクロSDカードを挿入するSDカード挿入口10aは、通常の大きさのSDカードを挿入するSDカード挿入口10bより小さい。
システム1は、2つのSDカード挿入口10aと10bとの大きさが異なる構成により、ユーザにSDカードリーダ14a及び14bに保持されるSDカードの担う役割を知らせる。
[第23の実施例の効果]
次に、第23の実施例の優れた効果について説明する。ユーザは、SDカード挿入口10a及び10bの大きさを見て、そのSDカード挿入口を通してSDカードリーダに装着するSDカードの役割に気付くことができる。例えば、ユーザは、大きなSDカード挿入口10bを通して装着する通常の大きさのSDカードは持ち運び時に紛失し難いであろうことに思い至り、その結果そのSDカード挿入口10bを通して装着するSDカードは持ち運び用であると気付く。逆に、小さい方のSDカード挿入口10aを通して装着されるマイクロSDカードは、原則的に常にSDカードリーダ14aに装着した状態で使用するためのものであることに気付く。
例えば、映像が常時記録されたSDカードを、車両走行の度に管理者に提出し、イベント記録されたSDカードは、所定のイベントが発生したときのみ管理者に提出する規定が設けられている場合、通常の大きさのSDカードに常時記録を行い、マイクロSDカードにイベント記録を行うとよい。
[第24の実施例]
次に、図36を参照して第24の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
コントローラ20は、2つのSDカードリーダ14a及び14bに保持されているSDカード22a及び22bでそれぞれエラーが発生したことを検知する機能を持つ。一方のSDカードリーダに保持されているSDカードでエラーが発生したことを検知し、かつエラーが発生したSDカードがSDカードリーダから取り外されたことを検知すると、もう一方のSDカードも取り外してメンテナンス担当(管理者)に提出するように促すメッセージをディスプレイ11に表示する機能を持つ。
図36は、ディスプレイ11に表示された画像の一例を示す。映像表示領域30に、「エラーが発生したSDカードが取り外されました。もう一方のSDカードも取り外して管理者に提出してください。」というメッセージが表示されている。
[第24の実施例の効果]
次に、第24の実施例の優れた効果について説明する。エラーが発生したSDカードのみならず、エラーが発生していない方のSDカードも合わせて検査することにより、エラーの発生原因の切り分けをし易くなる。エラーには、例えばSDカード故障、書き込み失敗、上書き回数の規定値超過といったものが含まれる。運転者がディスプレイ11に表示されたメッセージを見ることにより、SDカードの取り外しの忘れ、及びメンテナンス担当への提出忘れが防止される。
[第25の実施例]
次に、図37を参照して第25の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
図37は、第25の実施例によるシステム1の部分的な機能を示すブロック図である。SDカード22a及び22bに、ユーザが外部から操作することによってオンオフすることができる機械式の書き込み禁止スイッチ(ライトプロテクトスイッチ)62a及び62bが設けられている。書き込み禁止スイッチ62a及び62bをそれぞれオンにすると、SDカード22a及び22bへの書き込みが禁止される。一方のSDカードリーダ14bは、装着されたSDカード22bの書き込み禁止スイッチ62bをオンにするアクチュエータ63を含む。アクチュエータ63は、コントローラ20からの指令に基づき、SDカードリーダ14bに装着されているSDカード22bの書き込み禁止スイッチ62bをオンにする。書き込み禁止スイッチ62bをオンにするアクチュエータ63は、例えばソレノイドアクチュエータ等で実現することができる。
コントローラ20は、所定のイベントが発生したことを検知すると、アクチュエータ63を制御してSDカード22bの書き込み禁止スイッチ62bをオンに設定する機能を持つ。特に、コントローラ20は、イベントの発生を検出した時点から所定時間経過後に書き込み禁止スイッチ62bをオンにする機能を持つとよい。
[第25の実施例の効果]
次に、第25の実施例の優れた効果について説明する。コントローラ20がSDカード22bを書き込み禁止状態にすることにより、イベント発生時に記録された映像が上書きされてしまうことを防止することができる。
[第26の実施例]
次に、第26の実施例によるシステム1について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
第26の実施例によるシステム1のコントローラ20は、上述の第1の実施例から第20の実施例まで、及び第25の実施例の機能のうち1つを選択して実行することができる。例えば、SDカードに上述の実施例で説明したどの役割を担わせるか、ユーザの操作によって変更可能である。例えば、SDカードにどの役割を担わせるか、ユーザが選択することができる。全てのSDカードリーダからSDカードを取り外すと、SDカードの担う役割を、予め設定されている基本の役割に戻すようにするとよい。SDカードをSDカードリーダに装着する前は、SDカードの役割が決まっておらず、SDカードをSDカードリーダに装着した後に、役割を決定するようにしてもよい。
[第27の実施例]
次に、第27の実施例について説明する。以下、上述の複数の実施例の構成と共通の構成については説明を省略する。
上述の実施例では、コントローラ20がディスプレイ11に表示した画像等を通してSDカードの担う役割をユーザに知らせたが、第27の実施例では、コントローラ20は、2つのSDカードリーダに保持されるSDカードに記憶される情報の相互の関係をユーザに知らせる機能を持つ。
ユーザは、2つのSDカードリーダに保持されるSDカードに記憶される情報の相互の関係を知ることができる。このため、ユーザにとって利便性が高まる。
次に、2枚のSDカードに記憶される情報の相互の関係について例示する。まず、2つの記憶媒体に記憶される情報が共に映像である場合について例示する。
映像の相互の関係として、2つの映像がペアになって意味をなし、一方のみの映像では意味をなさないか、所期の利用目的を達成できない関係とするとよい。2枚のSDカードに記憶されている情報がこの関係を持つとき、コントローラ20は、ディスプレイ11を介して、1つのSDカードのみでは利用できないことをユーザに知らせるとよい。ユーザは、2枚のSDカードを一組として携行するように促されるため、1枚のSDカードの携行を忘れて映像を利用できなくなる事態が生じ難くなる。
映像の相互関係として、撮像対象物及び撮像時期が同一であり、どちらの映像でも単独で利用価値がある関係とするとよい。このような関係として、例えば、2枚のSDカードへの記録形式が全く同一であるという関係、2枚のSDカードのフォーマット形式が異なるという関係、2枚のSDカードに記録された映像のフレームレート、解像度等の録画条件(設定条件)が異なるという関係、一方には撮像期間中に取得されたすべての映像を記録しており、他方には所定のイベント発生時点の前後の映像のみを記録しているという関係、両方ともイベント発生時点の前後の映像を記録しているがイベントの種別が異なるという関係等を挙げることができる。2つの記憶媒体に記憶されている情報がこの関係を持つとき、コントローラ20は、ディスプレイ11を介して、映像を単独で利用可能であること、及び2つの映像の相違点をユーザに知らせるとよい。ユーザは、利用目的に応じてどちらのSDカードの映像を見ることが好ましいかを判断することができる。
映像の相互関係として、撮像対象物が同一であるが撮像時期が異なるため、映像の利用目的が異なる関係とするとよい。このような関係として、例えば、規定の経路を走行する車両に搭載されカメラ17で撮像された映像であるが、撮像日時が異なるという関係を挙げることができる。2枚のSDカードに記憶されている情報がこの関係を持つとき、コントローラ20は、ディスプレイ11を介して映像の撮像時期を車両の運転者に知らせるとよい。車両の運転者は、既定の経路を走行する際に過去に記録された映像を確認することができるため、経路の間違いが生じにくい。
映像の相互関係として、異なるカメラで異なる撮像対象物を同一時期に撮像した映像であるという関係とするとよい。このような関係として、例えば車両の前方の映像と車内の映像との関係、車両の前方の映像と後方の映像との関係、作業車両の前方の映像と作業対象箇所の映像との関係等を挙げることができる。2枚のSDカードに記憶されている情報がこの関係を持つとき、コントローラ20がディスプレイ11を介して2つの映像の撮像時期が同一であることをユーザに知らせるとよい。ユーザは、2つの映像を、時刻を同期させて再生することに意味があることを認識することができる。
映像の相互関係として、同一のカメラを用いて異なる環境下で撮像した映像であるという関係とするとよい。このような関係として、例えばカメラを車両に搭載して撮像した映像と、カメラを車両から持ち出してアウトドアスポーツ用の器具に取りつけて撮像した映像等を挙げることができる。2枚のSDカードに記憶されている情報がこの関係を持つとき、コントローラ20は、ディスプレイ11を介して2枚の映像が異なる環境下で撮像されたものであるということをユーザに知らせるとよい。ユーザは、2枚のSDカードに異なる環境下で撮像された異なる映像が記録されていることを知ることができる。さらに、コントローラ20は、ディスプレイ11を介してどちらの記憶媒体にどの環境で撮像した映像が記録されているのかを知らせると特によい。ユーザは、どちらのSDカードにどの環境下で撮像された映像が記録されているのかを知ることができる。
映像の相互関係として、同一のカメラを用いて撮像した映像であるが、一方のSDカードに記録された映像は、撮像された映像に付加的な画像を重ねた合成画像であるという関係とするとよい。付加的な画像として、例えば車両がレーダ装置に近づいた時に発出される警報画像とするとよい。2枚のSDカードに記録されている映像がこの関係を持つとき、コントローラ20は、ディスプレイ11を介して一方のSDカードに記録された映像は、付加的な画像が重ねられた合成画像であるということをユーザに知らせるとよい。
映像の相互関係として、2つ合わせて共通の目的を達成するための映像であるが、一方は事前に準備された映像であり、他方はその場で録画される映像であるという関係とするとよい。このような関係として、例えば一方がシステムの機能及び性能を説明する販売促進用の映像であり、他方がその場で撮像された映像であるという関係を挙げることができる。2枚のSDカードに記憶されている情報がこの関係を持つとき、コントローラ20は、ディスプレイ11を介して一方のSDカードには事前に準備された映像が記録されており、他方のSDカードには録画が行われることをユーザに知らせるとよい。ユーザは、一方のSDカードの映像が事前に準備されたものであるとき、他方のSDカードは録画用とすべきことを知ることができる。消費者は、販売促進用の映像を見ることによって、システムの概要及び性能を知ることができ、その場で録画された映像を見ることにより、システムの動作及び性能を実体験することができる。
映像の相互関係として、一方の映像がカメラで撮像されるものであり、他方の映像がカメラで撮像される映像から特定の画像を抽出するためのテンプレート画像であるという関係とするとよい。コントローラ20は、ディスプレイ11を介して一方のSDカードに記録されている画像が画像認識用のテンプレート画像であり、他方は画像記録用のSDカードであることをユーザに知らせるとよい。ユーザは、テンプレート画像を追加または修正することにより、種々の画像を抽出することができる。
次に、2つの記憶媒体の一方に記憶されている情報が映像であり、他方に記憶されている情報が映像以外のデータである場合について例示する。
情報の相互の関係として、一方の情報がカメラで撮像される映像であり、他方の情報がSDカードにアクセスする権限を示す情報(鍵情報)であるという関係とするとよい。コントローラ20は、ディスプレイ11を介して一方のSDカードに記憶されている情報がアクセス権限を示す情報であることをユーザに知らせるとよい。ユーザは、映像にアクセスするために所定のアクセス権限を許可する鍵となるSDカードが必要であることを知ることができる。
情報の相互の関係として、一方の情報が車両に搭載されたカメラで撮像される映像であり、他方の情報が車両情報を時系列に記録するログデータであるという関係とするとよい。コントローラ20は、ディスプレイ11を介して一方が車両に搭載されたカメラで撮像された映像であり、他方がログデータであることをユーザに知らせるとよい。ユーザは、2枚のSDカードにそれぞれ記録された映像とログデータとを組み合わせて車両の走行に関する有益な情報が得られることを知ることができる。
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上述の各実施例では、主として2基のSDカードリーダが搭載されたシステムについて説明したが、3基以上のSDカードリーダを搭載してもよいことは自明である。。
上述の各実施例は例示であり、異なる実施例で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。各実施例に記載の各構成要素は、任意に組み合わせるとよい。また、課題を解決する手段に記載の発明や各構成要素を、各実施例の各構成要素の組み合わせにさらに適用してもよい。複数の実施例の同様の構成による同様の作用効果については実施例ごとには逐次言及しない。さらに、本発明は上述の実施例に制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。