JPH1042187A - デジタルカメラ及びデジタルカメラの表示方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮影モードに応じた撮影前設定を、ユーザが
撮影モード切替え毎に再設定しなくてもよいデジタルカ
メラを提供する。 【解決手段】 各撮影モードにおける、画像圧縮レベ
ル，フラッシュ発光，マクロ，露出補正等の撮影前設定
項目を、各撮影モード毎に内蔵フラッシュメモリ１１７
に記憶させておく。撮影モードの切替え時に、その時の
撮影前設定項目を切り替え前の撮影モードの最新の撮影
前設定項目として内蔵フラッシュメモリ１１７に記憶さ
せると共に、切り替え後の撮影モードと同一の撮影モー
ドの撮影前設定項目を内蔵フラッシュメモリ１１７から
読み出し、切り替え後の撮影モードの撮影前設定項目と
して設定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルカメラお
よびその表示方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、複数の撮影モードを持つデジタル
カメラでは、撮影モードを変更した場合、例えば露出補
正、マクロ、フラッシュ発光等の撮影前に行う設定はリ
セットされるか、もしくは以前の撮影モードの設定がそ
のまま残っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】例えば、あるモードで
白っぽい被写体を露出補正しながら撮影し、別のモード
でマクロ撮影を行うような場合がある。この例で、撮影
モードの切り替えで設定がリセットされてしまう方式の
場合、撮影モードを切り替える度に、マクロ設定をやり
直さなければならないし、元の撮影モードに戻したとき
は露出補正を有効に設定し直さなければならない。ま
た、モードダイヤルの切り替え以前の設定を残しておく
方式の場合、別の撮影モードに変えたときは露出補正を
無効にする必要があり、元の撮影モードに戻したときは
マクロ設定を解除する必要があり、不便であった。

【０００４】本発明はこのような問題を解消したデジタ
ルカメラおよびこれに関連するデジタルカメラの表示方
法を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、デジタルカメラを次の（１）〜（１
１）のとおりに、またデジタルカメラの表示方法を次の
（１２）のとおりに構成する。

【０００６】（１）複数の撮影モードを持つデジタルカ
メラであって、撮影前に予め設定する撮影前設定項目を
各撮影モードで独立して記憶する記憶手段と、撮影モー
ド切り替え時に、その時の撮影前設定項目を切り替え前
の撮影モードの撮影前設定項目として前記記憶手段に記
憶させ、切り替え後の撮影モードと同じ撮影モードの撮
影前設定項目を前記記憶手段から読み出し、切り替え後
の撮影モードの撮影前設定項目として設定させる制御手
段とを備えたデジタルカメラ。

【０００７】（２）記憶手段は不揮発性メモリである前
記（１）記載のデジタルカメラ。

【０００８】（３）複数の画像圧縮レベルが自在に切り
替えられる第一の撮影モードと、画像圧縮レベルが固定
された第二の撮影モードと、前記第一の撮影モードにお
いて切り替えられた画像圧縮レベルを表示する画像圧縮
レベル表示器とを有するデジタルカメラであって、前記
第二の撮影モードに設定されたときに、前記画像圧縮レ
ベル表示器を消灯するように制御する制御手段を備えた
デジタルカメラ。

【０００９】（４）複数の画像圧縮レベルが自在に切り
替えられる第一の撮影モードと、画像圧縮を行わない第
二の撮影モードと、前記第一の撮影モードにおいて設定
される画像圧縮レベルを表示する画像圧縮レベル表示器
とを有するデジタルカメラであって、前記第二の撮影モ
ードに設定されたときに、前記画像圧縮レベル表示器を
消灯するように制御する制御手段を備えたデジタルカメ
ラ。

【００１０】（５）被写体の撮影範囲を予め確認するフ
ァインダと、前記ファインダに近接して配置された表示
器とを有するデジタルカメラであって、前記表示器はオ
ートフォーカス完了およびファイル記録中を示すもので
あるデジタルカメラ。

【００１１】（６）残撮影容量予測手段と、表示手段
と、前記残撮影容量予測手段からの残撮影容量予測に応
じて前記表示手段への表示方法を、残容量パーセント表
示，残撮影枚数表示のいずれかに切り替えるように制御
する制御手段とを備えたデジタルカメラ。

【００１２】（７）複数の表示形式をもつ表示手段と、
この表示手段の表示能力の制約により前記複数の表示形
式のうち一方の表示形式での表示が不能な場合に他方の
表示形式に切り替えるように制御する制御手段とを備え
たデジタルカメラ。

【００１３】（８）撮影モードと消去モードの切替え手
段と、画像および音声の記録手段と、表示手段と、記録
されたデータが画像データであるか音声データであるか
を判別する画像・音声判別手段と、前記切替え手段の消
去モードへの切替え時に前記記録手段へ最後に記録され
たデータが前記画像・音声判別手段により判別された結
果に応じて前記表示手段への表示方法を変更するように
制御する制御手段とを備えたデジタルカメラ。

【００１４】（９）撮影モードと消去モードの切替え手
段と、記憶手段と、この記憶手段へ記憶されたデータが
読み出し専用であるか否かを判別する読み出し専用属性
判別手段と、表示手段と、前記切替え手段の消去モード
切替え時に前記記憶手段へ最後に記録されたデータが読
み出し専用属性判別手段により判別された結果に応じて
前記表示手段への表示方法を変更するデジタルカメラ。

【００１５】（１０）カード記録媒体を装着するカード
スロットと、表示手段と、カードスロット全体を覆うカ
ードスロットカバーと、前記カードスロットカバー開閉
検出手段と、前記カードスロットカバーが閉じられたこ
とを前記カードスロットカバー検出手段により検出した
とき、前記表示手段に所定の表示を行うように制御する
制御手段とを備えたデジタルカメラ。

【００１６】（１１）操作手段と、表示手段と、制御手
段と、コンピュータとの通信手段とを有するデジタルカ
メラであって、前記制御手段は、前記通信手段を介し
て、カメラ本体のスイッチ操作を受け付けないようにす
る前記コンピュータからのコマンドを検出して、前記表
示手段に所定の表示を行うように制御するものであるデ
ジタルカメラ。

【００１７】（１２）単一の表示器に対して複数のモジ
ュールから、複数の目的で、表示方法を変えて表示を行
わせるデジタルカメラの表示方法であって、表示の優先
順位が予め定められ、表示要求がなされたときに、前記
優先順位にしたがって前記表示器に対する表示を行うデ
ジタルカメラの表示方法。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を“デジ
タルカメラ”の実施例により詳しく説明する。

【００１９】なお、実施例における撮影前設定の手法
は、銀塩フィルムカメラに応用でき、また表示器への表
示方法は、デジタルカメラ以外の機器に応用できる。

【００２０】

【実施例】図１は、本発明の実施例である“デジタルカ
メラ”のブロック図である。

【００２１】図１において、２０９は撮影レンズ、１０
３は絞り機能とシャッター機能を兼ねる絞り兼用シャッ
ター、１０４は画像の高周波成分をカットする光学ロー
パスフィルター、１０５は被写体からの反射光を電気信
号に変換するＣＣＤ（Charged Coupled Device）、１０
６はＣＣＤ３の出力ノイズ除去のためのＣＤＳ回路やＡ
／Ｄ変換前に行う非線形増幅回路を備えた前置処理回
路、１０７はＡ／Ｄ変換器、１０８はシステム全体を制
御するシステムコントローラ、１０９はシステムコント
ローラ１０８からの制御により、撮影レンズ２０９や絞
り兼用シャッター１０３を駆動するメカ系駆動回路、１
１０はフラッシュ、１１２は高速演算回路を備えた圧縮
処理部、１１３は撮影したディジタル画像データを一時
的に保存するＤＲＡＭ、１１４はＣＣＤ１０５の画素に
応じたディジタル画像データにプロセスする撮像信号処
理回路、１１５はカード記録媒体とＤＲＡＭ１１３との
間でデータの授受を行うためのカードＩ／Ｆ、１１６は
カード記録媒体、１１７はカード１１６の代わりに画像
・音声データを記録する内蔵フラッシュメモリ、１１８
は、インターフェースコネクタ１１９を介して接続され
たコンピュータ（不図示）へ画像を転送したり、画像に
付帯した情報の交換を行う拡張バスＩ／Ｆ、２０３は撮
影情報を表示するディスプレイパネル、１２０は複数の
スイッチから構成されるスイッチ群である。

【００２２】スイッチ群１２０については本実施例のカ
メラの外観図である図２，図３を参照しながら説明す
る。図２，図３に示される操作部材と図１中の各スイッ
チを対応づけながら説明する。

【００２３】２０１は２段のストロークからなるシャッ
ターボタンであり、第１ストロークでＳＷ１（１２
１）、第２ストロークでＳＷ２（１２２）をオンする。
２０２は撮影や消去のモードを切り替えるモードダイヤ
ルで、２ビットのスイッチＤＩＡＬ１−ＳＷ（１３
０），ＤＩＡＬ０−ＳＷ（１３１）から構成されてい
る。２０４は音声記録時等に使用するマイク（Ｆ２）ボ
タンでＦ２−ＳＷ１２４に対応している。２０５はマク
ロ撮影時等に使用するマクロ（Ｆ１）ボタンでＦ１−Ｓ
Ｗ１２３に対応している。２０６は撮影画の画質レベル
を変更する場合等に使用するクオリティボタンでＱＵＡ
ＬＩＴＹ−ＳＷ１２５に対応する。２０７はマイク、２
０８はレンズカバースイッチ、２０９は撮影レンズ、２
１０はフラッシュを制御するフラッシュボタンでＦＬＡ
ＳＨ−ＳＷ１２６に対応している。２１１はＡＦ補助ラ
ンプ、２２０は通常（カラー）モードと、文字などの撮
影に適した白黒高解像モードとを切り替えるＣＯＬＯＲ
−ＢＷ TextモードセレクタでＣＯＬＯＲ−ＳＷ１３
２，ＢＷ−ＳＷ１３３に対応している。２２１はファイ
ンダー、２２２はアクセス中であることやＡＦ完了をし
めす緑ＬＥＤ、２２３はフラッシュの充電中、充電完了
等を知らせる赤ＬＥＤである。２２４はカード記録媒体
を収納するカードスロットカバーで、開閉時ＣＡＲＤ−
ＳＷ１２９を変化させる。２２５はカードスロットカバ
ーの開閉時に操作するカードスロットカバーラッチ、２
２６はコンピュータとの通信用のインターフェースコネ
クタ１１９を覆うインターフェースコネクタカバー、２
２７は電池蓋である。インターフェースコネクタ１１９
を介してコンピュータと接続した際に接続を検出する外
部バスＳＷ１３４が設けられている。また電池蓋につい
ても開閉時の検出手段として電池蓋ＳＷ１２８が設けれ
らている。

【００２４】モードダイヤル２０２には、順にＡ，ＣＵ
ＳＴＯＭ，ＥＲＡＳＥ，ＡＬＬ ＥＲＡＳＥの４つのダ
イヤル位置があり、各モードをユーザが選択できる。以
下、Ａモード、ＣＵＳＴＯＭモードをまとめて撮影モー
ド、ＥＲＡＳＥモード、ＡＬＬ ＥＲＡＳＥモードをま
とめて消去モードと呼ぶ。

【００２５】図４はディスプレイパネル２０３における
表示要素を示す。図４において、４０１は状況に応じて
記録媒体の残容量、シリアルファイルＮｏ等の英数字を
表示する英数字表示セグメントである。４０２は画像圧
縮レベルを示すクオリティアイコンで、撮影モードにお
いて３段階（上から順にＦＩＮＥ，ＮＯＲＭＡＬ，ＥＣ
ＯＮＯＭＹ）のうちの１つが表示される。（ただし白黒
文字モード時は非表示。その理由後述）。４０３はシリ
アルファイルＮｏを表示する際に点灯するＮｏ．マー
ク、４０４はＣＵＳＴＯＭモード時に点灯するＣＵＳＴ
ＯＭマークである。４０５，４０６はカード記録媒体１
１６もしくは内蔵フラッシュメモリ１１７の残容量を表
示するときに点灯する。４０７は電池の消耗時に点滅表
示する電池アイコン、４０８は音声記録時に点灯するマ
イクアイコン、４０９はマクロ撮影時に点灯するマクロ
アイコン、４１０は露出補正撮影ときに点灯するＥＸＰ
マーク、４１１はフラッシュ非発光モードときに点灯す
るFlashOffマークである。

【００２６】○ レンズカバースイッチに伴う動作 モードダイヤル２０２をＡまたはＣＵＳＴＯＭの位置に
合わせた状態で、レンズカバースイッチ２０８を上方に
スライドさせると、撮影レンズ２０９を覆っていたレン
ズカバー（不図示）が除去されるとともにシステムコン
トローラ１０８の制御によってディスプレイパネル２０
３には撮影に関する情報が表示され、撮影の待機状態に
なる。モードダイヤル２０２がＣＵＳＴＯＭの位置にあ
り、カード記録媒体１１６が挿入されていない場合のデ
ィスプレイパネル２０３の表示例を図５ａに示す。図中
の「５１％」の表示は内蔵フラッシュメモリ１１７の残
容量を示している。またカスタムモードにあることを示
すカスタムマークと、撮影画の画像圧縮レベルを示すク
オリティアイコン［ＮＯＲＭＡＬ］が点灯されている。

【００２７】１．撮影モードに関する設定 撮影記録および音声記録を行うためにはモードダイヤル
２０２をＡまたはＣＵＳＴＯＭの位置にセットする。

【００２８】１−１ Ａモード ダイヤルがＡの位置の時は、撮影画は画素サイズ８３２
×６０８でＪＰＥＧ記録される。

【００２９】１−２ ＣＵＳＴＯＭモード モードダイヤル２０２をＣＵＳＴＯＭに合わせた時は、
ＣＵＳＴＯＭマーク４０４が点灯するとともにモードダ
イヤル２０２をＣＵＳＴＯＭに合わせた後３秒間設定さ
れたカスタム名を表示（図５ｂ）し、その後残量表示
（図５ａ）になる。

【００３０】カスタムモードでは、カスタム名の変更に
より撮影時のモードを次の５種類のうちから選択するこ
とが可能である。

【００３１】カスタム名 ： 動作 ＭＥＤ ： 画素サイズ６４０×４８０で記録す
る。

【００３２】ＳＭＬ ： 画素サイズ３２０×２
４０で記録する。

【００３３】 ＴＩＭ ： １０秒のセルフタイマー撮影。

【００３４】 ＴＭ２ ： ２秒のセルフタイマー撮影。

【００３５】ＣＲＷ ： ＣＣＤ−Raw ファイル
記録。ＣＣＤセンサからのＲａｗ（生）データをそのま
ま独自ファイルとして記録する。

【００３６】○ カスタム名の変更 カスタム名を選択するには、モードダイヤル２０２がＣ
ＵＳＴＯＭの位置にある状態で以下を実行する。

【００３７】１ Ｆ１ボタン２０５を押しながらシャッ
ターボタン２０１を押す。するとＣＵＳＴＯＭマークが
点滅するとともに現在のカスタム名が表示される。

【００３８】２ シャッターボタン２０１から指をはな
し、Ｆ１ボタン２０５をクリックする度に ＭＥＤ→ＣＲＷ→ＴＭ２→ＴＩＭ→ＳＭＬ→ＭＥＤ→・・・（逆送り） Ｆ２ボタン２０４をクリックする度に ＭＥＤ→ＳＭＬ→ＴＩＭ→ＴＭ２→ＣＲＷ→ＭＥＤ→・・・（順送り） のようにカスタム名が変化する。上記の要領で所望のカ
スタム名を選択する。

【００３９】３ 再度Ｆ１ボタン２０５を押しながらシ
ャッターボタン２０１を押すと、撮影モードが表示中の
カスタム名に確定する。

【００４０】１−３ ＣＯＬＯＲ−ＢＷ Textモードセ
レクタによる撮影モードの切り替え 本実施例のデジタルカメラでは撮影対象に応じてカラー
モード、白黒文字モードを選択することができる。通常
自然画を撮影する場合にはカラーモード、紙に印刷され
た文字等を撮影する場合には白黒文字モードが適してい
る。このモードを切り替えるためには、ＣＯＬＯＲ−Ｂ
Ｗ Textモードセレクタ２２０を用いる。ＣＯＬＯＲ−
ＢＷ Textモードセレクタ２２０をＢＷ側に切り替えた
時は光学ローパスフィルタ１０４がメカ的に除去される
とともに絞りをオートアイリスから固定絞りに切り替え
ることによって高解像撮影を実現している。

【００４１】１−４ クオリティボタンによる画像圧縮
レベル設定の変更 ＡモードおよびＣＲＷを除いたＣＵＳＴＯＭモードにお
いてＣＯＬＯＲ−ＢＷTextモードセレクタ２２０がＣＯ
ＬＯＲ側にセットされているときには、撮影された画像
は画像圧縮処理部１１２でＪＰＥＧ圧縮され記録され
る。クオリティボタン２０６をクリックすることで撮影
画の画像圧縮レベルを３段階から選択可能としている。
クオリティボタン２０６をクリックする度にクオリティ
アイコン３０２が ＮＯＲＭＡＬ→ＦＩＮＥ→ＥＣＯＮＯＭＹ→ＮＯＲＭＡ
Ｌ→・・・ のようにサイクリックに変化する。これらの各モードは
以下の特徴を持っている。

【００４２】ＦＩＮＥ：最も高精細だがファイルサイズ
大 ＮＯＲＭＡＬ：平均的な画質、ファイルサイズ中 ＥＣＯＮＯＭＹ：上記に比べて画質は劣るがファイルサ
イズ小 ＣＯＬＯＲ−ＢＷ Textモードセレクタ２２０がＢＷ側
にセットされ白黒文字モードが選択された場合は、高解
像を必要とする用途を想定しているため、圧縮を最小限
に押さえた処理を行っている。また、ＣＵＳＴＯＭモー
ドでＣＲＷを選択した場合、上述の通りRaw データとし
て記録するので圧縮は行われない。この場合、クオリテ
ィボタン２０６のクリックによって画像圧縮レベル変更
を行えないことをユーザに知らせるために、図５ｃに示
すようにクオリティアイコンを消灯している。

【００４３】このように、画像圧縮レベルを変更できな
いモードに設定されたときに、現在の画像圧縮レベルを
示す表示を行わないようにしたことによって、 １．ユーザに明確に知らせる。誤操作する可能性が減少
する ２．変更できないことを示す表示手段を新たに必要とし
ない という効果がある。

【００４４】１−５ フラッシュ撮影 フラッシュ撮影は、自動発光、強制発光、非発光のうち
からユーザが選択できるようになっている。

【００４５】自動発光：ディスプレイパネルに［Flash
Off］マークが点灯していない状態で普通に撮影すれ
ば、周囲の明るさに応じてフラッシュ１１０を自動発光
させる。

【００４６】強制発光：フラッシュボタン２１０を押し
ながらシャッターボタン２０１を押して撮影すれば、フ
ラッシュを強制発光して撮影を行う。

【００４７】非発光：モードダイヤルをＡまたはＣＵＳ
ＴＯＭの位置で、フラッシュボタン２１０を押しながら
Ｆ１ボタン２０５（もしくはＦ２ボタン２０４）を押す
と、自動発光モードと非発光モードを切り替えられる
（トグル動作）。非発光モードの場合、ディスプレイパ
ネル２０３に図５ｄのように［Flash Off］マークが点
灯することで確認できる。この状態で撮影を行うとフラ
ッシュは発光されない。

【００４８】１−６ マクロ撮影 モードダイヤルをＡまたはＣＵＳＴＯＭの位置で、Ｆ１
ボタンを１回クリックすることにより、マクロ・非マク
ロの切り替えを行う（トグル動作）。マクロ設定時には
図５ｅに示すようにマクロアイコンがディスプレイパネ
ル２０３に表示されるとともにＡＦの連動範囲が近距離
側に切り替えられる。

【００４９】１−７ 露出補正 本実施例のデジタルカメラでは、１／３段刻みでプラス
マイナス１段の露出補正が設定可能になっている。

【００５０】露出補正を行うには （１）モードダイヤルをＡまたはＣＵＳＴＯＭの位置
で、クオリティボタン２０６を押しながらＦ１ボタン２
０５（もしくはＦ２ボタン２０４）をクリックする。

【００５１】（２）ディスプレイパネル２０３には図５
ｆのように露出補正設定中であることを示す［ＥＸＰ］
マークが点滅し、露出補正値が表示される。クオリティ
ボタン２０７を押し下げたまま、さらにＦ１ボタンをク
リックすればマイナス側に、Ｆ２ボタンをクリックする
とプラス側に補正値が１／３ずつ変化する。図５ｇはＦ
２ボタンを１度クリックして＋１／３段の補正値を表示
しているところである。所望の補正値にセットしたとこ
ろでクオリティボタン２０７から指を離すと、ディスプ
レイパネル２０３上の表示は残量表示に戻るが、このと
き撮影時に露出補正状態を示す［ＥＸＰ］マークが点灯
する（図５ｈ）。

【００５２】露出補正を解除するにはもう一度（１）の
操作を行う。すると、［ＥＸＰ］マークが消灯し露出補
正解除となる。

【００５３】１−８ モードダイヤル切り替え時の設定
内容の記憶 上述の画像圧縮レベルの設定、フラッシュ発光設定、マ
クロ設定、露出補正設定（これらの設定をまとめて以下
「撮影前設定」と呼ぶ）についてはモードダイヤル２０
２がＡ、ＣＵＳＴＯＭのどちらでも設定可能である。し
かし、モードダイヤル２０２を頻繁に切り替えて異なる
対象物を撮影するような場合、ダイヤル切り替えのタイ
ミングでこれらの撮影前設定がリセットされてしまった
り、ダイヤル切り替え前の設定がそのまま残ってしまう
のは不便である。一例を挙げると、Ａモードで白っぽい
被写体を露出補正しながら撮影し、ＣＵＳＴＯＭ−ＳＭ
Ｌモードでマクロ撮影を行うような場合がある。この例
で、ダイヤルの切り替えで設定がリセットされてしまう
方式の場合、ダイヤルをＡからＣＵＳＴＯＭに切り替え
る度に、マクロ設定をやり直さなければならないし、Ｃ
ＵＳＴＯＭからＡに切り替えたときは露出補正を有効に
設定し直さなければならない。また、ダイヤルの切り替
え以前の設定を残しておく方式の場合、ダイヤルをＡか
らＣＵＳＴＯＭに変えたときは露出補正を無効にする必
要があり、ＣＵＳＴＯＭからＡに変えたときはマクロ設
定を解除する必要がある。

【００５４】本実施例ではＡモード、カスタムモードに
対し、これらの４つの撮影前設定を独立して持ち、その
情報を内蔵フラッシュメモリ１１７に保存する方法をと
っている。

【００５５】図６はモードダイヤル２０２がＣＵＳＴＯ
Ｍに切り替えられたとき、図７はモードダイヤルがＡに
切り替えられたときの撮影前設定項目と表示に関する処
理フローを示すフローチャートである。この処理はシス
テムコントローラ１０８のＣＰＵによって行われる。他
のフローチャートにおいても同様である。

【００５６】以下図６について説明する。モードダイヤ
ル２０２がカスタムモードにセットされたとき、モード
ダイヤル２０２を回す前の位置を調べ（Ｓ６０１）、そ
れがＡモードでなければ（ＥＲＡＳＥモードならば）カ
スタムマーク及びカスタム名をディスプレイパネル２０
３に表示し（Ｓ６０５、カスタム名は３秒間だけ表
示）、つづいて残量表示に切り替えて（Ｓ６０６）処理
を終了する。Ｓ６０１においてモードダイヤル２０２を
回す前のダイヤル位置がＡモードであった場合、モード
ダイヤル２０２を回す前の撮影前設定をＡモードの撮影
前設定として保存する（Ｓ６０２）。次に内蔵フラッシ
ュメモリ１１７にあるカスタムモードの撮影前設定を現
在の撮影前設定とする（Ｓ６０３）。次に現在の撮影前
設定をもとにクオリティアイコン、フラッシュＯＦＦマ
ーク、マクロアイコン、ＥＸＰマークを必要に応じて点
灯させる（Ｓ６０４）。次にカスタムマーク及びカスタ
ム名をディスプレイパネルに表示し（Ｓ６０５、カスタ
ム名は３秒間だけ表示）、つづいて残量表示に切り替え
て（Ｓ６０６）処理を終了する。

【００５７】モードダイヤル２０２がＡモードにセット
されたときの処理フローを図７をもとに説明する。まず
現在の撮影前設定をカスタムモードの撮影前設定として
保存する（Ｓ７０１）。次に内蔵フラッシュメモリ１１
７にあるＡモードの撮影前設定を現在の撮影前設定とす
る（Ｓ７０２）。次に現在の撮影前設定をもとにクオリ
ティアイコン、フラッシュＯＦＦマーク、マクロアイコ
ン、ＥＸＰマークを必要に応じて点灯させる（Ｓ７０
３）。次に残量表示を行い（Ｓ７０４）処理を終了す
る。

【００５８】なお、モードダイヤル２０２が回された後
にユーザによって撮影前設定に変更が加えられた時は、
現在の撮影前設定が編集される。

【００５９】このように、複数の撮影モードを持つデジ
タルカメラで、画像圧縮レベルの設定、フラッシュ発光
設定、マクロ設定、露出補正設定等の撮影前に設定する
項目を各撮影モードで独立して記憶しておき、撮影モー
ド切り替え時に、現在の設定値を切り替え前の撮影モー
ドの設定値として保存し、切り替え後の撮影モードに対
応する記憶されていた設定値を現在の設定値としてロー
ドすることによって、撮影モードに応じた撮影前設定
を、ユーザが再設定する必要がなくなる、という効果が
ある。

【００６０】本実施例では、Ａモード、カスタムモー
ド、現在の撮影前設定を全て内蔵フラッシュメモリ１１
７に保存することでシステムの電源の状態にかかわらず
設定内容が保存され、電源を落とした場合でも再設定の
必要がなくなる。

【００６１】２．撮影および録音動作 ２−１ 撮影動作 図１および図２を参照しながら説明する。

【００６２】レンズカバースイッチ２０８を操作してレ
ンズカバーを開き、モードダイヤル２０２をＡまたはＣ
ＵＳＴＯＭの位置に合わせた状態で、シャッターボタン
２０１を軽く押すと、ＳＷ１（１２１）がＯＮとなりシ
ステムコントローラ１０８はＡＦ、ＡＥ動作を含めた撮
影準備を開始する。そしてメカ系駆動回路を１０９を制
御して撮影レンズ２０９および絞り１０３を適正な位置
に駆動させる。このときディスプレイパネル２０３にこ
れから撮影する画像ファイルに付されたシリアルＮｏ．
を表示する。図８ｉに、次に記録するファイルのシリア
ルＮｏ．が２７であるときの表示例を示す。ＡＦ動作が
完了するとファインダー横の緑ＬＥＤ２２２を点灯さ
せ、ユーザに知らせる。シャッターボタン２０１を更に
深く押し込むと、ＳＷ２（１２２）がＯＮとなり撮影指
示がなされる。システムコントローラ１０８の制御によ
りレンズ２０９および絞り兼用シャッター１０３が駆動
され、それぞれ撮影条件に対応した絞り、シャッター速
度に設定された後、ＣＣＤ１０５を駆動させる。ＣＣＤ
１０５により光電変換された信号は前置処理回路１０
６、Ａ／Ｄ変換器１０７を通して一旦ＤＲＡＭ１１３に
蓄えられた後、撮像信号処理部１１４によりＣＣＤ１０
５の画素に応じたディジタル画像データにプロセスさ
れ、再びＤＲＡＭ１１３に保存される。

【００６３】上記の撮像シーケンスでＤＲＡＭ１１３内
に保存された画像データは、ユーザによりあらかじめ設
定されていた撮影モードに応じて、画素サイズ変換や圧
縮処理部１１２による画像の圧縮処理を施した後、内蔵
フラッシュメモリ１１７または、カードＩ／Ｆ１１５を
通してカード記録媒体１１６へ、画像ファイルとして記
録される。このとき、記録された画像に固有な情報が付
帯情報として内蔵フラッシュメモリ１１７またはカード
記録媒体１１６に記録される。記録される付帯情報とし
ては、たとえば、撮影年月日時分秒、シリアルファイル
Ｎｏ．、シャッター速度、絞り値、指定したカスタムモ
ード、クオリティ設定、露出補正値等がある。

【００６４】撮影動作を行ってから内蔵フラッシュメモ
リ１１７またはカード記録媒体１１６への記録が完了す
るまでにはある程度の時間を必要とするため、この間、
図８ｊに示すように、ディスプレイパネル２０３に［ｂ
ＵＳＹ］表示を行う。内蔵フラッシュメモリ１１７また
はカード記録媒体１１６への記録中は緑ＬＥＤ２２２を
４Ｈｚで点滅させ、記録中であることをユーザに知らせ
る。画像ファイル記録完了後のディスプレイパネル２０
３の表示はシャッターボタン２０１の押し下げ状態によ
って異なる。シャッターボタン２０１が完全に離されて
いる場合には記録後の内蔵フラッシュメモリ１１７また
はカード記録媒体１１６の残量表示となる。シャッター
ボタン２０１が押されている場合には次の撮影画像ファ
イルのシリアルＮｏ．を表示する。

【００６５】２−１−１ 撮影動作における緑ＬＥＤの
表示制御 上述した撮影動作の中で、緑ＬＥＤのように物理的には
１つの表示手段に対して複数の意味をもたせるために、
本実施例では表示に優先順位をつけた上で点灯・消灯お
よび点滅制御を行っている。

【００６６】図９に緑ＬＥＤの表示について優先順位、
表示方法、表示の意味および表示状態変数GreenStat の
状態が示されている。記録中を示す４Ｈｚ点滅が最も優
先順位が高く、次にカード検出、ＡＦ完了の順となり、
これらの表示指定がなされていないときは、表示状態変
数は（ａ）に示すように「消灯」に対する表示状態変数
GreenStat ［４］のみがＴＲＵＥの状態になっている。

【００６７】ファイル記録モジュールは、ファイルへの
書き込みを始める際に表示状態変数GreenStat ［１］を
ＴＲＵＥにして、緑ＬＥＤ表示管理手続き（GreenDispP
roc）を実行することにより表示命令を行う。GreenDisp
Proc の処理手順を図１０に示す。まず優先順位を表す
変数prioを１で初期化する（Ｓ１００１）表示状態変数
がＴＲＵＥになっているものを優先順位の高い順に調べ
ていく（Ｓ１００２，Ｓ１００３）。見つかったらその
優先順位に相当する表示方法GreenDisp （prio）で表示
を行い（Ｓ１００４）、手続きを終了する。

【００６８】前述の撮影動作において、ＡＦ完了時は図
９（ｂ）のようにGreenStat ［３］がＴＲＵＥとなるの
で緑ＬＥＤは点灯し、撮影後記録中は図９（ｃ）に示す
優先順位にしたがって４Ｈｚ点滅する。記録完了時には
GreenStat ［１］＝FALSE となり、このときＳＷ１（１
２１）が押下げられている場合は、再度ＡＦ完了を示す
点灯に変化する。シャッターボタン２０１から指が離さ
れるとＡＦ完了表示も解除されるため、初期状態と同様
GreenStat ［４］のみがＴＲＵＥとなり緑ＬＥＤは消灯
となる。

【００６９】本実施例では、ＡＦ完了およびファイル記
録中を示す表示器をファインダー横の緑ＬＥＤで共有し
ている。したがって、撮影後、ファインダーをのぞきな
がら４Ｈｚ点滅を確認できることで、その間はファイル
記録中であり、撮影動作が行えないことを認識しつつ、
次の撮影に備えることができる。

【００７０】このような手順で表示制御を行うことによ
って、複数のモジュールから緑ＬＥＤに対して異なる表
示要求がなされた場合でも、要求の都度、表示が変わっ
てしまうのではなく、あらかじめ設定された優先順位に
したがった表示を行うことができる。これによりモジュ
ール間で呼び出しの順序を規定する必要がなくなる。さ
らに記録・ＡＦ等を指示するモジュールは表示装置に対
して、自分のモジュールに対する表示・非表示の命令の
みを行うだけでよい。したがってモジュール間の独立性
を確保することができる。また表示装置を少なくできる
ため低コスト化を図ることができる。

【００７１】２−２ 録音動作 本実施例であるデジタルカメラでは、本体に内蔵された
マイク２０７を使って音声をファイルとして記録するこ
とが可能である。音声記録を行うためにはモードダイヤ
ル２０２をＡまたはＣＵＳＴＯＭの位置に合わせ、Ｆ２
ボタン２０４を押しながらシャッターボタン２０１を押
す。このスイッチ操作をシステムコントローラ１０８が
検出すると、音声記録の開始命令であることと解釈し、
ディスプレイパネル２０３上に図８ｋのような表示を行
う。同時に、マイク２０７からの音声をＡ／Ｄ変換器１
４２を通してデジタル化しサンプリングを開始する。シ
ステムコントローラ１０８はサンプリングされたデータ
を一定間隔で内蔵フラッシュメモリ１１７またはカード
記録媒体１１６に音声ファイルとして書き出す。この録
音動作を、Ｆ２ボタン２０４、シャッターボタン２０１
のいずれかが押されている間、継続する。図８ｋの数字
０は録音開始時からの経過秒数を示しており、システム
コントローラ１０８は録音中１秒経過毎にカウントアッ
プするようにディスプレイパネル２０３への表示を制御
する。ボタン２０１，２０４から指が離されると、録音
は中断され、ディスプレイパネル２０３の表示は残量表
示に戻る。

【００７２】３．消去モード（単消去モード、全消去モ
ード） ３−１ 消去モード時の表示 モードダイヤル２０２をＥＲＡＳＥに合わせると単消去
モード、ＡＬＬ ＥＲＡＳＥに合わせると全消去モード
として動作する。このときディスプレイパネル２０３に
は図８ｌに示すように、撮影済み画像または音声ファイ
ルのうち最後に記録されたファイルのシリアルＮｏが表
示される。このとき最後に記録されたファイルが音声フ
ァイルである場合にはマイクアイコンを点灯させる。し
たがって図８ｌに示したＮｏ．２８のファイルは音声フ
ァイルである。

【００７３】もし最後に記録されたファイルの属性が読
み出し専用となっている場合は、図８ｍに示すようにシ
リアルＮｏの左側に「Ｐ」マーク（Protect の頭文字）
を点灯させる。本実施例のデジタルカメラ本体ではファ
イルの属性を変更することはできないが、たとえばコン
ピュータに撮影済みのカード記録媒体を挿入し、特定の
ファイルを読み出し専用属性に設定することは可能であ
る。本実施例では、ファイルが読み出し専用属性になっ
ている場合、カメラ本体ではこのファイルは消去されな
い。このことをユーザに明示的に示すために「Ｐマー
ク」を表示している。

【００７４】モードダイヤル２０２をＥＲＡＳＥまたは
ＡＬＬ ＥＲＡＳＥに回したときのシステムコントロー
ラ１０８の表示に関する処理フローを図１１に示す。ま
ず、内蔵フラッシュメモリ１１７もしくはカード記録媒
体１１６から最後に記録されたファイルの付帯情報およ
びファイル属性を読み出す（Ｓ１１０１）。まず読み出
した付帯情報から当該ファイルが音声ファイルであるか
否かを調べ（Ｓ１１０２）、音声ファイルであった場合
ディスプレイパネル２０３にマイクアイコンを点灯させ
る（Ｓ１１０３）。次に、当該ファイルが読み出し専用
属性であるかどうかを調べ（Ｓ１１０４）読み出し専用
属性になっていた場合、ディスプレイパネル２０３にＰ
マークを点灯させる（Ｓ１１０５）。最後にシリアルフ
ァイルＮｏ．を表示して（Ｓ１１０６）処理を終了す
る。

【００７５】このように、消去モード時、最後に記録さ
れたファイルが音声ファイルであるか否かが表示で区別
できるので、ユーザがファイル消去を行う際の判断基準
として利用できる。例えば音声ファイルなら消去しても
よいが画像ファイルは消去したくない場合等に有効であ
る。

【００７６】また、消去モードへの切替時、最後に記録
されたファイルが読み出し専用属性であるか否かが表示
で区別できることにより、消去できないファイルである
ことを前もってユーザに知らせることができる。しかも
ファイルＮｏ．の表示は同時に行われるので、どのファ
イルが読み出し専用属性になっているかを即座に認識で
きるという効果がある。

【００７７】２−３ 消去の実行 単消去モード時、クオリティボタン２０６を押しながら
シャッターボタン２０１を押すことによって、表示され
たシリアルＮｏ．のファイル消去を実行する。消去後は
１つ前に記録したシリアルファイルＮｏ．がディスプレ
イパネル２０３に表示される。

【００７８】全消去モード時、クオリティボタン２０６
を押しながらシャッターボタン２０１を押すことによっ
て、カード１１６内（利用可能なカード記録媒体がカー
ドスロットにさされているとき）あるいは内蔵フラッシ
ュメモリ１１７内（カードがカードスロットにさされて
いないとき、もしくはささっているカード記録媒体が利
用可能でないとき）のファイルのうち、本デジタルカメ
ラで記録した画像および音声ファイルを全て消去する。
最後に記録されたファイルから順に消去され、消去中は
ディスプレイパネル上の英数字表示セグメントに［ＢＵ
ＳＹ］と表示する。全消去の途中解除はモードダイヤル
２０２をＡＬＬ ＥＲＡＳＥ以外の位置に回すことによ
り行う。全ファイルの消去が完了したらディスプレイパ
ネル２０３の英数字表示セグメントに［ＮＯＮ］を表示
する。途中解除の場合、残されたファイルの中で最後に
記録されたファイルのシリアルＮｏ．が表示される。

【００７９】単消去モード、全消去モードにおいて、本
デジタルカメラで記録されたファイルのうちあるファイ
ルが読み出し専用属性に設定されていた場合、当該ファ
イルの消去が禁止されるのは上述の通りであるが、単消
去モードにおいては読み出し専用属性が付されたファイ
ルより以前に記録されているファイルの消去についても
禁止される。全消去モードにおいては、読み出し専用属
性に設定されたファイルを除いて、画像・音声ファイル
は全て消去される。

【００８０】４．その他 ４−１ ディスプレイパネルに表示されるメモリ残量 ディスプレイパネル２０３にはあとどのくらい撮影でき
るかの目安として内蔵フラッシュメモリ１１７（カード
記録媒体が装着されていて利用可能なときはカード記録
媒体１１６）の残り容量を表示する。このとき残り容量
が十分あるときは残り容量をパーセント表示する。残り
容量が少なくなってきたら、予測される残記録枚数を計
算・表示する。

【００８１】この残量計算プログラムは以下の場合に実
行される。

【００８２】・記録媒体が交換されたとき。

【００８３】・撮影・録音・消去などによりDiskの使用
量と残量が変化したとき。

【００８４】・撮影モード（ＰＩＣ／ＢＷ、Large ／Me
dium／Small 、／Normal／Economy ）が変更されたと
き。

【００８５】以下、残量計算プログラムの動作を、図１
２を用いて説明する。

【００８６】まず、撮影モードがＣＣＤ−Raw か否かを
判定する（Ｓ１２０１）。もし撮影モードがＣＣＤ−Ra
w であれば、画像の大きさを背番号で示す変数ImageSiz
e に３を代入し（Ｓ１２０２）、次に撮影目標の画像タ
イプ（TargetImageType ）を判定する（Ｓ１２０３）。
もし白黒文字モードであれば（Ｂ／Ｗであれば）圧縮画
質を示す変数Quality に３を代入し（Ｓ１２０４）、も
しカラー自然画モードであれば（ＰＩＣであれば）圧縮
画質を示す変数Quality に１を代入する（Ｓ１２０
５）。

【００８７】また、Ｓ１２０１において、撮影モードが
ＣＣＤ−Raw ではなくＪＰＥＧならば、今度は画像の大
きさ（横幅）を示す変数Width を参照し、Width が８３
２画素ならば前記の変数ImageSize に０を、あるいはWi
dth が６４０画素ならば前記の変数ImageSize に１を、
あるいはWidth が３２０画素ならば前記の変数ImageSiz
e に２を、代入する（Ｓ１２０６）。続いて、撮影目標
の画像タイプ（TargetImageType ）を判定し（Ｓ１２０
７）、もし白黒文字モードであれば（Ｂ／Ｗであれば）
圧縮画質を示す変数Quality に３を代入し（Ｓ１２０
８）、もしカラー自然画モードであれば（ＰＩＣであれ
ば）ユーザーが設定している圧縮画質を示す変数Compre
ssionQualityを参照し、CompressionQualityがEconomy
の時は変数Quality に０を、Normalの時は変数Quality
に１を、Fineの時は変数Quality に２を代入する（Ｓ１
２０９）。

【００８８】以上のように、ＣＣＤ−Raw か否か、カラ
ー自然画モードか白黒文字モードか、あるいは画像の大
きさ、圧縮画質により、変数ImageSize と変数Quality
に適切な値が代入される。

【００８９】続いて、１回の撮影により消耗されると予
測される記録領域の大きさを表す変数Consume を計算す
る。その式はＳ１２１０に示すとおり、前記ImageSize
とQuality によって決定される２つの配列変数ImageFil
eSize ［］［］とThumbFileSize 〔〕［］から導出され
る。

【００９０】配列変数ImageFileSize とThumbFileSize
は、それぞれ画像の記録領域の大きさ（予測値）とサム
ネイル（インデックス用）ファイルの大きさを示すもの
で、静的変数としてプログラム中に定義されている。そ
の定義を図１４に示す。

【００９１】ImageFileSize （図１４の下段）は、例え
ば画像の大きさが８３２ｘ６０８で圧縮画質がEconomy
の場合には８０ＫＢである、と定義されている。また、
ＣＣＤ−Raw の場合には、圧縮画質に依存せず常に６９
０ＫＢである。

【００９２】また、ThumbFileSize は（図１４の上
段）、撮影目標の画像タイプが白黒文字モードの場合一
律５．８ＫＢ、それ以外の時は画像の大きさ、圧縮画質
に依存せず一律１５ＫＢである。これはサムネイル記録
にはＴＩＦＦ形式を用いているため、カラー自然画モー
ドの場合には画像データとしてＲＧＢが必要であり、白
黒テキストモードの場合には１つの色情報（輝度情報）
のみを記録すれば良い事に依る。

【００９３】変数Consume は、Ｓ１２１０に示すとお
り、ThumbFileSize ［ImageSize ］［Quality ］とImag
eFileSize ［ImageSize ］［Quality ］をそれぞれFile
AllocUnitSize の整数倍でかつ切り上げになるように計
算している。変数FileAllocUnitSize は記録媒体におけ
るFile記録量の単位を示すもので、パソコン用の記録媒
体では、「クラスタサイズ」などと呼ばれているもので
ある。これは、記録媒体の記録管理の都合上定められて
いる単位で、例えばクラスタサイズが４ＫＢの媒体の場
合には、１Byte記録するにも４ＫＢ必要になるし、また
例えば４ＫＢ＋１Byteのファイルを記録するには８Ｋ
Ｂ、すなわちクラスタ分、必要になる。

【００９４】従って、１回の撮影で画像ファイルとサム
ネイルファイル 計２つのファイルを記録する場合に
は、それぞれのファイルにおいてクラスタサイズの整数
倍に切り上げ計算する必要がある。

【００９５】次に、予測される残記録枚数（あと何枚撮
影できるか）を示す変数NumberOfshots を計算する（Ｓ
１２１１）。NumberOfshots は、記録媒体の残容量（単
位バイト、ＫＢなど）を示す変数FreeDiskSpacceと前記
変数Consume から算出される。

【００９６】次に、現在の媒体の残量（単位％）を示す
変数RemainOfDiskを計算する（Ｓ１２１２）。この計算
には前記FreeDiskSpacceと、媒体全体で記録可能な最大
容量（単位バイト、ＫＢなど）を示す変数TotalDiskSpa
ceから算出される。

【００９７】続いて、表示すべき情報が残撮影枚数（あ
と何枚撮影できるか）か、残量（％）なのか、をユーザ
ーＩ／Ｆプログラムに知らせるための変数AvailableSho
tsを決定する。

【００９８】変数AvailableShotsが真のとき表示部には
残撮影枚数NumberOfShots を表示し、また、AvailableS
hotsが偽のとき表示部にはRemainOfDisk（％）を表示す
る（Ｓ１２１３〜Ｓ１２１６）。

【００９９】すなわち、NumberOfShots が３以下か（Ｓ
１２１３）、あるいはRemainOfDiskが１％以下か（Ｓ１
２１４）のときにはAvailableShotsを真にして残撮影枚
数NumberOfShots を表示し、それ以外のときにはAvaila
bleShotsを偽にすることにより、表示部にRemainOfDisk
を表示する。

【０１００】図８ｎに残撮影枚数が３となったときのデ
ィスプレイパネル２０３上の表示を示す。

【０１０１】ＪＰＥＧ方式のように画像により圧縮した
結果の記録Fileサイズが変動する方式（可変長）の場合
においても、残りが少ない場合には自動的に残撮影枚
数、多い場合には％表示に切り替わる装置を提供でき
る。また、本実施例では、表示要素の点で装置の表示能
力が制約されている場合、例えば１％未満の容量を表示
できないような場合、自動的に残撮影枚数表示に切り替
わることができる、という効果がある。

【０１０２】また、FileAllocUnitSize で量子化して切
り上げる、という手段を有することによって、例えばＭ
Ｓ−ＤＯＳのFile記録方式のように、記録長さが離散的
に管理されるシステムにおいて、残量を正確に予測でき
るという効果もある。

【０１０３】４−２ カードスロットカバー閉時の動作 カードスロットカバー２２４を閉じた時の主な動作を図
１５をもとに説明する。

【０１０４】カードスロットカバー２２４閉がＣＡＲＤ
−ＳＷ１２９で検出されると、システムコントローラ１
０８は、図８ｏに示すような、ドライブ調査中を示す表
示［−−−−］をディスプレイパネルに命令（Ｓ１５０
１）する。

【０１０５】次にカードＩ／Ｆ１１５を通して、カード
１１６の有無を調査する（Ｓ１５０２）。カード有りの
場合、カードの属性情報を読み取り、挿入されたカード
が本デジタルカメラで利用可能であるかを判別する（Ｓ
１５０３）。利用可能であれば緑ＬＥＤを１Ｈｚで２回
点滅させる（Ｓ１５０４）。そしてカード１１６の空き
容量を調査（Ｓ１５０５）後、前述の残量計算プログラ
ムにしたがって、カード残量をパーセントもしくは残撮
影枚数のいずれかが選択されディスプレイパネルに表示
される（Ｓ１５０６）。

【０１０６】Ｓ１５０３において、カードが利用できな
い場合は赤ＬＥＤを８Ｈｚで３秒間点滅させる（Ｓ１５
０７）。カードなしの場合、もしくは挿入したカード１
１６が利用不可の場合、撮影画像は内蔵フラッシュメモ
リ１１７に書かれることになるため、内蔵フラッシュメ
モリ１１７の空き容量を調査（Ｓ１５０８）後、前述の
残量計算プログラムにしたがって、内蔵フラッシュメモ
リ１１７の残量をパーセントもしくは残撮影枚数のいず
れかが選択されディスプレイパネルに表示される（Ｓ１
５０６）。

【０１０７】このように、カードスロットカバー２２４
を閉じたときに、カード１１６の有無、カード利用可能
であるか、メモリまたは記録媒体の空き容量等を調べて
いる間、ドライブ調査中表示を行うことによって、この
間はユーザ操作が限定されることを明確に知らせること
ができる。

【０１０８】４−３ カードスロットカバー開時の動作 カードスロットカバー２２４を開いた時の主な動作を図
１６をもとに説明する。

【０１０９】カードスロットカバー２２４開がＣＡＲＤ
−ＳＷ１２９で検出されると、システムコントローラ１
０８は現在カード記録媒体１１６への画像または音声フ
ァイルの書き込み中であるかを調査する（Ｓ１６０
１）。もし書き込み中であれば、その書き込み動作を中
断しファイルをクローズ（Ｓ１６０３）する。そしてデ
ィスプレイパネル２０３にエラー表示を行って（Ｓ１６
０４）終了する。Ｓ１６０１においてカード１１６への
書き込み中でない場合、カードスロットカバー２２４開
であることを示すために、図８ｐに示すような［００］
マークをディスプレイパネルに点滅表示して処理を終了
する（Ｓ１６０２）。

【０１１０】このように、ファイルの書き込み中、カー
ドスロットカバー２２４が開いた時に、書き込みを中断
しファイルクローズすることによって、カード記録媒体
１１６内のデータの破壊を防ぐことができる。またこの
場合にはエラー表示を行うので、記録されたデータが不
完全であることをユーザに明示的に知らせることができ
る。

【０１１１】４−４ コンピュータとの通信 本実施例のデジタルカメラでは、インターフェースコネ
クタ１１９を介してコンピュータと接続，通信を行うこ
とによって、内蔵フラッシュメモリ１１７に保存された
画像または音声データをコンピュータに読み出すことが
可能となる。コンピュータ側のソフトウェアが、拡張バ
スＩ／Ｆ１１８を通してシステムコントローラ１０８へ
通信要求を行うと、システムコントローラ１０８とコン
ピュータとの間で通信プロトコルの確立を含む通信の初
期化が行われる。続いてコンピュータ側からカメラ本体
側でのスイッチ操作を受け付けないようにするコマンド
（以下ロックコントロールパネルと表記）を実行する。
システムコントローラ１０８はこの命令を受け取ると、
一部の操作を除いてカメラ本体側でのスイッチ群１２０
の操作に対するカメラ動作を禁止する。これは、コンピ
ュータによるカメラ制御とカメラ本体のスイッチ操作に
よる制御が混在して誤動作が起きないようにするためで
ある。ただし例外として、カードスロットカバー２２４
の開閉操作に対しては、カード書き込み中のファイルを
保護する必要があるので、ロックコントロールパネルが
実行されていても、上記４−２，４−３項で述べた動作
を行うとともに、コンピュータ側に操作内容を伝えてい
る。

【０１１２】カメラ本体側での操作が無効であることを
示すために、システムコントローラ１０８はロックコン
トロールパネル命令を受け取ると、図８ｑに示すように
ディスプレイパネルに「ＬＯＣＫ」表示を行う。次にコ
ンピュータ側から内蔵フラッシュメモリ１１７に保存さ
れたデータの読み出し要求がなされると、システムコン
トローラ１０８の制御により内蔵フラッシュメモリ１１
７内の指定されたデータが拡張バスＩ／Ｆ１１８を通し
てコンピュータへ転送される。その後、ロックコントロ
ールパネルを解除するコマンドがコンピュータ側からな
されると、カメラ本体のスイッチ群による操作が有効と
なるとともにディスプレイパネル上の「ＬＯＣＫ」表示
が消され、現在のスイッチ群の状態に従った表示状態に
復帰する。

【０１１３】このようにコンピュータ側から、カメラ本
体側でのスイッチ操作を受け付けないようにするコマン
ドを受け取った時に、カメラ本体の表示器に、その旨を
表示することによって、ユーザに明示的に知らせること
ができる。

【０１１４】

【発明の効果】以上説明したように、請求項（１）〜
（１２）に記載の発明によれば、以下の対応する番号
（１）〜（１２）に示す効果を奏する。

【０１１５】（１）撮影モードに応じた撮影前設定を、
ユーザが再設定する必要がなくなる。

【０１１６】（２）システムの電源の状態にかかわらず
設定内容が保存され、電源を落とした場合でも再設定の
必要がなくなる。

【０１１７】（３），（４）撮影モードが、画像圧縮レ
ベルを変更できないモードに設定されたときに、現在の
画像圧縮レベルを示す表示を行わないようにしたことに
よって、ユーザに明示的に知らせるので誤操作する可能
性が減少する、また変更できないことを示す表示手段を
新たに必要としない。

【０１１８】（５）オートフォーカス完了およびファイ
ル記録中を示す表示器をファインダー横の緑ＬＥＤで共
有している。したがって、撮影後、ファインダーをのぞ
きながらファイル記録中であることを確認できるので、
ユーザは、その間は撮影動作が行えないことを認識しつ
つ、次の撮影に備えることができる。

【０１１９】（６）ＪＰＥＧ方式のように画像により圧
縮した結果の記録ファイルサイズが変動する方式（可変
長）の場合においても、残りが少ない場合には自動的に
残撮影枚数、多い場合には％表示に切り替わる装置を提
供できる。

【０１２０】（７）また、装置の表示能力が制約されて
いる場合、例えば１％未満の容量を表示できないような
場合、自動的に残撮影枚数表示に切り替わることができ
る。

【０１２１】（８）消去モード時、最後に記録されたフ
ァイルが音声ファイルであるか否かが表示で区別できる
ので、ユーザがファイル消去を行う際の判断基準として
利用できる。例えば音声ファイルなら消去してもよいが
画像ファイルは消去したくない場合等に有効である。

【０１２２】（９）消去モードへの切替時、最後に記録
されたファイルが読み出し専用属性であるか否かが表示
で区別できることにより、消去できないファイルである
ことを前もってユーザに知らせることができる。

【０１２３】（１０）カードスロットカバーを閉じたと
きに、カードの有無、カード利用可能であるか、メモリ
または記録媒体の空き容量等を調べているとき、たとえ
ばドライブ調査中表示を行うことによって、この間はユ
ーザ操作が限定されることを明確に知らせることができ
る。

【０１２４】（１１）コンピュータ側から、カメラ本体
側でのスイッチ操作を受け付けないようにするコマンド
を受け取った時に、カメラ本体の表示器に、その旨を表
示することによって、操作が受け付けられないことをユ
ーザに明示的に知らせることができる。

【０１２５】（１２）１つの表示器に対して複数の表示
目的を持っている際、表示に対して優先順位づけがなさ
れていることにより、複数のモジュールから１つの表示
器に対して異なる表示要求がなされた場合でも、要求の
都度、表示が変わってしまうのではなく、あらかじめ設
定された優先順位にしたがった表示を行うことができ
る。これによりモジュール間で呼び出しの順序を規定す
る必要がなくなる。さらに記録・ＡＦ等を指示するモジ
ュールは表示装置に対して、自分のモジュールに対する
表示・非表示の命令のみを行うだけでよい。したがって
モジュール間の独立性を確保することができる。また表
示装置を少なくできるため低コスト化を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例の構成を示すブロック図

【図２】 実施例の前面を示す斜視図

【図３】 実施例の裏面を示す斜視図

【図４】 ディスプレイパネルの表示要素を示す図

【図５】 ディスプレイの表示例を示す図

【図６】 モードダイヤルがＣＵＳＴＯＭに切り替えら
れたときの動作を示すフローチャート

【図７】 モードダイヤルがＡに切り替えられたときの
動作を示すフローチャート

【図８】 ディスプレイの表示例を示す図

【図９】 緑ＬＥＤの表示の説明図

【図１０】 GreenDisProsの処理を示すフローチャート

【図１１】 表示に関する処理を示すフローチャート

【図１２】 残量計算のフローチャート（その１）

【図１３】 残量計算のフローチャート（その２）

【図１４】 配列変数の定義を示す図

【図１５】 カードスロットカバー閉時の動作を示すフ
ローチャート

【図１６】 カードスロットカバー開時の動作を示すフ
ローチャート

【符号の説明】

１０８ システムコントローラ １１７ 内蔵フラッシュメモリ ２０３ ディスプレイパネル

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の撮影モードを持つデジタルカメラ
   であって、撮影前に予め設定する撮影前設定項目を各撮
   影モードで独立して記憶する記憶手段と、撮影モード切
   り替え時に、その時の撮影前設定項目を切り替え前の撮
   影モードの撮影前設定項目として前記記憶手段に記憶さ
   せ、切り替え後の撮影モードと同じ撮影モードの撮影前
   設定項目を前記記憶手段から読み出し、切り替え後の撮
   影モードの撮影前設定項目として設定させる制御手段と
   を備えたことを特徴とするデジタルカメラ。
2. 【請求項２】 記憶手段は不揮発性メモリであることを
   特徴とする請求項１記載のデジタルカメラ。
3. 【請求項３】 複数の画像圧縮レベルが自在に切り替え
   られる第一の撮影モードと、画像圧縮レベルが固定され
   た第二の撮影モードと、前記第一の撮影モードにおいて
   切り替えられた画像圧縮レベルを表示する画像圧縮レベ
   ル表示器とを有するデジタルカメラであって、前記第二
   の撮影モードに設定されたときに、前記画像圧縮レベル
   表示器を消灯するように制御する制御手段を備えたこと
   を特徴とするデジタルカメラ。
4. 【請求項４】 複数の画像圧縮レベルが自在に切り替え
   られる第一の撮影モードと、画像圧縮を行わない第二の
   撮影モードと、前記第一の撮影モードにおいて設定され
   る画像圧縮レベルを表示する画像圧縮レベル表示器とを
   有するデジタルカメラであって、前記第二の撮影モード
   に設定されたときに、前記画像圧縮レベル表示器を消灯
   するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする
   デジタルカメラ。
5. 【請求項５】 被写体の撮影範囲を予め確認するファイ
   ンダと、前記ファインダに近接して配置された表示器と
   を有するデジタルカメラであって、前記表示器はオート
   フォーカス完了およびファイル記録中を示すものである
   ことを特徴とするデジタルカメラ。
6. 【請求項６】 残撮影容量予測手段と、表示手段と、前
   記残撮影容量予測手段からの残撮影容量予測に応じて前
   記表示手段への表示方法を、残容量パーセント表示，残
   撮影枚数表示のいずれかに切り替えるように制御する制
   御手段とを備えたことを特徴とするデジタルカメラ。
7. 【請求項７】 複数の表示形式をもつ表示手段と、この
   表示手段の表示能力の制約により前記複数の表示形式の
   うち一方の表示形式での表示が不能な場合に他方の表示
   形式に切り替えるように制御する制御手段とを備えたこ
   とを特徴としたデジタルカメラ。
8. 【請求項８】 撮影モードと消去モードの切替え手段
   と、画像および音声の記録手段と、表示手段と、記録さ
   れたデータが画像データであるか音声データであるかを
   判別する画像・音声判別手段と、前記切替え手段の消去
   モードへの切替え時に前記記録手段へ最後に記録された
   データが前記画像・音声判別手段により判別された結果
   に応じて前記表示手段への表示方法を変更するように制
   御する制御手段とを備えたことを特徴とするデジタルカ
   メラ。
9. 【請求項９】 撮影モードと消去モードの切替え手段
   と、記憶手段と、この記憶手段へ記憶されたデータが読
   み出し専用であるか否かを判別する読み出し専用属性判
   別手段と、表示手段と、前記切替え手段の消去モード切
   替え時に前記記憶手段へ最後に記録されたデータが読み
   出し専用属性判別手段により判別された結果に応じて前
   記表示手段への表示方法を変更することを特徴とするデ
   ジタルカメラ。
10. 【請求項１０】 カード記録媒体を装着するカードスロ
    ットと、表示手段と、カードスロット全体を覆うカード
    スロットカバーと、前記カードスロットカバー開閉検出
    手段と、前記カードスロットカバーが閉じられたことを
    前記カードスロットカバー検出手段により検出したと
    き、前記表示手段に所定の表示を行うように制御する制
    御手段とを備えたことを特徴とするデジタルカメラ。
11. 【請求項１１】 操作手段と、表示手段と、制御手段
    と、コンピュータとの通信手段とを有するデジタルカメ
    ラであって、前記制御手段は、前記通信手段を介して、
    カメラ本体のスイッチ操作を受け付けないようにする前
    記コンピュータからのコマンドを検出して、前記表示手
    段に所定の表示を行うように制御するものであることを
    特徴とするデジタルカメラ。
12. 【請求項１２】 単一の表示器に対して複数のモジュー
    ルから、複数の目的で、表示方法を変えて表示を行わせ
    るデジタルカメラの表示方法であって、表示の優先順位
    が予め定められ、表示要求がなされたときに、前記優先
    順位にしたがって前記表示器に対する表示を行うことを
    特徴とするデジタルカメラの表示方法。