JP3893192B2 - 内燃機関のための薄壁の吸気管 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のための薄壁の吸気管であって、内燃機関のシリンダに通じている接続通路と、内燃機関によって吸入される燃焼空気を制御する少なくとも１つのスロットルバルブ管片とを備えている形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
前記形式の吸気管は、厚壁の吸気管よりも著しく軽く、かつその表面と形に関してより自由に構成できるのでその用途が増大している。このような吸気管は、金属またはプラスチックから製作されるが、どちらの場合にも堅牢さに欠ける。
【０００３】
従って、前記形式の薄壁の吸気管の堅牢さの欠如を補う手段が求められなければならない。
【０００４】
自動車の分野では、内燃機関の始動後、上記のような薄壁の吸気管が破裂する複数の事例が知られている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の課題は、請求項１の上位概念に記載されている形式の吸気管の堅牢さの欠如を補い、かつ破裂を回避することができるように構成することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、吸気管内のスロットルバルブ管片下流に、大気中に通じている開口部が配置されており、この開口部が、吸気管内の圧力に応働する弁によって制御されるようにした。
【０００７】
【発明の効果】
請求項１記載の本発明の有利な構成により、本発明による吸気管は次のような利点を有する。すなわち、自動車の内燃機関始動後に発生する吸気管の破裂の原因は吸気管内の燃料または燃料蒸気残留物の爆発的な発火による圧力上昇であるとの認識に基づき、本発明による吸気管は、スロットルバルブ管片下流に配置された開口部もしくは弁を開放することにより、圧力上昇を制限し、ひいては吸気管の破裂を防ぐことができる。
【０００８】
本発明の他の有利な構成は請求項２以下に記載されている。
【０００９】
【発明の実施の形態】
次に図面につき本発明の実施の形態を説明する。
【００１０】
本発明による吸気管１にはスロットルバルブ管片の下流に、大気中に通じる開口部２が設けられており、この開口部２は吸気管１内の圧力に応働する弁３によって制御される。
【００１１】
この弁３は、エラストマ製のきのこ弁４であり、このエラストマ製のきのこ弁４が弁棒５で中央開口部６に突入しており、ねじスリーブ８のピン付加部７によって保持されている。
【００１２】
ねじスリーブ８は、リブ９によってねじスリーブ８の端面に対して間隔をおいたフランジリング１０を有しており、このフランジリング１０にはカバーキャップ１１が被せ嵌められ、かつこのカバーキャップ１１はフランジリング１０とクリップ留めされている。ねじスリーブ８のリブ９は工具付加部１２を形成しているので、ねじスリーブ８は開口部２内に螺入することが可能である。
【００１３】
本発明は次のような認識に基づいている。すなわち薄壁の吸気管１の破裂は、吸気管１内に蓄積または濃縮されていて吸気管１内の空気と混合された燃料または燃料蒸気残留物が、内燃機関の始動後爆発的に発火することによって引き起こされると考えられる。
【００１４】
このような爆発的な発火によって、吸気管１内に火炎・圧力波が生じる。この火炎・圧力波は、スタート後のアイドリング運転時にスロットルバルブが閉じていることによって、外部の大気中へ到達できず、このために圧力上昇が起こり、この圧力上昇によって吸気管１の破壊が引き起こされると考えられる。
【００１５】
本発明のように構成することによって、このような圧力上昇は弁３もしくは開口部２の開放により制限される。空気もしくは燃焼ガスは吸気管１から外の大気中に流出することができる。この場合、空気もしくは燃焼ガスはリブ１３によって分割された開口部２、ねじスリーブの端壁の開口部１４および、リブ９とねじスリーブの端壁ならびにフランジリング１０との間の開口部１５を通って流れていく。これら開口部１５はリングギャップ１６に通じており、このリングギャップ１６は、吸気管壁１７とカバーキャップ外壁１８との間に存在する。場合により燃焼している燃焼ガスは冷却され、消火される。この後、弁３が再び閉じ、内燃機関はスタンバイ状態に留まっている。カバーキャップ１１は汚染物質と水が開口部２内に侵入するのを防ぐ。カバーキャップ１１とフランジリング１０との前記クリップ留めは、カバーキャップ１１のスナップフック１９によって行われる。
【図面の簡単な説明】
【図１】スロットルバルブ管片（図示せず）の下流に位置し、内燃機関のシリンダに通じているプラスチック製または金属製の吸気管の部分断面図である。
【符号の説明】
１ 吸気管、 ２ 開口部、 ３ 弁、 ４ エラストマ製のきのこ弁、 ５弁棒、 ６ 中央開口部、 ７ ピン付加部、 ８ ねじスリーブ、 ９ リブ、 １０ フランジリング、 １１ カバーキャップ、 １２ 工具付加部、１３ リブ、 １４ 開口部、 １５ 開口部、 １６ リングギャップ、 １７ 吸入管壁、 １８ カバーキャップ外壁、 １９ スナップフック

Claims (3)

1. 内燃機関のための薄壁の吸気管であって、内燃機関のシリンダに通じている接続通路と、内燃機関によって吸入される燃焼空気を制御する少なくとも１つのスロットルバルブ管片とを備えており、前記吸気管（１）がスロットルバルブ管片下流に配置された、大気中に通じている開口部（２）を有しており、該開口部（２）は吸気管（１）内の所定圧力を越える圧力上昇時に開放し、それによって、圧力上昇による吸気管（１）の壁部の破裂が回避されるようになっており、前記開口部（２）が、吸気管（１）内の圧力上昇に応働する弁（３）によって制御され、該弁（３）は、圧力上昇が無くなると再び閉じるようになっている形式のものにおいて、弁（３）がエラストマ製のきのこ弁（４）によって形成されており、このエラストマ製のきのこ弁（４）が弁棒（５）で中央開口部（６）に突入し、ねじスリーブ（８）のピン付加部（７）によって保持されていることを特徴とする、内燃機関のための薄壁の吸気管。
2. ねじスリーブ（８）が、リブ（９）によってねじスリーブ（８）の端面に対して間隔をおいたフランジリング（１０）を有しており、このフランジリング（１０）にはカバーキャップ（１１）が被せ嵌められ、かつこのカバーキャップ（１１）はフランジリング（１０）とスナップフック（１９）によってクリップ留めされている、請求項１記載の吸気管。
3. ねじスリーブ（８）を開口部（２）内に螺入させるために、ねじスリーブ（８）のリブ（９）が工具付加部（１２）を形成している、請求項２記載の吸気管。

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