JP3893170B2 - 手術用顕微鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は手術用顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、手術の手技の高度化に伴なって、手術用顕微鏡にも様々な付加的機能が要求されるようになってきた。こうした付加的機能を果たすための装置としては、例えば、助手が手術を介助するために使用したり或いは手術手技の教育のために用いられるビデオカメラ等の撮影装置、術者の疲労を軽減して作業性を高めるために自動でピント合わせを行なうオートフォーカス装置、各症例に対応したレーザー治療装置、レーザー治療装置によるレーザー光線から術者の目を守るためのレーザー保護シャッター装置などが挙げられる。
【0003】
こうした付加的機能は手術の手技や術者の好み等によって使用されるものが異なる他、全ての機能を1台の手術用顕微鏡に持たせるとかなり高価なものになってしまうことから、付加的機能を果たすための前述した装置は、一般に、それぞれがユニット化されて、基本となる手術用顕微鏡に付属装置として後付けされるようになっている。
【0004】
手術用顕微鏡に対してこうした付属装置を後付けする場合には、付属装置を機能させるためのケーブル類が別途必要になる。取り付けられる付属装置が多ければ多いほど、こうしたケーブル類の数は多くなる。このようなケーブル類は、通常、手術用顕微鏡の周囲にむき出しの状態で這い回され、所々がバインダー等によってクランプ処理されている(纏められている)だけである。
【0005】
また、ケーブル類のこのようなむき出し状態を避けるために、付属装置を機能させるためのケーブル類の全てを顕微鏡側に予め内蔵しておき、付属装置側にはその着脱部に電気接点のみを設けるようにしたものもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、相当数のケーブル類が露出されたままの状態でバインダー等によってクランプ処理されているだけの状況では、これらのケーブル類に何かが引掛った場合に、ケーブル類の断線が心配されるだけでなく、ケーブル類が引張られることによって顕微鏡を保持するアームが術者の意志にかかわらず動いてしまい手術の進行が妨げられることが予想される。
【0007】
また、ケーブル類は、突張って前記アームの可動範囲を妨げないように、長さに充分な余裕を持っていることが必要があるが、ケーブルの弛みは、時として、術者の視界を妨げることもあり、実用上好ましくない。
【0008】
これに対し、ケーブル類の全てを顕微鏡に内蔵して電気接点のみを付属装置の着脱部に設けた場合には、ケーブルの露出がないため以上のような問題が生じないが、付属装置を使用しない場合でも、付属装置の電気接点と電気的に接続する接点部を顕微鏡側に設けておく必要があることから、その分、顕微鏡が高価なものになってしまう。また、付属装置の着脱部毎に電気接点があるのは、それだけ信頼性を損なうことにもなりかねない。
【0009】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、ケーブル類を露出させることなく収納でき、しかも、付属装置の後付けに安価に対応し得る信頼性の高い手術用顕微鏡を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る手術用顕微鏡は、架台に連結されたアームにより保持される顕微鏡本体と、前記顕微鏡本体の所定の面に開口縁部を有する溝部と、前記溝部に這い回されるようにその側面から延出されたケーブルを備え、前記ケーブルを通して電源を供給または信号を伝達するための外部機器と、前記ケーブルが這い回された前記顕微鏡本体の前記溝部を塞ぐとともに前記顕微鏡本体の表面を平滑化する蓋体と、前記外部機器の前記ケーブルが延出された側面と、前記溝部の前記開口縁部とを対向させるとともに、前記外部機器の側面から延出された前記ケーブルの延出基部を前記溝部の前記開口縁部に対向して配置して前記外部機器の前記ケーブルが延出された側面が前記蓋体とともに前記開口縁部を塞ぐように、前記外部機器と前記顕微鏡本体とを接続する接続部とを具備することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
本発明の第1の実施形態が図1ないし図7に示されている。図1に示すように、本実施形態に係る手術用顕微鏡は、鏡体部10と、鏡体部10を支持する支持装置31とからなる。
【0012】
図1に示すように、支持装置31は、手術室の床面に設置される架台1と、回転可能な3つのアーム6,7,9とを有している。架台1は、手術室の床面上を移動可能な基台2と、基台2に立設された支柱3とからなる。支柱3の上端部には、架台1を移動させる際に把持する取手4が設けられている。また、支柱3の側面には、各種のスイッチや調節ノブ等を有するパネル5が設けられている。
【0013】
支柱3の上端には第1のアーム6の一端が回動自在に連結されている。この場合、第1のアーム6は、図示しない光源部を内蔵しており、回動軸Aを中心として回動できるようになっている。
【0014】
第1のアーム6の他端には、第2のアーム7の一端が回動軸Bを中心に回動自在に連結されている。この第2のアーム7は平行リンク機構からなるパンタグラフとして構成されている。第2のアーム7の他端側は、上下に移動可能であり、スプリング8によって各変形位置におけるバランスが保持されるようになっている。
【0015】
また、第2のアーム7の他端には、鏡体保持アーム9が回動軸Cを中心に回動自在に取り付けられている。この鏡体保持アーム9は後述する顕微鏡の鏡体部10を保持している。したがって、鏡体部10を手で把持して動かせば、支持装置31の作用で、鏡体部10が任意の位置および向きに位置決めされる。
【0016】
図2に示すように、鏡体部10は、図示しない変倍光学系と対物レンズとが内蔵される顕微鏡本体11を有している。顕微鏡本体11の背面には、図4に示されるオートフォーカスユニット21(後述する)を着脱自在に接続するための雌アリ12が形成されている。また、顕微鏡本体11の下面には、図5に示されるレーザー保護シャッタ装置30(後述する)を着脱自在に接続するための雌アリ13が形成されている。
【0017】
また、図2に示すように、顕微鏡本体11には、その上面から側面にわたって、顕微鏡本体11の内部と仕切られている収納溝14が形成されている。この収納溝14は、顕微鏡本体11の上面に沿って長手方向に延び且つその一端が顕微鏡本体11の背面で側方に開口する第1の溝部14aと、顕微鏡本体11の上面に沿って第1の溝部14aに対して略垂直に延びてその一端が顕微鏡本体11の側面で開口するとともにその他端が第1の溝部14aの途中部に接続する第2の溝部14bと、顕微鏡本体11の側面に沿って上下に延びてその一端が顕微鏡本体11の下面で下方に開口するとともにその他端が第2の溝部14bの一端と接続する第3の溝部14cとからなる。
【0018】
第1の溝部14aの内壁に形成された穴15からは、レーザー保護シャッタ装置30(図5参照)を駆動させるための電源供給ケーブル(内蔵ケーブル)16と、オートフォーカスユニット21(図4参照)を機能させるためのケーブル(内蔵ケーブル)17とが露出している。つまり、これらのケーブル16,17は、レーザー保護シャッタ装置30やオートフォーカスユニット21を機能させるケーブルの一部をなすものとして予め顕微鏡側に内蔵されているものである。なお、図中、18,19は、ケーブル16、17の先端に設けられたコネクタである。
【0019】
収納溝14を閉塞するための蓋体20が図3に示されている。図示のように、この蓋体20は、第1の溝部14aを閉じる第1の閉塞部20aと、第2の溝部14bを閉じる第1の閉塞部20bと、第3の溝部14cを閉じる第3の閉塞部20cとからなる。なお、蓋体20の裏面には両面テープが貼付されている。
【0020】
顕微鏡本体11の背面に接続される前述したオートフォーカスユニット21が図4に示されている。オートフォーカスユニット21は、LED等の投光手段や撮像板等の受光手段およびこの受光手段に光束を結像させるための光学系などが内蔵された本体22からなる。本体22には、顕微鏡本体11の背面に設けられた雌アリ12と着脱自在に接続可能な雄アリ23が形成されている。また、雄アリ23を有する本体22の面からは前記投光手段や受光手段を機能させるためのケーブル24が延出している。このケーブル24が延出する位置は、アリ12,23同士の接続によってオートフォーカスユニット21を顕微鏡本体11の背面に接続した際に第1の溝部14aと対向する本体22の面位置である。なお、ケーブル24の先端には、顕微鏡本体11側の内蔵ケーブル17のコネクタ19と接続可能なコネクタ25が設けられている。
【0021】
顕微鏡本体11の下面に接続される前述したレーザー保護シャッタ装置30が図5に示されている。レーザー保護シャッタ装置30は、レーザー光線を遮断するための絞りやこの絞りを移動させて光束上に挿脱させるためのモーターなどの駆動系が内蔵された本体26からなる。本体26には、顕微鏡本体11の下面に設けられた雌アリ13と着脱自在に接続可能な雄アリ27が形成されている。また、雄アリ27を有する本体26の面からは前記駆動系を駆動させるための電気を供給するケーブル28が延出している。このケーブル28が延出する位置は、アリ13,27同士の接続によってレーザー保護シャッタ装置30を顕微鏡本体11の下面に接続した際に第3の溝部 14cと対向する本体26の面位置である。なお、ケーブル28の先端には、顕微鏡本体11側の内蔵ケーブル16のコネクタ18と接続可能なコネクタ29が設けられている。
【0022】
次に、オートフォーカスユニット21やレーザー保護シャッタ装置30を顕微鏡本体11に装着する場合について図6および図7を参照しながら説明する。
まず、蓋体20によって収納溝14が閉塞された状態から、蓋体20を顕微鏡本体11から取り外して、収納溝14を外部に露出させる。そして、この状態で、オートフォーカスユニット本体22の雄アリ23を顕微鏡本体11の背面の雌アリ12に嵌め込んで、オートフォーカスユニット21を顕微鏡本体11に装着する。この時、オートフォーカスユニット21側のケーブル24の延出位置が第1の溝部14aと対向するため、ケーブル24を第1の溝部14a内に這わせるようにして収納し、ケーブル24の先端のコネクタ25と穴15から延出する内蔵ケーブル17のコネクタ19とを第1の溝部14a内で接続する(図6参照)。 また、同様にして、レーザー保護シャッタ装置本体26の雄アリ27を顕微鏡本体11の下面の雌アリ13に嵌め込んで、レーザー保護シャッタ装置30を顕微鏡本体11に装着する。この時も、レーザー保護シャッタ装置30側のケーブル28の延出位置が第3の溝部14cと対向するため、ケーブル28を第3の溝部14c内に這わせるようにして収納するとともに、穴15から延出する内蔵ケーブル16を第1の溝部14aから第2の溝部14bおよび第3の溝部14cへと這わせ、内蔵ケーブル16のコネクタ18とケーブル28のコネクタ29とを第3の溝部14c内で接続する(図6参照)。無論、コネクタ18,29同士を第2の溝部14b内で接続しても良い。要するに、ケーブル16,17,24,28を収納溝14内に這わせるようにして収納し、ケーブル16,28同士およびケーブル17,24同士を収納溝14内で接続すれば良い。
【0023】
以上のようなケーブル16,17,24,28の接続および這い回し収納が完了したら、収納溝14を隠すべく蓋体20を顕微鏡本体11に装着し、蓋体20の裏面の両面テープを利用して蓋体20を顕微鏡本体11に固定する。その状態が図7に示されている。
【0024】
以上説明したように、本実施形態の手術用顕微鏡は、収納溝14を利用して、オートフォーカスユニット21やレーザー保護シャッタ装置30といった付属装置を機能させる全てのケーブル16,17,24,28を顕微鏡本体11に簡単に収納できるため、ケーブル16,17,24,28が断線したり、ケーブル16,17,24,28が引張られることによって鏡体10を保持するアーム6,7が術者の意志にかかわらず動いてしまい手術の進行が妨げられるといったことがない。また、ケーブル16,17,24,28によって術者の視界が妨げられることもない。
【0025】
また、本実施形態の手術用顕微鏡は、顕微鏡側の内蔵ケーブル16,17を、顕微鏡の内蔵物と接触しない(顕微鏡の内部構造から仕切られた)収納溝14内に露出させているため、言い換えれば、ケーブル16,17,24,28を収納する収納溝14が顕微鏡の内部構造から仕切られているため、オートフォーカスユニット21やレーザー保護シャッタ装置30といった付属装置を顕微鏡本体11に後付けする際に、顕微鏡の内蔵物に誤って触ってしまったり、顕微鏡内に埃を入れてしまう心配がなく、容易にケーブルの接続が行なえる。
【0026】
さらに、本実施形態の手術用顕微鏡は、ケーブル16,17,24,28が収納された収納溝14を外表面が平滑な蓋体20によって閉塞するようにしているため、ケーブル16,17,24,28が外部に露出することがなく、また、ケーブル収納後の顕微鏡本体11の外観形状を変えることなく付属装置の追加が行なえる。
【0027】
本発明の第2の実施形態が図8および図9に示されている。本実施形態の手術用顕微鏡は、ケーブルを収納するための溝が第1の実施形態と異なり、その他の部分は第1の実施形態と同一であるため、同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0028】
図8は、手術用顕微鏡の顕微鏡本体11にオートフォーカスユニット21とレーザー保護シャッタ装置30とを取り付けた状態を示している。顕微鏡本体11には第1の実施形態と略同一の収納溝14が形成されているが、収納溝14を形成する第1の溝部14aは、鏡体保持アーム9に面する顕微鏡本体11の側面で開口している。
【0029】
顕微鏡本体11に面する鏡体保持アーム9の側面には、上下方向に延び且つその一端が収納溝14の第1の溝部 14aに接続する収納溝35が形成されている。さらに、第2のアーム7の側面には、収納溝35の他端と接続するL字形の収納溝36が形成されている。
【0030】
図9は、前記3つの収納溝14,35,36を閉塞するための蓋体20,37,38を示している。図9の(a)に示された蓋体20は、収納溝14を閉じるためのものであり、図3に示したものと全く同一のものである。図9の(b)に示された蓋体37は、収納溝35を閉じるためのものであり、真直ぐな板状に形成されている。図9の(c)に示された蓋体38は、収納溝36を閉じるためのものであり、収納溝36の形状に対応したL字型に形成されている。なお、これらの蓋体20,37,38の裏面には両面テープが貼付されている。
【0031】
上記構成では、オートフォーカスユニット21とレーザー保護シャッタ装置30とを顕微鏡本体11に取り付けた後、オートフォーカスユニット21側のケーブル24とレーザー保護シャッタ装置30側のケーブル28とを、収納溝14から収納溝35を経て収納溝36へと這い回す。そして、ケーブル24,28の先端側は、収納溝36を通じて延ばされて、架台1付近で図示しない電源部などにコネクタ接続される。
【0032】
したがって、本実施形態の手術用顕微鏡によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、第1の実施形態のように付属装置を機能させるための内蔵ケーブル16,17をベースとなる顕微鏡側に内蔵させておく必要がないため、すなわち、付属装置の電気接点と電気的に接続する接点部を顕微鏡側に設けておく必要がないため、手術用顕微鏡を安価に製作でき、しかも、万が一、ケーブルの断線が起こった場合にも、修理が容易となる。
【0033】
本発明の第3の実施形態が図10および図11に示されている。本実施形態の手術用顕微鏡は第2の実施形態の変形例であるため、第2の実施形態と同一の構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0034】
図10に示すように、本実施形態の手術用顕微鏡において第2の実施形態と異なる点は、収納溝14から収納溝35内に這い回されたオートフォーカスユニット21側のケーブル24とレーザー保護シャッタ装置30側のケーブル28とを、鏡体保持アーム 9の回転軸C内を通して収納溝36内に導くようにした点である。
【0035】
回転軸Cは鏡体保持アーム40の上端に固着されている。また、回転軸Cには、その軸方向に沿って、ケーブル24,28の外径よりも大きい幅で開口するスリット45が形成されている。したがって、このスリット45を通じてケーブル24,28を側方から回転軸C内に配置することができる。
【0036】
収納溝14および収納溝35は、第2の実施形態と同様、図9の(a)(b)に示された蓋体20,37によって閉じられるが、収納溝36は図11に示される蓋体38´によって閉じられる。この蓋体38´は、スリット45を通じてケーブル24,28が回転軸C内から脱線することを防止する脱線防止部47を有している。この脱線防止部47は、回転軸Cの径とほぼ等しい径の凹部49を有している。また、蓋体38´には、第2のアーム7に設けられたタップ48,48と固定的に接続する接続部46,46が設けられている。
【0037】
上記構成では、オートフォーカスユニット21とレーザー保護シャッタ装置30とを顕微鏡本体11に取り付けた状態で、オートフォーカスユニット21側のケーブル24とレーザー保護シャッタ装置30側のケーブル28とを、収納溝14から収納溝35へと這い回した後、回転軸C内を通して収納溝36内に導く。そして、ケーブル24,28の先端側は、収納溝36を通じて延ばされて、架台1付近で図示しない電源部などにコネクタ接続される。その後、蓋体20,37を収納溝14,35の上から被せて接着固定し、蓋体38´をその脱線防止部47の凹部49が回転軸Cの外周に略フィットするように収納溝36の上から被せてビスにより固定する。
【0038】
以上のように、本実施形態の手術用顕微鏡によれば、第2の実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、ケーブル24,28を回転軸C内に通すようにしているため、アーム7,9が相対的に移動する回転部でのケーブル24,28の断線を防止することができる。
【0039】
ところで、手術用顕微鏡は手術に使用されるという性格上、使用時は極めて清潔でなければならないが、手術用顕微鏡を清潔にするための方法としては従来から2つの方法が一般に行なわれている。
【0040】
その第1の方法は、術前に手術用顕微鏡を鏡体部側から袋で覆い、袋の中に滅菌作用のあるガスを入れて、鏡体部を移動および保持するためのアームの上で袋の口を縛り、時間をかけて手術用顕微鏡自体を滅菌した後、袋を顕微鏡から外す方法である。この方法では、ガスによって顕微鏡内部の光学部品に施されたコーティングが侵されるため、実開平6−15020に開示されているように顕微鏡自体を密封構造とすることが望まれる。
【0041】
また、第2の方法は、USP3698791号、USP4561540号、USP4045118号等に開示されているように、手術用顕微鏡自体に滅菌されたビニール袋(以下、ドレープという。)を被せ、ドレープを対物レンズや接眼レンズの先端で両面テープなどにより固定するとともに、アーム上でもドレープを紐等によって縛って固定する方法である。
【0042】
しかし、第1の方法では、アーム上で袋の口を縛る時、顕微鏡に接続されたケーブルとアームとの間の隙間またはケーブルと袋との間の隙間からガスが漏れてしまう。したがって、滅菌効果が不安定となり、これを補うために大量のガスと時間が必要となる。
【0043】
また、第2の方法では、ドレープを被せた状態で手術用顕微鏡に設けられた操作部を操作する場合に、ドレープの上からの操作となるため、操作が思うようにいかないといった問題がある。すなわち、例えば人間の視度に個人差があるために行なわれる接眼レンズの視度調整では、一般に接眼レンズの先端が視度調整時に回転する(例えば特開平7−146445号公報参照)ため、ドレープを被せた状態で視度調整操作部を回転するとドレープも一緒に回転してしまい、ドレープがよじれて破けてしまったり、よじれたドレープが元に戻ろうとする力によってせっかく調整した視度が狂ってしまうことがある。無論、このような不都合を回避するために、視度調整操作部よりも下方でドレープを接眼レンズに固定することも考えられるが、この場合には、滅菌されていない視度調整操作部がドレープ外に露出してしまい、術者が変わった場合に再度視度調整をやり直すことができなくなってしまう。
【0044】
そこで、以下では、第1の方法の問題点を解決するための手段を図12ないし図14を参照しながら開示することとし、また、第2の方法の問題点を解決するための手段を図15を参照しながら開示することとする。
【0045】
図12は、 前記第1の方法の問題点を解決するための第1の手段を示している。なお、図中、図1と共通する部分については同一符号を付してある。
図12の(a)中において、50は例えばオートフォーカスユニット21(図4参照)等のためのケーブルである。51は第1のアーム6に形成された溝であり、この溝51の形状および大きさはケーブル50の断面とほぼ同じ形状および大きさをしている。52は手術用顕微鏡を覆っている袋であり、53はこの袋52を第1のアーム6上で縛るための紐である。
【0046】
図12の(b)は、第1のアーム6の溝51の部位をAーA方向(図12の(a)参照)に沿って切断した際の概略断面図である。図示のように、溝51にはケーブル50が嵌め込まれている。この状態で、袋52の中に滅菌作用のあるガス55を充満させると、手術用顕微鏡は、袋52内に入っている部分がガスによって滅菌消毒される。
【0047】
この第1の手段によれば、第1のアーム6とケーブル50との間の隙間が従来よりも格段に小さくなるため、こうした隙間からのガス漏れを効果的且つ簡単に減少させることができる。
【0048】
したがって、滅菌効果の安定性を高めることができる。なお、ケーブルの本数に合わせて溝51を形成すれば、ケーブルの本数が多ければ多いほど本手段による効果は大きくなる。
【0049】
図13は、第1の方法の問題点を解決するための第2の手段を示している。図13の(a)にはケーブル支え部材56が示されている。このケーブル支え部材56は、ケーブル50の断面とほぼ同じ形状および大きさを有する溝57を有している。また、ケーブル支え部材56の横幅Xは、第1のアーム6の横幅Yと同一に設定されている。
【0050】
このようなケーブル支え部材56を用いて手術用顕微鏡を消毒する場合には、図13の(b)に示すように、ケーブル支え部材56を第1のアーム6の上に載せて、ケーブル50を溝57に嵌め込む。そして、第1のアーム6とケーブル支え部材56とを一緒に紐53で縛って固定する。
【0051】
このような手段によれば、ケーブル50がない場合において、第1のアーム6と別体であるケーブル支え部材56を外しておけば、溝57からのガス漏れを防止することがきる。すなわち、前記第1の手段では、ケーブル50がない場合において、ガス滅菌時に袋52内のガスが溝51から漏れてしまうことがあるが、この第2の手段では、ケーブル支え部材56を除去することによって溝57をなくすことができるため、状況に応じたガス漏れを対策を講じることができる。
【0052】
なお、図14に示すように、ケーブル支え部材56を弾性部材によって形成し、溝57の口元をケーブル50の直径よりも狭めて溝57内にケーブル50を押し込むように装着すれば、ケーブル50とケーブル支え部材56との間の隙間をなくすことができる。
【0053】
図15は、第2の方法の問題点を解決するための手段を示している。図15の(a)は視度調整機構を有する接眼レンズ装置60の断面図である。図示のように、接眼レンズ装置60は、接眼レンズ(接眼レンズ群)61を支持するとともにその外周面にヘリコイド62を有する円筒状のレンズ支持部63と、このレンズ支持部63とネジ部64で螺合して一体化された第1の円筒部材65と、この第1の円筒部材65の外周に嵌合する内径を有し且つ顕微鏡本体 11(図1参照)に固定される接眼枠66と、この接眼枠66とネジ部67で螺合して一体化され且つその内周面にレンズ支持部材63のヘリコイド62と螺合するヘリコイドを有する第2の円筒部材68と、接眼枠66の外周に嵌合する内径を有し且つ接眼枠66の先端部以外の部位に外嵌された視度調整環71と、から構成されている。なお、図中、76は端部に開口77を有するドレープであり、78は開口部付近に設けられた両面テープである。また、視度調整環71は、図に示すごとく、ピン70を有している。
【0054】
図15の(b)は、第1の円筒部材65を図15の(a)に示す矢印Bの方向から見た図である。図中、73は第1の円筒部材65に形成された切り欠きであり、また、点線で示された74は接眼枠66に形成された長穴である。ピン70は、長穴74を通じて切り欠き73に係合している。
【0055】
上記構成の接眼レンズ装置60における視度調整は、視度補正環71を手で回すことにより行なえる。すなわち、視度補正環71を回転させると、ピン70が接眼枠66に設けられた長穴74の長手方向に沿って移動し、このピン70が回転する力に押されて第1の円筒部材65も同一方向に回転する。したがって、第1の円筒部材65と一体化されているレンズ支持部63も同様に回転する。また、この場合、レンズ支持部63は第2の円筒部材68とヘリコイド62によって螺合しているため、前述した回転動作が起こることによって、図15の(a)中に矢印で示すようにレンズ支持部63の直線移動(光軸方向の移動)も同時に行なわれることになる。なお、ドレープ76は、開口77付近で接眼枠66の全周に接するように絞られ、開口77が広がって接眼枠66に対して緩まないように絞ったところを両面テープ78によって固定される。
【0056】
したがって、上記構成の接眼レンズ装置60は、ドレープ76が固定されている接眼枠66が視度調整操作時に回転しないため、視度調整時にドレープ76がよじれて破れてしまったり、視度調整後によじれたドレープが元に戻ろうとする力によってせっかく調整した視度が再び狂ってしまうことがない。
【0057】
なお、以上説明してきた技術内容によれば、以下に示すような各種の構成が得られる。
1.電源を供給または信号を伝達するためのケーブルを有した付属装置が着脱可能な手術用顕微鏡において、前記ケーブルを収納可能で且つ顕微鏡内部構造と仕切られている溝が顕微鏡本体の外表面に形成され、前記溝を塞いで外表面を平滑にするための蓋が着脱自在であることを特徴とする手術用顕微鏡。
【0058】
2.第1項に記載の手術用顕微鏡において、前記溝は、顕微鏡本体の外表面から顕微鏡本体を移動または保持するアームの外表面につづく如く形成したことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0059】
3.第2項に記載の手術用顕微鏡において、相対的に回転運動する部分における回転軸の内部に付属ユニットのケーブルを配置したことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0060】
4.電源を供給または信号を伝達するためのゲーブルを備えた手術用顕微鏡において、顕微鏡自体を移動および保持するアームに前記ケーブルの一部が埋没可能であり、ケーブルを埋没させた時に外観形状が略平滑となる溝を配置したことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0061】
5.視度調整操作部を回転させながらヘリコイドを用いて接眼レンズ支持部を光軸方向にシフトさせることによって視度調整を行なう視度調整機構と、ドレープを固定するドレープ固定部とを有する接眼レンズ装置を備えた手術用顕微鏡において、前記ドレーブ固定部と前記視度調整操作部とを別体で構成し、また、視度調整操作部の回転運動を直線運動に変換した位置にドレーブ固定部を配置し、さらに、視度調整操作部をドレープ固定部より顕微鏡本体側に配置したことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0062】
6.第5項に記載の手術用顕微鏡の接眼レンズ装置は、前記接眼レンズ支持部と一体で回転する部材に、前記接眼レンズの光軸と同方向に形成された切り欠きを設け、また、顕微鏡本体に固定される接眼枠に、前記切り欠きと交差する方向に長穴を設け、その切り欠きおよび長穴の両者に嵌合されるピンを有した視度調整環を、前記接眼枠以外に配置したことを特徴とする手術用顕微鏡。
(第4項の効果)
第4項に記載の構成では、ケーブルを埋没させた時にその外観形状が平滑となる溝をアームに設けたため、滅菌時はこの溝にケーブルを埋没することによって、滅菌用の袋とケーブルとの隙間を無くすことができる。つまり、滅菌効果の安定した手術用顕微鏡を提供することができる。
(第5項および第6項の効果)
第5項および第6項に記載の構成では、ドレープ固定部と視度調整操作部とを別体で構成し、また、視度調整操作部の回転運動を直線運動に変換した位置にドレープ固定部を配置し、さらに、視度調整操作部をドレープ固定部より顕微鏡本体側に配置したため、視度調整を行なう際にドレープ固定部が回転することがなく、したがって、ドレープによじれが生じない。つまり、清潔区域を確保するべく接眼レンズ装置先端までドレープを被せて、接眼レンズ装置の先端にてドレープを固定しても、ドレープをよじれさせることなく視度調整の行なえる手術用顕微鏡を提供することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、付属装置の後付けを行なう際に、ケーブル類を露出させることなく収納できるので、ケーブルの露出により手術を妨げられたり、視界を妨げられることがない手術用顕微鏡を提供できる。しかも、前記付属装置の後付けは安価かつ容易に対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る手術用顕微鏡の全体構成を示す概略図。
【図2】図1の手術用顕微鏡の本体を拡大して示す斜視図。
【図3】蓋体の斜視図。
【図4】オートフォーカスユニットの斜視図。
【図5】レーザー保護シャッタ装置の斜視図。
【図6】ケーブルを本体の溝内に収納した状態を示す斜視図。
【図7】溝を蓋体によって閉じた状態を示す斜視図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る手術用顕微鏡の本体の溝内にケーブルを収納した状態を示す斜視図。
【図9】蓋体の斜視図。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る手術用顕微鏡の本体の溝内にケーブルを収納した状態を示す斜視図。
【図11】蓋体の斜視図。
【図12】(a)は優れた滅菌能が得られる第1の滅菌手段の開示に係る手術用顕微鏡の全体図、(b)は(a)のAーA線に沿う断面図。
【図13】(a)は優れた滅菌能が得られる第2の滅菌手段の開示に係るケーブル支え部材の斜視図、 (b)はケーブル支え部材がアームに取り付けられた状態の断面図。
【図14】図13のケーブル支え部材の変形例を示す斜視図。
【図15】(a)は視度調整機構を有する接眼レンズ装置の断面図、(b)は(a)のB方向矢視図。
【符号の説明】
14,35,36…溝
20,37,38,38´…蓋体
16,17,24,26…ケーブル
21…オートフォーカスユニット(付属装置)
30…レーザー保護シャッタ装置(付属装置)

Claims (1)

  1. 架台に連結されたアームにより保持される顕微鏡本体と、
    前記顕微鏡本体の所定の面に開口縁部を有する溝部と、
    前記溝部に這い回されるようにその側面から延出されたケーブルを備え、前記ケーブルを通して電源を供給または信号を伝達するための外部機器と、
    前記ケーブルが這い回された前記顕微鏡本体の前記溝部を塞ぐとともに前記顕微鏡本体の表面を平滑化する蓋体と、
    前記外部機器の前記ケーブルが延出された側面と、前記溝部の前記開口縁部とを対向させるとともに、前記外部機器の側面から延出された前記ケーブルの延出基部を前記溝部の前記開口縁部に対向して配置して前記外部機器の前記ケーブルが延出された側面が前記蓋体とともに前記開口縁部を塞ぐように、前記外部機器と前記顕微鏡本体とを接続する接続部と
    を具備することを特徴とする手術用顕微鏡。
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