JP3893131B2 - 洗濯機及びその制御方法 - Google Patents

Description

本発明は、銀溶液を用いて洗濯物を殺菌・洗濯することが可能な洗濯機の制御方法に関する。

銀溶液は、銀イオン（Ａｇ^＋）を発生させて水に溶かしたもので、抗菌剤又は殺菌剤として使用する。銀溶液は約６５０余種の細菌を殺菌（消毒）するものと報告された。特に、銀溶液は、一般抗生物質とは異なり、耐性を有しないという特徴があり、毒性が全くなくて非常に安全である。銀溶液を作る方法は、電気的分解方法、化学的分解方法及び粉砕方法などがある。その中でも、最も優れた効果を有する方法が電気的分解方法である。この電気的分解方法では銀イオンが水に分解されて溶かされる。

このような銀溶液の抗菌及び殺菌作用によって洗濯物を殺菌する洗濯機には、銀溶液を製造して供給する銀溶液供給装置を採用している。銀溶液供給装置を稼動することにより、銀溶液入りの洗濯水を水槽に供給することができる。

銀溶液を用いて洗濯する普通の洗濯機では、水槽に銀溶液を供給した後、水流を発生させて洗濯を行うが、洗濯の際に中断することなく洗濯し続けると、洗濯物の損傷が加重されることもある。これを勘案し、必要とする洗濯時間より短く洗濯を行うと、洗濯効果が低下するうえ、銀溶液に洗濯物が接触する時間が十分でないため、完全に殺菌されないなど殺菌効果が低下するという問題点が生ずる。

本発明の目的は、銀溶液入りの洗濯水を水槽に供給した後、水流の発生を制御することにより、洗濯物の損傷を防止し且つ銀溶液による殺菌効果を高めることを可能にした洗濯機の制御方法を提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明は、銀溶液を用いて洗濯物を洗濯する洗濯機において、水槽と、前記水槽に銀溶液を供給するための銀溶液供給装置と、水流を発生させるための水流発生装置と、前記銀溶液によって前記洗濯物を殺菌するように前記水流発生装置を制御するコントローラとを含むことを特徴とする。

本発明によれば、前記コントローラは、前記水流発生装置を稼動して前記洗濯物を洗濯する動作と、前記水流発生装置を停止して前記洗濯物を殺菌する動作とを交互に行うことを特徴とする。

本発明によれば、前記コントローラは、設定された洗濯時間の間、前記洗濯物に対する洗濯と殺菌とを交互に行うことを特徴とする。

本発明によれば、前記コントローラは洗濯時間と殺菌時間との比を１：４に設定することを特徴とする。

本発明によれば、前記水流発生装置は、前記水槽の底部に設置されたパルセーターと、前記パルセーターを回転させるための洗濯モータとを含み、前記コントローラの制御によって前記洗濯モータを駆動することを特徴とする。

また、前記目的を達成するための本発明は、銀溶液を用いて、水槽に入っている洗濯物を殺菌・洗濯する洗濯機の制御方法において、前記水槽に洗濯水と共に銀溶液を供給し、前記洗濯物の洗濯時に水流発生を停止して前記銀溶液による前記洗濯物を殺菌する動作を含むことを特徴とする。

本発明によれば、前記水流を発生して前記洗濯物を洗濯する動作と、前記水流の発生を停止して前記洗濯物を殺菌する動作とを交互に行うことを特徴とする。

本発明によれば、前記水流を発生する動作を制御して前記洗濯物に対する洗濯と殺菌とを交互に行うことを特徴とする。

本発明によれば、前記洗濯物に対する洗濯時間と殺菌時間との比を１：４に設定することを特徴とする。

本発明は、銀溶液を用いた洗濯物の洗濯時に水流発生を制御することにより、洗濯物の損傷を減らすと共に銀溶液による殺菌効果を十分発揮することができるため、製品の信頼性を増大させることができる。

以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図１は本発明に適用する洗濯機を示す断面図である。図１に示すように、洗濯水の溜水のために本体ケース１０２の内部に水槽１０４が設置され、この水槽１０４の内部に回転可能に洗濯槽１０６が設置される。また、洗濯槽１０６の内部には洗濯水流を形成するように正回転及び逆回転を行うパルセーター１０８が設置され、水槽１０４の下部には洗濯槽１０６とパルセーター１０８を回転させるための駆動装置１１０が設置される。この駆動装置１１０は洗濯モータ１１２と伝動装置１１４とから構成される。洗濯モータ１１２は電源の印加を受けて回転し、伝動装置１１４はこの回転力がパルセーター１０８と洗濯槽１０６に選択的に伝達できるようにする。洗濯モータ１１２と伝動装置１１４との間には伝動を媒介するベルト１１６が連結される。また、水槽の下方に排水装置１１８が設けられる。この排水装置１１８は排水管１１８ａの途中に設置された排水バルブ１１８ｂを備える。

洗濯機に電源を供給し、洗濯コースが設定されると、水槽１０４の内部に洗濯水が供給される。給水される洗濯水は洗剤溶解装置（図示せず）を経由して洗剤を溶解させ、洗剤と共に水槽１０４の内部に供給される。

使用者が殺菌洗濯コースを選択した場合には、このような給水動作と共に銀溶液供給装置１２０の入口バルブ１２４が開になることにより、貯蔵容器１２２の内部に水供給が行われる。銀溶液供給装置１２０の２つの銀板２６０、２７０に電源が印加されると、銀溶液が製造されて洗濯槽１０６の内部に供給される。すなわち、貯蔵容器１２２に供給される水は、一定量の溜水を保ったまま徐々に排出されるが、このような過程で２つの銀板２６０、２７０と水の電気分解によって銀溶液が製造される。製造された銀溶液は入口バルブ１２４を介して洗濯槽１０６へ供給される。

図２は本発明に係る洗濯機の制御ブロック図である。
図２に示すように、本発明は銀溶液を用いた洗濯機の全般的な動作を制御するコントローラ２００を備える。前記コントローラ２００の入力端には、銀溶液を用いた殺菌洗濯コースを始めとして使用者所望の洗濯コースを選択することが可能な洗濯コース設定部２１０と、水槽１０４の内部に充填される洗濯水の水位を感知する水位感知部２２０とが連結される。前記コントローラ２００の出力端には、排水バルブ１１８ｂと給水バルブ（図示せず）を駆動するためのバルブ駆動部２３０と、洗濯モータ１１２を駆動するための洗濯モータ駆動部２４０と、水を電気分解して銀溶液を製造するように２つの銀板２６０、２７０に電源を供給するための銀溶液供給装置駆動部２５０とが連結される。

洗濯コース設定部２１０を用いて、使用者が銀溶液を用いた殺菌洗濯コースを設定する場合、前記コントローラ２００は、必要とする洗濯水より一定量だけ少なく初期給水（一例として必要とする洗濯水の８０％）して高濃度の洗剤が水槽に供給されるようにした後、洗濯モータ１１２を駆動して高濃度洗濯を所定の時間（一例として５分）行う。その後、２次給水（残り２０％）を補充した後、洗濯モータ１１２を第１設定時間駆動する動作と、第２設定時間洗濯モータ１１２を停止する動作とを交互に行う。すなわち、第１設定時間（一例として１分）洗濯モータ１１２を駆動して水流を発生させ、この水流発生によって洗濯水と洗濯物との摩擦を誘導して洗濯を行うようにし、第１設定時間が経つと、洗濯モータ１１２を停止させた後、第２設定時間（一例として４分）洗濯モータを停止させて水流発生を停止させることにより、洗濯水に含有された銀溶液に洗濯物が接触する時間を十分確保して洗濯物の殺菌を行う。このような洗濯物の洗濯と殺菌は、設定された殺菌洗濯時間（一例として６０分間）交互に行われる。殺菌洗濯時間が経つと、本洗濯を所定の時間行った後、洗濯行程を終了する。ここで、本洗濯は洗濯モータの正回転と逆回転を行い続けるもので、好ましくは５分に設定する。

次に、前記構成を有する本発明に係る洗濯機の制御方法を添付図面に基づいて説明する。
図３は使用者によって銀溶液を用いた殺菌洗濯コースを行う場合のフローチャートである。

まず、前記コントローラ２００は、洗濯コース設定部２１０を用いて設定する洗濯コースが殺菌コースに相当すると、バルブ駆動部２３０を制御して洗濯水を給水するが、この洗濯水が洗剤溶解装置（図示せず）と銀溶液供給装置１２０を経由して洗剤及び銀溶液と共に水槽１０４の内部に洗濯水を給水する（３００）。次に、前記コントローラ２００は、水位感知部２２０で感知される洗濯水位が必要とする洗濯水位より一定量だけ低い水位（実施例では洗濯水位の８０％）に到達したか否かによって初期給水が完了したか否かを判断する（３０２）。ここで、初期給水時に洗濯水を少なく供給する理由は高濃度の洗剤で洗濯物を洗濯するためである。

動作（３０２）の判断結果、初期給水が完了しなければ、前記動作（３００）に戻り、初期給水が完了すれば、水槽１０４に高濃度の洗剤、銀溶液及び洗濯水が供給された状態で、前記コントローラ２００は洗濯モータ駆動部２４０を制御して洗濯モータ１１２を駆動して高濃度洗濯を行う（３０４）。

高濃度洗濯を行う途中で、前記コントローラ２００は、設定された高濃度洗濯時間（一例として５分）が経過したか否かを判断し（３０６）、その判断結果、高濃度洗濯時間が経過していない場合には動作（３０４）に戻り、高濃度洗濯時間が経過した場合にはバルブ駆動部２３０を制御して２次給水を行う。ここで、２次給水は必要とする洗濯水位から初期給水時に供給した洗濯水の水位を差し引いた残余洗濯水（一例として洗濯水位の２０％）を供給する（３０８）。

前記コントローラ２００は、２次給水が完了したか否かを判断し（３１０）、その判断結果、２次給水が完了しなければ動作（３０８）に戻って２次給水を行い続け、その判断結果、２次給水が完了すれば動作（３１２）に移行する。

後述の動作（３１２）ないし動作（３２０）は水流発生を制御して前記洗濯物に対する洗濯と殺菌を交互に行うもので、これにより洗濯モータの長時間の駆動による洗濯物の損傷を防止し且つ銀溶液と洗濯物との十分な接触によって殺菌効果を増大させることができる。これを説明すると、次の通りである。

２次給水が完了した場合、前記コントローラ２００は、内蔵されたカウンタを用いて洗濯時間をカウントすると共に、洗濯モータ駆動部２４０を制御して洗濯モータ１１２を駆動し、これにより水流が発生し、発生した水流によって洗濯水と洗濯物との摩擦により洗濯が行われる（３１２）。次に、前記コントローラ２００は、第１設定時間（一例として１分）が経過したか否かを判断し（３１４）、その判断結果、第１設定時間が経過していない場合には、水流を発生させ続けるために洗濯モータ１１２を駆動し、その判断結果、第１設定時間が経過した場合には、洗濯モータ駆動部２４０を制御して洗濯モータ１１２を停止する（３１６）。次に、前記コントローラ２００は、第２設定時間（一例として４分）が経過したか否かを判断し（３１８）、その判断結果、第２設定時間が経過していない場合には、引き続き水流の発生を停止させるために洗濯モータ１１２を停止する。その判断結果、第２設定時間が経過した場合には、カウントされた洗濯時間が設定の殺菌洗濯時間（一例として６０分）を経過したか否かを判断し（３２０）、その判断結果、カウントした洗濯時間が設定の殺菌洗濯時間を経過していない場合には、洗濯モータ１１２の駆動と停止を交互に行う動作を持続するために動作（３１２）に戻る。

動作（３２０）の判断結果、カウントした洗濯時間が設定の殺菌洗濯時間を経過した場合には、前記コントローラ２００は、洗濯モータ１１２を駆動し続けて本洗濯を所定の時間行うが、ここで、本洗濯を行う時間は５分に設定することが好ましい。

本発明に適用する洗濯機を示す断面図である。 本発明に係る洗濯機の制御ブロック図である。 本発明に係る洗濯機の制御方法を示すフローチャートである

符号の説明

１０２ 本体ケース
１１２ 洗濯モータ
１２０ 銀溶液供給装置

Claims (4)

1. 銀溶液を用いて、水槽に入っている洗濯物を殺菌・洗濯する洗濯機の制御方法において、前記水槽に洗濯水と共に銀溶液を供給し、洗濯水位が必要とする洗濯水位より一定量だけ低い水位にまで初期給水を行った後、高濃度洗濯を行い、更に二次給水を行った後、前記洗濯物の洗濯時に水流発生を停止して前記銀溶液による前記洗濯物を殺菌する動作を含むことを特徴とする洗濯機の制御方法。
2. 前記水流を発生させて前記洗濯物を洗濯する動作と、前記水流の発生を停止して前記洗濯物を殺菌する動作とを交互に行うことを特徴とする請求項１記載の洗濯機の制御方法。
3. 殺菌洗濯時間が終了した後、本洗濯を行うことを特徴とする請求項１、２のいずれかに記載の洗濯機の制御方法。
4. 前記洗濯物に対する洗濯時間と殺菌時間との比を１：４に設定することを特徴とする請求項２記載の洗濯機の制御方法。

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