JP2017143891A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】多岐に亘る種類の洗剤と漂白剤が様々な組み合わせで使用された場合でも、除菌効果を発現させることができるようにする。
【解決手段】筐体1内に弾性支持された水槽2と、水槽2内に回転可能に設けた洗濯槽3と、洗濯槽3を回転駆動するモータ8と、水槽2に洗濯水を給水する給水弁9と、水槽2内に洗剤を投入する洗剤投入部14と、水槽2内に漂白剤を投入する漂白剤投入部15と、水槽2内の洗濯水のpH値を検知するpH検知部24と、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を実行する制御部25とを備え、制御部25は、水槽2内に洗剤と漂白剤が投入された後の洗濯水のpH値をpH検知部24により検知し、検知した洗濯水のpH値に応じて洗い工程における洗い時間を設定するようにしたものである。
【選択図】図1
【解決手段】筐体1内に弾性支持された水槽2と、水槽2内に回転可能に設けた洗濯槽3と、洗濯槽3を回転駆動するモータ8と、水槽2に洗濯水を給水する給水弁9と、水槽2内に洗剤を投入する洗剤投入部14と、水槽2内に漂白剤を投入する漂白剤投入部15と、水槽2内の洗濯水のpH値を検知するpH検知部24と、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を実行する制御部25とを備え、制御部25は、水槽2内に洗剤と漂白剤が投入された後の洗濯水のpH値をpH検知部24により検知し、検知した洗濯水のpH値に応じて洗い工程における洗い時間を設定するようにしたものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、衣類等の洗濯物を洗う洗濯機に関するものである。
一般的に、洗濯機で洗った衣類等の洗濯物の部屋干し時、あるいは、乾燥後の使用時に不快臭を感じることが知られている。この不快臭の原因は、洗濯物に付着した菌の洗い流し不足や、洗剤によって洗い流された菌の他の洗濯物への再付着、あるいは、洗濯機に生息していた菌の洗濯物への付着等によって、洗った洗濯物に残る菌が洗濯物に残った汚れ物質を栄養成分として代謝物を生成することによるものと考えられている。
そこで、このような不快臭をなくすために、洗剤中に除菌、殺菌効果を有する化合物を配合し、洗濯時の洗い工程において、洗濯物に付着した雑菌を除菌、殺菌することが考えられている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載された洗剤組成物及び洗濯方法は、周期表の第4周期にある遷移元素、亜鉛又は銀を含む粒状の水溶性塩と、アミノカルボン酸又はその塩と、アルカリ剤からなる洗剤組成物と、水に溶解して過酸化水素を発生する化合物及び過酸化水素からなる混合物を洗濯時に用いることにより、洗い工程において漂白効果と共に除菌効果を発現させ、洗濯物に生息する雑菌を除菌するようにしたものである。
また、特許文献2に記載された除菌方法は、過酸化水素、界面活性剤、カチオン系化合物を含有し、pH値が3〜10未満の処理液に繊維製品を5分以上浸漬処理することにより、繊維製品の除菌ができ、洗濯後のニオイも低減できるようにしたものである。
また、複数の洗濯関連処理剤(洗剤、漂白剤、除菌剤、糊剤、柔軟仕上げ剤等)を個別に投入できるようにした洗濯機が考えられている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に記載された洗濯機は、洗濯物の汚れ度に応じて洗剤、漂白剤及び除菌剤の投入量を設定するようにしたものである。
しかしながら、前記従来の構成では、除菌効果を発現する過酸化水素成分の状態が洗濯水のpH値や水温によって変化することによりその除菌効果の程度が異なり、水質や季節による水温変動などの洗濯を行う環境条件の違い、また、使用する洗剤や漂白剤の選択肢および組み合わせが多い中で、必ずしも最適な除菌効果を発現させることができないという問題があった。
すなわち、過酸化水素の解離促進も含めて除菌効果を高めるためには、洗濯水のpH値がアルカリ性になっていることが好ましく、できればpH8以上がより好ましい。しかし、洗濯水のpH値を決定する洗剤の中には中性洗剤も多く販売されているため、漂白剤との組み合わせによっては中性近傍となることで除菌効果が発現されない場合が生じる。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、多岐に亘る種類の洗剤と漂白剤が様々な組み合わせで使用された場合でも、除菌効果を発現させることができる洗濯機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、第1の発明の洗濯機は、筐体内に弾性支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けた洗濯槽と、前記洗濯槽を回転駆動するモータと、前記水槽に洗濯水を給水する給水部と、前記水槽内に洗剤を投入する洗剤投入部と、前記水槽内に漂白剤を投入する漂白剤投入部と、前記水槽内の洗濯水のpH値を検知するpH検知部と、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を実行する制御部とを備え、前記制御部は、前記水槽内に洗剤と漂白剤が投入された後の洗濯水のpH値を前記pH検知部により検知し、検知した洗濯水のpH値に応じて前記洗い工程における洗い時間を設定するようにしたものである。
また、第2の発明の洗濯機は、筐体内に弾性支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けた洗濯槽と、前記洗濯槽を回転駆動するモータと、前記水槽に洗濯水を給水する給水部と、前記水槽内に洗剤を投入する洗剤投入部と、前記水槽内に漂白剤を投入する漂白剤投入部と、前記水槽内の洗濯水のpH値を検知するpH検知部と、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を実行する制御部とを備え、前記制御部は、前記水槽内に洗剤が投入された後の洗濯水のpH値を前記pH検知部により検知し、検知した洗濯水のpH値に応じて設定された漂白剤量を投入するようにしたものである。
これによって、市場で販売されている洗剤と漂白剤が様々な組み合わせで使用された場合でも、洗濯水中での漂白剤による除菌作用を維持し、洗濯物に生息する雑菌に対して除菌効果を発現させることが可能となる。
本発明の洗濯機は、多岐に亘る種類の洗剤と漂白剤が様々な組み合わせで使用された場合でも、除菌効果を発現させることができる。
第1の発明の洗濯機は、筐体内に弾性支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けられた洗濯槽と、前記洗濯槽を回転駆動するモータと、前記水槽に洗濯水を給水する給水部と、前記水槽内に洗剤を投入する洗剤投入部と、前記水槽内に漂白剤を投入する漂白剤投入部と、前記水槽内の洗濯水のpH値を検知するpH検知部と、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を実行する制御部とを備え、前記制御部は、前記水槽内に洗剤と漂白剤が投入された後の洗濯水のpH値を前記pH検知部により検知し、検知した洗濯水のpH値に応じ
て前記洗い工程における洗い時間を設定するように構成されたものである。これにより、市場で販売されている多岐に亘る種類の洗剤と漂白剤が様々な組み合わせで使用された場合でも、洗剤と漂白剤が溶解した後の洗濯水のpH値に応じた漂白剤のもつ過酸化水素の酸化力の強さによって、洗濯物に作用させる洗い時間を変化させることで、洗濯物に生息する雑菌に対して除菌効果を発現させることが可能となる。
て前記洗い工程における洗い時間を設定するように構成されたものである。これにより、市場で販売されている多岐に亘る種類の洗剤と漂白剤が様々な組み合わせで使用された場合でも、洗剤と漂白剤が溶解した後の洗濯水のpH値に応じた漂白剤のもつ過酸化水素の酸化力の強さによって、洗濯物に作用させる洗い時間を変化させることで、洗濯物に生息する雑菌に対して除菌効果を発現させることが可能となる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記制御部は、前記pH検知部により検知した洗濯水のpH値が所定値よりアルカリ性が低い場合は、pH値が所定値以上の場合より洗い工程における洗い時間を長くするように構成されたものである。これにより、過酸化水素の異種分解反応が緩慢で、除菌効果の発現に必要なパーヒドロキシルイオンやそれにともなう活性種の生成効率が低い場合においても、洗い時間を長くすることによって除菌効果の低下分を補うことが可能となり、除菌効果を発現させることができる。
第3の発明は、筐体内に弾性支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けられた洗濯槽と、前記洗濯槽を回転駆動するモータと、前記水槽に洗濯水を給水する給水部と、前記水槽内に洗剤を投入する洗剤投入部と、前記水槽内に漂白剤を投入する漂白剤投入部と、前記水槽内の洗濯水のpH値を検知するpH検知部と、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を実行する制御部とを備え、前記制御部は、前記水槽内に洗剤が投入された後の洗濯水のpH値を前記pH検知部により検知し、検知した洗濯水のpH値に応じて設定された漂白剤量を投入するように構成されたものである。これにより、市場で販売されている多岐に亘る種類の洗剤と漂白剤が様々な組み合わせで使用された場合でも、洗濯水中での漂白剤による除菌作用を維持し、洗濯物に生息する雑菌に対して除菌効果を発現させることが可能となる。
第4の発明は、特に、第3の発明において、前記制御部は、前記pH検知部により検知した洗濯水のpH値が所定値よりアルカリ性が低い場合は、pH値が所定値以上の場合より漂白剤の投入量を多くするように構成されたものである。これにより、過酸化水素の異種分解反応が緩慢で、除菌効果の発現に必要なパーヒドロキシルイオンやそれにともなう活性種の生成効率が低い場合においても、漂白剤の投入量を増やすことによって除菌効果の低下分を補うことが可能となり、除菌効果を発現させることができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記水槽内に給水された洗濯水を加熱する加熱部と、前記加熱部によって加熱される洗濯水の温度を検知する水温検知部とを有し、前記制御部は、洗濯水を加熱し、汚れが落ち易く、かつ、色落し難い所定の温度を保持するように構成されたものである。これにより、雑菌を汚れとともに洗濯物から洗濯水へ遊離させることで雑菌を死滅させやすくなり、かつ、漂白剤による色柄物への悪影響を防止することができる。
第6の発明は、特に、第5の発明において、前記制御部は、所定の温度に加熱された洗濯水に漂白剤を投入するように構成されたものである。これにより、洗濯物に生息する雑菌に対して過酸化水素の酸化力を有効に作用させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の概略構成図である。
図1において、筐体1内に弾性支持された水槽2が設けられている。水槽2内には有底円筒状の洗濯槽であるドラム3が回転可能に設けられている。ドラム3の回転軸3aは、角度θ(例えば、5〜20度)で前上がりに傾斜している。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の概略構成図である。
図1において、筐体1内に弾性支持された水槽2が設けられている。水槽2内には有底円筒状の洗濯槽であるドラム3が回転可能に設けられている。ドラム3の回転軸3aは、角度θ(例えば、5〜20度)で前上がりに傾斜している。
ドラム3の周側面には、水槽2内と連通する多数の小孔5が設けられている。周側面の内側には、ドラム3の回転中心に向かって内方へ突出した複数のバッフル4が設けられている。ドラム3の前面側には、衣類等の洗濯物を出し入れする開口部6が設けられている。また、筐体1の前面に開閉自在な扉29が設けられている。使用者は、扉29を開くことにより、開口部6から洗濯物を出し入れすることができる。
ドラム3の前面側には、ドラム3が回転する際に洗濯物の偏り等によって発生する振動を低減するためのバランサ7が、開口部6を取り囲むように環状に設けられている。
ドラム3を回転駆動するモータ8が水槽2の後面に取り付けられている。モータ8は、ブラシレス直流モータで構成され、インバータによって回転速度を自在に制御される。
ドラム3を回転駆動するモータ8が水槽2の後面に取り付けられている。モータ8は、ブラシレス直流モータで構成され、インバータによって回転速度を自在に制御される。
制御部25は、筐体1内の上方前部に設けられている。また、筐体1の前面上部には、電源スイッチやスタートスイッチなどの操作部と、各種表示を行う表示部とを一体に備えた操作表示部30が設けられている。
水槽2内に洗濯水を給水する給水部として、給水弁9が水道等に接続された給水配管10に設けられている。給水配管10を流れる洗濯水は、洗剤等を収容する処理剤収容部11を通過し、給水路12を経て給水口13から水槽2内に給水される。水槽2内の底部に溜まった洗濯水は小孔5からドラム3内に流入する。給水路12は、ドラム3の後部側に設けられた給水口13を介してドラム3の後部で水槽2内と連通している。
図2は、本実施の形態における洗濯機の処理剤収容部の構成図である。処理剤収容部11には、洗剤を投入する洗剤投入部14と、漂白剤を投入する漂白剤投入部15と、柔軟仕上げ剤を投入する柔軟剤投入部16が設けられている。給水配管10から洗剤投入部14に通じる分岐水路10aに開閉弁14aが設けられている。漂白剤投入部15に通じる分岐水路10bに開閉弁15aが設けられている。柔軟剤投入部16に通じる分岐水路10cに開閉弁16aが設けられている。
開閉弁14a、15a、16aがそれぞれ開閉されることにより、洗剤、漂白剤、柔軟仕上げ剤が各々洗濯水とともに給水路12を経て給水口13から水槽2内へ供給される。洗剤および漂白剤は洗い工程で供給される。また、柔軟仕上げ剤はすすぎ工程で供給される。すすぎ工程が複数回実行される場合、柔軟仕上げ剤は最後のすすぎ工程で供給される。
排水部として、水槽2内の洗濯水を排水する排水路17に排水弁18が設けられている。排水時は、水槽2内の洗濯水が水槽2の底部に設けられた排水口19から排水路17へ流出し、開かれた排水弁18を通して機外へ排出される。洗濯物から分離したリントや、釦等の異物を捕集する排水フィルター20が排水路17に設けられ、排水口19と排水弁18の間に配設されている。
水槽2の後方底部に下方へ窪ませて形成された加熱室21が設けられている。加熱室21には水槽2内に給水された洗濯水を加熱する加熱部としてのヒータ22と、洗濯水の温度を検知する水温検知部としてのサーミスタ23が設けられている。
また、加熱室21には洗濯水のpH値を検知するpH検知部24が設けられている。pH検知部24は、電極間の電位差を検出することにより洗濯水のpH値を測定するものである。pH検知部24は、例えば、一般的なガラス電極式のpHセンサで構成される。洗濯水のpH値は、水槽2内に洗剤と漂白剤が洗濯水とともに投入された後に検知される。
図3は、本実施の形態における洗濯機のブロック構成図である。制御部25は、モータ8、給水弁9、開閉弁14a、15a、16a、排水弁18、ヒータ22等を制御し、洗い、すすぎ、脱水の各工程を逐次実行する。制御部25には、洗濯水の温度を検知するサーミスタ23の出力と、洗濯水のpH値を検知するpH検知部24の出力と、ドラム3内に投入された洗濯物の量を検知する布量検知部26の出力と、水槽2内に給水された洗濯水の量を検知する水位検知部27の出力と、ドラム3の駆動を検知する回転検知部28等の出力とが入力される。
以上のように構成された洗濯機について、以下その動作と作用を説明する。
制御部25は、種々の洗濯コースを備え、使用者の設定に基づいて各工程を逐次実行する。例えば、一般的な洗濯コースは、洗剤を溶解させた洗濯水が水槽2内に給水され、ドラム3の回転によって叩き洗いを行いながら洗濯物の汚れを除去する洗い工程に続いて、すすぎ工程1、すすぎ工程2、最終脱水工程の順に逐次実行される。
なお、洗い工程は、投入された洗濯物の量を検知する工程と、洗濯物の量に応じて予め設定された量の洗濯水を給水する工程と、ドラム3を回転させて洗濯物を叩き洗いする工程と、汚れた洗濯水を排出する排水工程と、洗濯物に含まれている洗濯水を高速回転により絞り出して排出する中間脱水工程を含む。
本実施の形態においては、洗濯コースの1つとして、漂白剤を使用して洗濯物の除菌を行う除菌コースについて説明する。
まず、使用者が、筐体1の前面に設けられた開閉自在な扉29を開いて開口部6からドラム3内に洗濯物を投入する。その後、筐体1の前面上部に設けられた操作表示部30の電源スイッチ(図示せず)を入れ、洗濯コースを除菌コースに設定してスタートスイッチ(図示せず)を操作して運転を開始する。
制御部25は、運転の開始により洗い工程を実行する。最初にドラム3内に投入された洗濯物の量を布量検知部26によって検知する。制御部25は、ドラム3を回転駆動し、ドラム3の回転時にモータ8にかかるトルク量や、モータ8の電流値等から洗濯物の量を検知することができる。
制御部25は、検知した洗濯物の量に応じて、洗い、すすぎ、脱水等の各工程の時間と、洗濯水の量を設定するとともに、洗濯物の量に応じて予め設定された洗剤量を操作表示部30に表示する。使用者は、操作表示部30に表示された洗剤量の目安にしたがって洗剤を処理剤収容部11の洗剤投入部14に投入する。
除菌コースが設定されると、洗剤量に加えて漂白剤量も洗剤量と同様に洗濯物の量に応じて表示される。使用者は、操作表示部30に表示された漂白剤量の目安にしたがって漂白剤を処理剤収容部11の漂白剤投入部15に投入する。
上記の設定が完了すると、制御部25は、洗い工程における給水を開始する。開かれた給水弁9から給水配管10を流れる洗濯水は、洗剤投入部14に通じる分岐水路10aに設けられた開閉弁14aを通って洗剤投入部14に入り、洗剤投入部14内の洗剤を溶かしながら給水路12を流れ、給水口13から水槽2内に供給される。
また、洗濯水は、漂白剤投入部15に通じる分岐水路10bに設けられた開閉弁15aを通って漂白剤投入部15に入り、漂白剤投入部15内の漂白剤を溶かしながら給水路12を流れ、給水口13から水槽2内に供給される。
洗剤と漂白剤は、このように水槽2内に続けて供給されてもよいし、同時に水槽2内に供給されてもよい。また、分岐水路10a、10bのそれぞれに設けられた開閉弁14a、15aは、1つの開閉弁で分岐水路10a、10bの切り替えと開閉が行えるようにすることもできる。洗剤と漂白剤は、洗い工程における所定量の洗濯水の給水が完了するまでに水槽2内へ供給されるとよい。
水槽2内に溜まった洗濯水は、小孔5からドラム3内に流入する。このとき、排水弁18は閉じられている。制御部25は、水槽2内に溜まった洗濯水の量を水位検知部27で検知する。そして、洗濯物の量に応じて予め設定された所定量の洗濯水が給水されると給水弁9を閉じる。
制御部25は、ここで、水槽2内の底部に溜まった洗濯水のpH値をpH検知部24で検知する。洗濯水のpH値が8以上のアルカリ性であるときは、洗い時間を時間T1に設定し、pH値が8未満でアルカリ性が低い(弱アルカリ性から酸性)ときは、洗い時間を時間T1より長い時間T2に設定する。
制御部25は、設定した洗い時間によって洗い動作を開始する。ドラム3は、モータ8によって回転する。ドラム3内の洗濯物は、バッフル4によって回転方向へ持ち上げられて上方から落下し、ドラム3の周側面あるいはドラム3内に溜まっている洗濯物に叩きつけられ、洗剤による化学力と併せて、その機械力によって叩き洗いが行われる。
洗濯物が叩き洗いされるドラム3の回転数は、例えば、45rpmである。ドラム3は、正方向と逆方向に所定時間毎に交互に回転駆動される。そして、制御部25は、タイマー部31で設定された洗い時間が経過するまで洗い工程を実行する。
洗い時間は、洗い工程において洗濯物が実質的に洗われている時間であり、洗濯物に生息する雑菌を除菌する時間である。また、洗濯水が給水されてから排出されるまでの時間で、洗濯物が洗濯水と接触している時間でもあり、洗濯物が洗濯水に漬け置きされた状態や、ドラム3が停止している時間を含んでもよい。
制御部25が洗濯水のpH値を検知するタイミングは、洗濯水が給水されている間であってもよく、また、設定量の洗濯水が給水された後であってもよい。洗剤及び漂白剤が粉末の場合を考慮すると、これらが溶解した後が好ましい。
なお、制御部25は、漂白剤を使用しない通常の洗濯コースの場合、検知した洗濯物の量に応じて予め設定された洗い工程の時間で運転する。そして、漂白剤を使用した除菌コースが設定された場合、pH検知部24により検知した洗濯水のpH値に応じて設定された洗い時間で運転する。
ここで、漂白剤の除菌効果発現におけるメカニズムを説明する。一般的な洗濯において、衣類の色落ちや、ボタン等の衣類に用いられている金属及び樹脂部材の劣化を防ぐために、酸素系漂白剤が用いられる。酸素系漂白剤は、過酸化水素を主材料としている。しかし、化1式に示されるように、過酸化水素だけではなく、過酸化水素の異種解離によって発生するパーヒドロキシルイオン(HOO−)に由来する酸化作用によっても有機物の漂白(分解)や菌の死滅が引き起こされる。
この異種解離反応はアルカリ条件下で促進される。そのため、通常市販の液体漂白剤においては、漂白剤溶液を弱酸性とすることで解離反応が進まないようにしている。
また、化2式と化3式とに示されるように、過酸化水素分子を基に、アルカリ条件下においてはパーヒドロキシルイオン同様にパーヒドロキシラジカル(HOO・)や、スーパーオキシドラジカル(・O2 −)が生成されることにより、これらの活性種によっても除菌効果が発現される。
上記のように、過酸化水素の解離促進も含めて除菌効果を高めるためには、洗濯水のpH値がアルカリ性になっていることが好ましく、できればpH8以上がより好ましい。しかし、洗濯水のpH値を決定する洗剤の中には中性洗剤も多く販売されている。そのため、漂白剤との組み合わせによっては中性近傍となることで除菌効果が発現されない場合が生じる。
したがって、洗濯水のpH値が8未満である場合、除菌作用が緩慢になると考えられることから洗い時間を長くする。また、洗濯水のpH値が8以上である場合、即効性があると考えられることから洗い時間を短くする。このように設定することで、漂白剤が投入された洗濯水の状態が変化した場合においても、洗濯終了時に洗濯物に生息する雑菌を除菌することが可能である。
以上のように、本実施の形態の洗濯機は、水槽2内の洗濯水のpH値を検知するpH検知部24制御部25とを備え、制御部25は、水槽2内に洗剤と漂白剤が投入された後の洗濯水のpH値をpH検知部24により検知し、検知した洗濯水のpH値に応じて洗い工程における洗い時間を設定するようにしたものである。これにより、市場で販売されている多岐に亘る種類の洗剤と漂白剤が様々な組み合わせで使用された場合でも、洗剤と漂白剤が溶解した後の洗濯水のpH値に応じた漂白剤のもつ過酸化水素の酸化力の強さによって、洗濯物に作用させる洗い時間を変化させることで、洗濯物に生息する雑菌に対して除菌効果を発現させることが可能となる。
したがって、洗濯後の洗濯物の雑菌数を低減することができ、洗濯物の乾燥時や、乾燥後の使用時の不快臭を抑えることができる。
また、制御部25は、pH検知部24により検知した洗濯水のpH値が8未満でアルカリ性が低い(弱アルカリ性から酸性)ときは、pH値が8以上のアルカリ性の場合より洗い工程における洗い時間を長くするようにしたものであり、洗濯水のpH値が8未満の場合において、化1式に示される過酸化水素の異種分解反応が緩慢で、除菌効果の発現に必要なパーヒドロキシルイオンやそれにともなう活性種の生成効率が低い場合においても、洗い時間を長くすることによって除菌効果の低下分を補うことが可能となり、除菌効果を発現させることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態の特徴は、水槽2内に給水された洗濯水を加熱する加熱部であるヒータ22と、ヒータ22によって加熱される洗濯水の温度を検知する水温検知部であるサーミスタ23とを有し、制御部25は、洗濯水を加熱し、汚れが落ち易く、かつ、色落し難い所定の温度(例えば、30〜50℃、好ましくは40℃)を保持するように構成されたものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
本実施の形態の特徴は、水槽2内に給水された洗濯水を加熱する加熱部であるヒータ22と、ヒータ22によって加熱される洗濯水の温度を検知する水温検知部であるサーミスタ23とを有し、制御部25は、洗濯水を加熱し、汚れが落ち易く、かつ、色落し難い所定の温度(例えば、30〜50℃、好ましくは40℃)を保持するように構成されたものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
実施の形態1と同様に、まず、使用者が、筐体1の前面に設けられた開閉自在な扉29を開いて開口部6からドラム3内に洗濯物を投入する。その後、筐体1の前面上部に設けられた操作表示部30の電源スイッチ(図示せず)を入れ、洗濯コースを除菌コースに設定してスタートスイッチ(図示せず)を操作して運転を開始する。
制御部25は、洗濯物の量を検知し、洗濯物の量に応じて洗剤量に加えて漂白剤量を操作表示部30に表示する。使用者は、操作表示部30に表示された洗剤量と漂白剤量の目安にしたがって洗剤を処理剤収容部11の洗剤投入部14に投入し、漂白剤を漂白剤投入部15に投入する。そして、本実施の形態では、使用者が、操作表示部30の温水設定部(図示せず)を操作し、洗濯水を加熱して洗い工程を実行するよう設定する。
上記の設定が完了すると、制御部25は、洗い工程における給水を開始する。開かれた給水弁9から給水配管10を流れる洗濯水は、洗剤投入部14に通じる分岐水路10aに設けられた開閉弁14aを通って洗剤投入部14に入り、洗剤投入部14内の洗剤を溶かしながら給水路12を流れ、給水口13から水槽2内に供給される。
制御部25は、水槽2内に給水された洗濯水をヒータ22で加熱し、加熱される洗濯水の温度をサーミスタ23で検知する。さらに制御部25は、洗濯水の温度を所定の温度範囲(例えば、30〜50℃、好ましくは40℃)を保持するようにヒータ22の通電を制御する。
洗濯水の水温が40℃になると、制御部25は、漂白剤投入部15に通じる分岐水路10bに設けられた開閉弁15aを開く。洗濯水は、開閉弁15aを通って漂白剤投入部15に入り、漂白剤投入部15内の漂白剤を溶かしながら給水路12を流れ、給水口13から水槽2内に供給される。
ここで、漂白剤を溶解した水が供給されるタイミングとしては、洗濯水が設定温度の40℃などの所定の温度に到達する以前であってもよいが、除菌に効果を有するパーヒドロキシルイオン(HOO−)は、時間経過とともに酸素とヒドロキシイオン(OH−)へと自己分解を行うこともあり、洗濯水が所定の温度に到達した以後が望ましい。
図4は、本発明の第2の実施の形態の洗濯機の洗濯水の水温と洗い時間の関係を示すグラフである。制御部25は、漂白剤が投入された洗濯水のpH値をpH検知部24で検知する。洗濯水のpH値が8以上のアルカリ性であるときは、洗い時間を時間Bに設定し、洗濯水のpH値が8未満でアルカリ性が低い(弱アルカリ性から酸性)ときは、洗い時間を時間Bより長い時間Cに設定する。
制御部25がヒータ22により洗濯水を加熱すると、洗濯水は、開始時の低い水温t1(例えば、20℃)から所定の温度t2(例えば、40℃)に徐々に上昇する。制御部25は、洗濯水を加熱している間、ドラム3を回転させながら洗濯水で浸漬された洗濯物を叩き洗いによって、汚れを除去しながら洗い工程を実行する。洗濯水が所定の温度t2に到達した後、制御部25は、ヒータ22への通電を制御して所定の温度を保持し、設定時間が経過するまで洗い工程を実行する。
ここで、洗濯を開始してから洗濯水の温度がt1から所定の温度t2に到達する時間を時間Aとすると、洗濯水のpH値が8以上の場合における所定の温度t2での保持時間Dは、時間B−時間A(分)となる。一方、洗濯水のpH値が8未満の場合の所定の温度t2での保持時間Eは、時間C−時間A(分)となる。洗濯水の設定温度40℃におけるpH値と保持時間の一例を表1に示す。
図5は、本実施の形態における洗濯機の生菌率と保持時間の関係を示すグラフである。具体的には、図5は、洗濯水のpH値が8以上の条件(例えば、pH=10)で漂白剤を用いた場合と、洗濯水のpH値が8未満の条件(例えば、pH=6.8)で漂白剤を用いた場合の除菌性能について、洗濯水を設定温度40℃に保持した保持時間と洗濯物上に生息する雑菌の生菌率の関係を示したものである。
図5において、洗濯水のpH値がpH=10では、保持時間に対する生菌率の減少勾配は大きく、保持時間D分にて生菌率は1%となり、洗濯水のpH値がpH=6.8では、保持時間Dより長い保持時間Eにて生菌率が1%となる。すなわち、洗濯水のpH値に応じて保持時間を最適に設定することによって、どちらの条件であっても生菌率1%(すなわち、99%除菌)まで到達することが可能となる。
以上のように、本実施の形態においては、水槽2内に給水された洗濯水を加熱する加熱部(ヒータ22)と、加熱部によって加熱される洗濯水の温度を検知する水温検知部(サーミスタ23)を有し、制御部25は、洗濯水を加熱し、汚れが落ち易く、かつ、色落し難い所定の温度を保持するようにしたものであり、汚れとともに雑菌を洗濯物から洗濯水へ遊離させることで雑菌を死滅させやすくなり、かつ、漂白剤による色柄物への悪影響を防止することができる。
また、制御部25は、所定の温度に加熱された洗濯水に漂白剤を投入するようにしたものであり、洗濯物に生息する雑菌に対して過酸化水素の酸化力を有効に作用させることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態の特徴は、漂白剤を投入する容積の異なる複数の漂白剤投入部が設けられ、制御部25は、水槽2内に洗剤が投入された後の洗濯水のpH値をpH検知部24で検知した後、検知した洗濯水のpH値に応じた量の漂白剤を投入するように構成されたものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
本実施の形態の特徴は、漂白剤を投入する容積の異なる複数の漂白剤投入部が設けられ、制御部25は、水槽2内に洗剤が投入された後の洗濯水のpH値をpH検知部24で検知した後、検知した洗濯水のpH値に応じた量の漂白剤を投入するように構成されたものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
図6は、本発明の第3の実施の形態における洗濯機の要部の構成図である。図7は、本実施の形態における洗濯機のブロック構成図である。図6および図7において、給水配管10を流れる洗濯水は、洗剤等が収容される処理剤収容部41を通過し、給水路12を経て給水口13から水槽2内に給水される。処理剤収容部41には、洗剤を投入する洗剤投入部42と、漂白剤を投入する容積の異なる複数の漂白剤投入部43、44が設けられている。例えば、漂白剤投入部43には標準量の漂白剤が収容され、漂白剤投入部44には標準量より多い漂白剤が収容される。
給水配管10に第1切替弁45が設けられている。第1切替弁45は、洗濯水の流れを洗剤投入部42方向、または、漂白剤投入部43、44方向に切り替える。第1切替弁45の下流側に洗剤投入部42へ通じる分岐水路46aと漂白剤投入部43、44へ通じる分岐水路46bとが設けられている。また、分岐水路46bに第2切替弁47が設けられている。第2切替弁47の下流側に漂白剤投入部43へ通じる分岐水路46cと漂白剤投入部44へ通じる分岐水路46dとが設けられている。
制御部25は、洗剤を水槽2内に供給するとき、第1切替弁45を給水配管10から洗剤投入部42へ通じる分岐水路46a側に切り替える。これにより、洗濯水は洗剤投入部42に流入し、投入されている洗剤を溶かしながら給水路12を経て水槽2内に給水される。また、漂白剤を水槽2内に供給するとき、第1切替弁45を漂白剤投入部43、44へ通じる分岐水路46b側に切り替える。
さらに、第2切替弁47を、第1切替弁45で分岐水路46b側に切り替えられた洗濯水の流れを漂白剤投入部43方向、または、漂白剤投入部44方向に切り替える。
第2切替弁47が漂白剤投入部43へ通じる分岐水路46c側に切り替えられると、洗濯水は漂白剤投入部43に流入し、投入されている標準量の漂白剤を溶かしながら給水路12を経て水槽2内に給水される。また、第2切替弁47が漂白剤投入部44へ通じる分岐水路46d側に切り替えられると、洗濯水は漂白剤投入部44に流入し、標準量より多く投入されている漂白剤を溶かしながら給水路12を経て水槽2内に給水される。
制御部25は、洗剤が投入されて水槽2内に溜まった洗濯水のpH値をpH検知部24で検知する。pH検知部24で検知した洗濯水のpH値が8以上であった場合は、第2切替弁47を分岐水路46c側に切り替え、容積の小さい漂白剤投入部43に投入されている標準量の漂白剤を溶かしながら水槽2内に給水する。
一方、検知した洗濯水のpH値が8未満であった場合は、第2切替弁47を分岐水路46d側に切り替え、容積の大きい漂白剤投入部44に標準量より多く投入されている漂白剤を溶かしながら水槽2内に給水する。
図8は、本実施の形態における洗濯機の他の例の要部の構成図である。本実施の形態の特徴は、図6に示された複数の漂白剤投入部に代えて、給水配管10に投入量を調節可能な漂白剤投入部51を備え、漂白剤投入部51により必要量の漂白剤を投入可能にしたものである。漂白剤投入部51は、調節バルブ52と漂白剤貯蔵部53とを有している。制御部25は、調節バルブ52を制御して、漂白剤貯蔵部53必要量の漂白剤を投入する。
制御部25は、漂白剤貯蔵部53の上部に接続された加圧ポンプ54により漂白剤貯蔵部53内に収容されている漂白剤を加圧する。そして、調節バルブ52が開かれると、漂白剤投入部51に必要量の漂白剤が投入される。漂白剤の投入量は、pH検知部24で検知した洗濯水のpH値に応じて設定される。制御部25は、設定された投入量を、例えば、調節バルブ52を開く時間で制御することが可能である。
以上のように構成された洗濯機について、以下その動作、作用を実施の形態1と異なる部分について説明する。
制御部25は、除菌コースに設定されて運転が開始されると洗濯物の量を検知し、検知した洗濯物の量に応じて、洗い、すすぎ、脱水等の各工程の時間と、洗濯水の量を設定する。それとともに、洗濯物の量に応じて予め設定された洗剤量を操作表示部30に表示す
る。使用者は、操作表示部30に表示された洗剤量の目安にしたがって洗剤を処理剤収容部41の洗剤投入部42に投入する。
る。使用者は、操作表示部30に表示された洗剤量の目安にしたがって洗剤を処理剤収容部41の洗剤投入部42に投入する。
上記の設定が完了すると、制御部25は、洗い工程における給水を開始する。第1切替弁45は分岐水路46a側に切り替えられ、給水弁9が開かれる。給水配管10を流れる洗濯水は、洗剤投入部42に流入し、投入されている洗剤を溶かしながら給水路12を経て水槽2内に給水される。
ここで、制御部25は、水槽2内に溜まった洗濯水のpH値をpH検知部24で検知し、検知した洗濯水のpH値に応じて投入する漂白剤の量を設定する。すなわち、洗濯水のpH値が8以上である時は、漂白剤の量を標準量に設定し、調節バルブ52を制御して投入する。そして、第1切替弁45を漂白剤投入部51へ通じる分岐水路46b側に切り替える。洗濯水は漂白剤投入部51に流入し、投入されている標準量の漂白剤を溶かしながら給水路12を経て水槽2内に給水される。
一方、検知した洗濯水のpH値が8未満である時は、漂白剤の量をpH値に応じて標準量より多く設定し、調節バルブ52を制御して投入する。そして、第1切替弁45を分岐水路46b側に切り替え、標準量より多く投入されている漂白剤を溶かしながら水槽2内に給水する。以上のように、洗濯水のpH値による漂白剤投入量は、pH検知部24により検知した洗濯水のpH値が8未満でアルカリ性が低い(弱アルカリ性から酸性)ときは、pHが8以上のアルカリ性の場合より漂白剤の投入量を多く設定する。
制御部25は、水槽2内に溜まった洗濯水の量を水位検知部27で検知し、洗濯物の量に応じて予め設定された所定量の洗濯水が給水されると給水弁9を閉じる。
洗濯水の設定温度40℃におけるpH値と漂白剤投入量の一例を表2に示す。
図9は、本実施の形態における洗濯機の生菌率と保持時間の関係を示すグラフである。具体的には、図9は、洗濯水のpH値が8未満の条件(例えば、pH=6.8)で漂白剤を用いた場合の除菌性能について、洗濯水を設定温度40℃に保持した保持時間と洗濯水のpH値に応じて設定された漂白剤投入量Q1と漂白剤投入量Q2における洗濯物上に生息する雑菌の生菌率を示したものである。
図9において、洗濯水のpH値がpH=6.8では、漂白剤投入量Q1である場合、保持時間に対する生菌率の減少勾配は小さく、保持時間Eにて生菌率が1%となる。しかし、漂白剤投入量Q2とした場合は、保持時間Eより短い保持時間Dにて生菌率が1%となる。すなわち、洗濯水のpH値に応じて漂白剤投入量を最適に設定することによって、洗濯水のpH値がどちらの条件であっても生菌率1%(すなわち、99%除菌)まで到達することが可能となる。
以上のように、本実施の形態においては、制御部25は、水槽2内に洗剤が投入された後の洗濯水のpH値をpH検知部24により検知し、検知した洗濯水のpH値に応じて設定された漂白剤量を投入するようにしたものであり、市場で販売されている多岐に亘る種類の洗剤と漂白剤が様々な組み合わせで使用された場合でも、洗濯水中での漂白剤による
除菌作用を維持し、洗濯物に生息する雑菌に対して除菌効果を発現させることが可能となる。
除菌作用を維持し、洗濯物に生息する雑菌に対して除菌効果を発現させることが可能となる。
また、制御部25は、pH検知部24により検知した洗濯水のpH値がアルカリ性以外の場合は、アルカリ性の場合より漂白剤の投入量を多くするようにしたものであり、過酸化水素の異種分解反応が緩慢で、除菌効果の発現に必要なパーヒドロキシルイオンやそれにともなう活性種の生成効率が低い場合においても、漂白剤の投入量を増やすことによって除菌効果の低下分を補うことが可能となり、除菌効果を発現させることができる。
なお、水槽2内に洗剤と漂白剤が投入された後に洗濯水のpH値を検知してもよく、検知した洗濯水がpH8未満(弱アルカリ性から酸性)の場合に、漂白剤を追加するようにしてもよい。要は、洗濯水がpH8未満のときは、pH8以上のときより漂白剤が多く投入されればよい。
なお、上記した各実施の形態では洗い時間や漂白剤量などの設定が変更される洗濯水のpH値の所定値を8として説明したが、これに限られるものではなく、アルカリ性の領域であればよい。また、所定値は1つに限られる必要はなく、複数個設けて、pH値に応じて設定値が変更されるものでもよい。さらに、ひとつの所定値からpH値の変化に応じて設定がリニアに、あるいは細かく変更されるものでもよい。
また、上記した各実施の形態においては、洗濯槽の回転軸を横方向に設定したドラム式洗濯機としたが、回転軸を鉛直方向に設定した縦型洗濯機であってもよい。
なお、各実施の形態は、その各々の一部または全部を組み合わせて実施することが可能である。
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、多岐に亘る種類の洗剤と漂白剤が様々な組み合わせで使用された場合でも、除菌効果を発現させることができるので、洗濯機として有用である。
1 筐体
2 水槽
3 ドラム(洗濯槽)
8 モータ
9 給水弁(給水部)
14、42 洗剤投入部
15、43、44、51 漂白剤投入部
22 ヒータ(加熱部)
24 pH検知部
25 制御部
2 水槽
3 ドラム(洗濯槽)
8 モータ
9 給水弁(給水部)
14、42 洗剤投入部
15、43、44、51 漂白剤投入部
22 ヒータ(加熱部)
24 pH検知部
25 制御部
Claims (6)
- 筐体内に弾性支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けられた洗濯槽と、前記洗濯槽を回転駆動するモータと、前記水槽に洗濯水を給水する給水部と、前記水槽内に洗剤を投入する洗剤投入部と、前記水槽内に漂白剤を投入する漂白剤投入部と、前記水槽内の洗濯水のpH値を検知するpH検知部と、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記水槽内に洗剤と漂白剤が投入された後の洗濯水のpH値を前記pH検知部により検知し、検知した洗濯水のpH値に応じて前記洗い工程における洗い時間を設定するように構成された洗濯機。 - 前記制御部は、前記pH検知部により検知した洗濯水のpH値が所定値よりアルカリ性が低い場合は、pH値が所定値以上の場合より洗い工程における洗い時間を長くするように構成された請求項1記載の洗濯機。
- 筐体内に弾性支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けられた洗濯槽と、前記洗濯槽を回転駆動するモータと、前記水槽に洗濯水を給水する給水部と、前記水槽内に洗剤を投入する洗剤投入部と、前記水槽内に漂白剤を投入する漂白剤投入部と、前記水槽内の洗濯水のpH値を検知するpH検知部と、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記水槽内に洗剤が投入された後の洗濯水のpH値を前記pH検知部により検知し、検知した洗濯水のpH値に応じて設定された漂白剤量を投入するように構成された洗濯機。 - 前記制御部は、前記pH検知部により検知した洗濯水のpH値が所定値よりアルカリ性が低い場合は、pH値が所定値以上の場合より漂白剤の投入量を多くするように構成された請求項3記載の洗濯機。
- 前記水槽内に給水された洗濯水を加熱する加熱部と、前記加熱部によって加熱される洗濯水の温度を検知する水温検知部とを有し、
前記制御部は、洗濯水を加熱し、汚れが落ち易く、かつ、色落し難い所定の温度を保持するように構成された請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗濯機。 - 前記制御部は、所定の温度に加熱された洗濯水に漂白剤を投入するように構成された請求項5記載の洗濯機。
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