JP2009039320A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】除菌・抗菌機能を有する洗濯機において除菌・抗菌効果を向上すること。
【解決手段】銀電極を有する電解槽13によって抗菌性のある銀イオン水を供給し、加熱ヒータ14と温度検知手段15によって水温を上昇させて抗菌力を高め、冬の時期のように水温が低下した時であっても抗菌剤の働きを確実なものとする。
【選択図】図1
【解決手段】銀電極を有する電解槽13によって抗菌性のある銀イオン水を供給し、加熱ヒータ14と温度検知手段15によって水温を上昇させて抗菌力を高め、冬の時期のように水温が低下した時であっても抗菌剤の働きを確実なものとする。
【選択図】図1
Description
本発明は、洗濯物を除菌処理する機能を備えた洗濯機に関するものである。
従来、この種の洗濯機は、銀イオン含有水を脱水運転時に洗濯物に接触させることにより、銀イオンを洗濯物に効率良く付着させられるようにしている(例えば、特許文献1参照)。あるいは、洗濯物の量に最適な濃度、例えば50ppb〜100ppbあるいは50ppb〜900ppbの銀イオン含有水でその洗濯物を処理することにより、銀イオンの抗菌効果を十分に発揮させることができるようにしている(例えば、特許文献2参照)。あるいは、銀イオン含有水を乾燥しやすい小径粒子の液滴にして洗濯物に接触させることにより、水に溶けている銀イオンが水の乾燥によって一旦結晶化し、再度水に溶け出したときに、銀イオンの効果をより発揮しやすくしている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献2の洗濯機の構成と作用を図5を用いて説明する。図5は前記公報に記載された洗濯機の断面図を示すものである。図5に示すように、洗濯機101はいわゆる全自動型のものであり、外箱102は直方体形状でその上面には洗濯物を投入するための開口部103を有している。外箱102には、受筒104、開口部の上面には蓋105を有し、ネジで固定されている。受筒104内には、洗濯物の攪拌のための内筒106およびパルセータ107を有し、モータ108の働きで回転する構成となっている。内筒106および受筒104に注水する際には、水流路109からイオン供給ユニット110を通して行う。
次に、洗濯物111に除菌・抗菌処理を行う際の動作について説明する。
洗濯物の除菌・抗菌を行う際には、水流路109から注水を行う際にイオン供給ユニット110を制御し、注水中に銀をイオン状態で供給する。このことにより、洗濯槽内水112の銀イオン濃度は所定の濃度になり、パルセータ107および内筒106がモータ108で攪拌することで、洗濯物111に銀イオンが付着し、洗濯物111に付着している細菌の除菌を行う。また、洗濯物111に付着した銀イオンは洗濯物111に残留するので、洗濯後でも洗濯物111が細菌の増殖を抑制する効果を有する(抗菌効果)ことになる。
特開2004−57423号公報
特開2004−105692号公報
特開2005−87712号公報
しかしながら、前記従来の構成では常に高い除菌効果が得られにくい。なぜなら季節によって水道水の温度は変化し、特に冬においては水道水の水温が10℃以下となり、銀の細菌への反応が著しく低下することがあるからである。
銀による除菌実験を行ったところ、20℃の水温で90%の除菌率を示した条件下において、水温が10℃となったときの除菌率は40%に低下していた。
つまり従来の方法では、除菌・抗菌能力の高い抗菌剤としての銀を使用しているのにも関わらず、水温条件によってはその能力を発揮できないという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、抗菌剤による除菌・抗菌性能を安定的に高く引き出して、細菌やカビ類に対して除菌・抗菌効果を示すことができる洗濯機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために本発明の洗濯機は、洗濯物を収容する洗濯槽と、抗菌作用のある抗菌剤を溶出させて水に添加し前記洗濯槽に抗菌剤添加水を供給する抗菌剤供給手段と、前記洗濯槽中の抗菌剤添加水または前記抗菌剤添加水を含水した洗濯物を加熱する加熱手段とを備え、前記加熱手段は前記抗菌剤添加水が前記洗濯槽へ供給された後に加熱をおこなう洗濯機としたものである。
抗菌剤による細菌への作用は化学的な作用であり、抗菌剤が温度によって変性しない限り、温度が高いほど高い除菌・抗菌効果を示す。すなわち温度が高くなると、抗菌成分と細菌との接触確率が増え、抗菌成分が細菌内部を移動する速度が増え、細菌の代謝が増すのでそれだけ抗菌成分との細胞内反応も増すというように、温度上昇により飛躍的に抗菌剤の抗菌作用が増加する。
したがって本発明のように、抗菌剤を溶出させて水に添加した抗菌剤添加水を洗濯槽に供給して加熱すれば、抗菌効果が増すことになる。また、加熱することによって少ない抗菌剤の量でも相対的に高い除菌・抗菌効果を得られることから、必要な抗菌剤の量を抑えることができ、抗菌剤が高価な銀の場合等は非常に経済的である。また、抗菌剤の排水による水質への環境的な悪影響も減少させることができる。
本発明は、抗菌剤が効果的に作用して衛生的な衣類の提供を可能とするとともに、その抗菌剤の使用量も抑えることができるので、経済的かつ環境的である。
第1の発明は、洗濯物を収容する洗濯槽と、抗菌作用のある抗菌剤を溶出させて水に添加し前記洗濯槽に抗菌剤添加水を供給する抗菌剤供給手段と、前記洗濯槽中の抗菌剤添加水または前記抗菌剤添加水を含水した洗濯物を加熱する加熱手段とを備え、前記加熱手段は前記抗菌剤添加水が前記洗濯槽へ供給された後に加熱をおこなう洗濯機としたものである。
これにより、たとえ水温が低い時でも、抗菌剤添加水を加熱することによって抗菌剤が効果的にその威力を洗濯物に発揮して除菌・抗菌効果を得ることができる。
第2の発明は第1の発明において、抗菌剤は銀であって、加熱手段は洗濯槽中に注水された水を加熱するための加熱ヒータとし、洗濯槽中の水の温度を検知する温度検知手段を備え、洗濯槽中の水の温度が17℃以上になるように制御した洗濯機である。
実験を行ったところ、銀イオン濃度100ppbの水を布上の黄色ブドウ状球菌に30分間曝した場合、雰囲気温度15℃においては除菌率が60%であったのに対し、20℃で90%、25℃では98%となった。その変曲点は約17℃であり、この温度を越えると除菌率が急上昇するところから、少なくとも17℃以上に加熱すれば銀イオンの抗菌効果が確実に得られる。その試験の結果を示したグラフを図3に示す。
第3の発明は第1の発明において、抗菌剤は銀であって、加熱手段は洗濯槽へ温風を供給する温風供給手段とし、洗濯槽中の含水した洗濯物の温度を検知する温度検知手段を備え、脱水工程直前に温風を供給することによって、含水した洗濯物の温度が17℃以上になるように制御した洗濯機である。
洗濯機の洗濯・濯ぎ・脱水各工程のうち、たとえば濯ぎ工程において、濯ぎ水に銀イオンを添加すれば、濯ぎ時に衣服が十分に攪拌され、その濯ぎ水が排水された直後、すなわち脱水工程に入る直前の状態は衣服に銀イオンが十分に含浸した状態であり、この状態で温風供給手段により温風を供給して銀イオンが十分に含浸した衣服の温度を17℃以上まで高めれば、除菌・抗菌効果を確実に得られる。
また、濯ぎ水が排水された状態は、温風であっても十分効率的に衣類の温度を高めることが可能であり、衣類の温度を高めた後であれば、その後の脱水工程における脱水率も向上させることができる。
なお、脱水中もしくは脱水終了後に温風を供給しても、脱水によって銀イオンが相当量吹き飛ばされてしまうので、銀による十分な除菌効果を発揮することが難しくなる。また、洗濯中もしくは濯ぎ中に温風を供給しても、十分に衣類や水の温度を高めることができない。
したがって、脱水直前に衣類の温度を17℃以上に高めることが、多量の熱エネルギーを消費することもなく除菌・抗菌効果を最大限に発揮させることができる。
第4の発明は第1〜第3の発明において、洗濯物に紫外光から可視光の波長の光を照射する光照射手段を設けた洗濯機である。
銀による除菌は、一般的に大腸菌や黄色ブドウ球菌に対しては効果が高いが、それ以外の細菌やカビに対してはそれほど効果が高くない。しかしながら、銀などの抗菌剤添加水を含水した状態の洗濯物に光が照射されると、抗菌材への光の到達効率が向上し、励起状態になりやすくなるので、水と酸素からヒドロキシラジカルあるいはスーパーオキシド等の活性酸素種の生成効率が向上する。光励起抗菌材自身の除菌、抗菌作用と共に光化学反応によって発生した活性酸素種による酸化作用によって菌を分解することができる。したがって、これらの相乗効果で低濃度の抗菌材で洗濯物の除菌、抗菌を効果的に行うことができる。また、活性酸素種による酸化分解を利用するので、抗菌スペクトルを拡げ大腸菌や黄色ブドウ球菌の以外の細菌やカビに対しても効果を発揮することができる。
したがって、抗菌剤を溶出させて水に添加した抗菌剤添加水を洗濯槽に供給して加熱すれば、大腸菌や黄色ブドウ球菌への抗菌効果が増し、加熱することによって少ない抗菌剤の量でも相対的に高い除菌・抗菌効果を得られ、必要な抗菌剤の量を抑えることができ、なおかつ光を照射することによって、大腸菌や黄色ブドウ球菌以外の細菌やカビに対しても除菌・抗菌効果を発揮することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
実施の形態1について図1と図2を参照しながら説明する。
実施の形態1について図1と図2を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における洗濯機の断面図を示すものである。
図2は本発明の第1の実施の形態における電解槽の断面図を示すものである。
図1において洗濯機1は洗濯、濯ぎと脱水が一体になったいわゆる全自動型のものであり、外箱2は直方体形状でその上面には洗濯物を投入するための開口部3を有している。外箱2には受筒4、開口部3の上面には開閉可能な蓋5を有する。受筒4内には、洗濯物の脱水のための孔の開いた洗濯槽6およびパルセータ7を有し、モータ8の働きでパルセータ7を回転させる構成となっている。洗濯槽6(受筒4でもある)に注水する際には、水道と連結された給水路9を経て抗菌剤供給手段10(電解槽10a、水経路10b、注水口10c)から水が注水される。洗濯槽6内には使用者が投入した洗濯物11が収納されている。
受筒4と洗濯槽6の間には、加熱ヒータ(加熱手段)12aと温度検知手段13が配置され、それぞれ水を加熱し水の温度を検知する機能を持つ。
蓋5には、光を照射するための光照射手段14が配置され、洗濯槽の水もしくは衣服に光を照射する機能を持つ。
次に図2において、電解槽10aは内部に対向する板状の二つの銀電極15が配置され、リード線16を通して直流電圧が図示していない制御部によって印加される。
次に、洗濯物11を洗濯し1回濯ぐ工程について図1をもとに説明する。まず蓋5を開け、開口部3から洗濯槽6内に洗濯物11と洗剤を投入し、図示していない操作盤の電源スイッチとスタートスイッチを押すと洗濯機1の運転が開始される。次に給水路9から水道の水が入り、注水口10cから水が所定量注水される。次にモータ8が作動しパルセータ7が回転して洗濯槽6内の洗剤が溶けた水と洗濯物11が撹拌され、洗濯物11の汚れが落ちる。所定時間撹拌されると図示していない排水機構によって洗濯槽6内の水は排水され洗濯工程は終了する。次に濯ぎ工程としてモータ8が作動し洗濯槽6を回転して、洗濯物11を遠心脱水し、その脱水された水は排水される。所定時間脱水が行なわれるとモータ8は止まり、給水路9から再び水が濯ぎ用の水として入り、洗濯槽6内に所定量注水される。次にモータ8が作動しパルセータ7が回転して洗濯槽6内の水と洗濯物11が撹拌される。所定時間撹拌された後、水は排水され再び同様に脱水される。以上で1回目の濯ぎ工程が終了する。
次に2回目の濯ぎ工程において、除菌・抗菌処理を行う。その際の動作について図1と図2を参照して説明する。
まず給水路9から水道水が電解槽10aに流れてくる際、図示していない制御部が制御し、リード線16に直流電圧が印加され、銀電極15を電気分解によって水に溶出させる。銀の溶出量は、所定量の水が洗濯槽6内に入ったとき、その水の銀濃度は0.01ppm以上1ppm以下になるよう溶出させることが望ましい。0.01ppm以下であれば銀の除菌効果は得られにくいし、1ppm以上であれば銀の量が多量に必要とするなど経済的でないばかりか、銀が洗濯物に多く付着しすぎて変色してしまう恐れがあるからである。
銀濃度は、銀電極15に流れる電流値と通電時間の積で決まる銀量と受筒4内に入る水の量で求められる。例えば20Lの水の量を銀濃度0.1ppmにする場合、0.1Aの電流値で90秒間電流を流せばよい計算となる。したがって、電解槽10aにおいて銀電極15に0.1Aを90秒通電し、その後もしくはその間に水を電解槽10aの中に通水させるよう制御する必要がある。
またこの直流電圧の印加は、陽極側の銀電極15の銀だけが溶出するので、一方のみの銀電極15だけが減らないように、一定時間ごとに直流の極性を反転させる必要がある。本実施の形態では15秒ごとに直流の向きを変えて電流を流している。
このようにして銀の含まれた水(抗菌剤添加水)が洗濯物11と混ざり合う。このときモータ8が作動しパルセータ7が回転して洗濯槽6内の洗濯物11が撹拌されさらに混ざり合う。一方で加熱ヒータ12aが加熱をし始め、温度検知手段13による温度検知で水温が20℃になるよう制御手段(図示せず)によって制御される。こうすることによって冬の時期の水温が低い時であっても、確実に除菌効果が得られることになる。
さらに、銀の含まれた水(抗菌剤添加水)が洗濯物11と混ざり合った状態において、洗濯物および銀の含まれた水(抗菌剤添加水)に対し、LED等の光照射手段14によって光を照射する。本実施の形態では、光照射手段14を蓋5の裏部中央付近に配設しているが、蓋5の裏部端部付近に配設してもよい。
電気分解で水中に溶解した銀はイオン状態で存在する。この銀イオンは洗濯物に電気的に吸着し、ここに光が照射されると、水と酸素からヒドロキシラジカルあるいはスーパーオキシド等の活性酸素種の生成効率が向上する。銀自身の除菌、抗菌作用と共に光化学反応によって発生した活性酸素種による酸化作用によって菌を分解することができる。したがって、これらの相乗効果で低濃度の抗菌材で洗濯物の除菌、抗菌を効果的に行うことができる。
2回目の濯ぎ工程において、所定時間撹拌された後に水は排水され濯ぎ水が脱水される。以上で2回目の濯ぎ工程が終了する。濯ぎ工程が2回しかない洗濯機であれば、このまま脱水工程に突入し、脱水され洗濯・濯ぎ・脱水工程が終了する。
なお、3回目以降濯ぎ工程が存在する洗濯機であれば、この後3回目以降の濯ぎ工程に突入してもよいが、3回目の濯ぎ工程で銀の含まれた水(抗菌剤添加水)を加えずに、水道水で濯ぎを実施する場合には、2回目の濯ぎ工程で衣服に付着した銀濃度が薄まってしまうので、銀を水に溶出するタイミングは、脱水工程に突入する前の最終濯ぎ時の注水時に実施するのがよい。また、濯ぎ工程のたびに銀を含ませると、銀の量が多量に必要とするなど経済的でない点はいうまでもない。
以上のようにして、銀の含まれた水(抗菌剤添加水)によって除菌される菌の割合は、水道の水温が低い場合であっても20℃以上まで加熱することによって90%以上となる。なお、水温を20℃まで上げなくても、図3のグラフにて前述したとおり、変曲点である17℃以上であれば十分な除菌効果が得られる。
さらに、光を照射することによって、活性酸素種による酸化分解を利用するので、抗菌スペクトルを拡げ大腸菌や黄色ブドウ球菌以外の細菌やカビに対しても抗菌効果を発揮することができる。
なお、本実施の形態においてはパルセータで攪拌するタイプの洗濯機としたが、ドラムを回転させて洗濯、脱水を行うドラム式洗濯機であってもよい。
(実施の形態2)
実施の形態2について図4と図2を参照しながら説明する。
実施の形態2について図4と図2を参照しながら説明する。
図4は本発明の第2の実施の形態における洗濯機の断面図を示すものである。
図4において洗濯機1は洗濯、濯ぎと脱水が一体になったいわゆる全自動型のものであり、外箱2は直方体形状でその上面には洗濯物を投入するための開口部3を有している。外箱2には受筒4、開口部3の上面には開閉可能な蓋5を有する。受筒4内には、洗濯物の脱水のための孔の開いた洗濯槽6およびパルセータ7を有し、モータ8の働きでパルセータ7を回転させる構成となっている。洗濯槽6(受筒4でもある)に注水する際には、水道と連結された給水路9を経て抗菌剤供給手段10(電解槽10a、水経路10b、注水口10c)から水が注水される。洗濯槽6内には使用者が投入した洗濯物11が収納されている。
洗濯機1には温風供給手段(加熱手段)12bが配置され、温風供給手段(加熱手段)12bにより、送風口15から洗濯槽6の内部に向けて温風の供給が可能である。
受筒4と洗濯槽6の間には、温度検知手段13が配置され、水の温度を検知する機能を持つ。
蓋5には、光を照射するための光照射手段14が配置され、洗濯槽の水もしくは衣服に光を照射する機能を持つ。
電解槽10aの内部の構成は、実施の形態1で説明した図2の構成と同様である。
次に、洗濯物11を洗濯し1回濯ぐ工程について図4をもとに説明する。まず蓋5を開け、開口部3から洗濯槽6内に洗濯物11と洗剤を投入し、図示していない操作盤の電源スイッチとスタートスイッチを押すと洗濯機1の運転が開始される。次に給水路9から水道の水が入り、注水口10cから水が所定量注水される。次にモータ8が作動しパルセータ7が回転して洗濯槽6内の洗剤が溶けた水と洗濯物11が撹拌され、洗濯物11の汚れが落ちる。所定時間撹拌されると図示していない排水機構によって洗濯槽6内の水は排水され洗濯工程は終了する。次に濯ぎ工程としてモータ8が作動し洗濯槽6を回転して、洗濯物11を遠心脱水し、その脱水された水は排水される。所定時間脱水が行なわれるとモータ8は止まり、給水路9から再び水が濯ぎ用の水として入り、洗濯槽6内に所定量注水される。次にモータ8が作動しパルセータ7が回転して洗濯槽6内の水と洗濯物11が撹拌される。所定時間撹拌された後、水は排水され再び同様に脱水される。以上で1回目の濯ぎ工程が終了する。
次に2回目の濯ぎ工程において、除菌・抗菌処理を行う。その際の動作について図4と実施の形態1で説明した図2を参照して説明する。
まず給水路9から水道水が電解槽10aに流れてくる際、図示していない制御部が制御し、リード線16に直流電圧が印加され、銀電極15を電気分解によって水に溶出させる。銀の溶出量は、所定量の水が洗濯槽6内に入ったとき、その水の銀濃度は0.01ppm以上1ppm以下になるよう溶出させることが望ましい。0.01ppm以下であれば銀の除菌効果は得られにくいし、1ppm以上であれば銀の量が多量に必要とするなど経済的でないばかりか、銀が洗濯物に多く付着しすぎて変色してしまう恐れがあるからである。
銀濃度は、銀電極15に流れる電流値と通電時間の積で決まる銀量と受筒4内に入る水の量で求められる。例えば20Lの水の量を銀濃度0.1ppmにする場合、0.1Aの電流値で90秒間電流を流せばよい計算となる。したがって、電解槽10aにおいて銀電極15に0.1Aを90秒通電し、その後もしくはその間に水を電解槽10aの中に通水させるよう制御する必要がある。
またこの直流電圧の印加は、陽極側の銀電極15の銀だけが溶出するので、一方のみの銀電極15だけが減らないように、一定時間ごとに直流の極性を反転させる必要がある。本実施の形態では15秒ごとに直流の向きを変えて電流を流している。
このようにして銀の含まれた水(抗菌剤添加水)が洗濯物11と混ざり合う。このときモータ8が作動しパルセータ7が回転して洗濯槽6内の洗濯物11が撹拌されさらに混ざり合う。
2回目の濯ぎ工程において、所定時間撹拌された後に水は排水される。濯ぎ水が排水された後は、図4のように洗濯物11が銀の含まれた水(抗菌剤添加水)を含浸した状態で洗濯槽6の下部に溜まる。この状態で温風供給手段12bにより送風口15から温風を吹き出し、洗濯物11の温度を上昇させ、温度検知手段13による温度検知で洗濯物の温度が20℃になるよう制御手段(図示せず)によって制御される。これにより、冬の時期の水温が低い時であっても、確実に除菌効果が得られることになる。
さらに、銀の含まれた水(抗菌剤添加水)が洗濯物11に残存した状態において、洗濯物および銀の含まれた水(抗菌剤添加水)に対し、LED等の光照射手段14によって光を照射する。本実施の形態では、光照射手段14を蓋5の裏部中央付近に配設しているが、蓋5の裏部端部付近に配設してもよい。
洗濯物11に残存した銀の含まれた水(抗菌剤添加水)において、溶解した銀はイオン状態で存在する。この銀イオンは洗濯物に電気的に吸着し、ここに光が照射されると、水と酸素からヒドロキシラジカルあるいはスーパーオキシド等の活性酸素種の生成効率が向上する。銀自身の除菌、抗菌作用と共に光化学反応によって発生した活性酸素種による酸化作用によって菌を分解することができる。したがって、これらの相乗効果で低濃度の抗菌材で洗濯物の除菌、抗菌を効果的に行うことができる。
なお、3回目以降濯ぎ工程が存在する洗濯機であれば、この後3回目以降の濯ぎ工程に突入してもよいが、3回目の濯ぎ工程で銀の含まれた水(抗菌剤添加水)を加えずに、水道水で濯ぎを実施する場合には、2回目の濯ぎ工程で衣服に付着した銀濃度が薄まってしまうので、銀を水に溶出するタイミングは、脱水工程に突入する前の最終濯ぎ時に実施するのがよい。また、濯ぎ工程のたびに銀を含ませると、銀の量が多量に必要とするなど経済的でない点はいうまでもない。
また、濯ぎ水が排水された状態では、水を洗濯槽に貯水した状態と異なり、温風であっても十分効率的に衣類の温度を高めることが可能であり、衣類の温度を高めた後であれば、その後の脱水工程における脱水率も向上させることができる。
なお、脱水中もしくは脱水終了後に温風を供給したり光を照射したりしたとしても、脱水によって銀イオンが相当量吹き飛ばされてしまうので、銀による十分な除菌効果を発揮することが難しくなる。また、洗濯槽に水が貯水した状態である洗濯中もしくは濯ぎ中に温風を供給しても、十分に衣類や水の温度を高めることができない。
したがって、脱水工程に入る直前に衣類の温度を温風供給手段により高めることで、多量の熱エネルギーを消費することもなく除菌・抗菌効果を最大限に発揮させることができ、非常に経済的・環境的であるといえる。
以上のようにして、銀の含まれた水(抗菌剤添加水)によって除菌される菌の割合は、水道の水温が低い場合であっても20℃以上まで加熱することによって90%以上となる。なお、水温を20℃まで上げなくても、図3のグラフにて前述したとおり、変曲点である17℃以上であれば十分な除菌効果が得られる。
さらに、光を照射することによって、活性酸素種による酸化分解を利用するので、抗菌スペクトルを拡げ大腸菌や黄色ブドウ球菌以外の細菌やカビに対しても抗菌効果を発揮することができる。
なお、本実施の形態においてはパルセータで攪拌するタイプの洗濯機としたが、ドラムを回転させて洗濯、脱水を行うドラム式洗濯機であってもよい。
以上のように本発明にかかる洗濯機は、洗濯物の除菌・抗菌を効果的に行うことができるので、家庭用だけでなく業務用の衛生装置および、食器洗浄機などの家電製品へも適用できる。
1 洗濯機
6 洗濯槽
10 抗菌剤供給手段
12a 加熱ヒータ(加熱手段)
12b 温風供給手段(加熱手段)
13 温度検知手段
14 光照射手段
6 洗濯槽
10 抗菌剤供給手段
12a 加熱ヒータ(加熱手段)
12b 温風供給手段(加熱手段)
13 温度検知手段
14 光照射手段
Claims (4)
- 洗濯物を収容する洗濯槽と、抗菌作用のある抗菌剤を溶出させて水に添加し前記洗濯槽に抗菌剤添加水を供給する抗菌剤供給手段と、前記洗濯槽中の抗菌剤添加水または前記抗菌剤添加水を含水した洗濯物を加熱する加熱手段とを備え、前記加熱手段は前記抗菌剤添加水が前記洗濯槽へ供給された後に加熱をおこなう洗濯機。
- 抗菌剤は銀とし、加熱手段は洗濯槽中に注水された水を加熱するための加熱ヒータとし、洗濯槽中の水の温度を検知する温度検知手段を備え、洗濯槽中の水の温度が17℃以上になるように制御した請求項1記載の洗濯機。
- 抗菌剤は銀とし、加熱手段は洗濯槽へ温風を供給する温風供給手段とし、洗濯槽中の含水した洗濯物の温度を検知する温度検知手段を備え、脱水工程直前に温風を供給することによって、含水した洗濯物の温度が17℃以上になるように制御した請求項1記載の洗濯機。
- 洗濯物に紫外光から可視光の波長の光を照射する光照射手段を設けた請求項1〜3に記載の洗濯機。
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