JP3892799B2 - 織編物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合構造と繊維軸方向に太細斑を有する単繊維で構成されたマルチフィラメント糸からなり、ストレッチ性と良好な膨らみ感を有する織編物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、溶融粘度の異なる2種の熱可塑性ポリマーを同一吐出孔より吐出する複合紡糸により接合型複合繊維糸とし、熱処理によりスパイラル型クリンプを発現させ捲縮型ストレッチ糸とすることが知られており、高捲縮を得るために、用いる2種の熱可塑性ポリマーの溶融粘度差を大きくすること、また高溶融粘度成分として高収縮性のポリエステルを用いること等により、ポリエステル系潜在捲縮性複合繊維糸が提案され、この糸による布帛はストレッチ性、深みのある色彩を得ることが知られている。
【0003】
また、下記の特許文献1、2には、溶融粘度の異なる2種のポリエステルポリマーからなる接合型複合繊維に太細斑を付与し、織編物にストレッチ性と太細スラブ調外観を与える複合繊維糸と織編物が開示されている。しかしこの方法では、糸の長手方向に単繊維の高配向の細部と低配向の太部が局在化して存在する構造のため、染色により局在化した濃色部と淡色部を呈し、スラブ調の外観を得るにはよいが、ナチュラルな外観を得ることは困難であり、また、太部と細部が局在化して存在しているため、織編物全体としての膨らみ感も不十分である。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−160443号公報
【特許文献2】
特開2001−200445号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を解決するものであって、織編物としたときに濃色部と淡色部が局在化せずにナチュラルな外観を呈し、十分な膨らみ感とストレッチ性を有する織編物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、溶融粘度の異なる2種のポリエステルポリマーが接合した複合構造を有し、繊維軸方向に太細斑を有する単繊維からなり、糸の任意の断面における単繊維太細比が1.4〜5.8、糸の太さ斑の変動係数(CV)が0.30〜1.20であるマルチフィラメント糸を、撚係数Kが3000〜30000で撚糸して製織した後、織編物を90〜140℃の温度でリラックス処理してマルチフィラメント糸に捲縮率で20〜45%の捲縮を発現させることを特徴とする織編物の製造方法にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の織編物は、溶融粘度の異なる2種のポリエステルポリマーが接合した複合構造を有し、繊維軸方向に太細斑を有する単繊維からなるマルチフィラメント糸の撚糸から構成される。マルチフィラメント糸における単繊維は、溶融粘度の異なる2種のポリエステルポリマーが接合した複合構造を有する繊維であることが必要である。ポリエステルポリマーとしては、複合構造を形成したときに良好なストレッチ性を発現させるためには、溶融粘度の異なる組合せであればどのような組合せでもよく、同一ポリマー組成の高粘度ポリマーと低粘度ポリマーの組合せでもよいが、溶融粘度の異なるポリエステルポリマーのうち、一方の高粘度のポリエステルポリマー(以下ポリエステルポリマー(A))を高収縮成分、他方の低粘度のポリエステルポリマー(以下ポリエステルポリマー(B))を低収縮成分として作用させるような組み合わせとする。
【0008】
また、溶融粘度の異なる2種のポリエステルポリマーのうち、高粘度のポリエステルポリマー(A)は、第三成分を5〜15モル%共重合させた共重合ポリエチレンテレフタレートであることが好ましく、また低粘度のポリエステルポリマー(B)は、ポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。ポリエステルポリマー(A)の共重合ポリエチレンテレフタレートにおける第三成分が5モル%未満では、捲縮発現力が十分得られ難く、15モル%を超えると、融点低下が著しく、複合紡糸自体が困難になるだけでなく、捲縮発現力も不十分となりやすい。
【0009】
共重合ポリエチレンテレフタレートにおける第三成分としては、テレフタル酸成分以外の芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等の酸成分、エチレングリコール成分以外の脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオール等のジオール成分が挙げられ、具体的には、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、スルホイソフタル酸金属塩、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン等が挙げられ、特にイソフタル酸、アジピン酸、スルホイソフタル酸金属塩、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンが好ましいものして挙げられる。これらの第三成分は単独或いは2種以上の組み合わせであってもよい。
【0010】
更に、本発明における溶融粘度の異なる2種のポリエステルポリマー(A)、(B)の接合は、複合構造を有する繊維としたときに、良好なストレッチ性が発現する接合であればいかなる接合でもよく、接合形態としては好ましくはサイドバイサイド型又は偏心芯鞘型等が挙げられ、特にサイドバイサイド型であることが高度なストレッチ性を得るうえでより好ましい。また、単繊維の断面形状は、丸型、三角型、多角形、マルチローバル等いずれの断面形状であってもよい。
【0011】
本発明の織編物において、マルチフィラメント糸を構成する単繊維は、繊維軸方向に太細斑を有する繊維であることが必要である。単繊維に繊維長手方向に太部と細部が混在することにより、繊維長手方向に繊維の配向差が生じる。繊維のこの配向差により、仮撚、混繊、染色等公知の後加工において熱処理を施した際に、単繊維内に収縮差を生じ、単繊維の集合せる糸に膨らみを持たせることが知られている。マルチフィラメント糸を構成する単繊維に繊維軸方向に太細斑を有する繊維を用いることによって、本発明のマルチフィラメント糸に膨らみ感を付与することができる。
【0012】
本発明の織編物におけるマルチフィラメント糸は、マルチフィラメント糸の任意の断面における最も太い単繊維と最も細い単繊維の単繊維断面積の比(単繊維太細比)が1.4〜4.5であることが好ましく、より好ましくは1.7〜3.4である。単繊維太細比の下限が1.4未満であると、単繊維の繊維軸長手方向に、太部と細部の繊度差が小さいため太部、細部の繊維配向による構造斑に起因した捲縮形態差が得難く、織編物に十分なふくらみ感を付与することが困難になり、また上限が4.5を超えると、単繊維の太部と細部の繊維配向差が大きいため、太部と細部の伸度差が大きくなり、織編物が毛羽立ちやすくなり、また製織編する際の工程安定性も不良となりやすい。
【0013】
織編物におけるマルチフィラメント糸は、捲縮率が20〜45%の捲縮を有することが好ましい。捲縮率が20%未満では、十分なストレッチ性を得ることができず、また45%を超えると、織編物としての形態安定性、風合いに欠けたものとなる。
【0014】
また、本発明の織編物におけるマルチフィラメント糸は、伸度が30〜70%、より好ましくは35〜60%であることが望ましい。伸度が70%を超えると、織編物としての十分な捲縮が発現し難く、満足すべきストレッチ性能を得ることができ難く、また30%未満では、単繊維の繊維軸方向に太細斑の発現が不足しやすく、満足すべき目的とする膨らみ効果を得ることが困難となりやすい。
【0015】
本発明の織編物は、撚糸の状態のマルチフィラメント糸で構成されるが、マルチフィラメント糸は、下式に示す撚係数Kが3000〜30000、より好ましくは6000〜25000で撚糸されていることが好ましく、本発明におけるマルチフィラメント糸にて織編物としたときに、解撚トルクの発現による膨らみ感が得られ、単繊維の太細斑と撚糸による相乗効果により優れた膨らみ感が得られる。
撚係数K=T×√D
但し、T:1m当りの撚数、D:マルチフィラメント糸の繊度(dtex)
【0016】
撚係数Kが3000未満では、単繊維の太細斑による膨らみは得られるが、より良好な膨らみ感を得ることができず、撚係数Kが30000を超えると、撚糸の解撚トルクが大きく、製織時にスナールが発生し、また、マルチフィラメント糸が拘束され織編物が硬化するため好ましくない。
【0017】
次に、本発明の織編物の製造方法について説明する。
本発明の織編物は、溶融粘度の異なる2種のポリエステルポリマーが接合した複合構造を有し、繊維軸方向に太細斑を有する単繊維からなり、糸の任意の断面における単繊維太細比が1.4〜5.8、糸の太さ斑の変動係数(CV)が0.30〜1.20であるマルチフィラメント糸を、撚係数Kが3000〜30000で撚糸して製織織した後、織編物を90〜140℃の温度でリラックス処理してマルチフィラメント糸に捲縮率で20〜45%の捲縮を発現させることにより得られる。
【0018】
本発明の製造方法で用いるマルチフィラメント糸は、マルチフィラメント糸を構成する単繊維が、2種のポリエステルポリマーが好ましくはサイドバイサイド型、偏心芯鞘型、より好ましくはサイドバイサイド型に接合された複合構造を有するものであり、溶融粘度の異なる2種のポリエステルポリマーのうち、一方の高粘度のポリエステルポリマー(以下ポリエステルポリマー(A))は高収縮成分として機能し、他方の低粘度のポリエステルポリマー(以下ポリエステルポリマー(B))は低収縮成分として機能する。
【0019】
溶融粘度の異なる2種のポリエステルポリマー(A)、(B)のうち、高粘度のポリエステルポリマー(A)としては、イソフタル酸、アジピン酸、スルホイソフタル酸金属塩等の公知の第三成分を5〜15モル%共重合させた共重合ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましく、また、低粘度のポリエステルポリマー(B)としては、ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。共重合ポリエチレンテレフタレートにおける第三成分が5モル%未満では、捲縮発現力が十分得られ難く、15モル%を超えると、融点低下が著しく複合紡糸自体が困難になるだけでなく、捲縮発現力も不十分となりやすい。
【0020】
また、本発明の製造方法で用いるマルチフィラメント糸は、マルチフィラメント糸を構成する各単繊維が、繊維軸方向に太細斑を有し、マルチフィラメント糸の任意の断面における単繊維太細比が1.4〜5.8、好ましくは1.7〜3.3で、マルチフィラメント糸の糸全体としての太さ斑の変動係数(CV)が0.30〜1.20、好ましくは0.35〜1.0のマルチフィラメン糸である。
【0021】
マルチフィラメント糸を構成する各単繊維に繊維軸方向に太部と細部が混在することにより、単繊維長手方向に繊維の配向差が生じ、この繊維の配向差により、仮撚、混繊、染色等の公知の後加工において熱処理を施した際に単繊維内に収縮差を生じ、繊維に膨らみを与える。マルチフィラメント糸の任意の断面における単繊維太細比が1.4未満では、単繊維の長手方向に、太い単繊維と細い単繊維の繊度差が小さく、従い単繊維の太部、細部の繊維配向による構造斑に起因した捲縮形態差が得難く、織編物に十分なふくらみ感を付与することが困難になり、また単繊維太細比が5.8を超えると、単繊維の太部と細部の繊維配向差が大きすぎ、太部と細部の伸度差が大きくなり、製糸する際に糸切れ等を生じ工程安定上の問題がある。
【0022】
更に、用いるマルチフィラメント糸の糸全体としての太さ斑の変動係数(CV)が0.30未満では、マルチフィラメント糸における単繊維の太細差が小さくなるため、単繊維間での捲縮形態差が小さくなり目的とする膨らみ感を得ることができなくなり、太さ斑の変動係数(CV)が1.20を超えると、仮撚、混繊、染色等公知の後加工において熱処理を施した際に、マルチフィラメント糸の糸長手方向に太部と細部が局在化し、マルチフィラメント糸での太部の収縮が著しく粗忽な糸になる、太部と細部の伸度差が大きいため製糸する際に糸切れを生ずる、等工程安定上の問題が発生する。また、染色した際にスラブ調外観を呈した太細が発生する、更に太部と細部が局在化することで収縮部が集中するため織編物等で染色したときに本発明の目的とする自然な外観と膨らみを呈するものとはならない。
【0023】
特に本発明の製造方法においては、単繊維太細比が1.4〜5.8、糸の太さ斑の変動係数(CV)が0.30〜1.20であるマルチフィラメント糸として、下記の式(1)を満足するポリエステルポリマー(A)とポリエステルポリマー(B)とを2500m/分以下の引取速度で接合型に複合紡糸した未延伸糸を、下記の式(2)〜(6)を満足する条件下で加熱ローラーにより延伸して得たマルチフィラメント糸を用いることが好ましい。
(1)[η]A−[η]B>0.145
(2)MDR×0.45≦DR1≦MDR×0.65
(3)1.000≦DR2≦1.300
(4)DR1>DR2
(5)Tg≦TDR1≦Tc
(6)Tg+20℃≦TDR2≦Tc
(但し、式中、[η]A、[η]B、MDR、DR1、DR2、TDR1、TDR2、Tg、Tcは前記に同じ。)
【0024】
本発明の好ましい製造方法では、用いるポリエステルポリマー(A)とポリエステルポリマー(B)の固有粘度の差は0.145より大きくする。高粘度のポリエステルポリマー(A)は高収縮成分として機能し、低粘度のポリエステルポリマー(B)は低収縮成分として機能する。固有粘度の差が0.145以下の場合、ポリエステルポリマー(A)の成分とポリエステルポリマー(B)の成分間の収縮差が小さく、形成される繊維での捲縮の発現が不足し、ストレッチ性能が得られないことになる。
【0025】
更に、2種のポリエステルポリマー(A)、(B)を用いる複合紡糸は、好ましくはサイドバイサイド型、偏心芯鞘型、より好ましくはサイドバイサイド型の接合型に複合紡糸する。複合紡糸に際してのポリエステルポリマー(A)/ポリエステルポリマー(B)の接合比(重量比)Wは、複合繊維の形態下で捲縮発現力を与えるうえで4/6<W<6/4であることが好ましい。接合比が前記範囲外では製糸性が低下しやすく、複合繊維の形態下での捲縮発現力も不足しやすい。
【0026】
また、本発明の好ましい製造方法では、2種のポリエステルポリマー(A)、(B)を複合紡糸する際の紡糸時の引取速度は、未延伸糸の配向度を比較的低く抑え、延伸での繊維軸方向での太細斑の形成を容易にするために2500m/分以下とする。引取速度が2500m/分を超えると、未延伸糸の配向度が高くなり、太細斑の形成が困難となる。
【0027】
未延伸糸の延伸は、各単繊維に繊維軸方向に太細斑を形成し、単繊維太細比が1.4〜5.8、糸の太さ斑の変動係数(CV)が0.30〜1.20のマルチフィラメン糸とするためには、前記式(2)〜(6)を満足する条件で、加熱ローラーで2段延伸する。2段延伸での1段目延伸倍率DR1がMDR×0.45未満では、十分な捲縮発現力が得られず、MDR×0.65を超えると、マルチフィラメント糸を構成する単繊維に太細斑を形成することが困難となり、本発明の目的とする膨らみを得ることが困難となる。また、2段目延伸倍率DR2が1.000未満であると、1段目延伸で形成された単繊維の太細斑が局在化されマルチフィラメント糸がスラブ調の外観になり、1.300を超えると、同様に太細斑が局在化するため単繊維上で太細斑が分散せず、目的とする膨らみが得られない。
【0028】
更に、1段目延伸倍率DR1>2段目延伸倍率DR2とする。2段目延伸倍率DR2が1段目延伸倍率DR1を超える場合、1段目延伸で形成された単繊維の太細斑が2段目延伸により局在化するため、スラブ調の外観となり、単繊維内に太細斑を分散させて膨らみを発現させることが困難となる。
【0029】
1段目延伸におけるローラー温度TDR1は、Tg≦TDR1≦Tcであり、かつ前記式(2)の条件により未延伸糸の延伸のネック点発生が1段目延伸ローラー上に存在することでネック点が分散し単繊維間で太細のバラツキを発生させることができる。ローラー温度TDR1がTg未満、又はTcを超えると、延伸のネック点発生の分散性不良となり、得られるマルチフィラメント糸がスラブ調の外観になる。2段目延伸における熱セット温度TDR2がTg+20℃未満では、得られる単繊維の配向度が低く強度不十分となり、Tcを超えると単繊維の太部と細部が局在化し、太部と細部が局在化したスラブ調のマルチフィラメント糸になる。
【0030】
また、本発明の好ましい製造方法では、加熱ローラーで延伸するものであり、熱ピンによる延伸では延伸点が熱ピン上に固定され、単繊維の太部と細部が局在化するため、単繊維の太部と細部が局在化したスラブ調のマルチフィラメント糸となる。
【0031】
次に、本発明の製造方法では、マルチフィラメント糸を、撚係数Kが3000〜30000、好ましくは6000〜25000で撚糸することが必要である。かかる撚係数Kで撚糸したマルチフィラメント糸にて織編物にしたとき、マルチフィラメント糸を撚糸することにより解撚トルク発現による膨らみ感が得られ、マルチフィラメント糸を構成する単繊維の太細斑と撚糸による相乗効果により優れた膨らみ感が得られる。撚係数Kが3000未満であると、太細斑による膨らみは得られるが、本発明の目的とする良好な膨らみ感にやや不足する。撚係数Kが30000を超えると、撚糸の解撚トルクが大きすぎ、製織時にスナールが発生し、またマルチフィラメント糸が拘束され、織編物としたときに織物がが硬化するため好ましくない。
【0032】
また、マルチフィラメント糸を撚糸した後は、熱セットを施すことが好ましい。この熱セットは、撚糸トルクによるビリが発生しやすいため、製編織の工程通過性に問題ない範囲で撚糸トルクを低下させるために施されるが。熱セット条件は、セット可能な温度でできるだけ低温で実施するのが好ましい。また、熱セット後、撚係数Kが3000〜8000の甘撚の領域ではサイジングすることが好ましく、その他の工程は標準的な工程で製織、製編される。
【0033】
織編物における組織、密度等は、求められる風合によって選択され、限定されるものではないが、密度は、染色加工工程における嵩高性発現の効果を十分に発揮させるためには通常より甘めに設定したほうが好ましいが、織編物の組織によって条件は異なるが、染色織編物として縫製着用する場合に目ずれ、スリップなどの問題が生じない程度の密度に設定するのが好ましい。
【0034】
織編物は、本発明におけるマルチフィラメント糸のみで構成することが好ましいが、風合を損ねない範囲で他の繊維(マルチフィラメント糸、紡績糸)と混用して交織、製織若しくは製編してもよい。他の繊維を混用する際は、本発明におけるマルチフィラメント糸が好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上含まれるよう用いる。本発明におけるマルチフィラメント糸が20重量%未満では、染色加工工程における嵩高性発現及びストレッチ性の効果に乏しいものとなる。混用の方法としては、交織、交編等任意の方法が用いられる。
【0035】
製織編された織編物は、90〜140℃の温度で湿熱状態でリラックス処理をすることが必要である。かかるリラックス処理により、織編物を構成するマルチフィラメント糸における単繊維の複合構造と繊維軸方向の太細斑とに基づき捲縮率で20〜45%の捲縮をマルチフィラメント糸に発現させ、織編物に嵩高性とストレッチ性を付与する。リラックス処理の温度が90℃未満では、マルチフィラメント糸による収縮応力やストレッチの発現力が十分に発現しないため好ましくない。
【0036】
リラックス処理には、染色加工工程で用いられるソフサー、リラクサー、ワッシャー、液流染色機、シュリンクサーファー等公知の装置を用いることができる。リラックス処理の際には、織編物の状態で嵩高性とストレッチ性を発現する目的で織編物に張力をかけない条件を採用するのが好ましい。リラックス処理した後は、アルカリ減量、染色加工が適宜施されるが、織編物にソフト感と柔軟性を与えるためにアルカリ減量処理を施すことが好ましい。アルカリ減量処理は、織編物の組織、密度に左右されるため、リラックス処理後、プレセットを施した後に行うことが好ましい。また、染色加工には、織編物に柔軟性と嵩高性を与えることから液流染色機を用いることが好ましい。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例における特性値の評価は次の方法によって拠った。
【0038】
(単繊維断面積の比(太細比))
マルチフィラメント糸を長手方向の任意の位置で、光学顕微鏡により断面を観察、単繊維断面積を測定し、単繊維断面積の最も太い部分と最も細い部分の単繊維断面積の比を求めた。
【0039】
(マルチフィラメント糸の糸全体としての太さ斑の変動係数(CV))
計測器工業(株)製糸斑試験機KET80Cを用い、糸速15m/分、レンジ±12.5%、ノーマルモードの条件で糸の太さの変動係数CV(%)を測定した。
【0040】
(捲縮率)
サンプルのマルチフィラメント糸を枠周1mで巻き数10回の綛を作成し、綛が乱れないように2ヶ所を束ねてくくり、8の字状にして2つ折に重ねて輪にすることを2回繰り返し、ガーゼに包み水浴に浸したときに浮かないように金網箱に入れ、90℃に調整した恒温槽に20分間浸漬する。恒温槽から金網箱を取り出し、水を切り綛が乱れない様にろ紙の上に並べる。20時間以上放置し、自然乾燥した後に捲縮を引き伸ばさない様に注意しながら、余分な絡まりをほぐす。表示デシテックス(1.1dtex)当り49/25000cN×20の初期荷重を掛け1分後に初期荷重を除重する。その再度49/500cN×20の測定荷重を掛けて1分後の長さ(L1)を測り、除重後2分間放置して再び初荷重を掛けて1分後の長さ(L2)を測る。捲縮率CCは下記式により算出する。
捲縮率(%)=〔(L1−L2)/L1〕×100
【0041】
(伸度)
島津製作所(株)製オートグラフシステムSD−100−Cを用い、サンプル長20cm、引張速度20m/分の条件で測定した。
【0042】
(織物収縮率)
サンプルのマルチフィラメント糸を撚係数K=100(T=K×√D Tは1m当りの撚数、Dはサンプル糸の繊度)の条件で撚糸を施し、温度70℃、湿度90%RHの条件下で40分間セットした糸を緯糸として、このサンプル糸の繊度(D)から打ち込み本数(本/cm)=311.1/√Dで算出される打ち込み本数で、縦糸密度39.6本/cmに設定された56dtex/18フィラメントのサンプル糸を経糸として製織した後、織物緯糸方向に長さ1mの間隔で印を付け(M0)緯糸に平行に10cm幅のサンプル布を切り出し、130℃×30分間熱水処理する。熱水処理したサンプル布を風乾後、片端を固定して垂直に垂らし、下方の他端に0.45g/dtexの荷重をかけ、先に付けた印の間隔(M1)を測定し、下記式で算出した。
織物収縮率(%)=〔(M0−M1)/M0〕×100
【0043】
(固有粘度[η])
ポリマーをフェノールとテトラクロロエタンの1:1の混合溶媒に溶解し、ウベローデ粘度計を用いて25℃で測定した。
【0044】
(織物風合)
織物収縮率の測定に用いた湿熱処理後のサンプル布の引っ張り弾性を触感による官能テストにより次の基準で評価した。
○:伸長、反発弾性が共に非常に良好
△:伸長、反発弾性が共に良好
×:伸長、反発弾性が共に不十分
【0045】
(織物外観)
織物収縮率の測定に用いた湿熱処理後のサンプル布を、分散染料(カラーインデックスDisperse Blue 200)1.0%owf(対繊維重量)、染色温度130℃にて染色し、織物の外観を目視で次の基準にて評価した。
○:スラブ外観が無く、織物としてプレーンな外観
×:スラブ調の外観、太部、細部に起因した濃淡が発生
【0046】
(実施例1)
イソフタル酸8モル%をポリエチレンテレフタレートに共重合した固有粘度0.647の共重合ポリエチレンテレフタレートをポリマー(A)、固有粘度0.484のポリエチレンテレフタレートをポリマー(B)とし、紡糸温度を290℃とし、紡糸吐出孔の上流で2種のポリマー流を面対称に合流させ、接合比(重量比)5/5で、孔径0.6mm、長さ1.5mmの細孔の吐出孔を24個有する複合紡糸口金より紡出した。この紡出糸条を冷却、オイリング後、2100m/分の引取速度で巻き取り、206dtex/24フィラメントの未延伸糸を得た。
【0047】
得られた未延伸糸を表1に示す条件で延伸して109dtex/24フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を得た。得られたマルチフィラメント糸を用い、表1に示す条件にて撚糸、製織した。撚糸セットは、70℃で30分間真空スチームセットにて実施した。製織後の生機を液流染色機にて120℃でリラックス処理し、180℃でテンターにてセットし130℃にて染色した。染色後、仕上セットを190℃でテンターにて実施し、得られた織物の評価結果を表1に示した。
【0048】
(実施例2)
実施例1で用いたと同じ2種のポリマーを用い、実施例1と同様の紡糸条件で、吐出孔を48個有する複合紡糸口金にて複合紡糸し、233dtex/48フィラメントの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を、表1に示す条件で延伸して135dtex/48フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を得た。得られたマルチフィラメント糸を用い、実施例1と同様にして得た織物の評価結果を表1に示した。
【0049】
(実施例3)
実施例1で用いたと同じ2種のポリマーを用い、実施例1と同様の紡糸条件で、吐出孔を24個有する複合紡糸口金にて複合紡糸し、98dtex/24フィラメントの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を、表1に示す条件で延伸して56dtex/24フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を得た。得られたマルチフィラメント糸を用い、実施例1と同様にして得た織物の評価結果を表1に示した。
【0050】
(比較例1)
実施例1において、未延伸糸の繊度を231dtex/24フィラメントと変更した以外は、実施例1と同様の紡糸条件で複合紡糸して未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を、表1に示す条件で延伸して125dtex/24フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を得た。得られたマルチフィラメント糸を用い、実施例1と同様にして得た織物の評価結果を表1に示した。得られた織物は、ポリエステルマルチフィラメント糸の太さ斑の変動係数(CV)が大きいため、織物にスラブ外観があり、スラブの太部と細部で収縮差があり、膨らみ感に欠けるものとなった。
【0051】
(比較例2)
表1に示した延伸条件に変えた以外は、実施例3と同様にして、ポリエステルマルチフィラメント糸を得た。得られたマルチフィラメント糸を用い、実施例1と同様にして得た織物の評価結果を表1に示した。得られた織物は、スラブ調の外観はないものの、最も太い単繊維と最も細い単繊維の単繊維径の比が小さく、膨らみ感に欠ける風合となった。
【0052】
(比較例3)
実施例1において、吐出孔を12個有する複合紡糸口金、未延伸糸繊度を115dtex/12フィラメントに変えた以外は、実施例1と同様にし、表1に示す条件で延伸して61dtex/12フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を得た。得られたマルチフィラメント糸を用い、実施例1と同様にして得た織物の評価結果を表1に示した。得られた織物は、マルチフィラメント糸の太さ斑の変動係数(CV)が大きいため、織物にスラブ外観があり、スラブの太部と細部で収縮差があり、膨らみ感に欠けるものとなった。
【0053】
(比較例4)
固有粘度0.693のポリエチレンテレフタレートを、紡糸温度を290℃とし、孔径0.25mm、長さ0.43mmの細孔の吐出孔を36個有する紡糸口金より紡出した。この紡出糸条を冷却、オイリング後、2100m/分の引取速度で巻き取り、194dtex/36フィラメントの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を表1に示す条件で延伸して117dtex/36フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を得た。得られたマルチフィラメント糸を用い、実施例1と同様にして得た織物の評価結果を表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】
本発明の織編物は、高粘度ポリエステルポリマーが高収縮成分、低粘度ポリエステルポリマーが低収縮成分として作用する捲縮発現力に基づいたストレッチ性を発現する複合構造び繊維軸方向に太細斑を有する単繊維からなるマルチフィラメン糸であって、単繊維の太細斑がマルチフィラメント糸として局在化することなく分散したマルチフィラメント糸で構成されていることにより、織編物の表面に太細斑が局在することなく分散し異収縮効果による膨らみ感と、ストレッチ性を併せもつ新感覚の織編物製品を得ることができる。
Claims (3)
- 溶融粘度の異なる2種のポリエステルポリマーが接合した複合構造を有し、繊維軸方向に太細斑を有する単繊維からなり、糸の任意の断面における単繊維太細比が1.4〜5.8、糸の太さ斑の変動係数(CV)が0.30〜1.20であるマルチフィラメント糸を、撚係数Kが3000〜30000で撚糸して製織した後、織編物を90〜140℃の温度でリラックス処理してマルチフィラメント糸に捲縮率で20〜45%の捲縮を発現させることを特徴とする織編物の製造方法。
- 単繊維太細比が1.4〜5.8、糸の太さ斑の変動係数(CV)が0.30〜1.20であるマルチフィラメント糸として、下記の式(1)を満足するポリエステルポリマー(A)とポリエステルポリマー(B)とを2500m/分以下の引取速度で接合型に複合紡糸した未延伸糸を、下記の式(2)〜(6)を満足する条件下で加熱ローラーにより延伸して得たマルチフィラメン糸を用いる請求項1記載の織編物の製造方法。
(1)[η]A−[η]B>0.145
(2)MDR×0.45≦DR1≦MDR×0.65
(3)1.000≦DR2≦1.300
(4)DR1>DR2
(5)Tg≦TDR1≦Tc
(6)Tg+20℃≦TDR2≦Tc
(但し、式中、[η]A、[η]B、はそれぞれポリマー(A)、(B)の固有粘度、MDRは延伸温度85℃における未延伸糸の最大延伸倍率、DR1は1段目延伸倍率、DR2は2段目延伸倍率、TDR1は1段目延伸におけるローラー温度、TDR2は2段目延伸における熱セット温度、Tgは未延伸糸のガラス転移温度(℃)、Tcは未延伸糸の結晶化温度(℃)を表す。なお、マルチフィラメント糸の未延伸糸のTg、Tcがそれぞれ2点測定される場合は、高い方の温度をTg、低い方の温度をTcとする) - ポリエステルポリマー(A)として、第三成分を5〜15モル%共重合させた共重合ポリエチレンテレフタレートを用い、ポリエステルポリマー(B)として、ポリエチレンテレフタレートを用いる請求項1又は2記載の織編物の製造方法。
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