JP3892593B2 - 施工状況図出力装置及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は施工状況図出力装置及び記録媒体に係り、特に、建設物の施工期間内の施工状況を示す施工状況図を出力する施工状況図出力装置、及び、コンピュータを前記施工状況図出力装置として機能させるためのプログラムが記録された記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
建設工事の施工時に、使用する掘削機や揚重機等の建設工事用機器や各種の仮設物が当初予定していた位置に物理的に配置可能か否か、施工時の安全性を確保できるか否か、並行して実施される作業同士が干渉しないか否か等を事前に検討・確認することは、建設工事の施工計画の立案における非常に重要な作業であり、施工期間内の各時期における施工現場内の状況を容易に確認できるようにすることは、建設工事の施工計画の検討・確認の省力化に非常に有効である。
【0003】
上記に基づき、本願出願人は、作業の順序データ及び機器の配置データに基づいて、作業所の平面図に機器及び仮設物を重ねて示した状況図を作成・表示すると共に、状況図に示した機器及び仮設物の配置を変更可能とした建設工事シミュレーション装置を提案している(特許第 2664519号公報等参照)。
【0004】
しかしながら、上記のシミュレーション装置は、作業所の平面図を状況図として示すものであり、基礎工事等のように平面的な工事を実施している際の施工現場内の状況については容易に把握可能であるが、地下工事や躯体工事等のように上方から見て部材が重なって配置されたり、異なる高さ位置で作業が並列に進行する工事における施工現場内の状況を、高さ方向の位置情報が表現されない平面図によって把握することは困難であり、地下工事や躯体工事等における施工状況の把握には不向きである。また平面図や側面図は、上方又は側方から見て部材が重なって配置されている場合に、奥側に位置している部材が、図上では手前側に位置している部材の背後に隠れることになり、奥側に位置している部材を確認することが困難である、という不具合もある。
【0005】
このため、地下工事や躯体工事等における施工状況の把握には、垂直断面図や水平断面図を用いることが考えられる。しかし、3次元CAD等における断面図は、或る断面線に沿って切断したときの切断面に接している部材のみを示した図であることが殆どであり、作成された断面図に現われている情報量が少ないという問題がある。
【0006】
特に地下工事では、山留壁、仮設杭、支保工(切梁)、アースアンカ等の多数の仮設物を用いて作業が行われるので、地下工事の施工計画の検討・確認においては、各種の仮設物や躯体を構成する各部材の相互の位置関係の把握が非常に重要であるが、3次元CAD等で作成された単一の断面図に、各種の仮設物や、躯体を構成する各部材の位置が全て現れていることは稀であり、断面線の位置を変更しながら断面図を繰り返し作成させる必要があると共に、作成された多数の断面図に基づき、断面図相互の比較等を行うことで、各種の仮設物や各部材相互の位置関係を把握する必要がある。従って、単に断面図を表示するようにしただけでは、地下工事や躯体工事等の施工計画の検討・確認の省力化を実現できない。
【0007】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、建設工事の施工計画の検討・確認が省力化されるように施工状況を図示できる施工状況図出力装置、及び記録媒体を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る施工状況図出力装置は、建設物を構成する各部材及び該建設物の施工時に使用される各資材について、前記部材又は資材の種類を表す種類情報、前記建設物の施工時の3次元施工空間内における前記部材又は資材の配置位置を表す位置情報、及び前記部材の施工時期又は前記資材の使用期間を表す時期情報を各々設定するための設定手段と、前記設定手段を介して各々設定された前記各部材及び各資材の前記種類情報、前記位置情報及び前記時期情報を各々記憶する記憶手段と、施工状況図の出力を指示するための指示手段と、前記指示手段を介し、前記施工空間を横切る基準面が指定され、前記建設物の施工期間内の特定時期における、前記基準面に関する施工状況図の出力が指示されると、前記各部材及び各資材の前記位置情報及び前記時期情報に基づいて、前記特定時期に、前記基準面を含みかつ前記基準面と交差する方向に幅を有する特定範囲内に存在している部材及び資材を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された部材及び資材の前記種類情報及び位置情報に基づいて、前記抽出された部材及び資材を、前記基準面と略平行な投影面への投影位置に対応する位置に、個々の部材又は資材の種類に応じた図形として示した施工状況図を出力する出力手段と、を含んで構成されている。
【0009】
請求項1記載の発明では、建設物を構成する各部材及び建設物の施工時に使用される各資材について、部材又は資材の種類を表す種類情報、建設物の施工時の3次元施工空間内における部材又は資材の配置位置を表す位置情報、及び部材の施工時期又は資材の使用期間を表す時期情報を各々設定するための設定手段が設けられており、設定手段を介して各々設定された各部材及び各資材の種類情報、位置情報及び時期情報は記憶手段に各々記憶される。なお、建設物を構成する部材としては柱、梁、床、壁等が挙げられ、建設物の施工時に使用される資材としては、例えば地下工事で使用される山留壁、仮設杭、構台、支保工、アースアンカや、泥水プラント、鉄筋加工場、PC部品等のサイト工場、掘削機や揚重機等の重機が挙げられる。種類情報は、対応する部材又は資材が、上述したような各種の部材又は各種の資材の何れであるかを表す情報である。
【0010】
また、位置情報としては、部材又は資材の3次元施工空間内における配置位置を、部材又は資材の端点等の基準点の3次元座標値で表す情報を用いることができる。なお、建設物を構成する各部材の配置位置については、建設物の設計時に、建設物の構造計算等に利用するために情報処理装置に入力されることが多く、設計時に入力された各部材の配置位置を表す情報を部材の位置情報として用いることも可能である。また、時期情報については、建設物の施工計画に基づいて設定することができる。
【0011】
また、請求項1記載の発明には、施工状況図の出力を指示するための指示手段が設けられており、指示手段を介し、施工空間を横切る基準面(施工空間の鉛直方向に沿った面であってもよいし、施工空間の水平方向に沿った面であってもよい)が指定され、建設物の施工期間内の特定時期における、前記基準面に関する施工状況図の出力が指示されると、抽出手段は、各部材及び各資材の位置情報及び時期情報に基づいて、前記特定時期に、前記基準面を含みかつ前記基準面と交差する方向に幅を有する特定範囲内に存在している部材及び資材を抽出する。施工期間内の特定時期に施工空間内に存在している部材は施工時期が特定時期以前の部材であり、施工期間内の特定時期に施工空間内に存在している資材は特定時期に使用されている資材(特定時期が使用期間内に含まれている部材)である。従って、抽出手段による部材及び資材の抽出は、上記の条件を満足し、かつ特定範囲内に一部又は全体が存在している部材及び資材を検索することで行うことができる。
【0012】
そして、出力手段は、抽出手段によって抽出された部材及び資材の種類情報及び位置情報に基づいて、抽出された部材及び資材を、基準面と略平行な投影面への投影位置に対応する位置に、個々の部材又は資材の種類に応じた図形として示した施工状況図(施工期間内の特定時期において、特定範囲内に存在する部材や資材の配置を示す図)を出力する。なお施工状況図の出力は、具体的には、例えばディスプレイ等の表示手段への施工状況図の表示であってもよいし、紙等の記録媒体への施工状況図の印刷であってもよい。
【0013】
本発明に係る特定範囲は、指定された基準面を含みかつ基準面と交差する方向に幅を有する範囲であるので、通常の断面図のように切断面に接している部材のみを抽出・出力する場合と比較して、本発明に係る施工状況図にはより多数の部材、資材が示される。また、施工状況図による確認が必要な部材等の位置に応じて基準面の位置を指定することで、平面図や側面図等では前記確認が必要な部材を確認する際の障害となる部材や資材(例えば所定方向から見て前記確認が必要な部材の手前側に存在している部材や資材)が抽出されることを防止することができ、施工状況図による確認が必要な部材や資材が確実に確認可能なように施工状況図を図示させることができる。このように、本発明に係る施工状況図は、施工状況図上に現れている情報量が多いので、施工期間内の特定時期における施工空間の特定範囲内における施工状況の把握、施工計画の検討・確認を容易に行うことができる。
【0014】
また、施工期間内のうち施工状況図として出力すべき特定時期及び施工空間内のうち施工状況図として出力すべき特定範囲を変更しながら、施工状況図の出力を繰り返し指示すれば、施工期間内の各時期における施工空間の各範囲内における施工状況図が各々出力されるので、建設物の施工状況の推移も容易に把握することができる。従って、請求項1の発明によれば、建設工事の施工計画の検討・確認が省力化されるように施工状況を図示することができる。
【0015】
なお、施工状況図に基づいて建設工事の施工計画の検討・確認を行った結果、特定の部材又は資材の配置位置、施工時期又は使用期間の修正が必要と判断される可能性があることを考慮すると、特定の部材又は資材の配置位置、施工時期又は使用期間の修正が指示された場合には、前記修正が指示された特定の部材又は資材の位置情報又は時期情報を修正することが好ましい。
【0016】
ところで、施工状況図の出力に際し、基準面と交差する方向に沿った特定範囲の適正な幅は、施工状況図の出力対象の建設物の構造等によって異なっていることが多い。例えば施工空間を鉛直方向に沿って横切る基準面を含む特定範囲内の施工状況図を出力する場合、施工状況図上で建設物の柱や梁が重なって示されないようにするには、基準面と交差する方向に沿った特定範囲の幅を、基準面と交差する方向に沿って並ぶ複数本の柱や梁が特定範囲に各々含まれることがないように定める必要があるが、特定範囲の幅を狭くすると施工状況図上に現れる情報量が少なくなる。従って、上記のような場合には、基準面と略直交する方向に沿った柱や梁の間隔に応じて特定範囲の幅を定めることが望ましいが、柱や梁の間隔は建設物の構造等によって異なっている。
【0017】
このため、請求項2記載の発明は、請求項1の発明において、前記抽出手段が、前記特定範囲の前記基準面と交差する方向に沿った幅の変更が指示された場合には、指示に応じて前記幅を変更した後に、前記幅を変更した特定範囲内に存在している部材及び資材を抽出することを特徴としている。請求項2記載の発明によれば、基準面と交差する方向に沿った特定範囲の幅(施工状況図として示される範囲の大きさ)が変更可能とされているので、施工状況図の出力対象の建設物の構造等に応じて特定範囲の幅を変更することが可能となり、建設物の構造等に応じた適正な施工状況図を出力することが可能となる。
【0019】
請求項3記載の発明に係る記録媒体は、建設物を構成する各部材及び前記建設物の施工時に使用される各資材について各々設定された、前記部材又は資材の種類を表す種類情報、前記建設物の施工時の3次元施工空間内における前記部材又は資材の配置位置を表す位置情報、及び前記部材の施工時期又は前記資材の使用期間を表す時期情報を各々記憶しておく第1のステップ、前記施工空間を横切る基準面が指定され、前記建設物の施工期間内の特定時期における、前記基準面に関する施工状況図の出力が指示されると、前記各部材及び各資材の前記位置情報及び前記時期情報に基づいて、前記特定時期に、前記基準面を含みかつ前記基準面と交差する方向に幅を有する特定範囲内に存在している部材及び資材を抽出する第2のステップ、前記抽出した部材及び資材の前記種類情報及び位置情報に基づいて、抽出した部材及び資材を、前記基準面と略平行な投影面への投影位置に対応する位置に、個々の部材又は資材の種類に応じた図形として示した施工状況図を出力する第3のステップを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されている。
【0020】
請求項3記載の発明に係る記録媒体には、上記の第1のステップ乃至第3のステップを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム、すなわちコンピュータを請求項1の発明に係る施工状況図出力装置として機能させるためのプログラムが記録されているので、コンピュータが前記記録媒体に記録されているプログラムを読み出して実行することにより、請求項1の発明と同様に、建設工事の施工計画の検討・確認が省力化されるように施工状況を図示することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には、本発明に係る施工状況図出力装置として機能させることが可能なパーソナルコンピュータ10が示されている。パーソナルコンピュータ10は、コンピュータ本体12と、コンピュータ本体12の入出力ポート20に接続される各種の入出力機器と、から構成されている。
【0022】
コンピュータ本体12は、CPU14、ROM16、RAM18及び入出力ポート20を備えており、これらがデータバス、アドレスバス、制御バス等のバスによって互いに接続されて構成されている。本実施形態では、入出力機器として、CD−ROMドライバ22、フロッピーディスクドライバ(FDD)24、キーボード26、マウス28、ディスプレイ30、プリンタ32、及びハードディスク装置34が入出力ポート20に各々接続されている。
【0023】
パーソナルコンピュータ10を本発明に係る施工状況図出力装置として機能させるためのプログラム(以下、単に「施工状況図出力プログラム」という)は、例えばハードディスク装置34に内蔵されているハードディスク(図示省略)、又はCD−ROMドライバ22に装填されるCD−ROM36、又はFDD24に装填されるフロッピー(登録商標)ディスク(FD)38の何れかに記憶することができる。施工状況図出力プログラムの実行が指示されると、施工状況図出力プログラムを記憶している記憶媒体(ハードディスク又はCD−ROM36又はFD38)から施工状況図出力プログラムが読み出され、パーソナルコンピュータ10によって施工状況図出力プログラムが実行される。これにより、パーソナルコンピュータ10は施工状況図出力装置として機能する。なお、施工状況図出力プログラムを記憶している記憶媒体(ハードディスク又はCD−ROM36又はFD38)は請求項3に記載の記録媒体に対応している。
【0024】
キーボード26及びマウス28はオペレータが各種のデータやコマンドを入力するためのものであり、本発明の設定手段の一部を構成していると共に、請求項1に記載の指示手段に対応している。ディスプレイ30は処理結果を表示するためのものであり、CRTやLCD(液晶ディスプレイ)等の各種の表示手段を適用できる。またプリンタ32は処理結果を紙やその他の記録材料に印刷するためのものであり、レーザビームプリンタ、ドットプリンタ、XYプロッタ等の各種の印刷手段を適用できる。ディスプレイ30及びプリンタ32は本発明の出力手段の一部を構成している。
【0025】
次に本実施形態の作用を説明する。パーソナルコンピュータ10が施工状況図出力プログラムを実行することにより行われる処理は、前処理としての図2に示す施工情報設定処理と、図3に示す施工状況図出力処理と、で構成されている。以下では、まず図2のフローチャートを参照して施工情報設定処理について説明する。
【0026】
ステップ100では建設物モデルデータを取り込み、ハードディスク装置34の内蔵ハードディスクに記憶する。建設物モデルデータは、建設物の設計時に建設物の構造計算等に利用するために生成(入力)されるデータであり、例として図4(A)に簡易的に示すような3次元建物モデルを表している。建設物モデルデータは、建設物を構成する柱、梁、床、壁等の各部材について、各部材の種類(柱/梁/床/壁等)を表すID(種類情報)、建設物を含む3次元空間内における各部材の配置位置を表す位置情報、及びその他の属性を表す情報が各々設定されて構成されている。
【0027】
なお、各部材の配置位置を表す情報は、例えば柱や梁等の線材については、線材の両端点(始点及び終点)の位置を表す3次元座標値によって構成することができ、例えば床や壁等のような多角形の面材については、各端点(多角形の各頂点)の位置を表す3次元座標値によって構成することができる。また、その他の属性を表す情報としては、例えば各端点(線材であれば始点及び終点、面材であれば多角形の各頂点)が何れの階に位置しているかを表す階属性情報、各端点が何れの通り(所謂通り芯)に位置しているかを表す通り属性情報、断面積を表す情報や内部構造を表す情報を用いることができる。
【0028】
また、通り芯は柱や梁等の部材の配置を簡易に表現するための仮想線であり、例として図4(A)に示すX1通り、X2通り、Y2通り、Y2通りの各通り芯の位置と、各柱や各梁の配置と、を比較しても明らかなように、柱は通り芯の交差位置に配置され、梁は通り芯の交差位置の間に通り芯に沿って配置される。なお本実施形態では、図4(A)に示すように、建設物を含む3次元空間(3次元施工空間)内において、各々水平でかつ互いに直交する2方向をX方向及びY方向、垂直方向をZ方向と称している。
【0029】
上記の建設物モデルデータは、CD−ROM36やFD38等の情報記憶媒体に記憶されていてもよいし、通信回線及び他の情報処理装置を介してパーソナルコンピュータ10と接続された記憶装置に記憶されていてもよい。ステップ100では、CD−ROM36やFD38等の情報記憶媒体から読み出すか、或いは他の情報処理装置から受信することによって建設物モデルデータを取得し、取得した建設物モデルデータをハードディスク装置34の内蔵ハードディスクに記憶する。このように、ステップ100は本発明の設定手段に対応しており、ハードディスク装置34の内蔵ハードディスクは本発明の記憶手段に対応している。
【0030】
次のステップ102では、建設物モデルデータが表す3次元建物モデルを用いて、該建物モデルが表す建設物を施工する際の各工区の範囲及び各工区の名称を設定するようオペレータに要請するメッセージをディスプレイ30に表示する。本実施形態では、建設物モデルの平面図又は軸組図をディスプレイ30に表示している状態で、オペレータは工区範囲及び工区名称を設定させる。このため、ステップ102では、工区範囲及び工区名称の設定を要請すると共に、表示すべき建設物モデル図の種類(平面図/軸組図)を選択するよう要請し、次のステップ104において、オペレータによって選択された建設物モデル図の種類を判定する。
【0031】
表示すべき建設物モデル図として平面図が選択された場合には、ステップ104からステップ106へ移行し、平面図として表示すべき階の設定をオペレータに要請するメッセージをディスプレイ30に表示する。また、次のステップ108ではオペレータによる階の設定が完了する迄待機する。平面図として表示すべき階が設定されると、ステップ108の判定が肯定されてステップ110へ移行し、建設物モデルデータのうち、各部材の配置位置を表す情報に基づいて、設定された階に配置される部材を全て抽出する。
【0032】
そして次のステップ112では、ステップ110で抽出した各部材を、部材の各端点のX座標値及びY座標値に基づいて、水平な投影面(Z平面)上への投影位置に対応するディスプレイ30の表示面上の所定位置に、部材IDに対応する形状の図形(例えば梁は長尺状の矩形、柱は断面形状に対応する形状の矩形等)として各々表示し、ステップ122へ移行する。これにより、オペレータが設定した階における建設物モデルの平面図がディスプレイ30に表示される。
【0033】
例えば、図4(A)に示す3次元建物モデルに対し、オペレータが、平面図として表示すべき階として「3階」を設定した場合には、端点(線材では終点)の階属性が3の部材が全て抽出され、例として図4(B)に示すように、3次元建物モデルのうち2階から立ち上がっている部分の平面図がディスプレイ30に表示される。
【0034】
一方、表示すべき建設物モデル図として軸組図が選択された場合には、ステップ104からステップ114へ移行し、軸組図として表示すべき通り芯の設定をオペレータに要請するメッセージをディスプレイ30に表示する。また、次のステップ116ではオペレータによる通り芯の設定が完了する迄待機する。軸組図として表示すべき通り芯が設定されると、ステップ116の判定が肯定されてステップ118へ移行し、建設物モデルデータのうち、各部材の配置位置を表す情報に基づいて、設定された通り芯に接する部材を全て抽出する。
【0035】
そして次のステップ120では、ステップ118で抽出した各部材を、部材の各端点のY座標値及びZ座標値(X方向の通り芯の場合)、又はX座標値及びZ座標値(Y方向の通り芯の場合)に基づいて、設定された通り芯に平行な投影面(X平面又はY平面)上への投影位置に対応するディスプレイ30の表示面上の所定位置に、部材IDに対応する形状の図形(例えば設定された通り芯に平行な梁、及び柱は長尺状の矩形、設定された通り芯に垂直な梁は断面形状に対応する形状の矩形等)として各々表示し、ステップ122へ移行する。これにより、オペレータが設定した通り芯における建設物モデルの軸組図がディスプレイ30に表示される。
【0036】
例えば、図4(A)に示す3次元建物モデルに対し、オペレータが、軸組図として表示すべき通り芯として「X2通り」を設定した場合には、端点(線材では終点)のX方向通り属性が2の部材が全て抽出され、例として図4(C)に示すように、3次元建物モデルのうちX2通りの軸組図がディスプレイ30に表示される。また、オペレータが、軸組図として表示すべき通り芯として「Y3通り」を設定した場合には、端点(線材では終点)のY方向通り属性が3の部材が全て抽出され、例として図4(D)に示すように、3次元建物モデルのうちX2通りの軸組図がディスプレイ30に表示される。
【0037】
上記のようにしてディスプレイ30に表示された建設物モデルの平面図又は軸組図を参照することにより、オペレータは、建設物内の各部材の配置を容易に把握することができ、建設物の施工における作業単位である各工区の範囲の設定を、例えば同一工区に属する部材を各部材を単位としてディスプレイ30上で指定する等によって容易に行うことができると共に、各工区の名称の設定を容易に行うことができる。
【0038】
ステップ122では、ディスプレイ30に表示した平面図又は軸組図に対し、オペレータによって工区範囲及び工区名称が設定されたか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。オペレータがキーボード26やマウス28を操作して工区範囲及び工区名称を設定すると、ステップ122の判定が肯定されてステップ124へ移行し、設定された工区に対応する部材に、設定された工区名称を属性情報として設定・記憶する。次のステップ126では、工区の設定が完了したか否か判定する。3次元建物モデルを構成する全ての部材について工区名称が設定される迄の間はステップ126の判定は否定されてステップ102に戻り、ステップ102〜126が繰り返される。これにより、3次元建物モデルを構成する全ての部材について、何れの工区に属しているかが属性情報として各々設定されることになる。
【0039】
ステップ126の判定が肯定されるとステップ128へ移行し、オペレータに対し、工区単位での施工順序及び施工時期の設定を要請する。なお、施工順序及び施工時期は、既に建設物の施工計画が策定されているのであれば、該施工計画に従って設定することができるが、施工計画が策定されていない場合には、特に施工時期の設定に際しては各工区毎の施工数量を把握する必要がある。これは、オペレータが手計算によって求めるようにしてもよいが、各部材の属性情報として、施工数量を表す情報(例えば配筋量、型枠面積、コンクリートの打設量等)を記憶しておき、各工区毎に施工数量を積算して表示するようにしてもよい。これにより工区単位での施工時期の設定をオペレータが容易に行うことができる。また、各種作業毎の歩掛を記憶しておき、設定された施工順序に基づいて各工区の施工時期(施工開始日及び施工終了日)を自動的に演算・設定することも可能である。
【0040】
次のステップ130では、工区単位での施工順序及び施工時期がオペレータによって設定されたか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。オペレータがキーボード26やマウス28(本発明の設定手段に対応)を操作して施工順序及び施工時期を設定すると、ステップ130の判定が肯定されてステップ132へ移行し、設定された工区単位での施工順序及び施工時期を記憶すると共に、設定された各工区の施工時期を、各工区に属する各部材の施工時期情報として各々設定・記憶する。
【0041】
ステップ134では、建設物の施工時に使用する各仮設物(例えば地下工事に使用する山留壁、仮設杭、構台、支保工や、掘削機、揚重機等の重機:本発明に係る施工時に使用される資材に相当)について、各仮設物の種類を表すID情報(種類情報)、3次元施工空間内における各仮設物の配置位置を表す位置情報、各仮設物の使用期間(設置期間)を表す時期情報等の各種情報の設定をオペレータに要請するメッセージをディスプレイ30に表示する。これにより、オペレータは、建設物の施工時に使用する各仮設物について、上述した各種情報を各々設定する。
【0042】
なお、地下工事に使用する各仮設物については、地下工事の何れの段階(根切り次数)で設置されるかを表す作業属性情報も設定される。また、上記の情報のうち位置情報については、例えば建設物を構成する各部材の位置情報と同様に、端点の3次元座標値によって構成することができる。また、各仮設物の使用期間を表す時期情報については、リースにより仮設物を用意する場合には総リース費用の算出等に利用することも可能である。
【0043】
次のステップ136では、オペレータによる仮設物に関する情報の設定が完了したか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。オペレータがキーボード26やマウス28(本発明の設定手段に対応)を操作して仮設物に関する各種の情報を設定すると、ステップ136の判定が肯定されてステップ138へ移行し、オペレータによって設定された仮設物に関する情報をハードディスク装置34の内蔵ハードディスクに記憶して、施工情報設定処理を終了する。
【0044】
次に図3のフローチャートを参照し、施工状況図出力処理について説明する。ステップ150では、表示すべき施工状況図の種類(断面図/平面図)の選択を促すメッセージをディスプレイ30に表示し、表示すべき施工状況図の種類が断面図か平面図かを判定する。表示すべき施工状況図として平面図が選択された場合にはステップ152へ移行し、表示すべき施工状況図の平面図の種類及び施工状況図の平面図の表示条件の設定をオペレータに要請するメッセージをディスプレイ30に表示する。
【0045】
本実施形態では、施工状況図の平面図として、特定の階又は根切り次数の施工時に施工される部材及び作業属性として特定の階又は根切り次数が設定されている仮設物(特定の階又は根切り次数の施工時に設置される仮設物)のみを表示する平面図(以下便宜的に「第1の平面図」という)、特定の階又は根切り次数の施工時に施工される部材及び特定の階又は根切り次数の施工時に設置される仮設物に加えて、特定の階又は根切り次数の施工時に存在している(施工済又は設置済の)部材及び仮設物も表示する平面図(以下便宜的に「第2の平面図」という)、及び第2の平面図によって表示される部材及び仮設物のうち特定の高さ範囲内に位置している部材及び仮設物のみを表示する平面図(以下便宜的に「第3の平面図」という)の何れかを選択的に表示可能とされている。
【0046】
次のステップ154では、平面図の種類及び表示条件が設定されたか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。オペレータは、前記メッセージがディスプレイに表示されると、キーボード26やマウス28を操作し、表示すべき施工状況図の平面図の種類(第1の平面図乃至第3の平面図の何れか)を選択すると共に、選択した平面図に関して表示条件(階又は根切り次数(及び高さ範囲))を設定する。これにより、ステップ154の判定が肯定されてステップ156へ移行し、設定された平面図の種類及び表示条件に基づいて、施工状況図の平面図として表示すべき部材及び仮設物を検索するための検索条件を設定する。
【0047】
例えば、表示すべき平面図の種類として第1の平面図が設定され、該第1の平面図に関する表示条件として、特定の施工時期、すなわち特定の階又は根切り次数(の施工時期)が設定された場合には、設定された階又は根切り次数の施工時に施工される部材を検索すると共に、設定された階又は根切り次数の施工時に設置される仮設物を検索する検索条件を設定する。
【0048】
また、例えば表示すべき平面図の種類として第2の平面図が設定され、該第2の平面図に関する表示条件として、特定の施工時期、すなわち特定の階又は根切り次数(の施工時期)が設定された場合には、設定された特定の階又は根切り次数の施工時又はそれ以前に施工される部材を検索すると共に、前記設定された特定の階又は根切り次数の施工時又はそれ以前に設置(使用)される仮設物を検索する検索条件を設定する。
【0049】
また、例えば表示すべき平面図の種類として第3の平面図が設定され、該第3の平面図に関する表示条件として、特定の施工時期、すなわち特定の階又は根切り次数(の施工時期)が設定されると共に、表示すべき部材及び仮設物の高さ範囲が設定された場合には、前記設定された特定の階又は根切り次数の施工時又はそれ以前に施工され、かつ設定された高さ範囲内に位置している部材を検索すると共に、前記設定された特定の階又は根切り次数の施工時又はそれ以前に設置(使用)され、かつ設定された高さ範囲内に位置している仮設物を検索する検索条件を設定する。
【0050】
次のステップ158では、各部材及び各仮設物の時期情報(及び位置情報)をステップ156で設定した検索条件と照合することにより、検索条件に合致する部材及び仮設物を全て抽出する。そして、次のステップ160では、抽出した各部材及び各仮設物を、部材及び仮設物のID及び位置情報(各端点のX座標値及びY座標値)に基づいて、水平な投影面(Z平面)上への投影位置に対応するディスプレイ30の表示面上の所定位置に、部材ID又は仮設物IDに対応する形状の図形として各々表示し、ステップ190へ移行する。これにより、オペレータによって設定された種類及び表示条件に対応する施工状況図の平面図がディスプレイ30に表示される。
【0051】
例えば建設物の地下工事において、0次根切り施工時には、図5(A)に示すように山留壁及び仮設杭が打設され(山留壁は実際には四方に打設されるが、図では二方向についてのみ示す)、1次根切り施工時には、図5(B)に示すように所定レベル(1次根切りレベル)迄掘削されると共に一対の仮設杭上に構台が架設され、2次根切り施工時には、図5(C)に示すように1次根切りレベルよりも低い所定レベル(2次根切りレベル)迄掘削されると共に対向する山留壁の間に支保工が架け渡される場合を考える。
【0052】
ここで、表示すべき施工状況図の平面図の種類として第1の平面図が設定され表示条件(施工時期)として0次根切りが設定された場合、0次根切り施工時に施工される部材は存在していないので、0次根切り施工時に設置される仮設物である山留壁と仮設杭のみが抽出され、図6(A)に示すような平面図が表示される。また、表示すべき平面図の種類として第1の平面図が設定され表示条件(施工時期)として1次根切りが設定された場合、1次根切り施工時に施工される部材も無いので、1次根切り施工時に設置される仮設物である構台のみが抽出され、図6(B)に示すような平面図が表示される。更に、表示すべき平面図の種類として第1の平面図が設定され表示条件(施工時期)として2次根切りが設定された場合、2次根切り施工時に設置される仮設物である支保工のみが抽出され、図6(C)に示すような平面図が表示される。
【0053】
また、表示すべき平面図の種類として第2の平面図が設定され表示条件(施工時期)として0次根切りが設定された場合の平面図(図7(A)参照)については第1の平面図(図6(A))と略同じであるが、表示すべき平面図の種類として第2の平面図が設定され表示条件(施工時期)として1次根切りが設定された場合には、1次根切り施工時には山留壁と仮設杭が既に設置されているので、表示すべき仮設物として山留壁、仮設杭及び構台が各々抽出され、図7(B)に示すような平面図が表示される。更に、表示すべき平面図の種類として第2の平面図が設定され表示条件(施工時期)として2次根切りが設定された場合には、表示すべき仮設物として山留壁、仮設杭、構台及び支保工が各々抽出され、図7(C)に示すような平面図が表示される。なお、第2の平面図では設定された施工時期には既に撤去されている仮設物については表示されない。
【0054】
また、表示すべき平面図の種類として第3の平面図が設定され、表示条件のうちの施工時期として0次根切りが、高さ範囲として0次根切り施工時の作業範囲が設定された場合の平面図(図8(A)参照)については、第1の平面図(図6(A))及び第2の平面図(図7(A))と略同じであるが、表示すべき平面図の種類として第3の平面図が設定され、表示条件のうちの施工時期として1次根切りが、高さ範囲として1次根切り施工時の作業範囲が設定された場合には、1次根切り施工時に既に設置されている山留壁と仮設杭が1次根切り施工時の作業範囲内に存在しているので、第2の平面図と同様に、表示すべき仮設物として山留壁、仮設杭及び構台が抽出され、図8(B)に示すような平面図が表示される。
【0055】
更に、表示すべき平面図の種類として第3の平面図が設定され、表示条件のうちの施工時期として2次根切りが、高さ範囲として2次根切り施工時の作業範囲が設定された場合には、2次根切り施工時に既に設置されている山留壁と仮設杭については2次根切り施工時の作業範囲内に存在しているものの、同じく2次根切り施工時に既に設置されている構台については、その位置情報(Z座標値)から2次根切り施工時の作業範囲から外れていると判断されて抽出されず、表示すべき仮設物として山留壁、仮設杭及び支保工が抽出され、図8(C)に示すような平面図が表示される。なお、第3の平面図においても、設定された施工時期には既に撤去されている仮設物については表示されない。
【0056】
上記では地下工事の施工状況図の平面図の表示を例に説明したが、地上工事(各階の施工時)の施工状況図の平面図についても同様に表示可能であり、この場合には、各階の施工時に施工される部材や既に施工された部材(第2の平面図及び第3の平面図)が表示される。また、第2の平面図及び第3の平面図の表示において、設定された施工時期に施工又は設置される部材、仮設物と、設定された施工時期には既に施工又は設置されている部材、仮設部と、を異なる表示色で表示するようにしてもよい。
【0057】
オペレータは、表示すべき施工状況図の平面図の種類及び表示条件を選択することにより、上述した種々の平面図を表示させることができるので、建設工事の施工期間内の各時期における平面的な施工状況を各々確認することができる。
【0058】
一方、表示すべき施工状況図として断面図が選択された場合には、ステップ150からステップ170へ移行し、3次元施工空間内のうち、施工状況図の断面図として表示すべき範囲を規定する基準面(3次元施工空間内を横切る面)の位置の指定を要請するメッセージをディスプレイ30に表示する。次のステップ172では基準面位置が指定されたか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。
【0059】
そして、オペレータがキーボード26やマウス28を操作することで、座標値等によって基準面の位置が指定されると、ステップ172の判定が肯定されてステップ174へ移行し、予め設定・記憶されている施工状況図の断面図の表示範囲幅を表す情報を取り込む。そして次のステップ178では、オペレータによって指定された基準面位置及びステップ176で取り込んだ表示範囲幅に基づいて、施工状況図の断面図として表示すべき表示範囲を、 基準面を含み、かつ基準面と直交する方向に、取り込んだ表示範囲幅に相当する幅を有するように設定する。
【0060】
例えば図9(A)に示すように基準面位置(図9(A)では基準面を「断面」と表記している)として座標値Y=20,000が設定され、取り込んだ表示範囲幅が図9(A)に示すように±6,000 であった場合、単位が[mm]であるので、基準面位置Y=20,000を基準としてY方向に前後 6,000[mm]の範囲(図9(A)に破線で囲んで示す範囲)が表示範囲として設定されることになる。なお、上記は基準面がY平面の場合であるが、基準面はX平面であってもよい。また、オペレータによる基準面位置の指定を容易にするため、オペレータが基準面位置を指定する際には、図9(A)に示すような平面図をディスプレイ30に表示することが好ましい。
【0061】
次のステップ178では、建設物の施工期間のうち施工状況図の断面図として表示すべき時期(表示時期)を指定するようオペレータに要請するメッセージをディスプレイ30に表示する。ステップ180ではオペレータによって表示時期が指定されたか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。オペレータがキーボード26やマウス28を操作することによって表示時期が指定されると(日付によって指定しても、階又は根切り次数(の施工時期)で指定してもよい)、ステップ180の判定が肯定されてステップ182へ移行し、先のステップ176で設定した表示範囲内に、オペレータによって指定された表示時期に存在している部材及び仮設物を検索する検索条件を設定し、各部材及び各仮設物の位置情報及び時期情報を設定した検索条件と照合することにより、検索条件に合致する部材及び仮設物を抽出する。
【0062】
なおステップ182は本発明の抽出手段に対応している。
【0063】
そして、次のステップ184では、抽出した各部材及び各仮設物を、部材及び仮設物のID及び位置情報に基づいて、基準面と平行な投影面(X平面又はY平面)上への投影位置に対応するディスプレイ30の表示面上の所定位置に、部材ID又は仮設物IDに対応する形状の図形(例えば投影面(及び基準面)と略平行に配置される線材は側面形状に対応する形状(例えば長尺状)の矩形、投影面と略平行に配置される面材は底面形状に対応する形状の矩形、投影面と略垂直に配置される線材は断面形状に対応する形状の矩形、投影面と略垂直に配置される面材は側面形状に対応する形状の矩形等)として各々表示する。
【0064】
なお、各部材や各仮設物に対応する図形の表示位置は、基準面がX平面であれば端点のY座標値及びZ座標値に基づいて判断することができ、基準面がY平面であれば端点のX座標値及びZ座標値に基づいて判断することができる。
【0065】
これにより、例として図9(C)にも示すように、オペレータによって設定された表示時期に、オペレータによって指定された基準面位置を基準として設定した表示範囲内に存在する部材及び仮設物が示された施工状況図の断面図がディスプレイ30に表示される。なお、ステップ184は、後述するステップ190、192と共に、本発明の出力手段に対応している。
【0066】
図9(C)に示す施工状況図の断面図は、図9(A)に4個の平面図で示した0次根切り乃至3次根切りの各作業が完了した際の、図9(A)に破線で示す表示範囲内を図示した図であるが、この断面図を、図9(B)に示す基準面についての通常の断面図(表示範囲幅=0の断面図)と比較しても明らかなように、図9(C)に示す表示範囲幅>0の断面図では、通常の断面図では現れていない基準面と平行な方向に沿って延びる支保工及びアースアンカが図示されている。このように、本実施形態に係る施工状況図の断面図は、通常の断面図と比較して断面図上に現れている情報量が多いので、設定された表示時期における基準面位置及びその近傍での施工状況の把握、施工計画の検討・確認を容易に行うことができる。
【0067】
なお、図9(C)に示した施工状況図の断面図は、表示時期が3次根切り作業完了時、すなわち躯体工事を開始する前であるため、建設物を構成する各部材は図示されていないが、表示時期として施工期間内のより後側の時期、具体的には切梁(支保工)を1段撤去して躯体工事が開始された後の時期における施工状況の断面図を表示したとすると、例として図9(D)に示すような断面図が表示される。図9(D)に示す断面図における表示範囲は図9(C)に示す断面図と同一であるが、図9(C)に示す断面図と比較して、建設物を構成する部材(ハッチングで示す部分)が図示されていると共に、下段側の切梁(支保工)及びアースアンカが撤去されていることが極めて容易に認識することができる。
【0068】
次のステップ186では、表示範囲幅を変更して施工状況図の断面図を再表示するか否かをオペレータに確認するメッセージをディスプレイ30に表示し、表示範囲幅の変更が指示されたか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ190へ移行するが、判定が肯定された場合には、ステップ188で表示範囲幅を変更した後にステップ174に戻り、変更された表示範囲幅に基づいて施工状況図の断面図を再表示する。なお、ステップ188は請求項2に記載の「指示に応じて幅を変更」することに対応しており、ステップ188を行った後のステップ174以降の処理は、請求項2に記載の「幅を変更した特定範囲内に存在している部材及び資材を抽出する」ことに対応している。
【0069】
これにより、当初設定されていた表示範囲幅の値が適切でなく、施工状況図の断面図上で特定の部材が重なって表示されていたり、或いは確認したい部材が図示されていない等の場合にも、オペレータが表示範囲幅を変更・調整することで、所望の施工状況図の断面図を表示させることができる。
【0070】
上記のようにして所望の施工状況図(平面図又は断面図)がディスプレイ30に表示されると、ステップ190において、表示している施工状況図を紙等に印刷するか否をオペレータに確認するメッセージをディスプレイ30に表示し、紙等の記録材料への施工状況図の印刷が指示されたか否かを判定する。判定が否定された場合にはステップ194へ移行するが、印刷が指示された場合にはステップ192へ移行し、ディスプレイ30に表示している施工状況図を記録材料に印刷するためのデータをプリンタ32に出力し、記録材料への施工状況図の印刷をプリンタ32に指示した後にステップ194へ移行する。ステップ194では、部材又は仮設物の属性情報の変更が指示されたか否かを判定し、判定が否定された場合には何ら処理を行うことなく施工状況図出力処理を終了する。
【0071】
オペレータは、表示すべき施工状況図の種類、施工状況図として表示すべき時期、施工状況図として表示すべき範囲の少なくとも1つを変更して、施工状況図出力処理を実行させることを繰り返し、各回の実行においてディスプレイ30に表示された施工状況図、又はプリンタ32によって記録材料に印刷された施工状況図を参照し、建設工事の施工時に各種の仮設物が当初予定していた位置に物理的に配置可能か否か、施工時の安全性を確保できるか否か、並行して実施される作業同士が干渉しないか否か等を検討・確認することを繰り返す。これにより、当初に策定した施工計画が適正か否かを検討する。そして、何れかの部材又は何れかの仮設物の配置位置、施工時期又は使用期間等の変更が必要と判断した場合には、施工計画の変更、すなわち特定の部材又は仮設物の属性情報の変更を指示する。
【0072】
これにより、先に説明したステップ194の判定が肯定されてステップ196へ移行し、オペレータからの指示に応じて、指示された特定の部材又は仮設物の属性情報を変更する。これにより、施工状況図出力処理が再度実行されたときには、属性情報の変更、すなわち施工計画の変更が反映された施工状況図が表示されることになる。
【0073】
なお、上記では建設物を構成する各部材の種類情報及び位置情報を、建設物の設計時に建設物の構造計算等に利用するために生成(入力)された建設物モデルデータを取り込むことで取得していたが、これに限定されるものではなく、各部材の種類情報及び位置情報をオペレータが各々設定するようにしてもよい。
【0074】
また、上記では本発明に係る基準面をX平面又はY平面(3次元施工空間の鉛直方向に沿った面)とし、基準面に関する施工状況図として、基準面としてのX平面又はY平面を含む範囲を表示範囲とする垂直断面図を表示するようにしていたが、本発明に係る基準面をZ平面(3次元施工空間の水平方向に沿った面)とし、基準面に関する施工状況図として、基準面としてのZ平面を含む範囲を表示範囲とする水平断面図を表示するようにしてもよい。
【0075】
また、上記では施工状況図の断面図の表示に際し、設定された基準面の位置が中心となるように表示範囲を設定していたが、これに限定されるものではなく、表示範囲(本発明に係る特定範囲)は、設定された基準面の位置を基準にして任意に設定可能である。
【0076】
更に、上記では本発明に係る記録媒体として、ハードディスク装置34の内蔵ハードディスク又はCD−ROM36又はFD38を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばCD−R等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、メモリカード、ICカード等の各種の情報記憶媒体を、本発明に係る記録媒体として適用可能であることは言うまでもない。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明は、建設物を構成する各部材及び施工時に使用される各資材について各々設定された種類情報、位置情報及び時期情報を各々記憶しておき、施工空間を横切る基準面が指定され、施工期間内の特定時期における施工状況図の出力が指示されると、特定時期に、基準面を含みかつ基準面と交差する方向に幅を有する特定範囲内に存在している部材及び資材を抽出し、抽出した部材及び資材を、基準面と略平行な投影面への投影位置に対応する位置に、個々の部材又は資材の種類に応じた図形として示した施工状況図を出力するようにしたので、建設工事の施工計画の検討・確認が省力化されるように施工状況を表示することができる、という優れた効果を有する。
【0078】
請求項2記載の発明は、基準面と交差する方向に沿った特定範囲の幅の変更が指示された場合には、指示に応じて前記幅を変更した後に、前記幅を変更した特定範囲内に存在している部材及び資材を抽出するようにしたので、上記効果に加え、建設物の構造等に応じた適正な施工状況図を表示することが可能となる、という効果を有する。
【0079】
請求項3記載の発明は、建設物を構成する各部材及び施工時に使用される各資材について各々設定された種類情報、位置情報及び時期情報を各々記憶する第1のステップ、施工空間を横切る基準面が指定され、施工期間内の特定時期における施工状況図の出力が指示されると、特定時期に、基準面を含みかつ基準面と交差する方向に幅を有する特定範囲内に存在している部材及び資材を抽出する第2のステップ、抽出した部材及び資材を、基準面と略平行な投影面への投影位置に対応する位置に、個々の部材又は資材の種類に応じた図形として示した施工状況図を出力する第3のステップを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録媒体に記録したので、建設工事の施工計画の検討・確認が省力化されるように施工状況を出力することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る施工状況図出力装置として機能させることが可能な本実施形態に係るパーソナルコンピュータの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る施工情報設定処理の内容を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態に係る施工状況図出力処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】(A)は3次元建物モデルの一例を示す斜視図、(B)は建設物モデル図の平面図の一例、(C)及び(D)は建設物モデル図の軸組図の一例を各々示すイメージ図である。
【図5】(A)乃至(C)は、各種の施工状況図を説明するための建設物の地下工事の施工過程の一例を示す斜視図である。
【図6】(A)乃至(C)は、特定の階又は根切り次数の施工時に施工される部材及び特定の階又は根切り次数の施工時に設置される仮設物のみを表示する平面図の一例を示すイメージ図である。
【図7】(A)乃至(C)は、特定の階又は根切り次数の施工時に施工される部材及び特定の階又は根切り次数の施工時に設置される仮設物に加えて、特定の階又は根切り次数の施工時には施工済又は設置済の部材及び仮設物も表示する平面図の一例を示すイメージ図である。
【図8】(A)乃至(C)は、図7に示した平面図によって表示される部材及び仮設物のうち特定の高さ範囲内に位置している部材及び仮設物のみを表示する平面図の一例を示すイメージ図である。
【図9】(A)は施工状況図の断面図を表示する際の基準面位置、表示範囲幅、表示範囲の一例を示すイメージ図、(B)は表示範囲幅=0の従来の断面図、(C)及び(D)は本発明に係る表示範囲幅>0の断面図の一例を示すイメージ図である。
【符号の説明】
10 パーソナルコンピュータ
22 CD−ROMドライバ
24 FDD
26 キーボード
28 マウス
34 ハードディスク装置
36 CD−ROM
38 FD
Claims (3)
- 建設物を構成する各部材及び該建設物の施工時に使用される各資材について、前記部材又は資材の種類を表す種類情報、前記建設物の施工時の3次元施工空間内における前記部材又は資材の配置位置を表す位置情報、及び前記部材の施工時期又は前記資材の使用期間を表す時期情報を各々設定するための設定手段と、
前記設定手段を介して各々設定された前記各部材及び各資材の前記種類情報、前記位置情報及び前記時期情報を各々記憶する記憶手段と、
施工状況図の出力を指示するための指示手段と、
前記指示手段を介し、前記施工空間を横切る基準面が指定され、前記建設物の施工期間内の特定時期における、前記基準面に関する施工状況図の出力が指示されると、前記各部材及び各資材の前記位置情報及び前記時期情報に基づいて、前記特定時期に、前記基準面を含みかつ前記基準面と交差する方向に幅を有する特定範囲内に存在している部材及び資材を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された部材及び資材の前記種類情報及び位置情報に基づいて、前記抽出された部材及び資材を、前記基準面と略平行な投影面への投影位置に対応する位置に、個々の部材又は資材の種類に応じた図形として示した施工状況図を出力する出力手段と、
を含む施工状況図出力装置。 - 前記抽出手段は、前記特定範囲の前記基準面と交差する方向に沿った幅の変更が指示された場合には、指示に応じて前記幅を変更した後に、前記幅を変更した特定範囲内に存在している部材及び資材を抽出することを特徴とする請求項1記載の施工状況図出力装置。
- 建設物を構成する各部材及び前記建設物の施工時に使用される各資材について各々設定された、前記部材又は資材の種類を表す種類情報、前記建設物の施工時の3次元施工空間内における前記部材又は資材の配置位置を表す位置情報、及び前記部材の施工時期又は前記資材の使用期間を表す時期情報を各々記憶しておく第1のステップ、
前記施工空間を横切る基準面が指定され、前記建設物の施工期間内の特定時期における、前記基準面に関する施工状況図の出力が指示されると、前記各部材及び各資材の前記位置情報及び前記時期情報に基づいて、前記特定時期に、前記基準面を含みかつ前記基準面と交差する方向に幅を有する特定範囲内に存在している部材及び資材を抽出する第2のステップ、
前記抽出した部材及び資材の前記種類情報及び位置情報に基づいて、抽出した部材及び資材を、前記基準面と略平行な投影面への投影位置に対応する位置に、個々の部材又は資材の種類に応じた図形として示した施工状況図を出力する第3のステップ
を含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体。
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