JP3892507B2 - 車両用エンジン始動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信機からの指令により遠隔地からエンジンを始動するための車両用エンジン始動装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、この種のエンジン遠隔始動装置として、取付対象車がディーゼル車の場合にはグロープラグを有する始動補助回路(ガソリン車の場合はイグニッション回路)に通電してからスタータ回路に通電するまでの時間(例えばガソリン車では1秒、ディーゼル車では10秒)をスイッチにより任意に設定できるものが供されている。
【0003】
つまり、ディーゼル車ではグロープラグを予熱した状態でエンジンを始動する必要があるので、そのための予熱完了待機時間として10秒を設定できるようにしているのである。
【0004】
しかしながら、クイックグローを採用しているディーゼル車では、実際の予熱時間が2〜3秒で済むことから、斯様なディーゼル車に予熱完了待機時間として10秒も設定したのでは、図6に示すようにグロープラグが予熱完了に応じてオフしてからクランキングされるまでの時間が比較的長時間となってしまう。このため、予熱完了したグロープラグがクランキングされるまでに冷めてしまい、エンジンの始動性が悪くなるという問題がある。
【0005】
また、始動補助回路への通電状態においてグロープラグが予熱完了によりオフした状態が継続するということは、始動補助回路の負荷条件によっては大きな消費電流が費やされることになり、バッテリの寿命が短くなる虞がある。
【0006】
さらに、予熱完了待機時間をディーゼル車の種別に応じて何種類も設定可能に構成するには、設定用のスイッチの数が増加し、全体構成が複雑化するという欠点がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、全体構成が複雑化することなく、ディーゼル車を確実に始動することができると共にバッテリの電力消費を抑制することができる車両用エンジン始動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ディーゼルエンジンの始動したことを検知する始動検知手段を設け、送信機からの指令に応じてグロープラグを有した始動補助回路に通電した状態で所定の予熱完了待機時間が経過したときはスタータ回路に通電するエンジン始動動作を実行すると共に、そのエンジン始動動作にかかわらず前記始動検知手段がエンジンの始動を検知しなかったときは予熱完了待機時間を変更した状態でエンジン始動動作を再実行する始動制御手段を設け、前記始動検知手段によりディーゼルエンジンの始動が検知される毎に予熱完了待機時間を記憶する記憶手段と、この記憶手段が所定数の予熱完了待機時間を記憶したときは、その予熱完了待機時間の時間分布に基づいてディーゼルエンジンの種別を判断する種別判断手段を設けた上で、前記始動制御手段は、前記種別判断手段が判断したディーゼルエンジンの種別に応じて以降における予熱完了待機時間を設定するようにしたものである(請求項1)。
【0009】
このような構成によれば、ディーゼルエンジン車を遠隔地から始動するときは、送信機を操作する。すると、始動制御手段は、送信機からの指令に応じて始動補助回路に通電した状態で所定の予熱完了待機時間が経過したところでスタータ回路に通電してクランキングする。このとき、始動補助回路のグロープラグの予熱が完了していなかったり、グロープラグがオフしてからクランキングまでの時間が長い場合には、エンジンが始動しないことがあるので、始動制御手段は、始動検知手段がディーゼルエンジンの始動を検知しなかったときは、予熱完了待機時間を変更した状態でエンジンの始動動作を再実行する。従って、ディーゼルエンジンの種別(クイックグローか一般グローか)にかかわらずエンジン始動動作の複数回の実行によりエンジンを始動することができる。
【0010】
ここで、記憶手段は、始動検知手段によりディーゼルエンジンの始動が検知される毎に予熱完了待機時間を記憶するので、種別判断手段は、記憶手段が所定数の予熱完了待機時間を記憶したときは、その予熱完了待機時間の時間分布に基づいてディーゼルエンジンの種別を判断する。
【0011】
そして、始動制御手段は、種別判断手段が判断したディーゼルエンジンの種別に応じて以降における予熱完了待機時間を設定する。これにより、ディーゼルエンジンの種別にかかわらず確実に始動することができる。
【0012】
上記構成において、前記始動制御手段がディーゼルエンジンの種別に応じて予熱完了待機時間を設定したときは、前記始動制御手段がスタータ回路に通電してから前記始動検知手段がエンジンの始動を検知するまでの始動開始時間に基づいて以降における予熱完了待機時間を補正する補正手段を設けるようにしてもよい(請求項2)。
【0013】
このような構成によれば、エンジンの始動性はスタータ回路に通電してから始動検知手段がエンジンの始動を検知するまでの始動開始時間に対応するので、その始動開始時間に応じて予熱完了待機時間を補正することにより周囲温度の影響を受けることなくディーゼルエンジンを確実に始動することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1乃至図5を参照して説明する。
図1は全体の電気的構成を概略的に示している。この図1において、携帯形送信機1は、自動車の運転者が携帯するものであり、その操作に応じて、当該自動車のエンジンの始動及び停止を指令する所定コードのスタート信号Sa及びストップ信号Sbを選択的に発生すると共に、その発生信号を例えば電波信号にて送信するように構成されている。
【0015】
受信ユニット2は、自動車(本実施例ではディーゼル車)の車室内における電波受信状態の良好な場所に設置される受信装置3を備えており、その受信装置3によって携帯形送信機1からのスタート信号Sa及びストップ信号Sbを受信可能に構成されている。この受信ユニット2は、上記受信装置3の他に、その受信装置3が受信した各指令信号Sa及びSbを受ける制御回路4(本発明の始動検知手段、始動制御手段、種別判断手段、補正手段に相当)と、この制御回路4により動作制御される電源用リレー5,6、ACCリレー7、IGリレー8,9、STリレー10,11とを備えて構成されている。
【0016】
この場合、電源用リレー5,6は、接点5a,6aの閉成状態で車載バッテリに接続されて電源回路を形成する。ACCリレー7は、接点7aの閉成状態で自動車の車両用アクセサリ(エアコンディショナ、オーディオ等)を上記電源用リレー5を介して車載バッテリに接続する構成となっている。
【0017】
IGリレー8,9は、接点8a,9aの閉成状態で2系統の始動補助回路(通電により予熱されると共に予熱完了によりオフするグロープラグを有する)を車載バッテリに接続する構成となっている。尚、取付対象車がガソリン車の場合は2系統のイグニッション回路を夫々電源用リレー5,6の接点5a,6aを通じて車載バッテリに接続する。
【0018】
STリレー10,11は、接点10a,11aの閉成状態で図示しないエンジンスタータに通電するための2系統のスタータ回路を夫々電源用リレー5,6の接点5a,6aを通じて車載バッテリに接続する構成となっている。
【0019】
一方、パーキングブレーキスイッチ12は、自動車のパーキングブレーキが動作位置にある状態でブレーキ動作信号Scを出力する。シフトポジションスイッチ13は、自動車のオートマチックトランスミッションがパーキングポジションにある状態でパーキング信号Sdを出力する。ボンネットスイッチ14は自動車のボンネットが閉鎖されている状態でボンネット閉鎖信号Seを出力する。ドアロック検知スイッチ15は、自動車のドアロック機構が全て施錠状態にあるときにドアロック信号Sfを出力する。この場合、上記各信号Sc〜Sfは制御回路4に夫々与えられるようになっている。
【0020】
また、エンジンの回転に応じてバッテリ充電用の電力を生成するためのオルタネータ16のL端子からはエンジンが始動された状態でハイレベルとなる信号が制御回路4に出力される。
【0021】
制御回路4はマイクロコンピュータ及び記憶手段としての不揮発性メモリ17を含んで構成されたもので、上記のような各入力信号Sa,Sb,Sc〜Sf及び予め設定されたプログラムに基づいて、各リレー5〜11の動作制御を行うようになっており、以下においては、上記制御回路4の制御内容並びにこれに関連した部分の作用について図2及び図3のフローチャートに基づいて説明する。尚、説明としては本装置をディーゼル車に装着した初期状態から始めるものとする。また、説明の簡略化のためにACCリレー7のオンオフに関連する動作は省略する。
【0022】
制御回路4は、電源が投入されたとき(バッテリと接続されたとき)は、始動履歴回数を初期化して「0」を設定する(ステップS1)。この始動履歴回数とは、後述するようにエンジンの始動を成功した際に始動状態を示す始動履歴を記憶した回数である。
【0023】
さて、ディーゼルエンジンを遠隔始動するときは、携帯形送信機1に対する操作によりスタート信号Saを送信する。
すると、制御回路4は、携帯形送信機1からスタート信号を受けたときは(ステップS2:YES)、エンジンを始動するために、まず、エンジンの始動条件が成立したかを判断する(ステップS3)。この場合、エンジン始動条件としては、ブレーキ動作信号Sc、パーキング信号Sd、ボンネット閉鎖信号Se、ドアロック信号Sfの全て入力された状態となっていること、つまり、パーキングブレーキが動作していること、オートマチックトランスミッションがパーキングポジションにあること、自動車のボンネットが閉鎖されていること、ドアロック機構が施錠状態にあることの全てが満たされたときにエンジン始動条件が成立するようになっている。
【0024】
このとき、エンジン始動条件が成立したときは(ステップS3:YES)、エンジンを始動するための電源回路を形成しても安全であると判断して、電源用リレー5,6をオンする(ステップS4)。これにより、電源用リレー5,6を通じてACCリレー7、IGリレー8,9、STリレー10,11に車両用バッテリが接続される。
【0025】
続いて、制御回路4は、エンジン始動動作を実行するに際し、まず、車種判定が終了してるか否かを判定する(ステップS5)。この車種判定とは、後述するように始動履歴に基づいて始動補助回路の種別(クイックグロー若しくは一般グローか)を判定することである。この場合、まだ車種判定は行っていないので(ステップS5:NO)、図4に示す予熱完了待機時間テーブルに基づいて予熱完了待機時間(グロープラグの予熱を開始してからエンジンをクランキングするまでの時間)を設定する(ステップS6)。このとき、電源投入されてから最初の受信でそれまでの受信履歴がないことから、予熱完了待機時間TGLOWとして1回目を1秒、2回目を4秒、3回目を8秒に設定する。
【0026】
続いて、IGリレー8,9をオンする(ステップS8)。これにより、IGリレー8,9の接点8a,9aを通じて始動補助回路に車両用バッテリが接続されて通電されるので、始動補助回路のグロープラグが予熱される。
【0027】
そして、制御回路4は、始動補助回路に通電してから予熱完了待機時間TGLOWである1秒が経過したときは(ステップS9:YES)、STリレーをオンすることにより(ステップ10)、スタータ回路に通電してクランキングする。
【0028】
この場合、取付対象車がガソリン車のときは、エンジンの始動性は良好であるものの、クイックグロー若しくは一般グローのディーゼル車では、エンジンの始動性は悪いことから、1回目のエンジン始動動作によりガソリン車の場合はエンジンが始動するものの、クイックグローのディーゼル車及び一般グローのディーゼル車の場合はグロープラグの予熱時間が不足してエンジンが始動する可能性は低い。
【0029】
このため、本実施例のようにディーゼル車に装着した場合は、エンジンが始動する可能性は低いので、図5に示すようにスタータ回路への通電にかかわらずオルタネータのL端子の電圧はロウレベルのままである。従って、制御回路4は、設定時間(例えば5秒)経過したところで(ステップS12:YES)、STリレー10,11をオフすることにより(ステップS13)、スタータ回路への通電を中止する。
【0030】
そして、制御回路4は、1回目のエンジン始動動作でエンジンが始動しなかったときは、エンジン始動動作を3回実行したかを判断する(ステップS14)。このとき、1回目のエンジン始動動作を実行しただけであるので、2回目のエンジン始動動作を実行する。即ち、始動補助回路に通電してから4秒後にスタータ回路に通電してクランキングする。
【0031】
この場合、取付対象車がクイックグロー車のときは、始動補助回路に通電してから2,3秒でグロープラグが予熱完了となってオフし、そのオフした直後にクランキングが行われるので、ディーゼルエンジンが始動して図5に示すようにスタータ回路への通電に応じてオルタネータ17が発電を開始して当該オルタネータ17のL端子はハイレベルとなる。従って、制御回路4は、エンジンは始動したと判断することができる。
【0032】
また、取付対象車が一般グローのディーゼル車のときは、予熱途中であるので、エンジンが始動する可能性はあるものの、その可能性はクイックグロープラグに比較して低い。従って、制御回路4は、2回目のエンジン始動動作でエンジンが始動しなかったときは、3回目のエンジン始動動作を実行する。即ち、始動補助回路に通電してから8秒後にスタータ回路に通電する。
【0033】
この場合、取付対象車が一般グローのディーゼル車の場合は、始動補助回路の通電に応じてグロープラグが予熱完了となってオフした直後にクランキングが行われるので、エンジンは確実に始動する。
【0034】
ここで、制御回路4は、上述のようにしてエンジン始動動作によりエンジンの始動を成功したと判断したときは(ステップS11:YES)、クランキングしてからオルタネータ16のL端子の電圧がハイレベルとなるまでの始動開始時間TSTR(図5参照)を測定してから(ステップS15)、STリレー10,11をオフすることにより(ステップS16)、クランキングを停止する。
【0035】
そして、携帯形送信機1から設定時間が経過するまでにストップ信号Sbが入力するか(ステップS17:YES)、或いはストップ信号が入力することなく設定時間が経過したときは(ステップS18)、全てのリレーをオフする(ステップS19)。これにより、ディーゼルエンジンの暖機運転を終了することができる。
【0036】
続いて、車種判定が終了しているか否かを判定し(ステップS20)、車種判定が終了していないときは、エンジンの始動履歴を不揮発性メモリ17に記憶する(ステップS21)。この始動履歴とは、エンジンの始動を成功した際の予熱完了待機時間を記憶するものである。即ち、1回目のクランキングでエンジンが始動したときは、「1秒」という始動履歴を記憶し、2回目のクランキングでエンジンが始動したときは、「4秒」という始動履歴を記憶し、3回目のクランキングでエンジンが始動したときは、「8秒」という始動履歴を残す。この場合、「1秒」という始動履歴はガソリン車である可能性が高いことを意味し、「4秒」という始動履歴はクイックグローのディーゼル車若しくは一般グロー式のディーゼル車である可能性が高いことを意味し、「8秒」という始動履歴は一般グローのディーゼル車である可能性が高いことを意味している。
【0037】
上述のようにして始動履歴を記憶した制御回路4は、始動履歴を10回記憶したか否かを判断し(ステップS22)、10回に達していないときはステップS2に戻ってスタート信号Saを受信するのを待機する。
【0038】
さて、制御回路4は、携帯形送信機1から次のスタート信号Saを受信したときは、記憶している始動履歴及び予熱完了待機時間テーブルに基づいてエンジン始動動作を実行する。即ち、「1秒」で始動した履歴のあるときは、ガソリン車である可能性が高いことから、予熱完了待機時間(イグニッション回路に通電してからクランキングするまでの時間)として1回目を1秒、2回目を4秒、3回目を8秒に設定する。これは、ガソリン車のときは、イグニッション回路への通電時間が1秒であってもエンジンが始動する可能性が高いことから、それを再確認することによりガソリン車であるという判断の信頼性を高めるためである。
【0039】
また、制御回路4は、「4秒」という始動履歴が記憶されているときは、取付対象車がクイックグローのディーゼル車である可能性が最も高く、次いで一般グローのディーゼル車である可能性が高いので、それを確認するために予熱完了待機時間として1回目を8秒、2回目を4秒、3回目を2秒に設定する。これは、クイックグローのディーゼル車においては、始動補助回路への通電時間が8秒ではグロープラグが冷えた状態でクランキングが行われ、エンジンが始動しない可能性が高いのに対して、一般グローのディーゼル車ではグロープラグの予熱が完了した直後にクランキングが行われ、エンジンが始動する可能性が高いことから、始動補助回路への通電時間が8秒でエンジンが始動するか否かを確認することによりクイックグローのディーゼル車か一般グローのディーゼル車かを判別することができるからである。
【0040】
この場合、クイックグローのディーゼル車の場合は、1回目のエンジン始動動作(8秒)ではエンジンが始動しないものの、2回目(4秒)若しくは3回目(2秒)のエンジン始動動作でエンジンが始動する。
【0041】
従って、始動履歴としては、クイックグロー車の場合は「2秒」若しくは「4秒」が記憶され、一般グローのディーゼル車の場合は「8秒」が記憶されることになる。
【0042】
また、制御回路4は、「8秒」という始動履歴が記憶されていたときは、取付対象車が一般グローのディーゼル車である可能性が高いことから、それを確認するために予熱完了待機時間としてし1回目を2秒、2回目を4秒、3回目を8秒に設定する。これは、一般グローのディーゼル車においては、始動補助回路への通電時間が2秒ではグロープラグの予熱が完了しておらずエンジンの始動性が悪く、エンジンが始動しない可能性が高いことから、2秒でエンジンが始動しないことを確認することにより一般グローのディーゼル車であるという判断の信頼性を高めることができる。
【0043】
以上のようにして、制御回路4は、携帯形送信機1からのスタート信号Saに応じてエンジンの始動を10回成功することに応じて始動履歴を10回記憶したときは(ステップS22:YES)、その始動履歴に基づいて取付対象車のエンジンの種別を判断する。即ち、取付対象車がクイックグローのディーゼル車の場合は、予熱完了待機時間が8秒ではエンジンは始動しないと共に2秒若しくは4秒で始動する可能性が高いことから、8秒でエンジンが始動せず且つ2秒若しくは4秒で5回以上始動したときは(ステップS23:YES)、クイックグローのディーゼル車であると判断する。
【0044】
また、取付対象車が一般グローのディーゼル車の場合は、予熱完了待機時間が2秒ではエンジンが始動しないと共に4秒若しくは8秒で始動する可能性が高いので、2秒で始動せず且つ4秒若しくは8秒で5回以上始動したときは(ステップS24:YES)、一般グローのディーゼル車であると判断する。
【0045】
尚、上記条件を満足しない場合は、始動履歴回数を零に設定することにより始動履歴が10回となるまで始動履歴を再び記憶し、その始動履歴及び予熱完了待機時間テーブルに基づいてエンジン始動動作を実行する。
【0046】
そして、制御回路4は、上述のようにして取付対象の車種を判断したときは、その判断結果に基づいて以降のエンジン始動動作における予熱完了待機時間TGLOWを設定する。即ち、取付対象がクイックグロー車であると判断したときは、以降のエンジン始動動作における予熱完了待機時間TGLOWとして1回目を2秒、2回目を3秒、3回目を4秒に設定する(ステップS25)。従って、1回目のエンジン始動動作によりエンジンが始動する確率は極めて高いものの、エンジンが始動しなかった場合であっても、2回目、3回目のエンジン始動動作によりエンジンを確実に始動することができる。
【0047】
また、取付対象車が一般グローのディーゼル車であると判断したときは、以降のエンジン始動動作における予熱完了待機時間TGLOWとして1回目を4秒、2回目を6秒、3回目を8秒に設定する(ステップS26)。従って、1回目のエンジン始動動作によりエンジンが始動する確率は極めて高いものの、エンジンが始動しなかった場合であっても、2回目、3回目のエンジン始動動作によりエンジンを確実に始動することができる。
【0048】
尚、ガソリン車の場合は、イグニッション回路に通電してからクランキングするまでの時間が短くともエンジンを始動することができるので、IGリレー8,9のオン時間として1回目は1秒、2回目は4秒、3回目は8秒を設定する。
【0049】
さて、ディーゼル車にあっては、上述のようにして決定した予熱完了待機時間TGLOWによりエンジンを始動することができるものの、冬季のように周囲温度が低いときは予熱完了待機時間TGLOW中にグロープラグの予熱が完了できずにエンジンの始動性が悪化する虞がある。また、夏季のように周囲温度が高いときは予熱完了待機時間TGLOW中に短時間で予熱が完了してからクランキングするまでの時間が長くなるので、始動補助回路への通電時間が長くなってバッテリの電力消費が大きくなる虞がある。
【0050】
そこで、本実施例では、エンジン始動動作によりエンジンの始動を成功した際に車種判定が終了していたときは(ステップS20:YES)、ステップS15で測定した始動開始時間TSTR に基づいて以降の予熱完了待機時間TGLOWを補正するようにしている。
【0051】
即ち、制御回路4は、始動開始時間TSTRが1秒以下のときは(ステップS27:YES)、グロープラグの予熱完了待機時間は過剰でバッテリの電力消費が大きいと判断し、予熱完了待機時間TGLOWを1秒だけ短縮する(ステップS28)。従って、取付対象車がクイックグローのディーゼル車であると判断して予熱完了待機時間TGLOWとして1回目を2秒、2回目を3秒、3回目を4秒に設定したときは、次回の予熱完了待機時間TGLOWとして1回目を1秒、2回目を2秒、3回目を3秒と補正する。
【0052】
同様に、取付対象車が一般グローのディーゼル車であると判断して予熱完了待機時間TGLOWとして1回目を4秒、2回目を6秒、3回目を8秒に設定したときは、次回の予熱完了待機時間TGLOWとして1回目を3秒、2回目を5秒、3回目を7秒に設定する。
【0053】
また、始動開始時間TSTR が1〜3秒であったときは(ステップS29:YES)、エンジンの始動性は略良好で且つバッテリの電力消費も略適正であると判断して、現状の予熱完了待機時間TGLOWを継続する。
【0054】
また、始動開始時間TSTR が3秒を上回ったときは(ステップS30:YES)、予熱時間が不十分でエンジンの始動性は悪いと判断し、予熱完了待機時間TGLOWを1秒延長する(ステップS31)。従って、取付対象車がクイックグローのディーゼル車であると判断して予熱完了待機時間TGLOWとして1回目を2秒、2回目を3秒、3回目を4秒に設定したときは、次回の予熱完了待機時間TGLOWとして1回目を3秒、2回目を4秒、3回目を5秒に補正する。
【0055】
同様に、取付対象車が一般グローのディーゼル車であると判断して予熱完了待機時間TGLOWとして1回目を4秒、2回目を6秒、3回目を8秒に設定したときは、次回の予熱完了待機時間TGLOWとして1回目を5秒、2回目を7秒、3回目を8秒に設定する。
【0056】
尚、演算の結果、予熱完了待機時間TGLOWが「0」となる場合は、その演算を無効化して演算前の予熱完了待機時間TGLOWでもってエンジン始動動作を実行するようになっている。
【0057】
上記構成のものによれば、携帯形送信機1からのスタート信号Saに応じて所定の予熱完了待機時間でもってエンジンの始動動作を実行すると共に、エンジンの始動を成功したときの所定数の予熱完了待機時間の時間分布に基づいてディーゼル車の種別(クイックグロー車か一般グロー車か)を判断し、その判断結果に基づいて以降における予熱完了待機時間を設定するようにしたので、予熱完了待機時間が一定である構成に比較して、予熱完了待機時間が極端に長かったり短かったりすることによるエンジンの始動性の悪化或いはバッテリの無駄な電力消費を防止することができる。
【0058】
また、ディーゼル車の種別に応じて設定した予熱完了待機時間をエンジンの始動性に応じて補正するようにしたので、周囲温度の影響を受けて予熱完了待機時間が不適切となった場合でも、予熱完了待機時間を適切な時間に補正することによりエンジン始動動作で確実にディーゼルエンジンを始動することができる。
【0059】
本発明は、上記実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
取付対象車としてガソリン車かディーゼル車かを設定できるようにしておき、ディーゼル車が設定されたときは、ディーゼル車の種別を判断するようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の車両用エンジン始動装置によれば、効果を奏する。
請求項1のものによれば、エンジン始動動作によりディーゼルエンジンの始動を複数回成功したときの予熱完了待機時間の時間分布に基づいてディーゼルエンジンの種別を判断し、以降においてはディーゼルエンジンの種別に応じて設定した予熱完了待機時間でもってエンジン始動動作を行うようにしたので、簡単な構成でディーゼルエンジンの種別にかかわらずディーゼルエンジンを確実に始動することができると共にバッテリの電力消費を抑制することができる。
【0061】
請求項2のものによれば、ディーゼルエンジンの種別に応じて設定した予熱完了待機時間を始動性に応じて補正するようにしたので、周囲温度の影響を受けることなくディーゼルエンジンを確実に始動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における全体の電気的構成を示す概略図
【図2】制御回路の動作を示すフローチャート
【図3】制御回路の動作を示すフローチャート
【図4】予熱完了待機時間テーブルを示す模式図
【図5】バッテリ電圧及びオルタネータの電圧変化を示す図
【図6】従来例を示す図5相当図
【符号の説明】
1は携帯形送信機、4は制御回路(始動検知手段、始動制御手段、種別判断手段、補正手段)、17は不揮発性メモリ(記憶手段)である。
Claims (2)
- ディーゼルエンジンの始動したことを検知する始動検知手段と、
送信機からの指令に応じてグロープラグを有した始動補助回路に通電した状態で所定の予熱完了待機時間が経過したときはスタータ回路に通電するエンジン始動動作を実行すると共に、そのエンジン始動動作にかかわらず前記始動検知手段がエンジンの始動を検知しなかったときは予熱完了待機時間を変更した状態でエンジン始動動作を再実行する始動制御手段と、
前記始動検知手段によりディーゼルエンジンの始動が検知される毎に予熱完了待機時間を記憶する記憶手段と、
この記憶手段が所定数の予熱完了待機時間を記憶したときは、その予熱完了待機時間の時間分布に基づいてディーゼルエンジンの種別を判断する種別判断手段とを備え、
前記始動制御手段は、前記種別判断手段が判断したディーゼルエンジンの種別に応じて以降における予熱完了待機時間を設定することを特徴する車両用エンジン始動装置。 - 前記始動制御手段がディーゼルエンジンの種別に応じて予熱完了待機時間を設定したときは、前記始動制御手段がスタータ回路に通電してから前記始動検知手段がエンジンの始動を検知するまでの始動開始時間に基づいて以降における予熱完了待機時間を補正する補正手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の車両用エンジン始動装置。
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1996
- 1996-09-17 JP JP24459496A patent/JP3892507B2/ja not_active Expired - Fee Related
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