JP3819501B2 - 車両用エンジン始動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信機からの指令に応じてスタータリレーを動作させることによりエンジンを始動する制御手段を備えた車両用エンジン指導装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、携帯可能な送受信機からスタート信号を電波信号で送信することによって、停車状態にある車両のエンジンを始動させるようにした車両用エンジン始動装置が供されている。
【0003】
すなわち、この種の車両用エンジン始動装置は、送受信機からスタート信号を受信したときに、所定のエンジン始動条件(例えばトランスミッションが走行ポジションにないこと、パーキングブレーキが動作されていることなどの条件)を満たしていることを前提として、スタータリレーを通じてバッテリとスタータ回路とを接続することにより、エンジンを始動するようになっている。
【0004】
そして、このとき、エンジンが始動したか否かの判断は、スタータリレー動作前のバッテリ電圧と、スタータリレー動作後のバッテリ電圧とを比較することにより行われている。具体的には、エンジンが始動したときはオルタネータの発電に伴ってスタータリレー動作後のバッテリ電圧がスタータリレー動作前のバッテリ電圧より大きくなることから、それに基づいてエンジンが始動したと判断するようにしている。
【0005】
ところで、このようなスタータリレーの動作前後のバッテリ電圧に基づいてエンジンが始動したか否かを判断する構成のものでは、エンジンが始動したか否かを誤判断してしまう場合があり、そのような一例を図5を参照して説明する。
【0006】
すなわち、エンジンを始動させるために、送受信機からスタート信号を送信すると、上述したエンジン始動条件が成立しているときには、イグニッション(IG)リレーをオン状態とし、アクセサリ(ACC)リレーをオン状態とする。このとき、イグニッション回路に通電されることに応じてバッテリ電圧が低下するが、例えばエアコンディショナのスイッチがオンされていると、エアコン用電磁クラッチがオン状態となって、バッテリ電圧がさらに低下することになる(図5中、t1 参照)。
【0007】
つまり、イグニッション回路に通電された時点でエアコンディショナのスイッチがオンされていると、エアコンディショナのスイッチがオフされているときよりも、バッテリ電圧の低下レベルが大きくなる。このとき、そのレベル低下したバッテリ電圧がスタータ(ST)リレー動作前のバッテリ電圧(V1 )と見做される。
【0008】
そして、所定時間経過した後、スタータリレーをオン状態にすると、エンジンスタータに通電されることに応じてバッテリ電圧が急激に低下すると共に、エアコン用電磁クラッチがオフ状態となる(図5中、t2 参照)。その後、バッテリ電圧は、エンジンの所謂回転むらが減って負荷が軽減されるにしたがって次第に上昇するようになる。
【0009】
さらに、所定時間経過した後、スタータリレーをオフ状態にすると、バッテリ電圧が急激に上昇することから、上昇して安定したバッテリ電圧がスタータリレー動作後のバッテリ電圧(V2 )と見做される(図5中、t3 参照)。このとき、スタータリレー動作後のバッテリ電圧(V2 )がスタータリレー動作前のバッテリ電圧(V1 )より大きいときに、エンジンが始動したと判断するようになっている。
【0010】
ところが、上記のような構成のものにおいては、実際には、環境温度やバッテリの劣化などにより、エンジンの始動し易さが異なることから、スタータリレー動作後のバッテリ電圧(V2 )がスタータリレー動作前のバッテリ電圧(V1 )より大きくなっても、エンジンが始動していない場合がある。つまり、そのような場合には、エンジンが始動していないのにもかかわらず、エンジンが始動したと誤判断してしまうことになる。特に、上述したように、エアコンディショナのスイッチがオンされていると、その分、スタータリレー動作前のバッテリ電圧(V1 )が低下してしまうので、スタータリレー動作後のバッテリ電圧(V2 )がスタータリレー動作前のバッテリ電圧(V1 )より大きくなり易く、上述したような不具合が起こり易い。
【0011】
そこで、エンジンが始動したか否かの判断を良好に行うことができるように、上記のようなバッテリ電圧による判断モード(バッテリ電圧判断モード)と、オルタネータL端子による判断モード(オルタネータL端子判断モード)とを併用して判断するようにしたものがあり、その一例を図6に示している。
【0012】
ここで、オルタネータL端子判断モードとは、車両側に設けられた受信ユニットのマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略称する)がオルタネータL端子から入力される検出信号のレベル変化を検出することによって、エンジンが始動したか否かを判断する判断モードのことである。具体的には、マイコンが、オルタネータL端子から与えられる検出信号がロウレベルからハイレベルに切換わったことを検出したときに、エンジンが始動したと判断するものである。
【0013】
尚、オルタネータL端子から出力される検出信号は、エンジンが始動したときにロウレベルからハイレベルに切換わるもので、つまり、オルタネータL端子判断モードでは、上述したようなバッテリ電圧判断モードにおける不具合が生じるようなことはなく、エンジンが始動したか否かの判断を良好に行うことができるものである。
【0014】
さて、図6において、マイコンは、初期状態でバッテリ電圧判断モードにあるときには、バッテリ電圧判断モードを実行することにより、エンジンが始動したと判断する(図6中、t1 参照)。ここで、エンジンが始動したときには、マイコンは、オルタネータL端子から与えられる検出信号がロウレベルからハイレベルに切換わったことに応じてバッテリ電圧判断モードからオルタネータL端子判断モードに切換わる。そして、マイコンは、オルタネータL端子判断モードを実行することにより、エンジンが始動したと判断する(図6中、t2 参照)。これにより、エンジンが始動したか否かの判断を良好に行うことができるようになる。尚、これ以降、マイコンは、エンジンが始動したか否かの判断を、オルタネータL端子判断モードで行うようになる。
【0015】
ところで、自動車を例えば修理に出したり第三者に貸与するときに送受信機によるエンジンの始動を禁止することができるように、上述した受信ユニットへの電源供給を停止するための電源スイッチが設けられているものがある。
【0016】
すなわち、そのような電源スイッチが設けられている構成のものにおいて、電源スイッチをオフすると、マイコンは、電源が供給されなくなってオルタネータL端子判断モードから初期状態、つまりバッテリ電圧判断モードに切換わってしまうことになる(図6中、t3 参照)。そうなると、電源スイッチを再度オンして、送受信機を使ってエンジンを始動させようとしても、マイコンはバッテリ電圧判断モードを実行するので、上述したような不具合が再び生じてしまう虞がある。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バッテリ電圧判断モードとオルタネータL端子判断モードとを併用してエンジンが始動したか否かの判断を行う構成のものにおいて、エンジンが始動したか否かの判断を良好に行うことができる車両用エンジン始動装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両用エンジン始動装置は、
送信機からの指令に応じてスタータリレーを動作させることによりエンジンを始動する制御手段を備えた車両用エンジン指導装置において、
前記スタータリレーの動作前後のバッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出手段と、
オルタネータL端子から始動信号が入力されたか否かを検出するオルタネータL端子検出手段と、
エンジンが始動したか否かを判断するための判断モードが記憶され、初期状態で前記バッテリ電圧検出手段の検出結果に基づいて判断するバッテリ電圧判断モードが設定された不揮発性記憶手段とを備え、
前記制御手段は、不揮発性記憶手段に記憶された判断モードを実行するように設けられ、前記オルタネータL端子検出手段が前記オルタネータL端子から前記始動信号を検出したときには当該オルタネータL端子検出手段の検出結果に基づいて判断するオルタネータL端子判断モードを当該不揮発性記憶手段に記憶するところに特徴を有する(請求項1)。
【0019】
上記構成の車両用エンジン始動装置によれば、制御手段により不揮発性記憶手段に記憶された判断モードが実行されることによって、エンジンが始動したか否かの判断が行われる。すなわち、制御手段は、初期状態ではバッテリ電圧検出手段の検出結果に基づいて判断するバッテリ電圧判断モードでエンジンが始動したか否かを判断し、オルタネータL端子から始動信号を検出したときにはオルタネータL端子検出手段の検出結果に基づいて判断するオルタネータL端子判断モードを不揮発性記憶手段に記憶する。
【0020】
このとき、制御手段は、上述したように、不揮発性記憶手段に記憶されている判断モードを実行するので、一旦、オルタネータL端子判断モードが不揮発性記憶手段に記憶されれば、これ以降、制御手段はオルタネータL端子判断モードを実行するようになり、つまり、バッテリ電圧判断モードを実行することはないので、オルタネータL端子判断モードによりエンジンが始動したか否かの判断を良好に行うことができるようになる。
【0021】
また、上記構成の車両用エンジン始動装置において、
前記制御手段は、配線チェック用のテストモードが設定されたときには前記不揮発性記憶手段を初期化するように構成しても良い(請求項2)。
【0022】
上記構成の車両用エンジン始動装置によれば、配線チェック用のテストモードが設定されると、不揮発性記憶手段が初期化され、すなわち、制御手段はバッテリ電圧判断モードを実行するようになる。これにより、所望の時に、制御手段がバッテリ電圧判断モードで動作するように切換えることができ、例えばバッテリ電圧判断モードの動作試験や評価を行うことができるようになる。
【0023】
また、上記構成の車両用エンジン始動装置において、
前記制御手段は、前記テストモードが設定された状態で前記オルタネータL端子検出手段が前記オルタネータL端子から前記始動信号を検出したときには前記不揮発性記憶手段に前記オルタネータL端子判断モードを記憶するように構成しても良い(請求項3)。
【0024】
上記構成の車両用エンジン始動装置によれば、テストモードが設定された状態で、オルタネータL端子検出手段がオルタネータL端子から始動信号を検出すると、不揮発性記憶手段にオルタネータL端子判断モードが記憶され、すなわち、制御手段はオルタネータL端子判断モードを実行するようになる。これにより、テストモード時にイグニッションキーによりエンジンを始動させることにより、制御手段がオルタネータL端子判断モードで動作するように自動的に切換えることができるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図1ないし図4を参照して説明する。
まず、電気的構成を概略的に示す図2において、携帯可能な送信機1は、自動車の使用者が携帯するものであり、その操作に応じて、該自動車のエンジンの始動を指令するスタート信号Saを例えば電波信号にて発信するように構成されている。
【0026】
受信ユニット2は、上記スタート信号Saを受信する受信回路3と、その受信回路3が受信したスタート信号Saが与えられる制御回路4(本発明でいうバッテリ電圧検出手段、オルタネータL端子検出手段、制御手段)と、この制御回路4により動作制御される電源用リレー5、6、アクセサリ(ACC)リレー7、イグニッション(IG)リレー8、9、スタータ(ST)リレー10、11とを備えて構成されている。
【0027】
電源用リレー5、6は、それぞれ接点5a、6aの閉成状態(オン状態)でバッテリ12に接続されて電源回路が形成される。アクセサリリレー7は、接点7aの閉成状態(オン状態)でアクセサリ(オーディオなど)回路が電源用リレー5を介してバッテリ12に接続される構成となっている。イグニッションリレー8、9は、それぞれ接点8a、9aの閉成状態(オン状態)で2系統のイグニッション(エンジン、エアコンディショナその他電装品)回路がバッテリ12に接続される構成となっている。スタータリレー10、11は、それぞれ接点10a、11aの閉成状態(オン状態)で図示しないエンジンスタータに通電するためのいずれかのスタータ回路がバッテリ12に接続される構成となっている。
【0028】
また、バッテリ12にはバッテリ電圧分圧回路13が接続されている。このバッテリ電圧分圧回路13は、バッテリ12のバッテリ電圧を電源電圧(例えば5V)以下となるように分圧した状態で制御回路4に出力するようになっている。オルタネータ14は、そのL端子から検出信号を制御回路4に出力するようになっており、エンジンが始動したときに検出信号をロウレベルからハイレベルに切換えて出力するようになっている(本発明でいう始動信号を検出する)。
【0029】
さらに、上記制御回路4には不揮発性記憶手段としての不揮発性メモリ15、テストモードスイッチ16が接続され、受信ユニット2には電源スイッチ17が接続されている。不揮発性メモリ15には、後述するバッテリ電圧判断モードとオルタネータL端子判断モードとのうちのいずれかの判断モードが記憶されるようになっており、制御回路4は、不揮発性メモリ15に記憶された判断モードを読込むことによって、読込んだ判断モードで動作するようになっている。尚、不揮発性メモリ15には、初期状態においてはバッテリ電圧判断モードが記憶されており、また、後述するテストモードスイッチ16により初期化されると、そのときの記憶内容が消去されて、バッテリ電圧判断モードが記憶されるようになっている。
【0030】
ここで、バッテリ電圧判断モードとは、エンジンが始動したか否かの判断を、スタータリレー10、11の動作前にバッテリ電圧分圧回路13から与えられる電圧(V1 )と、スタータリレー10、11の動作後にバッテリ電圧分圧回路13から与えられる電圧(V2 )とを比較して行うもので、スタータリレー10、11の動作後に与えられた電圧(V2 )が、スタータリレー10、11の動作前に与えられた電圧(V1 )より大きいときに、エンジンが始動したと判断する判断モードである。
【0031】
オルタネータL端子判断モードとは、制御回路4におけるエンジンが始動したか否かの判断を、オルタネータ14からの検出信号に基づいて行うもので、オルタネータ14から検出信号がハイレベルで与えられたときに、エンジンが始動したと判断する判断モードである。
【0032】
テストモードスイッチ16は、閉成状態(オン状態)で、不揮発性メモリ15を初期化するようになっている。尚、このテストモードスイッチ16は、実際には、自動車の使用者により操作されることはなく、例えばディーラーでの新規取付時の際に配線チェックがなされるときに操作されるものである。
【0033】
電源スイッチ17は、受信ユニット2に動作電源を供給するためのスイッチであり、これは、例えば自動車を修理に出したり、第三者に貸与するときに、送信機1によるエンジンの始動を禁止することができるように設けられているものである。すなわち、この電源スイッチ17は、通常の使用においては閉成状態(オン状態)であるが、開成状態(オフ状態)にすれば、受信ユニット2の動作を禁止させることができ、つまり、送信機1によるエンジンの始動を禁止することができるものである。
【0034】
また、制御回路4には、エンジンの始動条件を判断するために、パーキングブレーキスイッチ18、シフトポジションスイッチ19、ボンネットスイッチ20、ドア開閉検知スイッチ21から信号が与えられるようになっている。具体的には、パーキングブレーキスイッチ18からは、自動車のパーキングブレーキが動作位置にあるときにブレーキ動作信号S1が与えられ、シフトポジションスイッチ19からは、自動車のオートマチックトランスミッションがパーキングポジションにあるときにパーキング信号S2が与えられるようになっている。また、ボンネットスイッチ20からは、自動車のボンネットが閉鎖されているときにボンネット閉鎖信号S3が与えられ、ドア開閉検知スイッチ21からは、自動車のドアが全て閉じた状態にあるときにドア閉信号S4が与えられるようになっている。
【0035】
さて、上記制御回路4は、マイクロコンピュータを含んで構成されているもので、あらかじめ設定されている制御プログラムに基づいて動作するようになっている。以下においては、エンジン始動時における制御回路4の制御内容およびこれに関連した部分の作用について、図1に示すタイムチャートならびに図3および図4に示すフローチャートも参照して説明する。
【0036】
まず、図3に示すフローチャートならびに図1に示すタイムチャートにおいて、使用者が乗車するために送信機1を操作すると、送信機1からスタート信号Saが送信される。制御回路4は、スタート信号Saが与えられると(ステップS1で「YES」と判断)、エンジンを始動するために、エンジン始動条件が成立しているか否かを判断する(ステップS2)。この場合、エンジン始動条件としては、ブレーキ動作信号S1、パーキング信号S2、ボンネット閉鎖信号S3およびドア閉信号S4の各信号が全て入力していること、つまり、パーキングブレーキが動作していること、オートマチックトランスミッションがパーキングポジションにあること、自動車のボンネットが閉鎖されていることおよびドアが閉じた状態にあることの全てが満たされたときに、エンジン始動条件が成立するようになっている。
【0037】
そして、制御回路4は、エンジン始動条件が成立したときは(ステップS2で「YES」と判断)、エンジンを始動するための電源回路を形成しても安全であると判断して、電源用リレー5、6をオン状態とする(ステップS3)。これにより、電源用リレー5、6を通じてアクセサリリレー7、イグニッションリレー8、9およびスタータリレー10、11がバッテリ12に接続される。
【0038】
次いで、制御回路4は、エンジンを始動するために、アクセサリリレー7およびイグニッションリレー8、9をオン状態とする(ステップS4、S5)。これにより、アクセサリリレー7の接点7aを通じてオーディオなどのアクセサリ回路がバッテリ12に接続されると共に、イグニッションリレー8、9の接点8a、9aを通じてエンジン、エアコンディショナなどのイグニッション回路がバッテリ12に接続される。そして、制御回路4は、このとき、バッテリ電圧分圧回路13から与えられているバッテリ電圧を、スタータリレー10、11の動作前のバッテリ電圧(V1 )として入力する(ステップS6)。
【0039】
続いて、制御回路4は、第1の所定時間が経過すると(ステップS7で「YES」と判断)、スタータ回路への通電電圧が低下することを防止するためにアクセサリリレー7をオフ状態とし(ステップS8)、スタータリレー10、11をオン状態とする(ステップS9)。これにより、スタータ回路が動作し、つまり、エンジンの始動が開始される。このとき、バッテリ12のバッテリ電圧は、スタータ回路が通電されることに伴って急激に低下するようになる。
【0040】
次いで、制御回路4は、第2の所定時間が経過すると(ステップS10で「YES」と判断)、スタータリレー10、11をオフ状態する(ステップS11)。このとき、バッテリ12のバッテリ電圧は、スタータリレー10、11がオフ状態となり、スタータ回路への通電が終了することに応じて急激に上昇する。そして、制御回路4は、アクセサリリレー7をオン状態とする(ステップS12)。そして、制御回路4は、このとき、バッテリ電圧分圧回路13から与えられているバッテリ電圧を、スタータリレー10、11の動作後のバッテリ電圧(V2 )として入力する(ステップS13)。
【0041】
次いで、制御回路4は、不揮発性メモリ15に記憶されている判断モードを読込み、自己の判断モードを判断する(ステップS14)。このとき、不揮発性メモリ15に記憶されている判断モードは、バッテリ電圧判断モードであるので(ステップS14で「YES」と判断)、ステップS6にて入力したスタータリレー10、11の動作前のバッテリ電圧(V1 )と、ステップS12にて入力したスタータリレー10、11の動作後のバッテリ電圧(V2 )とを比較する(ステップS15)。そして、制御回路4は、スタータリレー10、11の動作後のバッテリ電圧(V2 )がスタータリレー10、11の動作前のバッテリ電圧(V1 )より大きいときに(ステップS15で「YES」と判断)、エンジンが始動したと判断する(ステップS16ならびに図1中、t1 参照)。
【0042】
このとき、従来例で説明したようなものにおいては、エンジンが始動しなかったときであっても、バッテリ電圧が上昇することから、エンジンが始動したと判断してしまう。このため、送信機1を用いてエンジンを始動する限り、バッテリ電圧モードが保持され、エンジンが始動しない状態であってもエンジンが始動したと判断する状態を継続することになる。
【0043】
しかしながら、本実施例においては、使用者がイグニッションキーによりエンジンを始動したときは、エンジンが確実に始動することから、エンジンが始動したことに応じて、オルタネータ14のL端子から制御回路4に与えられている検出信号がロウレベルからハイレベルに切換わる。したがって、制御回路4は、検出信号をハイレベルで入力すると(ステップS17で「YES」と判断)、不揮発性メモリ15の判断モードを、バッテリ電圧判断モードからオルタネータL端子判断モードに書換える(ステップS18)。
【0044】
そして、制御回路4は、第3の所定時間が経過すると(ステップS19で「YES」と判断)、全てのリレーをオフ状態にして(ステップS20)、ステップS1に戻る。
【0045】
これに対して、制御回路4は、ステップS14のときに自己がオルタネータL端子判断モードであるときには(ステップS14で「NO」と判断)、オルタネータ14のL端子から検出信号をハイレベルで入力したか否かを判断し、検出信号をハイレベルで入力したと判断したときには(ステップS21で「YES」と判断)、エンジンが始動したと判断する(ステップS22ならびに図1中、t2 参照)。
【0046】
また、制御回路4は、ステップS15にてスタータリレー10、11の動作後のバッテリ電圧(V2 )がスタータリレー10、11の動作前のバッテリ電圧(V1 )をよりも小さいと判断したとき(ステップS15で「NO」と判断)、あるいはステップS21にて検出信号をハイレベルで入力しないとき(ステップS21で「NO」と判断)したときには、エンジンが始動しなかったと判断して直ちに全てのリレーをオフ状態にして(ステップS20)、ステップS1に戻る。以上の動作により、制御回路4は、オルタネータL端子判断モードにより、エンジンの始動を確実に判断することができる。
【0047】
さて、ここで、例えば自動車を修理に出したり、第三者に貸与するときに、送信機1によるエンジンの始動を禁止するために、上述した受信ユニット2の電源スイッチ17をオフする場合について考える。この場合、電源スイッチ17をオフすると(図1中、t3 参照)、受信ユニット2の動作電源は供給されなくなるが、不揮発性メモリ15の記憶内容、つまり、オルタネータL端子判断モードは消去されず保持されるので、電源スイッチ17を再度オンすると(図1中、t4 参照)、制御回路4はオルタネータL端子判断モードを実行するようになる。すなわち、電源スイッチ17をオフしても、制御回路4がバッテリ電圧判断モードに切換わるなることはなくなり、以降、オルタネータL端子判断モードによりエンジンが始動したか否かの判断を良好に行うことができるようになる。
【0048】
さて、例えばディーラーでの新規取付時にはテストモードスイッチ16を操作して配線チェックを行うようになっているが、本実施例においては、テストモードによる配線チェック時に適切な判断モードを設定する機能が付加されており、以下、その機能について説明する。
【0049】
制御回路4は、テストモードスイッチ16がオンされたことを検出したときには、図4に示すフローチャートを実行する。すなわち、不揮発性メモリ15を初期化することにより、不揮発性メモリ15の記憶内容を消去し、つまり、バッテリ電圧判断モードを設定する(ステップT1ならびに図1中、t5 参照)。
【0050】
これにより、所望の時に、制御回路4を初期化してオルタネータL端子判断モードからバッテリ電圧判断モードに切換えることができ、例えばバッテリ電圧判断モードの動作試験や評価を行うことができるようになる。
【0051】
そして、オルタネータ14のL端子が接続されているか否かの配線チェックがされる、具体的には、イグニッションキーによりエンジンが始動されると、制御回路4は、エンジンが始動されることに応じて、オルタネータ14から検出信号をハイレベルで入力するので(ステップT2で「YES」と判断)、オルタネータ14のL端子が接続されていると判断する。
【0052】
次いで、制御回路4は、検出信号をハイレベルで入力したことに応じて、不揮発性メモリ15に記憶される判断モードを、バッテリ電圧判断モードからオルタネータL端子判断モードに書換える(ステップT3ならびに図1中、t6 参照)。そして、制御回路4は、テストモードスイッチ16がオフされたときは(ステップT4で「YES」と判断)、テストモードを終了する。
【0053】
これにより、オルタネータL端子の配線チェックを行うことによって、制御回路4をバッテリ電圧判断モードからオルタネータL端子判断モードに自動的に切換えることができ、以降、オルタネータL端子判断モードによりエンジンが始動したか否かの判断を良好に行うことができるようになる。
【0054】
このように本実施例においては、制御回路4は、初期状態ではバッテリ電圧判断モードを実行すると共に、オルタネータ14から検出信号をハイレベルで入力したときにはオルタネータL端子判断モードを実行し、制御回路4が実行するこれらの判断モードは、不揮発性メモリ15に記憶されるように構成した。したがって、一旦、不揮発性メモリ15にオルタネータL端子判断モードが記憶されれば、そのオルタネータL端子判断モードが不揮発性メモリ15に保持されるようになる。そして、制御回路4は、これ以降、オルタネータL端子判断モードを実行し、つまり、電源スイッチ17をオフしても、バッテリ電圧判断モードを実行することはないので、オルタネータL端子判断モードによりエンジンが始動したか否かの判断を良好に行うことができるようになる。
【0055】
また、テストモードスイッチ16をオンすると、制御回路4は、不揮発性メモリ15を初期化し、バッテリ電圧判断モードを実行するように構成したので、所望の時に、制御回路4をオルタネータL端子判断モードからバッテリ電圧判断モードに切換えることができ、例えばバッテリ電圧判断モードの動作試験や評価を行うことができるようになる。
【0056】
さらに、テストモードスイッチ16をオンした状態において、制御回路4は、オルタネータ14から検出信号をハイレベルで入力したときには、不揮発性メモリ15にオルタネータL端子判断モードを記憶して、オルタネータL端子判断モードを実行するように構成したので、オルタネータL端子の配線チェックを行うテストモードを設定することによって、バッテリ電圧判断モードからオルタネータL端子判断モードに自動的に切換えることができる。そして、これ以降、オルタネータL端子判断モードによりエンジンが始動したか否かの判断を良好に行うことができるようになる。
【0057】
本発明は、上記実施例にのみ限定されるものでなく、次のように変形または拡張することができる。
送信機1からは、スタート信号を磁気信号にて発信するようにしても良い。
【0058】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、請求項1記載の車両用エンジン始動装置によれば、制御手段は、初期状態ではバッテリ電圧判断モードを実行すると共に、オルタネータL端子から始動信号を検出したときにはオルタネータL端子判断モードが不揮発性記憶手段に記憶されるように構成したので、一旦、不揮発性記憶手段にオルタネータL端子判断モードが記憶されれば、そのオルタネータL端子判断モードが保持され、制御手段は、これ以降、オルタネータL端子判断モードを実行し、バッテリ電圧判断モードを実行することはないので、オルタネータL端子判断モードによりエンジンが始動したか否かの判断を良好に行うことができるようになる。
【0059】
請求項2記載の車両用エンジン始動装置によれば、テストモードを設定すると、制御手段は不揮発性記憶手段を初期化してバッテリ電圧判断モードを実行するように構成したので、所望の時に、制御手段をオルタネータL端子判断モードからバッテリ電圧判断モードに切換えることができ、例えばバッテリ電圧判断モードの動作試験や評価を行うことができるようになる。
【0060】
請求項3記載の車両用エンジン始動装置によれば、テストモードを設定した状態において、制御手段は、オルタネータL端子から始動信号を検出したときには、不揮発性記憶手段にオルタネータL端子判断モードを記憶して、オルタネータL端子判断モードを実行するように構成したので、バッテリ電圧判断モードからオルタネータL端子判断モードに自動的に切換えることができる。また、これ以降、オルタネータL端子判断モードによりエンジンが始動したか否かの判断を良好に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すタイムチャート
【図2】電気的構成を示すブロック構成図
【図3】通常動作時の制御内容を示すフローチャート
【図4】テストモードスイッチ動作時の制御内容を示すフローチャート
【図5】従来例のバッテリ電圧によりエンジンの始動判断を行うときのタイムチャート
【図6】図1相当図
【符号の説明】
図面中、1は送信機、4は制御回路(バッテリ電圧検出手段、オルタネータL端子検出手段、制御手段)、10はスタータリレー、11はスタータリレー、12はバッテリ、14はオルタネータ、15は不揮発性メモリ(不揮発性記憶手段)である。
Claims (3)
- 送信機からの指令に応じてスタータリレーを動作させることによりエンジンを始動する制御手段を備えた車両用エンジン指導装置において、
前記スタータリレーの動作前後のバッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出手段と、
オルタネータL端子から始動信号が入力されたか否かを検出するオルタネータL端子検出手段と、
エンジンが始動したか否かを判断するための判断モードが記憶され、初期状態で前記バッテリ電圧検出手段の検出結果に基づいて判断するバッテリ電圧判断モードが設定された不揮発性記憶手段とを備え、
前記制御手段は、前記不揮発性記憶手段に記憶された判断モードを実行するように設けられ、前記オルタネータL端子検出手段が前記オルタネータL端子から前記始動信号を検出したときには当該オルタネータL端子検出手段の検出結果に基づいて判断するオルタネータL端子判断モードを当該不揮発性記憶手段に記憶することを特徴とする車両用エンジン始動装置。 - 前記制御手段は、配線チェック用のテストモードが設定されたときには前記不揮発性記憶手段を初期化することを特徴とする請求項1記載の車両用エンジン始動装置。
- 前記制御手段は、前記テストモードが設定された状態で前記オルタネータL端子検出手段が前記オルタネータL端子から前記始動信号を検出したときには前記不揮発性記憶手段に前記オルタネータL端子判断モードを記憶することを特徴とする請求項2記載の車両用エンジン始動装置。
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