JP4157435B2 - 車両用電源制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用電源制御装置に係り、特に、車載電源と所定の電気負荷との間において互いに並列に接続される通常リレーとラッチリレー又は半導体リレーとを備え、両リレーの切り替えにより車載電源から所定の電気負荷への電源供給を制御する車両用電源制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車載電源と所定の電気負荷との間において互いに並列に接続される通常リレーとラッチリレーとを備える車両用電源制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。通常リレーは、コイルに励磁電流が供給されていない期間中は開状態にあり、コイルに励磁電流が供給されている期間中だけ閉状態を保持する。一方、ラッチリレーは、コイルに励磁電流が供給されたときに状態が開状態から閉状態へ或いは閉状態から開状態へ切り替わり、その後はコイルに励磁電流が供給されなくても閉状態又は開状態を保持する。
【0003】
上記従来の装置において、イグニションがオフされたときは、通常リレーが開状態とされ、ラッチリレーが閉状態とされる。この場合には、車載電源と電気負荷とがラッチリレーを介して導通され、車載電源からの電力がラッチリレーを介して電気負荷に供給される。上記の如く、ラッチリレーは、コイルに励磁電流が供給されなくても状態を保持する。従って、上記従来の装置によれば、イグニションオフ時、通常リレーが閉状態とされることに起因する暗電流の増大を抑制しつつ、電気負荷の作動を許容することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−50513号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の装置において、イグニションがオンされたときは、通常リレー及びラッチリレーが共に閉状態とされる。この場合には、車載電源と電気負荷とが通常リレー及びラッチリレーを介して導通され、車載電源からの電力が通常リレー及びラッチリレーを介して電気負荷に供給される。一般に、ラッチリレーは、通常リレーに比べて電流通電容量が低く、流通が許容される電流の小さいリレーである。そこで、上記従来の装置においては、ラッチリレーが閉状態とされるイグニションオン時にラッチリレーに流れる電流を制限すべく、そのラッチリレーに直列に接続する抵抗が設けられている。
【0006】
しかしながら、このようにラッチリレーに直列に接続する抵抗が設けられている構成では、車載電源からの電力がラッチリレーを介して電気負荷に供給されるイグニションオフによる暗電流カット時に、その抵抗が電力消費負荷となり、余計な電力消費を招く不都合が生ずる。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、イグニションオフ時に余計に電力が消費されるのを防止することが可能な車両用電源制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、車載電源と所定の電気負荷との間において互いに並列に接続される、コイルに励磁電流が供給されている期間中だけ閉状態を保持する第1のリレーと、自己保持可能なラッチリレー又は半導体リレーからなる第2のリレーと、を備え、前記車載電源から前記所定の電気負荷への電源供給を制御する車両用電源制御装置であって、
イグニションがオフされているときには前記第1のリレーを開状態としかつ前記第2のリレーを閉状態とし又は前記第1及び第2のリレーを共に開状態とし、一方、イグニションがオンされているときには前記第1のリレーを閉状態としかつ前記第2のリレーを開状態とするリレー制御手段と、
イグニションがオンからオフへ移行した場合、前記車載電源から前記所定の電気負荷への電源供給を制限すべく、まず前記第2のリレーを開状態から閉状態へ切り替え、その後に前記第1のリレーを閉状態から開状態へ切り替え、その後、前記第2のリレーを閉状態から開状態へ切り替える供給電力制限手段と、
イグニションがオフからオンへ移行する前、前記供給電力制限手段による電源供給制限の解除要求を検知する制限解除要求検知手段と、
イグニションのオンからオフへの移行後、前記第2のリレーが開状態にあるときに前記制限解除要求検知手段により前記解除要求が検知された場合には、前記第2のリレーを開状態に維持したまま前記第1のリレーを開状態から閉状態へ切り替え、一方、前記第2のリレーが閉状態にあるときに前記制限解除要求検知手段により前記解除要求が検知された場合には、まず前記第1のリレーを開状態から閉状態へ切り替え、その後に前記第2のリレーを閉状態から開状態へ切り替える電力制限解除手段と、
を備える車両用電源制御装置により達成される。
【0009】
本発明において、イグニションがオフされているときには、第1のリレーが開状態とされかつ第2のリレーが閉状態とされ或いは第1及び第2のリレーが共に開状態とされる。この場合には、車載電源から第2のリレーのみを介して所定の電気負荷へ電力が供給され或いは車載電源から所定の電気負荷への電力供給が停止される。また、イグニションがオンされているときには、第1のリレーが閉状態とされかつ第2のリレーが開状態とされる。この場合には、車載電源から第1のリレーのみを介して所定の電気負荷へ電力が供給される。かかる構成においては、イグニションオン時にラッチリレー又は半導体リレーからなる第2のリレーを介した電源供給自体が行われないので、その際に第2のリレーに流れる電流を制限するための抵抗を設けることは不要である。このため、第2のリレーを介した電源供給が行われるイグニションオフ時に余計に電力が消費されるのは防止される。
【0010】
また、この発明において、イグニションがオンからオフへ移行する際に車載電源と所定の電気負荷とが遮断されるのを確実に防止することができる。
【0011】
また、上記した車両用電源制御装置において、前記供給電力制限手段は、イグニションがオンからオフへ移行した場合、まず該移行から第1の所定時間が経過した時点で前記第2のリレーを開状態から閉状態へ切り替え、その後に前記第1のリレーを閉状態から開状態へ切り替え、その後、該移行から第2の所定時間が経過した時点で前記第2のリレーを閉状態から開状態へ切り替えることとすれば、イグニションオフ後の第2の所定時間内には電気負荷の作動を許容すると共に、その第2の所定時間経過後には第2のリレーの閉の継続により生じ得る電力消費の削減を図ることができる。
また、上記した車両用電源制御装置において、前記制限解除要求検知手段は、イグニションがオフからオンへ移行する前、車両乗員が携帯する携帯機との無線通信の結果に基づいて、前記供給電力制限手段による電源供給制限の解除要求を検知することとしてもよい。
【0012】
尚、請求項4に記載する如く、請求項1乃至3の何れか一項記載の車両用電源制御装置において、イグニションは、イグニションキーがキー穴に挿入されてイグニション操作される場合、又は、遠隔的なイグニション操作が行われる場合にオンされることとしてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施例である車両用電源制御装置10を備えるシステムの構成図を示す。本実施例のシステムは、車両に搭載されており、車載バッテリとしての電源12と、エンジン用電子制御ユニットやエアバッグ用電子制御ユニット,ナビゲーション用電子制御ユニット等の複数の電子制御ユニット(以下、ECUと称す)14と、を備えている。各ECU14は、電源12から電力供給されることにより作動が許可される電気負荷である。ECU14は、車両に搭載される多数のECUのうちイグニションオフ時に電源供給カットの対象となる制御ユニットである。以下、電源12をECU電源12と称す。
【0014】
本実施例の車両用電源制御装置10は、ECU電源12とECU14との間を導通・遮断し、ECU電源12から各ECU14への電力供給を制御する装置である。車両用電源制御装置10は、第1及び第2のリレー16,18と、第1及び第2のリレー16,18の状態をそれぞれリレー制御する制御ECU20と、を備えている。
【0015】
第1のリレー16は、ECU電源12とECU14との間に介装されている。第1のリレー16は、コイル22と機械的な接点部24とにより構成され、コイル22に励磁電流が供給されていない期間中はECU電源12とECU14とが遮断されるように接点部24が開状態とされ、一方、コイル22に励磁電流が供給されている期間中だけECU電源12とECU14とが導通されるように接点部24が閉状態とされるリレーである。
【0016】
また、第2のリレー18は、上記した第1のリレー16に並列に接続されており、ECU電源12とECU14との間に介装されている。第2のリレー18は、セット部26とリセット部28と機械的な接点部30とにより構成され、セット部26のコイルに励磁電流が供給された際に接点部30が開状態から閉状態へ切り替わり、その後そのコイルへの励磁電流の供給が停止された後にも接点部30が閉状態を保持し、また、リセット部28のコイルに励磁電流が供給された際に接点部30が閉状態から開状態へ切り替わり、その後そのコイルへの励磁電流の供給が停止された後にも接点部30が開状態を保持する自己保持(キープ)リレーである。以下、第1のリレー16を通常リレー16と、第2のリレー18をラッチリレー18と、それぞれ称す。
【0017】
制御ECU20には、情報検知部32が接続されている。情報検知部32は、車両のイグニションの状態を検知すると共に、キー穴にイグニションキーが挿入されているか否かを判定する。情報検知部32の結果は、制御ECU20に供給される。制御ECU20は、情報検知部32から供給される情報に基づいてイグニションのオン状態・オフ状態およびキー穴へのイグニションキーの有無を検出し、かかる検出結果に基づいて通常リレー16及びラッチリレー18をそれぞれリレー制御する。
【0018】
図2は、本実施例の車両用電源制御装置10において実現される動作タイムチャートの一例を示す。本実施例の車両用電源制御装置10において、制御ECU20は、イグニションキーがキー穴に挿入されておりかつイグニションがオン状態にあることを検出する場合、通常リレー16を閉状態としかつラッチリレー18を開状態とする。この場合には、ECU電源12とECU14とが、ラッチリレー18を介しては導通しない一方で、通常リレー16を介しては導通し、ECU電源12の有する電力が通常リレー16を介してECU14に供給される。従って、車両が走行し得るイグニションオン時には、ECU電源12からECU14への電力供給が通常リレー16を介して行われ、ECU14の通常作動が通常リレー16の閉により確保されることとなる。
【0019】
また、制御ECU20は、イグニションがオン状態からオフ状態に移行しかつキー穴からイグニションキーが抜かれたことを検出した場合、その状態が継続して一定時間(例えば、2,3分)が経過した後に、まずラッチリレー18を開状態から閉状態へ切り替え、その後一定時間(例えば、1秒程度)遅れて通常リレー16を閉状態から開状態へ切り替える。この場合には、ECU電源12とECU14とが、通常リレー16を介しては導通しない一方で、ラッチリレー18を介しては導通し、ECU電源12の有する電力がラッチリレー18を介してECU14に供給される。従って、車両駐車時等のイグニションオフ時には、ECU電源12からECU14への電力供給がラッチリレー18を介して行われ、ECU14のスタンバイ作動(低消費電力)がラッチリレー18の閉により確保されることとなる。
【0020】
通常リレー16において接点部24の閉状態を保持するためには、数百mA程度の励磁電流をコイル22に供給することが必要である。従って、車両走行による発電が行われず車載バッテリが充電されないイグニションオフ時に、ECU14の作動を確保すべく通常リレー16を閉状態とするものとすると、ECU電源12の電力がコイル22への供給により多量に消費される不都合が生じてしまう。一方、ラッチリレー18は、その接点部30の閉状態を保持するうえでコイルに励磁電流を供給する必要がない。従って、上記の如くイグニションオフ時にECU14の作動を確保するうえでラッチリレー18を閉じることとすれば、通常リレー16を閉じる場合に比べてイグニションオフ時における電力消費が抑制されることとなる。以下、この状態を暗電流モードと称す。
【0021】
また、制御ECU20は、暗電流モードが実現された後、その状態が一定時間(例えば、30日や一ヵ月)継続した場合には、通常リレー16を開状態に維持したままラッチリレー18を閉状態から開状態へ切り替える。この場合には、ECU電源12とECU14とが遮断され、ECU電源12の有する電力がECU14側へ供給されなくなる。従って、イグニションオフ後、所定時間が経過した後は、ECU14の作動が制限されることとなる。このため、イグニションオフ後、ECU14への電力供給が停止されその作動が制限されることにより、イグニションオフ時において消費電力がほとんどゼロとなり、より一層の電力消費の削減が図られることとなる。以下、この状態をECU電源カットモードと称す。
【0022】
更に、制御ECU20は、暗電流モード時或いはECU電源カットモード時において、車両乗員の携帯する携帯機との無線通信の結果により遠隔的にドアの解錠を行うキーレスエントリモードがオンとなり、暗電流モード及びECU電源カットモードの解除要求を検知した場合、ECU電源カットモード時には、ラッチリレー18を開状態に維持したまま通常リレー16を開状態から閉状態へ切り替え、一方、暗電流モード時には、まず通常リレー16を開状態から閉状態へ切り替え、その後一定時間(例えば、1秒程度)遅れてラッチリレー18を閉状態から開状態へ切り替える(尚、図2には、ECU電源カットモード時の場合が示されている)。この場合には、ECU電源12とECU14とが、通常リレー16を介して導通し、ECU電源12の有する電力が通常リレー16を介してECU14に供給される。従って、車両が走行し得るイグニションがオンとされる際には、ECU電源12からECU14への電力供給が通常リレー16を介して行われ、ECU14の通常作動が通常リレー16の閉により確保されることとなる。
【0023】
ところで、ラッチリレー18は、通常リレー16に比べて流通が許容される電流(電流通電容量)の小さいリレーである。このため、車両が走行してECU電源12から各ECU14へ大電流が供給され得るイグニションオン時に、通常リレー16を用いることなくラッチリレー18のみでECU14の作動を確実に確保しようとすると、ラッチリレー18を複数並列に設けることが必要となる。しかしながら、ラッチリレー18は、通常リレー16に比べて高価であるので、上記の如く複数並列に設ける構成では、システムのコストアップが招来すると共に、専有面積が過大となる不都合が生じてしまう。
【0024】
これに対して、本実施例においては、上記の如く、イグニションオン時、ECU電源12からECU14への電力供給が通常リレー16を介して行われる。通常リレー16は、ラッチリレー18に比べて電流通電容量の比較的大きなリレーである。このため、本実施例においては、イグニションオン時にECU電源12からECU14への電力供給を確保するうえでラッチリレーを複数並列に設けることは不要である。従って、本実施例の車両用電源制御装置10によれば、イグニションオン時におけるECU14の作動を確実に確保しつつ、複数のラッチリレーの存在に起因するシステムのコストアップや専有面積の増大という不都合を回避することが可能となっている。
【0025】
また、本実施例においては、上記の如く、イグニションオン時、通常リレー16のみが閉状態となり、ECU電源12からECU14への電力供給が通常リレー16を介して行われる。すなわち、この際、ラッチリレー18は開状態に維持され、ラッチリレー18を介した電力供給は行われない。
【0026】
上記の如く、ラッチリレー18は、通常リレー16に比べて電流通電容量の小さいリレーである。このため、イグニションオン時にもイグニションオフ時と同様にラッチリレー18が閉状態となりそのラッチリレー18を介した電力供給が行われる構成では、ECU電源12からラッチリレー18側へ流れる電流を制限すべく、ラッチリレー18に直列に接続する抵抗を設けることが必要となる。しかし、かかる構成では、イグニションオフによる暗電流モード時に、その抵抗が電力を消費する負荷となり、余計な電力消費を招く不都合が生じてしまう。
【0027】
これに対して、本実施例においては、上記の如く、イグニションオン時、ラッチリレー18が開状態に維持され、ラッチリレー18を介した電力供給が行われない。このため、本実施例においては、イグニションオン時にラッチリレー18に流れる電流を制限するための抵抗をそのラッチリレー18に直列に設けることは不要である。従って、本実施例の車両用電源制御装置10によれば、ラッチリレー18を介した電力供給が行われるイグニションオフ時に余計に電力が消費されるのを防止することが可能となっている。
【0028】
また、本実施例においては、イグニションがオンからオフへ移行し、暗電流モードが開始されると、まずラッチリレー18が開状態から閉状態へ切り替わり、その後通常リレー16が閉状態から開状態へ切り替わる。更に、暗電流モード時に暗電流モードの解除要求がなされ、イグニションがオフからオンへ移行すると、まず通常リレー16が開状態から閉状態へ切り替わり、その後ラッチリレー18が閉状態から開状態へ切り替わる。
【0029】
かかる構成においては、ラッチリレー18及び通常リレー16が共に開状態となるタイミングが生ずるのを回避できるので、イグニションのオンからオフへの移行時及びオフからオンへの移行時にECU電源12とECU14とが遮断されるのを確実に防止することができ、ECU電源12からECU14への電力供給の継続を確保することが可能となっている。
【0030】
尚、上記第1の実施例においては、ECU電源12が特許請求の範囲に記載した「車載電源」に、ECU14が特許請求の範囲に記載した「所定の電気負荷」に、通常リレー16が特許請求の範囲に記載した「第1のリレー」に、ラッチリレー18が特許請求の範囲に記載した「第2のリレー」に、それぞれ相当していると共に、制御ECU20がイグニションがオフされたときにラッチリレー18を閉状態としかつ通常リレー16を開状態とし、一方、イグニションがオンされたときに通常リレー16を閉状態としかつラッチリレー18を開状態とすることにより特許請求の範囲に記載した「リレー制御手段」が実現されている。
【0031】
次に、図3を参照して、本発明の第2実施例について説明する。
【0032】
図3は、本実施例の車両用電源制御装置100を備えるシステムの構成図を示す。尚、図3において、上記図1に示す構成部分と同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
【0033】
本実施例の車両用電源制御装置100は、上記図1に示す車両用電源制御装置10において、ラッチリレー18に代えて半導体リレー102を用いることにより実現される。すなわち、車両用電源制御装置100は、制御ECU20によりリレー制御される半導体リレー102を備えている。半導体リレー102は、通常リレー16に並列に接続されており、ECU電源12とECU14との間に介装されている。半導体リレー102は、半導体チップ上に形成される例えばMOSFET(電界効果トランジスタ)により構成されており、ゲートにオン信号が入力されている場合にオン(閉状態)され、ドレイン−ソース間を導通させ、一方、オン信号が入力されていない場合にオフ(開状態)され、ドレイン−ソース間を遮断させる。半導体リレー102のソースは制御ECU20に、また、ドレイン,ソースはECU電源12及びECU14に、それぞれ接続されている。
【0034】
制御ECU20は、上記第1実施例のラッチリレー18と同様に、イグニションキーがキー穴に挿入されておりかつイグニションがオン状態にあることを検出する場合、通常リレー16を閉状態としかつ半導体リレー102を開状態とする。また、イグニションがオン状態からオフ状態に移行しかつキー穴からイグニションキーが抜かれたことを検出した場合、通常リレー16を閉状態から開状態へ切り替える前に半導体リレー102を開状態から閉状態へ切り替える。また、暗電流モード及びECU電源カットモードの解除供給を検知し、イグニションがオフ状態からオン状態へ移行する場合、通常リレー16を開状態から閉状態へ切り替え、半導体リレー102を開状態とする。
【0035】
この点、ECU電源12とECU14とは、イグニションオン時には通常リレー16を介して導通し、イグニションオフ時には半導体リレー102を介して導通する。すなわち、ECU電源12からECU14への電力供給は、イグニションオン時には通常リレー16を介して行われ、イグニションオフ時には半導体リレー102を介して行われる。半導体リレー102を閉状態に保持するのに必要な電力は、通常リレー16の機械的な接点部24をコイル22の励磁により閉状態に保持するのに必要な電力に比べてかなり小さい。従って、上記の如くイグニションオフ時にECU14の作動を確保するうえで半導体リレー102を閉じることとすれば、通常リレー16を閉じる場合に比べてイグニションオフ時における電力消費が抑制されることとなる。
【0036】
また、制御ECU20は、暗電流モードが実現された後、その状態が一定時間(例えば、30日や一ヵ月)継続した場合には、通常リレー16を開状態に維持したまま半導体リレー102を閉状態から開状態へ切り替える。このため、本実施例においても、イグニションオフ後、ECU14への電力供給が停止されその作動が制限されることにより、イグニションオフ時において消費電力がほとんどゼロとなり、より一層の電力消費の削減が図られることとなる。
【0037】
このように、本実施例において、ECU電源12からECU14への電力供給は、イグニションオン時には通常リレー16を介して行われる。このため、複数のラッチリレーの存在に起因するシステムのコストアップ等を招くことなく、イグニションオン時におけるECU14の作動を確実に確保することができる。また、ECU電源12からECU14への電力供給は、イグニションオフ時には半導体リレー102を介して行われる。半導体リレー102は、通常リレー16や上記第1実施例のラッチリレー18に比べて安価でありかつ専有面積の小さいリレーである。このため、本実施例の車両用電源制御装置100によれば、システムのコスト低減及び専有面積の縮小を図ることが可能となっている。
【0038】
また、本実施例においては、上記の如く、イグニションオン時、通常リレー16のみが閉状態となり、ECU電源12からECU14への電力供給が通常リレー16を介して行われる。すなわち、この際、半導体リレー102は開状態に維持され、半導体リレー102を介した電力供給は行われない。この点、半導体リレー102は通常リレー16に比べて電流通電容量の小さいリレーであるが、かかる構成においては、イグニションオン時に半導体リレー102に流れる電流を制限するための抵抗をその半導体リレー102に直列に設けることは不要である。従って、本実施例の車両用電源制御装置100によれば、半導体リレー102を介した電力供給が行われるイグニションオフ時に余計に電力が消費されるのを防止することが可能となっている。
【0039】
また、本実施例においては、イグニションがオンからオフへ移行し、暗電流モードが開始されると、まず半導体リレー102が開状態から閉状態へ切り替わり、その後通常リレー16が閉状態から開状態へ切り替わる。更に、暗電流モード時に暗電流モードの解除要求がなされ、イグニションがオフからオンへ移行すると、まず通常リレー16が開状態から閉状態へ切り替わり、その後半導体リレー102が閉状態から開状態へ切り替わる。このため、半導体リレー102及び通常リレー16が共に開状態となるタイミングが生成されるのを回避することができ、これにより、イグニションのオンからオフへの移行時及びオフからオンへの移行時にECU電源12とECU14とが遮断されるのを確実に防止することができ、ECU電源12からECU14への電力供給の継続を確保することが可能となっている。
【0040】
尚、上記第2の実施例においては、半導体リレー102が特許請求の範囲に記載した「第2のリレー」に相当していると共に、制御ECU20がイグニションがオフされたときに半導体リレー102を閉状態としかつ通常リレー16を開状態とし、一方、イグニションがオンされたときに通常リレー16を閉状態としかつ半導体リレー102を開状態とすることにより特許請求の範囲に記載した「リレー制御手段」が実現されている。
【0041】
また、上記第2の実施例においては、半導体リレー102としてMOSFETを用いることとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、MOSFET以外のトランジスタ等、半導体によるリレーを用いることとしてもよい。
【0042】
ところで、上記第1及び第2の実施例においては、キーレスエントリモードのオンを暗電流モードの解除要求としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、キー穴へのイグニションキーの挿入或いはその後のイグニション操作を暗電流モードの解除要求とすることとしてもよい。
【0043】
また、上記第1及び第2の実施例においては、各種のECU14を車載バッテリの電気負荷としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ECU14以外に、イグニションオン時に電力の供給を受け、イグニションオフ時に電力供給の停止が許容される電気負荷に適用することとすればよい。
【0044】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、イグニションがオンされているときに第1のリレーを閉状態としかつ第2のリレーを開状態とすることにより、第2のリレーに直列に接続する電流制限用の抵抗を設けることは不要であるので、第2のリレーを介した電源供給が行われるイグニションオフ時に余計に電力が消費されるのを防止することができる。
【0045】
また、イグニションがオンからオフへ移行する際に、第1及び第2のリレーが共に開状態とされることはないので、車載電源と所定の電気負荷とが遮断されるのを確実に防止することができる。
【0046】
また、イグニションオフ後の第2の所定時間内には電気負荷の作動を許容すると共に、その第2の所定時間経過後には第2のリレーの閉により生じ得る電力消費の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である車両用電源制御装置を備えるシステムの構成図である。
【図2】本実施例の車両用電源制御装置において実現される動作タイムチャートを示す図である。
【図3】本発明の第2実施例である車両用電源制御装置を備えるシステムの構成図である。
【符号の説明】
10,100 車両用電源制御装置
12 ECU電源
14 ECU
16 通常リレー
18 ラッチリレー
20 制御ECU
102 半導体リレー
Claims (4)
- 車載電源と所定の電気負荷との間において互いに並列に接続される、コイルに励磁電流が供給されている期間中だけ閉状態を保持する第1のリレーと、自己保持可能なラッチリレー又は半導体リレーからなる第2のリレーと、を備え、前記車載電源から前記所定の電気負荷への電源供給を制御する車両用電源制御装置であって、
イグニションがオフされているときには前記第1のリレーを開状態としかつ前記第2のリレーを閉状態とし又は前記第1及び第2のリレーを共に開状態とし、一方、イグニションがオンされているときには前記第1のリレーを閉状態としかつ前記第2のリレーを開状態とするリレー制御手段と、
イグニションがオンからオフへ移行した場合、前記車載電源から前記所定の電気負荷への電源供給を制限すべく、まず前記第2のリレーを開状態から閉状態へ切り替え、その後に前記第1のリレーを閉状態から開状態へ切り替え、その後、前記第2のリレーを閉状態から開状態へ切り替える供給電力制限手段と、
イグニションがオフからオンへ移行する前、前記供給電力制限手段による電源供給制限の解除要求を検知する制限解除要求検知手段と、
イグニションのオンからオフへの移行後、前記第2のリレーが開状態にあるときに前記制限解除要求検知手段により前記解除要求が検知された場合には、前記第2のリレーを開状態に維持したまま前記第1のリレーを開状態から閉状態へ切り替え、一方、前記第2のリレーが閉状態にあるときに前記制限解除要求検知手段により前記解除要求が検知された場合には、まず前記第1のリレーを開状態から閉状態へ切り替え、その後に前記第2のリレーを閉状態から開状態へ切り替える電力制限解除手段と、
を備えることを特徴とする車両用電源制御装置。 - 前記供給電力制限手段は、イグニションがオンからオフへ移行した場合、まず該移行から第1の所定時間が経過した時点で前記第2のリレーを開状態から閉状態へ切り替え、その後に前記第1のリレーを閉状態から開状態へ切り替え、その後、該移行から第2の所定時間が経過した時点で前記第2のリレーを閉状態から開状態へ切り替えることを特徴とする請求項1記載の車両用電源制御装置。
- 前記制限解除要求検知手段は、イグニションがオフからオンへ移行する前、車両乗員が携帯する携帯機との無線通信の結果に基づいて、前記供給電力制限手段による電源供給制限の解除要求を検知することを特徴とする請求項1又は2記載の車両用電源制御装置。
- イグニションは、イグニションキーがキー穴に挿入されてイグニション操作される場合、又は、遠隔的なイグニション操作が行われる場合にオンされることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の車両用電源制御装置。
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