JP2005264859A - 車両の電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジン始動時にユーザに対する耳障りなリレーの切替え音の発生を防止し得る車両の電源装置を提供する。
【解決手段】 車両の電源装置において、エンジンを始動させるための第1のスタータモータを起動させる第1のバッテリと、車両停止に際してエンジンを一時停止させた後の発進時にエンジンを再始動させるための第2のスタータモータを起動させる第2のバッテリと、該第2のバッテリと第1のスタータモータとの間に配置され、そのオン状態で、上記第1及び第2のバッテリの両方による第1のスタータモータの起動が可能であるように構成されたリレー手段と、該リレー手段のオンオフ切替え動作を制御する制御手段と、を有しており、該制御手段が、エンジン作動状態を検知するエンジン作動状態検知手段から取得される情報に基づき、次のエンジン始動に際し第1のスタータモータの起動を伴うエンジンの停止を検知すると、上記リレー手段をオン状態に設定する。
【選択図】図2

Description

この発明は、自動車等の車両に搭載される電源装置に関する。
近年、省エネルギー及び環境保護の観点から、車両停止時にエンジンを一時停止させ、発進時にスタータでエンジンを再始動させるアイドルストップが奨励されている。しかし、このアイドルストップでは、スタータを作動させる際、バッテリからスタータへ給電されるが、エンジン再始動を繰り返すと、オルタネータからのバッテリ充電が充分にできず、結果として、スタータを始動させる際に、エンジン始動性が悪化することがある。
かかるスタータの繰り返し作動を考慮して、従来では、少なくとも2つのバッテリを用いて、エンジンの再始動を円滑にし、且つ、バッテリが著しく劣化するのを抑制することができるエンジン自動始動システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。このシステムでは、複数のバッテリと、これらバッテリを並列接続又は直列接続にするリレーと、エンジンを再始動させるスタータ機能とエンジンにより駆動されて発電する発電機能とを有する始動発電機と、車両停止によりエンジンを一時停止させ、車両発進の指示が出されると始動発電機へ通電してエンジンを再始動させる制御器と、が設けられ、エンジン運転中には制御器に基づいてリレーにより並列接続させてバッテリを始動発電機により充電が行なわれ、エンジン一時停止中に車両発進の指示が出されると、制御器に基づいてリレーにより並列接続側から直列接続側に切り替えられ、直列接続時電圧がインバータを介して始動発電機へ通電されてエンジンが再始動させられる。
特開2003−155968号公報
ところで、上記特許文献に開示されるシステムでは、複数のバッテリの使用状態をリレーで切り替える構成が採用されるが、本願発明者の検証によれば、かかるリレーの切替え時には、車室内測定で70dB程度の切替え音が発生することが分かっている。このため、リレーが頻繁に切り替えられる場合には、ユーザ(例えば車両の乗員)の耳障りになることが懸念される。
本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、複数のバッテリをリレーで切り替える構成を備え、特にエンジン始動時に、ユーザに対する耳障りなリレーの切替え音の発生を防止し得る車両の電源装置を提供することを目的とする。
本願の請求項1に係る発明は、車両に搭載される電源装置において、エンジンを始動させるための第1のスタータモータを起動させる第1のバッテリと、車両停止に際してエンジンを一時停止させた後の発進時にエンジンを再始動させるための第2のスタータモータを起動させる第2のバッテリと、該第2のバッテリと第1のスタータモータとの間に配置され、オンオフ切替え動作を行なうリレー手段であって、そのオン状態では、上記第1及び第2のバッテリの両方による第1のスタータモータの起動が可能であるように構成されたリレー手段と、上記リレー手段のオンオフ切替え動作を制御する制御手段と、を有しており、該制御手段が、エンジン作動状態を検知するエンジン作動状態検知手段から取得される情報に基づき、次のエンジン始動に際し第1のスタータモータの起動を伴うエンジンの停止を検知すると、リレー手段をオン状態に設定することを特徴としたものである。
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記エンジン作動状態検知手段が、エンジン制御ユニットの作動状態を切り替えるイグニッションスイッチであり、上記制御手段は、該イグニッションスイッチから取得される情報に基づき、該イグニッションスイッチのオフ状態を検知すると、上記リレー手段をオン状態に設定することを特徴としたものである。
更に、本願の請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、上記制御手段は、エンジン停止後の経過時間を測定するタイマー手段から取得される情報に基づき、エンジン停止から所定値時間以上経過したことを検知すると、上記リレー手段をオン状態に設定することを特徴としたものである。
本願の請求項1に係る発明によれば、エンジン始動時に、リレー手段がオン状態に既に設定されていることとなるため、ユーザに対して耳障りなリレー手段の切替え音の発生が防止され得る。
また、本願の請求項2に係る発明によれば、イグニッションスイッチから取得される情報を用いることで、エンジン作動状態を把握することができ、請求項1に係る発明による効果が確実に実現可能である。
更に、本願の請求項3に係る発明によれば、エンジン停止から所定時間以上が経過し、リレー手段をオフ状態へ設定することで、エンジン水温が低下し、次のエンジン始動のための第1のスタータモータの起動に伴い、第1及び第2のバッテリの両方からの給電が必要である場合にも効果的に対応可能である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る車両の電源装置を概略的に示す図である。この電源装置1は、エンジン(不図示)を始動させるための第1のスタータモータM1に給電して、該第1のスタータモータM1を起動させる第1のバッテリB1と、アイドルストップ時に、エンジンを再始動させるための第2のスタータモータM2に給電して、該第2のスタータモータM2を起動させる第2のバッテリB2と、を備えている。第1及び第2のバッテリB1及びB2は、互いに等しい蓄電容量を有するものである。
電源装置1は、また、第1及び第2のバッテリB1及びB2の充電に際し、それらに電力を供給するオルタネータAと、オルタネータAから第1及び第2のバッテリB1及びB2への給電をそれぞれオンオフする第1及び第2のリレーR1及びR2と、を備えている。第1のリレーR1及びR2は、オルタネータAに対して、両者が互いに並列に配列されるように接続されており、また、第1のリレーR1には、第1のバッテリB1が直列に接続され、同様に、第2のリレーR2には、第2のバッテリB2が直列に接続されている。更に、第1のバッテリB1には、第1のスタータモータM1が該第1のバッテリB1から受電可能に接続され、同様に、第2のバッテリB2には、第2のスタータモータM2が該第2のバッテリB2から受電可能に接続されている。
また、図1に示すように、かかる電源装置1に対して、車両に装備される照明器やオーディオ機器等の電装補器類L1〜Lnが、オルタネータA又は第1及び第2のバッテリB1及びB2から受電可能に接続されている。通常、これらの電装補器類L1〜Lnに対しては、エンジン作動状態において、オルタネータAから給電が行なわれ、エンジン停止状態においては、バックアップ電源として第1及び第2のバッテリB1及びB2に蓄えられた電気が暗電流として供給される。
電源装置1は、更に、第1及び第2のリレーR1及びR2の切替え動作を制御し得る制御回路Cを備えている。この制御回路Cは、第1及び第2のバッテリB1及びB2側で検知される各バッテリの残存容量をあらわす情報,車速センサにより検知される車両の走行速度(車速)をあらわす情報,エンジン停止時間測定タイマーにより測定されるエンジン停止からの経過時間をあらわす情報,ユーザが携帯する送信機から送られてくるドアロック・アンロック信号を受信するキーレスエントリ用の受信機での受信情報,エンジン制御ユニットの作動状態を切り替えるイグニッションスイッチのオンオフ状態をあらわす情報,パーキングブレーキの操作状態をあらわす情報、及び、変速操作を行なうチェンジレバーの操作状態をあらわす情報、並びに、ドアスイッチにより検知されたドアの開閉状態をあらわす情報などの各種情報を取得することができる。そして、制御回路Cは、これらの情報に基づき、所定の判断を行い、第1及び第2のリレーR1及びR2のオンオフ切替え動作を制御する。
制御回路Cにより、第1のリレーR1がオン状態(閉状態)に設定されると、オルタネータAからの給電により第1のバッテリB1が充電され、オフ状態(開状態)に設定されると、第1のバッテリB1は、オルタネータA及び電装補器類L1〜Lnから切り離され、第1のスタータモータを起動させ得る状態となる。また、同様に、第2のリレーR2がオン状態(閉状態)に設定されると、オルタネータAからの給電により第2のバッテリB2が充電され、オフ状態に設定されると、第2のバッテリB1は、オルタネータA及び電装補器類L1〜Lnから切り離され、第1のスタータモータM1を起動させ得る状態となる。更に、制御回路Cは、必要に応じて、第1及び第2のリレーR1及びR2をオン状態に設定し、第1及び第2のバッテリB1及びB2の両方から、第1のスタータモータM1へ給電し該第1のスタータモータM1を起動させる、若しくは、第2のスタータモータM2へ給電し該第2のスタータモータM2を起動させるような制御を行なうことも可能である。
この電源装置1では、エンジン始動に際し第1のスタータモータM1を起動させるために、第1及び第2のバッテリB1及びB2の両方から第1のスタータモータM1への給電を可能とすべく、制御回路Cにより、第1及び第2のリレーR1及びR2が共にオン状態(閉状態)に設定される。つまり、第1のスタータモータM1の起動前に、例えば、リレーR1及びR2が共にオフ状態(開状態)にある場合若しくはリレーR1及びR2のいずれか一方が開状態にある場合など、第1及び第2のリレーR1及びR2の両方がオン状態にない場合には、第1及び第2のリレーR1及びR2が切り替えられ、それらが共にオン状態に設定される必要がある。
また、この電源装置1では、エンジン再始動に際し第2のスタータモータM2を起動させるために、第2のバッテリB2から第2のスタータモータM2への給電を可能とすべく、制御回路Cにより、第2のリレーR2がオフ状態(開状態)に設定される。つまり、第2のスタータモータM2の起動前に、リレーR2がオフ状態にない場合には、第2のリレーR2が切り替えられて、それがオフ状態に設定される必要がある。
ところで、本願発明者が行なった検証によれば、かかる第1及び第2のリレーR1及びR2の切替え時に発生する切替え音の音量は、車室内測定で約70dBであることが分かっているが、本実施形態では、かかるリレーR1及びR2の切替え音が特にエンジン始動時にユーザの耳障りにならないように、リレーR1及びR2の切替え動作を制御する上で工夫がなされている。具体的には、次のエンジン始動に際し第1のスタータモータの起動を伴うエンジン停止を検知すると、第1及び第2のリレーR1及びR2を共に閉状態に設定する切替え動作を行い、次のエンジン始動前に完了させておくようにする。
図2は、電源装置1によるリレー切替え制御処理についてのフローチャートである。この処理では、まず、エンジンが停止しているか否かが判断される(S11)。その結果、エンジンが停止していないと判断されると、エンジン始動時でないとして、即時処理が終了される。他方、エンジンが停止していると判断されると、引き続き、イグニッションがオフ状態にあるか否かが判断される(S12)。S11及びS12では、イグニッションスイッチの状態に基づき判断がなされ、これにより、車両が完全に使用されていない状態にあるのかアイドルストップ状態にあるのかが判断される。
S12の結果、イグニッションスイッチがオン状態にあると判断された場合には、車両がアイドルストップ状態にあるとして、即時処理が終了される。他方、イグニッションスイッチがオフ状態にあると判断された場合には、車両が完全に使用されていない状態にあるとして、引き続き、エンジン停止後から所定時間以上が経過したか否かが判断される(S13)。
S13の結果、所定時間以上が経過していないと判断された場合には、再度S13が繰り返され、他方、所定時間以上が経過したと判断された場合には、エンジン水温が下がり、次のエンジン始動のための第1のスタータモータM1の起動に伴い、第1及び第2のバッテリB1及びB2の両方からの給電が必要であるとして、引き続き、第1及び第2のリレーR1及びR2が共に閉状態(オン状態)にあるか否かが判断される(S14)。そして、S14の結果、共に閉状態にあると判断された場合には、切替えを行なう必要がないとして、処理が終了され、他方、共に閉状態にないと判断された場合には、第1及び第2のリレーR1及びR2が共に閉状態に設定される(S15)。以上で処理が終了される。
このように、エンジン停止を検知すると、第1及び第2のリレーR1及びR2を共に閉状態に設定する切替え動作を行い、次のエンジン始動前に完了させておくことで、エンジン始動時には、リレーR1及びR2が既に切り替わっているため、ユーザに対する耳障りな切替え音の発生を防止することができる。特にエンジン停止から所定時間が経過した場合には、次のエンジン始動のための第1のスタータモータM1の起動に伴い、第1及び第2のバッテリB1及びB2の両方からの給電が必要であるため、リレーR1及びR2を事前に閉状態に切り替えておくことはより効果的である。
なお、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明に係る車両の電源装置の基本構成を概略的に示す図である。 上記電源装置によるリレー切替え制御処理についてのフローチャートである。
符号の説明
1…電源装置
A…オルタネータ
B1…第1のバッテリ
B2…第2のバッテリ
L1,・・・,Ln…電装補器類
M1…第1のスタータモータ
M2…第2のスタータモータ
R1…第1のリレー
R2…第2のリレー

Claims (3)

  1. 車両に搭載される電源装置において、
    エンジンを始動させるための第1のスタータモータを起動させる第1のバッテリと、
    車両停止に際してエンジンを一時停止させた後の発進時にエンジンを再始動させるための第2のスタータモータを起動させる第2のバッテリと、
    上記第2のバッテリと第1のスタータモータとの間に配置され、オンオフ切替え動作を行なうリレー手段であって、そのオン状態では、上記第1及び第2のバッテリの両方による第1のスタータモータの起動が可能であるように構成されたリレー手段と、
    上記リレー手段のオンオフ切替え動作を制御する制御手段と、を有しており、
    上記制御手段が、エンジン作動状態を検知するエンジン作動状態検知手段から取得される情報に基づき、次のエンジン始動に際し第1のスタータモータの起動を伴うエンジンの停止を検知すると、上記リレー手段をオン状態に設定することを特徴とする車両の電源装置。
  2. 上記エンジン作動状態検知手段が、エンジン制御ユニットの作動状態を切り替えるイグニッションスイッチであり、上記制御手段は、該イグニッションスイッチから取得される情報に基づき、該イグニッションスイッチのオフ状態を検知すると、上記リレー手段をオン状態に設定することを特徴とする請求項1記載の車両の電源装置。
  3. 更に、上記制御手段は、エンジン停止後の経過時間を測定するタイマー手段から取得される情報に基づき、エンジン停止から所定値時間以上経過したことを検知すると、上記リレー手段をオン状態に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の電源装置。
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