JP5397097B2 - 車両用電源装置 - Google Patents
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Description
本発明は、エンジンを始動させるスタータの駆動を、バッテリに並列に接続した電気二重層キャパシタにより補助する車両用電源装置、特に、アイドリング時にエンジンを停止させるアイドルストップ車に好適に使用される車両用電源装置に関するものである。
燃費を向上させる為に、停車時にアイドリングを停止するアイドルストップを行なう車両が増加しつつある。このような車両では、従来の車両に比べて頻繁にエンジンを始動させるので、エンジンを始動させるスタータの電源が重要である。その為、バッテリにスイッチ回路を通じて電気二重層キャパシタを並列に接続して、キャパシタからの放電によりスタータの駆動を補助させることが考えられている。
特許文献1には、並列に接続された鉛蓄電池及び電気二重層キャパシタと、鉛蓄電池及び電気二重層キャパシタから放電する電力供給を受けると共に、エンジンの始動後には発電機として作用するスタータ・ジェネレータとを有する電源装置が開示されている。スタータ・ジェネレータが発電した電力は鉛蓄電池及び電気二重層キャパシタに充電される。鉛蓄電池及び電気二重層キャパシタとスタータ・ジェネレータとの間には、接続切換装置としてIPU(Intelligent Power Unit)が設けられている。電気二重層キャパシタとスタータ・ジェネレータとの間の線路長は、鉛蓄電池とスタータ・ジェネレータとの間の線路長より短く設定されている。
上述したように、バッテリに切替装置を通じて電気二重層キャパシタを並列に接続しておく場合、大容量の電気二重層キャパシタを用いると、スイッチ回路として大容量のリレーが必要となり、その為の設置スペースが大きくなり、部品コストも増大するという問題がある。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、バッテリに充分な容量の電気二重層キャパシタを並列に接続しても、大容量のリレーが不要であり、その為の大きな設置スペースも不要であり、部品コストも増大しない車両用電源装置を提供することを目的とする。
バッテリのみの場合、残容量が十分有れば、エンジンを始動させるスタータ駆動時のバッテリ電圧は、スタータ始動時に突入電流により最低となり、エンジンのクランキングに応じて上下しながら元の電圧値付近まで戻って行く。しかし、バッテリが充分放電し過放電状態であれば、バッテリ電圧は、スタータ始動時に最低とならず、エンジンのクランキングに応じて上下しながら低下して行き、スタータスイッチのオフにより、元の電圧値より少し低い値まで戻って行くが、エンジンは始動しない。
ここで、過放電状態でエンジンを始動させられなかったバッテリに電気二重層キャパシタを並列に接続した場合、スタータ駆動時のバッテリ電圧は、図4に示すように、スタータ始動時に最低とならず、エンジンのクランキングに応じて上下しながら、スタータ始動時から時間Δt後に最低電圧となる。バッテリの過放電状態が比較的進んでいなければ、その後、元の電圧値より大分低い値までしか戻って行かないが、エンジンは始動する。
但し、この場合の電気二重層キャパシタの容量は、単独でエンジンを始動させることが可能な容量よりも小さく、単独でエンジンを始動させることが可能な容量を有する電気二重層キャパシタでは、上述したような現象は殆ど生じない。
以上より、単独でエンジンを始動させることができない容量の電気二重層キャパシタをバッテリに並列に接続し、スタータ駆動時のバッテリ電圧が、始動時でない時点で最低になれば、エンジンを始動させる能力が、バッテリのみでは始動できない程度に低下していることが分かる。
以上より、単独でエンジンを始動させることができない容量の電気二重層キャパシタをバッテリに並列に接続し、スタータ駆動時のバッテリ電圧が、始動時でない時点で最低になれば、エンジンを始動させる能力が、バッテリのみでは始動できない程度に低下していることが分かる。
第1発明に係る車両用電源装置は、バッテリにそれぞれのスイッチ回路を通じて並列に接続する複数の電気二重層キャパシタにより、エンジンを始動させるスタータの駆動を補助するように構成してある車両用電源装置において、前記電気二重層キャパシタの容量は、単独で前記エンジンを始動させることが可能な容量よりも小さく、前記スタータの駆動時に前記スイッチ回路の1つをオンにして、前記電気二重層キャパシタの1つを前記バッテリに並列に接続する手段と、前記スタータの駆動時の前記バッテリの電圧を時系列的に検出する電圧検出手段と、該電圧検出手段が検出した電圧の高低を比較し、検出し始めてから最低電圧を検出する迄の時間を検出する時間検出手段と、該時間検出手段が検出した時間が所定時間以上であるか否かを判定する手段とを備え、該手段が所定時間以上であると判定したときは、他のスイッチ回路をオンにして、他の電気二重層キャパシタを前記バッテリに並列に接続するように構成してあることを特徴とする。
この車両用電源装置では、バッテリにそれぞれのスイッチ回路を通じて並列に接続する複数の電気二重層キャパシタにより、エンジンを始動させるスタータの駆動を補助する。電気二重層キャパシタの容量は、単独でエンジンを始動させることが可能な容量よりも小さく、接続する手段が、スタータの駆動時にスイッチ回路の1つをオンにして、電気二重層キャパシタの1つをバッテリに並列に接続する。電圧検出手段が、スタータの駆動時のバッテリの電圧を時系列的に検出し、時間検出手段が、電圧検出手段が検出した電圧の高低を比較し、検出し始めてから最低電圧を検出する迄の時間を検出する。判定する手段が、時間検出手段が検出した時間が所定時間以上であるか否かを判定し、所定時間以上であると判定したときは、他のスイッチ回路をオンにして、他の電気二重層キャパシタをバッテリに並列に接続する。
第2発明に係る車両用電源装置は、前記エンジンのアイドルストップを示す信号を受けたときは、オンにしてあるスイッチ回路をオフにし、その後のアイドルストップ解除を示す信号を受けたときは、前記スイッチ回路をオンにするように構成してあることを特徴とする。
この車両用電源装置では、エンジンのアイドルストップを示す信号を受けたときは、オンにしてあるスイッチ回路をオフにし、その後のアイドルストップ解除を示す信号を受けたときは、スイッチ回路をオンにする。
第3発明に係る車両用電源装置は、前記他の電気二重層キャパシタを前記バッテリに並列に接続しているときに、前記バッテリの入出力電流値を検出する手段と、該手段が検出した電流値が所定電流値以下であるか否かを判定する手段とを更に備え、該手段が所定電流値以下であると判定したときは、他の前記スイッチ回路をオフにするように構成してあることを特徴とする。
この車両用電源装置では、他の電気二重層キャパシタをバッテリに並列に接続しているときに、検出する手段が、バッテリの入出力電流値を検出し、判定する手段が、その検出した電流値が所定電流値以下であるか否かを判定する。判定する手段が、所定電流値以下であると判定したときは、他のスイッチ回路をオフにし、1つのスイッチ回路のみをオンにして、1つの電気二重層キャパシタのみをバッテリに並列に接続する。
本発明に係る車両用電源装置によれば、バッテリに充分な容量の電気二重層キャパシタを並列に接続しても、電気二重層キャパシタを複数個に分散している為、大容量のリレーが不要であり、その為の大きな設置スペースも不要であり、部品コストも増大しない車両用電源装置を実現することができる。
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る車両用電源装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。
この車両用電源装置は、エンジン1に連動してオルタネータ(交流発電機)2が発電し、オルタネータ2が発電した電力は、オルタネータ2内で直流に変換されて、バッテリ(鉛蓄電池)7及び車両に搭載された負荷群9に与えられる。
図1は、本発明に係る車両用電源装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。
この車両用電源装置は、エンジン1に連動してオルタネータ(交流発電機)2が発電し、オルタネータ2が発電した電力は、オルタネータ2内で直流に変換されて、バッテリ(鉛蓄電池)7及び車両に搭載された負荷群9に与えられる。
バッテリ7には、リレーボックス10内のそれぞれのリレー接点を通じて、電気二重層キャパシタ3a〜3dが並列に接続されている。電気二重層キャパシタ3a〜3dは、負荷調整の為の抵抗がそれぞれ並列に接続されたセルが、複数直列に接続されて構成されている。
電圧検出器4が、バッテリ7の出力電圧値を検出し、検出した電圧値を制御部5に与える。
電流検出器11が、バッテリ7の入出力電流値を検出し、検出した電流値を制御部5に与える。
電圧検出器4が、バッテリ7の出力電圧値を検出し、検出した電圧値を制御部5に与える。
電流検出器11が、バッテリ7の入出力電流値を検出し、検出した電流値を制御部5に与える。
制御部5には表示部6が接続されている。上述したリレーボックス10内では、図2に示すように、制御部5がそれぞれオン/オフ制御する各リレーRya,Ryb,Ryc,Ryd及びリレー接点rya,ryb,ryc,ryd(スイッチ回路)により、電気二重層キャパシタ3a〜3dとバッテリ7との並列接続がそれぞれオン/オフされる。
エンジン1を始動させるスタータ8は、バッテリ7から電力を与えられ、スタータ8内の図示しないスイッチ回路でオン/オフされる。スイッチ回路は制御部5からオン/オフ制御される。
エンジン1を始動させるスタータ8は、バッテリ7から電力を与えられ、スタータ8内の図示しないスイッチ回路でオン/オフされる。スイッチ回路は制御部5からオン/オフ制御される。
制御部5は、図示しないイグニッションキーの操作信号、与えられたアイドルストップ情報、及び図示しないアクセルの操作信号に基づき、リレーRya〜Ryd及びリレー接点rya〜rydを通じて、電気二重層キャパシタ3a〜3d及びバッテリ7間の並列接続をそれぞれオン/オフする。
アイドルストップは、アイドリング時に車速情報及びアクセルの操作信号等に基づき実行される。制御部5は、アイドルストップ時には、そのときオンにしているリレーRya〜Ryd及びリレー接点rya〜rydをオフにする。その後、アイドルストップが解除され、エンジン1(スタータ8)を再始動させるときに、そのオフにしたリレーRya〜Ryd及びリレー接点rya〜rydをオンにする。
アイドルストップは、アイドリング時に車速情報及びアクセルの操作信号等に基づき実行される。制御部5は、アイドルストップ時には、そのときオンにしているリレーRya〜Ryd及びリレー接点rya〜rydをオフにする。その後、アイドルストップが解除され、エンジン1(スタータ8)を再始動させるときに、そのオフにしたリレーRya〜Ryd及びリレー接点rya〜rydをオンにする。
以下に、このような構成の車両用電源装置の動作を、それを示す図3のフローチャートを参照しながら説明する。
制御部5は、イグニッションキー(スタータキー)の操作信号又はアクセルの操作信号により、スタータを始動させるべきか否かを判定し(S1)、始動させるべきと判定したときは、ここでは、1つの例えばリレーRyaをオンにし、バッテリ7に電気二重層キャパシタ3aを並列に接続する(S2)。また、スタータ8のスイッチ回路をオンにすると共に、計時を開始する(S3)。次いで、電圧検出器4が検出したバッテリ7の電圧値Vnを読み込む(S5)。
制御部5は、イグニッションキー(スタータキー)の操作信号又はアクセルの操作信号により、スタータを始動させるべきか否かを判定し(S1)、始動させるべきと判定したときは、ここでは、1つの例えばリレーRyaをオンにし、バッテリ7に電気二重層キャパシタ3aを並列に接続する(S2)。また、スタータ8のスイッチ回路をオンにすると共に、計時を開始する(S3)。次いで、電圧検出器4が検出したバッテリ7の電圧値Vnを読み込む(S5)。
制御部5は、読込んだ電圧値Vn(S5)が計時開始以来の最低電圧値(暫定最低電圧値)であるか否かを判定し(S7)、暫定最低電圧値でなければ、再度、電圧検出器4が検出したバッテリ7の電圧値Vnを読み込む(S5)。
制御部5は、読込んだ電圧値Vn(S5)が計時開始以来の最低電圧値(暫定最低電圧値)であれば(S7)、その電圧値Vnと計時開始以来の経過時間Tnとを記憶する(S9)。尚、制御部5は、記憶した電圧値Vn(S9)と読込んだ電圧値(S5)との高低を比較して、暫定最低電圧値を判定する(S7)。
制御部5は、読込んだ電圧値Vn(S5)が計時開始以来の最低電圧値(暫定最低電圧値)であれば(S7)、その電圧値Vnと計時開始以来の経過時間Tnとを記憶する(S9)。尚、制御部5は、記憶した電圧値Vn(S9)と読込んだ電圧値(S5)との高低を比較して、暫定最低電圧値を判定する(S7)。
制御部5は、次に、エンジン1のクランキング期間が経過したか否かを判定し(S11)、クランキング期間が経過していなければ、電圧検出器4が検出したバッテリ7の電圧値Vnを読み込む(S5)。
制御部5は、エンジン1のクランキング期間が経過していれば(S11)、つまり、エンジン1が始動していれば、計時を終了する(S13)。次いで、そのときの記憶している暫定最低電圧値Vn(S9)を最低電圧値として、記憶している経過時間Tn(S9)が、始動時の突入電流の通流時間より長い所定時間以上であるか否かを判定する(S15)。
制御部5は、エンジン1のクランキング期間が経過していれば(S11)、つまり、エンジン1が始動していれば、計時を終了する(S13)。次いで、そのときの記憶している暫定最低電圧値Vn(S9)を最低電圧値として、記憶している経過時間Tn(S9)が、始動時の突入電流の通流時間より長い所定時間以上であるか否かを判定する(S15)。
制御部5は、記憶している経過時間Tn(S9)が、所定時間以上でなければ(S15)、記憶している電圧値Vn及び経過時間Tnを消去して終了する。
制御部5は、記憶している経過時間Tn(S9)が、所定時間以上であれば(S15)、記憶している電圧値Vn及び経過時間Tnを消去した後、他のリレーRyb〜Rydの1つ又は複数をオンにし、バッテリ7に他の電気二重層キャパシタ3b〜3dの1つ又は複数を並列に追加接続する(S17)。
制御部5は、記憶している経過時間Tn(S9)が、所定時間以上であれば(S15)、記憶している電圧値Vn及び経過時間Tnを消去した後、他のリレーRyb〜Rydの1つ又は複数をオンにし、バッテリ7に他の電気二重層キャパシタ3b〜3dの1つ又は複数を並列に追加接続する(S17)。
制御部5は、次に、バッテリ7の入出力電流値を検出する電流検出器11が検出した電流値Iを読込み(S19)、読込んだ電流値Iが所定電流値以下であるか否かを判定する(S21)。所定電流値は、出力電流の場合は、バッテリ7の負荷最小時の暗電流値より僅かに大きくし、入力電流の場合は略0にする。例えば、入力電流が略0であれば、バッテリ7が満充電状態であることを示す。
制御部5は、読込んだ電流値Iが所定電流値以下でなければ(S21)、再度、電流検出器11が検出した電流値Iを読込む(S19)。
制御部5は、読込んだ電流値Iが所定電流値以下であれば(S21)、オンにした他のリレーRyb〜Rydをオフにし、他の電気二重層キャパシタ3b〜3dの追加接続(S17)を解除して(S23)終了する。
制御部5は、読込んだ電流値Iが所定電流値以下であれば(S21)、オンにした他のリレーRyb〜Rydをオフにし、他の電気二重層キャパシタ3b〜3dの追加接続(S17)を解除して(S23)終了する。
以上により、本発明に係る車両用電源装置では、最適な容量の電気二重層キャパシタとバッテリとを並列に接続することで、エンジン始動の補助、及びエンジン始動限界の検知が可能となる。更に、複数の電気二重層キャパシタを車両内に分散して設置し、必要なときにバッテリに接続してエンジン始動時の補助効果を増大させることが可能となる。バッテリが例えば満充電状態になり、エンジン始動時の補助が不要になったときは、1つの電気二重層キャパシタのみをバッテリと並列に接続することで、エンジン始動限界の検知が可能となる。
1 エンジン
2 オルタネータ
3a〜3d 電気二重層キャパシタ
4 電圧検出器(電圧検出手段)
5 制御部(時間検出手段、判定する手段)
6 表示部
7 バッテリ
8 スタータ
9 負荷群
10 リレーボックス
11 電流検出器
Rya〜Ryd リレー
rya〜ryd リレー接点(スイッチ回路)
2 オルタネータ
3a〜3d 電気二重層キャパシタ
4 電圧検出器(電圧検出手段)
5 制御部(時間検出手段、判定する手段)
6 表示部
7 バッテリ
8 スタータ
9 負荷群
10 リレーボックス
11 電流検出器
Rya〜Ryd リレー
rya〜ryd リレー接点(スイッチ回路)
Claims (3)
- バッテリにそれぞれのスイッチ回路を通じて並列に接続する複数の電気二重層キャパシタにより、エンジンを始動させるスタータの駆動を補助するように構成してある車両用電源装置において、
前記電気二重層キャパシタの容量は、単独で前記エンジンを始動させることが可能な容量よりも小さく、前記スタータの駆動時に前記スイッチ回路の1つをオンにして、前記電気二重層キャパシタの1つを前記バッテリに並列に接続する手段と、前記スタータの駆動時の前記バッテリの電圧を時系列的に検出する電圧検出手段と、該電圧検出手段が検出した電圧の高低を比較し、検出し始めてから最低電圧を検出する迄の時間を検出する時間検出手段と、該時間検出手段が検出した時間が所定時間以上であるか否かを判定する手段とを備え、該手段が所定時間以上であると判定したときは、他のスイッチ回路をオンにして、他の電気二重層キャパシタを前記バッテリに並列に接続するように構成してあることを特徴とする車両用電源装置。 - 前記エンジンのアイドルストップを示す信号を受けたときは、オンにしてあるスイッチ回路をオフにし、その後のアイドルストップ解除を示す信号を受けたときは、前記スイッチ回路をオンにするように構成してある請求項1記載の車両用電源装置。
- 前記他の電気二重層キャパシタを前記バッテリに並列に接続しているときに、前記バッテリの入出力電流値を検出する手段と、該手段が検出した電流値が所定電流値以下であるか否かを判定する手段とを更に備え、該手段が所定電流値以下であると判定したときは、他の前記スイッチ回路をオフにするように構成してある請求項1又は2記載の車両用電源装置。
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