JP3891474B2 - 群集商品の貯蔵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボール状商品や、粒状商品のような多数個の商品の集合から成る群集商品を貯蔵するための貯蔵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、表面を異なる色彩に着色した数種類の色調のボール状ガム商品の自動販売機は、筐体の適所に多数の商品を貯蔵せしめるストッカーを備えている。一般的にストッカーは、上下方向に延びる筒状体により多数のボール状ガム商品を充填せしめる商品収納室を形成し、商品収納室の上方に商品の投入口を設けると共に下方に商品の供給手段を設けており、筐体に設けられた硬貨投入口に所定金額の硬貨を投入すると、商品供給手段を介して所定個数のボール状ガム商品が商品供給口に供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のストッカーは、上下方向に長く延びる商品収納室(このような商品収納室の上下方向に長く延びる形態を本明細書では「直立状」という。)に多数のボール状ガム商品を上方から充填せしめる構成であるため、充填された商品の全体重量による荷重が下方のボール状ガム商品に集中し、ボール状ガム商品の表面に設けられた脆弱な砂糖コーティング層を破壊する虞れがある。
【0004】
また、多数の商品が上方の投入口からアトランダムに投入され、商品収納室に充填される構成であるから、それぞれの商品がその上方に位置する多数の商品の全荷重を受けて互いに強く密接せしめられ、謂ば固結状態で固まり易い。このため、下方の排出口から商品が排出された後に、上方の商品が自重により追従しながら円滑に下降することが困難であり、商品排出後の空洞部を形成する虞れがある。この場合、商品収納室の上方領域には商品が充填されているのに、下方領域には空洞が生じているため、商品供給不能な状態を招来する。
【0005】
このような問題は、ボール状ガム商品に限らず、その他のボール状商品や、粒状商品のような多数個の商品の集合から成る群集商品を充填した状態で貯蔵するストッカーに共通して見られる。
【0006】
【課題解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決した群集商品の貯蔵装置を提供するものであり、その手段として構成したところは、表面を異なる色彩に着色された数色の砂糖コーティング層により覆われたボール状ガム商品の多数から成る群集商品を充填せしめる上下方向に延びる筒状体により直立状の商品収納室(45)を形成し、商品収納室の上部に商品の投入口(43a)を設けると共に下部に商品の排出口(43b)を設け、ボール状ガム商品を集合状態で上から下へと流動せしめるストッカー(43)を備えた構成において、ストッカー(43)は、投入口(43a)から排出口(43b)に至り、内部のボール状ガム商品を外部から視認可能とするように少なくとも前側壁(46)を透明板により形成し、商品収納室 (45)は、複数のデフレクタ板(47)を上下に間隔をあけて配置すると共に、商品収納室 (45)の相対向する前側壁(46a)と後側壁(46b)から交互に突出せしめ、商品収納室(45)を上下に分割せしめることにより、それぞれ上流(U)から下流(D)に至りボール状ガム商品が上下左右に重なり合った状態で充填され流動する複数の分割室(45a)を投入口(43a)から排出口(43b)に至り形成しており、各デフレクタ板(47)は、商品収納室 (45)の相対向する前側壁(46a)と後側壁(46b)のうち、一方の壁部から他方の壁部に向けて下向きに傾斜せしめられると共に、該デフレクタ板の先端と他方の壁部との間に商品を通過せしめる連通路(48)を形成し、上下左右に重なり合った状態で充填された多数のボール状ガム商品の全体重量による荷重が下方のボール状ガム商品に集中することを防止し、該荷重をデフレクタ板(47)により分散支持するように構成して成る点にある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0009】
(全体構成)図1ないし図7は、本発明が対象とする群集商品を構成するボール状ガム商品42を示し、商品の自動販売機にボール遊技機を敷設した第一実施形態を示しており、床上に設置可能な筐体1には、駆動系を内装する下部のハウジング2と、ビジュアルな上部の視認部3が構成されており、視認部3は、前面と両側面を透明な窓板4により覆われている。
【0010】
(貯蔵装置の第一実施形態)
図2に示すように、筐体1の適所、好ましくは、視認部3の内部には、ボール状ガム商品42のストッカー43が立設されており、該ストッカー43からボール状ガム商品42を供給する商品供給手段44が設けられている。尚、ボール状ガム商品42は、表面を異なる色彩に着色された砂糖コーティング層により覆われた数種類のものが提供される。従って、ボール状ガム商品42は、集合された状態で所定の通路を上から下へと流動せしめられる群集商品を構成する。
【0011】
図1に示すように、ストッカー43は、上部に開閉自在な蓋(図示せず)を備えた投入口43aを有する商品収納室45を形成する筒状体から構成され、少なくとも前側壁46aを透明板により形成し、内部のボール状ガム商品42を視認部3の外部から透視可能としている。
【0012】
ストッカー43の内部には、下向きに傾斜する複数のデフレクタ板47が商品収納室45を横断するように設けられている。デフレクタ板47は、商品収納室45を分割するように上下に間隔をあけて配置されており、筒状体の相対向する前側壁46aと後側壁46bから交互に突出せしめられ、デフレクタ板47の先端にボール状ガム商品42を通過せしめる連通路48を形成している。即ち、商品収納室45は、デフレクタ板47により分割された分割室45aを形成するが、上下の分割室45aを前側壁46aと後側壁46bに臨むように前後交互に配置された連通路48により連通されており、これにより、それぞれ上下に隣接する分割室45aの連通路48を前後方向に偏位して配置している。
【0013】
従って、図1(B)に示すように、投入口43aから投入された多数のボール状ガム商品42は、下降傾斜するデフレクタ板47に沿いながら交互に配置された連通路48を経て落下しつつ商品収納室45に充填される。このため、本発明によれば、上下左右に重なり合った状態で充填されたボール状ガム商品42を透明板から成る前側壁46aを介して外部から透視可能であると共に、充填された多数のボール状ガム商品42の全体重量による荷重が下方のボール状ガム商品42に集中することはなく、中途部分でデフレクタ板47により分散支持されるので、ボール状ガム商品42の表面に設けられた脆弱な砂糖コーティング層が破壊される虞れはなく、しかも、ストッカー43の下端からのボール状ガム商品42の自重による落下供給を円滑に行わしめることが可能になるという効果がある。
【0014】
商品供給手段44は、ストッカー43の下部に設けたホッパー状の排出口43bを介して連通せしめられたシュート49と、シュート49を開閉するシャッタ50と、シュート49を経て落下するボール状ガム商品42をユーザに供給するようにハウジング2の前面に設けられた商品供給口51とから構成されている。図示省略しているが、シャッタ50は、エアシリンダ等の駆動源により駆動され、シュート49を開閉する。従って、駆動源の駆動時間を調整することにより、シャッタ50が後退した後に前進するまでの時間、即ち、シュート49が開けられている継続時間に対応する個数のボール状ガム商品42が商品供給口51に供給される。
【0015】
(遊技機の構成)図3に詳細を示すように、視認部3に隣接する筐体1の下部には、多数の遊技用のボール5を滞留せしめるプール6が設けられ、該プール6からボール5を1個ずつ上方に上昇せしめるコンベヤ7が立設されている。図例の場合、コンベヤ7は、電動モータ等の駆動源8により駆動回転するシャフト9と、該シャフト9のほぼ全長に及んで外周に巻線を螺旋状に巻回せしめたスクリュー10とから成るスクリューコンベヤを構成しており、シャフト9の両端をプール6の底壁11と視認部3の天板12に回転自在に軸支している。コンベヤ7の側部には、スクリュー10の巻線に対してほぼ同心状に臨む断面円弧状のガイド板13が設けられており、スクリュー10の巻線により掬い上げられたボール5をシャフト9とガイド板13の間に保持した状態で上昇せしめる上昇路14を構成している。従って、駆動源8によりスクリュー10を回転したとき、螺旋状の巻線が回転することによりボール5を上昇路14に沿って上昇せしめるように構成されている。尚、ボール5は、アトランダムにプール6に滞留せしめられており、図示実施形態の場合、プラスチックその他の任意の材質により形成されると共に、表面を異なる色彩に着色することにより、外観をボール状ガム商品42に類似せしめた遊技用のダミーボールを構成するが、ボール状ガム商品42それ自体を遊技用のボール5として使用しても良い。
【0016】
コンベヤ7により上昇せしめられたボール5は、コンベヤ7の上端近傍部において樋状のガイド路15に受け取られ、所定位置に移動される。即ち、ガイド路15は、上昇路14の上端に臨む一端の受口15iと、受口から下降する傾斜面に沿って転動するボール5を落下せしめる他端の落下口15oを有する。このようなボール5の移動状態は、視認部3の外部から窓板4を介して透視される。従って、図示省略しているが、樋状のガイド路15は、パンチングメタル等の孔開き板又は透明板により形成し、ガイド路15に沿って移動するボール5を視認できるように構成することが好ましい。
【0017】
(遊技路の構成)
ボール5は、ガイド路15の落下口15oを出発点としてプール6における特定位置のゴール点に形成されたゴール路16まで移動するが、その移動経路にはジグザグ状の遊技路17と、遊技路17の両側に形成した自由落下空間18a、18bとが設けられている。従って、遊技路17から外れたボール5は、自由落下空間18a、18bに落下することにより、プール6に戻される。
【0018】
遊技路17を移動するボール5は、ユーザが手動操作により遊技路17の少なくとも一部分を傾動せしめることにより移動方向を制御される。図示実施形態の場合、遊技路17は、上下に間隔をあけて平行に配置された横向きの樋部材19を多段状に設けた構成とされ、図例では6本の樋部材19a、19b、19c、19d、19e、19fを示しているが、その本数に限定されるものではなく、2本以上、好ましくは3本以上、更に遊技性の観点から好ましくは4本以上であれば良い。また、図示実施形態においては、ガイド路15の落下口15oを左端に設け、遊技路17を経て移動したボール5を最下段の樋部材19fの右端からゴール路16に向けて落下せしめる構成としているため、偶数本の樋部材19を設けているが、ガイド路15の落下口15oとゴール路16を左右に振り分けて配置する場合は、樋部材19の本数を奇数本としても良い。尚、図示省略しているが、樋部材19a、19b、19c、19d、19e、19fは、パンチングメタル等の孔開き板又は透明板により形成し、遊技路17に沿って移動するボール5を視認部3の外部から透視できるように構成することが好ましい。
【0019】
上下に隣り合う上段の樋部材19と下段の樋部材19は、相互に、上段の樋部材19の一端の受口iから他端の落下口oに至るボール進行経路に対して、下段の樋部材19の一端の受口iから他端の落下口oに至るボール進行経路を反対向きに構成しており、上段の樋部材19の落下口oに対して下段の樋部材19の受口iを横向きに突出せしめている。
【0020】
従って、ほぼ同じ長さのボール進行経路を有する6本の樋部材19を配置した図示実施形態の場合、最上段の樋部材19aは、受口aiをガイド路15の落下口15oよりも横向きに突出せしめるように配置されており、2番目の樋部材19bは、その受口biを前記落下口aoよりも横向きに突出せしめるように配置されている。以下同様に、3番目の樋部材19cの受口ciが2番目の樋部材19bの落下口boよりも横向きに突出し、4番目の樋部材19dの受口diが3番目の樋部材19cの落下口coよりも横向きに突出し、5番目の樋部材19eの受口eiが4番目の樋部材19dの落下口doよりも横向きに突出し、最下段の樋部材19fの受口fiが45目の樋部材19eの落下口eoよりも横向きに突出するように配置されており、これによりジグザグ状の遊技路17を構成している。
【0021】
そこで、樋部材19の各々は、ボール進行経路を左向き下降傾斜と右向き下降傾斜の何れ方向にも傾動自在とする傾動支点21を有する。そして、上下多段状の樋部材19の全てを連結すると共に同期して時計針方向及び反時計針方向に傾動せしめる連動連結手段22と、該連動連結手段22を筐体1の前面から手動操作により駆動する操作手段23を設けている。
【0022】
(連動連結手段の構成)
図例の場合、樋部材19の各々を筐体1の背板20に枢支する枢軸21により傾動支点を構成し、該枢軸21を挟んで左右に配置され樋部材19に交差して上下方向に延びる一対のリンク部材25a、25aと、樋部材19の各々をリンク部材25a、25aに枢結する連結軸24、24とにより連動連結手段22を構成し、各連結軸24、24を背板20に形成された上下方向に延びるスロット25bに挿通せしめた構成としている。従って、図4に示すように、右側のリンク部材25aを下降せしめると共に左側のリンク部材25aを上昇せしめると、全ての樋部材19が一斉に右向き下降の傾斜姿勢へと回動する。反対に、図5に示すように、右側のリンク部材25aを上昇せしめると共に左側のリンク部材25aを下降せしめると、全ての樋部材19が一斉に左向き下降の傾斜姿勢へと回動する。連動連結手段22が図示の構成に限定されないことは勿論であり、要するに、上下多段状の樋部材19を連結すると共に同期して時計針方向及び反時計針方向に傾動せしめる構成であれば良く、具体的には、樋部材19の各々が何らかの傾動支点21を有し、傾動支点21から離れた位置で上下の樋部材19に交差して上下方向に延びる少なくとも1本のリンク部材25aと、樋部材19の各々をリンク部材25aに枢結するそれぞれ少なくとも1個の連結軸24を有するものであれば良い。
【0023】
(操作手段の構成)
図4及び図5に示すように、操作手段23は、筐体1に回動自在に軸支された回動軸26aと、筐体1の前面に配置され回動軸26aを介して揺動自在とされたレバー26と、回動軸26aを介してレバー26と同期して揺動することにより一対のリンク部材25a、25aを駆動する駆動アーム27と、レバー26をニュートラル位置(図例では水平位置)に弾発するように駆動アーム27と固定フレーム28との間に張設されたスプリング29、29とから構成されており、駆動アーム27を一対のリンク部材25a、25aの下端部に交差して重ね合わせ、それぞれ枢結軸30により枢結している。従って、図4に示すように、レバー26をスプリング29に抗して時計針方向に回動すると、右側のリンク部材25aが下降すると共に左側のリンク部材25aが上昇し、全ての樋部材19を一斉に右向き下降の傾斜姿勢となるように姿勢変換する。反対に、図5に示すように、レバー26をスプリング29に抗して反時計針方向に回動すると、右側のリンク部材25aが上昇すると共に左側のリンク部材25aが下降し、全ての樋部材19を一斉に左向き下降の傾斜姿勢となるように姿勢変換する。
【0024】
遊技中におけるユーザの運動量を増大せしめ、或いは、遊技の難易度を高めるため、スプリング29、29の弾発付勢力を調整可能とする機構が設けられている。即ち、図7に示すように、一対のスプリング29、29は、駆動アーム27に対して回動軸26aを挟んで左右に振り分けられた状態でほぼハ字状に配置されており、それぞれのスプリング29の一端のフック29aを駆動アーム27の係着部31に着脱自在に連結されると共に、他端のフック29bを固定フレーム28の係着部32に着脱自在に連結されているが、駆動アーム27の係着部31と固定フレーム28の係着部32の少なくとも一方に、回動軸26aからの離間距離を相違する複数の係着部を形成している。図示実施形態の場合、双方の係着部31、32に複数の係着部を構成しており、駆動アーム27の下縁部27aに端部から回動軸26aに対して次第に近づく複数の係着部31a、31b、31cを設け、同様に、固定フレーム28にも端部から回動軸26aに対して次第に近づく複数の係着部32a、32b、32cを設けている。更に、図示実施形態の場合、駆動アーム27の上縁部27bにも端部から回動軸26aに対して次第に近づく複数の係着部33a、33b、33cが設けられている。従って、スプリング29のフック29aを駆動アーム27に連結するに際して、下縁部27aの係着部31a、31b、31cと上縁部27bの33a、33b、33cのうちから選択された係着部に連結せしめ、スプリング29のフック29aを固定フレーム28に連結するに際して、係着部32a、32b、32cのうちから選択された係着部に連結せしめることにより、スプリング29の張設長さを自由に変更することができ、弾発付勢力を強弱調整することが可能である。
【0025】
(開閉ゲート手段の構成)
更に、本発明の好ましい実施形態において、最下段の樋部材19fの受口fiとゴール路16の間に、開閉を繰り返す開閉ゲート手段34が設けている。ゴール路16及び開閉ゲート手段34は、最下段の樋部材19fの受口fiではなく落下口foの直下に設けても良いが、図示のように受口fiの直下に設ける方がゲームの難易度が高くなる。図6に示すように、図例の場合、開閉ゲート手段34は、駆動軸35により駆動回転される中空ロータ36により構成され、中空ロータ36の周壁にボール5を進入可能とする開口37を形成している。従って、樋部材19fの受口fiから落下するボール5に対して、開口37が上向きに位置し対向しているときは、ボール5が開口37から中空ロータ36に進入する。そして、中空ロータ36の回転により開口37が下向きに移動すると、ボール5はゴール路16に向けて排出落下せしめられ、プール6に戻される。そこで、ゴール路16を通過するボール5は、センサー38により検知され、センサー38が作動すると、プライズ提供手段39(図3参照)により賞が供給される。然しながら、樋部材19fの落下口foから落下するボール5に対して、開口37が対向していないときは、ボール5は、中空ロータ36の周壁に衝当し、ゴール路16から外れた位置に落下せしめられ、プール6に戻される。従って、この場合、センサー38が作動しないので、賞は供給されない。尚、中空ロータ36の直下には、ボール5をゴール路16に導くためのシュート36aを設けることが好ましい。
【0026】
供給されるべき賞は、音声や、ライトの点滅等による信号でも良いが、図示実施形態の場合が景品を供給するように構成されており、このため、ハウジング2の前面に景品供給口39(図2参照)が設けられている。
【0027】
尚、図6に示すように、多数のボール5を滞留せしめるプール6は、連通路40を備えた仕切板41により第一プール部6aと第二プール部6bとに分割されており、第二プール部6bにゴール路16とコンベヤ7の下端部を配置せしめている。従って、自由落下空間18bを落下するボール5は、主として第一プール部6aに滞留せしめられ、山積する多数のボール5の自重により、制限された個数のボール5が第二プール部6bに進入し、第二プール部6bから時間的に間隔をあけてボール5が1個ずつコンベヤ7により掬い上げられるように構成されている。
【0028】
(作用)
上記実施形態に基づくボール遊技機の作用を説明すると、図3に示すように、ハウジング2の前面に設けられた硬貨投入口52から所定金額の硬貨を投入すると、硬貨セレクタにより硬貨の真贋が判定された後、電源スイッチ53が閉路されることにより電力を供給する。これにより、タイマー54を介して電動モータ等の駆動源8を始動し、コンベヤ7と開閉ゲート手段34を所定時間だけ作動せしめる。これと同時に又は相前後して、商品供給手段44のエアシリンダ等の駆動源を作動し、シャッタ50の開閉を行うことにより、所定個数のボール状ガム商品42を商品供給口51に供給する。上述のように、ストッカー43に充填されたボール状ガム商品42は、ホッパー状の排出口43bからシャッタ50に臨まされているので、シャッタ50が開くと、自重により排出口43bから商品供給口51に落下する。これにより、最下位の分割室45aは、ボール状ガム商品42が欠乏した状態となるが、これに追従して上方の分割室45aから、順次、ボール状ガム商品42がデフレクタ板47の斜面に沿って連通路48を経ながら円滑に下降するので、常に、商品収納室45には、下方の分割室45aからボール状ガム商品42が充填された状態を維持する。
【0029】
ボール遊技機の説明に戻ると、上述したように、コンベヤ7の作動中、第二プール部6bに滞留するボール5が1個ずつ掬い上げられ、上方のガイド路15に間欠的に供給される。ガイド路15に供給されたボール5は、受口15iから落下口15oに向けて転動しながら移動し、落下口15oから落下する。従って、落下口15oを出発点として、ガイド路15に至るまでのボール5の移動がユーザにより制御される。先ず、ボール5が落下口15oから落下したとき、操作用のレバー26は、スプリング29、29により水平なニュートラル位置にあるので、全ての樋部材19も水平姿勢とされている。従って、レバー26を操作しなければ、ガイド路15の落下口15oから落下するボール5は、一旦は最上段の樋部材19aの受口aiに衝当するが、移動方向の慣性により該受口aiを越えて自由落下空間18bに落下し、プール6に戻される。そこで、ボール5を遊技路17に導くためには、ユーザは、図3に示すように、レバー26を時計針方向Rに回動せしめ、樋部材19aを右向き下降の傾斜姿勢に姿勢変更しなければならない。この姿勢変更により、最上段の樋部材19aは、受口aiを落下するボール5の進行方向に対向せしめられるので、ボール5を受口aiにより受け止め、落下口aoに向けて転動しながら移動せしめることができる。
【0030】
続いて、ボール5は、最上段の樋部材19aの落下口aoから落下せしめられるが、前述のようにレバー26を時計針方向に回動したとき全ての樋部材19が右向き下降の傾斜姿勢とされているから、改めてレバー26を操作しなければ、最上段の樋部材19aの落下口aoから落下するボール5は、一旦は2番目の樋部材19bの受口biに衝当するが、移動方向の慣性により該受口biを越えて自由落下空間18aに落下し、プール6に戻される。そこで、ボール5を遊技路17にキープするためには、ユーザは、図4に示すように、レバー26を反時計針方向Lに回動せしめ、樋部材19bを左向き下降の傾斜姿勢に姿勢変更しなければならない。この姿勢変更により、2番目の樋部材19bは、落下するボール5の進行方向に対して受口biを対向せしめるので、ボール5を受口biにより受け止め、落下口boに向けて転動しながら移動せしめることができる。
【0031】
以後、同様に、レバー26を時計針方向R又は反時計針方向Lに回動しながら樋部材19の傾斜姿勢を制御することにより、ボール5を遊技路17に沿ってジグザグ状に移動せしめ、ボール5を最下段の樋部材19fまで導くことができたとき、次の難関が待ち受けている。即ち、樋部材19fの受口fiによりボール5を受け取るや否や、ボール5を開閉ゲート手段34に向けて落下せしめるように樋部材19fの姿勢を制御しなければならない。そして、樋部材19fから落下するボール5は、開閉ゲート手段34を通過したときにのみゴール路16に到達することができる。上述のように、開閉ゲート手段34は、回転する中空ロータ36の開口37が上向き位置にあるときにのみボール5の通過を許すため、ボール5をゴール路16に到達せしめるためには偶然性が大きく影響する。
【0032】
コンベヤ7により次々とガイド路15に供給されるボール5をレバー26の操作により遊技路17にキープした状態で繰り返し開閉ゲート手段34に供給せしめるうちに、幸運にもボール5を開閉ゲート手段34を通過せしめゴール路16に到達させることができると、センサー38によりプライズ提供手段39が作動され、ユーザに景品等の賞が与えられる。
【0033】
ボール遊技機の設置管理者は、集金された硬貨の金額からゲーム回数を知ることができるので、ゲーム回数と、景品等の賞の提供数を比較することにより、ゲームの難易度を判定することができる。そして、難易度が不適切であるときは、上述したようにスプリング29、29の張設長さを変更することにより、弾発付勢力を強弱調整し、難易度が適切となるように更新することができる。即ち、スプリング29、29の弾発力を増大せしめると、レバー26の迅速な操作が困難となり、難易度が高くなる。反対に、スプリング29、29の弾発力を減少せしめると、レバー26の迅速な操作が容易となり、難易度が低くなる。これによりボール遊技機の設置による営業利益を適正な状態にすることができる。
【0034】
(遊技機の別の実施形態)
上述した実施形態においては、ボール5を遊技路17に沿って上方から下方に向けて移動せしめるように構成した遊技機を示したが、本発明の遊技機は、ボール5を下方から上方に向けて移動せしめるように構成しても良い。この点は、本発明の特徴と直接に関係しないので、詳細は省略する。
【0035】
(貯蔵装置の第二実施形態)
図8は、本発明に係る貯蔵装置の第二実施形態を示しており、ストッカー43は、上下方向に延びる筒状体により、例えば、粒状のガムや、豆類等の粒状商品とされた多数の群集商品42aを充填せしめる商品収納室45を形成し、上方に商品の投入口43aを設け、下方に商品の排出口を設けた点は、上記実施形態と同様であるが、断面をジグザグ状に形成されたデフレクタ板47aにより上下に分割された複数の分割室45aを構成している。
【0036】
デフレクタ板47aは、商品収納室45を完全に仕切り、上下の分割室45aを独立せしめるものでも良いが、螺旋状に延びるスパイラル板により形成し、上下の分割室45aを螺旋に沿って連通させたものでも良い。
【0037】
そこで、各分割室45aの底壁を構成するデフレクタ板47aには、貫通する開口による連通路48aが形成され、連通路48aを介して上下の分割室45aを相互に連通せしめており、この際、各連通路48aは、分割室45aの底壁を構成するデフレクタ板47aの傾斜する下側の部位に設けられ、しかも、上下に隣接する分割室45aの連通路48aを相互に横方向に偏位せしめている。
【0038】
従って、投入口43aから投入された群集商品42aは、各分割室45aの底壁の傾斜に沿って連通路48aに向けて移動可能であり、連通路48aを介して上側の分割室45aから下側の分割室45aへと充填される。
【0039】
このため、充填された多数の粒状商品から成る群集商品42aの全体重量による荷重が下方の群集商品42aに作用することはなく、中途部分でデフレクタ板47aにより分散支持され、従来のように固結状態で固まることはない。そして、下方の排出口から所定数量の商品が排出された際、最下位の分割室45aは、群集商品42aが欠乏した状態となるが、これに追従して上方の分割室45aから、順次、群集商品42aがデフレクタ板47の斜面に沿って連通路48を経ながら円滑に下降するので、常に、商品収納室45には、下方の分割室45aから群集商品42aが充填された状態を維持する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る貯蔵装置の第一実施形態を示しており、(A)は正面側から見た一部破断図、(B)はそのB−B線断面図である。
【図2】本発明の貯蔵装置にボール遊技機を付設した装置を示しており、(A)は外観正面図であり、(B)は外観側面図であり、(C)は外観背面図である。
【図3】ボール遊技機の1実施形態における詳細を一部破断して示す断面図である。
【図4】ボール遊技機の1実施形態に基づく遊技中における最上段の樋部材の作用を示す説明図である。
【図5】ボール遊技機の1実施形態に基づく遊技中における2番目の樋部材の作用を示す説明図である。
【図6】ボール遊技機の1実施形態に基づく遊技中における最下段の樋部材の作用並びに開閉ゲート手段とゴール路の作用を示す説明図である。
【図7】ボール遊技機の1実施形態を背面から示しており、連動連結手段とスプリング機構を示す断面図である。
【図8】本発明に係る貯蔵装置の第二実施形態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 ハウジング
3 視認部
4 窓板
5 ボール
42 ボール状ガム商品から成る群集商品
42a 粒状商品から成る群集商品
43 ストッカー
43a 投入口
44 商品供給手段
45 商品収納室
45a 分割室
47、47a デフレクタ板
48 連通路
49 シュート
50 シャッタ
51 商品供給口
52 硬貨投入口
Claims (1)
- 表面を異なる色彩に着色された数色の砂糖コーティング層により覆われたボール状ガム商品の多数から成る群集商品を充填せしめる上下方向に延びる筒状体により直立状の商品収納室(45)を形成し、商品収納室の上部に商品の投入口(43a)を設けると共に下部に商品の排出口(43b)を設け、ボール状ガム商品を集合状態で上から下へと流動せしめるストッカー(43)を備えた構成において、
ストッカー(43)は、投入口(43a)から排出口(43b)に至り、内部のボール状ガム商品を外部から視認可能とするように少なくとも前側壁(46)を透明板により形成し、
商品収納室 (45)は、複数のデフレクタ板(47)を上下に間隔をあけて配置すると共に、商品収納室 (45)の相対向する前側壁(46a)と後側壁(46b)から交互に突出せしめ、商品収納室(45)を上下に分割せしめることにより、それぞれ上流(U)から下流(D)に至りボール状ガム商品が上下左右に重なり合った状態で充填され流動する複数の分割室(45a)を投入口(43a)から排出口(43b)に至り形成しており、
各デフレクタ板(47)は、商品収納室 (45)の相対向する前側壁(46a)と後側壁(46b)のうち、一方の壁部から他方の壁部に向けて下向きに傾斜せしめられると共に、該デフレクタ板の先端と他方の壁部との間に商品を通過せしめる連通路(48)を形成し、上下左右に重なり合った状態で充填された多数のボール状ガム商品の全体重量による荷重が下方のボール状ガム商品に集中することを防止し、該荷重をデフレクタ板(47)により分散支持するように構成して成ることを特徴とする群集商品の貯蔵装置。
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