JP3967656B2 - メダル払い出し装置およびこれを備えたメダル遊戯機 - Google Patents

メダル払い出し装置およびこれを備えたメダル遊戯機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、メダル遊戯機に組み込まれるなどしてメダルの払い出しを行なうのに用いられるメダル払い出し装置、およびこれを備えたメダル遊戯機に関する。なお、本明細書でいうメダルとは、コインやこれに類する金属円形板をも含む概念である。
【0002】
【従来の技術】
従来のメダル払い出し装置の具体例としては、本願の図10や図11に示す構造のものがある(特許文献1,2参照)。
【0003】
図10に示すメダル払い出し装置は、複数枚のメダルmを貯留するホッパ90の下方に、メダル送り出し用のロータ91が設けられた構成を有している。この装置では、ロータ91が一定角度回転するごとに、ホッパ90内のメダルmが1枚すつシュータ92上に送られて払い出されるようになっている。したがって、ロータ91の回転量を制御することにより、メダルmを所望の枚数だけ払い出すことができる。
【0004】
図11(a)に示すメダル払い出し装置は、支持部材93上に筒状部94が起立して設けられた構成を有している。筒状部94内には、図示されていないメダル供給装置によってその上方から投入される複数枚のメダルmを積層させた状態で収容可能である。筒状部94は、同図(b)に示すように、メダルmを利用した遊戯を行なうための所定のプレイフィールド95の近傍に配されている。また、この筒状部94は2分割されており、同図(c)に示すように開くことが可能である。このメダル払い出し装置においては、上記のように筒状部94が開くとともに、支持部材93が傾くことにより、同図(d)に示すように、上下に積み重ねられていた複数枚のメダルmがプレイフィールド95上に一斉に落下するような構成になっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−202089号公報(図5)
【特許文献2】
特開2001−29643号公報(図14〜図20)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図10に示す前者においては、メダルmが1枚ずつ払い出されるために、多数枚のメダルmの払い出しを行なうには、長い時間を要し、これが不便となる問題点があった。また、この前者においては、多数枚のメダルmを一斉に払い出すことができないために、メダル遊戯機におけるメダルの払い出し用途に用いた場合には、その払い出し動作の迫力や面白味に欠けるものとなっていた。
【0007】
一方、図11に示す後者においては、筒状部94内に収容されている複数枚のメダルmを一斉に払い出すことができるために、上記前者とは異なり、メダルmの払い出し動作に迫力や面白さをもたせることが可能である。ところが、この後者においては、メダルmの払い出し枚数が筒状部94内に収容されている一定の枚数に限られる。したがって、たとえばメダル遊戯機で行なわれる遊戯の入賞内容に応じてメダルの払い出し枚数に差をつけるといった用途には利用することができない。また、遊戯機のメダル払い出し装置から払い出されるメダルの枚数が一定に限定されてしまったのでは、メダルの払い出しに対する遊戯者の関心も低くなりがちである。
【0008】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、多くのメダルを短時間で払い出すことやメダルの払い出し枚数の変更を適切に行なうことが可能であるとともに、メダルの払い出し動作に面白みをもたせることが可能なメダル払い出し装置およびこれを備えたメダル遊戯機を提供することをその課題としている。
【0009】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本願発明の第1の側面によって提供されるメダル払い出し装置は、メダルを収容可能であり、かつ上下に積層するようにして並んだ複数の収容部を備えており、上記各収容部は、上記各収容部内のメダルをその下方に落下させることが可能に底部が開閉自在とされているとともに、上方から落下してくるメダルを受容可能とする上部開口部を有している一方、上記各収容部の底部を開閉させるための個別に制御される駆動部が各収容部毎に設けられているとともに、上記複数の収容部のうち、最下層の収容部から所定数上層の収容部までの各収容部の底部が同時または略同時に開くように上記各駆動部が制御され、かつ、底部が同時または略同時に開く最下層からの上記収容部の個数が可変であるように構成されていることを特徴としている
【0011】
このような構成によれば、たとえば上記複数の収容部のうち、最下層である一層目の収容部の底部のみを開放させると、この一層目の収容部に収容されていたメダルのみが払い出される。一層目および二層目の2つの収容部のそれぞれの底部を開放させた場合には、一層目の収容部内のメダルの払い出しがなされるのに加え、二層目の収容部に収容されていたメダルが一層目の収容部内を通過してから払い出されることとなり、それら2つの収容部のそれぞれに収容されていたメダルの払い出しが行なわれる。複数の収容部の全ての底部を開放させた場合には、それら複数の収容部に収容されている全てのメダルが払い出される。このようなことから理解されるように、本願発明においては、複数の収容部の底部の開閉制御により、メダルの払い出し枚数を複数段階で変更することが可能となり、便利である。
【0012】
また、最下層から所定数上層の収容部までの複数の収容部のそれぞれの底部の開放を同時または略同時に行なわせているので、上記複数の収容部内に収容されていたメダルが各収容部の下方に一斉または略一斉に落下することとなって、それらの払い出し動作が一気になされる。したがって、メダルの払い出し枚数が多い場合であっても、その払い出しが迅速に行なわれる。多くの枚数のメダルが一気に払い出されることにより、その払い出し動作に迫力や面白さをもたせること可能となる。
【0013】
さらに、本願発明においては、複数の収容部のうち、上層の収容部に収容されたメダルは、それよりも下方の収容部内を通過してから外部に払い出されるが、このようなメダルの移動の仕方は特異であり、面白いものとなる。
【0014】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記各収容部の少なくとも一部分は、透明とされている。このような構成によれば、上記各収容部内にメダルが収容されている様子や、上記各収容部内をメダルが移動する様子を、外部から目視することが可能となる。したがって、メダルの払い出し動作に関心をもたせてその面白さを高めるのにより好適となる。
【0015】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記各収容部は、上部および底部が開口した側壁部と、この側壁部の下方において水平方向に往復動自在なシャッタ板とを備えて構成されている。このような構成によれば、簡易な構成により上記各収容部の底部を適切に開閉自在とすることができる。
【0016】
本願発明の第2の側面により提供されるメダル遊戯機は、本願発明の第1の側面により提供されるメダル払い出し装置を備えていることを特徴としている。
【0017】
このような構成によれば、本願発明の第1の側面によって提供されるメダル払い出し装置について述べたのと同様な効果が得られる。とくに、上記メダル払い出し装置は、メダルの払い出し枚数を複数段階に変更することができるとともに、多数枚のメダルを払い出すときには一斉または略一斉に払い出すことができるために、入賞の内容に格差を設けてメダルの払い出し枚数を変えたり、あるいは多数枚のメダルを迫力のある演出で払い出すといったことを実現し、遊戯の趣向性を高めるのに好適となる。
【0018】
本願発明のその他の特徴および利点については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0020】
図1〜図5は、本願発明に係るメダル払い出し装置の一例を示している。本実施形態のメダル払い出し装置Aは、図1および図2によく表われているように、鉛直方向に起立したベース部材50の一側面50aに沿って、複数の収容部2(2a〜2g)が上下に積層するように並べて設けられた構成を有している。ベース部材50は、断面コ字状あるいは角パイプ状の柱状である。
【0021】
各収容部2は、上部開口部20aおよび底部開口部20bを有する側壁部20の下方に、シャッタ板21が配された構成を有している。各収容部2は、合成樹脂製の透明部材22がベース部材50の一側面50aに取り付けられることにより構成されている。透明部材22は、一側面部が開口した平面視略コ字状であり、その一側面部の開口はベース部材50の一側面50aによって塞がれている。このことによって各収容部2の側壁部20はメダルmを適切に収容可能な閉断面構造となっている。むろん、透明部材22として、角筒状あるいは円筒状などの筒状のものを用いてもかまわない。
【0022】
各シャッタ板21は、平板状であり、各側壁部20の下方において矢印n1で示す水平方向に往復動自在である。このことにより各収容部2の底部はシャッタ板21によって開閉自在となっている。複数の収容部2は、上下に隣り合う2つの収容部2の位置関係は、下側の収容部2の上部開口部20aの直上に上側の収容部2の底部開口部20bが位置するようになっており、シャッタ板21はこれらの間を仕切る状態と開放する状態とが可能となっている。
【0023】
シャッタ板21を支持して往復動させるための機構は、図3および図4に示すようなユニットUとして構成されている。このユニットUは、枠体52と、この枠体52に取り付けられたモータMとを有している。枠体52は、薄肉金属板をプレス加工するなどして構成されたものであり、断面略コ字状の一対のガイドレール部52aを有している。シャッタ板21は、それら一対のガイドレール部52aにスライド可能に支持されている。シャッタ板21の移動を円滑にするための手段として、シャッタ板21には複数のローラ21aが取り付けられている。
【0024】
シャッタ板21の一端部には、連結用部材21bが設けられており、この連結用部材21bに、モータMの駆動軸59に取り付けられたアーム54の一端が回転可能に連結されている。連結用部材21bは、シャッタ板21の矢印n2方向で示す幅方向に移動可能である。このようなことにより、モータMを駆動させてアーム54を矢印n3に示す方向に回転させると、このアーム54の回転に伴ってシャッタ板21がモータM寄りに後退する。モータMを逆転させると、シャッタ板21は上記とは反対に前進することとなる。
【0025】
図2によく表われているように、複数のユニットUはブラケット53を用いるなどしてベース部材50に組み付けられている。複数のモータMのそれぞれは、個別に駆動制御可能であり、このことにより複数の収容部2のそれぞれの底部の開閉動作も個別に行なうことができるようになっている。最上層の収容部2gの上方には、このメダル払い出し装置Aとは別個に設けられているメダル供給装置のメダル排出口99が配されている。このメダル排出口99から、このメダル払い出し装置Aへのメダルmの補給が可能である。
【0026】
次に、上記したメダル払い出し装置Aの作用について説明する。
【0027】
まず、図2に示すように、メダルmを払い出すための準備として、複数の収容部2のそれぞれにメダルmを収容させておく。このような準備は、メダル排出口99から最上層の収容部2gにメダルmを投入し、その投入量が一定になると、そのメダルmを下層の収容部2に順次移し替えていくことにより行なう。すなわち、最上層の収容部2g内のメダル量が一定になると、その時点でこの収容部2gの底部を開く。すると、収容部2g内のメダルmはその下の収容部2f内に落下する。次いで、この収容部2fの底部を開くと、メダルmはさらにその下の収容部2e内に落下する。このようなことを繰り返していくことにより、複数の収容部2a〜2gの全てにメダルmを一定量ずつ収容させることができる。
【0028】
次いで、メダルmの払い出しに際し、たとえば図5に示すように、最下層の収容部2aの底部のみを開いた場合には、この収容部2aに収容されていた所定量のメダルmのみがその下方に排出される。これに対し、最下層およびその上層の2つの収容部2a,2bの底部を開いた場合には、これら2つの収容部2a,2bに収容されていたメダルmが収容部2aの下方に落下排出される。この場合、収容部2b内に収容されていたメダルmは、収容部2a内を通過してからその下方に排出される。収容部2a〜2gの全ての底部を開いた場合には、それら収容部2a〜2gに収容されていたメダルmの全量排出がなされる。
【0029】
このように、このメダル払い出し装置Aにおいては、最下層の収容部2aからその上の何層目の収容部までの底部を開くかによって、メダルmの払い出し量を複数段階で調整することができる。各収容部2の底部の開閉は、各モータMのオン・オフ制御により行なうために、その制御も容易となる。また、収容部2a〜2gのそれぞれの底部を略同時に、または収容部2aを最も遅れ気味にしたタイミングでそれらの底部を開くと、それら収容部2a〜2g内に収容されていたメダルmは、収容部2aの下方へ続けざまに排出される。したがって、メダルmの払い出し量を多くする場合であっても、その払い出しは迅速に行なわれることとなる。
【0030】
各収容部2は、透明部材22を用いて構成されていることから、各収容部2内に収容されているメダルmは目視可能である。また、メダルmが払い出されるときにメダルmが各収容部2内を落下していく様子は特異であるが、この様子も目視することが可能である。このため、メダルmの払い出しに際しては、従来の払い出し装置ではみることができない視覚的な面白さも得られることとなる。なお、メダルmを所定量だけ払い出したときには、幾つかの収容部2が空になるが、この空になった収容部2内へのメダルmの補充は、先に説明したメダルmを払い出す前の準備段階の場合と同様な手順で、上層の収容部2内のメダルmを順次下層の収容部2に移し替えていくことにより行なえばよい。
【0031】
図6〜図9は、本願発明に係るメダル遊戯機の一例を示している。本実施形態のメダル遊戯機Bは、上述したメダル払い出し装置Aを備えている。
【0032】
図6に表われているように、このメダル遊戯機Bは、下部筐体1a上に透明のショーケース1bが設けられた構成を有している。下部筐体1aおよびショーケース1bは、たとえば8〜10人が同時にプレイできるように、それらの周方向において複数のゾーン11に分けられている。各ゾーン11において、左右2箇所にメダル投入口39が設けられているとともに、下部筐体1aには、メダル排出口12が設けられている。
【0033】
図7によく表われているように、ショーケース1b内の各ゾーン11には、プッシャゲーム機構3と複数のターゲット7とが配されたプレイフィールドが設けられている。このプレイフィールドの手前に、メダル投入口39が設けられている。
【0034】
メダル投入口39には、メダルmを立てて転がして初速を与えることができる筒状または溝状のガイド部材38が付設されている。このガイド部材38は、水平方向および上下方向に首振り調整自在であり、遊戯者はメダルmを送出する方向を自由に選ぶことが可能である。
【0035】
プッシャゲーム機構3は、固定状の第1テーブル31と、この第1テーブル31上に積層された第2テーブル32とを有している。第2テーブル32は、第1テーブル31の側縁部31aよりも奥方において、手前方向への進出と、奥方向への後退とを繰り返すようになっている。このプッシャゲーム機構3においては、たとえば第1テーブル31上にメダル払い出し装置Aから多数枚のメダルmが払い出されたり、あるいは第2テーブル32が後退した際にこの第2テーブル32とメダル群との間にメダルmがうまく入り込むといったことがあると、第2テーブル32の前進時においてメダルmが第1テーブル31の側縁部31aから落ちるようになっている。側縁部31aから落ちたメダルmは、メダル排出口12に導かれて遊戯者に獲得される。
【0036】
ただし、本実施形態においては、第1テーブル31の側縁部31aから落ちるメダルmを受容する複数のバランスゲート4を備えた構成とされている。これら複数のバランスゲート4は、横方向に延びる軸41を中心として揺動可能であり、図8に示すように、ウエイト42が取り付けられた部分と、メダル受容口43aを有するメダル収容部43とが軸41を挟んだ配置となるように形成されたものである。このバランスゲート4は、通常時においては、同図に実線で示すように、ウエイト42の重みによってメダル収容部43が上昇した傾斜状態にあり、第1テーブル31から落ちてくるメダルmを受容可能となっている。これに対し、メダル収容部43に一定量以上のメダルmが溜まると、その重みにより、同図に仮想線で示すように、バランスゲート4はメダル収容部43が下となるように回転する。すると、メダル収容部43に溜められていたメダルmは、まとめて下方に落下排出される。メダルmの排出を終えると、このバランスゲート4はウエイト42の重みにより元の姿勢に戻る。このようなバランスゲート4を設ければ、たとえばメダル収容部43が満杯近くになったバランスゲート4に少数枚のメダルmが入るだけでメダル収容部43に溜められていた多数枚のメダルmを遊戯者が獲得可能となる。したがって、少ないメダル投入数により、多くのメダルの払い出しを受けるチャンスが生まれ、メダル遊戯の興趣が高まる。
【0037】
複数のターゲット7は、ブラケット73に支持されてプッシャゲーム機構3の上方に配されている。各ターゲット7は中央貫通孔71を有しており、遊戯者はこの中央貫通孔71内にメダルmが入るように、狙いを定めてメダル投入口39にメダルmを投入することとなる。各ターゲット7にはセンサが設けられており、ターゲット7にメダルmが命中したとき、すなわち中央貫通孔71内にメダルmが入ったときには、これを上記センサにより検出することが可能となっている。上記センサによるメダルmの検出信号は、メダル払い出し装置Aからメダルmを払い出したり、あるいは後述する抽選機構8を起動させるための信号として利用される。中央貫通孔71内を通過したメダルmは、プッシャゲーム機構3上に落下する。また、中央貫通孔71内に入らなかったメダルmも、プッシャゲーム機構3上に落下する場合がある。したがって、これらのメダルmが第1テーブル31上からメダルmを落とすのに役立つ場合がある。このため、ターゲット7にメダルmが命中する場合とそうでない場合とのいずれにおいても、遊戯者にメダル獲得の期待感を抱かせることができる。
【0038】
ガイド部材38とターゲット7との間には、助走面37およびメダルジャンプ部材6が設けられている。助走面37は、ガイド部材38の先端から送出されたメダルmをさらにプレイフィールドの奥方に向けて転がすための部位である。メダルジャンプ部材6は、たとえばその上向き面が凹状曲面に形成されており、一定周期で揺動している。メダルジャンプ部材6が、図8において実線で示すように助走面37に接近したタイミングでメダルmが送り込まれてくると、このメダルmはうまくジャンプする。この場合は、ターゲット7にメダルmが命中する可能性が高い。これに対し、メダルジャンプ部材6が、同図において仮想線で示すように助走面37から離れたタイミングでメダルmが送り込まれてくると、このメダルジャンプ部材6が壁となってメダルmのそれ以上の前進が阻まれる。このような構成によれば、ターゲット7にメダルmを命中させるには、メダルmの送出方向に加え、その送出タイミングも適切にとる必要があり、高いスキルが遊戯者に必要とされる面白さが生まれる。適当な軸72を中心として各ターゲット7を揺動させる構成にすれば、各ターゲット7にメダルmを命中させることがさらに難しくなるが、このような構成にすることもできる。
【0039】
メダル払い出し装置Aは、ショーケース1b内での2つのゾーン11の隣接部に設置されている。図7に示すように、このメダル払い出し装置Aの最下層の収容部2aの下方には、メダル振り分け機構97が設けられている。このメダル振り分け機構97は、メダル払い出し装置Aから払い出されるメダルmを、隣接する2つのゾーン11のいずれか選択された側の一方にガイドするための機構である。このメダル振り分け機構97は、たとえば収容部2aの下方に配されたプレートの傾きを変化させることによって、このプレート上をメダルmがスライドするときのスライド方向を切り替え自在な構成となっている。本実施形態のように、1つのメダル払い出し装置Aを2つのゾーン11への払い出しに兼用すれば、メダル払い出し装置Aの総数を少なくし、メダル遊戯機Bのコストを下げるのに好ましいものとなる。メダル払い出し装置Aは、プッシャゲーム機構3の第1テーブル31上に向けてメダルmを払い出すのに用いられている。
【0040】
本実施形態のメダル遊戯機Bは、ターゲット7にメダルmが命中すると抽選動作を行なう抽選機構8と、この抽選機構8による抽選の結果により所定の演出効果を発揮する演出機構Cとをさらに備えている。
【0041】
抽選機構8は、ボール移動による視覚的な面白さを楽しみながら抽選動作を行なうものであり、プッシャゲーム機構3のさらに奥方に設置されている。この抽選機構8においては、ターゲット7へのメダルmの命中があると、サブ機枠80の前面適所に開設されているボール排出孔81からボールスイングテーブル82上にボール98が排出されるようになっている。図9に表われているように、ボール98は、基本的には、ボールスイングテーブル82上を複数のリブ82aに沿ってゆっくりと左右に振れながら、このボールスイングテーブル82の手前に向けて移動するようになっている。ボールスイングテーブル82の手前には、次経路への入口ポケット85にボール98を誘導可能なチャンスゲート部材84が設けられており、ボール98はこれに乗り移る。チャンスゲート部材84は、その外面に複数のガイド溝84aが形成された略円錐台状であり、かつそれら複数のガイド溝84aの位置がゆっくりと変化するように回転している。ボール98がチャンスゲート部材84のいずれかのガイド溝84aにうまく乗ると、このボール98は比較的高い確率で入口ポケット85に到達する。入口ポケット85に到達することなく、チャンスゲート部材84から途中で落下したボール98は、アウトとなる。
【0042】
入口ポケット85に到達したボール98は、ボールガイドパイプ87内を通過し、ボールスイングテーブル82の下方のボール転動テーブル86に導かれる。このボール転動テーブル86は、ルーレットに似た形式をとったものであり、ボール98は皿状のボール転動フィールド86aを螺旋状を描くように移動し、最終的にはその中央付近に設けられている複数の入賞穴86bのいずれかに入るようになっている。複数の入賞穴86bは、賞の大きさが異なったものとされている。入賞穴86bにボール98が入ると、その入賞穴86bに付与された賞の大きさに応じた枚数のメダルmがメダル払い出し装置Aから払い出される。入賞穴86bに入ったボール98は、上記したチャンスゲート部材84付近でのアウトボールとともに回収され、図示されていないボールエレベーション機構によってボール排出孔81付近まで上昇させられてから待機させられる。
【0043】
上記したように、抽選機構8においては、ボール98が様々な経路を通りながら抽選が行なわれるが、遊戯者はこのような動作を見ることができる。また、ボール98がチャンスゲート部材84上を無事に通過した場合にのみ、最終的な抽選が実行されるようにしている。したがって、視覚的な面白さと、ゲームとしての面白さとがさらに倍加する。
【0044】
演出機構Cは、図6に示されているように、ショーケース1bの中央部分に設けられており、たとえば映画に登場するキャラクタの一つであるエイリアンを模した動作模型13を備えて構成されている。この動作模型13は、スライドシャッタ15を備えた回転筒14の内部に隠されている。抽選機構8による抽選結果が最も大きな賞であると、回転筒14はスライドシャッタ15が正面となるように回転する。ショーケース1b内の適当な位置にはLCD表示器16が設けられており、このLCD表示器16においては、3つのターゲット7のいずれかにメダルmを命中させることを指示する旨の画像表示がなされる。このため、この画像表示を見た遊戯者は、メダル投入口39にメダルmを投入し、ターゲット7を狙う。ターゲット7にメダルmが命中した回数に応じて、スライドシャッタ15は、次第に下降してゆき、動作模型13が現われてくる。タイムアップまで、そのようなモードが継続される。このように、ターゲット7にメダルmが命中する都度、動作模型13の全容が徐々に暴かれていけば、この動作模型13の全容を見たい遊戯者にとって、そのゲームの面白さは一層高まることとなる。
【0045】
動作模型13の全容が暴かれる程度にターゲット7にメダルmが一定回数以上命中したときには、たとえばメダル払い出し装置Aの複数の収容部2に貯留されているメダルmの全量が払い出される。既述したとおり、このメダルmの全量の払い出しは一斉に行なうことができるために、迫力があり、各収容部2内を落下していくメダルmの様子を目視することができるために、このメダルの払い出し動作自体も面白いものとなる。また、このメダル払い出し装置Aが設けられていることにより、遊戯者は、最も大きな賞に入賞した場合にはこのメダル払い出し装置Aに溜められている全てのメダルmの排出を受けることができるとの期待感が生まれる。このようなこともまた、メダル遊戯の興趣を高める一要素となる。
【0046】
本願発明の範囲は、上記した実施形態に限定されるものではない。本願発明に係るメダル払い出し装置およびメダル遊戯機の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0047】
本願発明に係るメダル払い出し装置において、各収容部の底部を開閉させるための機構は、スライド式のシャッタ板を用いた機構に限らない。たとえば、収容部の底部を塞ぐための部材がバタフライバルブのように回転し、この回転動作によって収容部の底部が開閉される構成とすることもできる。
【0048】
本願発明に係るメダル遊戯機は、プッシャゲーム機構やボールを用いた抽選機構を備えたものに代えて、これとは異なる機構を備えたものとして構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るメダル払い出し装置の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示すメダル払い出し装置の断面図である。
【図3】図1に示すメダル払い出し装置に用いられているユニットの斜視図である。
【図4】図3に示すユニットの断面図である。
【図5】図1および図2に示すメダル払い出し装置の動作を示す断面図である。
【図6】本願発明に係るメダル遊戯機の一例を示す外観図である。
【図7】図6に示すメダル遊戯機の要部斜視図である。
【図8】図6に示すメダル遊戯機の要部断面図である。
【図9】図6に示すメダル遊戯機の要部斜視図である。
【図10】従来技術の一例を示す説明図である。
【図11】(a)〜(d)は、従来技術の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
A メダル払い出し装置
B メダル遊戯機
m メダル
2 収容部
20 側壁部
20a 上部開口部
20b 底部開口部
21 シャッタ板

Claims (4)

  1. メダルを収容可能であり、かつ上下に積層するようにして並んだ複数の収容部を備えており、
    上記各収容部は、上記各収容部内のメダルをその下方に落下させることが可能に底部が開閉自在とされているとともに、上方から落下してくるメダルを受容可能とする上部開口部を有している一方、
    上記各収容部の底部を開閉させるための個別に制御される駆動部が各収容部毎に設けられているとともに、上記複数の収容部のうち、最下層の収容部から所定数上層の収容部までの各収容部の底部が同時または略同時に開くように上記各駆動部が制御され、かつ、底部が同時または略同時に開く最下層からの上記収容部の個数が可変であるように構成されていることを特徴とする、メダル払い出し装置。
  2. 上記各収容部の少なくとも一部分は、透明とされている、請求項1に記載のメダル払い出し装置。
  3. 上記各収容部は、上部および底部が開口した側壁部と、この側壁部の下方において水平方向に往復動自在なシャッタ板とを備えて構成されている、請求項1または2に記載のメダル払い出し装置。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載のメダル払い出し装置を備えていることを特徴とする、メダル遊戯機。
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