JP3871175B2 - プッシャー式メダルゲーム機 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プッシャー式メダルゲーム機、特に、達成感及び緊迫感に富んだプッシャー式メダルゲーム機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
プッシャー式メダルゲーム機は、テーブルの上面と所定間隙を介して配される固定部材との間に退避位置と押出位置との間を往復移動するプッシャーを有するものである。
このプッシャー式メダルゲーム機では、メダルは押出位置にあるプッシャーによって覆われる領域に投入できるようになっており、プッシャー上に載ったメダルは、プッシャーが退避位置に移動するときに固定部材に当たって、テーブル上に落とされる。
そして、プッシャーが押出位置に向けて移動するときに、テーブルの、押出位置にあるプッシャーに覆われている領域にあるメダルを、テーブルに溜まっているメダルの中に押し込み、溜まっているメダルを落下口方向に押し出し、落下口に落ちたメダルをプレイヤーに払い出すものである。
【０００３】
しかしながら、このようなプッシャー式メダルゲーム機では、プレイヤーは単にメダルを投入し続けるだけなので、プレイが単調になり、面白味がないという問題があった。
このため、メダルがプッシャー上に落ちるまでの経路にチェッカーを設け、投入されたメダルがそのチェッカーを通過したときに、メダルの払い出しや、抽選、ジャックポットに到達するためのステップアップを行い、ゲームに多少のめりはりをつけたものが提案された。
【０００４】
しかしながら、このプッシャー式メダルゲーム機では、メダルがチェッカーを通過するようタイミングを計ってメダルを投入するという面白さはあるが、メダルがチェッカーを通過するか否かは、プレイヤーの技術よりも偶然の要素が強く、チェッカーの通過により、ステップアップし、ジャックポットを獲得しても達成感が薄く、プレイヤーが飽きやすいという問題があった。
また、メダルのチェッカー通過後はゲーム機側で自動的に所定の払い出し、抽選、ステップアップを行うので、プレイヤーはじっくりとタイミングを計りながらメダルを投入し続けるしかない。
このため、ゲーム内容に緊迫感がなく、漫然とゲームが進むので、挑戦意欲が湧かないという問題があった。
【０００５】
また、このようなプッシャー式メダルゲーム機は、チェッカーを有する落下経路を設けなくてはならず、ゲーム機が大型化してしまう上、この落下経路には、メダルが特定領域に集中して落ちないよう分散させたり、チェッカーを移動させるための揺動機構などが設けられるため、製造及びランニングコストがかさみ、また、その機構が故障したり、落下経路の途中でメダル詰まりが発生する可能性が高く、メンテナンスにもコストがかさむという問題があった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題を解決するためなされたものであり、その目的は、高度の達成感が得られ、かつ、緊迫感に富むプッシャー式メダルゲーム機を低コストに提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、プレイヤにより操作されるメダルシューターを具備する公知のプッシャー式メダルゲーム機において、
テーブルの上面のプッシャーの押出位置より落下口側に、ポケットを設けると共に、
更に、テーブル上のメダルがポケットに落ちたとき、ボーナスゲーム装置をスタートさせ、ボーナスゲームを行わせるボーナスゲーム装置と、
隔壁部材に、プレイヤーがメダルシューターで直接狙うことができる位置で、かつ、プレイヤーによりメダルシューターを通じて投入された後、プッシャーを横切って転がるメダルが進入し得る位置に設けられた入賞ポケットと、
常時は入賞ポケットの開口を閉鎖しているが、ボーナスゲームにおいて所定の条件が成就したとき所定時間開口を開放するシャッターと、
を設けることにより達成される。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の詳細を説明する。
図１は本発明に係るプッシャー式メダルゲーム機の主要構成を示す概略斜視図である。
図中、１はテーブル、２は落下口、３はプッシャー、４は固定部材、５はメダルシューター、６は入賞ポケット、７０はボーナスゲーム装置、７１はステップ表示部、７２はメダル供給装置、７３はメダル貯留ケース、７４は隔壁部材である。
テーブル１は、水平に配される矩形板状の部材であり、後述する落下口２側の縁辺に近接した位置にポケット１０を有する。
【００１０】
落下口２は、テーブル１の一縁辺に隣接して設けられ、図示しない払出口に通じる。
固定部材４は、テーブル１の上方であって、その落下口２側の縁辺から所定距離離れた位置に、テーブル１の上面と所定間隙を介して設けられるものである。プッシャー３は、テーブル１と固定部材４の間隙に進退自在に設けられ、テーブル１上に沿って、ポケット１０に近接した押出位置と、ポケット１０から遠ざかる退避位置との間をテーブル１の上面に沿って往復移動するものである。
また、このプッシャー３の上面は、固定部材４の下面に接している。
【００１１】
メダルシューター５は、このゲーム機の外部からプッシャー３上に延びるものであり、プレイヤーが投入するメダルを、プッシャー３の上をその往復運動方向を横切る方向に、かつ、微小角度範囲内で方向を変更して転がし得るよう設けられる。
このメダルシューター５は、その内部のメダル通路に沿って所定範囲往復移動し、かつ、プッシャー３上の端部がプッシャー３の上方から逸脱しない範囲で旋回操作し得るよう保持される。
隔壁部材７４は、テーブル１の、メダルシューター５が設けられている側の反対側面に隣接して設けられ、その上面がプッシャー３の上面より高いものである。
【００１２】
入賞ポケット６は、隔壁部材７４の、固定部材４に近接した位置に、プッシャー３の上面を転がってきたメダルを受け得るよう設けられる縦スリットである。この入賞ポケット６の入口には、図示しない昇降機構により昇降制御されるシャッター６０が設けられる。
このシャッター６０は、常時は降下して入賞ポケット６の入口を閉鎖し、後述する所定の時期に図１に示したように上昇してその入口を開放するものである。ボーナスゲーム装置７０は、ルーレットゲームを行うものであり、隔壁部材７４の上面に設けられる。
このボーナスゲーム装置７０は、計量器を模した形状になっており、その文字盤部分には、例えば「ＷＩＮ」、「ＬＯＳＴ」、「ＣＨＡＮＣＥ」などが表示されており、ボーナスゲームのスタートと共に回転する針がいずれかを指して止まるようになっている。
【００１３】
ステップ表示部７１は、ボーナスゲーム装置７０の背後に直立して設けられるボード状のものであり、その表面には、一方の端部がスタートで、他方の端部がゴールになっている一条のステップ経路が描かれており、その両端及び途中の複数箇所には発光部７１０が設けられている。
メダル供給装置７２は、後述する時期にそのメダル吐出口７２０から後述のメダル貯留ケース７３にメダルを供給するものである。
【００１４】
メダル貯留ケース７３は、固定部材４の上方に設けられ、プッシャー３側の側面に、後述する時期に、図示しない開閉機構により開閉制御される開閉蓋７３０を有する。
このメダル貯留ケース７３は、その開閉蓋７３０が開くと、内部に溜まっているメダルが全てプッシャー３に向けて落ちるようになっている。
【００１５】
以下、上記の実施例の作動について説明する。
テーブル１上には、多数のメダルが載置されていおり、プッシャー３は、往復移動を繰り返している。
このとき、入賞ポケット６の入口は、シャッター６０によって閉じられている。
また、ステップ表示部７１中の発光部７１０は全て消灯されている。
プレイヤーがメダルシューター５からメダルを投入すると、メダルはメダルシューター５内を転がり、プッシャー３上に落ちる。
プッシャー３上に投入されたメダルは、プッシャー３上を転がり、固定部材４や隔壁部材７４などに当たるなどして倒れる。
【００１６】
プッシャー３に載ったメダルは、プッシャー３が退避位置方向に移動するときに、固定部材４に当たり、テーブル１上に落とされる。
テーブル１に落ちたメダルは、プッシャー３が押出位置方向に移動するときにテーブル１上に載っていた多数のメダルの中に押し込まれる。
メダルが押し込まれることにより、テーブル１上に載置されていたメダルが落下口２の方向に押される。
この押し出しにより、落下口２に落ちたメダルは、図示しない払出口に送られ、プレイヤーに払い出される。
【００１７】
また、この押し出しにより、メダルがポケット１０に落ちたときには、メダルが一枚落ちるたびにボーナスゲームが一回スタートする。
ボーナスゲームがスタートすると、文字盤の針が回転し始め、一定時間経過後に自動的に停止する。
停止した針が指し示す方向により、ボーナスゲームの結果が決まる。
例えば、「ＬＯＳＴ」以外を指し示して停止したときには、当たりとなり、その種類に応じて所定枚数のメダルが図示しない払出口に払い出されるようになっている。
【００１８】
また、針が「ＣＨＡＮＣＥ」を指し示したときには、入賞ポケット６のシャッター６０が上昇し、定められた時間が経過するまで、その入口が開放される。
この間、プレイヤーは、メダルシューター５の角度などを調整しながら入賞ポケット６の入口に向けてメダルを投入し、メダルが入賞ポケット６に転がり込むようにする。
メダルが一枚入賞ポケット６に転がり落ちるたびに、所定枚数の払い出しが行われると共に、ステップ表示部７１の発光部７１０がスタート側の端部から順に一個ずつ点灯して行く。
【００１９】
入賞ポケット６の入口が開口してから定められた時間が経過し、シャッター６０が降下して入口が閉じた後は、メダルシューター５からプッシャー３上にメダルを供給し、テーブル１上に載置されているメダルが落下口２又はポケット１０に落ちるようプレイを続ける。
プレイが進行する中で、入賞ポケット６に転がり落ちたメダルの枚数が増え、ステップ表示部７１のゴール側端部の発光部７１０が点灯すると、ジャックポットを獲得したことになる。
【００２０】
ジャックポットを獲得すると、プッシャー３は、テーブル１上に載っている全てのメダルを落下口２に押し出し得る位置まで落下口２方向に移動する。
このとき、一部のメダルはポケット１０に落ちるが、落ちた枚数に応じて所定枚数のメダルを払い出すようにし、ボーナスゲームは行わない。
全てのメダルがテーブル１上から押し出されると、プッシャー３は、退避位置方向に移動する。
【００２１】
プッシャー３が退避位置に戻ると、新たなゲームが開始となり、ステップがクリアされ、ステップ表示部７１の全ての発光部７１０が消灯すると共に、メダル貯留ケース７３の開閉蓋７３０が開き、予め内部に貯留されていた多数のメダルが、プッシャー３上に落とされる。
メダル貯留ケース７３内から全てのメダルが排出されたら開閉蓋７３０が閉じ、メダル供給装置７２から多数のメダルが吐出され、内部に貯留される。
プッシャー３上に落ちた多数のメダルは、プッシャー３が退避位置方向に移動するときに固定部材４に当たってテーブル１上に落とされ、押出位置方向に移動するプッシャー４によって落下口２方向に押し出され、一部のメダルは、ポケット１０又は落下口２に落ちる。
【００２２】
ポケット１０にメダルが落ちたときには、その枚数に応じて所定の払い出し及びボーナスゲームを行うようになっており、プレイヤーはゲームを続行できる。
このプッシャー式ゲーム装置では、ジャックポットを獲得するためには、入賞ポケットの入口が開いている限られた時間内に、入賞ポケットに向けてできるだけ多くのメダルを転がさなければならず、プレイヤーの技術と集中力が必要となるため、ゲームにめりはりがつく。
【００２３】
また、ジャックポットは、プレイヤーが入賞ポケットの入口が開いている限られた時間内に入賞ポケットに所定数のメダルを進入させたときに獲得でき、偶然の積み重ねにより発生するわけではないので、ジャックポットを得たときの達成感が大きい。
また、複雑でかさばるメダル落下経路を設けることなく製造及びランニングコストを低く抑えることができる。
【００２５】
また、ポケットは、押出位置にあるプッシャーの下側に隠れる位置に設けてもよく、また、メダルシューターは、プッシャー上にメダルを供給できるものであればどのようなものでもよい。
また、入賞ポケットは、メダルシューターで狙える位置であればどこに設けてもよく、例えば、押出位置にあるプッシャーの影に少なくともその一部が隠れるようにしてもよい。
また、入賞ポケットの入口は、昇降式のシャッター以外の方法、例えば、入賞ポケット自体を移動制御し、その入口を出没させたり、回動式の扉により開閉するようにしても、また、その入口をメダルの流入不可能な位置に移動させてもよく、また、ボーナスゲームの結果と関係なく、例えば、投入されたメダルや払出メダルが所定枚数を超えたとき、また、プレイが開始されてから所定時間経過するごとにその入口が開くようにしてもよい。
【００２６】
また、ボーナスゲームはルーレット以外、例えばスロットゲームでもよく、また、その当たりの種類も上記の実施例に限定されず、また、ボーナスゲームを行わずに、ポケットに落下するたびに入賞ポケットの入口を開くようにしてもよい。
また、入賞ポケットの側に猫などの動物のキャラクターの頭部を設け、その手がシャッターとなるようにし、そのキャラクターが入賞ポケットの入口を開け、メダルを招き入れるように動作させてもよい。
また、メダル貯留ケースには、例えばボーナスゲームの結果などのゲーム進行に応じ、ゲームの途中にメダルが供給されるようにし、ゲームの進行に応じ、メダルの貯留数を増やすようにしてもよい。
【００２７】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されるので、本発明によるときは、プレイヤーがプレイヤーにとって魅力的なプッシャー式メダルゲーム機を低コストに提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るプッシャー式メダルゲーム機の主要構成を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
１ テーブル
１０ ポケット
２ 落下口
３ プッシャー
４ 固定部材
５ メダルシューター
６ 入賞ポケット
６０ シャッター
７０ ボーナスゲーム装置
７１ ステップ表示部
７１０ 発光部
７２ メダル供給装置
７２０ メダル吐出口
７３ メダル貯留ケース
７３０ 開閉蓋
７４ 隔壁部材

Claims (1)

1. 隔壁部材（７４）と、
   隔壁部材（７４）に接して設けられるテーブル（１）と、
   テーブル（１）に隣接して設けられ、払出口に通じる落下口（２）と、
   テーブル（１）の上方であって、その落下口（２）側の縁辺から所定距離離れた位置に、テーブル（１）の上面と所定間隙を介して配される固定部材（４）と、
   テーブル（１）と固定部材（４）の間に隔壁部材（７４）に隣接するよう配置され、テーブル（１）の上面に沿って、テーブル（１）の落下口（２）側の縁辺から所定距離離れた押出位置と、押出位置よりさらに所定距離落下口（２）側の縁辺から遠ざかる退避位置との間を往復移動するプッシャー（３）と、
   プレイヤにより操作され、投入されたメダルを、プッシャー（３）の上をその往復運動方向を横切る方向に、かつ、微小角度範囲内で方向を変更して転がし得るよう構成されたメダルシューター（５）と、
   を具備するプッシャー式メダルゲーム機において、
   テーブル（１）の上面のプッシャー（３）の押出位置より落下口側に、ポケット（１０）を設けると共に、
   更に、テーブル（１）上のメダルがポケット（１０）に落ちたとき、ボーナスゲーム装置（７０）をスタートさせ、ボーナスゲームを行わせるボーナスゲーム装置（７０）と、
   隔壁部材（７４）に、プレイヤーがメダルシューター（５）で直接狙うことができる位置で、かつ、プレイヤーによりメダルシューター（５）を通じて投入された後、プッシャー（３）を横切って転がるメダルが進入し得る位置に設けられた入賞ポケット（６）と、
   常時は入賞ポケット（６）の開口を閉鎖しているが、ボーナスゲームにおいて所定の条件が成就したとき所定時間開口を開放するシャッター（６０）と、
   を設けたことを特徴とする、上記のプッシャー式メダルゲーム機。

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