JPH0817848B2 - メダルゲーム機の懸賞メダル払出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、全体構造が簡単であ
りながら優れた動作信頼性を有するメダルゲーム機の懸
賞メダル払出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】上方から投入されたメダルを落下させる
メダル落下面と、メダル落下面の下方に配設し、メダル
落下面からのメダルを堆積させるプッシャ部とを備える
メダルゲーム機が知られている（たとえば、特開平４−
２４０４６７号公報）。

【０００３】このもののプッシャ部は、固定テーブル
と、固定テーブル上を前後に往復移動するスライドテー
ブルとを組み合わせてなり、固定テーブルの前方には、
懸賞メダルの払出口が開口されている。そこで、スライ
ドテーブルの前方に落下したメダルは、スライドテーブ
ルが前進することにより、その堆積状況によって、不特
定枚数を払出口に払い出すことが可能である。ただし、
スライドテーブルは、払出口にまでは前進せず、払出口
から所定距離だけ後退した位置において前後動を繰り返
すものとする。

【０００４】かかるメダルゲーム機は、さらに、その遊
技性を高めるために、メダル落下面に入賞口を設け、プ
ッシャ部の上方に、別の補助プッシャ部を設けることが
できる（同公報）。メダル落下面を落下するメダルが入
賞口に入賞すると、適当な抽選機構が作動するようにな
っており、補助プッシャ部には、抽選機構の抽選結果に
応じ、適当な枚数のメダルが投入される。また、抽選結
果が特賞であると、補助プッシャ部に堆積しているメダ
ルの全量がプッシャ部に排出されるようになっており、
そのとき払い出されるメダルは、思わぬ大量の枚数にな
る可能性がある。なお、補助プッシャ部の前方には、抽
選結果が特賞でないときに、補助プッシャ部からのメダ
ルがプッシャ部に溢れ出ることがないように、開閉扉が
装着されている。また、補助プッシャ部は、プッシャ部
とほぼ同様に、固定テーブルと、固定テーブルの上面を
前方に掃引するスライドテーブルとからなっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術による
ときは、補助プッシャ部は、プッシャ部とほぼ同様の構
造となっているから、補助プッシャ部の前方には、開閉
扉を設けなければならず、全体構造が著るしく複雑にな
る上、開閉扉を閉める際に、扉と補助プッシャ部の固定
テーブルとの間にメダルが挟み込まれることにより、思
わぬ誤動作が発生するおそれがあるという問題があっ
た。

【０００６】そこで、この発明の目的は、かかる従来技
術の問題に鑑み、補助プッシャ部に代えて排出機構付き
のメダル容器を設けることによって、全体構造を簡素化
し、動作信頼性を大きく向上させることができるメダル
ゲーム機の懸賞メダル払出装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めのこの発明の構成は、上方から投入されたメダルを落
下させるメダル落下面と、メダル落下面からのメダルを
堆積させ、前後に連続的に往復移動することにより不特
定枚数のメダルを払い出すプッシャ部とを有するメダル
ゲーム機の懸賞メダル払出装置において、プッシャ部の
上方に配設し、メダルホッパからのメダルを収納するメ
ダル容器と、プッシャ部の上面を前後に掃引する固定ガ
イド板と、メダル容器内のメダルを固定ガイド板の前方
に一挙に排出する排出機構とを備えることをその要旨と
する。

【０００８】なお、メダル容器は、左右の支持軸を介し
て回転可能に支持し、排出機構は、支持軸を回転させる
ことによりメダル容器を前方に転倒させるようにしても
よく、また、メダル容器は、前方側のヒンジを介して回
転可能に支持し、排出機構は、ヒンジを介し、メダル容
器を前方に転倒させるようにしてもよい。

【０００９】さらに、メダル容器は、後方に移動可能な
底板を有し、排出機構は、底板を後方に引き抜くように
することもできる。

【００１０】

【作用】かかる発明の構成によるときは、メダル容器
は、プッシャ部の上方に配設され、メダルホッパからの
メダルを収納することができ、排出機構は、必要に応
じ、メダル容器内のメダルを固定ガイド板の前方に一挙
に排出させることができる。一方、固定ガイド板は、プ
ッシャ部の上面を前後に掃引し、上面のメダルをプッシ
ャ部の前方に落下させるから、このときのプッシャ部
は、不特定枚数の大量のメダルを払い出すことができ
る。

【００１１】左右の支持軸を介して回転可能に支持する
メダル容器は、排出機構を介して支持軸を回転させるこ
とにより、一挙にメダルを排出することができ、ヒンジ
を介して回転可能に支持するメダル容器は、排出機構に
より、ヒンジを介して転倒させることによって、一挙に
メダルを排出することができる。また、後方に移動可能
な底板を有するメダル容器は、排出機構を介して底板を
後方に引き抜くことにより、一挙にメダルを排出するこ
とができる。

【００１２】

【実施例】以下、図面を以って実施例を説明する。

【００１３】メダルゲーム機の懸賞メダル払出装置は、
メダルゲーム機のプッシャ部２１の上方に配設するメダ
ル容器１１と、メダル容器１１を駆動する排出機構１２
とを備えてなる（図１、図２）。

【００１４】メダルゲーム機は、プッシャ部２１の上方
にメダル落下面３０を備えており（図１、図３）、全体
として、前面ガラスＦ1 を有する筐体フレームＦ内に組
み込まれている。なお、前面ガラスＦ1 の上方には、メ
ダル投入口Ｆ2 、Ｆ2 …が開口されており、前面ガラス
Ｆ1 の下方には、払出皿Ｆ3 が配設されている。

【００１５】メダル落下面３０は、基板３１の前面に、
ガラスまたは合成樹脂からなる透明板３２を平行に配設
してなる。ただし、透明板３２は、基板３１に対し、装
飾を兼ねる両側のスぺーサ３２ａ、３２ａ…を介して取
り付けられている。基板３１の表面には、多数のガイド
用の釘３１ａ、３１ａ…、回転羽根３１ｂ、３１ｂ…の
他、液晶表示器３１ｃ、入賞口３１ｄ、３１ｄ…が配設
されている。なお、液晶表示器３１ｃは、マイクロコン
ピュータを内蔵する制御装置３１ｃ1 に接続されてい
る。また、メダル落下面３０の上部には、メダル投入口
Ｆ2 、Ｆ2 …を有するガイド樋３０ａが連結されてお
り、透明板３２の下端は、基板３１よりやや短くなって
いる。

【００１６】プッシャ部２１は、筐体フレームＦと一体
の固定テーブルＦ4 上に配設するスライドテーブルから
なっている。プッシャ部２１は、図示しない駆動装置に
より、所定のストロークｄだけ前後に連続的に往復移動
することができる（図１の実線と二点鎖線）。また、か
かるプッシャ部２１の前方には、払出皿Ｆ3 に連通する
払出口Ｆ4aが開口されており、プッシャ部２１の両側に
は、回収口Ｆ4b、Ｆ4bが開口されている。なお、基板３
１の下端部は、プッシャ部２１の上面にほぼ接する固定
ガイド板３１ｆとなっている。

【００１７】メダル容器１１は、基板３１の下部裏面側
に形成する前面開放の小室３１ｅに収納されている（図
１）。ただし、小室３１ｅを形成する板材３３は、下端
部が前方側に斜めに屈折され、傾斜ガイド板３３ａとな
って、基板３１の一部からなる固定ガイド板３１ｆに連
続している。なお、小室３１ｅの上面には、メダルホッ
パ３４に連結するガイド筒３４ａが下向きに開口されて
いる。

【００１８】メダル容器１１は、ほぼ半円筒形に形成さ
れており（図２）、左右の支持軸１１ａ、１１ａを介
し、小室３１ｅ内に回転可能に支持されている。一方の
支持軸１１ａは、小室３１ｅの外部に突出しており、そ
の軸端には、タイミングプーリ１１ｂが取り付けられて
いる。タイミンブプーリ１１ｂには、モータ１２ａの軸
端に固定するタイミングプーリ１２ｂとの間に、タイミ
ングベルト１２ｃが巻き掛けられている。そこで、モー
タ１２ａを介し、タイミングベルト１２ｃを図２の矢印
方向に駆動すれば、メダル容器１１は、同図の矢印Ｋ11
方向に回転し（図１、図２の二点鎖線）、内部のメダル
を固定ガイド板３１ｆの前方に一挙に排出することがで
きる。すなわち、モータ１２ａ、タイミングベルト１２
ｃは、メダル容器１１を駆動する排出機構１２となって
いる。

【００１９】いま、任意のメダル投入口Ｆ2 を介してメ
ダルを投入すると、投入されたメダルは、ガイド樋３０
ａを経てメダル落下面３０の上方に至り、メダル落下面
３０内を落下する。このとき、メダルは、基板３１上の
釘３１ａ、３１ａ…、回転羽根３１ｂ、３１ｂ…等によ
り、その落下経路がランダムに変化するから、入賞口３
１ｄ、３１ｄ…のいずれをも通過することなく、また
は、そのいずれかを通過して下方のプッシャ部２１上に
落下し、プッシャ部２１上に堆積することができる。

【００２０】一方、プッシャ部２１の上面は、プッシャ
部２１が前後に往復移動することにより、固定ガイド板
３１ｆによって前後に掃引されているから、プッシャ部
２１の上面に落下したメダルは、固定ガイド板３１ｆに
よってプッシャ部２１の前方に押し出され、このとき、
プッシャ部２１上に堆積しているメダルの堆積状態によ
って、いくつかのメダルが固定テーブルＦ4 上に落下す
る可能性がある。また、このようにして固定テーブルＦ
4 上に落下したしたメダルのいくつかは、固定テーブル
Ｆ4 上に堆積しているメダルの堆積状態により、払出口
Ｆ4aを介し、払出皿Ｆ3 に払い出される可能性がある。
そこで、プッシャ部２１は、メダル投入口Ｆ2 からメダ
ルを投入することにより、不特定枚数のメダルを払出皿
Ｆ3 に払い出すことができる。

【００２１】なお、このようにしてプッシャ部２１が作
動するとき、回収口Ｆ4b、Ｆ4bに落下したメダルは、そ
のまま、メダルホッパ３４、または、図示しないメダル
ストッカのいずれかに収納されるものとする。

【００２２】一方、メダル落下面３０を落下するメダル
がいずれかの入賞口３１ｄを通過すると、入賞口３１ｄ
に付設する図示しないセンサを介して、メダルホッパ３
４が起動される。すなわち、メダルホッパ３４は、ガイ
ド筒３４ａを介し、いずれかの入賞口３１ｄを通過する
メダルに対応して、新たなメダルをメダル容器１１に投
入することができる。

【００２３】メダルが入賞口３１ｄを通過すると、さら
に、液晶表示器３１ｃが作動する。すなわち、液晶表示
器３１ｃは、制御装置３１ｃ1 を介してスロットマシン
の回転スロットの図柄を表示しているものとし、この図
柄は、一定時間の回転の後、自動的に停止して、抽選結
果を表示する。ただし、このときの抽選結果は、当り確
率が全体として適切となるように、制御装置３１ｃ1 に
よってプログラムされている。なお、制御装置３１ｃ1
は、抽選結果に応じ、メダルホッパ３４を介して所定枚
数のメダルをメダル容器１１に追加投入させるものとす
る。

【００２４】抽選結果が特賞になると、制御装置３１ｃ
1 は、排出機構１２のモータ１２ａを起動する。すなわ
ち、モータ１２ａは、メダル容器１１を図２の矢印Ｋ11
方向に回転し、メダル容器１１内のメダルを固定ガイド
板３１ｆの前方に一挙に排出させるから、このときのプ
ッシャ部２１は、払出口Ｆ4a、払出皿Ｆ3 を介し、不特
定枚数の大量のメダルを払い出すことができる。なお、
排出機構１２は、このようにしてメダル容器１１内のメ
ダルを排出させた後、メダル容器１１を元の姿勢に復帰
させるものとする。ただし、メダル容器１１が元の姿勢
に復帰する前に、新たなメダルが入賞口３１ｄを通過す
ると、そのときの液晶表示器３１ｃ、制御装置３１ｃ1
による抽選の当り確率は、その他の場合におけるより大
幅に高くなるものとする。

【００２５】

【他の実施例】メダル容器１１は、前方側のヒンジ１１
ｃを介して回転可能に支持することができる（図４）。

【００２６】このときの排出機構１２は、モータ１２ａ
の軸端に固定するピニオン１２ｄと、ピニオン１２ｄに
噛合する上下動可能なラック１２ｅと、メダル容器１１
の後端に連結する長孔部材１２ｆとからなる。長孔部材
１２ｆは、ラック１２ｅに立設するピン１２ｅ1 が長孔
１２ｆ1 に係合することにより、ラック１２ｅが上下に
移動するとき、上下に平行移動することができる。ま
た、メダル容器１１の前方側の側板１１ｄは、上方のヒ
ンジ１１ｄ1 を介し、揺動自在に垂下しているものとす
る。

【００２７】かかる排出機構１２は、モータ１２ａを起
動してラック１２ｅを上方に駆動することにより、ヒン
ジ１１ｃを介してメダル容器１１を前方に転倒させ（図
４（Ｂ）の矢印Ｋ11方向）、下方に開く側板１１ｄを介
し、メダル容器１１内のメダルを固定ガイド板３１ｆの
前方に一挙に排出させることができる。

【００２８】メダル容器１１は、後方に移動可能な底板
１１ｅを備えることができる（図５）。ただし、このと
きのメダル容器１１は、小室３１ｅと一体に形成されて
おり、前方側の側板１１ｄは、透明板となっている。ま
た、底板１１ｅの下面には、ラック１２ｅが付設されて
おり、ラック１２ｅには、モータ１２ａの軸端のピニオ
ン１２ｄが噛合している。モータ１２ａを起動すること
により、底板１１ｅを後方に引き抜き（同図（Ｂ））、
メダル容器１１内のメダルを一挙に排出することができ
る。

【００２９】以上の説明において、メダル容器１１、排
出機構１２は、さらに変形してもよい。たとえば、図２
のメダル容器１１は、タイミングベルト１２ｃに代え
て、ラックピニオン機構や適当なリンク機構等を介し、
モータ１２ａによって回転させることができる。また、
液晶表示器３１ｃによるスロットマシン形式の抽選機構
は、制御装置３１ｃ1 内で実行するプログラムソフトウ
ェアを入れ替えることにより、他の任意の抽選機構に変
更することが可能である。さらに、固定ガイド板３１ｆ
は、少なくとも小室３１ｅの下部については、基板３１
の下端部を利用するに代えて、小室３１ｅを形成する板
材３３を下方に屈曲させることにより形成することがで
きる。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、プッシャ部の上方に配設するメダル容器と、メダル
容器内のメダルを一挙に排出させる排出機構とを設ける
ことによって、メダル容器は、前方側に開閉扉を設けな
くても、メダルホッパからのメダルを確実に収納して保
持することができるから、全体構造が簡単でありなが
ら、動作信頼性を大きく向上させることができるという
優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 全体構成図

【図２】 要部斜視説明図（１）

【図３】 要部斜視説明図（２）

【図４】 他の実施例を示す要部構成図（１）

【図５】 他の実施例を示す要部構成図（２）

【符号の説明】

１１…メダル容器 １１ａ…支持軸 １１ｃ…ヒンジ １１ｅ…底板 １２…排出機構 ２１…プッシャ部 ３０…メダル落下面 ３１ｆ…固定ガイド板 ３４…メダルホッパ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方から投入されたメダルを落下させる
   メダル落下面と、該メダル落下面からのメダルを堆積さ
   せ、前後に連続的に往復移動することにより不特定枚数
   のメダルを払い出すプッシャ部とを有するメダルゲーム
   機の懸賞メダル払出装置において、前記プッシャ部の上
   方に配設し、メダルホッパからのメダルを収納するメダ
   ル容器と、前記プッシャ部の上面を前後に掃引する固定
   ガイド板と、前記メダル容器内のメダルを前記固定ガイ
   ド板の前方に一挙に排出する排出機構とを備えることを
   特徴とするメダルゲーム機の懸賞メダル払出装置。
2. 【請求項２】 前記メダル容器は、左右の支持軸を介し
   て回転可能に支持し、前記排出機構は、前記支持軸を回
   転させることにより前記メダル容器を前方に転倒させる
   ことを特徴とする請求項１記載のメダルゲーム機の懸賞
   メダル払出装置。
3. 【請求項３】 前記メダル容器は、前方側のヒンジを介
   して回転可能に支持し、前記排出機構は、前記ヒンジを
   介し、前記メダル容器を前方に転倒させることを特徴と
   する請求項１記載のメダルゲーム機の懸賞メダル払出装
   置。
4. 【請求項４】 前記メダル容器は、後方に移動可能な底
   板を有し、前記排出機構は、前記底板を後方に引き抜く
   ことを特徴とする請求項１記載のメダルゲーム機の懸賞
   メダル払出装置。