JP3891380B2 - 浴室据置き型電気機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
24時間ふろなどに代表される浴室据置き型電気機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、浴室内に据置かれる機器が転倒し浴槽内に倒れ込んだとしても機器の傾斜センサが働き、浴室外にある電源遮断器で商用電源から浴室内の機器本体を遮断することで安全性を保っている。また、浴槽に真っ直ぐ落ちたとしても離脱式センサなどで検出させる方法が特開平8−36401で知られている。
本来、機器本体内への浸水などによる漏電が心配されていることなので、絶縁材料を用いて防水構造をとってさえいれば、たとえ機器本体が浴槽にどのような向きで落ちても電気的安全性は保たれる。また、絶縁トランスを浴室外に設け電気的に絶縁する方法も漏電に関しては有効である。もし万が一機器本体のケース破壊などによって水が浸入することも想定する場合は、機器本体内部に水検出センサを設けそれによって電源遮断を行うようにし、より電気的安全性を保つことができた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、異常検出し電源遮断された後であっても、水抜きを行ったり傾きを直したりして再度電源投入すれば元どおり使用できて安全上の問題ないが、繰り返し検知し電源遮断しているようであれば、機器内に湿気が残っている可能性もありこのまま使用しつづけることは電気回路の寿命などの上では好ましくない。
また、何回も傾くような据付け状態に機器が置かれているとしても、このまま使われ続けることは騒音や耐久性などの上でも好ましくない。いずれについても直ちに危険だったり機能に異常をきたすということはないが、長期的には決して望ましい状態とはいえない。
機器をより良好な状態で使ってもらうために、このような状態が改善されるべきであることをその度合いに応じてユーザーに知らせることが望ましい。
しかし、異常により直ちに電源遮断する構成であるため、これまでは異常に関する情報を電気的に記憶させるタイミングがなく再度電源投入されたときにその情報を表示することができなかった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明は、機器内に残留した湿気による悪影響や据え付け不良の可能性を検知して報知もしくは動作させ、さらなる安全性向上を図ることができる浴室据付け型電気機器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの側面に従う浴室据置き型電気機器は、機器の傾きを検出する傾斜検出センサと、上記傾斜検出センサの出力が入力され処理するコントローラと、上記コントローラによって各種情報を記憶する不揮発性メモリと、上記コントローラから送られる機器の情報を表示し、操作の情報を前記コントローラへ送る操作・表示部と、上記コントローラからの指示に従い機能部への電源供給を遮断する電源遮断部とを備えた浴室据置き型電気機器において、上記傾斜検出センサが上記機器の傾きを検出した場合、上記コントローラが、上記不揮発性メモリに傾斜エラー積算回数を記憶させ、上記電源遮断部により電源供給を遮断し、そして、電源を再投入した際に上記不揮発性メモリから読込んだ上記傾斜エラー積算回数が所定回数以上である場合、上記機器の据付けが不十分と認知させる表示を前記操作・表示部に表示させるようにしている。
本発明の別の側面に従う浴室据置き型電気機器は、機器内部の底面に溜まった水を検出する水検出センサと、上記水検出センサの出力が入力され処理するコントローラと、上記コントローラによって各種情報を記憶する不揮発性メモリと、上記コントローラから送られる機器の情報を表示し、操作された情報を上記コントローラへ送る操作・表示部と、上記コントローラからの指示に従い機能部への電源供給を遮断する電源遮断部とを備えた浴室据置き型電気機器において、上記水検出センサが前記機器内部の底面に溜まった水を検出した場合、上記コントローラが、上記不揮発メモリに水検出エラー積算回数を記憶させ、上記電源遮断部により電源供給を遮断し、そして、電源を再投入した際に上記不揮発性メモリから読込んだ上記水検出エラー積算回数が所定回数以上である場合、上記機器内の湿気残留注意を報知させる表示を前記操作・表示部に表示させるようにしている。
好適な実施形態として、上記浴室据置き型電気機器は、上記操作・表示部に表示された報知状態を解除するための解除手段を有し、上記コントローラは上記解除手段により報知状態が解除されれば上記不揮発性メモリに記憶された上記傾斜エラー又は上記水検出エラー積算回数をクリアするようにしている。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の内容をより理解しやすくするため、以下に実施例を用いて詳説する。
【0007】
【実施例】
図1はこの発明にかかわる電気機器のブロック構成図である。
この電気機器は傾斜センサ6と、水検出センサ8と、不揮発性メモリ4と、操作・表示部5と、コントローラ3と、各種負荷7、および電源遮断部2からなる。
【0008】
傾斜センサ6や水検出センサ8の入力はコントローラ3へ入力され処理される。不揮発性メモリ4は、コントローラ3によって各種情報を記憶し、適宜その情報はコントローラ3から呼出される。操作・表示部5は、コントローラ3から送られる機器の状態を表示し、操作された情報をコントローラ3へ送る。電源遮断部2はコントローラ3からの電源遮断指示信号に従って、浴室内にある機能部全体への電源供給を遮断できる。
【0009】
図3を参照して、傾斜センサによる検出から電源遮断までの動作を説明する。
操作・表示部5上にあるスイッチ51を操作するとその情報はコントローラ3へ入力され、それに応じてコントローラ3は各種負荷7を制御し動作させる。
傾斜センサ6は、機能部1が傾いた時これを検知しコントローラ3へ検知信号が入力される。その入力が一定時間、例えば2秒連続して続くとコントローラ3は機能部が傾斜したと判断し、傾斜エラーコードおよび傾斜エラー積算回数を不揮発性メモリ4に記憶する。傾斜エラー回数は例えば、前回不揮発性メモリ4に記憶されていた回数をプラス1することで行う。
不揮発性メモリに記憶させるのに必要な時間は例えば20ms以下であるため、電源遮断信号を電源遮断部2へ出力するのは、傾斜を判断したあと20msより十分長い時間、例えば1秒ほど待ったのちに行う。
以上の動作によって、機能部の傾斜を検知した場合その傾斜情報を確実に不揮発性メモリに記憶したのちに電源遮断の動作を行うことができる。
なお、電源遮断信号を出力するタイミングは、不揮発性メモリ4へ書込みが完了した時点から一定時間後、としても構わない。
【0010】
主に図2を参照して、傾斜検出で電源遮断した後の電源再投入時の動作を説明する。
ユーザーが機能部1の傾きを直した後に、電源遮断部2の手動復帰操作を行い機能部へ電源再投入すると、コントローラ3は初期の段階で不揮発性メモリ4に記憶させた情報からエラーコードおよび傾斜エラー回数を読み込む。エラーコードとして傾斜エラーコードが読出された場合は、表示部52に据え付けが不十分であることをあらわす「E−−」を表示し、合せて据え付け確認LEDランプ53を点灯させる。
【0011】
傾斜エラー回数が例えば20回以上と読出された場合は、表示するエラーコードを「E20」などとし点滅表示させるとともにスピーカ54からブザー音や音声で知らせることで、より強くユーザーに据付け不十分であることを認知させることができる。このとき各種負荷を停止状態にロックさせるようにすれば、据付け不十分で動作させると危険な機器、例えば浴室の天井に取り付けられた可動式の機器などの動作を禁止することができる。 また、電源遮断部2により再び電源遮断させるようにすれば、据付け不十分だと電気的に危険な機器、例えば発熱量が比較的大きく放熱のために防水構造でないにもかかわらず浴槽へ水没の恐れのある場所に設置しないといけない機器などを電気的に遮断し安全に停止させることもできる。
【0012】
図1および図2を参照して、据付け不十分報知状態の解除方法を説明する。
上記、据付け不十分報知状態を解除する方法の一つは、一定時間、例えば20秒間報知すれば自動的に解除する方法で特殊な操作などは必要としない。上記、据付け不十分報知状態および停止ロック状態を解除する方法としては、通常は行わないような特殊操作、例えば操作部5のスイッチ51を2個同時に一定時間押下するなどで行える。上記、据付け不十分報知状態、停止ロック状態および電源遮断状態を解除する方法としては、スイッチ51を操作した状態で電源再投入することによって行える。そして電源遮断状態を解除する方法はこの方法に限られる。
なお、これらの方法により解除される時、前記不揮発性メモリ4に記憶された傾斜エラーコードおよび傾斜エラー積算回数はコントローラ3からの指示によってクリアされるため、その直後の電源リセットでは据付け不十分報知は行われない。
【0013】
以上、傾斜センサによる据付け不良報知について述べたが、水検出センサによる湿気残留注意の報知についても同様な動作によって行える。また、その他のセンサについても同様な処理を行うことで、新たに報知機能を持たせることができ安全性を向上させることができる。
【0014】
また、複数のセンサを併せ持つことでより安全性を高めることもできる。例えば、水検出センサは、水が初めに溜まっていく機器内部の底面に取り付けるのが一般的であるが、機器が傾いてセンサとは反対の方に水が偏ってしまうと水検出できない場合がある。このような場合、傾斜センサも併用し水検知センサと同様に電源遮断させることにより、水検知センサで検知しきれない部分を傾斜センサで補い安全性をより向上させることができる。また、水検知センサを複数用意し適切な場所、例えば機器内部の上部および下部の四隅に取り付けることで水がどの隅に偏っても検知できるようにできる。
【0015】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
【0016】
異常により電源遮断する構成の機器であっても、異常判定したのち一定時間待ってから電源遮断する機能を持たせることで、異常に関する情報を電気的に記憶させることができるようになる。
また、再度電源投入した際はその情報を読み込むことで、機器内に湿気が残留し電気回路に悪影響を与える可能性や、機器の据付け状態が不良である可能性などを新たにセンサなどを追加することなくユーザーに報知することができる。
また、異常検出回数に応じて、解除手段を変えたり、表示内容を変えたり、音や音声を鳴らしたり、各種負荷を動作禁止にしたり、電源遮断させることで、ユーザーへの報知方法に段階を付けることができる。また、必要な機器に対しては異常検出回数に応じて安全動作を行わせることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかわる浴室据置き型電気機器のブロック構成図
【図2】操作・表示部の詳細図
【図3】傾斜検出時のタイムチャート
【符号の説明】
1…機能部、2…電源遮断部、3…コントローラ、4…不揮発性メモリ
5…操作・表示部、6…傾斜センサ、7…各種負荷、8…水検知センサ、
51…操作スイッチ、52…7セグメントLED、
53…LEDランプ、54…スピーカ
Claims (3)
- 機器の傾きを検出する傾斜検出センサと、前記傾斜検出センサの出力が入力され処理するコントローラと、前記コントローラによって各種情報を記憶する不揮発性メモリと、前記コントローラから送られる機器の情報を表示し、操作の情報を前記コントローラへ送る操作・表示部と、前記コントローラからの指示に従い機能部への電源供給を遮断する電源遮断部とを備えた浴室据置き型電気機器において、
前記傾斜検出センサが前記機器の傾きを検出した場合、前記コントローラが、前記不揮発性メモリに傾斜エラー積算回数を記憶させ、前記電源遮断部により電源供給を遮断し、そして、電源を再投入した際に前記不揮発性メモリから読込んだ前記傾斜エラー積算回数が所定回数以上である場合、前記機器の据付けが不十分と認知させる表示を前記操作・表示部に表示させることを特徴とする浴室据置き型電気機器。 - 機器内部の底面に溜まった水を検出する水検出センサと、前記水検出センサの出力が入力され処理するコントローラと、前記コントローラによって各種情報を記憶する不揮発性メモリと、前記コントローラから送られる機器の情報を表示し、操作された情報を前記コントローラへ送る操作・表示部と、前記コントローラからの指示に従い機能部への電源供給を遮断する電源遮断部とを備えた浴室据置き型電気機器において、
前記水検出センサが前記機器内部の底面に溜まった水を検出した場合、前記コントローラが、前記不揮発メモリに水検出エラー積算回数を記憶させ、前記電源遮断部により電源供給を遮断し、そして、電源を再投入した際に前記不揮発性メモリから読込んだ前記水検出エラー積算回数が所定回数以上である場合、前記機器内の湿気残留注意を報知させる表示を前記操作・表示部に表示させることを特徴とする浴室据置き型電気機器。 - 請求項1又は2に記載の浴室据置き型電気機器において、前記操作・表示部に表示された報知状態を解除するための解除手段を有し、前記コントローラは前記解除手段により報知状態が解除されれば前記不揮発性メモリに記憶された前記傾斜エラー又は前記水検出エラー積算回数をクリアすることを特徴とする浴室据置き型電気機器。
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