JPH09830A - 浴水循環濾過装置の安全装置及び浸水／傾斜検出センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浸水に対処可能な浴水循環濾過装置の安全装
置及び浸水／傾斜検出センサを提供する。 【構成】 ベース１０１に浸水／傾斜検出センサ８を設
け、浸水が検出されると漏電ブレーカ６を働かせて通電
を遮断する。浸水／傾斜検出センサ８内部には導電性球
体８０２が載置されており、所定以上傾斜すると、これ
が浸水／傾斜検出センサ８により検出されるようになっ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は浴水循環濾過装置の安
全装置及び浸水／傾斜検出センサに関する。

【０００２】

【従来の技術】浴水を循環濾過する浴水循環濾過装置に
おいて、浴室の排水口の詰まり等の原因により装置本体
に浸水する事故の危険があり、この場合装置本体に内蔵
されている電装部品の焼損の恐れがある。この浸水対策
のために、従来の装置では、本体を台に載せたり、電装
部品をシール材等で封止するなどの措置が採られてき
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし装置を台に載せ
るために施工作業に時間とコストが係り、また台に載せ
たとしても何らかの原因による浸水の危険が完全に除去
できない問題がある。また、電装部品をシールする方法
の場合、電装部品の大型化を招く上、コストアップにな
る問題がある。本発明は上記した従来技術の問題点を解
決することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために本発明の浴水循環濾過装置の安全装置は、浴
水循環濾過装置本体の所定位置より上方への浸水を検出
するための手段と、該検出するための手段からの浸水検
出信号に対応して、浴水循環濾過装置への通電を遮断す
るための手段と、を備えたことを特徴とする。該浸水を
検出するための手段は種々の態様が可能であり、例えば
浸水した水を介して本体をアースするための手段を有
し、該アースするための手段により本体に流れる所定値
以上の電流を検出することにより浸水を検出するように
構成することが可能である。また、浸水を検出するため
の手段が、一対の電極と、該電極間に侵水が介在した時
に該電極間の導通を検出するための手段と、を備えるよ
うにしても良い。以上のような構成によれば、装置本体
への浸水を検出し、これにより本体への通電を遮断する
から、電装部品等の焼損を防止できる。次に本発明の浸
水及び傾斜を検出する検出センサは、所定の間隔をあけ
て設けられ、該間隔に浸水が介在可能な、一対の電極
と、該一対の電極の間に設けられ、該一対の電極の所定
角度の傾斜により所定方向に移動し、該移動により該一
対の電極の両方に接触して導通させる導体と、を備えた
ことを特徴とする。上記構成において、浸水があった場
合には電極の間隔に浸水が介在し、一対の電極が導通状
態になるから、この導通により浸水の検出を行える。ま
た、このセンサが所定角度以上傾斜した場合には、導体
が移動して電極に接触して導通させるから、同様にこの
導通により所定角度以上の傾斜を検出できる。好適な実
施例では導体としてボール状導体を用いており、前記一
対の電極の中の一方の電極が該ボール状導体をほぼ中央
部に載置し、該一方の電極の表面が該中央部から端部方
向に向けて高くなるように傾斜する傾斜面とすることに
より、所定以上の傾斜により該ボール状導体を上方の電
極に接触させて一対の電極を導通させるように構成する
ことが可能である。

【０００５】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１において、浴水循環濾過装置の本体１は浴室の
床に設置されており、配管２を介して浴槽３に設置され
た吸排ユニット４に接続され、浴槽３の浴水を循環し濾
過するようになっている。本体１には電源コード５から
電気が供給されており、この電源コード５は漏電ブレー
カ６に接続され、該漏電ブレーカ６は電源プラグ７を介
して商用電源に接続されるようになっている。漏電ブレ
ーカ６には更に後述するようにアース７０１が接続さ
れ、コンセント等の所定のアース端子に接続して使用す
るようになっている。

【０００６】図２は本体１の詳細を示す斜視図であり、
前カバーとトップカバーを外した状態を示している。本
体の樹脂製の底面カバーであるベース１０１には循環ポ
ンプ１０２とこの循環ポンプ１０２を駆動させるための
駆動回路を登載したサーキットボード１０３を内蔵した
ボードケース１０４が取り付けられている。また該ベー
ス１０１上には濾材自動洗浄のための切替バルブ１０
５、１０６がバルブ取付板１０７を介して取り付けら
れ、更にリレーやマイクロコンピュータ等の制御回路を
登載した制御用サーキットボード１０８を内蔵したボー
ドケース１０９が取付板１１０を介して取り付けられて
いる。

【０００７】以上の構成において、バルブ取付板１０７
の下端部には止めネジ７０２によりアース７０１が取り
付けられている。この止めネジ７０２による取付位置は
なるべく下方が好ましく、ボードケース１０４やボード
ケース１０９等の電装品より下側に装着するのが望まし
い。更にこの実施例においては、浸水／傾斜検出センサ
８はベース１０１上に固定ネジ８０６によりネジ止めさ
れている。なお、この実施例では後述するようにアース
７０１は通常のアース機能の他に浸水検出機能を備えて
いるが、浸水／傾斜検出センサ８のみにより浸水検出を
行うようにしても良い。或いはセンサ８を設けずに、ア
ース７０１のみにより浸水検出を行うようにすることも
可能である。

【０００８】図３により漏電ブレーカ６の構成を説明す
る。本体１の電源コード５は接続端子６０１を介して漏
電ブレーカ６に接続している。電源コード５は電源供給
線６０２に接続し、電源プラグ７を介して商用電源に接
続し、サーキットボード１０３を介して循環ポンプ１０
２等を駆動するようになっている。一方電源プラグ７か
らの電源は電源トランス６０９で変圧され、整流ダイオ
ード６１０とコンデンサ６１１で直流に変換され、回路
電源Ｖａとしてリレー６０３、制御用ＩＣ６０５等に供
給されるように構成されている。本体１に止めネジ７０
２を介して設けられた前記アース７０１はそのままコン
セントのアース端子等に接続されるようになっている。
また前記浸水／傾斜検出センサ８は接続端子６０１を介
してフォトカプラ６１２に接続されている。

【０００９】電源供給線６０２には常閉のリレー６０３
が介装されており、トランジスタ６０６のオンオフによ
り開閉するようになっている。このトランジスタ６０６
のベース側は制御用ＩＣ６０５の出力側に接続されてお
り、制御用ＩＣ６０５の出力のオンオフに応じてトラン
ジスタ６０６がオンオフするように構成されている。制
御用ＩＣ６０５には電源供給線６０２に設けられたカレ
ントトランス６０４の出力が入力しており、電源供給線
６０２に流れる電流のアンバランス量を検出して制御用
ＩＣ６０５に出力するようになっている。従って、本体
１に漏電があり、アース７０１を経由して所定量を越え
た電流が流れると、カレントトランス６０４によりこれ
が検出され、制御用ＩＣ６０５の出力がＨからＬにな
り、トランジスタ６０６がオフとなって、リレー６０３
のコイルの通電を止めてリレーの接点を開として、本体
１への通電を遮断するようになっている。

【００１０】また制御用ＩＣ６０５はフォトカプラ６１
２と接続しており、浸水／傾斜検出センサ８から浸水の
検出信号があるとフォトカプラ６１２の発光ダイオード
がオンとなり、これに伴い制御用ＩＣ６０５の出力がＬ
に反転してトランジスタ６０６がオフとなり同様にリレ
ー６０３の接点を開として本体１への通電を遮断するよ
うになっている。

【００１１】なお、テストスイッチ６０７をオンとする
と抵抗６１３を介して電源供給線６０２が短絡して前述
の所定量以上の電流が流れ、リレー６０３の接点を開と
して通電を遮断できるようになっている。これにより漏
電ブレーカ６の機能のテストが可能になっている。また
リセットスイッチ６０８を一瞬押すことにより、電源Ｖ
Aを瞬間的にオフとして制御用ＩＣ６０５をリセットさ
せて、リレー６０３を閉状態に復帰させるようになって
いる。

【００１２】以上の構成において、図１の排水口９等が
詰まり本体１が浸水し、水面がベース１０１よりも高く
なると、バルブ取付板１０７を介してアース７０１は水
と接触する。更に水位が上昇し、例えばサーキットボー
ド１０３に水が触れると、漏電電流が水を介してバルブ
取付板１０７からアース７０１に流れ、これにより前記
したようにリレー６０３が開となって漏電ブレーカ６が
働いて本体１の通電が遮断される。一方、ベース１０１
上に装着された浸水／傾斜検出センサ８の浸水検出信号
も漏電ブレーカ６に入力され、前記したように同様に漏
電ブレーカ６を働かせて本体１への通電を遮断する。

【００１３】以上のように上記実施例では、アース７０
１或いは浸水／傾斜検出センサ８のどちらかの機能によ
り本体１が浸水した場合には漏電ブレーカ６が働いて本
体１への通電を遮断することが可能になる。そのため本
体１の内蔵電装部品の焼損等を防ぐことが出来、安全で
ある。また図１に示すように本体１を直接床面に設置で
き、電装部品のシール等も不要であるため、ローコスト
化が可能になる。なお、上記した浸水／傾斜検出センサ
８或いはアース７０１による浸水検出機能のどちらか一
方のみを備えるようにしても、上記効果を得ることが可
能である。

【００１４】図４にこの実施例で用いている浸水／傾斜
検出センサ８の構造を示す。前記ベース１０１に固定ネ
ジ８０６を介して固定される樹脂ケース８０４の内部に
下電極８０１と上電極８０３が設けられている。下電極
８０１と上電極８０３はそれぞれ図示するように断面Ｖ
字形状のすり鉢状の傾斜電極面８１０と傾斜電極面８１
１を備えており、下側の下電極８０１には導電性球体８
０２が載置されている。下電極８０１と上電極８０３と
は通常は絶縁されており、リード線８０５を介して図３
に示すように漏電ブレーカ６と接続されている。下電極
８０１には入排水口８０７が設けられており、また入排
水口８０７に連通して傾斜電極面８１０の表面には放射
状に溝８０９が形成され、浸水した水が入排水口８０７
からスムースに樹脂ケース８０４内部に侵入するように
なっている。また上電極８０３側には樹脂ケース８０４
外部に抜ける空気抜き孔８０８が設けられ、同様に水の
侵入が円滑に行われるようになっている。

【００１５】以上の構成において、図４の（Ｂ）、
（Ｃ）に示すように次第に水が樹脂ケース８０４内部に
侵入すると、この水により下電極８０１と上電極８０３
が導通して浸水を検出するようになっている。

【００１６】なお、この浸水／傾斜検出センサ８は傾斜
検出機能も備えており、図５の（Ｂ）に示すように所定
角度以上傾斜すると、導電性球体８０２が移動して下電
極８０１と上電極８０３の両方に接触して導通状態とし
て所定角以上の傾斜を検出するようになっている。この
ような構成の浸水／傾斜検出センサ８によれば、浸水と
共に所定角度以上の傾斜を検出できるから、２つのセン
サの機能を同時に満たすことができ、しかもコストの低
減を図ることも可能になる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように本発明の浴水循環濾
過装置の安全装置は、本体が浸水した場合には、該浸水
を確実に検出して漏電ブレーカにより本体への通電を遮
断することが可能になる。そのため本体の内蔵電装部品
の焼損等を防ぐことが可能になり安全を確保することが
できる。また本体を直接床面に設置でき、電装部品のシ
ール等も不要であるため、ローコスト化が可能になる等
の効果がある。また本発明の浸水／傾斜検出センサによ
れば、１つのセンサで浸水と所定角度以上の傾斜の検出
が可能であるから、ローコスト化が図れると共に、設置
スペースの節約等が可能になる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す外観斜視図。

【図２】本発明の一実施例における本体１を示す斜視
図。

【図３】本発明の一実施例における漏電ブレーカ６の回
路図。

【図４】本発明の浸水／傾斜検出センサの一実施例を示
す正断面図。

【図５】本発明の浸水／傾斜検出センサの一実施例の動
作説明図。

【符号の説明】

１：本体、２：配管、３：浴槽、４：吸排ユニット、
５：電源コード、６：漏電ブレーカ、７：電源プラグ、
８：浸水／傾斜検出センサ、９：排水口、１０１：ベー
ス、１０２：循環ポンプ、１０３：サーキットボード、
１０４：ボードケース、１０５：切替バルブ、１０６：
切替バルブ、１０７：バルブ取付板、１０８：制御用サ
ーキットボード、１０９：ボードケース、１１０：取付
板、６０１：接続端子、６０２：電源供給線、６０３：
リレー、６０４：カレントトランス、６０５：制御用Ｉ
Ｃ、６０６：トランジスタ、６０７：テストスイッチ、
６０８：リセットスイッチ、６０９：電源トランス、６
１０：整流ダイオード、６１１：コンデンサ、６１２：
フォトカプラ、６１３：抵抗、７０１：アース、７０
２：止めネジ、８０１：下電極、８０２：導電性球体、
８０３：上電極、８０４：樹脂ケース、８０５：リード
線、８０６：固定ネジ、８０７：入排水口、８０８：空
気抜き孔、８０９：溝、８１０：傾斜電極面、８１１：
傾斜電極面。

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【手続補正書】

【提出日】平成７年７月２１日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項３

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴水循環濾過装置本体の所定位置より上
   方への浸水を検出するための手段と、 該検出するための手段からの浸水検出信号に対応して、
   浴水循環濾過装置への通電を遮断するための手段と、 を備えたことを特徴とする浴水循環濾過装置。
2. 【請求項２】 前記浸水を検出するための手段が、浸水
   した水を介して本体をアースするための手段を有し、該
   アースするための手段により本体に流れる所定値以上の
   電流を検出することにより浸水を検出する、 請求項１に記載の浴水循環濾過装置。
3. 【請求項３】 前記浸水を検出するための手段が、一対
   の電極と、該電極間に侵水が介在した時に該電極間の導
   通を検出するための手段と、を有する、 請求項１に記載の浴水循環濾過装置。
4. 【請求項４】 所定の間隔をあけて設けられ、該間隔に
   浸水が介在可能な、一対の電極と、 該一対の電極の間に設けられ、該一対の電極の所定角度
   の傾斜により所定方向に移動し、該移動により該一対の
   電極の両方に接触して導通させる導体と、 を備えた浸水／傾斜検出センサ。
5. 【請求項５】 前記導体がボール状導体であり、 前記一対の電極の中の一方の電極が該ボール状導体をほ
   ぼ中央部に載置し、 該一方の電極の表面が該中央部から端部方向に向けて高
   くなるように傾斜する傾斜面となっている、 請求項４に記載の浸水／傾斜検出センサ。