JP3890960B2 - 感圧接着シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、親展性をもつ葉書やカード等の各種システムに用いられる感圧接着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、郵便法の改正に伴い必要情報を記録したシートを二つ折り、または三つ折りに折り畳み、親展性を持つ葉書システムが実用化され普及している。このような親展性を持つ葉書は、基材シートの一方の面に通常は接着性がなく、接着剤層同士を対向させた状態で加圧することにより接着性を示し、且つ接着後は再剥離することが可能な接着剤層を有する感圧接着シート(以下、親展葉書用紙ともいう)が使用される。
【0003】
通常、感圧接着シートは葉書として定形事項を印刷した後、個人情報などの秘密にしたい情報を接着剤層面に、宛先等を他の部分にプリンター等で印字し、ドライシーラー等で秘密情報を外部から見えないように加圧積層して親展葉書となる。親展葉書は受け取り人が該接着層より剥離することにより情報を得ることができ、一旦剥離すると該接着面は接着性がないので剥離前の状態にはならない葉書である。
【0004】
当初、親展性を保つ葉書システムは規模の比較的大きな印刷会社等により、親展葉書用紙に印刷、高速レーザープリンターで印字、ドライシーラーで圧着し、発送されていた。しかしながら、印刷方式がレーザープリンターから、さらに高速で、且つ多色印刷の可能な高速インクジェットプリンター方式に変化しつつある。
【0005】
インクジェット方式は、種々の記録方式によりインクの微少液滴を飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像、文字等の記録を行うものである。通常、記録シートには印字ドットの濃度が高いこと、色調が明るく鮮やかであること、色の沈みがないこと、インクの吸収が早くて印字ドットが重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだりせず、横方向への拡散の少ないことが要求されている。
【0006】
従来の親展葉書用紙は、接着剤層に含まれる接着剤組成物として変性天然ゴムや(メタ)アクリル樹脂系の樹脂を使用している。しかしながら、このような樹脂は高速インクジェットプリンターの水性インクに対する親和性がないため、充分な印字濃度が得られず、また、印字された文字および画像の耐水性も不充分であり、水により流れ落ちてしまう欠点があった。
【0007】
インクジェットインキに含まれるアニオン性の染料を定着する目的で、基材シートと接着剤層の間にカチオン性の化合物の下塗り層を設けたり、接着剤層に、カチオン性コロイダルシリカ、又はカチオン性の化合物を含有せしめるなどが検討されている。
例えば、特開平9−39378号公報には、感圧接着剤層に第4級アンモニウム基あるいは第3級アミノ基を有するカチオン性化合物を添加する方法が報告されているが、このようなカチオン性の成分は、接着剤層に含まれるアニオン性のゴム系あるいはアクリル系の接着剤と混和すると不安定となり、加圧時に十分な接着力、或いは再剥離性が得られない等の不都合が生じていた。
【0008】
上記課題は記録用のインクを耐水性のある顔料系インクに変更することで解決したと思われていたが、顔料系インキはインキの流動性が悪く、染料系に比べて比較的乾燥しやすいため、高速印字を行うとノズル詰まりが頻繁に発生する等の問題があった。その対策としてライン速度を染料系と比較して1/3〜1/4程度で印字せざるを得ず、高速インクジェットプリンターの性能が充分発揮されていない。
また、顔料系のインクで印字した場合、大部分の顔料が接着剤層の表面にとどまるために、圧着した後に剥離すると顔料が対向した貼り合わせ面に転移しやすいという問題を生じている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は親展葉書用紙をインクジェット対応用紙にするため、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を感圧接着剤層に含ませることにより、親水性を付与しインクジェット印字適性を向上させることを検討したが、水溶性樹脂の添加は接着力の低下をもたらし、また水に浸漬したときの塗膜強度が著しく低下する等の問題点があった。
本発明の目的は、経時での接着力の安定性に優れ、またインクジェットプリンター印字適性に優れ、特に印字のにじみが少なく、印字の耐水性に優れ、かつ親展葉書用紙としての接着性、再剥離性を満足する感圧接着シートを安価に提供することにある。
【0010】
【発明が解決しようとする手段】
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、エチレン-酢酸ビニル系共重合樹脂を感圧接着剤層中に含有せしめ、感圧接着剤層表面に滴下した水滴の10秒後の接触角が100°以下にすることにより、インクジェット印字適性がよく、カチオン性のインキ定着剤化合物に対しても安定で、充分な耐水性と適正な接着力をもつ感圧接着シートを得ることが出来た。また該感圧接着シートの接着力は経時的に安定でかつ、紫外線等による劣化も少なかった。
【0011】
本発明は下記の態様を含む。
[1]基材シートの少なくとも一方の面に感圧接着剤および接着力コントロール剤を含有する感圧接着剤層を有し、該感圧接着剤層が、感圧接着剤層同士を対向させた状態で強圧処理をすることにより接着でき、その接着面は剥離可能である感圧接着シートにおいて、
該感圧接着剤層中に、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂をシードとし、アクリル樹脂をシード重合させてなる複合化樹脂が含有されている感圧接着シート。
[2]感圧接着剤層表面に滴下した水滴の10秒後の接触角が100°以下であることを特徴とする請求項1記載の感圧接着シート。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる感圧接着シートは、基材シートの少なくとも一方の面に設けられた感圧接着剤層中に感圧接着剤および接着力コントロール剤を含み、加圧する前の通常状態では接着性を示さず、且つ、感圧接着剤層同士を対向させた状態で、500Kg/cm2程度に加圧処理をすることにより接着でき、その接着面は再剥離可能である感圧接着剤層を有する。即ち、▲1▼基材シートの片面にのみ、再剥離性を有する感圧接着剤層表面(以下、再剥離面と称する)を形成する構成、▲2▼基材シートの両面に再剥離性を有する感圧接着剤層(再剥離面)を形成する構成、▲3▼基材シートの片面に再剥離性の感圧接着剤層(再剥離面)を設け、他の面に再剥離性のない面(以下、永久接着面と称する)とする構成等が含まれる。
【0013】
なお、再剥離面、永久接着面とも、通常の状態では感圧接着性を示さず、ドライシーラー等で加圧積層することにより接着する。例えば、再剥離面に、隠匿しようとする情報を記録した後、その情報が隠れるようにシートを折り畳み、或いは別のシートを重ね合わせ、再剥離性の感圧接着剤層同士が対向するようにして加圧処理することにより、内部に情報を持つ積層シート(例えば葉書、くじなど)となる。
【0018】
本発明の効果は、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂は、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂をシードにしてアクリルモノマーをシード重合した、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂とアクリル樹脂の複合樹脂、所謂アクリル変性エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂である。この場合、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂単独よりも、インクジェット印字適性を損なわずに、接着力を高く出来るので望ましい。
【0019】
シード重合は、前記エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂をシードエマルジョンとして、重合開始剤の存在下で、アクリルモノマーを重合させることによって行われる。シードエマルジョンとして用いるエチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂は界面活性剤によって乳化されたものであってもよく、またポリビニルアルコール等を保護コロイドとして用いたものであってもよい。
即ち、種(シード)となるポリマーのエマルジョン粒子の存在下でアクリルモノマーを重合させ、得られるアクリルポリマーをシードポリマー粒子の内部或いは周囲に成長させる。
【0020】
シード重合させるアクリルモノマーの量は、シードエマルジョンのエチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂固形分1質量部に対し0.1〜8質量部が望ましい。さらに好ましくは0.2〜4質量部が望ましい。0.1質量部より少ないと複合化の効果が充分得られない可能性があり、8質量部より多いとインクジェット印字適性が損なわれる恐れがある。
【0021】
シード重合させるアクリルモノマーは、通常アクリル系感圧接着剤合成時に用いられるものを用いることができ、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリル酸エステル類が好適に用いられる。
【0022】
上記(メタ)アクリル酸エステル類としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸エステル類は単独で用いてもよく、また数種類を組み合わせて用いてもよい。尚、(メタ)アクリル酸エステル類はメタアクリル酸エステル類又はアクリル酸エステル類を表す。
【0023】
前記(メタ)アクリル酸類としてはアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシアルキル基をもつビニル化合物等、カルボキシル基を持つ不飽和重合性単量体が挙げられる。
【0024】
前記アクリル系モノマーのシード重合の際に用いられる重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、2,2’−ジアミジノ−2,2’−アゾプロパンジ塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物が例示できる。また、公知のレドックス系開始剤、例えば過硫酸カリウムと亜硫酸水素ナトリウムまたは3級アミンとの組合せ等を用いることもできる。重合は、通常10〜100℃、好ましくは40〜90℃で、3〜20時間程度行われる。この重合反応は窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気中で行うのが好ましい。感圧接着剤中の重合開始剤の配合割合は、0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%である。
【0025】
従来、感圧接着シート用接着剤組成物としては変性天然ゴム系接着剤が広く用いられてきたが、原料が天然ゴムの為に、経時や紫外線によって劣化が進み接着力が低下する欠点があった。これに対し、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂および、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂をシードにしてアクリルモノマーをシード重合した、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂とアクリル樹脂の複合樹脂を感圧接着剤として用いると、接着力が紫外線等によって低下することがすくなく、経時的にも安定した感圧接着シートが得られる。
【0026】
再剥離面の感圧接着剤層中の感圧接着剤配合量は、固形分質量として5〜50質量%が好適である。5質量%未満の場合、感圧接着剤層の接着強度が弱くなる恐れがあり、50質量%を越えると、感圧接着剤層表面の顔料を被覆してしまいインク吸収性が低下し、インクジェット適性が低下する恐れがある。
一方、永久接着剤層中の感圧接着剤配合量としては、固形分質量で30〜70質量%程度である。因みに30質量%未満では再剥離性を示してしまい、70質量%を越えるとブロッキングが生じやすくなる。
【0027】
エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂および、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂をシードとしてアクリル樹脂をシード重合により複合化させた樹脂は、感圧接着剤だけでなく感圧接着層中のバインダー樹脂として用いることも出来る。
【0028】
エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂および、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂をシードとしてアクリル樹脂をシード重合により複合化させた樹脂を、接着力コントロール剤のバインダー樹脂として用いる場合の配合量は、感圧接着剤層固形分に対して30質量%以下が好適である。下限は特にないが、3質量%以上が好ましい。バインダー樹脂の配合量が30質量%をこえると、充分な接着力がえられない。
【0029】
エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂および、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂をシードとしてアクリル樹脂をシード重合により複合化させた樹脂をバインダー樹脂として用いた場合、インクジェット印字適性が良好なため、感圧接着剤として、インクジェット印字適性の良くない従来の親展葉書用に用いられてきた材料を用いることも出来る。例えば、天然ゴム、変性天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等の合成ゴム、アクリル酸エステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂などが例示できる。特にインクジェット記録適性からすると、インキ定着用のカチオン性樹脂を添加した際に凝集を起こさない感圧接着剤、即ちアニオン性を示さない感圧接着剤が好適である。
【0030】
アニオン性を示さない感圧接着剤としては、例えば、上記樹脂を重合する際にノニオン系界面活性剤を用いて重合した接着剤等が挙げられる。ここで、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のアニオン性を示さない親水基と疎水基を有する界面活性剤が挙げられる。さらにノニオン系界面活性剤は分子中に炭素−炭素二重結合を有する、いわゆる反応性乳化剤等であってもよい。炭素−炭素二重結合としては、例えば、(メタ)アリル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、(メタ)アクリロイル基等の官能基が挙げられる。該反応性乳化剤の具体例としては、例えば、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシプロピレンアルキルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体アルキルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体アルキルフェニルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンランダム共重合体アルキルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンランダム共重合体アルキルフェニルエーテル等が使用できる。
【0031】
さらに、アニオン性を示さない感圧接着剤として前記感圧接着剤樹脂を重合する際にカチオン性モノマーを共重合したカチオン性の接着剤であってもよい。ここで、カチオン性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの1級アミン類およびその付加塩類、(メタ)アクリル酸エステルの2級アミン類およびその付加塩類、(メタ)アクリル酸エステルの3級アミン類およびその付加塩類、(メタ)アクリル酸エステルの4級アンモニウム塩類、(メタ)アクリル酸ピリジルアルキルエステル類およびそのピリジニウム塩類、(メタ)アクリル酸ピリジルアルキルエステルのN−置換ピリジニウム塩類、ビニルピリジン類およびそのピリジニウム塩類等が挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸メチルエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸エチルブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸エチルベンジルアミノエチルおよびその付加塩類、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロリド塩、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピルエピクロルヒドリン付加塩類、(メタ)アクリル酸ピリジルエチル、(メタ)アクリル酸ピリジルプロピル、(メタ)アクリル酸ピリジルブチルおよびその付加塩類、(メタ)アクリル酸メチルピリジニウムエチルクロリド、(メタ)アクリル酸メチルピリジニウムエチルブロミド、(メタ)アクリル酸ブチルピリジニウムエチルクロリド、(メタ)アクリル酸メチルピリジニウムプロピルクロリド、(メタ)アクリル酸ベンジルピリジニウムエチルクロリド、ビニルピリジンおよびその付加塩類、N−メチルビニルピリジニウムクロリド、N−エチルビニルピリジニウムクロリド、N−フェニルビニルピリジニウムクロリド、モノアリルアミンおよびその付加塩類、ジアリルアミンおよびその付加塩類等が好ましく用いられる。なお、上記の付加塩類としては塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、スルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩が挙げられる。その中でも、1級アミノ基またはその付加塩類を有するカチオン性モノマーおよび2級アミノ基またはその付加塩類から選択された少なくとも1種のカチオン性モノマーを共重合可能な他のアクリル系モノマーと共重合させたものが印字の耐水性、耐熱性、耐摩擦性の点から好適である。
【0032】
接着剤層中にはアニオン性のインクジェットインキ染料を定着する目的で、カチオン性の化合物を添加してもよい。本発明に用いるカチオン性化合物としては、1級アミノ基またはその付加塩類および/または2級アミノ基またはその付加塩類を有するカチオン性化合物が好ましく、モノアリルアミン、モノアリルアミン付加塩、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1級アミン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1級アミン付加塩類、これらの化合物から誘導される1級アミノ基を含有する誘導体や、これらを含むオリゴマーおよびポリマーおよび/またはジアリルアミン、ジアリルアミン付加塩、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの2級アミン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの2級アミン付加塩類、これらの化合物から誘導される2級アミノ基を含有する誘導体、これらを含むオリゴマーおよびポリマー等が挙げられる。特にジアリルアミンと(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が好ましい。ジアリルアミンと(メタ)アクリルアミドの共重合体がさらに好ましい。なお、上記の付加塩としては塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、スルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩が挙げられる。
【0033】
接着力コントロール剤は製造時および取扱時には再剥離層が接着せず、シーラー等で加圧された時のみ塗工面が接着し、圧着後適当な剥離力で剥離できるように接着力を調整する目的で感圧接着剤層中に含ませる。接着力コントロール剤としては、無機及び有機顔料が使用できる。例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、ゼオライト、炭酸カルシウム、クレー、酸化アルミ、小麦澱粉、シリカ、アルミナ、γ−アルミナ、コロイダルシリカ、アルミノシリケート、プラスチックピグメント、またポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。その中でも、小麦澱粉、シリカ等が接着力のコントロールに適しており、好適に用いられる。
【0034】
また、小麦澱粉はブロッキング防止の目的でスペーサー的に使われる。シリカはインク受容性に優れるので、印刷適性、インクジェット記録適性を改善するので好ましい。フッ素系樹脂はインクの滲みを防止する効果が高い。さらに酸化チタンは隠蔽効果が高く、シリカと混合することにより隠蔽効果が高くなる。接着力コントロール剤は、無機顔料と有機顔料を併用することがより好ましい。なお、無機又は有機顔料の粒径としては1〜50μm程度のものが使用される。
【0035】
接着剤層にはエチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂以外のバインダー樹脂が含まれていてもよい。バインダー樹脂としては特に限定されないが、(メタ)アクリル樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、スチレン−ブタジエンゴム等の各種ラテックス、スチレン樹脂、ウレタン系樹脂等の各種樹脂エマルジョン、ポリビニルピロリドン系樹脂、各種のカチオン性樹脂、ポリビニルアルコール、各種変性ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の水溶性樹脂等を用いることが出来る。特に、インクジェットインキ受容適性の面からノニオン系、カチオン系の樹脂が好適に用いられる。
【0036】
インクジェットインキ受容適性を高めるために感圧接着剤層の中からアニオン性を示す成分を除いた場合、基材シートと感圧接着剤層との密着性が悪くなるが、1分子内にカチオン性官能基およびアニオン性官能基を有する両性樹脂をバインダー樹脂として配合することにより飛躍的に密着性を改善することができる。これは、前記両性樹脂は、種々の顔料との混和性が良く、かつ顔料との強い接着性を示すので、形成した接着剤層の密着性が改良できるものと思われる。
この両性樹脂とは、1分子内にカチオン性官能基とアニオン性官能基を併せもつものである。この両性樹脂とは、例えば、特開昭54−30910号公報(紙塗被用組成物、特にオフセット印刷における多色印刷時のインク転移性を改善した組成物を提供する。1分子中にアミノ基とカルボン酸の両方を含むラテックスが記載されている)、特開昭63−90521号公報(不純物含有量の少ない両性重合体粒子の製造方法を提供する。低級アルコール中でエチレン系不飽和アミンモノマー、エチレン系不飽和カルボン酸モノマー、ノニオン性エチレン系不飽和アミドモノマーをラジカル重合させる方法が記載されている)等に記載されている方法によって製造することができる。
【0037】
なお、本発明に用いるエチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂以外のバインダー樹脂の配合量は、感圧接着剤層固形分に対して0〜40質量%であり、0〜30質量%が好ましい。ちなみに、配合量が40質量%を越えると、加圧処理の際の接着性が低下し、感圧接着シートとしての機能が損なわれる恐れがあり、また印字の耐水性も劣る恐れがある。
【0038】
なお、三つ折りに折り畳むタイプの葉書(以下、三つ折り葉書ともいう)の場合、永久接着面の接着剤層も葉書の表面を形成することがあるので、永久接着面の接着剤層中にもエチレン-酢酸ビニル系共重合樹脂、シリカ等の無機顔料、カチオン樹脂を含有させ、インクジェット記録適性を付与することが好ましい。
【0039】
更に、感圧接着剤層には、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、デキストリン、澱粉、変性澱粉、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アクリル酸アルキルエステル共重合体、ウレタン系共重合体等の親水性高分子を配合すると、感圧接着剤層と基材との密着性やカチオン性化合物との混和性が改善されるので好ましい。親水性高分子を配合する場合、感圧接着剤層固形分の15質量%以下にすることが好ましい。15質量%を超えての配合は、塗液の粘度上昇および接着性の低下となる恐れがある。
【0040】
なお、感圧接着剤層には、添加剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、カチオン性、ノニオン性または両性の界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤、耐水化剤などが適量配合できる。
【0041】
本発明に用いる基材シートについては特に限定するものではないが、上質紙、中質紙、アート紙、コート紙等の紙類、合成紙、合成樹脂フィルム、金属箔、不織布等を用いることができ、これらは積層されたり、表面処理されたりしたものを用いてもよい。その中でも紙類が安価なため好ましく使用される。勿論、紙類には古紙パルプを含んでいても良く、抄紙方法なども特に限定されるものではない。
【0042】
また、接着剤層塗工後の巻き取りにおいて、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.37−81法に規定される巻硬さの標準偏差が5Kgf・m以下であることが好ましい。巻硬さの標準偏差の最大値が5Kgf・mを超えると、感圧接着剤層を塗工した際、不必要な紙の変形が起こり、左右で紙の寸法が異なり、このような巻き取りを、フォーム印刷機を使って高速印刷すると、シワが発生したり、見当ズレが発生するなどトラブルの原因となることがある。
【0043】
感圧接着剤層塗料を基材表面に塗布する方法は特に限定されないが、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーターなどが用いられる。その中でも、エアーナイフコーター、バーコーター、グラビアコーターなどが好ましい。塗工量としては2〜30g/m2の範囲であるが、好ましくは3〜15g/m2の範囲である。
【0044】
上記接着剤層を塗工した本発明の感圧接着シートは、塗工層表面に水を滴下し、10秒後の接触角が100°以下になる様に調節することが非常に重要である。因みに、接触角が100°を越えると、インクジェットプリンターで使用されるインクの濡れが悪くなり、インクドットが広がらず、印字濃度が低下してしまう。この場合、インキが接着剤層表面に浮いた状態となるので印字部の耐水性が非常に低下する。逆に接触角が10°未満であると印字の滲みが強くなり望ましくない。好ましくは15°〜95°、より好ましくは20°〜90°で、最も好ましくは30°〜90°である。
【0045】
上記の接触角を調節する方法としては、接着剤、カチオン性化合物、接着力コントロール剤等の種類、配合量、塗布量、乾燥条件、表面平滑性を適切な範囲に適宜調節することによって行う。
特に、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂、およびエチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂をシードとしてアクリル樹脂をシード重合により複合化させた樹脂を感圧接着剤層の構成材料として使用した場合は、これらの樹脂が従来用いられてきた変性ゴム系感圧接着剤やアクリル系の感圧接着剤に比べて親水性が高いために、感圧接着剤層の接触角を100°以下に制御することが容易になる。
【0046】
以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。実施例において示す「部」及び「%」は夫々質量部及び質量%である。
【0047】
【実施例】
比較例1
〔再剥離性感圧接着剤層の形成〕上質紙(坪量81.3g/m2,OKH70,王子製紙社製)の片面に、以下の配合の感圧接着剤用塗料をメイヤーバーにて固形あたり10g/m2塗工し、熱風乾燥機にて100℃の温度で1分間乾燥した。
「感圧接着剤用塗料組成」
配合量
エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン(リカボンドBE820,中央理化工業社製、Tg−20°) 40質量部
2級アミノ基の塩酸塩を含有する樹脂であるジアリルアミン塩酸塩とアクリルアミドの共重合体 (スミレーズレジン1001,住友化学工業社製) 4質量部
SBR系ラテックス(ニッポール Lx−416,日本ゼオン社製) 20質量部
小麦デンプン(AS−225,千葉澱粉社製) 10質量部
沈降性合成シリカ(ミズカシルP−526,水沢化学工業社製) 35質量部
助剤(分散剤,滑剤,消泡剤) 1質量部
【0048】
〔永久接着性感圧接着剤層の形成〕
上記再剥離性感圧接着剤塗料を塗工した上質紙の反対面に、以下の配合の永久接着面用塗料をメイヤーバーにて固形あたり10g/m2塗工し、熱風乾燥機で100℃の温度にて1分間乾燥し感圧接着シート(三つ折り葉書用親展葉書用紙)を得た。
【0049】
【実施例】
実施例1
再剥離性感圧接着剤層用塗料組成でエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂をシードにしてアクリル樹脂(エチルアクリレート)をシード重合させた樹脂エマルジョン(OLY3817−2,昭和高分子社製、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂/エチルアクリレート樹脂の質量比7/3、Tg−3℃)に置き換えた以外は比較例1と同様にして、感圧接着シート(三つ折り葉書用親展葉書用紙)を得た。
【0050】
比較例2
再剥離性感圧接着剤層塗料組成を下記再剥離性感圧接着剤層用塗料配合に置換えた以外は比較例1と同様にして、感圧接着シート(三つ折り葉書用親展葉書用紙)を得た。
「再剥離性感圧接着剤層用塗料配合」
配合量
ノニオン性ポリエチルアクリレート樹脂(OLZ1140−2,昭和高分子製)
40質量部
2級アミノ基の塩酸塩を含有する樹脂であるジアリルアミン塩酸塩とアクリルアミドの共重合体 (スミレーズレジン1001,住友化学工業社製) 4質量部
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(OLY3597、昭和高分子社製、Tg=−3℃)
20質量部
小麦デンプン(AS−225,千葉澱粉社製) 10質量部
沈降性合成シリカ(ミズカシルP−526,水沢化学工業社製) 35質量部
助剤(分散剤,滑剤,消泡剤) 1質量部
【0051】
実施例2
再剥離性感圧接着剤層塗料組成でバインダー樹脂のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂をシードにしてアクリル樹脂(エチルアクリレート)をシード重合させた樹脂エマルジョン(OLY3817−2、昭和高分子社製、EVA/エチルアクリレート樹脂の質量比7/3、Tg=−3℃)に置き換えた以外は比較例2と同様にして、感圧接着シート(三つ折り葉書用親展葉書用紙)を得た。
【0052】
実施例3
再剥離性感圧接着剤層用塗料を下記の配合にした以外は比較例1と同様にして、感圧接着シート(三つ折り葉書用親展葉書用紙)を得た。
「再剥離性感圧接着剤層用塗料配合」
配合量
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂をシードにしてアクリル樹脂(エチルアクリレート)をシード重合させた樹脂エマルジョン(OLY3817−2,昭和高分子社製、EVA/エチルアクリレート樹脂の質量比7/3、Tg=−3℃) 40質量部
2級アミノ基の塩酸塩を含有する樹脂であるジアリルアミン塩酸塩とアクリルアミドの共重合体 (スミレーズレジン1001,住友化学工業社製) 4質量部
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(OLY3597、昭和高分子社製、Tg=−3℃)
20質量部
小麦デンプン(AS−225,千葉澱粉社製) 10質量部
沈降性合成シリカ(ミズカシルP−526,水沢化学工業社製) 35質量部
助剤(分散剤,滑剤,消泡剤) 1質量部
【0053】
比較例3
再剥離性感圧接着剤層用塗料の、感圧接着剤であるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を、ノニオン性アクリル樹脂(リカボンドAP−P0022−9,中央理化工業社製)にした以外は比較例1と同様にして、感圧接着シート(三つ折り葉書用親展葉書用紙)を得た。
【0054】
比較例4
再剥離性感圧接着剤層用塗料の、バインダー樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を、スチレンブタジエン系ゴムラテックス(ニッポールLX416、日本ゼオン社製)にした以外は比較例2と同様にして、感圧接着シート(三つ折り葉書用親展葉書用紙)を得た。
【0055】
比較例5
再剥離性感圧接着剤層用塗料の、感圧接着剤であるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を、MMA変性天然ゴム系樹脂(フルタイトOJB,三井ソルベントコーティング社製)にした以外は比較例1と同様にして、感圧接着シート(三つ折り葉書用親展葉書用紙)を得た。
【0056】
「評価方法」
(1)感圧接着剤層の基材シートとの密着性
感圧接着剤層を指で擦り、基材シートとの密着性を目視評価した。
◎:接着剤層が全く剥がれない。
○:接着剤層が一部剥がれる。
△:接着剤層が若干剥がれるが、実用上問題ないレベルである。
×:接着剤層が剥がれてしまい、実用上問題となるレベルである。
【0057】
(2)印字の耐水性評価
インクジェットプリンターMJ−810C(セイコーエプソン社製)を用いてイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを感圧接着剤層面に印字し、水中に2分間浸けた際のインキのにじみを目視で評価した。
◎:にじみがなく優れている。
○:にじみが殆どなし。
△:若干にじみが認められるが、実用上問題なし。
×:にじみがあり、実用上問題がある。
××:にじみが顕著
(3)印字濃度評価
インクジェットプリンターMJ−810C(セイコーエプソン社製)を用いてブラックを感圧接着剤層に印字し、マクベス濃度計(RD−914)にて評価した。
(4)接触角評価
水に対する接触角は、20℃、65%RH雰囲気下で感圧接着剤層に水を滴下後10秒で測定した。接触角測定装置は、FIBRO system ab社製ダイナミックコンタクトアングル・アブソープションテスター FIBRO DAT 1100を用いた。
【0058】
(5)接着力の安定性評価
感圧接着シートを3ヶ月室温にて放置したのち圧着し、剥離力を測定し放置前の剥離力と比較した。
○:変化が無く、安定である。
△:若干接着力が低下するが、問題無いレベルである。
×:接着力の低下が著しく、実用に耐えないレベルである。
(6)再剥離感圧接着剤層面の接着性・再剥離性
ドライシーラー(トッパンフォームズ社製)を用い、得られた三つ折り葉書用試料を適切な大きさに断裁し、再剥離性感圧接着剤層面同士が対向するようにZ折りして、23℃、65%RHの温湿度条件で24時間調湿した後、ロール間隙を150μmに設定したプレスロールを通過させて圧着し、親展葉書を作製した。得られた親展葉書をT型剥離で再剥離し、剥離の状態および剥離した面の状態を評価した。
○:再剥離する。良好。
△:再剥離するが接着力が弱いか、又は一部基材破壊がおきるが、実用上問題ないレベル。
×:基材破壊が起きるか、又は接着力が低く剥がれ、実用上問題となるレベル。
【0059】
(7)インクジェット適性評価
インクジェットプリンターMJ−810C(セイコーエプソン社製)を用いてイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを網点印字し、実体顕微鏡でドットの形状を観察しインキのにじみを目視で評価した。
◎:ドットの形状に崩れはなく、全く問題はなし。
○:ドットの形状に崩れが殆どない。
△:ドットの形状に若干崩れはあるが、実用上問題なし。
×:ドットが大きく崩れ、実用上問題がある。
【0060】
(8)総合評価
親展葉書用紙としての総合評価を行った。
◎:親展葉書用紙として非常に優れている。
○:親展葉書用紙として優れている。
△:親展葉書用紙として若干問題があるが、実用上問題ないレベルである。
×:親展葉書用紙として問題があり、実用出来ないレベルである。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】
本発明による基材シートと少なくとも一方の面に再剥離可能な接着剤層を備えた感圧接着シートにおいて、該感圧接着剤層中にエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂をシードにしてアクリル樹脂をシード重合させた樹脂を含有させ、該感圧接着剤層の水滴下10秒後の接触角を好ましくは100°以下とすることにより、インクジェットプリンター適性、特に印字濃度が高く、印字の耐水性に優れ、かつ親展葉書用紙とした場合の接着、再剥離性を満足する感圧接着シートが得られる。また、上記エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂がアニオン性を示さないので各種カチオン性化合物を配合した塗料の安定性に優れている。
Claims (2)
- 基材シートの少なくとも一方の面に感圧接着剤および接着力コントロール剤を含有する感圧接着剤層を有し、該感圧接着剤層が、感圧接着剤層同士を対向させた状態で強圧処理をすることにより接着でき、その接着面は剥離可能である感圧接着シートにおいて、
該感圧接着剤層中に、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂をシードとし、アクリル樹脂をシード重合させてなる複合化樹脂が含有されている感圧接着シート。 - 感圧接着剤層表面に滴下した水滴の10秒後の接触角が100°以下であることを特徴とする請求項1記載の感圧接着シート。
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