JP3889950B2 - 自動車用エアーバッグ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車両の衝突時に助手席や運転席等の車内にいる乗員を正面衝突や側面衝突の衝撃から保護して、安全性を確保するための自動車用エアーバッグ装置に関し、特に、エアーバッグの膨張展開時に破断される内装パネルカバーなどの表面パネルを補強する補強構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両に適用される助手席用,運転席用及び左右側柱用等のエアーバッグ装置は、基本的に、エアーバッグと、このエアーバッグを折り畳んだ状態で収容するエアーバッグケースと、エアーバッグを膨張展開するインフレータを備え、このエアーバッグ装置は車両内装パネルカバーの内側に配設される構成になっている。
自動車の内装パネルカバーは、一般的にポリプロピレン等の合成樹脂材により一体成形されたパネルコアーの表面を覆うポリプロピレン等の合成樹脂製のインストルメントカバーから構成される。
【0003】
従来の助手席用エアーバッグ装置は、インフレータからのガスにより膨張展開されるエアーバッグを折り畳んだ状態で収容するエアーバッグケースを備え、このエアーバッグケースの開口部と相対向して内装パネルカバーに形成した開口部には、内装パネルカバーとは別体構成で柔軟性のある合成樹脂により成形した開放蓋が装着されており、この開閉蓋はエアーバッグの膨張展開時に、エアーバッグケースの開口部に対向して配設された開放蓋の内面に形成した中央溝及び周辺溝から観音開き状態に破断開口し、この破断開口部からエアーバッグが突出して膨張展開するようになっている。
【0004】
また、従来図1及び図2に示すような、破断開放部の破断溝を見えにくくしたシームレスタイプの助手席用エアーバッグ装置が提供されている。
即ち、図1及び図2において、内装パネルカバー3には、図示しないレーザ発生手段からパルス状に発生するレーザを、内装パネルカバー3の裏面側からその裏面に固着する一対の補強板材10,10の外形縁部に沿って相対移動しながら内装パネルカバー3の裏面に照射することにより、内装パネルカバー3の裏面に対して直角方向に形成された長尺方向の前,後ヒンジ溝30aと中央破断溝30b及び短尺方向の破断用溝30cを設けることで、エアーバッグケース5の開口部5aの大きさに対応するエアーバッグ膨張展開用の破断開放部30が形成されている。
また、前記破断開放部30は長尺方向及びそれと直角方向に形成した中央破断用溝30b,短尺の破断溝30cによって、前,後破断開放部31,32となりエアーバッグ膨張展開時に、それぞれ前記前,後ヒンジ溝30aを介して観音開き状態に破断開口される構成になっている。
【0005】
前記内装パネルカバー3の破断開放部30は、エアーバッグ膨張展開時にエアーバッグ4の展開圧力により開放される際、前記前,後ヒンジ溝30aが前記内装パネルカバー3より切り離されてしまう場合がある。そのため前記内装パネルカバー3の前記破断開放部30の裏面には、前記一対の補強板材10,10の一端水平部が溶着等の手段により固着され、その各他端10a,10aが、ヒンジ部11,11を介して折り曲げられて垂下され、この各他端10a,10aを、前記エアーバッグケース5の開口部5aの外周寸法より僅かに大きな内周寸法を有するようにして前記内装パネルカバー3の裏面に一体成形された枠状の補強リブ12の前,後壁とともに、前記ケース5の前,後壁面5b,5bに取り付けられたフック部36に係止する構成とすることで、エアーバッグ膨張展開時に観音開きされた内装パネルカバー3の破断開放部30が飛散しないようにして、前記従来の別体構成の開放蓋を備えた自動車用エアーバッグ装置の外観意匠性を改善したものである。
なお、前記前,後破断開放部31,32の開放を阻害しないようにするため、前記一対の補強板材10,10の各他端10a,10aのフック係止用穴10b,10bは大きめに設定されており、前記前,後破断開放部31,32の開放と共に、前記各他端10a,10aの上方への移動を可能にし、エアーバッグ膨張展開時の展開圧力を吸収できるようにしている。13は、前記一対の補強リブ12の前記内装パネルカバー3の裏面連結部分に形成した薄肉部で、内装パネルカバー3の成型時に表面側にヒケが出にくいようにするためのものである。
【0006】
上記のように構成された自動車用エアーバッグ装置においては、車両が衝突した際には、その衝突時の衝撃力をセンサで検出し、このセンサで検出した衝撃力が予め定めた値以上になった否かをCPU等からなる制御装置で判定し、設定値以上と判定された時に制御装置から出力される信号によりインフレータを動作させて所定のガスを発生させ、このガスをエアーバッグに供給することにより、エアーバッグを急速に膨張展開させる。
すなわち、エアーバッグが膨張展開することにより、その圧力で内装パネルカバー3の破断開放部30が内側から押圧されると、破断開放部30の破断用溝30b,30cが破断され、前,後ヒンジ溝30aを介して観音開き状態に展開される。そして、観音開き状態に展開された前,後破断開放部31,32は各補強板材10,10のそれぞれのヒンジ部11によって展開が補強される。
これと同時に、エアーバッグ4は開かれた破断開放部30から内装パネルカバー3の外方へ膨張展開され、この膨張展開されたエアーバッグの緩衝作用で、助手席の乗員の頭部或いは 胸部等を支えることにより、乗員を車両衝突時の衝撃力から保護するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の装置においては、内装パネルカバー3の破断開放部30が設けられている開口周縁の下方裏面には補強板材10,10や補強リブ12が設けられているものの、これら補強板材10,10や補強リブ12は、エアーバッグケース5の組付性や前,後破断開放部31,32の開放容易性のため、フック部36との係合に上下方向にガタが設けられており、内装パネルカバー3の上面すなわち表面側からの押圧力を支持する構造にはなっておらず、乗車中に誤って上面より負荷を掛けると前,後ヒンジ溝30aや中央破断溝30bおよび破断溝30cが破断されてしまう等、破断開放部30が凹状にへこんだり、開口周縁が変形したりして内装パネルカバーの外観が損なわれるという問題点がある。
また、前記内装パネルカバー3の破断開放部30は、内装パネルカバー3の裏面側から表面側に向けて直角に突き抜ける中央破断溝30bおよび破断溝30cを形成することにより構成され、この破断開放部30の裏面には、中央破断溝30bを挟んで破断開放部30の前後方向から伸びる一対の補強板材10,10が溶着により固定されており、さらに、破断溝30cを挟んで前記補強板材10,10と補強リブ12が形成されているため、エアーバッグ膨張展開時においては、破断開放部30の破断溝30b,30cの破断部はスムーズに展開され破断形状にあまり問題となるような破断面、例えば、ぎざぎざによってシャープなエッジを形成する等の不都合は生じないが、エアーバッグ膨張出力が大きい大型装置の場合には、破断開放部30の裏面に溶着された補強板材10,10のヒンジ部11,11へ押上展開圧力が作用するため、ヒンジ部11,11が伸びきりヒンジ部11,11と対応する破断開放部30の開口縁を膨張展開初期は、ヒンジ部中央のみが押し上げられヒンジラインが湾曲し、破断開放部を折り曲げにくくしたり、破断開放部30の裏面に溶着された補強板材10,10との溶着部に剥がれる発生し、また、展開後期ではヒンジ部が開口縁の外側に押し広げられるようになることで、開口縁に広がり割れやシャープなエッジが発生する不具合がある。
【0008】
本発明は、上記のような従来の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、車両の内側フロント部や側柱部、ハンドル中央部等を覆う表面パネルの破断開放部及びその外周縁近傍の外方からの押圧負荷に対する耐圧性を向上できると共に、エアーバッグケースを含む諸部品の内装パネルカバー裏面への組み付けを容易にし、かつ破断開口部の広がり割れや、破断面にシャープなエッヂを生じにくくし、併せて廃車時におけるエアーバッグ部品等の取り外し、特に産業廃棄物となるインフレータの取り外しを容易にした自動車用エアーバッグ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明の請求項1に記載の発明は、自動車などの車両の衝突時にエアーバッグを膨張展開して車内の乗員を衝撃から保護して、安全性を確保するための自動車用エアーバッグ装置であって、前記車両の室内に設けられた内装パネルカバーの裏面側に配設され、インフレータからのガスにより膨張展開される前記エアーバッグを折り畳んだ状態で収納するエアーバッグケースと、前記エアーバッグケースの開口と相対向する前記内装パネルカバーの裏面にエアーバッグ展開用の開口形状を決める破断用溝を形成することにより構成される破断開放部と、前記破断開放部を補強するために、一端水平部が前記破断開放部の裏面に固着されると共に、湾曲形成されたヒンジ伸び代を構成する折曲部を有し、他端が前記エアバッグケースと連結されるようになっている補強板材と、前記破断開放部の内装パネルカバー周辺領域に対応する位置の裏面から密着する補強縁部を有すると共に、前記折曲部が挿入係止される複数の角穴を有し、かつ前記エアーバッグケースおよび補強板材の他端と共に結合される枠体とを備え、前記内装パネルカバーの破断開放部が閉鎖された状態から前記エアーバッグが膨張展開できる状態に変位する時、前記補強板材のヒンジ伸び代の膨張変形を展開前半で拘束するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記枠体は、前記内装パネルカバーの裏面と対向するように折曲げ形成した補強縁部を有し、この補強縁部が前記破断開放部の開口外周縁のすべてに位置するように、前記内装パネルカバーの裏面に密着することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記補強縁部を前記内装パネルカバーの裏面に当接させ、前記補強縁部に形成した複数の貫通孔に前記内装パネルカバーの裏面に突設した溶着片を挿通して溶融し押しつぶすことにより枠体を内装パネルカバーの前記破断開放部の開口外周縁に固着するように構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに1つに記載の自動車用エアーバッグにおいて、前記枠体および補強板材と前記エアーバッグケースは分離可能に結合されるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記各補強板材の破断開放部に対応する面に複数の貫通孔を形成し、この貫通孔に前記破断開放部の裏面に突設した溶着片を挿通して溶融し押しつぶすことにより各補強板材を破断開放部に固着したことを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1又は5に記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記補強板材と前記内装パネルカバーとの熱膨張差を吸収するスリットを前記補強板材に形成したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図3は本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置を助手席用に適用した場合の要部縦断面図、図4は本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置を助手席用に適用した場合の実施形態を示す要部の分解斜視図、図5は図4における枠体と補強板材部を組み付けた状態の一部切欠き斜視図、図6は図4の矢印B部の拡大斜視図、図7,図8は自動車用エアーバッグ装置の作動状態を示す説明用断面図である。
【0016】
図3において、3はポリプロピレン等の合成樹脂材により一体成形された樹脂製のインストルメントパネルカバー(以下内装パネルカバーという)であり、この内装パネルカバー3は、図示省略の車体に固定されるか,又は合成樹脂製のインストルメントパネルコアー(図示省略)の表面を覆うように構成され、タッピングネジ等の適宜の手段により、インストルメントパネルコアーに固定されている。
【0017】
前記内装パネルカバー3の左側部分の助手席(右ハンドル車対応)と対向する内側箇所には、図3に示すように、自動車用エアーバッグ装置20が収容される収容部21が形成されている。なお、左ハンドル車対応の場合は前記構成と反対の右側部分に設けられる。
前記自動車用エアーバッグ装置20は、インフレータからのガスにより膨張展開されるエアーバッグ22と、このエアーバッグ22を折り畳んだ状態で収容するエアーバッグケース(特許請求の範囲のエアーバッグ支持体に相当する)23と、金属製の枠体24及び金属製の断面L字状に形成された破断開放部を裏面側から補強する一対の補強補強板材25,25などを含んで構成されている。
【0018】
前記収容部21と相対向する内装パネルカバー3の箇所には、エアーバッグ22の膨張展開時に破断により開口される破断開放部30が形成されている。
この破断開放部30は、内装パネルカバー3裏面左右長手方向に沿って設けたヒンジ溝30a及び前後の短尺方向に沿って設けた側部破断用溝30cをエアーバッグケース23の開口部23aとほぼ同一の長方形状にレーザ加工等により形成することにより構成されるものであり、破断開放部30の短尺方向すなわち側部破断用溝30cの中間には、破断開放部30の長尺方向の全長に亘り伸びる中央破断用溝30bがレーザ加工等により形成されており、エアーバッグ22の膨張展開時に破断開放部30が側部破断用溝30cと中央破断用溝30bの箇所から破断されることにより、図8に示すようにヒンジ溝30aにより構成されるヒンジ33,33を介して観音開き状態に展開される前,後の破断開放部31,32に分離されるようになっている。
【0019】
前記枠体24は、図4に示すように、長方形の破断開放部30を形成するヒンジ溝30aおよび破断用溝30cに対応した四側壁を有する長方形の角筒状を呈する形に構成されている。
そして、前記枠体24は、破断開放部30の周辺領域に対し、内装パネルカバー3の裏面側から取り付けられるとともにエアーバッグケース23をその開口部23aが破断開放部30と対向する位置に保持するものである。更に枠体24は内装パネルカバー3の裏面とエアーバッグケース23間に配置されるもので、好ましくは金属製の材質により長方形状の上下貫通の筒本体24aが形成され、上部開口端の四方には、それぞれ外方にほぼ直角に折曲形成された補強縁部24b,24cが設けられており、該補強縁部24b,24cは、前記破断開放部30の周辺領域の内装パネルカバー3裏面に対応する。また、前記補強縁部24b,24cには前記内装パネルカバー3の裏面と固着するために、内装パネルカバー3の裏面に突設した溶着片3aが貫通する貫通孔24dが形成され、前記溶着片3aを貫通した後溶融しかしめることで枠体24を内装パネルカバー3の裏面に固定するようになっている。更にまた、前記枠体24の筒本体24aの長手方向の側壁面24e,24eには、前記補強板材25の湾曲して形成されヒンジ伸び代を構成する折曲部25aが嵌合する複数の角穴24fが一定の間隔で形成されると共に、前記側壁面24e,24eの下端部には外方に折り曲げた取付片24gが形成されている。
【0020】
前記枠体24の内装パネルカバー3の裏面と対向する前後の長尺側開口縁部には、前記前,後の破断開放部31,32に対応する補強板材25,25の一端である各水平面25b,25bが複数のヒンジ伸び代を構成する折曲部25a,25aを介して設けられ、他端の鉛直面25c,25cは前記枠本体24aの各側壁面24e,24eの内面側に接するようにそれぞれ配置され、鉛直面25cの下端外方に折り曲げた結合片25dと各取付孔を介して結合されるようになっている。前記補強板材25,25は、ヒンジ伸び代としての折曲部25aを介して図3に示すように枠体24の内装パネルカバー3側開口を閉鎖する状態から図8に示すようにエアーバッグ22が膨張展開できる状態に展開できるように連結されている。
前記補強板材25の水平面25bは、破断開放部30を補強する補強板材25を構成するもので、好ましくは金属製材料により形成され、各補強板材25,25には、補強板材25の水平面25b,25bを対応する破断開放部31,32の裏面に溶着するための多数の貫通孔25eが全域に亘り形成されている。従って、この補強板材25の水平面25b,25bを破断開放部31,32の裏面に固着する場合は、水平面25b,25bの貫通孔25eに破断開放部31,32の裏面に突設した一体成形の溶着片31A,32Aを挿通して溶融し押しつぶすことにより行われる。
【0021】
また、前記補強板材25,25の各水平面25b,25bにはその短尺方向に形成したスリット25f,25fが補強板材25,25の水平面25b,25bの長尺方向に所定間隔離して複数条ずつ形成されている。このスリット25f,25fは補強板材25の水平面25bと破断開放部31,32との熱膨張差を吸収し、これにより、補強板材25,25と破断開放部31,32とを固着した樹脂製溶着片31A,32Aが金属製の補強板材25,25との間に生じる熱膨張差で破壊されるのを防止するようにしている。さらに、エアーバッグ膨張展開時において、補強板材25,25を破断開放部31,32の変形に追従し易くすることにより、樹脂性溶着片31A,32Aが破壊されるのを防止すると共に、破断開放部31,32のスムーズな展開を図るようにしている。
【0022】
前記枠体24の下方にはエアーバッグ22を収納したエアーバッグケース23が配設され、ケース上端開口部23aには取付片23bが設けられており、前記枠体24の取付片24e及び補強板材25の結合片25dと共に、ボルト,ナットなどの締付具26によって一体に結合されるようになっている。このエアーバッグケース23の下端にはエアーバッグ22にガスを供給するインフレータ27が配設されている。また、このエアーバッグケース23は支持部材28を介してクロスメンバー29など車体側の固定部材にボルトナット29aにより固定されるようになっている。
以上のように構成された本実施の形態による助手席用のエアーバッグ装置において、自動車などの車両が衝突した際には、その衝突時の衝撃力を図示省略した周知のセンサで検出し、このセンサで検出した衝撃力が予め定めた値以上になった否かを図示省略した周知のCPU等からなる制御装置で判定し、設定値以上と判定された時に制御装置から出力される信号により、図示省略した周知のインフレータを動作させて所定のガスを発生させ、このガスをエアーバッグ41に供給することにより、エアーバッグ22を急速に膨張展開させる(図7,図8参照)。
【0023】
エアーバッグ22が膨張展開する場合、エアーバッグ22の膨張展開初期時に発生する圧力が補強板材25,25にかかると、この補強板25,25の水平面25b,25bで覆われた破断開放部31,32は中央破断用溝30bの脆弱部分から側部の破断用溝30cの脆弱部分に沿い順次破断されると共に、この前,後の破断開放部31,32を含む補強板材25,25の水平部25b,25bはヒンジ伸び代として構成された折曲部25a,25aを支点にして図7に示すように展開されるが、この状態ではヒンジ伸び代として構成された折曲部25a,25aが展開初期圧力を吸収し、且つ前記折曲部25a,25aの枠体24の角穴24fおよび補強縁部24aにより補強されることで、内装パネルカバー3の開口周縁に発生する損傷が防止でき、図8に示すようにスムーズに観音開き状態に外側へ展開される。この発明においては、補強板材25,25の水平部25b,25bから連続するヒンジ伸び代として構成された折曲部25a,25aをヒンジ伸び代が大きくなるように構成したので、前記内装パネルカバー3の開口周縁に与える影響が少なくなると共に、前,後の破断開放部31,32と補強板材25,25の水平部25b,25bとの溶着部に与える衝撃力を解消できる。
【0024】
さらに、この実施の形態によれば、破断開放部30の前後左右の周辺領域は枠体24の補強縁部24b,24cに溶着されているため、破断開放部30の開放動作に追従することが抑制され破断用溝30cで速やかに破断されることになり、エアーバッグ22の膨張展開時に破断された破断開放部31,32の破断面にシャープなエッジが生じたり、破断部にささくれ現象が生じるのを予防し、安全な破断面を提供できる。
さらに、破断開放部30の破断用溝30aに沿う周辺領域は枠体24の補強縁部24b,24cにより補強されているため、破断開放部30を含む内装パネルカバー3の上方からの押圧力に対して耐圧性が増し、エアーバッグ装置の不使用時における内装パネルカバー3の割れ,歪み等の変形を防止できる。
【0025】
また、この実施の形態によれば、前記補強板材25,25の各水平面24bに複数条のスリット24fが形成されているため、このスリット24fにより補強板材25,25の水平面25b,25bと破断開放部31,32との熱膨張差を吸収することができ、これにより、補強板材25,25の水平面25b,25b及び破断開放部31,32が高温に晒されても、両者を固着した樹脂製溶着片31A,32Aが破壊されるのを防止できる。
また、エアーバッグケース23は枠体24および補強板材25に対して分離可能に結合できる構成になっているため、廃車時などにエアーバッグケース23を枠体24から容易に取り外すことができ、産業廃棄物となるインフレータなどの関連部品を容易に分離除去でき、環境に悪影響を与えることが防止できる。
また、前記実施の形態では、破断開放部が観音開きに開口する構成に付いて説明したが、これに限られることなく、内装パネルカバー内面に溶着される補強板材の構成が若干異なるが、破断開放部が片開き構成のものについても適用できることは勿論である。
【0026】
なお、前記実施形態におけるヒンジ溝30a及び破断用溝30b,30cの形成は、内装パネルカバーの裏面側よりレーザ加工によって脆弱部を形成するようにしたが、これに限定されることなく、フライス溝加工による型溝加工によっても形成出来ることは勿論であり、フライス溝加工による場合は、内装パネルカバーの裏面側より切削して、内装パネルカバーの表面側の肉厚を0.5mm〜0.8mmの範囲で残し量を設けるようにすると良い。その他、表面パネルの成形時に一体成形する等の方法がある。
【0027】
【発明の効果】
上記のように請求項1に記載の自動車用エアーバッグ装置によれば、内装パネルカバーの破断開放部の周辺領域と密着して内装パネルカバーを補強する補強縁部付きの枠体と補強板材と組み付け自在の別体で構成し、且つ補強板材のヒンジ伸び代を構成する折曲部を前記補強縁部付きの枠体に形成した角穴に嵌合するように構成したので内装パネルカバーの上面から押圧力が加えられても、枠体の補強縁部が破断開放部を規制する破断用溝やヒンジ溝を含む領域を下方から支持して破断開放部のへこみや開口周縁の変形を防止することができる。また、前記ヒンジ伸び代の折曲部を大きく形成することで、膨張展開初期は、ヒンジ部に掛かる負荷を吸収して膨張による変形を拘束すると共に、破断開放部30の裏面に溶着された補強板材10,10との溶着部の剥がれを防止し、また、展開後期でヒンジ部が開口縁の外側に押し広げられることで発生する、開口縁の広がり割れ、破断面のシャープなエッジ或いはささくれ現象が生じるのを防止し、安全な破断面とすることができる。
【0028】
請求項2に記載の自動車用エアーバッグ装置によれば、枠体の補強縁部が破断開放部と、その開口の外周縁の双方を下方から支持するので、より確実に破断開放部のへこみや開口周縁の変形を防止することができる。
請求項3に記載の自動車用エアーバッグ装置によれば、枠体の補強縁部を破断開放部の開口外周縁に固着するようにしたので、内装パネルカバーの裏面に、従来のように補強リブを設けることなく、破断開放部の開口周縁を補強してエアーバッグの膨張展開時に破断された破断開放部の破断面にシャープなエッジが生じたり、破断部にささくれ現象が生じるのを予防し、安全な破断面を提供できる。
【0029】
請求項4に記載の自動車用エアーバッグ装置によれば、エアーバッグ支持体は枠体に対して分離可能に結合できる構成になっているため、廃車時などにエアーバッグ支持体を枠体から容易に取り外すことができ、インフレータなどの関連部品を容易に分離除去でき、環境に悪影響を与えることが防止出来る。
また、本発明の自動車用エアーバッグ装置によれば、補強板材に複数条のスリットが形成されているため、このスリットにより補強板材と破断開放部との熱膨張差を吸収することができ、これにより、補強板材及び破断開放部が高温雰囲気内に晒されても、両者を固着した樹脂製溶着片が破壊されるのを防止できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の助手席用エアーバッグ装置の一体内装パネルカバーにエアーバッグ膨張展開用の破断開放部を形成した状態を示す部分拡大説明図。
【図2】図2は図1のA−A線に沿う概略断面図。
【図3】本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置を助手席用に適用した場合の実施形態を示す要部の縦断面図。
【図4】図3における枠体及び補強板材とエアーバッグケース部分の分解斜視図。
【図5】本発明にかかる枠体と補強板材の組み付け状態を示す一部切欠き斜視図。
【図6】図6は図5の矢印B部の拡大斜視図。
【図7】図7は自動車用エアーバッグ装置の作動状態を示す説明用断面図。
【図8】図8は自動車用エアーバッグ装置の作動状態を示す説明用断面図。
【符号の説明】
2 インストルメントパネルコアー
3 内装パネルカバー
30 破断開放部
31,32 前,後破断開放部
30a ヒンジ溝
30b 中央破断用溝
30c 側部破断用溝
31A,32A 溶着片
20 自動車用エアーバッグ装置
22 エアーバッグ
23 エアーバッグケース(エアーバッグ支持体)
23a 開口部
23b 取付片
24 枠体
24a 枠本体
24b,24c 補強縁部
24d 貫通孔
24g 取付片
24f 角穴
25 補強板材
25b 水平面
25a ヒンジ伸び代を構成する折曲部
25c 鉛直面
25d 結合片
25e 貫通孔
25f スリット

Claims (6)

  1. 自動車などの車両の衝突時にエアーバッグを膨張展開して車内の乗員を衝撃から保護して、安全性を確保するための自動車用エアーバッグ装置であって、前記車両の室内に設けられた内装パネルカバーの裏面側に配設され、インフレータからのガスにより膨張展開される前記エアーバッグを折り畳んだ状態で収納するエアーバッグケースと、前記エアーバッグケースの開口と相対向する前記内装パネルカバーの裏面にエアーバッグ展開用の開口形状を決める破断用溝を形成することにより構成される破断開放部と、前記破断開放部を補強するために、一端水平面が前記破断開放部の裏面に固着されると共に、湾曲形成されたヒンジ伸び代を構成する折曲部を有し、他端が前記エアバッグケースと連結されるようになっている補強板材と、前記破断開放部の内装パネルカバー周辺領域に対応する位置の裏面から密着する補強縁部を有すると共に、前記折曲部が挿入係止される複数の角穴を有し、かつ前記エアーバッグケースおよび補強板材の他端と共に結合される枠体とを備え、前記内装パネルカバーの破断開放部が閉鎖された状態から前記エアーバッグが膨張展開できる状態に変位する時、前記補強板材のヒンジ伸び代の膨張変形を展開前半で拘束するようにしたことを特徴とする自動車用エアーバッグ装置。
  2. 前記枠体は、前記内装パネルカバーの裏面と対向するように折曲げ形成した補強縁部を有し、この補強縁部が前記破断開放部の開口外周縁のすべてに位置するように、前記内装パネルカバーの裏面に密着することを特徴とする請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置。
  3. 前記補強縁部を前記内装パネルカバーの裏面に当接させ、前記補強縁部に形成した複数の貫通孔に前記内装パネルカバーの裏面に突設した溶着片を挿通して溶融し押しつぶすことにより枠体を内装パネルカバーの前記破断開放部の開口外周縁に固着するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の自動車用エアーバッグ装置。
  4. 前記枠体および補強板材と前記エアーバッグケースは互いに分離可能に結合されるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自動車用エアーバッグ装置。
  5. 前記各補強板材の破断開放部に対応する面に複数の貫通孔を形成し、この貫通孔に前記破断開放部の裏面に突設した溶着片を挿通して溶融し押しつぶすことにより各補強板材を破断開放部に固着したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の自動車用エアーバッグ装置。
  6. 前記補強板材と前記内装パネルカバーとの熱膨張差を吸収するスリットを前記補強板材に形成したことを特徴とする請求項1又は5に記載の自動車用エアーバッグ装置。
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