JP2005059723A - 自動車用エアーバッグ装置 - Google Patents

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Mitsuo Yasuda
満雄 安田
Ryoichi Katagishi
良一 片岸
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Abstract

【課題】エアーバッグ装置の破断開放部の裏面側に配設する取付構造の改良に関するものである。
【解決手段】インフレータからのガスにより膨張展開される前記エアーバッグ43を折り畳んだ状態で収納するエアーバッグケース44と、前記エアーバッグケースの開口と相対向する前記内装パネル40の裏面にエアーバッグ展開用の開口形状を定める破断開放部46と、前記破断開放部46を補強する補強板材47と、前記破断開放部の周辺領域の裏面に密着する枠体45とを備え、前記枠体45及び前記補強板材47をそれぞれ熱可塑性樹脂材によって形成すると共に、前記補強板材47を前記枠体45に対し摺動可能に配設し、且つ前記各対応面間に各対応面同士の接合による接着を防止するようにした熱接着防止手段50を設けた。
【選択図】図4











Description

本発明は、自動車などの車両の衝突時に助手席や運転席等の車内にいる乗員を正面衝突や側面衝突の衝撃から保護して、乗員の安全性を確保するための自動車用エアーバッグ装置に係り、特に内装パネルのエアーバッグが膨張展開する破断開放部の裏面側に配設する取付構造の改良に関するものである。
自動車などの車両に適用される助手席用,運転席用及び左右側柱用等のエアーバッグ装置は、基本的に、エアーバッグと、このエアーバッグを折り畳んだ状態で収容するエアーバッグケースと、エアーバッグを膨張展開するインフレータを備え、このエアーバッグ装置は車両内装パネルの内側に配設される構成になっている。
そして、自動車の内装パネルは、一般的にポリプロピレン樹脂等のプラスチック樹脂材により一体成形されたパネルコアーの表面を覆うポリプロピレン樹脂等のプラスチック樹脂製のインストルメントパネルから構成される。
従来の自動車用エアーバッグ装置は、図1及び図2に示すような破断開放部の破断溝を見えにくくしたシームレスタイプの助手席用エアーバッグ装置が提供されている。
即ち、図1及び図2において、内装パネル10には、図示しないレーザ発生手段からパルス状に発生するレーザを、内装パネル10の裏面側からその裏面に固着する一対の金属製の板材料を折曲成形した補強板材11,11の外形縁部に沿って相対移動しながら照射することにより、内装パネル10の裏面に対して直角方向に形成された長尺方向の前,後ヒンジ溝10aと中央破断溝10b及び短尺方向の破断溝10cによって、開列される脆弱部を設けることで、エアーバッグ12を収容するエアーバッグケース13の開口13aの大きさに対応するエアーバッグ膨張展開用の破断開放部14が形成されている。
また、前記破断開放部14は長尺方向及びそれと直角方向に形成した中央破断溝10b,短尺の左,右破断溝10c、10cによって、分離される前,後破断開放部15a,15bとなりエアーバッグ膨張展開時に、それぞれ前,後ヒンジ溝10a,10aを介して観音開き状態に破断開口される構成になっている。
前記内装パネル10の破断開放部14は、エアーバッグ膨張展開時にエアーバッグ12の展開圧力により開放される際、前記前,後ヒンジ溝10aが前記内装パネル10より切り離されてしまう場合がある。そのため前記内装パネル10の前記破断開放部14の裏面には、前記一対の補強板材11,11の一端水平部11a,11aが溶着等の手段によりカシメ固着され、その各他端となる鉛直部11b,11bが、ヒンジ部11c,11cを介して折り曲げられて垂下され、この各鉛直部11b,11bを、前記エアーバッグケース13の開口部13aの外周寸法より僅かに大きな内周寸法を有するようにして前記内装パネル10の裏面に一体成形された枠状に形成された補強リブ16の前,後壁とともに、前記ケース13の前,後壁面13b,13bに取り付けられたフック部17に係止する構成とすることで、エアーバッグ膨張展開時に観音開きされた内装パネル10の破断開放部14が飛散しないようにしたものである。
なお、前記前,後破断開放部15a,15bの開放を阻害しないようにするため、前記一対の補強板材11,11の各他端の鉛直部11b,11bのフック係止用穴11d,11dは大きめに設定されており、前記前,後破断開放部15a,15bの開放と共に、前記各鉛直部11b,11bの上方への移動を可能にし、エアーバッグ膨張展開時の展開圧力を吸収できるようにしている。
上記のように構成された自動車用エアーバッグ装置においては、車両が衝突した際には、その衝突時の衝撃力をセンサで検出し、このセンサで検出した衝撃力が予め定めた値以上になった否かをCPU等からなる制御装置で判定し、設定値以上と判定された時に制御装置から出力される信号によりインフレータを動作させて所定のガスを発生させ、このガスをエアーバッグに供給することにより、エアーバッグを急速に膨張展開させる。
すなわち、エアーバッグが膨張展開することにより、その圧力で内装パネル10の破断開放部14が内側から押圧されると、破断開放部14の破断用溝10b,10cが破断され、前,後ヒンジ溝10aを介して観音開き状態に展開される。そして、観音開き状態に展開された前,後破断開放部15a,15bは各補強板材11,11のそれぞれのヒンジ部11c,11cを介して展開される。
これと同時に、エアーバッグ12は開かれた破断開放部14から内装パネル10の外方へ膨張展開され、この膨張展開されたエアーバッグ12の緩衝作用で、助手席の乗員の頭部或いは 胸部等を支えることにより、乗員を車両衝突時の衝撃力から保護するようにしている。
また、特開2001−315606号公報に開示されるように、内装パネルの破断開放部が設けられている開口周縁の下方裏面には、開口周縁を補強する鍔部を有する矩形筒状の枠体を固着し、下部に折曲鉛直部を有しかつ上部に水平部を有する一対の補強板材を対向させて前記枠体内に摺動可能に配設したエアーバッグ取付構造を採用することで、上記内装パネル10の上面すなわち表面側からの押圧力を支持するようにしたエアーバッグ装置が示されている。
また、前記破断開放部の周辺領域に対応する裏面側に溶着する枠体を、ガラス繊維などの補強材を混入した高弾性の熱可塑性樹脂材で形成すると共に、前記補強板材をオレフィン系エラストマーなどからなる低弾性の熱可塑性樹脂材によって形成し、前記枠体及び前記補強板材をそれぞれ前記内装パネルの裏面に振動溶着によって容易に取付けることができるようにすると共に、前記補強板材を低弾性材によって形成することと相俟って、補強板材のヒンジとなる折曲部が折れ曲がり易くなり、かつヒンジ伸び代を確保できるようにし、破断開放部の周辺領域に与える展開圧力を吸収して、破断開放部の開放をスムーズにすると共に、破断面にシャープなエッジが生じたり、破断部にささくれ現象が生じるのを予防し、奇麗な破断面とすることができる構造については、本願出願人が先に特願2002−091998号で提案している。
特開2001−315606号公報
しかし、自動車内の温度が高温となる夏季においては、内装パネルの温度が110℃以上となることがある。補強板材を金属製で形成したものにあっては問題が生じないが、前記枠体と補強板材を同材質のエラストマー樹脂材質で形成した場合では、前記枠体の壁面及び補強板材の鉛直部の摺動接合部分がそれぞれ溶融状態となり、エアーバッグの膨張展開時に互いに接着状態となってしまうため、補強板材が枠体の壁面よりスムーズに作動せず破断開放部が破損して飛散する恐れがあるという問題点がある。
本発明は、破断開放部の裏面に配設される樹脂材で形成された枠体及び補強板材を備えたエアーバッグ装置において、前記枠体及び補強板材の摺動接合面となる枠体の側壁とこれに嵌合する補強板材の鉛直部との間に熱接着を防止する熱接着防止手段を設け、エアーバッグの膨張展開時に破断開放部がスムーズに破断されるようにした自動車用エアーバッグ装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明の請求項1に記載の発明は、自動車の室内に設けられた内装パネルの裏面側に配設され、インフレータからのガスにより膨張展開される前記エアーバッグを折り畳んだ状態で収納するエアーバッグケースと、前記エアーバッグケースの開口と相対向する前記内装パネルの裏面にエアーバッグ展開用の開口形状を決める破破断開放部と、前記破断開放部を補強する補強板材と、前記破断開放部の周辺領域の裏面に密着する枠体とを備えた自動車用エアーバッグ装置であって、前記枠体及び前記補強板材をそれぞれ熱可塑性樹脂材によって形成すると共に、前記補強板材を前記枠体に対し摺動可能に配設し、且つ前記各対応面間に各対応面同士の接合による熱接着を防止するようにした熱接着防止手段を設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記熱接着防止手段は、前記内装パネルの裏面と対向するように折曲げ形成した補強縁部と側壁とを有する前記枠体及び前記枠体の側壁に対応する前記補強板材の折曲に形成される鉛直部との間に熱接着防止用シートを介在させたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記熱接着防止手段は、前記枠体の側壁及びこれに対応する前記補強板材の鉛直部のいずれか一方に互いに離間する多数の突隆部を形成したものであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記熱接着防止手段は、前記枠体の側壁及びこれに対応する前記補強板材の鉛直部の両対応面或いはいずれか一方にシボ加工を施したものであることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記熱接着防止手段は、前記枠体の側壁及びこれに対応する前記補強板材の鉛直部のいずれか一方に、前記枠体及び前記補強板材とは異なる異材質からなる片面接着テープを固着したものであることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記熱接着防止手段は、前記枠体の側壁及びこれに対応する前記補強板材の鉛直部間に隙間を設けると共に、前記補強板材の鉛直部の下端部に前記隙間を保持する突設部を形成したものであることを特徴とする。
自動車の室内に設けられた内装パネルの裏面側に配設され、インフレータからのガスにより膨張展開される前記エアーバッグを折り畳んだ状態で収納するエアーバッグケースと、前記エアーバッグケースの開口と相対向する前記内装パネルの裏面にエアーバッグ展開用の開口形状を決める破断開放部と、前記破断開放部を補強する補強板材と、前記破断開放部の周辺領域の裏面に密着する枠体とを備えた自動車用エアーバッグ装置であって、前記枠体及び前記補強板材をそれぞれ熱可塑性樹脂材によって形成すると共に、前記補強板材を前記枠体に対し摺動可能に配設し、且つ前記各対応面間に各対応面同士の接合による熱接着を防止するようにした熱接着防止手段を設けた構成としたので、前記枠体及び補強板材からなる補強部材が同系の材質であって、しかも自動車内の室温が高温となる厳しい条件下の場合においても、これら摺動接合部分が高温によって溶融して接着し、破断開放部が開きにくくなるような不具合を解消し、破断開放部が破損して飛散するような損傷状態を解消できる。
また、リサイクル時において、従来のように金属製の枠体及び補強板材と樹脂製の内装パネルとを一々分離して廃棄する作業が省略できる。
次に、本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図3は本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置を助手席用に適用した場合の実施例1を示す要部縦断面図、図4は図3における枠体と補強板材とを分離して示す斜視図、図5は図3の動作説明図である。
図3において、40はポリプロピレン樹脂(PP)などの熱可塑性樹脂を主原料として一体成形された樹脂製のインストルメントパネルカバー(以下内装パネルという)であり、この内装パネル40は、図示省略の車体に固定された樹脂製のインストルメントパネルコアー(図示省略)の表面を覆うように構成され、タッピングネジ等の適宜の手段により、インストルメントパネルコアーに固定されている。
前記内装パネル40の左側部分の助手席(右ハンドル車対応)と対向する内側箇所には、図3に示すように、自動車用エアーバッグ装置41が収容される収容部42が形成されている。なお、左ハンドル車対応の場合は前記構成と反対の右側部分に設けられる。
前記自動車用エアーバッグ装置41は、インフレータからのガスにより膨張展開されるエアーバッグ43と、このエアーバッグ43を折り畳んだ状態で収容する上方に開口44aを有するエアーバッグケース44と、前記内装パネル40と同系の熱可塑性樹脂材料を使用しているが、タルク又はガラス繊維などの補強材を10〜30重量%の割合で混入したポリプロピレン系の高弾性材により形成された枠体45と、後述の前,後破断開放部46a,46bによって構成される破断開放部46を補強するオレフィン系エラストマー又はウレタン系エラストマーなどよりなる低弾性の熱可塑性樹脂材によって形成した一対の補強板材47,47とを備えている。
前記収容部42と相対向する内装パネル40には、エアーバッグ43の膨張展開時に破断により開口される破断開放部46が形成されている。
この破断開放部46は、内装パネル40裏面の左,右長手方向に沿ってそれぞれ設けたヒンジ溝40a及び前,後の短尺方向に沿って設けた側部破断溝40c(図4参照)をエアーバッグケース44の開口44aとほぼ同一の長方形状にレーザ加工等により形成され、且つ破断開放部46の短尺方向すなわち側部破断溝40cの中間には、破断開放部46の長尺方向の全長に亘り伸びる中央破断溝40bがレーザ加工等により形成されている。
エアーバッグ43の膨張展開時には破断開放部46が側部破断溝40cと中央破断溝40bの箇所から破断開列されることにより、図5に示すようにヒンジ溝40aにより構成されるヒンジ部48,48を介して観音開き状態に展開され、前,後の破断開放部46a,46bに分離されるようになっている。
前記枠体45は、図4に示すように、長方形の破断開放部46を形成する各ヒンジ溝40aおよび各破断溝40cに対応した四側壁を有する長方形の角筒状を呈する形に構成されている。
そして、前記枠体45は、破断開放部46の周辺領域に対し、内装パネル40の裏面側から取り付けられると共に、エアーバッグケース44の開口44aが破断開放部46の周縁と対向する位置に保持するものである。
更に、枠体45は内装パネル40の裏面とエアーバッグケース44間に配置されるもので、長方形状の上下貫通の筒本体45aが形成され、上部開口端の四方には、それぞれ外方にほぼ直角に折曲形成された補強縁部45b,45b,45c,45cが設けられており、各補強縁部45b,45cは、前記破断開放部46の周辺領域の内装パネル40の裏面に対応位置する。
また、前記補強縁部45b,45cの上面には所定の間隔で筋条に形成した振動溶着のための突条部45dが形成されており、前記内装パネル40の裏面と振動溶着によって固着するようになっている。
また、前記枠体45の筒本体45aの長手方向の側壁45e,45eの内壁面には、複数の角穴45fが形成されている。
前記補強板材47,47は、ほぼL字状に屈曲形成したもので、各補強板材47,47の一端部となる各水平面47b,47bが、ヒンジとなる折曲部47a,47aを介して設けられ、他端となる鉛直部47c,47cの壁面には、補強板材47,47との結合時に前記枠体45の角穴45fと一致する個所に同様の角穴47dがそれぞれ形成されている。なお、前記角穴45fおよび角穴47dの開口面積は角穴47dの開口下端が大きく形成されている。
更に、前記各補強板材47,47の各水平面47b,47b上には、前記枠体45の補強縁部45b,45c上面に形成したと同様に、所定の間隔で筋条に形成した振動溶着のための突起部47gが形成されており、前記内装パネル40の破断開放部の裏面と振動溶着によって固着するようになっている。
前記補強板材47,47は、ヒンジとなる折曲部47aを介して図3に示すように枠体45の内装パネル40側開口を閉鎖する状態から、図5に示すようにエアーバッグ43が膨張時に展開できる状態に連結されている。
51は熱接着防止手段50となる長方形状の熱接着防止用シートで、該熱接着防止用シート51は厚さが略0.5mm〜2.0mm、好ましくは 1.0mmに形成した熱接着防止に優れた材質により形成したものである。
前記熱接着防止用シート51は、前記枠体45の側壁45e内面と前記補強板材47の鉛直部47c外面とのそれぞれの対応面間に介在して配設されるものである。更に、この熱接着防止用シート51には、前記枠体45及び前記補強板材47,47に形成された前記角穴45fおよび角穴47dの開口に一致させて同様な角穴51aが形成されてバッグケース44に取り付けたフック部44bが貫通できるようになっている。
また、前記枠体45の下方には、エアーバッグ43を収納したエアーバッグケース44が配設され、ケース上端開口44aの側壁にはフック部44bが設けられており、前記枠体45,補強板材47及び熱接着防止用シート51の各角穴45f,47d及び51aに貫通係止されるようになっている。このエアーバッグケース44の下端にはエアーバッグ43にガスを供給するインフレータ(図示せず)が配設されている。
また、このエアーバッグケース44は支持部材48を介してクロスメンバー49など車体側の固定部材にボルトナット49aにより固定されるようになっている。
以上のように構成された本発明の実施例による助手席用のエアーバッグ装置によれば、自動車などの車両が衝突した際には、その衝突時の衝撃力を図示省略した周知のセンサで検出し、このセンサで検出した衝撃力が予め定めた値以上になった否かを図示省略した周知のCPU等からなる制御装置で判定し、設定値以上と判定された時に制御装置から出力される信号により、図示省略した周知のインフレータを動作させて所定のガスを発生させ、このガスをエアーバッグ43に供給することにより、エアーバッグ43を急速に膨張展開させる(図5参照)。
エアーバッグ43が膨張展開する場合、エアーバッグ43の膨張展開初期時に発生する圧力が補強板材47,47の水平部47bにかかると、この補強板材47,47の水平部47b,47bに溶着された破断開放部46a,46bは中央破断溝40bの脆弱部分から側部の破断溝40cの脆弱部分に沿い順次破断されると共に、この前,後の破断開放部46a,46bを含む補強板材47,47の水平部47b,47bはヒンジとなる折曲部47a,47aを支点にして図5に示すように展開されるが、この状態では前記補強板材47が僅かに上方に移動可能となるため、両者の折曲部47a,47aの展開初期圧力を吸収し、展開最終段階では前記枠体45の角穴45fの開口ギャップによっても前記圧力を吸収できることで、内装パネル40の開口周縁に発生する損傷が防止でき、図5に示すようにスムーズに観音開き状態に外側へ展開される。
そして、夏季等において自動車室内の温度が高温(110℃)になった場合に、内装パネル40裏面に配設された前記枠体45および補強板材47が高温に耐え切れず溶融前の柔らかい状態となり、特に前記枠体45の壁面45e及び補強板材47の鉛直部47cそれぞれの摺動接合面が接着状態となった場合においても、各壁面45e及び鉛直部47cの摺動接合面間に熱接着防止用シート51を介在させたので、前記エアーバッグの膨張展開時に前記摺動接合面同志が互いに接着することなくスムーズな摺動が可能となり、破断開放部46の開放動作に追従することができ、破断溝46cで速やかに破断されることになり、エアーバッグ43の膨張展開時に破断された破断開放部46a,46bの破断面にシャープなエッジが生じたり、破断部にささくれ現象が生じるのを予防し、奇麗な破断面を提供できる。
また、この実施例によれば、内装パネル40と前記枠体45及び補強板材47,47をタルク又はガラス繊維などの補強材を10〜30重量%の割合で混入したポリプロピレン系の高弾性材により形成された枠体45と、後述の前,後破断開放部46a,46bによって構成される破断開放部46を補強するオレフィン系エラストマー又はウレタン系エラストマーなどよりなる低弾性の熱可塑性樹脂材によって形成した一対の補強板材47,47とを備えものについて説明したが、これに限定されず、同系の熱可塑性樹脂材料で構成することは勿論可能で、前記枠体45及び補強板材47,47の各水平面及び補強縁部に形成した筋条の突起部45d,47gを介して振動溶着が可能となるため溶着作業が容易である。
また、エアーバッグケース44は枠体45および補強板材47に対して分離可能に結合できる構成になっているため、廃車時などにエアーバッグケース44を枠体45から容易に取り外すことができ、産業廃棄物となるインフレータなどの関連部品を容易に分離除去でき、環境に悪影響を与えることが防止できる。
また、前記実施例では、破断開放部が観音開きに開口する構成に付いて説明したが、これに限られることなく、内装パネル内面に溶着される補強板材の構成が若干異なるが、破断開放部が片開き構成のものについても適用できることは勿論である。
なお、前記実施例におけるヒンジ溝46a及び破断溝46b,46cの形成は、内装パネルの裏面側よりレーザ加工によって脆弱部を形成するようにしたが、これに限定されることなく、フライス溝加工による型溝加工によっても形成出来ることは勿論であり、フライス溝加工による場合は、内装パネルの裏面側より切削して、内装パネルの表面側の肉厚を0.5mm〜0.8mmの範囲で残し量を設けるようにすると良い。その他、表面パネルの成形時に一体成形する等の方法がある。
図6(a),(b)は、上述の実施例1における溶着防止手段の変形例を示すものである。即ち、実施例2における熱接着防止手段60は、前記熱接着防止用シート51に代えて、前記枠体45の側壁45e内面と対応する前記補強板材47の鉛直部47c外面に、間隔を設けて複数の突隆部61が形成されたもので、この突隆部61によって、前記枠体45の側壁45e内面と対応する前記補強板材47の鉛直部47c外面との間に一部隙間(0.01mm〜0.5mm)を設けることができ、高温時の摺動接合部の接着を未然に防止できる。
なお、前記突隆部61は枠体45の側壁45e内面に形成してもよいことは勿論である。これ以外の構成は実施例1と同様なので、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図7(a),(b)は、上述の実施例1における溶着防止手段の変形例を示すものである。
即ち、実施例3における熱接着防止手段70は、前記熱接着防止用シート51に代えて、前記枠体45の側壁45e内面と対応する前記補強板材47の鉛直部47c外面に、シボ加工71を施したもので、このシボ加工71によって、前記枠体45の側壁面45e内面と対応する前記補強板材47の鉛直部47c外面との間に一部隙間を設けることができ、高温時の摺動接合部の接着を未然に防止できる。
なお、前記シボ加工71は、枠体45の側壁45e内面に形成してもよいことは勿論である。これ以外の構成は実施例1と同様なので、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図8(a),(b)は、上述の実施例1における溶着防止手段の変形例を示すものである。
即ち、実施例4における熱接着防止手段80は、前記熱接着防止用シート51に代えて、前記枠体45の側壁45e内面と対応する前記補強板材47の鉛直部47c外面間に異資材からなる片面接着テープ81を介在させたもので、前記補強板材47の鉛直部47cの外面に接着したもので、この接着テープ81によって、前記枠体45の側壁45e内面と対応する前記補強板材47の鉛直部47c外面との間に隙間を設けることができ、高温時の摺動接合部同志の接着を未然に防止できる。
なお、前記片面接着テープ81は、枠体45の壁面45e内面に接着してもよいことは勿論である。これ以外の構成は実施例1と同様なので、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図9は、上述の実施例1における溶着防止手段の変形例を示すものである。
即ち、実施例5における熱接着防止手段90は、前記熱接着防止用シート51に代えて、前記枠体45の側壁45e内面と対応する前記補強板材47の鉛直部47c外面との間に0.1mm〜1.0mm程度の隙間91が空くように前記補強板材47の鉛直部47cを形成すると共に、該鉛直部47cの下端外周縁には前記隙間と同寸法の突設部92を設けたもので、この突設部92によって、前記枠体45の側壁45e内面と対応する前記補強板材47の鉛直部47c外面との間に所定の隙間を設けることができ、高温時の摺動接合部の接着を未然に防止できる。
なお、前記突設部91は、枠体45の側壁45e外面下端に形成してもよいことは勿論である。これ以外の構成は実施例1と同様なので、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
以上のように構成した本発明の自動車用エアーバッグ装置によれば、枠体と補強板材との各対応面間に各対応面同士の接合による接着を防止するようにした熱接着防止手段を設け構成としたので、前記枠体及び補強板材からなる補強部材が同系の樹脂材質であって、しかも自動車内の室温が高温となる厳しい条件下の場合においても、これら摺動接合部が高温によって溶融接着し、破断開放部が開きにくくなるような不具合を解消し、破断開放部が破損して飛散するような損傷状態を解消できる。
従来の助手席用エアーバッグ装置の単板状の内装パネルにエアーバッグ膨張展開用の破断開放部を形成した状態を示す部分拡大説明図。 図2は図1のA−A線に沿う概略断面図。 本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置を助手席用に適用した場合の実施例1を示す要部の縦断面図。 図3の枠体,補強板材及び熱接着防止用シートを示す分解説明斜視図。 図3の作動状態を示す説明用断面図。 本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置を助手席用に適用した場合の実施例2を示し、(a)は要部の縦断面図、(b)は一部拡大図。 本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置を助手席用に適用した場合の実施例3を示し、(a)は要部の縦断面図、(b)は一部拡大図。 本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置を助手席用に適用した場合の実施例4を示し、(a)は要部の縦断面図、(b)は一部拡大図。 本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置を助手席用に適用した場合の実施例5を示す要部の縦断面図。
符号の説明
40 内装パネル
40a ヒンジ溝
40b 中央破断溝
40c 側部破断溝
41 自動車用エアーバッグ装置
42 収容部
43 エアーバッグ
44 エアーバッグケース
45 枠体
45a 筒本体
45b,45c 補強縁部
45d 突起部
45e 側壁
45f 角穴
46 破断開放部
46a,46b 前,後破断開放部
47,47 補強板材
47b 水平面
47a 折曲部
47c 鉛直部
47d 角穴
47g 突起部
48 ヒンジ
50 熱接着防止手段
51 熱接着防止用シート
51a 角穴
60 熱接着防止手段
61 突隆部
70 熱接着防止手段
71 シボ加工
80 熱接着防止手段
81 片面接着テープ
90 熱接着防止手段
91 隙間
92 突設部















Claims (6)

  1. 自動車の室内に設けられた内装パネルの裏面側に配設され、インフレータからのガスにより膨張展開される前記エアーバッグを折り畳んだ状態で収納するエアーバッグケースと、前記エアーバッグケースの開口と相対向する前記内装パネルの裏面にエアーバッグ展開用の開口形状を定める破断開放部と、前記破断開放部を補強する補強板材と、前記破断開放部の周辺領域の裏面に密着する枠体とを備えた自動車用エアーバッグ装置であって、
    前記枠体及び前記補強板材をそれぞれ熱可塑性樹脂材によって形成すると共に、前記補強板材を前記枠体に対し摺動可能に配設し、且つ前記各対応面間に各対応面同士の接合による接着を防止するようにした熱接着防止手段を設けたことを特徴とする自動車用エアーバッグ装置。
  2. 前記熱接着防止手段は、前記内装パネルの裏面と対向するように折曲げ形成した補強縁部と側壁とを有する前記枠体及び前記枠体の側壁に対応する前記補強板材の鉛直部との間に熱接着防止用シートを介在させたことを特徴とする請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置。
  3. 前記熱接着防止手段は、前記枠体の側壁及びこれに対応する前記補強板材の鉛直部のいずれか一方に互いに離間した多数の突隆部を形成したものであることを特徴とする請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置。
  4. 前記熱接着防止手段は、前記枠体の側壁及びこれに対応する前記補強板材の鉛直部の両対応面或いはいずれか一方にシボ加工を施したものであることを特徴とする請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置。
  5. 前記熱接着防止手段は、前記枠体の側壁及びこれに対応する前記補強板材の鉛直部のいずれか一方に、前記枠体及び前記補強板材とは異なる異材質からなる片面接着テープを固着したものであることを特徴とする請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置。
  6. 前記熱接着防止手段は、前記枠体の側壁及びこれに対応する前記補強板材の鉛直部との間に隙間を設けると共に、前記補強板材の鉛直部の下端部に前記隙間を保持する突設部を形成したものであることを特徴とする請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置。

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JP2008284653A (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 Nakata Coating Co Ltd エアバッグ破断溝形成装置及び内装部材の製造方法

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