JP3694860B2 - 自動車用エアーバッグ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車両の衝突時に助手席や運転席等の車内にいる乗員を正面衝突や側面衝突の衝撃から保護して、安全性を確保するための自動車用エアーバッグ装置に関し、特に、エアーバッグの膨張展開時に破断される内装カバーなどの表面パネルを補強する補強構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両に適用される助手席用,運転席用及び左右側柱用等のエアーバッグ装置は、基本的に、エアーバッグと、このエアーバッグを折り畳んだ状態で収容するエアーバッグケースと、エアーバッグを膨張展開するインフレータを備え、このエアーバッグ装置は車両内装カバーの内側に配設される構成になっている。
自動車の内装カバーは、一般的にポリプロピレン等の合成樹脂材により一体成形されたパネルコアーの表面を覆うポリプロピレン等の合成樹脂製のインストルメントカバーから構成される。
【0003】
図1及び図2により従来の助手席用エアーバッグ装置について説明する。図1は内装カバーにエアーバッグ膨張展開用の開放部を形成した場合の説明用斜視図であり、図2は図1のA−Aに沿う概略断面図である。
この図1及び図2において、助手席用エアーバッグ装置1は、インフレータからのガスにより膨張展開されるエアーバッグ4を折り畳んだ状態で収容するエアーバッグケース5を備え、このエアーバッグケース5は、自動車の前面側フロント窓1aに近い内装カバー3の水平面3aの裏面に配設されている。
また、エアーバッグケース5の前記内装カバー3の裏面と対向する箇所には開口部5aを有し、この開口部5aと相対向して内装カバー3に形成した開口部3bには、柔軟性のある合成樹脂により成形した開放蓋6が開口部3bを閉塞する状態に装着されており、この開閉蓋6はエアーバッグ4の膨張展開時に、エアーバッグケース5の開口部5aに対向して開放蓋6の内面に形成した中央溝6a及び周辺溝6bから開閉蓋6が観音開き状態に破断開口し、この破断開口部からエアーバッグ4が突出して膨張展開するようになっている。
【0004】
また、前記開放蓋6の裏面側には、前記エアーバッグケース5の開口部5aの外周囲より僅かに大きくした水平断面矩形状の取付脚部7と、前記内装カバー3に形成した開口部3bの開口縁に弾性的に係止する複数の係合片8が設けられ、前記取付脚部7の前,後壁面7a,7bには、これを貫通する複数の角穴7cが形成されており、この各角穴7cに前記ケース5の開口部5aの前,後壁面5b,5bに設けた複数のフック部9を係合することにより、前記開放蓋6を前記内装カバー3の開口部3bに取り付けられる。
なお、前記エアーバッグ4の膨張展開時に開閉蓋6が中央溝6a及び周辺溝6bから観音開き状態に破断開口された状態では、前記取付脚部7の前,後壁面7a,7bの複数の角穴7cと前記エアーバッグケース5の開口部5aの前,後壁面5b,5bに設けたフック部9とが係合しており、前記開放蓋6の飛散が防止されるようになっている。
【0005】
しかるに、図1に示すような助手席用エアーバッグ装置においては、前記エアーバッグケース5の開口部5aと対応する位置に前記内装カバー3に開口部3bを形成し、且つこの開口部3bに係合する内装カバー3とは異なる柔軟性のある樹脂材質で形成した別体構成の開放蓋6を配設した構成であり、製作が面倒であると共に、開放蓋6は外圧に対し簡単に歪みができることや、材質の違いから内装カバー3との色合せがしにくいこと等により、内装カバー3の外観が損なわれ意匠的効果を低下させ且つ製作および取付作業が面倒であるという問題点がある。
【0006】
そこで、前記の問題点を解消すべく、前記別体構成の開放蓋を使用しない、内装カバーの表面に開口部破断線を見にくくしたシームレスタイプの助手席用エアーバッグ装置が提案されている。
【0007】
即ち、図3は助手席用エアーバッグ装置の単板状の内装カバー3にエアーバッグ膨張展開用の破断開放部30を形成した状態を示す説明用斜視図であり、図4は図3のB−B線に沿う概略断面図である。
図3及び図4において、前記内装カバー3には、図示しないレーザ発生手段からパルス状に発生するレーザを内装カバー3の裏面側からその裏面に固着する補強用板材10,10の外形縁部に沿って相対移動しながら照射することにより、内装カバー3の裏面に対して直角方向に形成されたヒンジ溝30aおよび破断用溝30b,30cを設けることで、エアーバッグケース5の開口部5aの大きさに対応するエアーバッグ膨張展開用の破断開放部30が形成される。また、前記破断開放部30は長手方向及びそれと直角方向に形成した破断用溝30b,30cによって、前,後の破断開放部31,32となりエアーバッグ膨張展開時に、前記ヒンジ溝30aを介して観音開き状態に破断開口される構成になっている。
【0008】
前記内装カバー3部の破断開放部30は、エアーバッグ膨張展開時にエアーバッグ4の展開圧力により開放される際、前記ヒンジ溝30aが前記内装カバー3より切り離されてしまう場合がある。そのため前記内装カバー3の前記破断開放部30の裏面には、前記一対の補強用板材10,10の一端水平部が溶着等の手段により固着され、その各他端10a,10aが、ヒンジ部11,11を介して折り曲げられて垂下され、この各他端10a,10aを、前記エアーバッグケース5の開口部5aの外周寸法より僅かに大きな内周寸法を有するようにして前記内装カバー3の裏面に一体成形された枠状の補強リブ12の前後壁とともに、前記ケース5の前後壁面5b,5bに取り付けられたフック部36に係止された構成とすることで、エアーバッグ膨張展開時に観音開きされた内装カバー3の破断開放部30が飛散しないようにして、前記従来の別体構成の開放蓋6を備えた自動車用エアーバッグ装置の問題点を改善したものである。
なお、前記破断開放部31,32の開放を阻害しないようにするため、前記一対の補強用板材10,10の各他端10a,10aのフック係止用穴10b,10bは大きめに設定されており、前記破断開放部31,32の開放と共に前記各他端10a,10aの上方への移動を可能にしている。13は、一対の補強リブ12の前記内装カバー3の裏面連結部分に形成した薄肉部で、内装カバー3の成型時に表面側にヒケが出にくいようにするためのものである。
【0009】
上記のように構成された自動車用エアーバッグ装置において、車両が衝突した際には、その衝突時の衝撃力をセンサで検出し、このセンサで検出した衝撃力が予め定めた値以上になった否かをCPU等からなる制御装置で判定し、設定値以上と判定された時に制御装置から出力される信号によりインフレータを動作させて所定のガスを発生させ、このガスをエアーバッグに供給することにより、エアーバッグを急速に膨張展開させる。
すなわち、エアーバッグが膨張展開することにより、その圧力で内装カバー3の破断開放部30が内側から押圧されると、破断開放部30が破断用溝30b,30cに沿い観音開き状態に破断される。そして、観音開き状態に破断された前,後の破断開放部31,32は補強用板材10,10のそれぞれのヒンジ部11を支点に内装カバー3の外方へ開かれる。
これと同時に、エアーバッグ4は開かれた破断開放部30から内装カバー3の外方へ膨張展開され、この膨張展開されたエアーバッグの緩衝作用で、助手席の乗員の頭部或いは 胸部等を支えることにより、乗員を車両衝突時の衝撃力から保護するようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の装置では、内装カバー3の破断開放部30が設けられている開口周縁の下方裏面には補強用板材10,10や補強リブ12が設けられているもののこれら補強用板材10,10や補強リブ12は、エアーバッグケース5の組付性や破断開放部31,32の開放容易性のため、フック部36との係合に上下方向にガタが設けられており、内装カバー3の上面すなわち表面側からの押圧力を支持する構造にはなっておらず、乗車中に誤って上面より負荷を掛けるとヒンジ溝30aや破断用溝30b,30cが破断されてしまう等破断開放部30が凹状にへこんだり、開口周縁が変形したりして内装カバーの外観が損なわれるという問題点がある。
また、前記改良した内装カバー3の破断開放部30は、内装カバー3の裏面側から表面側に向けて直角に突き抜ける破断用溝30b,30cを形成することにより構成され、この破断開放部30の裏面には、破断用溝30bを挟んで破断開放部30の前後方向から伸びる補強板材10,10が溶着により固定されており、さらに、破断用溝30cを挟んで前記補強用板材10,10と補強リブ12が形成されているため、エアーバッグ膨張展開時においては、破断開放部30の破断用溝30b,30cの破断部はスムーズに展開され破断形状にあまり問題となるような破断面、例えばぎざぎざによってシャープなエッジを形成する等の不都合は生じないが、補強リブ12は、内装パネル3の形状によっては、型抜き方向の関係上、スライド型を設ける必要があり、また、内装パネルに対して直角方向の寸法が大きいため、型抜き後の冷却によって補強リブ12が収縮した場合にその表面側に目立ったヒケが生じやすく、種々の対策を採る必要があった。
【0011】
本発明は、上記のような従来の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、車両の内側フロント部や側柱部、ハンドル中央部等を覆う表面パネルの破断開放部及びその外周縁近傍の外方からの押圧負荷に対する耐圧性を向上できると共に、エアーバッグケースを含む諸部品の表面パネル裏面への組み付けを容易にし、かつ破断開口部の外周縁部に補強リブを成形することなく、破断開口部の破断面にシャープなエッヂを生じにくくし、併せて廃車時におけるエアーバッグ部品等の取り外し、特に産業廃棄物となるインフレータの取り外しを容易にした自動車用エアーバッグ装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明の請求項1に記載の発明は、自動車などの車両の衝突時にエアーバッグを膨張展開して車内の乗員を衝撃から保護して、安全性を確保するための自動車用エアーバッグ装置であって、前記車両の室内に設けられた表面パネルの裏面側に配設され、インフレータからのガスにより膨張展開される前記エアーバッグを折り畳んだ状態で支持すると共に前記表面パネルと対向する面にエアーバッグを固着させたエアーバッグ支持体と、前記エアーバッグ支持体のエアーバッグを固着させた面と相対向する前記表面パネルの裏面にエアーバッグ展開用の開口形状を決める破断用溝およびヒンジ溝を形成することにより構成される破断開放部と、前記表面パネルの裏面と前記エアーバッグ支持体間に位置して前記表面パネルおよび/または表面パネル内部に設けた固定部材に固定され、一端に前記表面パネルの前記破断開放部の周辺領域に対応する位置に裏面から密着または近接する縁部を有するとともに他端が前記エアーバッグ支持体と結合される枠体と、前記破断開放部を補強するために該破断開放部の裏面に固着され、かつ前記枠体にヒンジ伸び代により前記枠体の表面パネル側開口が閉鎖された状態から前記エアーバッグが膨張展開できる状態に変位可能に連結された補強板材とからなり、前記ヒンジ伸び代は、表面パネル裏面の破断開放部とその開口の外周縁に対応する位置に外方へ突出状態に湾曲させた形状にして前記枠体の縁部に複数設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記枠体は、前記縁部に表面パネルの裏面と対向するように形成された対向片及び接合片を有し、これら対向片および接合片が前記破断開放部とその開口の外周縁にまたがる位置で前記表面パネルに裏面から密着または近接することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の自動車用エアーバッグ装置において、
前記接合片を前記表面パネルの裏面に当接させ、前記接合片に形成した複数の貫通孔に前記表面パネルの裏面に突設した溶着片を挿通して溶融し押しつぶすことにより枠体を表面パネルの前記破断開放部の開口外周縁に固着するように構成していることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記枠体と前記エアーバッグ支持体は分離可能に結合されるように構成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記補強板材の各補強板に複数の貫通孔を形成し、この貫通孔に前記破断開放部の裏面に突設した溶着片を挿通して溶融し押しつぶすことにより各補強板を破断開放部に固着したことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項3ないし5のいずれか1項に記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記枠体および前記表面パネルに、これらを相互に仮固定する仮固定部材を設けたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5または6記載の自動車用エアーバッグ装置において、前記補強板材と前記表面パネルとの熱膨張差を吸収するスリットを前記補強板材の各補強板に形成したことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図5は本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置を助手席用に適用した場合の要部の断面図、図6は図5における一体構成の枠体と補強板材、及びエアーバッグケース部分の分解斜視図、図7は本発明にかかる一体構成の補強枠体及び補強板材の平面図、図8は図7の左側面図、図9は自動車用エアーバッグ装置の作動状態を示す説明用断面図である。
【0015】
図5において、3はポリプロピレン等の合成樹脂材により一体成形された樹脂製のインストルメントパネルカバー(以下内装カバーという)であり、この内装カバー(特許請求の範囲の表面パネルに相当する)3は、図示省略の車体に固定された合成樹脂製のインストルメントパネルコアー2の表面を覆うように構成され、タッピングネジ等の適宜の手段により、インストルメントパネルコアー2に固定されている。
【0016】
前記内装カバー3の左側部分の助手席(右ハンドル車対応)と対向する内側箇所には、図5に示すように、自動車用エアーバッグ装置40が収容される収容部20が形成されている。なお、左ハンドル車対応の場合は前記構成と反対の右側部分に設けられる。
前記自動車用エアーバッグ装置40は、インフレータからのガスにより膨張展開されるエアーバッグ41と、このエアーバッグ41を折り畳んだ状態で収容するエアーバッグケース(特許請求の範囲のエアーバッグ支持体に相当する)42と、金属製の枠体43及び金属製の破断開放部の補強用の補強板材44などを含んで構成されている。
【0017】
前記収容部20と相対向する内装カバー3の箇所には、エアーバッグ41の膨張展開時に破断により開口される破断開放部30が形成されている。
この破断開放部30は、内装カバー3裏面にヒンジ溝30a及び 側部破断用溝30cをエアーバッグケース42の開口部42aとほぼ同一の長方形状にレーザ加工等により形成することにより構成されるものであり、破断開放部30の短尺方向すなわち側部破断用溝30cの中間には、破断開放部30の長尺方向の全長に亘り伸びる中央破断用溝30bがレーザ加工等により形成されており、エアーバッグ41の膨張展開時に破断開放部30が側部破断用溝30cと中央破断用溝30bの箇所から破断されることにより、図9に示すようにヒンジ溝30aにより構成されるヒンジ33,34を介して観音開き状態に展開される前,後の破断開放部31,32に分離されるようになっている。
【0018】
前記枠体43は、破断開放部30の周辺領域に対し、内装カバー3の裏面側から取り付けられるとともにエアーバッグケース42をその開口部42aが破断開放部30と対向する位置に保持するもので、この枠体43は内装カバー3の裏面とエアーバッグケース42間に配置され、そして、図5〜図8に示すように、長方形の破断開放部30を形成するヒンジ溝30aおよび破断用溝30cに対応した四側壁を有する長方形の角筒枠状を呈する形に構成されている。
また、枠体43の内装カバー3の裏面と対向する端縁には、内装カバー3に裏面から密着して前記破断開放部30のヒンジ溝30aに沿う周辺領域を下方で支持する縁部431が外方へほぼ直角に折り曲げた形の対向片431Bとして形成され、さらに、枠体43の左右の短尺側の縁部431には、内装カバー3の裏面に沿って縁部431から枠体43の外側へ伸びる接合片431Aが形成され、この接合片431Aには、該接合片431Aを内装カバー3の裏面に溶着するための複数の貫通孔432が形成されている。
【0019】
前記対向片431Bはヒンジ溝30aと交差するように、破断開放部30とその開口外周縁にまたがって、内装カバー3を下方から支持する位置に配設され、接合片431Aは破断用溝30bと交差するように破断開放部30とその開口外周縁にまたがって内装カバー3を下方から支持する位置に配設される。
なお、対向片431Bおよび接合片431Aは、必ずしも内装カバー3の裏面に密着している必要がなく、内装カバー3に上方から力が加えられて、たわみが生じた時に、内装カバー3が破損を生じない範囲で、下方から支持するように近接させて配設させておいてもよい。
この枠体43を内装カバー3の裏面に固着する場合は、接合片431Aの各貫通孔432に内装カバー3の裏面に突設した一体成形の溶着片(図示省略)を挿通して溶融し押しつぶすことにより行われる。
【0020】
前記枠体43の内装カバー3の裏面と対向する前後の長尺側開口縁部には、前記前,後の破断開放部31,32に対応する補強板材44の各補強板441,442の一端が複数のヒンジ伸び代443,444により、補強板441,442が図5に示すように枠体43の内装カバー3側開口43aを閉鎖する状態から図9に示すようにエアーバッグ41が膨張展開できる状態に変位できるように連結されている。
前記補強板441,442は、破断開放部30を補強する補強板材44を構成するもので、各補強板441,442には、補強板441,442を対応する破断開放部31,32の裏面に溶着するための多数の貫通孔441A,442Aが全域に亘り形成されている。この補強板441,442を破断開放部31,32の裏面に固着する場合は、補強板441,442の貫通孔441A,442Aに破断開放部31,32の裏面に突設した一体成形の溶着片31A,32Aを挿通して溶融し押しつぶすことにより行われる。
【0021】
なお、この溶着作業に先立って、内装パネル3に枠体43を内装パネル3の裏面に設けられた支持ロッド50,52および枠体43の側面に設けられた結合片434,436をタッピングネジ51,53で締結して仮固定しておけば、内装パネル3に対する枠体43の位置決めとなり、その組み付けの作業性が向上する。また、この仮固定は内装カバー3と接合片431A溶着作業にも有用である。 また、支持ロッド50,52、結合片434,436及びタッピングネジ51,53は、内装パネル3と枠体43を相互に仮固定する仮固定部材を構成する。
【0022】
また、前記補強板441,442には、その短尺方向に延在するスリット445,446が補強板441,442の長尺方向に所定間隔離して複数条ずつ形成されている。このスリット445,446は補強板441,442と破断開放部31,32との熱膨張差を吸収し、これにより、補強板441,442と破断開放部31,32とを固着した樹脂製溶着片31A,32Aが金属製補強板441,442との間に生じる熱膨張差で破壊されるのを防止するようにしている。さらに、エアーバッグ膨張展開時において、補強板441,442を破断開放部31,32の変形に追従し易くすることにより、樹脂性溶着片31A,32Aが破壊されるのを防止すると共に、破断開放部31,32のスムーズな展開を図るようにしている。
【0023】
前記枠体43の長尺側前面壁43cの下端には、図5〜図8に示すように、枠体43を内装カバー3に固定するための複数の支持片434と、エアーバッグケース42を結合するための複数の結合片435が前面方向へ突出して、それぞれ設けられている。また、枠体43の長尺側背面壁43bの下端には、図5〜図7に示すように、枠体43を内装カバー3に固定するための複数の支持片436と、エアーバッグケース42を結合するための複数の結合片437が後面方向へ突出して、それぞれ設けられている。
したがって、図5に示すように、枠体43の前面側の支持片434を前記内装カバー3の裏面に突設した支持ロッド50にタッピングネジ51により取り付け、かつ、背面側の支持片436を前記内装カバー3の裏面に突設した支持ロッド52にタッピングネジ53により取り付けることで、枠体43は内装カバー3に固定される。
【0024】
前記エアーバッグケース42の前面壁421には、図5及び図6に示すように、前記枠体43の前面壁43cにその長手方向に等間隔離して形成した複数の係合穴438にそれぞれ係合する複数の係合部422が突設されている。さらに、エアーバッグケース42の前面側下面には、エアーバッグケース42の長手方向に延在する長さの支持板54がボルトナット55により複数箇所で固着され、この支持板54の前端縁には複数の結合片541が前面方向に突出して設けられている。
【0025】
また、前記エアーバッグケース42の背面壁423には、図5及び図6に示すように、前記枠体43の長手方向に等間隔離して形成した複数の係合部424が突設されている。さらに、エアーバッグケース42の背面側下面と背面には、図5及び図6に示すように、エアーバッグケース42の長手方向に延在する長さのアングル状の支持板56が密接する状態に配置され、この支持板56はボルトナット57によりエアーバッグケース42の下面に複数箇所で固着されている。そして、この支持板56の鉛直壁561の上端縁には複数の結合片562が後方へ突出して設けられている。また、エアーバッグケース42の背面壁423と接する支持板56の鉛直壁561には、前記エアーバッグケース42の各係合部424がそれぞれ係合される複数の係合穴563が形成されている。
【0026】
したがって、エアーバッグケース42を枠体43に結合する場合は、図5に示すように、エアーバッグケース42の前面側係合部422を枠体43の前面側係合穴438に係合し、かつエアーバッグケース42の背面側係合部424を支持板56の係合穴563に係合した後、支持板54の結合片541と枠体43の前面側結合片435とをボルトナット58により締め付けることで結合し、さらに、支持板56の結合片562と枠体43の背面側結合片437とをボルトナット59により締め付けることで結合する。これにより、エアーバッグケース42は枠体43に結合される。
【0027】
図5において、60はエアーバッグ41に膨張展開用のガスを供給するためのインフレータであり、エアーバッグケース42の底部に固着されている。また、61はエアーバッグケース42の下面に固着した支持部材であり、この支持部材61の他端はインストルメントパネルコアー2を支持するためのクロスメンバー62等で車体側の固定部材に固定される構成になっている。この実施の形態では、クロスメンバー62に固着されたエアーバッグ支持ブラケット63を介してボルトナット64により締め付けることで固定されている。
【0028】
なお、枠体43と、支持板54,56の結合片435と547および437と562は、これらを締結するボルトナット58および59をエアーバッグ装置の下方に形成されたグローボックス開口からの取り外しが可能なように傾斜させられている。すなわち、傾斜角度の調整により、インストルメントパネル内部に配設されるクロスメンバー62を避けて図5に示す矢印のような角度で脱着工具が挿入できるように構成されている。
【0029】
以上のように構成された本実施の形態による助手席用のエアーバッグ装置において、自動車などの車両が衝突した際には、その衝突時の衝撃力を図示省略した周知のセンサで検出し、このセンサで検出した衝撃力が予め定めた値以上になった否かを図示省略した周知のCPU等からなる制御装置で判定し、設定値以上と判定された時に制御装置から出力される信号により、図示省略した周知のインフレータを動作させて所定のガスを発生させ、このガスをエアーバッグ41に供給することにより、エアーバッグ4を急速に膨張展開させる(図9参照)。
【0030】
エアーバッグ41が膨張展開する場合、エアーバッグ41の膨張展開初期時に発生する圧力が補強板441,442にかかると、この補強板441,442で覆われた破断開放部31,32は中央破断用溝30bの脆弱部分から側部の破断用溝30cの脆弱部分に沿い順次破断されると共に、この破断開放部31,32を含む補強板441,442はヒンジ伸び代443,444を支点にして図9に示す観音開き状態に外側へ展開される。
【0031】
したがって、この実施の形態によれば、破断開放部30の左右の周辺領域は枠体43の接合片431Aに溶着されているため、破断開放部30の開放動作に追従することが抑制され破断用溝30cで速やかに破断されることになり、エアーバッグ41の膨張展開時に破断された破断開放部31,32の破断面にシャープなエッジが生じたり、破断部にささくれ現象が生じるのを予防し、奇麗な破断面を提供できる。
さらに、破断開放部30の破断用溝30aに沿う周辺領域は枠体43の縁部431により補強されているため、破断開放部30を含む内装カバー3の上方からの押圧力に対して耐圧性が増し、エアーバッグ装置の不使用時における内装カバー3の割れ,歪み等の変形を防止できる。
【0032】
また、この実施の形態によれば、前記補強板441,442に複数条のスリット445,446が形成されているため、このスリット445,446により補強板441,442と破断開放部31,32との熱膨張差を吸収することができ、これにより、補強板441,442及び破断開放部31,32が高温に晒されても、両者を固着した樹脂製溶着片31A,32Aが破壊されるのを防止できる。
さらにまた、この実施の形態によれば、枠体43と補強板材44は一体構造になっているため、内装カバー3の裏面への組み付けが容易になる。
また、エアーバッグケース42は枠体43に対して分離可能に結合できる構成になっているため、廃車時などにエアーバッグケース42を枠体43から容易に取り外すことができ、産業廃棄物となるインフレータなどの関連部品を容易に分離除去でき、環境に悪影響を与えることが防止できる。
【0033】
次に、図10及び図11により本発明おける自動車用エアーバッグ装置の他の実施の形態について説明する。
図10は本発明の他の実施の形態における自動車用エアーバッグ装置の枠体とエアーバッグ支持体部分の分解斜視図、図11は図10のC−C線に沿う断面図である。
この図10および図11に示す実施の形態において、図6と異なるところは、エアーバッグ41およびインフレータ60を支持するエアーバッグ支持体70にある。
【0034】
前記エアーバッグ支持体70は、図10および図11から明らかなように、図6に示すエアーバッグケース42及び支持板54、56に代わるもので、金属製平板材から構成する。この平板状のエアーバッグ支持体70は、図6に示す場合と同様に構成された枠体43の下面開口を覆う表面積の長方形状を呈しているとともに、このエアーバッグ支持体70の中央箇所には、インフレータ60が取り付けられる円形の開口701が形成されている。また、エアーバッグ支持体70の長尺方向の両端に位置する前面側縁部箇所には、一対の結合片702が斜め下方に向け突出して設けられ、さらに、エアーバッグ支持体70の長尺方向の両端に位置する背面側縁部箇所には、一対の結合片703が斜め上方に向け突出して設けられている。
したがって、エアーバッグ支持体70を枠体43に固定する場合は、エアーバッグ支持体70の結合片702を枠体43の前面側結合片435にボルトナット(図示せず)で締め付けることにより結合し、結合片703を枠体43の背面側結合片437にボルトナット(図示せず)で締め付けることにより結合する。これにより、エアーバッグ支持体70と枠体43は一体化される。
【0035】
また、エアーバッグ41のガス導入開口410に挿着したインフレータ60のエアーバッグ支持体70の開口701に固定する場合は、図11に示すように、インフレータ60のエアーバッグ外突出部分をエアーバッグ支持体70の上面側から開口701に挿通し、このインフレータ60の鍔部601と前記開口701の周縁部間をボルトナット71により複数箇所で締め付けることにより行われる。
また、エアーバッグ支持体70で閉鎖された枠体43内に折り畳まれた状態で収納されるエアーバッグ41は、図10及び図11に示すように、エアーバッグ41を折り畳み状態に拘束する織布72により包み込まれ、この織布72の内装カバー3(表面パネル)、すなわち枠体43の補強板材44と対向する箇所には、エアーバッグ41の展開時に破断される縫い目721が形成されている。また、前記織布72はボルトナット71によって、インフレータ60及びエアーバッグ41と共にエアーバッグ支持体70に固定されている。
【0036】
このような他の実施の形態によれば、上記図5及び図6に示す実施例と同様な作用効果が得られるほか、エアーバッグ支持体70を図5及び図6に示す実施例の場合より簡単に構成でき、省部品化及び低コスト化が可能になり、さらに、エアーバッグ41を織布72で折り畳み状態に包み込んで拘束することにより、エアーバッグ41の折り畳み状態を安定に保持できるという効果を有する。
また、エアーバッグ41及びインフレータ60を支持するエアーバッグ支持体70は平板状になっているため、インストルメントパネル内部のスペースが狭いときでも、エアーバッグ支持体70を締結するボルトナットを取り外した後、エアーバッグを撓ませるなどしながら、インストルメントパネルや周辺部品を取り外すことなく、周辺部品の間をすり抜けて容易に取り出すことができる。
【0037】
次に、図12により本発明おける自動車用エアーバッグ装置の更に他の実施の形態について説明する。
図12は本発明の更に他の実施の形態における自動車用エアーバッグ装置の枠体とエアーバッグ支持体部分の分解斜視図である。
この図12に示す実施の形態において、図6と異なるところは、エアーバッグ41およびインフレータ60を支持するエアーバッグ支持体80にある。
【0038】
前記エアーバッグ支持体80は、図12から明らかなように、図6に示すエアーバッグケース42及び支持板54、56に代わるもので、図6に示す場合とほぼ同様に構成された枠体43の下面開口を覆う表面積の長方形状を呈する底板部801と、この底板部801の短尺方向の一端に底板部801の長尺方向の全長に亘り鉛直に折り曲げて形成した背板部802と、底板部801の長尺方向の両端に底板部801の短尺方向の全長に亘り鉛直に折り曲げて形成した三角状の側板部803とから構成される。
また、このエアーバッグ支持体80の形状に対応して、枠体43の下端部はその背面から前端方向に行くにしたがい斜め下方に傾斜する形状に構成されている。
【0039】
一方、前記エアーバッグ支持体80の底板部801に中央箇所には、インフレータ60が取り付けられる円形の開口801Aが形成されており、底板部801の長尺方向の両端に位置する前面側縁部箇所には、一対の結合片804が斜め下方に向け突出して設けられ、さらに、背板部802の上端には、長尺方向の両端箇所に位置して、一対の結合片805が斜め上方に向け突出して設けられている。
したがって、エアーバッグ支持体80を枠体43に固定する場合は、エアーバッグ支持体80の結合片804を枠体43の前面側結合片435にボルトナット(図示せず)で締め付けることにより結合し、結合片805を枠体43の背面側結合片437にボルトナット(図示せず)で締め付けることにより結合する。これにより、エアーバッグ支持体80と枠体43は一体化される。
なお、底板部801の下面には、一対の支持部材61が設けられている。
【0040】
このような更に他の実施の形態によれば、上記図5及び図6に示す実施例と同様な作用効果が得られるほか、エアーバッグ支持体80を図5及び図6に示す実施例の場合より簡単に構成でき、省部品化及び低コスト化が可能になる。
また、エアーバッグ41及びインフレータ60を支持するエアーバッグ支持体80は三角形状になっているため、インストルメントパネル内部のスペースが狭いときでも、エアーバッグ支持体80を締結するボルトナットを取り外した後、エアーバッグを撓ませるなどしながら、インストルメントパネルや周辺部品を取り外すことなく、周辺部品の間をすり抜けて容易に取り出すことができる。
【0041】
上述の実施の形態では内装カバーはインストルメントパネルコアーと別体となっているが一体に成形してもよい。また、エアーバッグ装置は助手席用のものについて説明したが、ハンドル中央部、側柱部、側部扉を含む側板部やシート内部などに配設するエアーバッグ装置についても適用できることは勿論である。
また、前記実施の形態では、破断開放部が観音開きに開口する構成に付いて説明したが、これに限られることなく、内装カバー内面に溶着される補強板材の構成が若干異なるが、破断開放部が片開き構成のものについても適用できることは勿論である。
なお、前記実施形態におけるヒンジ溝30a及び破断用溝30b,30cの形成は、内装パネルの裏面側よりレーザ加工によって脆弱部を形成するようにしたが、これに限定されることなく、フライス溝加工による型溝加工によっても形成出来ることは勿論であり、フライス溝加工による場合は、内装パネルの裏面側より切削して、内装パネルの表面側の肉厚を0.5mm〜0.8mmの範囲で残し量を設けるようにすると良い。その他、表面パネルの成形時に一体成形する等の方法がある。
【0042】
【発明の効果】
上記のように請求項1に記載の自動車用エアーバッグ装置によれば、表面パネルの破断開放部の周辺領域と密着または近接して表面パネルを補強する縁部付きの枠体を設けたので表面パネルの上面から押圧力が加えられても、枠体の縁部が破断開放部を規制する破断用溝やヒンジ溝を含む領域を下方から支持して破断開放部のへこみや開口周縁の変形を防止することができる。また、枠体と補強板材は一体構造になっているため、表面パネルの裏面への組み付けが容易になる。
請求項2に記載の自動車用エアーバッグ装置によれば、枠体の縁部に設けられた接合片が破断開放部と、その開口の外周縁の双方を下方から支持するので、より確実に破断開放部のへこみや開口周縁の変形を防止することができる。
請求項3に記載の自動車用エアーバッグ装置によれば、接合片を破断開放部の開口外周縁に固着するようにしたので、請求項2に記載されたものに加えて表面パネルの裏面に、補強リブを設けることなく、破断開放部の開口周縁を補強してエアーバッグの膨張展開時に破断された破断開放部の破断面にシャープなエッジが生じたり、破断部にささくれ現象が生じるのを予防し、奇麗な破断面を提供できる。
【0043】
請求項4に記載の自動車用エアーバッグ装置によれば、エアーバッグ支持体は枠体に対して分離可能に結合できる構成になっているため、廃車時などにエアーバッグ支持体を枠体から容易に取り外すことができ、インフレータなどの関連部品を容易に分離除去でき、環境に悪影響を与えることが防止出来る。
請求項5に記載の自動車用エアーバッグ装置によれば、溶着片は破断開放部の裏面に一体成形して、後にそれを溶融して押し潰すことにより、各補強板と破断開放部を強固に固定することができる。
また、請求項6に記載の自動車用エアーバッグ装置によれば、溶着片を溶融して、各補強板と破断開放部を固定する際の位置決めする仮固定部材が設けられているので、作業性の向上が図られる。
さらにまた、請求項7に記載の自動車用エアーバッグ装置によれば、補強板材に複数条のスリットが形成されているため、このスリットにより補強板材と破断開放部との熱膨張差を吸収することができ、これにより、補強板材及び破断開放部が高温雰囲気内に晒されても、両者を固着した樹脂製溶着片が破壊されるのを防止できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来におけるインストルメントパネルカバーにエアーバッグ膨張展開用の開放部を形成した場合の説明図。
【図2】 図1のA―A線縦断面図。
【図3】 従来の助手席用エアーバッグ装置の単板状の内装カバーにエアーバッグ膨張展開用の破断開放部を形成した状態を示す部分拡大説明図。
【図4】 図4は図3のB−B線に沿う概略断面。
【図5】 本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置を助手席用に適用した場合の要部の断面図。
【図6】 図5における一体構成の枠体及び補強板材とエアーバッグ部分の分解斜視図。
【図7】 本発明にかかる一体構成の枠体及び補強板材の平面図。
【図8】 図7の右側面図。
【図9】 本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置の作動状態を示す説明用断面図。
【図10】 本発明の他の実施の形態における自動車用エアーバッグ装置の枠体とエアーバッグ支持体部分の分解斜視図。
【図11】 図10のC−C線に沿う断面図。
【図12】 本発明の更に他の実施の形態における自動車用エアーバッグ装置の枠体とエアーバッグ支持体部分の分解斜視図。
【符号の説明】
2 インストルメントパネルコアー
3 内装カバー(表面パネル)
30 破断開放部
31,32 前,後破断開放部
30a ヒンジ溝
30b 中央破断用溝
30c 側部破断用溝
31A,32A 溶着片
40 自動車用エアーバッグ装置
41 エアーバッグ
42 エアーバッグケース(エアーバッグ支持体)
43 枠体
431 縁部
431A 接合片
432 貫通孔
44 補強板材
441,442 補強板
443,444 ヒンジ伸び代
70 エアーバッグ支持体
72 織布
721 縫い目
80 エアーバッグ支持体

Claims (7)

  1. 自動車などの車両の衝突時にエアーバッグを膨張展開して車内の乗員を衝撃から保護して、安全性を確保するための自動車用エアーバッグ装置であって、前記車両の室内に設けられた表面パネルの裏面側に配設され、インフレータからのガスにより膨張展開される前記エアーバッグを折り畳んだ状態で支持すると共に前記表面パネルと対向する面にエアーバッグを固着させたエアーバッグ支持体と、前記エアーバッグ支持体のエアーバッグを固着させた面と相対向する前記表面パネルの裏面にエアーバッグ展開用の開口形状を決める破断用溝およびヒンジ溝を形成することにより構成される破断開放部と、前記表面パネルの裏面と前記エアーバッグ支持体間に位置して前記表面パネルおよび/または表面パネル内部に設けた固定部材に固定され、一端に前記表面パネルの前記破断開放部の周辺領域に対応する位置に裏面から密着または近接する縁部を有するとともに他端が前記エアーバッグ支持体と結合される枠体と、前記破断開放部を補強するために該破断開放部の裏面に固着され、かつ前記枠体にヒンジ伸び代により前記枠体の表面パネル側開口が閉鎖された状態から前記エアーバッグが膨張展開できる状態に変位可能に連結された補強板材とからなり、前記ヒンジ伸び代は、表面パネル裏面の破断開放部とその開口の外周縁に対応する位置に外方へ突出状態に湾曲させた形状にして前記枠体の縁部に複数設けられていることを特徴とする自動車用エアーバッグ装置。
  2. 前記枠体は、前記縁部に表面パネルの裏面と対向するように形成された対向片及び接合片を有し、これら対向片および接合片が前記破断開放部とその開口の外周縁にまたがる位置で前記表面パネルに裏面から密着または近接することを特徴とする請求項1記載の自動車用エアーバッグ装置。
  3. 前記接合片を前記表面パネルの裏面に当接させ、前記接合片に形成した複数の貫通孔に前記表面パネルの裏面に突設した溶着片を挿通して溶融し押しつぶすことにより枠体を表面パネルの前記破断開放部の開口外周縁に固着するように構成していることを特徴とする請求項2に記載の自動車用エアーバッグ装置。
  4. 前記枠体と前記エアーバッグ支持体は分離可能に結合されるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自動車用エアーバッグ装置。
  5. 前記補強板材の各補強板に複数の貫通孔を形成し、この貫通孔に前記破断開放部の裏面に突設した溶着片を挿通して溶融し押しつぶすことにより各補強板を破断開放部に固着したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の自動車用エアーバッグ装置。
  6. 前記枠体および前記表面パネルに、これらを相互に仮固定する仮固定部材を設けたことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の自動車用エアーバッグ装置。
  7. 前記補強板材と前記表面パネルとの熱膨張差を吸収するスリットを前記補強板材の各補強板に形成したことを特徴とする請求項5または6記載の自動車用エアーバッグ装置。
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