JP3887500B2 - 全血中の異常な有核細胞の検出、同定、計数及び確認方法 - Google Patents

全血中の異常な有核細胞の検出、同定、計数及び確認方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、透明なサンプリング管アセンブリ中に含有される凝血防止された全血サンプル中の循環癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞を検出し、同定し、計数し、確認するための方法とアセンブリとに関する。検出、同定、計数及び確認工程は全てサンプリング管アセンブリ中で現場で行うことができる。より詳しくは、本発明の方法は、血液サンプル中の如何なる循環癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞も血液サンプル中及びサンプリング管アセンブリ中の予め定められた軸方向の位置に、さらに、サンプリング管の壁に隣接する、サンプリング管アセンブリ中の限定された光学的面中に、最終的にはその光学的面の非常に充分に画定された帯(very well-defined zone)中にそれらの密度によって物理的に移動させられることを保証するやり方で、血液サンプルの含有物を遠心力によって密度に基づいて分離することを含む。
【0002】
【従来の技術】
細胞学は哺乳動物細胞の形態学的特徴付けに関与する科学と技術である。細胞学はヒトの医学と獣医学の両方における臨床的有用性を有する。細胞学は(a)胸膜腔若しくは腹膜腔のような体腔中に流出される;又は(b)例えば唾液若しくは尿として排泄される体液中に流出される;又は(c)例えば子宮頚部、子宮腔若しくは気管支粘膜のような体表をスクラッピング若しくはブラッシングすることによって得られる;又は(d)甲状腺、胸部、肺等の腫瘍のような腫瘍から直接の針仲介吸引によって得られる、剥離された又は回収された細胞中の悪性度の有無を診断するために非常に頻繁に用いられる。この場合に、剥離された又は回収された細胞は典型的に固定され、染色され、通常は明視野顕微鏡によって目視検査され、次に、必要な場合には、免疫学的ステイン及び/又は他の分子的方法によって目視検査される。
【0003】
今年、アメリカ合衆国では、約560,000人が固体腫瘍(solid tumor) (主として、癌腫)によって死亡すると思われる。これらの死亡の多くは、これらの悪性度の早期診断によって防止することができる。残念ながら、前立腺癌に対する前立腺特異的抗原(PSA)試験を考えられる例外として、血液分析による固体腫瘍の早期検出のために有効であると判明している実用的な、ルーチンの方法は存在しない。
【0004】
頚部癌の早期検出によって、Papスミアは合衆国における頚部癌による死亡率を70%以上減じている。他の固体腫瘍に対する同様な試験法の開発が総合的な癌死亡率に同様な影響を与えることができると思われる。
【0005】
腫瘍に酸素及び栄養素を供給する循環血流中に癌腫瘍によって自然に流出される循環癌細胞の存在は確認されている。血行性ルートとして述べられており、ごく稀な場合にのみ血液サンプル中で可視化されているものによる癌腫瘍の伝播のために、血流中のこのような細胞の存在は数十年前から推測されていた。最近、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と組合せて逆転写酵素を用いる複雑な方法が、かなりの数の癌患者において、癌が局在しているとき及び癌が伝播した後の両方でそれらの分子シグネチャー(molecular signature) によって腫瘍細胞の存在を検出することができている。
【0006】
循環する癌細胞を検出する他の手段は、例えばBecton Dickinson and Company(Franklin Lakes,New Jersey)によって製造されたような、蛍光活性化セルソルティング(Fluorescent Activated Cell Sorting)(FACS)として知られる技術を用いる。循環する癌細胞のFACS検出は、癌細胞上若しくは内に存在し、正常な血液細胞上若しくは内には存在しない1種類以上のエピトープに向けられ、これらのエピトープに結合する蛍光標識抗体を検出する方法による、及び/又は循環する正常な血液細胞上若しくは内に存在し、癌細胞上若しくは内に存在する若しくは存在しないエピトープの組合せを検出する方法による、又は上記方法の組合せによる癌細胞の検出を含む。
【0007】
したがって、FACS方法は細胞強調(highlighting)に基づく、即ち、FACSは測光法的であり、抗体−エピトープ特異性を利用するものであり、FACS機器において細胞を現場で形態学的に分析するために用いることはできない。逆転写酵素/PCR(分子的方法)とFACS(免疫−表現型方法)の両方は、特異的分子種又は免疫−表現型シグナルを選択するために腫瘍の起源を追及して知ることを必要とする。上記方法は、癌細胞が血流中で循環するという理論の確立に寄与しているが、これらの方法は、特に治療用途の観点から、血流中の循環する腫瘍癌細胞の有無を検出するために、それらの費用及び/又は性質によって実用的ではない。したがって、患者における循環する癌細胞の悪性(malignant nature)を検出し、確認するための全般的又は一般的な血液分析方法は存在しない。さらに、上記分子的方法又は免疫−表現型方法のいずれも、現場で、即ち、閉鎖型サンプリング系において、癌細胞の同定及び確認を可能にする、循環する細胞の形態的特徴を測定するために細胞病理学に基づく分析を用いていない。
【0008】
全ての癌の約82%は起源が上皮であるので(その72%は致命的である)、上皮癌細胞は循環する血液中で検出可能であるべきである。循環する血流中の上皮細胞の存在は、それだけでは、悪性度を実証しないが、上皮細胞は循環血流中に通常見られないので、細胞学者に悪性度の可能性が大きいと警告する。しかし、例えば、手術後若しくは身体の外傷の結果若しくはデンタルフロシング(dental flossing) の結果のような、ある一定の場合には、又は前立腺炎の場合には、循環する血流中に非悪性の上皮細胞が存在しうる可能性がある。細胞の視覚による形態学的分析は、循環する血液サンプル中に存在する良性の上皮細胞から癌にかかった上皮細胞を区別するための現在、最も信頼できる方法である。血液中の循環する癌細胞を形態学的分析によって検出しようとする試みに関連して存在する1つの問題は、血液中の循環する癌細胞が循環する血液学的前駆細胞又は芽細胞から細胞学的分析のみによっては実際にはしばしば識別不能であるという事実に関する。
【0009】
循環血液のサンプル中に存在しうる癌細胞が少ないことは、1つの癌細胞を発見するために細胞病理学者に約10,000,000個の有核血液細胞(nucleated blood cell)を細心に検査することを必要とさせる、この1個の癌細胞は10,000,000個の有核血液細胞中にランダムに存在すると考えられ、これらの有核血液細胞自体は非常に多くの50億個の非有核細胞の血液成分、即ち、赤血球プラス250,000,000個の血小板中に均一に分散されており、これらの全てが1mlの血液中に存在する。このような仕事は非常に時間を要するので、癌細胞の有無に関して患者の血液を分析するために用いるには非実用的である。
【0010】
血液サンプル中に検出されうる、他の種類の稀な循環有核細胞は芽細胞、幹細胞を包含する血液学的前駆細胞(HPC)であり、通常の循環細胞の他の前駆体は循環血液のサンプル中に、例えばインピーダンスカウンター(impedance counter) のような、現在利用可能なヘマトトピック(hematotopic) 機器の使用及び染色した(stained) 末梢血液の検査によって検出可能であるレベルでは通常存在しない。化学療法を受けている患者及びヒト顆粒球コロニー刺激因子(HGCSF)及び他の同様なサイトカインを受容している患者では、HPCが存在する可能性が大きいと思われる、但し、一般に、非常に低い数で、即ち、サンプル1mlにつき約1〜1000個又はそれ以下で存在すると思われる。したがって、血液サンプル中のHPCが低濃度であることは、HPCをルーチン方法によって検出不能にする。
【0011】
HPCの計数は臨床的に重要な幹細胞移植療法のためのHPCのより大きく効果的な回収を可能にしうるので、HPCを検出し、計数することは重要である。同様に、そのHPCを回収されつつある患者における循環癌細胞の検出は、回収された循環癌細胞が患者に再注入されることを最小にすることができるので、重要である。
【0012】
インサート、典型的にはフロートを含有する毛細管又は他の管中で物質混合物サンプルを遠心分離することによって、複雑な物質混合物中の成分層を測定するための方法が開発されている。フロートは好ましくは円筒形であり、測定されるべき層(単数又は複数)が沈降する環状自由容積を管中に形成するような程度に、遠心分離済み混合物中にフロートを沈降させる比重を有する。測定されるべき層はしたがって物理的に細長くなり、したがってより容易にかつ正確に測定されることができる。上記方法は米国特許第4,027,660号(1977年6月7日発行);第4,082,085号(1978年4月4日発行);第4,156,570号(1979年5月29日発行)等に述べられている。この方法はBecton Dickinson and Companyによって登録商標“QBC”で現在市販されている。凝血防止された全血を種々な分析物に関して分析するため、さらに、分析前に組織サンプルに生理的食塩水バッファー溶液を混合して、組織サンプルを癌腫瘍細胞の有無に関して分析するための上記“QBC”方法の使用を述べている、米国特許第4,190,328号(1980年2月26日発行);米国特許第5,403,714号(1995年4月4日発行);第5,496,704号(1996年3月5日発行);第5,506,145号(1996年4月9日発行)等に記載されているように、この“QBC”方法は血液サンプルのミクロフィラリア・インフェステーション(microfilarial infestation) の単離及び同定に用いるために適用されている。
【0013】
毛細血管血液又は静脈血液のサンプルを迅速にかつ正確に循環癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞の有無に関して分析することができる、簡単な方法と、このような方法を実施するための系とに対する切実な必要性が存在することは明らかである。さらに、この方法は人が癌細胞を血液学的前駆細胞から識別することを可能にするべきであり;さらに、人が血液サンプリング装置において、全て現場で、検出された細胞の性質(nature)を確認することを可能にするべきである。
【0014】
本発明は、透明なサンプリング管中に含有される凝血防止された全血サンプル中の循環癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞を視覚によって又は測光法によって検出するための方法及び装置に関する。上皮起源である循環癌細胞と血液学的前駆細胞とが、循環血流中に存在する場合に、血液の他の有核成分とは異なる密度を有し、重量によって(gravimetrically) 分離すると、上皮癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞が遠心分離済み血液サンプルの血小板層中に又は血小板層に隣接して層を形成するという事実を利用することによって、血液サンプル中の循環癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞の検出及び確認を数分間内に達成することができる。循環上皮癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞は遠心分離済み血液サンプル中で沈降によって、即ち、大きさによって層を形成するのではなく、むしろ密度によって遠心分離済み血液サンプル中に層を形成することが判明している。血小板層は、一般に有核細胞を有さず、DNA染色を受け易い物質をも含まない血液成分層であるので、血小板層に近接する有核細胞の迅速な同定を可能にする。
【0015】
本発明は、遠心分離済み血液サンプル中に存在する、疑わしい細胞、即ち、低比重の大きい細胞、有核細胞の視覚による外形計測分析(visual morphometric analysis)、さらに標識エピトープ分析及び同定を現場で、即ち、サンプリング装置において可能にする。本発明はまた、サンプリング管アセンブリ中で疑わしい細胞の現場での分析を可能にすることができる。このような分析は、個々の疑わしい細胞が上皮細胞かつ悪性であるか、又は上皮細胞かつ良性であるか、又は起源において上皮ではないが血液学的前駆細胞であるかを全てサンプリング管から血液サンプルを取り出さずに確認することができる。凝血防止された全血中の循環癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞を単離し、同定するために“QBC”装置を用いることの重要な利点は、“QBC”装置が、他のサンプルからの交差汚染(cross contamination) を受け易くない閉鎖系を提供することである。この利点は、信頼できる稀有イベント検出系(rare event detection system) において非常に重要である。
【0016】
問題の癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞は、血液サンプルを適当に拡大して検査する場合に、上記“QBC”管及びインサート装置中で遠心分離した血液サンプル中で血小板層に近接することが発見される。したがって、本発明の方法は2工程を含み、これらの工程はそれぞれ、血液サンプルがサンプリング管中にまだ存在するときに現場で行われる。
【0017】
1工程は、管中に認められる有核細胞が上皮起源であるか又は血液学的前駆体起源であるかを決定するために、細胞上の特徴的なエピトープ強調(epitopic highlighting) の検出に関与する。この工程は“エピトープ”分析として特徴付けることができる。このエピトープ工程の実施には、特に上皮起源の細胞の検出のために、例えばE−Cadherin、Cadherin 11、上皮膜抗原(EMA)、癌胎児性抗原(CEA)、インテグリン、EP−CAM、MUC3、CD−44のような上皮特異的抗原、例えば表皮増殖因子(EGF)受容体、肝細胞増殖因子(HGF)受容体のような増殖因子受容体を用いることができる。
【0018】
HPC起源の細胞を検出するためには、例えば、CD−33、CD34に対して向けられるHPCエピトープ特異的標識抗体を用いることができる。上皮細胞は上記HPC特異的な抗体によって認識されず、HPC細胞は標識上皮特異的抗体又は他の結合粒子によって認識されない。ラベルのリポソーム被包(liposome encapsulation)を用いて、シグナルのノイズに対する比率を高める、及び/又は標的細胞の密度を変えることができる。リポソーム中への染料の被包、結合剤によるリポソームの修飾、及び標識リポソームのサンプル中の標的分析物への付着はR.A.Levine等へ1997年1月14日に発行された米国特許第5,593,848号(この特許の内容は、その全体において、本明細書に援用される)に全て述べられている。
【0019】
他方の工程は、疑わしい細胞を同定するか又は細胞の悪性を確認するための細胞の形態学的検査に関与する。それ故、他方の工程は“外形計測的”又は“形態学的”分析として特徴付けることができる。例えば、アクリジンオレンジ、DAPI、Hoechst若しくは“SYTO”ブランド染料等のような、万能的な外形計測用ステインをこの工程に用いることができる。これらの2工程はいずれの順序でも用いることができる、即ち、いずれか一方の工程を用いて、血液サンプル中の疑わしい細胞を同定し、他方の工程を用いて、疑わしい細胞が悪性であるか又は良性であるかを確認することができる。細胞の悪性度を判定するためのエピトープ分析又は外形計測的分析又は両方に基づく決定は、直面される腫瘍(単数又は複数種類)の種類に依存する。場合によっては、外形計測的態様(morphometric feature)のみで、付加的な確認試験を必要としないほど、充分に特徴的である。他の場合には、エピトープ分析のみで充分でありうる。血液サンプルの検定に、エピトープ分析と外形計測的分析の両方を用いることが一般に望ましく、賢明である。
【0020】
遠心分離済み血液サンプル中の血小板層に近接して検出される疑わしい有核細胞の外形計測的分析は、細胞病理学者が管中で現場で血液サンプルを目視分析することによって、又は細胞病理学者が管中で現場で技術者操作カメラによって手動で記録された、若しくは自動化イメージング機器によって自動的に記録された、疑わしい細胞の画像若しくは一連の画像を目視分析することによって達成されることができる。本発明の血液分析方法の目視及び画像分析工程又は記録工程は全て、遠心分離済み血液サンプルがまだサンプリング管中に存在するときにこのサンプルを光学的に拡大して行われる。血液サンプルからの有核細胞の記録された画像の外形計測的分析は、記録された画像上で遠隔的に行うことができる。
【0021】
遠心分離済み血液サンプル中の血小板層に近接して存在する、癌である又は血液学的前駆体起源であると疑われる有核細胞の検出は、大抵の上皮細胞上に及び/又は大抵の上皮癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞上に存在する若しくは存在しないことが知られており、正常な循環する有核及び非有核血液細胞又はそれらの先駆体上には存在しないことも知られている表面エピトープの存在及び/又は不存在の結果としての、疑わしい細胞の示差染色(differential staining) に基づくことができる。例えば、ローダミン、フルオレセイン、Cy3、Cy5、Texas Red、Bodipy等のような、特有の発光を有する、発蛍光団又は他の検出可能な染料又はマーカーを抗原又は抗体に、直接に、又は上記米国特許第5,593,848号に述べられているようにリポソーム中に被包された後に結合させることができる。
【0022】
血液サンプル中の有核細胞を検出するための他の方法は、血液サンプル中の有核細胞の全ての形態を示差的に強調して、明確にするように、血液サンプル中に発見されることができる全ての有核細胞を示差染色することができる、例えばアクリジンオレンジ、Hoescht、DAPI若しくは“SYTO”ブランド染料のような、万能的な有核細胞ステインを血液サンプルに添加することを含む。
【0023】
エピトープ染料及び万能的染料は異なる波長において最大に蛍光を発光するので、疑わしい細胞の視覚による又は自動化機器を用いる検出を可能にする。例えば、問題の領域内の全ての有核細胞を同定するために、遠心分離済み血液サンプルを適当な機器によって走査して、次に、血液サンプル中の全ての上皮細胞を同定するための異なる光フィルターセットによって、再び走査することができる。このようにして、異常な形態に関する目視検査を必要とする細胞を同定することができる。外形計測的目視検査は予備検出試験として行うことができる、又は疑わしい細胞の性質についての後続確認試験として行うことができる。
【0024】
予備の外形計測的目視分析又は測光法的エピトープ分析は、血液サンプル中の膨張した軟層(expanded buffy coat) の血小板層に近接して行われる。特に肺癌、前立腺癌、胸部癌、直腸/結腸癌、卵巣癌及び腎臓癌によって例示されるような、上皮起源の循環癌細胞が凝血防止された全血の遠心分離済みサンプル中で、本質に関係のない(extraneous)密度勾配を必要とせずに、血小板層に近接して発見されることができ、血液サンプル管中で、現場で、形態学的に又は比色計によって癌であると同定されることができるという事実は、文献に述べられていない。さらに、骨髄に由来し、白血病の先駆体(precursor of leukemia) である循環する血液学的前駆物質が凝血防止された全血の遠心分離済みサンプル中で、本質に関係のない密度勾配を必要とせずに、血小板層に近接して発見されることができ、エピトープ的に同定されることができるという事実も、同様に、文献に述べられていない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
それ故、透明な管中に含有される、遠心分離済みの凝血防止された全血サンプル中の循環癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞の有無を検出し、同定し、確認するための方法及び装置を提供することが、本発明の目的である。
【0026】
血液サンプル中の大部分の非癌細胞及び非血液学的前駆体の有核血液細胞から循環癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞を単離する、上記特徴の方法及び装置を提供することが、本発明の他の目的である。
【0027】
予備検出工程を視覚的に又はエピトープ的に適当な機器の使用によって行うことができ、さらに、後続確認工程を視覚的に又はエピトープ的に行うことができる、上記特徴の方法及び装置を提供することが、本発明の他の目的である。
【0028】
遠心分離済み血液サンプル中の単離された有核細胞を悪性若しくは良性(陰性)として、又は血液学的前駆細胞として管中で、現場で、確認することができる、上記特徴の方法及び装置を提供することが、本発明の追加の目的である。
【0029】
血液サンプル中の検出された循環癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞の計数を可能にする、上記特徴の方法及び装置を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0030】
血液サンプル分析が、周囲環境からの汚染に耐性である閉鎖系中で現場で行われ、それによって偽陽性結果の可能性を減ずる、上記特徴の方法及び装置を提供することが、本発明の他の目的である。
【0031】
本発明の上記及び他の目的及び利点は、本発明の下記詳細な説明から、添付図面と共に検討するならば、さらに容易に明らかになるであろう。
【0032】
【課題を解決するための手段】
図面を参照すると、図1には、細長いプラスチック・インサート又はフロート4を含有する透明なサンプリング管2を包含する、サンプリング管及びフロート・アセンブリ(以下では、一般的に“装置”と呼ぶ)の側面図を示す。管2はクロージャーキャップ10によって閉鎖される下端部6を有する。管2は毛細管であることができる、又は例えば米国特許第5,086,784号(1992年2月11日発行)に述べられているような、より大きい管であることができる。管孔とインサート4との間のギャップの厚さは、標的細胞にアクセス可能であるために、少なくとも約10μである。
【0033】
図2は、数字12によって一般に表示する自動化比色法顕微鏡機器アセンブリ(automated colorimetric microscopical instrument assembly)の概略図であり、これは図1に示した装置に含有される遠心分離済み血液サンプルを走査するために用いることができ、人の介入なしに、走査される層中の異なる種類の細胞を比色法によって識別することができ、走査される細胞層の画像を生じて、記憶する又は伝送することができる。機器アセンブリ12は、サンプル管2の端部に係合して、管2の内容物が走査されるときに、サンプル管2をその軸を中心に回転させることを可能にする少なくとも1つの回転可能なサポート16を包含するステージ14を含む。可逆的電気モーター18はドライブ・スクリュー20を相対する方向に選択的に回転させるので、管2はステージ14内で段階的に回転しながら、管2は軸方向に(axially) 1方向に移動し、次に逆の方向に移動することができる。この方法で、管2の全円周内容物が走査されることができる。機器アセンブリ12の自動式実施態様はCCDカメラ22を包含し、カメラ22はビーム・スプリッタ24とレンズ26によって管アセンブリ2内の、管孔壁とインサート4の外面との間に位置付けられる、環状サンプル含有ギャップ上に焦点を合わせる。レンズ26の操作範囲が管2内の管孔とインサート4との間のギャップの厚さに少なくとも等しいことは理解されるであろう。CCDカメラ22は、選択的に回転可能なフィルター・ホイール34上に取り付けられた複数個の異なる発光波フィルター(emission light wave filter)28、30及び32を通してサンプルの画像を検査し、記録する。機器アセンブリ12はまた、励起光源35を含み、これは励起光線をビーム・スプリッタ24と集束レンズ26に通してサンプル管2に向ける。一連の励起光波長フィルター36、38及び40は選択的に回転可能なフィルターホイール42上に取り付けられる。励起光線はビーム・スプリッタ24によって集束レンズ26方向に屈折されて、レンズ26によってサンプル管2上に集束させられる。したがって、2個のフィルター・ホイール34と42が励起光源と発光源との波長を選択的に制御し、変化させることを可能にする。予めプログラムされたマイクロプロセッサー制御装置44がサンプル管2の回転、フィルター・ホイール34と42の回転、及びCCDカメラ22の操作を選択的に制御するために使用可能である。制御装置44はこのように機器アセンブリ12の完全自動操作を、人の介入を必要とせずに可能にする。
【0034】
機器アセンブリ12は下記方法で、管2内に含有される血液サンプルを疑わしい有核細胞に関して走査した結果の画像を捕捉して、記録し、さらに血液サンプル中の観察された疑わしい細胞が悪性又は良性であるかを現場で確認するために作動する。凝血防止された全血の静脈又は毛細血管サンプルをサンプリング管2及びインサート4・アセンブリ中に入れる。血液サンプルに管2中で、又は管2に入れる前に、血液サンプル中で観察される有核細胞の形態学的特徴を分析することができるように、例えばアクリジンオレンジのような形態学的蛍光ステインを混合する。血液サンプルに、血液サンプル中に認められる疑わしい細胞が上皮起源であるかどうかを判定するために用いられる上皮細胞特異的マーカーをも混合する。この確認方法は、分析されている腫瘍癌細胞の全てが上皮細胞であるので、選択された。上皮細胞上の表面受容体に対して非常に特異的である好ましい抗原はE−cadherinである。上皮細胞にタグを付けるために、本発明者等はE−cadherinに直接コンジュゲートするCy3を好んで用いる。Cy3はアクリジンオレンジとは異なる波長で蛍光を発光するマーカーである。凝血防止された全血と、アクリジンオレンジと、E−cadherin/Cy3との混合物をサンプリング管−インサート・アセンブリ中で約5分間遠心分離する。遠心分離済みサンプルを次にステージ14上のサポート16に配置して、機器12を始動させる。遠心分離済み血液サンプルがカメラ22の焦点面を通して回転し、前後に往復運動するときに、CCDカメラ22が遠心分離済み血液サンプルの一部の画像を記録する。したがって、血液サンプル中の標的帯の全円周の画像がカメラ22によって得られる。別々のスキャンが行われ、その1つが、サンプルに加えられたアクリジンオレンジ・ステインを示差的に蛍光発光させるように選択されるフィルター28、30、32、36、38及び40の適当な組合せによって定義される血液サンプル画像を記録する。このスキャンは、走査される血液サンプル帯中の全ての有核細胞の画像を作成する。他のスキャンは、E−cadherin、Cy3又は他のラベルを示差的に蛍光発光させるように選択されるフィルター28、30、32、36、38及び40の第2の適当な組合せによって定義される血液サンプル画像を記録する。このスキャンは、上皮細胞である、血液サンプルの走査される帯中の全ての有核細胞の画像を作成する。
【0035】
如何なる付加的細胞情報が求められているかに依存して、付加的スキャンのために付加的なフィルター組合せを用いることができる。このような付加的な有用な情報は、細胞病理学者が癌細胞の起源を同定する、即ち、癌細胞が前立腺癌細胞、胸部癌細胞、肺癌細胞、卵巣癌細胞等のいずれであるかを同定することを可能にする、付加的な癌細胞特異的エピトープと、いずれのエピトープ情報が現在入手可能であるか又は今後知られるようになるかを包含することができる。血液サンプルの上記分析は図2に示す機器によって自動的に行うことができる、又はサンプルを目視走査することによって行うことができる。走査工程と、走査工程の結果の分析とはいずれの順序でも(in either order) 行うことができる。アクリジンオレンジ強調細胞の走査は走査された帯中の有核細胞の全てを人が同定することを可能にし、悪性度を示す形態を有するように思われる如何なる細胞をも同定するために、有核細胞の形態を人が分析することも可能にする。E−cadherin/Cy3強調細胞の走査は走査された帯中の有核細胞のいずれが上皮細胞であるかを人が同定することを可能にする。遠心分離済み血液サンプル中の異常な細胞形態(アクリジンオレンジ強調)を有する上皮細胞の存在(E−cadherin/Cy3強調)の確認は、細胞病理学者に血液サンプルドナーに癌腫瘍の大きな可能性があることを警告する。同様なプロトコールを用いて、疑わしい有核細胞が血液学的前駆細胞であるかどうかを判定することができる。
【0036】
次に図3〜14に関しては、“QBC”装置によって、上記方法を用いて行った血液サンプルのスキャンの測光法イメージングの結果を示す。
【0037】
本発明者等は、腫瘍細胞検出の限界を試験し、重量的に形成された血液成分密度勾配における腫瘍細胞の位置付けを確認する両方のために、培養した癌腫瘍細胞を血液サンプルに加えた実験を行った。これらの実験は凝血防止された全血サンプル中の循環腫瘍癌細胞の存在を単離し、分析し、確認するための上記方法の正確さを実証した。
【0038】
図3と4は、アクリジンオレンジ染色した培養胸部癌細胞系統、MDA−MB−468(図3)と、アクリジンオレンジ染色した培養結腸癌細胞系統、HT−29(図4)との形態学的外観の記録された画像を示す、これらの培養癌細胞系統は凝血防止された全血のそれぞれ100μlサンプルに加えた。次に、スパイクされた(spiked)血液サンプルを本発明の方法によって分析した。血液サンプル分析は、血液サンプル中の培養胸部癌細胞と培養結腸癌細胞とを確実にかつ再現可能に同定した。これらの細胞は一般に、血小板−血漿界面近くの血小板層中に見られた。サンプル中の現場で行われた強調細胞の目視分析は、それらが悪性であることを実証した。
【0039】
図5は、低濃度の培養HT−29癌細胞をドープされた100μlの血液サンプル中に単離された、単一のかなり大きいアクリジンオレンジ染色したHT−29結腸癌細胞の記録された画像である。癌細胞の右の明色層は血液サンプル中の遠心分離された血小板層の界面である。この画像は500X倍率で記録された。サンプル中の現場で行われた強調細胞の目視分析は、それらが悪性であることを実証した。
【0040】
図6は、図5と同様な、但し、E−cadherin/Cy3フィルターセットを通して検査した場合に出現したような単離HT−29結腸癌細胞を示す図である。視野中の他の全ての細胞は強調されていないが、HT−29結腸癌細胞は明確に目視可能であることが認められるので、このことは大きな細胞が上皮細胞であるという事実を実証した。サンプル中の現場で行われた強調細胞の目視分析は、それが悪性であることを実証した。
【0041】
図7は、培養癌細胞の大きな集団が血液サンプルに加えられた場合に、200X倍率で撮影されたアクリジンオレンジ染色した培養HT−29結腸癌細胞の記録された画像を示す。大きな集団の結腸癌細胞によって、癌細胞が血小板層全体に広く分布しているのが見られ、幾つかの位置に、1つの位置はリンパ球−血小板界面に、もう1つの位置は血小板−血漿界面に集中していた。サンプル中の現場で行われた強調細胞の目視分析は、それが悪性であることを実証した。
【0042】
図8は、図7と同様な、但し、強調細胞の上皮起源を実証する、E−cadherin/Cy3染色結腸癌細胞の記録された画像を示す図である。サンプル中の現場で行われた強調細胞の目視分析は、それらが悪性であることを実証した。
【0043】
図9と10とは、血液サンプルに加えられ、10X倍率で撮影されたアクリジンオレンジ染色した培養HT−29結腸癌細胞の記録された画像を示す。癌細胞が血小板−血漿界面近くに集中しているのが見られた。図9はアクリジンオレンジによって形態学的に強調された癌細胞を示し、図10はE−cadherin/Cy3によってエピトープ的に強調された癌細胞を示す。したがって、図9は遠心分離済み血液サンプルの血小板層に隣接した血漿層中の有核細胞の存在を実証し;図10は、検出された有核細胞のうちのある一定の有核細胞が上皮細胞であることを実証する。サンプル中の現場で行われた強調細胞の目視分析は、それらが悪性であることを実証した。
【0044】
図11と12は、転移胸部癌に罹患していると知られた患者から採取された血液サンプル中のアクリジンオレンジ染色した循環胸部癌細胞の記録された画像を示す。癌細胞が血小板−血漿界面近くに集中しているのが見られた。図11はアクリジンオレンジによって形態学的に強調された癌細胞を示し、図12はE−cadherin/Cy3によってエピトープ的に強調された癌細胞を示す。したがって、図11は遠心分離済み血液サンプルの血小板層に隣接した血漿層中の有核細胞の存在を実証し;図12は、検出された有核細胞のうちのある一定の有核細胞が上皮細胞であることを実証する。サンプル中の現場で行われた強調細胞の目視分析は、それらが悪性であることを実証した。
【0045】
図13と14は、前立腺癌に罹患していると知られた患者から採取された血液サンプル中のアクリジンオレンジ染色した循環前立腺癌細胞の記録された画像を示す。癌細胞が血小板−血漿界面近くに集中しているのが見られた。図13はアクリジンオレンジによって形態学的に強調された癌細胞を示し、図14はE−cadherin/Cy3によってエピトープ的に強調された癌細胞を示す。したがって、図13は遠心分離済み血液サンプルの血小板層に隣接した血漿層中の有核細胞の存在を実証し;図14は、検出された有核細胞のうちのある一定の有核細胞が上皮細胞であることを実証する。サンプル中の現場で行われた強調細胞の目視分析は、それらが悪性であることを実証した。全ての細胞がCy3マーカーによって強調されるとは限らないという事実は、エピトープ的に強調された細胞が起源において上皮であることを実証する内部陰性対照(internal negative control) を提供する。非エピトープ的に強調された有核細胞はリンパ球である。
【0046】
上記分析の感度を調べるために、さらに実験をおこなった。標準“QBC”毛細管は、1X109 赤血球(RBC)と1X106 有核細胞(顆粒球、リンパ球等)を含有する100μlの血液を保持する。したがって、試験の規模を変えないならば、感度の理論的限界は1X106 の有核細胞中に1細胞である。HT−29結腸癌細胞の連続希釈を用いて、1〜10細胞を含有する又は10〜100細胞を含有するペアを含有する多重ペアの(multiple paired) 10μlアリコートを得た。ペアの第1アリコートを“QBC”管に加え、第2アリコートを標準血球計によって計数した。これらの実験は、110μl管を用いて、この分析の感度の限界が1X106 の有核細胞中に1細胞の理論的限界に接近するという結論を生じた。1mlの血液サンプリング管内で分析を行うことによって、この試験の感度を理論的に10倍まで高めることができる。
【0047】
外形計測的分析は癌細胞を同定するために充分でありうるが、他の実証方法も必要になる可能性がある。本発明の分析は、この分析が異常な細胞形態を検出することができ、同時に、血液サンプル中に認められた異常な有核細胞の上皮起源又は血液学的前駆体起源を実証することもできるという事実を利用する。本発明の分析は細胞に対して非破壊的であるので、例えば先行技術に述べられているPCR方法のような他の方法による又は生化学的アッセイによる他の分析のために、細胞をサンプリング管から取り出すことができる。
【0048】
1例として、本発明者等はE−cadherinを選択したが、その理由はこの抗原が上皮細胞に非常に特異的であり、細胞膜の外面上に提示されるからである。これらの試験のために、本発明者等はCy3を用いた、Cy3はシアナミンに基づく発蛍光団であり、E−cadherinモノクローナル抗体に直接コンジュゲートして、細胞染色をアクリジンオレンジ誘導蛍光を用いる外形計測的検査に用いられる波長以外の波長において可視化することができるからである。
【0049】
本発明の方法を用いて、凝血防止された全血の遠心分離済みサンプル中で、悪性有核上皮細胞を外形計測的に同定することができることを、本発明者等は実証している。管アセンブリ内の現場で、血液サンプル中で可視化することができる適当な外形計測的基準は、特に、細胞内の核/細胞質比率;細胞内の核サイズと形状;細胞内の核クロマチン・パターン;核膜の厚さとサイズ;及び核小体の数とサイズを包含する。上皮癌細胞と血液学的前駆細胞とが血液サンプル中にサイズによって沈降することによるよりもむしろ、遠心分離済み凝血防止された全血サンプル中で密度によって層を形成することも、本発明者等は確認している。この確認は、遠心分離済み血液サンプル中の予め定められ、知られている帯中、即ち、遠心分離済み血液サンプル中の血小板が層を形成する帯中で、循環癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞の検出を可能にする。循環癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞が血液サンプル中でサイズによって沈殿したならば、癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞が検出されると予想される“問題の帯”を定義することはできないと考えられる。癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞は主として血小板/血漿界面近く;リンパ球/血小板界面近くの血小板層中で;又は人為的に過負荷な(artificially over-loaded)場合にリンパ球層中に、全て、血液サンプル中の癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞の濃度に依存して、検出されている。1X106 有核細胞を含有する100μl毛細管を用いる場合に、本発明の方法の理論的感度は、100μl血液サンプル中の1X106 有核血液細胞中で1個の検出癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞が得られるような感度である。上述したように、理論的感度の10倍の上昇は、血液サンプル量が約1mlまで10倍に増加したならば達成されるべきである。血液サンプル中の癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞の起源の確認は疑わしい細胞の免疫蛍光標識によって実証されることができる。したがって、細胞の目視検査は、細胞が癌の外形計測的特徴を表示するかどうかを判定し、免疫蛍光は検査される疑わしい細胞の起源を実証する。
【0050】
上記方法及び装置が癌細胞の有無に関して患者をスクリーニングするために使用可能であり;悪性腫瘍のステージングの評価に使用可能であり;癌に関して治療される患者に対する化学療法の効果を評価するために使用可能であり;血液サンプル中の血液学的前駆細胞を同定し、計数するために使用可能であることは理解されるであろう。血液学的前駆細胞及び癌細胞の検出と計数とは、幹細胞回収と、回収された幹細胞からの癌細胞のパージングとのために臨床的に重要である。化学療法の効果を評価するための手段としての本発明の使用は、現在、腫瘍のサイズをモニターするために用いられているCATスキャニング、X線等よりも、療法を評価するために非常に大きく敏感で、かつ迅速な方法を提供する。化学療法の効果は血液サンプル中の癌細胞の数を計数することによって評価することができる。計数方法は管の充分に画定された帯の全円周を通して行うことができる、又は管の上記帯の円周の一部のみを通して行うことができる。後者のアプローチを採用する場合に、サンプル中の癌細胞数は下記式を解くことによって推定することができる:
【0051】
C=N(360゜/d)÷V
式中、“C”は結果の細胞濃度であり;“N”は計数された標的細胞数であり;“d”は標的細胞に関して検査される管の回転度であり、除数“V”はサンプリング管の容積である。細胞計数は測光法カウンターを用いて行うことができる、又は視覚によって行うことができる。測光法アプローチは癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞又は他の非癌細胞を示差的に強調するエピトープ・ラベルの組合せを用いることができる。この方法で、強調された細胞及び/又は強調されない細胞が計数される。外形計測的分析は測光法的に行うこともできる。この目視アプローチは例えばアクリジンオレンジのような外形計測的ステイン又は上記で同定したような他の外形計測的ステインを用いることができる。
【0052】
循環血液中の癌細胞を診断し、計数するための“QBC”方法と装置の、FACS及び分子的方法を凌駕する利点は、(1)血液分析を行うために必要な時間が比較的短時間;(2)系を標準実験室装置に統合することができ、全ての病理学者が過度な訓練なしに用いることができるという事実;(3)流体媒質中で非固定細胞を検査することができ、固定アーチファクト(fixation artifacts)を省略することができること;(4)分析の実施に比較的少量の血液のみが必要であること;(5)この方法は、106 〜107 正常有核細胞を含有するサンプル中で1個の癌細胞を検出することができる点で、分子的方法と同様な感度であること;(6)“QBC”方法は閉鎖サンプリング及び分析系を用いるので、分子的方法において主要な問題である交差汚染を排除することができるという事実;(7)ルーチンの細胞学的方法で用いられる固定ステイン中でフローティング(floating)細胞を汚染することによる細胞汚染の回避;及び(8)本発明の方法は、分析を行う技術者が分析されるべき血液サンプルに暴露されないので、このような技術者に対して安全であること;を包含する。
【0053】
図面に示した特定のインサート及び管は円筒形であるが、これらを多角形に作成することもできる。管及びインサートの横断形態に関する唯一の限定要素は、それらが相互にコンプリメンタリー(complimentary) であることである。血液サンプルの分析は、好ましくはCCDカメラを装備した顕微鏡機器によって適当に拡大して行われる。管内に、管とインサートとの間に形成されるギャップは、個々の標的細胞がギャップ内で単離され、容易に認識され、計数され、外形計測的に分析されることができるような横断サイズを有する(transversely sized)。このギャップの横断厚さ(transverse thickness)は、ギャップの分析に用いられる顕微鏡機器の焦点操作範囲内でもある。
【0054】
本発明の方法が、その最も広い意味で、一般的に円筒形のインサートをも含有する管中に含有される凝血防止された全血の遠心分離済みサンプル中の個々の循環標的有核細胞の有無を検出することを含む。インサートは管中に充分に画定された環状帯を形成する。血液サンプルに、標的有核細胞上に特徴的なシグナル結果を生じるために使用可能である、1種類以上のエピトープ特異的標識剤を混合する、前記結果はシグナルが全くないことを包含することができ、標的有核細胞上の1種類以上のエピトープの有無を明示する。血液サンプルに血液サンプル中の全ての有核細胞の細胞形態を明確にするために使用可能である着色剤をも混合する。このようにして、循環有核細胞は細胞形態によって同定され、それらの形態によって標的細胞でありうる、全ての同定された有核細胞はさらにエピトープによって標的細胞として又は非標的細胞として特徴付けられる。さらに詳しい説明のために、エピトープ“A”と“B”の特定の組合せが標的細胞に特徴的であり、血液サンプル中の他の細胞に特徴的ではないと想定する。これらのエピトープの一方のみの有無;又はこれらのエピトープの両方の有無は標的細胞に特徴的でありうる。したがって、4種類の異なる各エピトープ特異的標識剤のシグナル結果:Aあり、Bなし;Bあり、Aなし;AとBの両方あり;又はAなし、Bなし;のいずれかを用いて、標的細胞を特徴付けることができる。同定工程と特徴付け工程とは管内で現場で行うことができる。明らかに、2種類の異なるエピトープより多い又は少ないエピトープを標的細胞の特徴付けに用いることができる。
【0055】
本発明の開示した実施態様の多くの変化及び変更が本発明の要旨から逸脱せずに行われうるので、本発明を請求の範囲によって要求される以外に限定することは意図されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するために用いることができる管及びフロート装置アセンブリの側面図。
【図2】本発明の方法を実施するために図1の装置と組合せて用いるために適した自動化顕微鏡機器アセンブリの概略図。
【図3】アクリジンオレンジ染色した、凝血防止された全血サンプルに加えられ、遠心分離済み血液サンプル中で単離、視覚によって同定及び視覚によって確認された培養胸部癌細胞(MDA−MB−468)を適当な形状の顕微鏡機器アセンブリ中の10X対物レンズを用いて、撮影した顕微鏡写真のグラフィック図。
【図4】アクリジンオレンジ染色した、凝血防止された全血サンプルに加えられ、遠心分離済み血液サンプルを含有する管中で現場で単離、視覚によって同定及び視覚によって確認されたHT−29結腸癌細胞を適当な形状の顕微鏡機器アセンブリ中の10X対物レンズを用いて、撮影した顕微鏡写真のグラフィック図。
【図5】アクリジンオレンジ染色した、凝血防止された全血サンプルに加えられ、遠心分離済み血液サンプルを含有する管中で現場で単離、視覚によって同定及び視覚によって確認された単一培養HT−29結腸癌細胞を、適当な形状の顕微鏡機器アセンブリ中でオイル中に浸漬された50X対物レンズを用いて、撮影した顕微鏡写真のグラフィック図。
【図6】アクリジンオレンジ染色した、凝血防止された全血サンプル中の単一培養HT−29結腸癌細胞であって、遠心分離済み血液サンプル中でCy3標識E−cadherinによって強調された細胞をサンプリング管中で現場で、適当な形状の顕微鏡機器アセンブリ中でオイル中に浸漬された50X対物レンズを用いて、撮影した顕微鏡写真の、図5と同様なグラフィック図。
【図7】アクリジンオレンジ染色した、凝血防止された全血サンプルに加えられ、単離、視覚によって検出及び確認された培養HT−29結腸癌細胞をサンプリング管中で現場で、適当な形状の顕微鏡機器アセンブリ中でオイル中に浸漬された200X対物レンズを用いて、撮影した顕微鏡写真のグラフィック図。
【図8】アクリジンオレンジ染色した、凝血防止された全血サンプルに加えられ、単離、視覚によって検出及び確認された培養HT−29結腸癌細胞を適当な形状の顕微鏡機器アセンブリ中でオイル中に浸漬された200X対物レンズを用いて、撮影した顕微鏡写真の図7と同様なグラフィック図、この癌細胞は遠心分離済み血液サンプル中でCy3標識E−cadherinによって強調されたものである。
【図9】アクリジンオレンジ染色した、凝血防止された全血サンプルに加えられ、遠心分離済み血液サンプル中で単離され、200X倍率で視覚によって同定され、視覚によって確認された培養HT−29結腸癌細胞を撮影した顕微鏡写真のグラフィック図。
【図10】アクリジンオレンジ染色した、凝血防止された全血サンプル中の培養HT−29結腸癌細胞を200X倍率で撮影した顕微鏡写真の、図9と同様なグラフィック図、この癌細胞は遠心分離済み血液サンプル中でCy3標識E−cadherinによって強調されたものである。
【図11】転移胸部癌を有することが知られた患者から採取された、アクリジンオレンジ染色した、凝血防止された全血サンプル中で検出され、遠心分離済み血液サンプルを含有する管中で現場で、単離され、50X対物レンズを有する顕微鏡アセンブリを用いて視覚によって同定され、視覚によって確認された循環胸部癌細胞を撮影した顕微鏡写真のグラフィック図。
【図12】遠心分離済み血液サンプル中でCy3標識E−cadherinによって強調された循環胸部癌細胞を示す、図11と同様なグラフィック図。
【図13】転移前立腺癌を有することが知られた患者から採取され、遠心分離済み血液サンプルを含有する管中で現場で、単離され、500X倍率で視覚によって同定され、視覚によって確認された循環前立腺癌細胞を撮影した顕微鏡写真のグラフィック図。
【図14】遠心分離済み血液サンプル中でCy3標識E−cadherinによって強調された循環前立腺癌細胞を示す、図13と同様なグラフィック図。
【符号の説明】
2 サンプリング管
4 インサート又はフロート
6 下端部
10 クロージャーキャップ
12 機器アセンブリ
14 ステージ
16 回転可能なサポート
18 可逆的電気モーター
20 ドライブ・スクリュー
22 CCDカメラ
24 ビーム・スプリッタ
26 レンズ
28 発光波フィルター
30 発光波フィルター
32 発光波フィルター
34 フィルター・ホイール
35 励起光源
36 波長フィルター
38 波長フィルター
40 波長フィルター
42 フィルター・ホイール
44 制御装置

Claims (14)

  1. 凝血防止された全血サンプル中の循環する異常な標的有核細胞の有無の検出方法であって、
    (a)一般に円筒形のインサートを含有する孔を有する透明な管を用意し、前記管とインサートとを組合わせて、充分に画定された帯を管中に形成する工程と;
    (b)血液サンプル中の如何なる異常な標的有核細胞をも識別するために血液サンプルに1種類以上のエピトープ特異的な標識剤を混合する工程と;
    (c)血液サンプル中の全ての有核細胞の細胞形態を明確にするために使用可能である着色剤を血液サンプルに混合する工程と;
    (d)血液サンプルを管に入れ、管中の血液サンプルを遠心分離して、血液サンプル中に存在する如何なる異常な有核細胞をも管の前記充分に画定された帯中に密度によって下降させる工程と;
    (e)管中の充分に画定された帯中に存在する如何なる識別された細胞をも現場で計数する工程と;
    (f)管中の充分に画定された帯中の如何なる識別された細胞の細胞形態をも現場で検査する工程と
    を含み、
    (g)前記混合工程が、血液サンプルを管中に入れる前又は入れた後に行われ、
    (h)前記計数工程と検査工程とが不特定な順序で行われる
    上記方法。
  2. 管が管中に充分に画定された環状帯を形成する一般に円筒形のインサートをも含有し、血液サンプルが異常な標的有核細胞上の1種類以上のエピトープに特異的である1種類以上の標識剤を混合されたものであり、該血液サンプルが血液サンプル中の全ての有核細胞の細胞形態を明確にするために使用可能である着色剤をも混合されたものである、管中に含有される凝血防止された全血の遠心分離済みサンプル中の循環する異常な標的有核細胞の有無を検出する方法であって、管中の前記充分に画定された環状帯中に配置される全ての標識細胞の割合を現場で同定する工程と、管中のこのような同定された細胞の細胞形態を現場で検査して、このような同定された細胞が異常な細胞形態を示すか否かを決定する工程とを含む上記方法。
  3. サンプルが透明な管中に含有され、管が一般に円筒形のインサートをも含有し、血液サンプルが少なくとも1種類の上皮細胞エピトープに特異的である少なくとも1種類の標識剤を混合されたものであり、該血液サンプルが有核細胞の形態を明確にする着色剤をも混合されたものである、凝血防止された全血の遠心分離済みサンプル中の循環する上皮細胞を計数する方法であって、血液サンプル中の血小板が遠心分離中に下降している管中の充分に画定された帯を検査する工程と、管中の前記充分に画定された帯中に遠心分離中に細胞が密度によって下降している管中の異常な形態を有する如何なる標識上皮細胞をも現場で計数する工程とを含む上記方法。
  4. 凝血防止された全血サンプル中の血液学的前駆細胞及び他の有核細胞から癌細胞を識別する方法であって、
    (a)管中に充分に画定された帯を形成するために使用可能であるインサートをも含有する透明な管中に含有されるサンプル中の癌細胞と血液学的前駆細胞とを相互から及び他の有核細胞から識別するために使用可能であるエピトープ細胞標識物質を含有する、凝血防止された全血サンプルを用意する工程と;
    (b)血液サンプルをその構成成分に重量によって分離させるため、及びサンプル中の通常の血液細胞ではない如何なる有核細胞をも管中の前記充分に画定された帯中に密度によって沈降させるために、管中の血液サンプルを遠心分離する工程と;
    (c)如何なる識別された有核細胞も管の前記充分に画定された帯中に存在するかどうかを知るために、管中の前記充分に画定された帯を検査する工程とを含む上記方法。
  5. 凝血防止された全血サンプル中の癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞を計数する方法であって、
    (a)管中に充分に画定された帯を形成するために使用可能であるインサートをも含有する透明な管中に含有されるサンプル中の癌細胞と血液学的前駆細胞とを相互から及び他の有核細胞から識別するために使用可能であるエピトープ細胞標識物質を含有する、凝血防止された全血サンプルを用意する工程と;
    (b)血液サンプルをその構成成分に重量によって分離させるため、及びサンプル中の如何なる有核細胞をも管の前記充分に画定された帯中に密度によって沈降させるために、管中の血液サンプルを遠心分離する工程と;
    (c)如何なる識別された有核細胞も管の前記充分に画定された帯中に存在するかどうかを知るために、管中の前記充分に画定された帯を検査する工程と;
    (d)管の前記充分に画定された帯中に存在することが判明した如何なる癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞をも計数する工程と
    を含む上記方法。
  6. サンプル中の癌細胞及び/又は血液学的前駆細胞の有無を判定するために、凝血防止された全血サンプルを分析する方法であって、
    (a)管中に充分に画定された帯を形成するために使用可能であるインサートをも含有する透明な管中に含有されるサンプル中の癌細胞と血液学的前駆細胞とを相互から及び他の有核細胞から識別するために使用可能であるエピトープ細胞標識物質と、細胞形態を明確にするステインとを含有する、凝血防止された全血サンプルを用意する工程と;
    (b)血液サンプルをその構成成分に重量によって分離させるため、及びサンプル中の血液細胞ではない如何なる有核細胞をも管の前記充分に画定された帯中に密度によって堆積させるために、管中の血液サンプルを遠心分離する工程と;
    (c)如何なる識別された有核細胞も管の前記充分に画定された帯中に存在するかどうかを確認するために、管中の前記充分に画定された帯を検査する工程と
    を含む上記方法。
  7. サンプルが、軸方向に細長いインサートをも含有する透明な管中に含有されており、この血液サンプルに少なくとも1種類の上皮細胞エピトープに特異的である少なくとも1種類の標識剤が混合されている、凝血防止された全血の遠心分離済みサンプル中の循環する上皮細胞を同定する方法であって、血液サンプル中の血小板が遠心分離中に沈下している、管中の充分に画定された帯を検査する工程と、管中のサンプルの遠心分離中に標識細胞が管中の前記充分に画定された帯中に密度によって沈下している管中の如何なる標識上皮細胞をも現場で同定する工程とを含む上記方法。
  8. サンプルが、一般に円筒形のインサートをも含有する透明な管中に含有されており、血液サンプルに上皮細胞の細胞形態を明確にするためのステインを混合されている、異常な循環上皮細胞に関して遠心分離済みの凝血防止された血液サンプルを外形計測的に分析する方法であって、
    血液サンプル中の血小板が遠心分離中に沈下している、管中の充分に画定された帯を検査する工程と、管中のサンプルの遠心分離中に上皮細胞が管中の前記充分に画定された帯中に密度によって沈下している管中の如何なる上皮細胞をも現場で外形計測的に検査して、如何なるこのような細胞も異常な形態を有するかどうかを判定する工程とを含む上記方法。
  9. 凝血防止された全血サンプル中の循環する異常な標的有核細胞の有無の検出方法であって、
    (a)軸方向に円筒形のインサートを含有する孔を有する透明な管を用意し、前記管とインサートとを組合わせて、充分に画定された帯を管中に形成する工程と;
    (b)血液サンプル中の如何なる異常な標的有核細胞をも示差的に強調するために血液サンプルに1種類以上のエピトープ特異的な標識剤を混合する工程と;
    (c)血液サンプル中の全ての有核細胞の細胞形態を明確にするために使用可能である着色剤を血液サンプルに混合する工程と;
    (d)血液サンプルを管に入れ、管中の血液サンプルを遠心分離して、血液サンプル中に存在する如何なる異常な有核細胞をも管の前記充分に画定された帯中に密度によって下降させる工程と;
    (e)管の充分に画定された帯中に存在する如何なる標識細胞をも現場で計数する工程と;
    (f)管中の充分に画定された帯中の如何なる標識細胞の細胞形態をも現場で検査する工程と
    を含み、
    (g)前記混合工程が、血液サンプルを管中に入れる前又は入れた後に行われ、(h)前記計数工程と検査工程とが不特定な順序で行われる
    上記方法。
  10. 前記計数工程と検査工程とが顕微鏡機器によって行われる、請求項9記載の方法。
  11. 前記充分に画定された帯が予め定められた倍率における顕微鏡機器の焦点操作範囲に本質的に等しい横断厚さを有する、請求項10記載の方法。
  12. 前記横断厚さが約10μ〜約100μの範囲内である、請求項11記載の方法。
  13. 凝血防止された全血サンプル中の循環する異常な標的有核細胞の有無の検出方法であって、
    (a)軸方向に細長いインサートを含有する孔を有する透明な管を用意し、前記管とインサートとを組合わせて、少なくとも約10μである横断厚さを有する、充分に画定された帯を管中に形成する管を用意する工程と;
    (b)血液サンプル中の如何なる異常な標的有核細胞をも識別するために血液サンプルに1種類以上のエピトープ特異的な標識剤を混合する工程と;
    (c)血液サンプル中の全ての有核細胞の細胞形態を明確にするために使用可能である着色剤を血液サンプルに混合する工程と;
    (d)血液サンプルを管に入れ、管中の血液サンプルを遠心分離して、血液サンプル中に存在する如何なる異常な有核細胞をも管中の前記充分に画定された帯中に密度によって沈下させる工程と;
    (e)充分に画定された帯を拡大して検査し、管の充分に画定された帯中に存在する如何なる識別された細胞をも現場で計数する工程と;
    (f)管中の充分に画定された帯中の如何なる識別された細胞の細胞形態をも現場で拡大して検査する工程と
    を含み、
    (g)前記混合工程が、血液サンプルを管中に入れる前又は入れた後に行われ、
    (h)前記計数工程と検査工程とが不特定な順序で行われる
    上記方法。
  14. 管が管中に充分に画定された環状帯を形成する一般に円筒形のインサートをも含有しており、血液サンプルに標的有核細胞上に特徴的なシグナル結果を生じるために使用可能である1種類以上のエピトープ特異的な標識剤が混合されており、前記結果が全くシグナルなしを含有することができ、標的有核細胞上の1種類以上のエピトープの有無によって定義されるものであり、前記血液サンプルに血液サンプル中の全ての有核細胞の細胞形態を明確にするために使用可能である着色剤をも混合されている、管中の凝血防止された全血の遠心分離済みサンプル中の循環する標的有核細胞の有無を検出する方法であって、標的細胞であることができ、前記充分に画定された環状帯に配置される全ての有核細胞を細胞形態によって同定する工程と、全ての同定された有核細胞を標的細胞又は非標的細胞としてさらに特徴付ける工程とを含み、前記同定工程と特徴付け工程とが管中で現場で行われる上記方法。
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