JP3170176B2 - 薬剤耐性獲得癌細胞の検出方法 - Google Patents

薬剤耐性獲得癌細胞の検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薬剤耐性を獲得した癌細
胞を高感度かつ特異的に検出する方法及び当該検出方法
に用いるキットに関する。
【0002】
【従来の技術】抗癌剤を癌患者に投与すると最初は腫瘍
が縮小して有効であるが、次第に有効性がなくなって、
最終的には抗癌剤を投与しても無効で病勢が進行する現
象がしばしば認められる。この様に、当初は奏効した抗
癌剤が長期治療のうちに次第に効かなくなったり、再発
や転移などの場合には、もはや如何なる抗癌剤も無効に
なってしまうことが多い。例えば、急性白血病患者に抗
腫瘍剤が初めて投与され一時的な完全寛解を達成したそ
の時点から、白血病細胞に出現してくる薬剤耐性は極め
て重大な問題となっている。また、対象症例と薬剤使用
経験とが蓄積されるにつれて、化学療法後再増殖する腫
瘍細胞は過去に一度も暴露されていない複数の抗腫瘍剤
に対しても耐性化することが頻繁に観察されている。こ
れが臨床的多剤耐性現象であり、白血病のみならず造血
器腫瘍一般について日常臨床の場であまねく遭遇する大
きな障害である。このような抗癌剤耐性腫瘍の薬剤耐性
を克服することが、今後の抗癌化学療法の治療成績向上
に重要であり、そのためにも薬剤耐性レベルを再現性を
もって検出できる方法論の確立が望まれている。
【0003】多剤耐性のメカニズムは、耐性獲得細胞の
細胞質膜上に分子量約17万のいわゆるP糖蛋白が多数
出現し(P:permeability)、それがポン
プの役割をしていろいろな種類の抗癌剤を細胞内からエ
ネルギーを使って積極的に追い出してしまうためである
ことが明らかにされた(Riordan,J.R.an
d Ling,V:J.Biol.Chem.,25
4,12701−12705(1979),Pasta
n,I.and Gottesman,M.,N.En
gl.J.Med.,316,1388−1393(1
987)。従ってP糖蛋白の過剰発現を検出すれば薬剤
耐性獲得癌細胞を検出できると考えられた。
【0004】しかしながら、P糖蛋白は正常組織の一部
にも発現し、代謝物の分泌、有害物の排出などの機能を
もっていると推察されている。これらの組織由来の癌が
一般に薬剤抵抗性であるのはこのP糖蛋白によると考え
られている(Fojo,A.T.,et al.,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA,84,2
65−269(1987),Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA,84,7735−7738(1
987)。従って、P糖蛋白の測定は高感度でかつ正確
でなければならない。
【0005】このP糖蛋白の測定法として、P糖蛋白を
コードする遺伝子であるmdr1のmRNAの発現のノ
ーザンブロッティングによる検出法〔Goldstei
n,L.J.,et al.,J.Natl.Canc
er Inst.,81:116−124(198
9)〕、mdr1のmRNAのリバーストランスクリプ
ターゼ法によるPCR法での検出法〔Nooman,
K.E.,et al.,Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA,87:152−156(199
0)〕等があるが、測定手段が煩雑であったり、ごく少
量混在する末梢幹細胞がmdr1のmRNAを発現して
いるため、末梢血の単核球分画からかなりのmRNAが
検出されることから、PCR法によるmdr1検出は実
際的ではないと考えられている。
【0006】また、P糖蛋白に対する抗体を用いた免疫
学的測定法も報告されている〔Ito.Y.,et a
l.,Cancer,63:1534−1538(19
89),Kuwazuru,Y.et al.,Can
cer,66:868−873(1990),Sat
o,H.et al.,Br.J.Haemato
l.,75:340−345(1990)〕が、抗癌剤
による治療成績と相関する場合や全く相関性がない場合
があり、正確な判断ができないものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のP糖
蛋白測定法による結果が実際の薬剤耐性を反映していな
いのは、測定方法の感度及び特異性に起因するものと考
えられる。従って、本発明の目的は感度及び特異性が高
く、信頼性の高い薬剤耐性獲得癌細胞の検出法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するために手段】そこで本発明者らは癌細
胞に由来するP糖蛋白のみを正確に検出するための方法
を開発すべく種々研究した結果、被検細胞に、癌細胞膜
表面抗原検出を目的として用いる抗体、細胞表面抗原を
損なわずに細胞の形態を固定し、かつ細胞膜透過性を亢
進させる細胞固定剤、及び薬剤耐性関連蛋白に対する抗
体の三者を反応させ、任意の癌細胞膜表面抗原で癌細胞
集団を特定し、薬剤耐性関連蛋白に陽性な細胞を検出す
れば、薬剤耐性獲得癌細胞が極めて高感度かつ特異的に
検出できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、被検細胞に、癌細胞
膜表面抗原検出を目的として用いる抗体、細胞表面抗原
を損なわずに細胞の形態を固定し、かつ細胞膜透過性を
亢進させる細胞固定剤、及び薬剤耐性関連蛋白に対する
抗体を反応させ、癌細胞膜表面抗原で癌細胞集団を特定
した後薬剤耐性関連蛋白に対して陽性な細胞を検出する
ことを特徴とする薬剤耐性獲得癌細胞の検出方法を提供
するものである。
【0010】また、本発明は癌細胞膜表面抗原検出を目
的として用いる抗体、細胞表面抗原を損なわずに細胞の
形態を固定し、かつ細胞膜透過性を亢進させる細胞固定
剤、及び薬剤耐性関連蛋白に対する抗体を含有する薬剤
耐性獲得癌細胞検出用キットを提供するものである。
【0011】本発明に用いられる癌細胞膜表面抗原検出
を目的として用いる抗体としては、種々の癌細胞膜表面
マーカー解析用の抗体として用いられている抗体であれ
ば特に制限されないが、モノクローナル抗体が望まし
い。ここで、癌細胞膜表面抗原としては、検出しようと
する癌細胞に特異的な膜表面抗原であれば特に制限され
ず、例えば白血病細胞の場合にはCD45、CD2、C
D3、CD7、CD10、CD13、CD14、CD1
9、CD20、CD34、CD38、CD56、HLA
−DR等が挙げられる。これらの癌細胞膜表面抗原検出
を目的として用いる抗体は、抗原抗体反応した細胞のみ
を検出する必要があることから、検出可能な標識を行う
のが好ましい。かかる標識としてはペイジニンクロロフ
ィルプロテイン(Peridinin Chlorop
hyll protein,PerCP)、Cy−ch
rome、FITC、PEなどが挙げられる。
【0012】細胞固定剤としては、細胞表面抗原を損な
わずに細胞の形態を固定し、かつ細胞膜透過性を亢進さ
せる試薬であれば特に制限されないが、例えば次の一般
式(1):
【0013】
【化1】R1R2R3R4R5-Ar-X ……(1)
【0014】〔式中、Arは炭化水素環又は複素環の芳
香族基を示し、XはSO3R6、SO2NR6R7、COOR6、CN、O
R6、OCOR6又はOCONR6R7を示し、R1 、R2 、R3 、R
4 及びR5 は同一又は異なってH、NO2、CONR6R7、COR6
X、OR6、Ar又はCF3を示し、R6 及びR7 はH、炭素数1
〜6のアルキル基又はフェニル基を示す〕で表わされる
芳香族化合物を含有する細胞固定剤が挙げられる。
【0015】上記一般式(1)で表わされる芳香族化合
物のうち、好ましいものとしては、2,4−ジニトロベ
ンゼンスルホンアミド、2,4−ジニトロフェノール、
3,5−ジニトロサリチル酸、2,4−ジニトロ安息香
酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジヒドロキシ−
1,4−ベンゼンジスルホン酸、3,5−ジニトロ安息
香酸、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸、4−
ニトロフェノール、3,5−ジニトロサリシルアルデヒ
ド、3,5−ジニトロアニリン、パラトルエンスルホン
酸、2−メシチレンスルホン酸、2−(トリフルオロメ
チル)安息香酸、3,5−ジニトロベンゾニトリル、
2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸、2,6−ジニト
ロベンゼンスルホン酸、3,5−ジニトロベンゼンスル
ホン酸等が挙げられる。
【0016】この細胞固定剤には上記一般式(1)の芳
香族化合物以外にアミンとの反応性化合物、例えばホル
ムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グルタルアルデ
ヒド、アクロレイン、グリオキサル、マロンアルデヒ
ド、ジアセチル、ポリアルデヒド、カルボジイミド、ジ
イソシアネート、ジアゾニウム化合物、ジイミドエステ
ル、マレイミド、ベンゾキノンあるいはクロム、水銀、
オスミウムの三酸化物、塩化パラジウム、ウランなどの
錯体を配合することが好ましい。これらのアミンとの反
応性化合物としては、グルタルアルデヒド、アクロレイ
ン、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドなどのア
ミン反応性アルデヒドが特に好ましい。
【0017】更にこの細胞固定剤には、ジメチルスルホ
キシド、スルホラン、1−メチル−2−ピロリドン、ポ
リエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール
などの細胞膜透過性促進剤を配合するのが好ましい。
【0018】更にまた、この細胞固定剤には、両性界面
活性剤又は非イオン界面活性剤を配合することが好まし
く、当該界面活性剤としては、例えば葉酸ナトリウム、
デオキシコレート、CHAPS、サポニン、エチレンオ
キシドのポリマー(例えばエトキシル化アルコール、エ
トキシル化アルキルフェノール、エトキシル化アミン及
びアミド)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル類
(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート
(ツイーン20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
パルミテート(ツイーン40)、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノオレエート(ツイーン80))、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル類(例えばポリオキシエチ
レン(23)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレンエ
ーテルW−1(polyox)など)が挙げられる。
【0019】特に好ましい細胞固定剤は、前記一般式
(1)の芳香族化合物、アミン反応性アルデヒド、細胞
膜透過性促進剤及び非イオン界面活性剤を含有する組成
物であり、とりわけ好ましい細胞固定剤はジメチルスル
ホキシド、2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、ホルムアルデヒド及び非イオン界面活性剤を含有
する組成物である。
【0020】このような細胞固定剤としては、例えば市
販品であるPermea Fix(オーソ社製)を用い
ることができる。この細胞固定剤を用いることにより、
薬剤耐性関連蛋白に対する抗体が、細胞内部に容易に浸
透できるため、細胞内部の薬剤耐性関連蛋白と反応す
る。一方、この細胞固定剤処理によって細胞表面抗原は
損なわれないので、癌細胞膜表面抗原検出を目的として
用いる抗体と当該膜表面抗原との反応もまた高感度に行
われる。
【0021】また、薬剤耐性関連蛋白に対する抗体とし
ては、例えばP糖蛋白に対する抗体が挙げられるが、P
糖蛋白に対するモノクローナル抗体が好ましい。このP
糖蛋白に対する抗体としては、ジャーナル オブ クリ
ニカル オンコロジー(J.Clin.Oncolog
y),vol.3,311−315(1985)記載の
抗体、特公平4−30278号公報記載のMRK4、M
RK16、MRK17等が挙げられるが、このうちMR
K16が特に好ましい。これらのP糖蛋白に対する抗体
は、前記癌細胞膜表面抗原に対する抗体に用いた標識と
は異なる検出可能な標識を行うのが好ましく、当該標記
としては、フルオレセインイソチオシアネート(flu
orescein isothiocyanate,
FITC)、フィコエリスリン(phycoeryth
rin,PE)等が挙げられる。
【0022】本発明方法に用いられる被検細胞として
は、薬剤耐性が疑われる癌患者の細胞が含まれている種
々の体液が挙げられ、具体的には血液、骨髄液、腹水、
リンパ液、関節内液及びこれらから得られる分画成分が
挙げられる。
【0023】被検細胞と癌細胞膜表面抗原検出を目的と
して用いる抗体、細胞固定剤及び薬剤耐性関連蛋白に対
する抗体との反応順序は特に制限されないが、被検細胞
に癌細胞膜表面抗原検出を目的として用いる抗体を反応
させた後、細胞固定剤を反応させ、次いで薬剤耐性関連
蛋白に対する抗体を反応させるのが好ましい。
【0024】本発明方法を実施するには、被検細胞浮遊
液に標識された癌細胞膜表面抗原検出を目的とする抗
体、細胞固定剤及び標識された薬剤耐性関連蛋白に対す
る抗体を反応させた後、両者の抗体の標識体が結合した
細胞のみを例えばフローサイトメーターにより検出する
ことにより行うのが好ましい。
【0025】被検細胞浮遊液が血液等の場合には、予め
赤血球溶血操作(例えばNH4Cl溶液処理)、非特異
的反応のブロッキング(例えばマウス血清の添加)を行
った後、細胞数を調整しておくのが好ましい。
【0026】被検細胞と癌細胞膜表面抗原検出を目的と
して用いる抗体との反応は、通常暗所にて室温で20〜
30分間インキュベーションすることにより行われる。
反応後、未反応の抗体を除去するため細胞を洗浄してお
くのが好ましい。
【0027】細胞と細胞固定剤との反応は、通常暗所に
て室温で40分間インキュベーションすることにより行
われる。反応後、未反応の細胞固定剤を除去するため細
胞を洗浄するのが好ましい。
【0028】細胞と薬剤耐性関連蛋白に対する抗体との
反応は、暗所にて室温で20〜30分間インキュベーシ
ョンすることにより行われる。反応後、未反応の抗体を
除去するため細胞を洗浄するのが好ましい。
【0029】反応が終了した段階では、癌細胞膜表面抗
原検出を目的として用いる抗体のみが任意の反応を示し
た細胞(癌細胞)、薬剤耐性関連蛋白に対する抗体のみ
が結合した細胞(薬剤耐性関連蛋白陽性細胞)、並びに
癌細胞膜表面抗原により特定された癌細胞集団に薬剤耐
性関連蛋白に対する抗体が結合した細胞(薬剤耐性関連
蛋白陽性の癌細胞集団)が反応系に存在するので、この
中から薬剤耐性関連蛋白陽性の癌細胞集団のみを検出す
る。この検出手段としては、測定データを癌細胞膜表面
抗原検出を目的として用いる抗体側方散乱光(SSC)
パラメーターを用いたドット・プロットに展開し、癌細
胞膜表面抗原によって特定された癌細胞集団(例えばC
D45弱陽性集団)のみにゲイティングを行い〔臨床血
液 35:10,1173(1994)〕、ゲイト内細
胞の薬剤耐性関連蛋白陽性率を算出する方法が挙げられ
る。通常、測定データは前方散乱光(FSC)−側方散
乱光(SSC)表示によってゲイト設定が行われるが、
このゲイト設定では良好な結果が得られない場合があ
る。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、細胞膜表面抗原検出を
目的として用いる抗体、薬剤耐性関連蛋白に対する抗体
及び細胞固定剤の三者を組合わせて使用することによ
り、癌細胞内に存在する薬剤耐性関連蛋白の測定が可能
となり、薬剤耐性獲得癌細胞を高感度かつ特異的に検出
することが可能となった。
【0031】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるもので
はない。
【0032】実施例1 (1)癌細胞膜表面抗原に対する抗体FITC標識CD
45モノクローナル抗体(HLe1:Becton D
ickinson)を用いた。
【0033】(2)P糖蛋白に対する抗体MRK16モ
ノクローナル抗体(協和メディクス)をCy3 Flu
oroLink−Ab Kit(Biological
Detection Systems,Pittsb
urgh,PA.)にてCy3標識して用いた。
【0034】(3)細胞膜表面及び細胞内P糖蛋白の染
色 採取した骨髄液又は末梢血0.1mlを、リン酸緩衝生理
食塩水(PBS:0.1%BSA、0.1%アジ化ナト
リウムを含む)3mlにて1回洗浄した後、細胞濃度をP
BSで1×106cell/mlに調整した。次に1.0
%マウス血清(ICN Immuno Biologi
cal,Costa Mesa,CA.)PBSを0.
1ml添加し、4℃にて10分間インキュベーションを行
い、非特異反応のブロッキングをした後、FITC標識
CD45モノクローナル抗体を0.01ml添加し、室
温、遮光下で30分間インキュベーションを行った。イ
ンキュベーション終了後、遠心分離(1100rpm,
5分)により細胞を集め、細胞を3mlのPBSで1回洗
浄した。次いで、細胞固定用試薬(PermeaFix
TM:Ortho Diagnostic System
s,Raritan,NJ.)を2ml添加し、室温、遮
光下で40分間反応させて、細胞の固定と細胞膜透過処
理を行った。反応終了後、2mlのPBSで1回洗浄操作
を行った後、Cy3標識MRK16抗体(0.1mg/m
l)を0.01ml添加し、室温、遮光下で30分間反応
させた。なお、対照標品としてCy3マウスIgG2a
体(Becton Dickinson Immuno
cytometry Systems,San Jos
e,CA.)を用いた。反応終了後、細胞を3mlのPB
Sに浮遊させ、室温、遮光下で60分間静置し、細胞内
部の洗浄を行った。標識細胞の測定はフローサイトメー
ター(FACScan:Becton Dickins
on Immunocytometry System
s)を用いて測定した。
【0035】(4)薬剤耐性獲得癌細胞の検出 測定データはlist modeにて取り込んだ。測定
データをCD45−SSCパラメーターを用いたドット
・プロットに展開し、CD45弱陽性細胞集団(腫瘍細
胞集団)のみにゲイティングを行い、ゲイト内細胞のM
RK16陽性率を算出した。陽性領域の設定はネガティ
ブ・コントロールを用いて行った。その結果を図に示し
た。すなわち、図1はフローサイトメトリー法による前
方散乱光(FSC)−側方散乱光(SSC)表示による
ゲート設定した結果を示す。図2は、図1によるゲート
内細胞をCD45−SSC表示法に展開し、ゲート設定
した図を示す。図1及び図2のCD45−SSC表示で
のゲイティングにより、CD45弱陽性細胞が明確に区
別され、白血病細胞群のみに選択的にゲート設定が可能
となった。
【0036】図3は細胞固定剤を用いない以外は前記と
同様に反応を行った場合の、図2のゲイティング内にお
けるMRK16陽性率を示す図であり、図4は本発明に
よる図2のゲイティング内の細胞についてのMRK16
陽性率算出結果を示す図である。この結果から、細胞固
定剤を用いない場合は、MRK16抗体が細胞内部に浸
透できないため、P糖蛋白の正確な測定がなし得ず、細
胞固定剤を用いた本発明方法によればMRK16抗体が
細胞内部に容易に浸透し、細胞内のP糖蛋白の測定が可
能となった。そして、図2及び図4の結果を併せて考慮
すれば、本発明方法によって癌細胞であって、かつP糖
蛋白陽性の細胞のみが特異的に検出できることがわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】フローサイトメトリーによるFSC−SSC表
示によりゲート設定した結果を示す図である。
【図2】フローサイトメトリーによる図1によるゲート
内細胞をCD45−SSC表示に展開しゲート設定した
結果を示す図である。
【図3】細胞固定剤を用いない場合の図2によりゲイテ
ィングされた細胞についてのMRK16陽性率を示す図
である(左側がコントロール、右側が試験群)。
【図4】図2によりゲイティングされた細胞についての
本発明方法によるMRK16陽性率を示す図である(左
側がコントロール、右側が試験群)。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−78792(JP,A) 特開 平3−254691(JP,A) 特開 昭63−309138(JP,A) 特表 平10−506881(JP,A) 国際公開96/4313(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/574 G01N 33/53

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検細胞に、癌細胞膜表面抗原検出を目
    的として用いる抗体、細胞表面抗原を損なわずに細胞の
    形態を固定し、かつ細胞膜透過性を亢進させる細胞固定
    剤、及び薬剤耐性関連蛋白に対する抗体を反応させ、癌
    細胞膜表面抗原で癌細胞集団を特定した後薬剤耐性関連
    蛋白に対して陽性な細胞を検出することを特徴とする薬
    剤耐性獲得癌細胞の検出方法。
  2. 【請求項2】 薬剤耐性関連蛋白が、P糖蛋白である請
    求項1記載の検出方法。
  3. 【請求項3】 癌細胞膜表面抗原検出を目的として用い
    る抗体、細胞表面抗原を損なわずに細胞の形態を固定
    し、かつ細胞膜透過性を亢進させる細胞固定剤、及び薬
    剤耐性関連蛋白に対する抗体を含有する薬剤耐性獲得癌
    細胞検出用キット。
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